JP2007036003A - 積層コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】無電解メッキ膜により形成された外部電極のコンデンサ本体への接合強度を高く維持することができる積層コンデンサを提供する。
【解決手段】内部電極の端部をコンデンサ本体の端面より外方に延出させ、外部電極は内部電極の延出部8を起点として析出された無電解メッキ膜4aを含んで形成される。さらに、延出部の延出寸法tは無電解メッキ膜の厚みTに対して、0.1<t/T<0.5の関係を満たすように設定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、チップ型積層セラミックコンデンサや多連型積層セラミックコンデンサ等の積層コンデンサに関し、特に、外部電極を無電解メッキ膜により形成した積層コンデンサに関するものである。
高密度集積回路等にチップ型積層セラミックコンデンサや多連型積層セラミックコンデンサ等の積層コンデンサが用いられている。
図5は、従来から一般的に知られている積層コンデンサの断面図である。かかる、積層コンデンサは、複数の誘電体層2及び内部電極3を積層してなるコンデンサ本体1の端面に外部電極4を形成した構造を有している。
ここで、外部電極は下地電極及び2層のメッキ層から構成されている。具体的には、コンデンサ本体の端面に内部電極の端部を露出させ、内部電極が露出している端面に導電性ペーストを塗布し、これを焼き付けることにより下地電極4aが形成される。そして、下地電極上にNi、Cuなどの無電解メッキ膜を析出させることにより、第1のメッキ層4bが形成される。さらに、第1のメッキ層上に半田濡れ性を良好するために、半田、Sn等の第2のメッキ層4cが形成される。
しかしながら、外部電極を上記のように形成する場合、導電性ペーストを塗布し、焼き付けることに下地電極を形成し、その後、さらにメッキ処理を施す作業が必要なため、積層コンデンサの製造工程が多く、生産性向上に供さないという問題があった。また、多端子型積層コンデンサのように外部電極がコンデンサ本体の同一端面に複数ある場合、上記のような焼き付けによる外部電極の形成方法では、下地電極用の導電性ペーストを選択的に塗布しなければならず、かかる導体ペーストの塗布時に印刷にじみ等により、隣接する外部電極間で短絡が発生しやすいという問題があった。
そこで、外部電極を焼き付けにより形成するのではなく、コンデンサ本体の端面に露出させた内部電極の端部を起点として、Cu等の無電解メッキ膜を積層体の端面に析出させることにより、外部電極を形成する方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。かかる外部電極の形成方法によれば、下地電極を形成するための塗布・焼き付け工程等を省くことができるため、積層コンデンサの生産性を大幅に向上させることができる。また、内部電極の露出部を起点とした無電解メッキ膜により外部電極が形成されるため、焼き付けによる形成方法に比べ、精度良く外部電極を形成できる。
特開2005−95680号公報
内部電極の露出部を起点として無電解メッキ膜により外部電極を形成した場合、外部電極のコンデンサ本体への接続強度は、主として、外部電極と内部電極の露出部との接触部分における両者の金属粒子同士の結合により維持されている。
しかしながら、内部電極のコンデンサ本体端面への露出部は、厚みの薄い内部電極の端部がそのままコンデンサ本体の端面から露出するようにしたものであって、その露出面積が小さい。それゆえ、外部電極とコンデンサ本体との機械的な接続強度が不十分となってしまう。特に、積層コンデンサの小型・高容量化の要求に伴って、コンデンサ本体を構成している誘電体層及び内部電極層の薄型化が進んでおり、近年では誘電体層の厚みが3.0μm以下、内部電極の厚みが1.0μm以下といった各層が非常に薄く形成された積層コンデンサが実用化されるようになっている。この場合、コンデンサ本体の焼成や積層の際、内部電極の露出部が誘電体層に覆われ易く、内部電極のコンデンサ本体端面への露出面積がより小さくなり、外部電極とコンデンサ本体との機械的な接続強度がより低下してしまう。
このように、内部電極の露出部を起点として無電解メッキ膜により外部電極を形成した場合、外部電極とコンデンサ本体との機械的な接続強度が不十分となり、外部からの衝撃等が加わると外部電極がコンデンサ本体から剥離しやすいという欠点を有していた。
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、無電解メッキ膜により形成された外部電極のコンデンサ本体への接続強度を高く維持することができる積層コンデンサを提供することにある。
本発明の積層コンデンサは、複数の誘電体層と複数の内部電極とを積層して成るコンデンサ本体と、前記コンデンサ本体の端面に設けられた外部電極とを備え、前記内部電極の端部を前記外部電極に接続してなる積層コンデンサであって、前記内部電極の端部が前記コンデンサ本体の端面より外方に延出された延出部を有し、前記外部電極が前記内部電極の延出部を起点として析出された無電解メッキ膜を含んで形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の積層コンデンサは、前記延出部の延出寸法tが、前記無電解メッキ膜の厚みTに対し、0.1<t/T<0.5の関係を満たすように設定されていることを特徴とするものである。
本発明の積層コンデンサによれば、内部電極の端部がコンデンサ本体の端面より外方に延出されるとともに、外部電極が前記内部電極の延出部を起点として析出された無電解メッキ膜を含んで形成されていることから、内部電極がコンデンサ本体の端面に延出されている分、内部電極の露出面積が増加し、無電解メッキ膜が析出される起点となる部分の面積が増大することになる。これによって、無電解メッキ膜との接続面積が増大するので、外部電極のコンデンサ本体への接合強度を高めることができるため、外部電極の剥離を有効に防止し、外部電極のコンデンサ本体に対する接続信頼性を向上させることが可能となる。
また前記延出部の延出寸法tは、前記無電解メッキ膜の厚みTに対し、0.1<t/T<0.5の関係を満たすように設定されていることが望ましい。前記延出部の延出寸法tと前記無電解メッキ膜の厚みTとの関係t/Tが、0.1より小さい場合、内部電極の露出部の面積がそれ程大きくないため、過度の応力等がコンデンサ本体に付加された場合には、外部電極のコンデンサ本体端面への接続信頼性の低下がみられるようになる。一方、前記延出部の外方への延出寸法tと前記無電解メッキ膜の厚みTとの関係t/Tが0.5を超えると、延出部のコンデンサ本体端面から突出している形状が外部電極の表面側にも顕著に現れ、外部電極の平坦性が悪くなり、外部電極の半田濡れ性、セルフアラインメント性の低下等の不具合を生じやすくなる。したがって、延出部の外方への延出寸法tが、前記無電解メッキ膜の厚みTに対し、0.1<t/T<0.5の関係を満たすように設定することによって、外部電極のコンデンサ本体への機械的な強度を強固に保持しつつ、外部電極の表面側の平坦性を良好な状態に維持することができる。
以下、本発明を添付図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による積層コンデンサの斜視図、図2は図1に示す積層コンデンサのA−A線断面、図3は図1に示す積層コンデンサのB−B線断面図である。
同図に示す積層コンデンサは、複数の誘電体層2と複数の内部電極3とを積層して成るコンデンサ本体1と、コンデンサ本体1の端面5、6に設けられた無電解メッキ膜4aを含む外部電極4とを備えた構造を有している。
コンデンサ本体1は、容量形成に寄与する容量形成層1aと、容量形成層1aの上下に積層され実質的に容量形成に寄与しないダミー層1bを含んで構成されている。
かかるコンデンサ本体1を構成する誘電体層2は、BaTiO、CaTiO、SrTiO等を主成分とする高誘電率の誘電体材料が用いられ、その厚みは例えば、1層あたり1〜3μmに設定される。そして、このような誘電体層が、例えば、20層〜200層積層されている。なお、誘電体層2の形状、厚み、積層数は、積層コンデンサの用途等により任意に変更することができる。
またコンデンサ本体1の角部や稜線部には、カケ等の不具合が発生しないように、断面円弧状の面取り部が形成される。面取り部の円弧の半径は製品外形に合わせて設定される。
コンデンサ本体1の内部に形成される内部電極3は、図2に示すように、容量形成用電極3a及びダミー電極3bを含み、容量形成用電極3aは容量形成層1aに、ダミー電極3bはダミー層1bにそれぞれ配置されている。
前記容量形成用電極3aは、一端がコンデンサ本体1の端面5、6にまで到達するように形成されている。具体的には、コンデンサ本体1の一方の端面5にまで引き出されるとともに他方の端面6との間に所定のギャップ7を有するようにして形成された容量形成用電極3aと、他方の端面6にまで引き出されるとともに一方の端面5との間に所定のギャップ7を有するようにして形成された容量形成用電極3aとが、コンデンサ本体1の内部において、誘電体層2を介して交互に配置されている。そして、これら容量形成用電極3a、3aは、コンデンサ本体1の積層方向における中央領域で互いに対向部分を有するように配置され、静電容量を形成するようになっている。
また、前記ダミー電極3bはダミー層1bの誘電体層間に配置され、先の容量形成用電極3aと同様に、一端はコンデンサ本体1の端面5、6にまで到達するように形成されているが、他端はダミー電極3bの長さがギャップ7の寸法より小さくなるように設定されている。このダミー電極3bは、容量形成には実質的に寄与しておらず、主として、外部電極4のコンデンサ本体1への接続強度を高めるために形成されているものである。すなわち、ダミー電極3bを形成することにより、コンデンサ本体1の端面に内部電極の露出部が増加し、これによって外部電極4のコンデンサ本体1への接続強度向上を図っている。
そして、容量形成用電極3a及びダミー電極3bを含む内部電極3は、その端部がコンデンサ本体1の端面5、6より外方に延出された延出部8を有している。内部電極3がコンデンサ本体1の端面5、6に延出されている分、内部電極3の露出面積が増加し、無電解メッキ膜4aを含んで形成される外部電極4のコンデンサ本体1への接合強度を高くすることができる。これによって、外部電極4の剥離を有効に防止し、外部電極4のコンデンサ本体1に対する接続信頼性を向上させることができる。
図4は、図2におけるX部分の拡大図である。延出部8は、外方への延出寸法tが、無電解メッキ膜4aの厚みTに対し、0.1<t/T<0.5の関係を満たすように設定されている。例えば、無電解メッキ膜4aの厚みTが10μmの場合、延出部8の延出寸法tは、1.5μm〜4.0μmに設定される。
延出部8の延出寸法tと無電解メッキ膜4aの厚みTとの関係t/Tが、0.1以下の場合、内部電極3のコンデンサ本体端面からの延出量が少なく、内部電極3の露出面積が小さいため、過度の応力が積層コンデンサに付加された場合に、外部電極4のコンデンサ本体端面への機械的な接続強度を良好に維持することが不可となる。一方、延出部8の外方への延出寸法tと外部電極4の厚みTとの関係t/Tが0.5を超えると、延出部8のコンデンサ本体端面から突出している形状が外部電極4の表面側にも顕著に現れるようになり、外部電極4の平坦性が悪くなり、外部電極4の半田濡れ性低下等の不具合を生じやすくなる。したがって、延出部8の外方への延出寸法tが、無電解メッキ膜4aの厚みTに対し、0.1<t/T<0.5の関係を満たすように設定することが好ましく、これによって、外部電極のコンデンサ本体1への機械的な強度を強固に保持しつつ、外部電極4の表面側の平坦性を良好な状態に維持することができる。
ここで無電解メッキ膜の厚みT及び内部電極の延出寸法tとは、積層コンデンサを内部電極3に直交する面で切断したときのコンデンサ本体1の端面から垂直方向への測定値であり、本実施形態においては三箇所の切断面から求めた測定値の平均のことをいう。より具体的には、図3に示すように、コンデンサ本体の幅方向を四等分する線(C1−C1、C2−C2、C3−C3)で切断したときの各切断面における測定値の平均である。
なお、外部電極4のコンデンサ本体端面への機械的な接続強度及び外部電極の表面側の平坦性は主として無電解メッキ膜4aに起因しているため、無電解メッキ膜4aの外表面に形成されるNiメッキ4b及びSnメッキ4cの厚み分は考慮していない。
延出部8は、図3に示すように、外部電極4との境界における平面形状が波形になっている。このように外部電極4との境界における形状を波形状になすことによって、内部電極3の露出面積がより増大するため、外部電極4のコンデンサ本体1への接続強度をいっそう高めることができる。
また延出部8は、無電解メッキ膜4aが回り込む端面9、10の一部にも形成しておくことが好ましい。これによって、コンデンサ本体1の端面9、10においても外部電極4の剥離を有効に防止することができる。
また、本実施形態においては、ダミー電極3bの延出部8の外方への寸法が、容量形成用電極3aの延出部8の外方への寸法よりも長くなっている。
なお、容量形成用電極3a及びダミー電極3bを含む内部電極3は、Ni、Ag、Pd等の金属を主成分とする導体材料が用いられ、その厚みは、例えば0.5μm〜2.0μmに設定される。
このような内部電極3の延出部8を起点として析出される無電解メッキ膜4aを含む外部電極4がコンデンサ本体1の端面に形成されることによって、内部電極3と外部電極4とが電気的・機械的に接続されることになる。かかる外部電極4の端部はコンデンサ本体1の4つの主面に延在されている。また、外部電極4はCu等の金属材料からなり、その厚みは例えば5μm〜15μmに設定される。なお、積層コンデンサを半田実装する際、半田が良好に付着するように、無電解メッキ膜4aの表面にはNiメッキ膜4bが被着形成され、さらにNiメッキの表面には、Snメッキ膜4cが被着形成されている。
次に本実施形態にかかる積層コンデンサの製造方法について説明する。
まず、BaTi0、CaTi0、SrTi0等を主成分とする誘電体材料の粉末に適当な有機溶剤、有機バインダ等を添加・混合して泥漿状のセラミックスラリを作製する。次に、得られたセラミックスラリを従来周知のドクターブレード法等によって所定形状、所定厚みの誘電体層2となるセラミックグリーンシートを形成する。なお、セラミックグリーンシートは、容量形成層1aとなる誘電体層用のセラミックグリーンシート及びダミー層1bとなる誘電体層用のセラミックグリーンシートを含んでいる。
そして、得られたセラミックグリーンシートの主面に、導体ペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって所定パターンに塗布し、内部電極3となる導体パターンを形成する。内部電極3用の導体ペーストは、Ni、Cu、Cu−Ni、Ag−Pd等の金属材料粉末に適当な有機溶剤、有機バインダ等を添加・混合することにより得られる。かかる導体ペーストには、共材として前記セラミックグリーンシートと同じ材質の誘電体材料が所定量添加されている。
本実施形態においては、容量形成用電極3a用の導体ペーストとダミー電極3b用の導体ペーストとで、添加する共材の量を変えている。具体的には、ダミー電極3b用の導体ペーストに添加する共材の量を、容量形成用電極3a用の導体ペーストに添加する共材の量よりも少なくしている。例えば、導体ペーストの主成分がNiからなる場合、容量形成用電極3a用の導体ペーストには、100重量%のNiに対し20重量%の共材が、一方、ダミー電極3b用の導体ペーストには、100重量%のNiに対し5重量%の共材がそれぞれ添加されている。
そして、容量形成用電極3a用の導体ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを所定枚数(例えば、100層)積み重ね、これを加圧・加熱することにより容量形成層1aとなる未焼成の積層体ブロックが形成される。また、容量形成層1aとなる未焼成の積層体ブロックの外側には、ダミー層1bとなる未焼成の積層体ブロックが積層されている。
次に、得られた未焼成の積層体ブロックを、コンデンサ本体の単体サイズにカットして生のコンデンサ本体を作製し、かかる生のコンデンサ本体にバレル研磨等の研磨処理を施すことより生のコンデンサ本体の稜線部や角部に面取り部を形成する。そして、生のコンデンサ本体を大気雰囲気、580℃〜620℃のピーク温度で4時間程度保持されるように計19時間程度炉の中に入れてバインダーの除去を行う。しかる後、所定雰囲気において1200℃〜1300℃のピーク温度で3時間程度保持されるように計14時間程度、炉の中で焼成を行うことにより、コンデンサ本体1が得られる。
この焼成時に、内部電極3となる導体ペーストを過焼結させることにより、溶融したNi粒子がコンデンサ本体の端面から外方に延出される。このようにして延出した部分が延出部8となる。延出部8の延出寸法は、導体ペーストに添加する共材の量を調整することにより任意に設定できる。具体的には、導体ペーストの主成分である金属材料に対する共材の含有量を増加すると、内部電極3の焼結を遅延させて溶融量を少なくし、延出部8の延出寸法を小さくできる。逆に、導体ペーストの主成分である金属材料に対する共材の含有量を減らすと、内部電極3が過焼結を引き起こし溶融量が多くなって、延出部8の延出寸法を大きくできる。
従来、コンデンサ本体1の焼成工程の後に、内部電極3をコンデンサ本体1の端面5、6に確実に露出させるべく、コンデンサ本体1にバレル研磨等の研磨処理を施す必要があるが、本実施形態においては内部電極となる導体ペーストを溶融させることにより延出部8を任意に形成していることから、内部電極3を露出させるための研磨処理が必要なく、研磨処理工程が省けるという利点もある。
このように内部電極3となる導体ペーストを溶融させることにより延出部8を形成する場合、上述したように、ダミー電極3b用の導体ペーストに添加する共材の量を、容量形成用電極3a用の導体ペーストに添加する共材の量よりも少なくしておくことが好ましい。これによって、積層コンデンサの特性を劣化させることなく、外部電極4の接続信頼性を良好に維持することが可能となる。すなわち、容量形成用電極3aに過焼結を引き起こして延出部8の延出寸法を所定量以上に大きくしてしまうと、容量形成用電極3aの密度が疎となり、例えば、容量形成用電極3aが全体に網目状になるといった現象が起こる。そうすると容量値が低下する等、積層コンデンサの電気的特性が劣化する不具合が生じる。一方、ダミー電極3bは容量形成に実施的には寄与しないので、延出部8の延出寸法を大きくしておいても積層コンデンサの電気的特性を劣化させることはない。したがって、ダミー電極3b用の導体ペーストに添加する共材の量を、容量形成用電極3a用の導体ペーストに添加する共材の量よりも少なくしておくことが好ましい。具体的に、ダミー電極3b用の導体ペーストに添加する共材の量は、ダミー電極3bの金属材料100重量%に対し5重量%以下、容量形成用電極3a用の導体ペーストに添加する共材の量は、容量形成用電極3aの金属材料100重量%に対し10〜30重量%に設定することが好ましい。
その後、延出部8が形成されたコンデンサ本体1を、Cu無電解メッキ処理液に浸漬させることにより、延出部8を起点としてコンデンサ本体1の端面に、例えば、厚みが5μm〜10μmの無電解メッキ膜4aを析出させる。続いて、無電解メッキ膜4aの外表面に、通常の電気メッキ法を用いてNiメッキ膜4bを形成し、さらにNiメッキ膜の外表面にSnメッキ膜4cを形成することにより外部電極4がコンデンサ本体1の端面に作製される。このようにして製品としての積層コンデンサが得られる。
以下に、この発明の効果をより具体的に説明するための実験例について述べる。
まず、誘電体層の材料としてBaTiO90重量%と、有機バインダとしてポリビニルブチラール樹脂10重量%に有機溶剤であるターピネオールを適量加えて、均一に混合するすることにより誘電体スラリーを得た。次にこの誘電体スラリーを、ドクターブレード法によりシート状に成形することにより誘電体グリーンシートを得た。
また内部電極の材料として、主成分であるNi粉末、有機バインダとしてエチルセルロース、共材としてBaTiOの混合物に有機溶剤としてターピネオールを適量加えて溶解させ攪拌することにより導体ペーストを得た。なお、延出部の延出寸法が異なる複数種類の積層コンデンサを得るために、添加する共材の含有量をNi粉末100重量%に対し3重量%〜25重量%の範囲で適宜変えた。
そしてこの導体ペーストを上述の誘電体グリーンシート上に印刷し、導体パターンを形成しこれを乾燥させた。
次に、導体パターンの印刷面を上にしてグリーンシートを100枚積層し、更に、この積層物の上下両面に導体パターンが形成されていないグリーンシートを積層させた。そして、得られた積層物を加圧・加熱することにより生の積層体ブロックを得た。
次に生の積層体ブロックを格子状に裁断し、生のコンデンサ本体を得た後、バレル研磨を施した。そして、この生のコンデンサ本体を600℃のピーク温度で4時間保持させることにより有機バインダーを除去し、続いて、1250℃のピーク温度で3時間保持させることによりコンデンサ本体を得た。
次に、得られたコンデンサ本体をCu無電解メッキ液に60分浸漬させることにより、内部電極の延出部を起点としてコンデンサ本体の端面にCuの無電解メッキ膜を析出させ、続いて、無電解メッキ膜の外表面にNiメッキ膜を、更にNiメッキ膜の外表面にSnメッキ膜を形成することにより外部電極を作製し積層コンデンサを得た。なお、得られた積層コンデンサの寸法は、1.6mm×0.8mmである。
このようにして得られた積層コンデンサの試料1〜14の各々100個について、JIS−C−5101に準じた試験方法で温度サイクル試験を行い、外部電極に剥離が生じたか否かを観察することによって接続信頼性を調べた。また、同試料1〜14の各々100個についてJIS−C−5101に準じた測定条件により半田濡れ性を調べた。また、無電解メッキ膜の厚みT及び内部電極の延出寸法tは、積層コンデンサを内部電極に直交する面で切断し、コンデンサ本体の端面と外部電極との境界部分を含む領域を走査電子顕微鏡(SEM)で観測することにより求めた。
表1の結果から、延出部8の延出寸法tと無電解メッキ膜の厚みTとの関係t/Tが、0.1<t/T<0.5を満たす範囲では、外部電極の接続信頼性、半田濡れ性がともに良好であることがわかる。なお、好ましい範囲は、0.15<t/T<0.4である。
Figure 2007036003
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
上述した実施形態においては、セラミックグリーンシートをドクターブレード法により作製したが、セラミックグリーンシートの作製方法はこれに限らず、例えば、樹脂フィルム上にセラミックグリーンシートとなる誘電体スラリーを塗布し、この上に内部電極用の導体ペーストを塗布していくようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、内部電極3に含有させる共材の量を変え、コンデンサ本体1の焼成時、内部電極3となる導体ペーストを過焼結させ、溶融させることにより延出部8を形成するようにしたが、延出部8の形成方法はこれに限らず、例えば、内部電極3となる導体ペーストに含有する有機バインダーの量を調整することにより延出部8を形成することも可能である。この場合、有機バインダーの量を通常よりも増やし、コンデンサ本体1の焼成時に有機バインダーが炭素として所定量残存するようにすることで、導体ペーストの金属成分に過焼結を引き起こし、これが溶融することによって延出部8が形成される。
また、上述した実施形態においては、対向する2側面に外部電極を有するチップ型積層セラミックコンデンサを例に説明したが、本発明は、多端子型コンデンサ等、内部電極の露出部を起点として析出される無電解メッキ膜により外部電極を形成し得る種々の積層コンデンサに適用可能である。
本発明の一実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。 図1に示す積層コンデンサのA−A線断面図である。 図1に示す積層コンデンサのB−B線断面図である。 図2のX部分の拡大図である。 従来の積層コンデンサの断面図である。
符号の説明
1・・・・・コンデンサ本体
2・・・・・誘電体層
3・・・・・内部電極
4・・・・・外部電極
8・・・・・延出部

Claims (2)

  1. 複数の誘電体層と複数の内部電極とを積層して成るコンデンサ本体と、前記コンデンサ本体の端面に設けられた外部電極とを備え、前記内部電極の端部を前記外部電極に接続してなる積層コンデンサであって、
    前記内部電極の端部が前記コンデンサ本体の端面より外方に延出された延出部を有し、前記外部電極が前記内部電極の延出部を起点として析出された無電解メッキ膜を含んで形成されていることを特徴とする積層コンデンサ。
  2. 前記延出部の延出寸法tが、前記無電解メッキ膜の厚みTに対し、0.1<t/T<0.5の関係を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ。
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