JP3355312B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法、それに用いる金属膜転写用部材、およびその製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法、それに用いる金属膜転写用部材、およびその製造方法

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JP3355312B2
JP3355312B2 JP14143499A JP14143499A JP3355312B2 JP 3355312 B2 JP3355312 B2 JP 3355312B2 JP 14143499 A JP14143499 A JP 14143499A JP 14143499 A JP14143499 A JP 14143499A JP 3355312 B2 JP3355312 B2 JP 3355312B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属膜転写用部
材、その製造方法および積層セラミック電子部品の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化や省資源の観点
から、積層セラミック電子部品の小型化、特に積層セラ
ミックコンデンサにおいては、積層・多層化による大容
量化が急速に進展しており、内部電極についても、より
薄く均一で欠陥の少ないものが必要とされている。
【0003】積層セラミック電子部品の内部電極の形成
方法は、金属粉末と有機結合剤からなる金属ペーストを
スクリーン印刷によりセラミックグリーンシートに印刷
する方法が一般的である。
【0004】しかしながら、従来のスクリーン印刷法で
は、原料金属粒子の粒子サイズまたはスクリーンの厚さ
などにより薄層化に限界があり、また電極が粒子の焼結
によって形成されることから、薄層化するほど電極が不
連続となりやすいという問題がある。そこで、各種薄膜
形成法により形成された金属膜を用いて内部電極を構成
する積層セラミック電子部品の製造方法が提案されてい
る。
【0005】たとえば、特公平7−54780号公報、
特開平4−314876号公報、特開平8−11584
7号公報、特開平5−74651号公報などで提案され
ている製造方法は、シリコーンコートなどの剥離処理を
施した合成樹脂または金属よりなるキャリアフィルム上
に、真空成膜法単独、または真空成膜法と湿式メッキ法
との組み合わせにより作製した金属膜を熱圧着によりセ
ラミックグリーンシートへ転写するというものである。
【0006】また、特開平6−231999号公報、特
開平10−125556号公報、特開平10−2089
80号公報で提案されている製造方法は、合成樹脂より
なるキャリアフィルム上に、無電解メッキ法により作製
した金属膜を、熱圧着または熱転写法によりセラミック
グリーンシートへ転写するというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、接着性
がほとんどない純金属膜を、一般に有機結合剤の含有量
が少ないセラミックグリーンシート上に、欠陥なく転写
することは困難であり、前述の公知技術においては概
ね、50℃以上の加熱および20kg/cm以上の
加圧が必要とされている。
【0008】この場合、所定の温度に加熱し、また所定
の圧力に加圧するためには、一定の時間を必要とするの
で生産性が低く、また、加熱手段を備えた高圧を発生す
るプレス機を必要とし、設備コストが高くなるという問
題点があった。
【0009】生産性を向上し、設備コストも低減する手
段としては、別の基体上に形成されたパターン化された
金属膜上に接着層を形成し、常温かつ低圧でセラミック
グリーンシート上に接着層を介して金属膜を転写するこ
とが考えられる。
【0010】この方法においては、金属膜転写済みセラ
ミックグリーンシートを積層する際に、金属膜の存在し
ない部位と金属膜の存在する部位との間の段差を小さく
保ち、焼結時の欠陥発生を防止するために、前記接着層
を金属膜と同等程度に薄く、且つ均一に形成することが
必要である。
【0011】また、金属膜の転写対象物であるセラミッ
クグリーンシートは、キャリアフィルム上に、剥離可能
な状態で形成されていることから、これを破壊しないよ
うにするためには、前記接着層は、パターン化された金
属膜の表面のみに形成されていることが必要である。
【0012】何故ならば、パターン化された金属膜以外
の部分、すなわち転写用基体表面にも接着層が形成され
ていれば、セラミックグリーンシートと転写用基体とが
接着してしまい、転写用基体をグリーンシートから剥が
す際に、グリーンシートを破壊してしまうおそれがある
からである。
【0013】しかしながら、このような必要条件を満足
する接着層を、通常の塗布法あるいは印刷法によって形
成することは困難である。
【0014】本発明の第1目的は、極めて薄くかつ均一
な金属膜のパターンを、グリーンシートなどの壊れやす
い被転写部材の表面に、きわめて容易且つ確実に転写す
ることができる金属膜転写用部材およびその製造方法を
提供することである。
【0015】本発明の第2の目的は、厚みが薄く且つ均
一で欠陥の少ない内部電極を持つ積層セラミック電子部
品を実現することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、金属膜の表面に均一な塗膜を形成する
ために、一般に用いられている電着塗装法が応用できる
のではないかと考え、鋭意検討を重ねた結果、本発明を
完成させるに至った。
【0017】すなわち、本発明に係る金属膜転写用部材
は、基体と、前記基体の表面に所定パターンで形成され
た金属膜と、前記金属膜の表面に電着塗装法により形成
された熱可塑性有機高分子を含む接着層とを有する。
【0018】前記接着層に含まれる熱可塑性有機高分子
が、アクリル系樹脂またはアクリル共重合系樹脂である
ことが好ましい。
【0019】前記基体は、たとえば導電性であり、この
場合には、前記基体の表面に形成された金属膜のパター
ンとしては、特に限定されず、たとえば前記基体の表面
で相互に分離された孤立パターンの集合である。この場
合において、前記金属膜は、電解メッキ法により形成さ
れた金属膜であることが好ましい。
【0020】前記基体は絶縁性であっても良く、その場
合には、前記基体の表面に形成された金属膜のパターン
が、前記基体の表面で連なっているパターンである。ま
た、この場合において、前記基体の表面に形成された金
属膜のパターンは、電着塗装時の電圧印加用電極として
用いられるパッド部を有するパターンであることが好ま
しい。
【0021】基体として絶縁性基体を用いる場合には、
基体の表面に形成するパターン化した金属膜は、接着層
の電着塗装による形成を可能とするため、全ての金属膜
のパターンが相互に連なっており、全ての金属膜のパタ
ーンに対して通電が可能な形状とする必要がある。これ
に対し、基体が導電性である場合には、金属膜のパター
ン形状に特に制限はない。
【0022】本発明において、基体の具体的形状は特に
限定されないが、シート状であることが好ましい。ま
た、基体の表面は平滑であることが好ましい。
【0023】前記接着層の厚みは、特に限定されない
が、好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは
0.1〜1.0μmである。また、金属膜の厚みも、特
に限定されないが、好ましくは0.1〜30μm、さら
に好ましくは0.1〜1.5μmである。
【0024】本発明に係る金属膜転写用部材の製造方法
は、基体の表面に所定パターンで金属膜を形成する工程
と、前記金属膜の表面に電着塗装法により熱可塑性有機
高分子を含む接着層を形成する工程とを有する。
【0025】本発明に係る金属膜転写用部材の製造方法
において、前記基体として、導電性基体を用い、当該基
体の表面には、電解メッキ法によりパターン化された金
属膜を形成し、その金属膜上のみに電着塗装法によって
前記接着層を形成することが好ましい。
【0026】本発明に係る積層セラミック電子部品の製
造方法は、基体の表面に所定パターンで金属膜が形成さ
れ、前記金属膜の表面に電着塗装法により熱可塑性有機
高分子を含む接着層が形成されている金属膜転写用部材
を、焼成後に誘電体となるグリーンシートの表面に押し
付ける工程と、前記グリーンシートの表面から前記基体
を引き離し、グリーンシートの表面に、前記接着層を介
して所定パターンの金属膜を転写する工程と、前記所定
パターンの金属膜が転写されたグリーンシートを、他の
グリーンシートと共に積層する工程と、積層されたグリ
ーンシートを焼成する工程とを有する。前記焼成工程前
に、積層されたグリーンシートを切断することが好まし
い。
【0027】
【作用】有機高分子の水系エマルジョンまたは水溶液か
らの電着による有機高分子膜の形成法は、電着塗装とい
われる自動車ボディーなどの塗装方法として、また、薄
くて均一なフォトレジスト被膜の形成などに用いられて
いる。
【0028】この塗装方法は、帯電した有機高分子粒子
またはイオン化した有機高分子が、印加された電圧によ
って陰極または陽極に泳動し、そこで放電して不溶性の
有機高分子被膜を形成することによって実現される。こ
の塗装方法は、導電性のある金属膜が形成される電解メ
ッキとは異なり、絶縁性の被膜が形成されることから、
印加した電圧によって決定される一定の厚さ以上には被
膜が成長せず、厚さの均一な塗膜が得られるという特徴
がある。
【0029】一般の電着塗装の場合は、有機高分子とし
て熱硬化性のものを選択し、有機/無機の顔料などを添
加して電着し、熱処理を行なって所望の色/硬度/耐候
性を持つ被膜とするが、本発明においては、有機高分子
として熱可塑性のものを選択することにより、接着性被
膜とすることができる。
【0030】前述の電着塗装の原理から、印加電圧によ
って塗膜厚さの制御が容易であり、また導電性の金属膜
の表面のみに被膜を形成することができ、本発明の目的
であるパターン化された金属膜の表面への薄くて均一な
接着層の形成に好適な手段と言える。本発明において形
成される接着層は、主として熱可塑性有機高分子からな
るため、多量のセラミック粉末を含むセラミックグリー
ンシートに比較して強い接着力を示し、常温かつ低い圧
力でもパターン化された金属膜を容易に転写することが
可能となる。
【0031】すなわち、本発明に係る金属膜転写用部材
を用いることにより、グリーンシートなどの壊れやすい
被転写部材の表面に、極めて薄くかつ均一な金属膜のパ
ターンを、常温および低圧で転写することができる。
【0032】また、本発明に係る金属膜転写用部材の製
造方法では、このような金属膜転写用部材を、きわめて
容易且つ低コストで製造することができる。
【0033】本発明に係る積層セラミック電子部品の製
造方法では、上述した構成の金属膜転写用部材を用いる
ので、厚みが薄く且つ均一で欠陥の少ない内部電極を持
つ積層セラミック電子部品を、きわめて容易且つ低コス
トで製造することができる。
【0034】積層セラミック電子部品としては、特に限
定されないが、積層セラミックコンデンサ、圧電素子、
チップインダクタ、チップバリスタ、チップサーミス
タ、チップ抵抗、その他の表面実装(SMD)チップ型
電子部品が例示される。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態に係
る積層セラミックコンデンサの一部破断断面図、図2は
積層セラミックコンデンサの平面図、図3は図1および
図2に示すコンデンサの製造過程に用いるグリーンシー
トの斜視図、図4は金属膜転写用部材の斜視図、図5は
図4に示すV−V線に沿う断面図、図6は本発明の他の
実施形態に係る金属膜転写用部材の斜視図である。
【0036】(第1実施形態)本実施形態では、積層セ
ラミック電子部品として、図1および図2に示す積層セ
ラミックコンデンサ2を例示し、その構造および製造方
法について説明する。
【0037】積層セラミックコンデンサの構造 図1および図2に示すように、積層セラミックコンデン
サ2は、コンデンサ素体4と、第1端子電極6と第2端
子電極8とを有する。コンデンサ素体4は、誘電体層1
0と、第1内部電極層12と、第2内部電極層14とを
有し、誘電体層10の間に、第1内部電極層12と第2
内部電極層14とが交互に積層してある多層構造を持
つ。各第1内部電極層12の一端は、コンデンサ素体4
の第1端部4aの外側に形成してある第1端子電極6の
内側に対して電気的に接続してある。また、各第2内部
電極層14の一端は、コンデンサ素体4の第2端部4b
の外側に形成してある第2端子電極8の内側に対して電
気的に接続してある。
【0038】本実施形態では、内部電極層12および1
4は、後述する金属膜22(図4参照)を誘電体グリー
ンシートに転写して形成され、金属膜22と同じ材質で
構成されるが、その厚みは、焼成による水平方向の収縮
分だけ金属膜22よりも厚くなる。
【0039】誘電体層10の材質は、特に限定されず、
たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム
および/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構
成される。各誘電体層10の厚みは、特に限定されない
が、数μm〜数百μmのものが一般的である。
【0040】端子電極6および8の材質も特に限定され
ないが、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金な
どが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使
用することができる。端子電極6および8の厚みも特に
限定されないが、通常10〜50μm程度である。
【0041】このような積層型セラミックコンデンサ2
の形状やサイズは目的や用途に応じて適宜決定すればよ
い。積層セラミックコンデンサ2が直方体形状の場合
は、通常、0.6〜3.2mm×0.3〜1.6mm×
0.1〜1.2mm程度である。
【0042】積層セラミックコンデンサの製造に用いる
金属膜転写用部材 次に、積層セラミックコンデンサの製造に用いる金属膜
転写用部材について説明する。図4に示すように、本実
施形態に係る金属膜転写用部材30は、シート状基体2
0の表面に、剥離可能なように金属膜22が所定パター
ンで形成してある。図5に示すように、金属膜22の表
面には、電着塗装法により形成された接着層24が積層
してある。
【0043】本発明において用いられる基体は、金属
板、金属箔などの導電性基体、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレンなどの絶縁性基体、あるいは実質
的に剥離しないように導電性薄膜を絶縁性基体の表面に
形成またはラミネートした複合基体のいずれでも良い
が、図4に示す実施形態では、導電性基体を用いてい
る。
【0044】なお、基体20の表面粗さは、形成する金
属膜の厚さと比較して充分に小さいことが望ましい。
【0045】パターン化した金属膜22を形成する手段
としては、あらかじめ所望のパターン形状の開口部を有
するマスクを介して、蒸着、スパッタリングなどの真空
成膜法により、基体20の表面に金属膜22を形成し、
必要に応じて、さらに電解メッキ、無電解メッキなどの
湿式製膜法により所望の膜厚まで金属膜22を成長させ
る方法が例示される。また、あらかじめ所望のパターン
形状の開口部を有するメッキレジスト層を基体20の表
面に形成した後に、電解メッキ、無電解メッキなどの湿
式成膜法により形成する方法なども用いることができ
る。
【0046】形成する金属膜22の厚さD1(図5参
照)は、用途に応じて適宜設定することができるが、た
とえば薄層化が要求される積層セラミックコンデンサの
内部電極用としては、0.1〜1.5μm程度とすれば
良い。
【0047】金属膜22の組成に関しては、制限はない
が、積層セラミック電子部品の内部電極用としては、A
g、Cu、Pd、Niなどの金属もしくはこれらの合金
とすれば良く、特に電解メッキ、無電解メッキにより金
属膜を形成する際には、P、B、S、Cなどの元素を含
んでいても良い。
【0048】また、金属膜22は単一の層から構成され
ていても良く、あるいは2以上の組成の異なる金属膜か
ら構成されていても良い。
【0049】金属膜22を形成する際の無電解メッキ浴
としては、たとえばニッケル合金膜の場合には、ホスフ
ィン酸ナトリウムを還元剤としたニッケル−リンタイプ
の浴、水素化ほう素ナトリウム、ジメチルアミンボラン
などを還元剤としたニッケル−ほう素タイプの浴などを
用いれば良いが、積層セラミック電子部品の電極として
用いる場合には、焼結時のセラミックとの反応を考慮し
て、P、Bなどの共析量が少ない浴を選択するのが望ま
しい。
【0050】金属膜22を形成する際の電解メッキ浴と
しては、たとえばニッケル金属膜を成膜する場合は、硫
酸ニッケル、塩化ニッケル、ほう酸を主成分とするいわ
ゆるワット浴、スルファミン酸ニッケル、臭化ニッケ
ル、ほう酸を主成分とするスルファミン酸浴が使用され
る。また、銅金属膜を成膜する場合には、ピロリン酸
銅、ピロリン酸カリウムを主成分とするいわゆるピロ銅
浴などの広く使われているメッキ浴が使用できる。ま
た、上記主成分以外に、メッキ浴には、応力調整剤、界
面活性剤、またはレベリング剤などの添加剤を含んでい
ても良い。
【0051】電着法による熱可塑性有機高分子から成る
接着層24の形成は、上記パターン化された金属膜22
を形成した後、有機高分子エマルジョンまたは溶液中に
基体20を浸漬し、金属膜22を陰極または陽極として
電解処理することにより行われる。
【0052】本実施形態では、基体20として導電性基
体を用いるので、パターン化された金属膜22を形成す
るために使用した、所望のパターンの開口部を持つマス
クあるいはレジスト層を残したまま、上記電解処理を行
なうことにより、パターン化された金属膜22上のみに
接着層24を形成することができる。
【0053】有機高分子エマルジョンまたは溶液として
は、エポキシ系、アクリル系、酢酸ビニル系、アクリル
共重合系などが利用可能であるが、セラミック積層体を
焼成する際の熱分解性も考慮すると、アクリル系または
アクリル共重合系の中から、陽極電解または陰極電解に
よって析出可能なものを選択するのが望ましい。
【0054】また、金属膜厚と同等以下の薄さの厚みD
2を持つ接着層24を形成するためには、エマルジョン
の粒径または分子量が十分小さいものを選択することが
望ましい。
【0055】接着層24の厚さD2は、パターン化され
た金属膜22の厚さD1と同等以下とするのが望ましい
が、これは電着電圧を所定の値に設定することにより制
御することができる。電着塗装では、印加電圧に応じた
厚みの絶縁膜が金属の表面に形成された段階で、絶縁膜
の成長が停止するからである。
【0056】なお、前記有機高分子エマルジョンまたは
溶液には、通常の電着塗装法と同様に、必要に応じて有
機/無機の顔料などを添加することもでき、接着層24
の着色が可能であると共に、積層セラミック電子部品に
おけるセラミック層と金属膜との密着性改善、金属膜の
酸化防止などの効果を持たせることも可能である。
【0057】基体20として導電性基体を用いる場合
で、パターン化のために形成したレジスト層が厚い場合
は、金属膜の転写を容易にするため、形成された有機高
分子を含む接着層24を溶解しないように選択した有機
溶剤、酸、アルカリなどの剥離液でレジスト層を剥離し
た後、図4に示す金属膜転写用部材30として供するの
が望ましい。しかしながら、レジスト層が比較的薄い場
合には、レジスト層を残したままの金属膜転写用部材3
0を用いて、金属膜の転写を行なうことも可能である。
【0058】積層セラミックコンデンサの製造方法 本実施形態の積層型セラミックコンデンサ2は、たとえ
ば上述した金属膜転写用部材30などを用いて、以下の
ようにして製造することができる。まず、誘電体層用ペ
ーストを準備する。
【0059】誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機
ビヒクルとを混練して得られた有機溶剤系ペースト、ま
たは水溶性溶剤系ペーストで構成される。誘電体原料と
しては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえ
ば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから
適宜選択され、混合して用いることができる。
【0060】有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中
に溶解したものであり、有機ビヒクルに用いられるバイ
ンダとしては、特に限定されず、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラール、アクリル樹脂などの通常の各種バ
インダが用いられる。また、有機溶剤も特に限定され
ず、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、
トルエンなどの有機溶剤が用いられる。
【0061】また、水溶性溶剤系ペーストに用いられる
水溶性溶剤としては、水に水溶性バインダ、分散剤など
を溶解させた溶剤が用いられる。水溶系バインダとして
は特に限定されず、ポリビニルアルコール、メチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性アクリル
樹脂、エマルジョンなどが用いられる。
【0062】上述した各ペーストの有機ビヒクルの含有
量は特に限定されず、通常の含有量、たとえばバインダ
は1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とす
ればよい。また、各ペースト中には必要に応じて各種分
散剤、可塑剤、ガラスフリット、絶縁体などから選択さ
れる添加物が含有されても良い。
【0063】次に、この誘電体層用ペーストを用いて、
ドクターブレード法などにより、図3に示すグリーンシ
ート10aを形成する。次に、グリーンシート10aの
表面に、図1に示す内部電極12となる金属膜のパター
ン12aを、転写法により形成する。また、別のグリー
ンシート10aの表面には、図1に示す内部電極14と
なる金属膜のパターン14aを、転写法により形成す
る。
【0064】金属膜のパターン12aおよび14aは、
同様な転写法によりグリーンシート10aの表面に形成
することができる。以下の説明では、グリーンシート1
0aの表面に電極のパターン12aを転写法により形成
する方法について説明する。
【0065】ドクターブレード法などで形成した直後の
グリーンシート10aは、通常、基材シート上に剥離可
能に積層してある。そのグリーンシート10aの表面
に、図4および図5に示す金属膜転写用部材30を、接
着層24がグリーンシート10aの表面に接触するよう
に積層させ、両者を、常温にて、好ましくは0.5〜2
0kg/cm、さらに好ましくは0.5〜10kg
/cmの圧力にて加圧する。
【0066】その結果、転写用部材30の表面に形成し
てある接着層24の作用により、所定パターンの金属膜
22は、グリーンシート10a側に良好に接着し、基体
20をグリーンシート10a側から剥がすことで金属膜
が転写され、図3に示す金属膜のパターン12aが得ら
れる。その他の金属膜のパターン14aも、同様にして
転写法により形成することができる。
【0067】本実施形態に係る金属膜転写用部材30を
用いることにより、グリーンシート10aなどの壊れや
すい被転写部材の表面に、極めて薄くかつ均一な金属膜
のパターン12aまたは14aを、常温および低圧で転
写することができる。
【0068】その後、これらパターン12aおよび14
aが形成されたグリーンシート10aを、必要に応じて
何らパターンが形成されていないグリーンシート10a
と共に複数枚積層し、切断線16に沿って切断すること
で焼成前グリーンチップを得る。
【0069】次に、このグリーンチップに対して脱バイ
ンダ処理および焼成処理を行う。脱バインダ処理は焼成
前に行われ、通常の条件で行えばよいが、特に内部電極
層の導電材としてニッケルやニッケル合金などの卑金属
を用いる場合には、空気雰囲気において、昇温速度を5
〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時
間、保持温度を180〜400℃、より好ましくは20
0〜300℃、温度保持時間を0.5〜24時間、より
好ましくは5〜20時間とする。
【0070】グリーンチップの焼成雰囲気は、金属膜の
種類に応じて適宜決定すればよいが、導電材としてニッ
ケルやニッケル合金などの卑金属を用いる場合には、焼
成雰囲気の酸素分圧を1×10−8〜1×10−12
気圧とすることが好ましい。酸素分圧が低すぎると内部
電極の導電材が異常焼結を起こして途切れてしまい、酸
素分圧が高すぎると内部電極が酸化される傾向にある。
また、焼成時の保持温度は1100〜1400℃、より
好ましくは1200〜1380℃である。この保持温度
が低すぎると緻密化が不充分となり、保持温度が高すぎ
ると内部電極の異常焼結による電極の途切れまたは内部
電極材質の拡散により容量温度特性が悪化する傾向にあ
る。
【0071】これ以外の焼成条件としては、昇温速度を
50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300
℃/時間、温度保持時間を0.5〜8時間、より好まし
くは1〜3時間、冷却速度を50〜500℃/時間、よ
り好ましくは200〜300℃/時間とし、焼成雰囲気
は還元性雰囲気とすることが望ましく、雰囲気ガスとし
てはたとえば窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを加湿し
て用いることが望ましい。
【0072】還元性雰囲気で焼成した場合は、コンデン
サチップの焼結体にアニールを施すことが望ましい。上
述した脱バインダ処理、焼成およびアニール工程におい
て、窒素ガスや混合ガスを加湿するためには、たとえば
ウェッターなどを用いることができる。この場合の水温
は5〜75℃とすることが望ましい。
【0073】以上のようにして、図1および図2に示す
コンデンサ素体4が得られる。この得られたコンデンサ
素体4の両端部に、端子電極6および8を形成すれば、
積層セラミックコンデンサ2が得られる。
【0074】本実施形態に係る積層セラミックコンデン
サの製造方法では、上述した構成の金属膜転写用部材3
0を用いるので、厚みが薄く且つ均一で欠陥の少ない内
部電極を持つ積層セラミックコンデンサ2を、きわめて
容易且つ低コストで製造することができる。
【0075】(第2実施形態)図6は、絶縁性のシート
状基体20aを用いて金属膜転写用部材30aを作製し
た例を示す。絶縁性シート20aの表面には、孤立パタ
ーンではなく、全てのパターンがパッド部26に対して
接続されるように連なっているパターンを持つ金属膜2
2aが形成してある。この金属膜22aの表面にも、図
5に示す接着層24と同様な接着層が電着塗装により形
成してある。パッド部26は、接着層24を金属膜22
aの表面のみに形成するための電着塗装時の電圧印加用
電極として用いられる。
【0076】本実施形態では、基体20aとして絶縁性
基体を用いることから、所定パターンの金属膜の成膜方
法として、次に示す方法を採用することもできる。すな
わち、真空成膜法および/または湿式成膜法で基体の全
面に金属膜を形成し、その後、所望のパターン形状のエ
ッチングレジスト層を形成し、エッチング処理により不
要部を除去する方法も用いることができる。
【0077】また、本実施形態では、絶縁性の基体20
aを用いるため、パターン化された金属膜を形成するた
めに使用したマスクあるいはレジスト層を除去した後
に、前記第1実施形態で述べた電着処理を行って、パタ
ーン化された金属膜上のみに接着層を形成することもで
きる。
【0078】本実施形態に係る金属膜転写用部材30a
のその他の構成は、前記第1実施形態に係る金属膜転写
用部材30と同一であり、同様な作用を奏する。
【0079】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0080】たとえば本発明では、長尺の基体を用いて
金属膜転写用部材を作製し、同じく長尺で作製したセラ
ミックグリーンシートと重ね合わせ、搬送過程において
加圧ロールでニップするような連続加工法の適用も可能
である。この場合には、積層セラミック電子部品の生産
性をさらに向上できる。
【0081】また、本発明の金属膜転写用部材の主たる
用途は、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミッ
ク電子部品の金属内部電極の形成であるが、薄膜形成法
で形成されたパターン化された金属膜を転写する工程を
含む用途にも適用することができる。たとえば、積層セ
ラミック電子部品の外部電極の形成や、非接触ICカー
ド用のアンテナパターンの形成などにも、本発明の金属
膜転写用部材を用いることができる。
【0082】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0083】実施例1 シリコーン塗布により、易剥離化処理されたポリエチレ
ンテレフタレート製ベースフィルムをパラジウムコロイ
ドにより処理した後、60℃に加温したニッケル−ほう
素タイプの無電解メッキ浴(上村工業製 BEL ニッ
ケル)に10分間浸漬し、全面にニッケル−ほう素合金
膜を形成した。
【0084】蛍光X線膜厚計によって、ニッケル−ほう
素合金膜の厚さを求めたところ、平均で0.9μmであ
った。
【0085】得られたニッケル−ほう素合金膜上に、所
望のパターン形状でエッチングレジストを印刷・硬化し
た後、過ほう酸ナトリウムを添加した硫酸溶液により、
不用部分のニッケル−ほう素合金膜を溶解除去し、その
後レジストを水酸化ナトリウム溶液によって溶解除去し
てパターン化された金属膜を作製した。なお、形成した
パターンは、後続する電着処理時の通電のために、個々
のパターンがすべて連なった形状とし、電源接続用のパ
ッド部を設けた。
【0086】前記ベースフィルム上に形成されたパター
ン化された金属膜を陽極として、不揮発分濃度を3.0
重量%、pHを7.0に調製したアクリル酸共重合樹脂
水溶液(中央理化 製、ESZ−5390、ガラス転移
点=−20℃、アニオンタイプ)中に浸漬し、15Vの
電圧で60秒間の電着処理を行なってアクリル酸共重合
樹脂からなる接着層を形成した。
【0087】接着層の外観は、均一な白色で、重量増加
量から電着された接着層の厚さを求めたところ0.8μ
mであった。
【0088】得られたニッケル−ほう素合金膜と接着層
の形成されたベースフィルムを、ポリエチレンテレフタ
レート製ベースフィルム上に形成したアクリル系有機結
合剤とチタン酸バリウムと可塑剤などの添加剤とからな
るグリーンシートと重ね合わせ、25℃において5kg
/cmの圧力で加圧した後、直ちにニッケル−ほう
素合金膜側のベースフィルムを取り除いた。
【0089】ニッケル−ほう素合金膜は欠落なく転写し
ており、またグリーンシートの破壊も認められなかっ
た。
【0090】比較例1 シリコーン塗布により、易剥離化処理されたポリエチレ
ンテレフタレート製ベースフィルムをパラジウムコロイ
ドにより処理した後、60℃に加温したニッケル−ほう
素タイプの無電解メッキ浴(上村工業製 BEL ニッ
ケル)に10分間浸漬し、全面にニッケル−ほう素合金
膜を形成した。
【0091】得られたニッケル−ほう素合金膜上に、所
望のパターン形状でエッチングレジストを印刷・硬化し
た後、過ほう酸ナトリウムを添加した硫酸溶液により、
不用部分のニッケル−ほう素合金膜を溶解除去し、その
後、レジストを水酸化ナトリウム溶液によって溶解除去
してパターン化された金属膜を作製した。
【0092】前記パターン化されたニッケル−ほう素合
金膜形成済みベースフィルムを、アクリル酸共重合体溶
液による電着処理を行なわず、そのままセラミックグリ
ーンシートと重ね合わせて加熱・加圧し、30秒間圧力
を保持した後、ニッケル−ほう素合金膜電極側のベース
フィルムを取り除いた。
【0093】温度25℃においては、加圧圧力を200
kg/cmとしても全く転写ができなかった。80
℃まで加熱し、加圧圧力を200kg/cmまで上
げても、ごく一部の転写しか認められなかった。
【0094】実施例2 片面を全面的に絶縁し、他面を所望のパターン形状の開
口部を残してトルエン可溶性のメッキレジストを印刷し
たステンレス板を基体として準備した。
【0095】基体に対する前処理として、アルカリ電解
脱脂、および塩酸酸洗を行った後、剥離処理液(日本化
学産業 製 ニッカノンタック)に1分間浸漬して易剥
離化処理を行った。
【0096】次いで、スルファミン酸ニッケル300g
/L、臭化ニッケル5g/L、ほう酸30g/L、およ
び応力減少剤としてのナフタリンジスルホン酸ナトリウ
ム0.5g/Lからなるスルファミン酸ニッケルメッキ
浴に浸漬し、温度50℃、pH4.5、陰極電流密度
0.5A/dmにて6分間メッキ処理を行ない、ニ
ッケル膜を析出させた。
【0097】蛍光X線膜厚計によって、ニッケル膜の厚
さを求めたところ、平均で0.5μmであった。
【0098】前記のニッケル膜形成済みのステンレス板
を陽極として、不揮発分濃度を3重量%、pHを7.0
に調製したアクリル酸エステルエマルジョン(日本NS
C製、ヨドゾール AD93、エマルジョン径=0.1
μm、ガラス転移点=−10℃、アニオンタイプ)中に
浸漬し、10Vの電圧で60秒間の電着処理を行なって
アクリル酸エステル樹脂からなる接着層を形成した。
【0099】接着層の外観は透明で、全面的に干渉色を
呈しており、重量増加量からその厚さを求めたところ
0.6μmであった。
【0100】前記のニッケル膜および接着層の形成され
たステンレス板をトルエンによって洗浄し、パターン化
のためのメッキレジストを溶解除去した。この際、電着
された接着層は溶解せず、ニッケル膜上に残留してい
た。
【0101】こうして得られた、接着層を形成したパタ
ーン化されたニッケル膜上に、ポリエチレンテレフタレ
ート製ベースフィルム上に形成したグリーンシートを重
ね合わせた。グリーンシートは、チタン酸バリウムと、
アクリル系有機結合剤および可塑剤などの添加剤とから
構成した。重ね合わせたグリーンシートとステンレス板
とを、25℃において5kg/cmの圧力で加圧した
後、直ちにステンレス板を取り除いた。
【0102】ニッケル膜は欠落なく転写しており、また
グリーンシートの破壊も認められなかった。
【0103】比較例2 実施例2と同様にしてレジストを印刷し、前処理を行っ
た基体を、スルファミン酸ニッケルメッキ浴に浸漬し、
温度50℃、pH4.5、陰極電流密度0.5A/dm
にて6分間メッキ処理を行ない、パターン化されたニ
ッケル膜を析出させた。メッキレジストをトルエンによ
り洗浄して除去し、得られたパターン化したニッケル膜
形成済みのステンレス板の全面に、不揮発分濃度を5重
量%に調製したアクリル酸エステルエマルジョン(日本
NSC 製、ヨゾドール AD93)をバーコーターに
よって塗布・乾燥し、接着層を形成した。
【0104】重量増加から計算された接着層の平均厚さ
は1μmであった。
【0105】こうして得られた、全面に接着層が形成さ
れたパターン化ニッケル膜形成済みステンレス板を、セ
ラミックグリーンシートに重ね合わせ、温度25℃にお
いて5kg/cmの圧力で加圧した後、ステンレス
板を取り除いた。
【0106】ニッケル膜はセラミックグリーンシート側
に転写されず、逆にセラミックグリーンシートが全面的
にステンレス板側へ転写してしまい、グリーンシートの
破損が生じた。
【0107】
【発明の効果】以上のように、本発明の金属膜転写用部
材は、金属膜の表面上のみに熱可塑性有機高分子の接着
層を、薄くかつ均一に形成してあるため、有機結合剤含
有量が少ないセラミックグリーンシートなどの接着性の
低い対象物に対しても、加熱することなく、また比較的
低い圧力の印加のみで容易に転写することができる。
【0108】従って、転写を実現するために、加熱機構
を持つ大型のプレス機を必要とせず、また、加熱/加圧
に要する時間も短縮できるため、生産性も向上する。
【0109】また、転写の際に、パターン化された金属
膜上以外の基体表面には接着層が存在しないことから、
転写対象へのダメージも少ない。
【0110】本発明に係る金属膜転写用部材の製造方法
では、このような金属膜転写用部材を、きわめて容易且
つ低コストで製造することができる。
【0111】特に、導電性基体上に電解メッキ法により
パターン化された金属膜を形成し、その金属膜上のみに
電着塗装法によって接着層を形成する方法においては、
高価な真空設備や貴金属触媒を必要とせず、原料となる
金属の使用量も最低限に抑制できるとともに、連続的
な、いわゆるリールtoリール処理ラインを構成するこ
とも容易である。
【0112】本発明に係る積層セラミック電子部品の製
造方法では、上述した構成の金属膜転写用部材を用いる
ので、厚みが薄く且つ均一で欠陥の少ない内部電極を持
つ積層セラミック電子部品を、きわめて容易且つ低コス
トで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミ
ックコンデンサの一部破断断面図である。
【図2】 図2は積層セラミックコンデンサの平面図で
ある。
【図3】 図3は図1および図2に示すコンデンサの製
造過程に用いるグリーンシートの斜視図である。
【図4】 図4は金属膜転写用部材の斜視図である。
【図5】 図5は図4に示すV−V線に沿う断面図であ
る。
【図6】 図6は本発明の他の実施形態に係る金属膜転
写用部材の斜視図である。
【符号の説明】
2… 積層セラミックコンデンサ 4… コンデンサ素体 6… 第1端子電極 8… 第2端子電極 10… 誘電体層 10a… グリーンシート 12… 第1内部電極層 12a… パターン 14… 第2内部電極層 14a… パターン 20,20a… 基体 22,22a… 金属膜 24… 接着層 26… パッド部 30,30a… 金属膜転写用部材

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の表面に所定パターンで金属膜が形
    成され、前記金属膜の表面に電着塗装法により熱可塑性
    有機高分子を含む接着層が形成されている金属膜転写用
    部材を、焼成後に誘電体となるグリーンシートの表面に
    押し付ける工程と、 前記グリーンシートの表面から前記基体を引き離し、グ
    リーンシートの表面に、前記接着層を介して所定パター
    ンの金属膜を転写する工程と、 前記所定パターンの金属膜が転写されたグリーンシート
    を、他のグリーンシートと共に積層する工程と、 積層されたグリーンシートを焼成する工程とを有する積
    層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記焼成工程前に、積層されたグリーン
    シートを切断する工程を有する請求項1に記載の積層セ
    ラミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の積層セラミッ
    ク電子部品の製造方法に用いられる金属膜転写用部材で
    あって、 基体と、 前記基体の表面に所定パターンで形成された金属膜と、 前記金属膜の表面に電着塗装法により形成された熱可塑
    性有機高分子を含む接着層とを有する金属膜転写用部
    材。
  4. 【請求項4】 前記接着層に含まれる熱可塑性有機高分
    子が、アクリル系樹脂またはアクリル共重合系樹脂であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の金属膜転写用部
    材。
  5. 【請求項5】 前記基体が導電性であり、前記基体の表
    面に形成された金属膜のパターンが、前記基体の表面で
    相互に分離された孤立パターンの集合である請求項3ま
    たは4に記載の金属膜転写用部材。
  6. 【請求項6】 前記金属膜が、電解メッキ法により形成
    された金属膜であることを特徴とする請求項5に記載の
    金属膜転写用部材。
  7. 【請求項7】 前記基体が絶縁性であり、前記基体の表
    面に形成された金属膜のパターンが、前記基体の表面で
    連なっているパターンである請求項3または 4に記載の
    金属膜転写用部材。
  8. 【請求項8】 前記基体の表面に形成された金属膜のパ
    ターンが、電着塗装時の電圧印加用電極として用いられ
    るパッド部を有する請求項7に記載の金属膜転写用部
    材。
  9. 【請求項9】 前記接着層の厚みが0.1〜10μmで
    ある請求項3〜8のいずれかに記載の金属膜転写用部
    材。
  10. 【請求項10】 前記金属膜の厚みが0.1〜30μm
    である請求項9に記載の金属膜転写用部材。
  11. 【請求項11】 請求項1または2に記載の積層セラミ
    ック電子部品の製造方法に用いられる金属膜転写用部材
    を製造する方法であって、 基体の表面に所定パターンで金属膜を形成する工程と、 前記金属膜の表面に電着塗装法により熱可塑性有機高分
    子を含む接着層を形成する工程とを有する金属膜転写用
    部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記基体として、導電性基体を用い、
    当該基体の表面には、電解メッキ法によりパターン化さ
    れた金属膜を形成し、その金属膜上のみに電着塗装法に
    よって前記接着層を形成する請求項11に記載の金属膜
    転写用部材の製造方法。
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