JP4776698B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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この発明は、各種センサの故障時に内燃機関の運転を継続させるためのフェールセーフ機能を有する内燃機関の制御装置に関する。
近年、運転者や車両側からの駆動力の要求値である内燃機関(以下、エンジン)の出力軸トルクをエンジン出力目標値として、エンジン制御量である空気量、燃料量及び点火時期を決定することにより、良好な走行性能を得る内燃機関の制御装置が提案されている。また、このような内燃機関の制御装置は、エンジン制御量のうち燃料量について、エンジ
ンの全運転域で変化する吸入空気流量を、エアフローセンサを介して順次検出し、この吸入空気流量に基づいて燃料量を、目標空燃比を考慮して演算し、その燃料量を用いた制御を行っている。
ここで、エンジンの制御量のうち、エンジン出力軸トルクに最も影響の大きい制御量が空気量であることが一般的に知られている。そして、例えば、特許文献1に示すような従来の内燃機関の制御装置は、空気量を比較的高精度に制御する。このような従来の内燃機関の制御装置は、エンジン目標トルクに対応した目標吸入空気量と、インマニ圧値から求めたスロットル前後の差圧とにより、目標スロットル有効開口面積を算出し、その算出した目標スロットル有効開口面積を達成するためのスロットル開度を設定する。
このように、目標吸入空気量を達成すべくスロットル開度を算出すると、大気圧や吸入空気温が変化した低圧や高温の環境下においても、良好に目標吸入空気量を達成することができる。そのため、高精度に空気量を制御するためのインマニ圧センサと、高精度に燃料量を制御するためのエアフローセンサの両方が併用されていることになる。
また、例えば、特許文献2,3に示すような内燃機関の制御装置は、エンジン制御用の各種センサの故障診断を行っており、いずれかのセンサについて故障であると診断した場合には、その故障したセンサについて代替手段を用いるためにフェールセーフモードに切換える。これらのものでは、吸入空気流量検出用のエアフローセンサが故障であると診断した場合には、エアフローセンサに代えて、インマニ圧や目標トルクやスロットル開度及びエンジン回転数を用いて、吸入空気流量を推定する。
ここで、自動車用エンジンにおいては、車両が高地走行して大気圧が低下したり、外気温が高くなって吸入空気温が上昇したりする場合には、空気密度が小さくなってエンジンに導入される実際の吸入空気量が少なくなる。そこで、大気圧や吸入空気温が常温・常圧環境下から変化し、低圧や高温の環境下となった場合でも、安定してエンジンの運転を制御する必要がある。そこで、例えば、特許文献4に示すような従来の内燃機関の制御装置では、エンジンに要求される出力と環境条件(吸気密度)とから最良燃費付近のエンジン回転数を決定し、その決定したエンジン回転数に対応する目標トルクをエンジンから発生させるように、スロットル開度を調整する。
特開平11−229904号公報 特開2000−320382号公報 特開平11−141384号公報 特開2008−157078号公報
ここで、特許文献1に示すような従来の内燃機関の制御装置は、インマニ圧センサ及びエアフローセンサのそれぞれの検出値を用いて、比較的高精度に目標吸入空気量の制御を行う。このため、両センサが故障した場合には、目標吸入空気量の精度が低下してしまい、目標吸入空気量に対する実際の吸入空気量との差が大きくなるという問題がある。
これに対して、特許文献2,3に示すような従来の内燃機関の制御装置では、インマニ圧センサ及びエアフローセンサの両センサが故障した場合に、エアフローセンサに代えて、インマニ圧や目標トルクやスロットル開度及びエンジン回転数を用いて、吸入空気流量を推定する。即ち、インマニ圧センサ及びエアフローセンサの代替手段として、フェールセーフモードとなることによって、吸入空気量の差は特許文献1に示すような従来の内燃機関の制御装置に比べて小さくなる。
しかしながら、特許文献2,3に示すような従来の内燃機関の制御装置では、低圧時や高温時の環境条件までは考慮されていないため、環境条件変化時、例えば、低圧(高地)でも常圧でも同じ目標スロットル開度となってしまう。
これに対して、特許文献4に示すような内燃機関の制御装置では、両センサの状態に関わらず、低圧時や高温時の環境条件が考慮された目標吸入空気量、つまり、目標スロットル開度を算出することが可能である。しかしながら、実際の吸入空気量に対してまで環境条件が考慮されていないため、例えば、低圧でも常圧でも実スロットル開度が同じ場合には、同じ推定吸入空気量(質量流量)となってしまう。
これらのような状況により、環境条件変化時、例えば、低圧では実際の吸入空気量は少なくなり、推定している吸入空気量は多くなることから、目標吸入空気量に対する実際の吸入空気量との差が大きくなる。従って、目標トルク演算値及び推定トルク演算値と、実発生トルクとの間の誤差が比較的大きくなることになり、特にアイドル領域においては、エンストに至るという問題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、吸入空気圧検出手段及び吸入空気流量検出手段の両方が故障した場合であっても、目標トルク指令値及び推定トルク演算値と実発生トルクとの間の誤差の拡大を抑えることができ、特にアイドル領域でのエンストの発生を回避することができる内燃機関の制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の吸気路における吸入空気流量及び吸入空気圧と、スロットルバルブのスロットルポジションと、前記内燃機関の回転数とを含む運転制御用状態量を監視し、前記内燃機関の運転を制御するものであって、前記吸入空気流量を用いて前記内燃機関が実際に吸入する実吸入空気流量を算出し、その実吸入空気流量を用いて、前記内燃機関から生じるトルクの推定値である推定トルクを算出する推定トルク演算部(推定トルク演算系)と、前記内燃機関から生じさせるトルクの目標値である目標トルクを、前記推定トルク演算部によって算出された前記推定トルクを用いて算出し、その算出した目標トルクに対応する前記スロットルバルブの目標スロットル有効開口面積を、前記吸入空気流量と前記吸入空気圧と前記運転制御用状態量とを用いて算出する目標トルク演算部(目標トルク演算系)と、前記目標トルク演算部によって算出された前記目標スロットル有効開口面積に基づいて前記スロットルバルブの駆動を制御するスロットル開度制御部と、前記吸入空気流量を検出するための第1検出手段、及び前記吸入空気圧を検出するための第2検出手段のそれぞれについて故障診断を行う故障診断部とを備え、前記故障診断部によって前記第1検出手段及び前記第2検出手段の両方が故障判定された場合に、前記目標トルク演算部は、算出した前記目標トルクを、外気の空気密度に対応する環境補正量で補正し、その補正後の前記目標トルクを用いて、前記目標スロットル有効開口面積の代替値としての目標スロットル開度を算出し、前記スロットル開度制御部は、前記目標トルク演算部によって算出された前記目標スロットル開度に基づいて前記スロットルバルブの駆動を制御し、前記推定トルク演算部は、前記スロットルポジションと前記内燃機関の回転数とを用いて、前記実吸入空気流量の代替値としての推定吸入空気量を算出し、その算出した推定吸入空気量を前記環境補正量で補正し、その補正後の推定吸入空気量を用いて前記推定トルクを算出するものである。
この発明の内燃機関の制御装置は、第1検出手段及び第2検出手段の両方が故障判定された場合に、目標トルク演算系が目標スロットル開度の算出過程で環境補正量を用いて目標トルクを補正するとともに、推定トルク演算系が推定トルクの算出過程で推定吸入空気量を補正するので、環境補正量が外気の空気密度に対応していることから、目標吸入空気量に対する実際の吸入空気量の差が環境補正量を用いない場合に比べて小さくなり、目標トルク及び推定トルクと実トルクとの誤差の拡大を抑えることができ、特にアイドル領域でのエンストを回避することができる。
この発明の実施の形態1による内燃機関を示す構成図である。 図1のエンジンの制御系を示すブロック図である。 図2のECUの空気量制御に関する機能を具体的に示すブロック図である。 エアフローセンサのみが故障判定されている場合の図2のECUの空気量制御に関する機能を示すブロック図である。 エアフローセンサ及びインマニ圧センサの両方が故障判定されている場合の図2のECUの空気量制御に関する機能を示すブロック図である。 エアフローセンサ及びインマニ圧センサの両方が故障判定されている場合の図2のECUの環境補正量を用いた空気量制御に関する機能を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置の一部を示すブロック図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による内燃機関の吸気系を示す構成図である。
図1において、エンジン1のクランクには、その回転角に応じた電気信号を生成するためのクランク角センサ11が取り付けられている。また、エンジン1の燃焼室の吸入口には、吸気路を形成する吸気管2が接続されている。
吸気管2の上流側(エンジン1の反対側)には、取り込んだ外気を浄化するためのエアクリーナ3が取り付けられている。吸気管2のエアクリーナ3の下流側(エンジン1側)には、吸入空気流量に応じた電気信号を生成する第1検出手段としてのエアフローセンサ12と、吸入路内の吸入空気温度に応じた電気信号を生成する吸入空気温センサ(吸気温センサ)13とが互いに一体又は別体に設けられている。なお、図1では、両センサ12,13が一体に構成された例を示す。
また、吸気管2のエアフローセンサ12及び吸入空気温センサ13の下流側には、エンジン1に送られる空気量を調整するためのスロットルバルブ4が設けられている。スロットルバルブ4には、そのスロットル開度に応じた電気信号を生成するスロットルポジションセンサ14が接続されている。
さらに、吸気管2の吸気路のスロットルバルブ4の下流側には、吸気脈動を解消するためのサージタンク5が設けられている。サージタンク5には、サージタンク5内の空気圧に応じた電気信号を生成する第2検出手段としてのインマニ圧センサ15が設けられている。また、サージタンク5には、排気ガスを再循環するためのEGRバルブ6が接続されている。
図2は、図1のエンジン1の制御系を示すブロック図である。図2において、電子制御ユニット(以下、ECU)100は、クランク角センサ11、エアフローセンサ12、吸入空気温センサ13、スロットルポジションセンサ14及びインマニ圧センサ15のそれぞれによって生成された電気信号を受ける。
また、ECU100は、大気圧に応じた電気信号を生成する大気圧センサ16と、これらのセンサ11〜16以外の各種センサとのそれぞれからも電気信号を受ける。この各種センサには、アクセル(図示せず)の操作量に応じた電気信号を生成するアクセルポジションセンサや、エンジン1の燃焼制御用のセンサや車両の挙動制御用のセンサ(例えば、車速センサ、水温センサ等)が含まれている。
さらに、ECU100は、センサ11〜16からの電気信号により、吸入空気流量、吸入空気温、吸入空気圧、スロットルポジション、エンジン1の回転数、及び大気圧を含む運転制御用状態量を監視する。また、ECU100は、主制御部101、目標トルク演算系(目標スロットル有効開口面積演算系)102、推定トルク演算系103、スロットル開度制御部104、故障診断部105及び環境補正量算出部106を有している。
主制御部101は、エンジン1の運転、及び車両の挙動を統括して制御する。また、主制御部101は、スロットルバルブ4の以外の各種アクチュエータ(エンジン1の燃焼制御用のアクチュエータや車両の挙動制御用のアクチュエータ)の駆動を制御する。なお、各種アクチュエータの一例としては、インジェクタや点火コイル(いずれも図示せず)やEGRバルブ6等である。
目標トルク演算系102は、エンジン1に発生させる目標トルクに関する演算を行う。推定トルク演算系103は、エンジン1から発生した実トルクを推定するための演算、即ち推定トルクに関する演算を行う。スロットル開度制御部104は、目標トルク演算系102の演算結果に基づいて、スロットルバルブ4の開度を制御する。
故障診断部105は、各センサ11〜16や、それらのセンサ11〜16以外の各種センサについて故障診断を行う。なお、ECU100は、故障診断部105によって、いずれかのセンサについて故障判定がされると、その故障判定されたセンサについて代替手段を用いた制御(フェールセーフモードによる制御)を実行する。環境補正量算出部106は、外気の空気密度に対応する環境補正量を算出する。
ここで、ECU100は、演算処理部(CPU)、記憶部(ROM、RAM及びハードディスク等)及び信号入出力部を持ったコンピュータ(図示せず)により構成することができる。ECU100のコンピュータの記憶部は、主制御部101、目標トルク演算系102、推定トルク演算系103、スロットル開度制御部104、故障診断部105及び環境補正量算出部106のそれぞれの機能(図3〜7に示す各手段を含む)を実現するためのプログラムを格納している。
次に、ECU100によるスロットルバルブ4の駆動制御について簡単に説明する。目標トルク演算系102は、入力された各種電気信号や推定トルク演算系103によって算出された推定トルクやアクセル操作量に基づいて、目標トルクを算出し、その算出した目標トルクを達成する目標吸入空気量を算出する。そして、目標トルク演算系102は、目標吸入空気量を達成する目標スロットル有効開口面積を算出し、その算出した目標スロットル有効開口面積をスロットル開度制御部104に送る。
スロットル開度制御部104は、目標トルク演算系102によって算出された目標スロットル有効開口面積を用いて、目標スロットル開度を算出する。そして、スロットル開度制御部104は、算出した目標スロットル開度を達成するように、スロットルバルブ4の開度を制御する。
なお、主制御部101は、スロットル開度制御部104によるスロットルバルブ4の開度制御と同時に、インジェクタや点火コイル(いずれも図示せず)やEGRバルブ6を含む各種アクチュエータの駆動量や駆動タイミングを算出し、それらのアクチュエータの駆動を制御する。
次に、スロットル開度制御部104によるスロットルバルブ4を用いた空気量制御について、より具体的に説明する。ここでは、エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15がともに故障判定されていない場合(即ち正常判定されている場合)におけるスロットル開度制御部104の空気量制御について説明する。
図3は、図2のECU100の空気量制御に関する機能を具体的に示すブロック図である。図3において、目標トルク演算系102は、目標トルク算出手段111、目標充填効率算出手段112、目標吸入空気量算出手段113及び目標スロットル有効開口面積算出手段114を有している。推定トルク演算系103は、実充填効率算出手段(実吸入空気流量[CCA]→実充填効率算出手段)121、推定平均有効圧(EGR/VVT補間)算出手段122、Pi/Ec(トルク/充填効率)変換係数算出手段123及び推定トルク算出手段124を有している。
目標トルク算出手段111は、推定トルク算出手段124からの推定トルクTRQと、アクセル操作量と、エンジンメカロス(フリクションやポンピング等)とを入力情報として用いて、目標トルクPi*を算出する。ここで、Pi/Ec変換係数算出手段123は、実充填効率算出手段121によって算出された実充填効率Ecと、推定平均有効圧算出手段122によって算出された推定平均有効圧Piとを用いて、下記の(1)式の演算を実行し、Pi/Ec変換係数を算出する。
Pi/Ec変換係数=Pi/Ec ・・・(1)式
目標トルク算出手段111によって算出された目標トルクPi*は、乗算器(乗算処理手段)によって、Pi/Ec変換係数算出手段123からのPi/Ec変換係数で補正される。そして、その補正後の目標トルクPi*は、目標充填効率算出手段112に送られる。目標充填効率算出手段112は、補正後の目標トルクPi*と、クランク角センサ11の電気信号に基づくエンジン回転数Neとを用いて、下記の(2)式を実行し、目標充填効率Ec*を算出する。
Ec*=f1[Pi*,Ne]・・・(2)式
但し、f1は対応関数である。なお、この(2)式の演算は、予め登録された適合マップを用いて行われる。
そして、目標充填効率算出手段112は、算出した目標充填効率Ec*を目標吸入空気量算出手段113に送る。目標吸入空気量算出手段113は、吸入空気温センサ13からの電気信号に基づく吸入空気温ATと、大気圧センサ16からの電気信号に基づく大気圧BPとを用いて、次の(3)式の演算を行い、空気密度補正係数γを算出する。
γ=(BP/101.3)*(298/(AT+273))・・・(3)式
また、目標吸入空気量算出手段113は、算出した空気密度補正係数γと、目標充填効率算出手段112から受けた目標充填効率Ec*と、クランク角センサ11からの電気信号に基づくエンジン回転数Neとを用いて、目標吸入空気量Qa*を算出する。そして、目標吸入空気量算出手段113は、その算出した目標吸入空気量Qa*を目標スロットル有効開口面積算出手段114に送る。
目標スロットル有効開口面積算出手段114は、目標吸入空気量算出手段113からの目標吸入空気量Qa*と、吸入空気温センサ13からの電気信号に基づく吸入空気温と、インマニ圧センサ15からの電気信号に基づくインマニ圧と、大気圧センサ16からの電気信号に基づく大気圧とを用いて、圧縮性流体力学の基礎物理式(エネルギー保存則、等エントロピ変化、音速の関係式など)からスロットルにおける流速や投影面積と流量の関係式の演算を実行し、目標スロットル有効開口面積CSを算出する。そして、目標スロットル有効開口面積算出手段114は、算出した目標スロットル有効開口面積CSをスロットル開度制御部104に送る。
スロットル開度制御部104は、目標スロットル有効開口面積算出手段114からの目標スロットル有効開口面積CSを用いて、下記の(4)式に示す演算を実行し、目標スロットル開度θを算出する。そして、スロットル開度制御部104は、算出した目標スロットル開度θを用いて、スロットルバルブ4の開度がその目標スロットル開度θに一致するように電子的に制御する。
θ=f2[CS]・・・(4)式
但し、f2は対応関数である。なお、この(4)式の演算は、予め登録された適合マップを用いて行われる。
実充填効率算出手段121は、エアフローセンサ12からの電気信号に基づく一定サンプリング毎に測定された吸入空気流量に関するデータを平均化処理し、そのデータを用いて、実際のエンジン1(のシリンダ)が吸入する実吸入空気流量Qaを算出する。そして、実充填効率算出手段121は、次の(5)式に示すフィルタ処理を実行することによって、実吸入空気流量Qcを算出する。つまり、実充填効率算出手段121は、吸入空気流量についてフィルタ処理を行う。
Qc=filter1[Qa,Qc(n−1),KCCA]・・・(5)式
但し、filter1は、KCCAをフィルタ係数とするフィルタ処理用の関数である。
実充填効率算出手段121は、算出した実吸入空気流量Qcを用いて実充填効率Ecを算出し、その算出した実充填効率Ecを推定平均有効圧算出手段122に送る。推定平均有効圧算出手段122は、EGR及びVVT(いずれも図示せず)を用いて下記の(6)式の補間処理を実行し、推定平均有効圧Piを算出する。推定平均有効圧算出手段122は、その算出した推定平均有効圧Piを推定トルク算出手段124に送る。
Pi=
f3[Ec,Ne]×Kvvt[Ec,Ne]×Kegr[Ec,Ne]・・・(6)式
但し、f3は対応関数、Kvvt及びKegrは補正関数である。なお、この(6)式の演算は、予め登録された適合マップを用いて行われる。
推定トルク算出手段124は、推定平均有効圧算出手段122からの推定平均有効圧Piと、予め登録されているエンジン1の排気量とに基づいて、推定トルクTRQを算出する。従って、ECU100は、目標トルク算出手段111によって算出される目標トルクPi*と、推定トルク算出手段124によって算出される推定トルクTRQとの差分により、目標吸入空気量Qa*に対してフィードバック制御を行う。
次に、故障診断部105によって、エアフローセンサ12のみが故障判定され、インマニ圧センサ15が正常判定されている場合におけるECU100の空気量制御について説明する。図4は、エアフローセンサ12のみが故障判定されている場合の図2のECU100の空気量制御に関する機能を示すブロック図である。
図4において、推定トルク演算系103は、図3に示す各手段121〜124に加えて、インマニ圧推定吸入空気量算出手段125をさらに有している。インマニ圧推定吸入空気量算出手段125は、インマニ圧センサ15からの電気信号に基づくインマニ圧を一定サンプリング周期毎に取得して、その取得したデータを平均化処理し、平均インマニ圧値Peを算出する。
また、インマニ圧推定吸入空気量算出手段125は、算出した平均インマニ圧値Peと、吸入空気温センサ13からの電気信号に基づく吸入空気温とを用いて、気体の状態方程式に基づく理論式(所定の物理式)について演算し、インマニ圧推定吸入空気量QaPeを算出する。そして、インマニ圧推定吸入空気量算出手段125は、算出したインマニ圧推定吸入空気量QaPeを実充填効率算出手段121に送る。
実充填効率算出手段121は、インマニ圧推定吸入空気量QaPeを用いて、下記の(7)式に示すフィルタ処理を実行して、実吸入空気流量Qcを算出する。
Qc=filter2[QaPe,Qc(n−1),KCCA]・・(7)式
但し、filter2は、KCCAをフィルタ係数とするフィルタ処理用の関数である。
そして、実充填効率算出手段121は、算出した実吸入空気流量Qcより実充填効率Ecを算出して、その算出した実充填効率Ecを推定平均有効圧算出手段122に送る。この後の処理については、図3に示す処理と同様である。従って、推定トルク演算系103は、エアフローセンサ12が故障判定されている場合に、インマニ圧センサ15を用いた代替処理を行うことによって、インマニ圧推定吸入空気量QaPeを算出する。
次に、故障診断部105によって、エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が故障判定されている場合(以下、「α−Neモード時」とする)におけるECU100の空気量制御について説明する。また、ここでは、外気の空気密度を考慮していない場合(即ち、環境補正量を用いていない場合)の空気量制御について説明する。図5は、エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が故障判定されている場合の図2のECU100の空気量制御に関する機能を示すブロック図である。
図5において、目標トルク演算系102は、目標スロットル開度算出手段(対応表による目標スロットル開度算出手段)115をさらに有している。エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が故障判定されている場合には、目標トルク演算系102は、図3,4に示す各手段112〜114に代えて、目標スロットル開度算出手段115を空気量制御に用いる。
推定トルク演算系103は、推定吸入空気量算出手段(対応表による推定吸入空気量算出手段)126及び推定充填効率算出手段127をさらに有している。エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が故障判定されている場合には、推定トルク演算系103は、図3,4に示す各手段121,125に代えて、推定吸入空気量算出手段126及び推定充填効率算出手段127を空気量制御に用いる。
目標スロットル開度算出手段115は、目標トルク算出手段111から受けた目標トルクPi*と、クランク角センサ11からの電気信号に基づくエンジン回転数Neとを用いて、下記の(8)式に示す演算を行い、α−Neモード時の目標スロットル開度θPiを算出する。
θPi=f4[Pi*,Ne]・・・(8)式
但し、f4は対応関数である。なお、この(8)式の演算は、予め登録された適合マップを用いて行われる。
そして、目標スロットル開度算出手段115は、算出した目標スロットル開度θPiをスロットル開度制御部104に送る。スロットル開度制御部104は、目標スロットル開度算出手段115からのα−Neモード時の目標スロットル開度θPiに一致するように、スロットルバルブ4の開度を電子的に制御する。
推定吸入空気量算出手段126は、スロットルポジションセンサ14からの電気信号に基づいて一定サンプリング毎に取得した実スロットル開度θRと、クランク角センサ11からの電気信号に基づくエンジン回転数Neとを用いて、下記の(9)式の演算処理を行い、推定吸入空気量Qaθを算出する。そして、推定吸入空気量算出手段126は、推定吸入空気量Qaθを推定充填効率算出手段127に送る。
Qaθ=f5[θR,Ne]・・・(9)式
但し、f5は対応関数である。なお、この(9)式の演算は、予め登録された適合マップを用いて行われる。
推定充填効率算出手段127は、推定吸入空気量算出手段126から受けた推定吸入空気量Qaθを用いて、下記の(10)式のCCAフィルタ処理を実行し、実吸入空気流量Qcを算出する。そして、推定充填効率算出手段127は、算出した実吸入空気流量Qcを用いて実充填効率Ecを算出し、その算出した実充填効率Ecを推定平均有効圧算出手段122に送る。この後の処理については、図3に示す処理と同様である。
Qc=filter3[Qaθ,Qc(n−1),KCCA]・・・(10)式
但し、filter3は、KCCAをフィルタ係数とするフィルタ処理用の関数である。
従って、目標トルク演算系102は、エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が故障判定されている場合には、クランク角センサ11からの電気信号に基づくエンジン回転数Neを用いた代替処理を行うことによって、目標スロットル有効開口面積CSの代替値として、目標スロットル開度θPiを算出する。
また、推定トルク演算系103は、エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が故障判定されている場合には、スロットルポジションセンサ14からの電気信号に基づく実スロットル開度θRと、クランク角センサ11からの電気信号に基づくエンジン回転数Neとを用いた代替処理を行うことによって、エアフローセンサ12の電気信号に基づく実吸入空気流量Qaの代替値として、推定吸入空気量Qaθを算出する。
次に、図5に示す代替処理を用いた空気量制御の問題点について説明する。図5の目標スロットル開度算出手段115は、目標トルクPi*とエンジン回転数Neとを用いて、前記の(8)式の演算処理によりα−Neモード時の目標スロットル開度θPiを算出し、また、図5の推定吸入空気量算出手段126は、実スロットル開度θRとエンジン回転数Neとを用いて、前記の(9)式の演算処理により推定吸入空気量Qaθを算出する。そして、推定充填効率算出手段127が、推定吸入空気量Qaθを用いて実吸入空気流量Qcを算出し、その算出した実吸入空気流量Qcを用いて実充填効率Ecを算出する。
このような演算処理の場合、例えば高地のような低圧環境下においては、普段生活する常圧環境下に比べ気圧が低いため、常圧環境下に比べて、実際の吸入空気量が少なくなってしまう。また、外気温が常温よりも高い環境下においては、常温環境下に比べて、吸入空気温が高く、空気密度が低下することにより、実際の吸入空気量が少なくなってしまう。
ここで、図5に示す代替処理を用いたものでは、目標トルクPi*をある一定値とすると、例えば、低圧や常圧などの環境条件が変化した際に、その環境条件の変化が考慮されないため、低圧環境下でも常圧環境下でも同じ目標スロットル開度θPiを算出してしまう。また、図5に示す代替処理を用いたものでは、実スロットル開度θRをある一定値とすると、低圧や常圧などの環境条件が変化した際に、その環境条件の変化が考慮されないため、高温環境下でも常温環境下でも同じ推定吸入空気量Qaθを算出してしまう。
従って、図5に示す代替処理を用いたものでは、低圧や高温などの環境条件では推定吸入空気量よりも実際の吸入空気量が少なくなるという現象が発生する。このため、算出される目標トルク及び推定トルクのそれぞれと、実際に発生するトルクとの間の誤差が比較的大きくなってしまい、アイドル領域では、エンストに至る可能性がある。
次に、このような問題を解決するためのECU100の機能について説明する。図6は、エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が故障判定されている場合の図2のECU100の環境補正量を用いた空気量制御に関する機能を示すブロック図である。図6において、エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が故障判定されている場合に、目標トルク演算系102及び推定トルク演算系103は、空気量制御に際して、環境補正量算出部106からの環境補正量を用いる。
環境補正量算出部106は、吸入空気温センサ13からの電気信号に基づく吸入空気温AT、大気圧センサ16からの電気信号に基づく大気圧BPを用いて、先の(3)式の演算を行い、空気密度補正係数γを算出する。環境補正量算出部106は、算出した空気密度補正係数γを環境補正係数Kとする。この環境補正係数Kは、空気密度補正係数γであることから、先の(3)式に示すように、大気圧BP及び吸入空気温ATによって変動するため、外気の空気密度に対応する係数となっている。
ここで、図3に示すPi/Ec変換係数算出手段123におけるトルクと充填効率との関係から、制御全域ではないものの、目標トルクPi*と目標充填効率Ec*は比例関係にあるものと考えることができる。このため、次の(11)式に基づいて、目標トルクPi*と目標充填効率Ec*とを置き換えることができ、目標体積効率Evを算出することができる。そして、空気密度補正係数γによる環境補正係数Kを用いることによって、目標トルクPi*及び推定トルクTRQについて、低圧や高温などの環境変化を考慮した補正が可能となる。
Pi*/γ ∝ Ec*/γ(=Ev:目標体積効率) ・・・(11)式
また、環境補正量算出部106は、算出した環境補正係数Kを演算ゲインGで補正し、その補正後の環境補正係数Kを環境補正量とする。ここで、演算ゲインGは、吸入空気温AT及び大気圧BP以外の変化要因(例えば、水温等)に対して環境補正量を補正するための補正値である。環境補正量算出部106は、例えば、水温センサ(図示せず)を介して監視している水温に対応する演算ゲインGを、予め登録された適合マップを用いて選択し、その選択した演算ゲインGで環境補正係数Kを補正する。また、演算ゲインGは、例えば、0〜2程度の範囲の値である。
次に、環境補正量を用いた場合のECU100の空気量制御について簡単に説明する。目標トルク演算系102において、目標トルク算出手段111によって算出された目標トルクPi*は、除算器(除算処理手段)によって、環境補正量算出部106からの環境補正量で補正される。そして、その補正後の目標トルクPi*は、目標スロットル開度算出手段115に送られる。この後の処理については、図3又は図5に示す処理と同様である。
また、推定トルク演算系103において、推定吸入空気量算出手段126によって算出された推定吸入空気量Qaθは、乗算器(乗算処理手段)によって、環境補正量算出部106からの環境補正量で補正される。そして、その補正後の推定吸入空気量Qaθは、推定充填効率算出手段127に送られる。この後の処理については、図3又は図5に示す処理と同様である。
上記のような内燃機関の制御装置では、故障診断部105によってエアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が同時に故障判定された場合に、目標トルク演算系102が、目標スロットル開度の算出過程で、環境補正量を用いて目標トルクPi*を補正する。これとともに、推定トルク演算系103が、推定トルクの算出過程で、環境補正量を用いて推定吸入空気量Qaθを補正する。これにより、環境補正量が外気の空気密度に対応していることから、目標吸入空気量に対する実際の吸入空気量の差が、環境補正量を用いない場合に比べて小さくなる。従って、目標トルク及び推定トルクと実トルクとの誤差の拡大を抑えることができ、特にアイドル領域でのエンストを回避することができる。つまり、故障診断部105によってエアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が同時に故障判定された場合であっても、トルク制御の精度の低下を抑えることができる。
また、環境補正量算出部106が、環境補正係数Kを演算ゲインGで補正して環境補正量を算出する。これにより、外気の空気密度以外の環境変化についても、空気量制御を対応させることができ、トルク制御の精度をより向上させることができる。
なお、実施の形態1では、環境補正量算出部106が環境補正係数Kを演算ゲインGで補正して環境補正量とした。しかしながら、この例に限定するものではなく、演算ゲインGを省略して、環境補正係数Kを環境補正量としてもよい。
次に、実施の形態1の環境補正係数Kを、空気密度補正係数γに代えて、大気圧と所定の適合マップとを用いて算出する場合の例について説明する。この例での環境補正量算出部106は、大気圧BPと大気圧対応補正値Mbpとが互いに関連付けられた適合マップを予め記憶している。また、環境補正量算出部106は、大気圧センサ16からの電気信号に基づく大気圧BPを用いて、次の(12)式に示す演算を行うことによって、大気圧対応補正値Mbpを算出する。
Mbp=f6(BP)・・・(12)式
但し、f6は対応関数である。
そして、環境補正量算出部106は、算出した大気圧対応補正値Mbpを環境補正係数Kとし、その環境補正係数Kを演算ゲインGで補正して、環境補正量を算出する。又は、環境補正量算出部106は、算出した大気圧対応補正値Mbpを環境補正量とする(演算ゲインGでの補正を省略)。
この場合の例では、環境補正係数Kを大気圧と所定の適合マップとを用いて算出する場合でも、空気密度補正係数γを環境補正係数Kとする場合と同様の効果を得ることができる。また、空気密度補正係数γの算出過程においては吸入空気温AT及び大気圧BPが用いられたが、大気圧対応補正値Mbpの算出過程においては大気圧BPのみが用いられるため、処理を簡素化することができる。
次に、実施の形態1の環境補正量を、空気密度補正係数γに基づく環境補正係数Kに代えて、所定の固定値とした場合の例について説明する。この例での目標トルク演算系102及び推定トルク演算系103は、所定の固定値として定数Cを予め記憶している。この定数Cは、低圧及び高温の少なくともいずれか一方の環境下において、エンジン1のアイドル状態を維持するための最低限の値であり、事前に測定され設定された最適値である。なお、この場合の例では、先に説明した環境補正量算出部106を省略可能となる。
この場合の例では、環境補正量を定数Cとした場合であっても、環境補正量を空気密度補正係数γに基づく環境補正係数Kとする場合と同様の効果を得ることができる。また、環境補正量の算出処理が不要となることにより、処理をより簡素化することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、故障診断部105によってエアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が同時に故障判定された場合に、推定トルク演算系103が環境補正量を用いて推定吸入空気量Qaθを補正した。これに対して、実施の形態2では、故障診断部105によってエアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が同時に故障判定された場合に、推定トルク演算系203が、推定トルクの算出過程で目標吸入空気量Qa*を実吸入空気流量Qaに代入して用いる。
図7は、この発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置の一部を示すブロック図である。なお、図7は、エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が故障判定されている場合のECU100の空気量制御に関する機能を示す。また、実施の形態2の目標トルク演算系102の目標スロットル有効開口面積算出手段114以外の処理と、スロットル開度制御部104の処理とは、実施の形態1の図3の処理と同様である。
図7において、実施の形態2の推定トルク演算系203は、実充填効率算出手段221、推定平均有効圧算出手段222、Pi/Ec変換係数算出手段223及び推定トルク算出手段224を有している。実充填効率算出手段221は、目標吸入空気量算出手段113によって算出された目標吸入空気量Qa*をそのまま実吸入空気流量Qaに代入して、前記の(5)式のフィルタ処理を行い、実吸入空気流量Qcを算出する。そして、実充填効率算出手段221は、算出した実吸入空気流量Qcを用いて実充填効率Ecを算出し、その算出した実充填効率Ecを推定平均有効圧算出手段222に送る。
推定平均有効圧算出手段222は、実充填効率算出手段221からの実充填効率Ecと、クランク角センサ11からの電気信号に基づくエンジン回転数Neとを用いて、下記の(13)式の演算を行い、推定平均有効圧Piを算出する。
Pi=f7[Ec,Ne]・・・(13)式
但し、f7は対応関数である。なお、この(13)式の演算は、予め登録された適合マップを用いて行われる。
そして、推定平均有効圧算出手段222は、算出した推定平均有効圧PiをPi/Ec変換係数算出手段223及び推定トルク算出手段224に送る。なお、Pi/Ec変換係数算出手段223及び推定トルク算出手段224の処理は、それぞれ実施の形態1のPi/Ec変換係数算出手段123及び推定トルク算出手段124の処理と同様である。
ここで、目標トルク演算系102による目標吸入空気量Qa*の算出過程には、実施の形態1(図3,4の処理)と同様に、空気密度補正係数γが用いられている。これにより、目標吸入空気量Qa*は、大気圧BP及び吸入空気温AT、即ち外気の空気密度が考慮された値になっている。そして、推定トルク演算系203は、目標吸入空気量Qa*を実吸入空気流量Qaに代入するので、実吸入空気流量Qaを用いて算出される推定トルクについても、外気の空気密度が考慮されたものとなる。
実施の形態2の目標スロットル有効開口面積算出手段114は、インマニ圧センサ15故障時には、スロットルポジションセンサ14からの電気信号に基づくスロットル開度と、クランク角センサ11からの電気信号に基づくエンジン回転数Neとからインマニ圧推定値を算出する。
そして、目標スロットル有効開口面積算出手段114は、目標スロットル有効開口面積CSの算出過程において、インマニ圧センサ15からの電気信号に基づくインマニ圧に代えて、算出したインマニ圧推定値を用いる。この結果、インマニ圧センサ15の故障による影響は軽微となる。なお、目標スロットル有効開口面積算出手段114の他の処理ついては、図3,4に示す実施の形態1の目標スロットル有効開口面積算出手段114の処理と同様である。
上記のような内燃機関の制御装置では、エアフローセンサ12及びインマニ圧センサ15の両方が故障判定された場合に、推定トルク演算系203が、推定トルクの算出過程で目標吸入空気量Qa*を実吸入空気流量Qaに代入して用いる。即ち、目標吸入空気量Qa*を実吸入空気流量Qaに代入することで、推定トルク演算系203における推定トルクについての演算処理が外気の空気密度を考慮したものとなる。このような処理であっても、推定トルクの算出精度が向上することにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態1、2は、吸入空気温センサ13からの電気信号に基づいてECU100が吸入空気温を監視した。しかしながら、この例に限定するものではなく、吸入空気温センサ13に代えて、他のセンサからの電気信号に基づいて吸気温を推定する手段を用いて、ECU100が大気圧を間接的に監視してもよい。
また、実施の形態1,2では、大気圧センサ16からの電気信号に基づいてECU100が大気圧を監視した。しかしながら、この例に限定するものではなく、大気圧センサ16に代えて、他のセンサからの電気信号に基づいて大気圧を推定する手段を用いて、ECU100が大気圧を間接的に監視してもよい。
1 エンジン(内燃機関)、2 吸気管、4 スロットルバルブ、11 クランク角センサ、12 エアフローセンサ(第1検出手段)、13 吸入空気温センサ、14 スロットルポジションセンサ、15 インマニ圧センサ(第2検出手段)、16 大気圧センサ、102 目標トルク演算系、103,203 推定トルク演算系、104 スロットル開度制御部、105 故障診断部、106 環境補正量算出部。

Claims (6)

  1. 内燃機関の吸気路における吸入空気流量及び吸入空気圧と、スロットルバルブのスロットルポジションと、前記内燃機関の回転数とを含む運転制御用状態量を監視し、前記内燃機関の運転を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記吸入空気流量を用いて前記内燃機関が実際に吸入する実吸入空気流量を算出し、その実吸入空気流量を用いて、前記内燃機関から生じるトルクの推定値である推定トルクを算出する推定トルク演算部と、
    前記内燃機関から生じさせるトルクの目標値である目標トルクを、前記推定トルク演算部によって算出された前記推定トルクを用いて算出し、その算出した目標トルクに対応する前記スロットルバルブの目標スロットル有効開口面積を、前記吸入空気流量と前記吸入空気圧と前記運転制御用状態量とを用いて算出する目標トルク演算部と、
    前記目標トルク演算部によって算出された前記目標スロットル有効開口面積に基づいて前記スロットルバルブの駆動を制御するスロットル開度制御部と、
    前記吸入空気流量を検出するための第1検出手段、及び前記吸入空気圧を検出するための第2検出手段のそれぞれについて故障診断を行う故障診断部と
    を備え、
    前記故障診断部によって前記第1検出手段及び前記第2検出手段の両方が故障判定された場合に、
    前記目標トルク演算部は、算出した前記目標トルクを、外気の空気密度に対応する環境補正量で補正し、その補正後の前記目標トルクを用いて、前記目標スロットル有効開口面積の代替値としての目標スロットル開度を算出し、
    前記スロットル開度制御部は、前記目標トルク演算部によって算出された前記目標スロットル開度に基づいて前記スロットルバルブの駆動を制御し、
    前記推定トルク演算部は、前記スロットルポジションと前記内燃機関の回転数とを用いて、前記実吸入空気流量の代替値としての推定吸入空気量を算出し、その算出した推定吸入空気量を前記環境補正量で補正し、その補正後の推定吸入空気量を用いて前記推定トルクを算出する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記運転制御用状態量は、前記吸気路における吸入空気温と、大気圧とをさらに含み、
    前記大気圧及び前記吸入空気温を用いて空気密度補正係数を算出し、その算出した空気密度補正係数を、前記環境補正量として前記目標トルク演算部及び前記推定トルク演算部に送る環境補正量算出部
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記運転制御用状態量は、大気圧をさらに含み、
    前記大気圧と、前記大気圧に対応する所定の適合マップとを用いて前記環境補正量を算出し、その算出した環境補正量を前記目標トルク演算部及び前記推定トルク演算部に送る環境補正量算出部
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記環境補正量算出部は、算出した前記環境補正量を、外気の変化要因以外の変化要因に対応して予め設定された演算ゲインを用いて補正する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記目標トルク演算部及び前記推定トルク演算部は、前記環境補正量として、所定の固定値を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  6. 内燃機関の吸気路における吸入空気流量、吸入空気温及び吸入空気圧と、スロットルバルブのスロットルポジションと、前記内燃機関の回転数と、大気圧とを含む運転制御用状態量を監視し、前記内燃機関の運転を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記吸入空気流量を用いて前記内燃機関が実際に吸入する実吸入空気流量を算出し、その実吸入空気流量を用いて、前記内燃機関から生じるトルクの推定値である推定トルクを算出する推定トルク演算部と、
    前記内燃機関から生じさせるトルクの目標値である目標トルクを、前記推定トルク演算部によって算出された前記推定トルクを用いて算出し、前記大気圧及び前記吸入空気温を用いて空気密度補正係数を算出し、算出した前記目標トルク及び前記空気密度補正係数と前記内燃機関の回転数と前記吸入空気温と前記大気圧とを用いて目標吸入空気量を算出し、その算出した目標吸入空気量と前記吸入空気圧とを用いて前記スロットルバルブの目標スロットル有効開口面積を算出する目標トルク演算部と、
    前記目標トルク演算部によって算出された前記目標スロットル有効開口面積に基づいて前記スロットルバルブの駆動を制御するスロットル開度制御部と、
    前記吸入空気流量を検出するための第1検出手段、及び前記吸入空気圧を検出するための第2検出手段のそれぞれについて故障診断を行う故障診断部と
    を備え、
    前記目標トルク演算部は、前記故障診断部によって前記第1検出手段及び前記第2検出手段のうちの少なくとも前記第2検出手段が故障判定された場合に、前記スロットルポジションに基づくスロットル開度と前記内燃機関の回転数とを用いて推定吸入空気圧を算出し、前記推定吸入空気圧を前記吸入空気圧として代入して前記目標スロットル有効開口面積を算出し、
    前記推定トルク演算部は、前記故障診断部によって前記第1検出手段及び前記第2検出手段の両方が故障判定された場合に、前記目標トルク演算部により算出された前記目標吸入空気量を前記吸入空気流量として代入して前記実吸入空気流量を算出する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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