JP2019094873A - 内燃機関制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】処理負荷が高くなることを抑制しつつ、トルクの監視が正確に行われるか否かを判定できる内燃機関制御システムを提供すること。【解決手段】ECUは、エンジンの燃焼状態を制御する制御部と、エンジンに要求されている要求トルクと、エンジンの実トルクの推定値である推定トルクとを用いて、トルク異常状態であるか否かのトルク監視を行う監視部と、を備えている。監視部は、エアフロセンサで検出された空気流量を取得するとともに、インジェクタ50への駆動信号とエンジン回転数とを用いて空気流量の推定値である推定空気流量を推定する(S10〜S40)。そして、監視部は、取得した空気流量と、推定した推定空気流量とを比較して、空気流量と推定空気流量との乖離が所定量に達していると判定した場合、トルク監視が正常に行われないと診断する(S50〜S70)。【選択図】図3

Description

本開示は、内燃機関制御システムに関する。
従来、機関の回転数と吸気管圧力又はスロットル開度とから機関の吸入空気量を推定し、推定吸入空気量と空気流量センサによる吸入空気量を比較して、空気流量センサの故障を検出する内燃機関の燃料制御装置がある。
特開平4−262031号公報
ところで、内燃機関制御システムの一例とし、内燃機関の制御を行う制御部とは別に、要求トルクと推定トルクとを比較することで、トルクを監視する監視部を備えている技術が考えられる。また、推定トルクは、機関の吸入空気量を用いて算出することができる。
この場合、監視部は、推定トルクを算出するために用いるセンサが故障などによって異常な値を出力すると、その異常な値を用いて推定トルクを算出してしまうので、トルクを正確に監視できない。そこで、特許文献1に開示されているように、推定吸入空気量と空気流量センサによる吸入空気量を比較して空気流量センサの故障を検出することで、トルクの監視が正確に行われているか否かを判断することが考えられる。
しかしながら、特許文献1に開示されている吸気管圧センサやスロットル開度センサなどを用いた吸気の圧力変化に基づく吸気流量推定モデルは、圧力変化が早いため、高周期でサンプリングする必要があり、モデル推定を行う装置の処理負荷が高くなる。
本開示は、上記問題点に鑑みなされたものであり、処理負荷が高くなることを抑制しつつ、トルクの監視が正確に行われるか否かを判定できる内燃機関制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本開示は、
ドライバが要求する内燃機関の駆動トルクに応じて、少なくとも燃料噴射装置を駆動制御しつつ、内燃機関の燃焼状態を制御する制御部(20)と、
内燃機関に要求されている要求トルクと、内燃機関の実トルクの推定値である推定トルクとを用いて、トルク異常状態であるか否かのトルク監視を行う監視部(30)と、を備え、
監視部は、
推定トルクを推定するために、空気流量センサで検出された、内燃機関の気筒に供給される空気流量を取得する取得部(S40)と、
燃料噴射装置への駆動信号と内燃機関の回転数とを用いて、空気流量の推定値である推定空気流量を推定する推定部(S10〜S30)と、
取得部にて取得した空気流量と、推定部にて推定した推定空気流量とを比較して、空気流量と推定空気流量との乖離が所定量に達していると判定した場合、トルク監視が正常に行われないと診断する異常診断部(S50〜S70)と、を備えていることを特徴とする。
このように、本開示は、燃料噴射装置への駆動信号と内燃機関の回転数とから推定した推定空気流量を取得する。つまり、燃料噴射装置への駆動信号と内燃機関の回転数がわかれば、単位時間あたり/単位気筒あたりの燃料噴射量が概算できる。また、単位時間あたり/単位気筒あたりの燃料噴射量が分かれば、それに応じてどの程度の空気が内燃機関に供給されているかも概算できる。よって、本開示は、燃料噴射装置への駆動信号と内燃機関の回転数とから空気流量を推定することができる。
この燃料噴射装置への駆動信号や内燃機関の回転数は、吸気の圧力変化ほど急激な変化をしない。このため、本開示は、吸気管圧センサやスロットル開度センサなどを用いて、吸気の圧力変化を用いて空気流量を推定する場合ほど高周期でサンプリングする必要がない。よって、本開示は、推定空気流量を取得するために処理負荷が高くなることを抑制することができる。
また、本開示は、このように推定した推定空気流量と空気流量センサで検出された空気流量との乖離が所定量に達しているか否かを判定する。そして、本開示は、推定空気流量と空気流量との乖離が所定量に達している場合、燃料噴射装置の駆動信号、内燃機関の回転数、空気流量センサによる空気流量のいずれかが正常ではないと判断することができる。さらに、本開示は、空気流量センサによる空気流量によって推定トルクを推定するので、推定空気流量と空気流量との乖離が所定量に達している場合、トルク監視が正常に行われないと判断することができる。このように、本開示は、処理負荷が高くなることを抑制しつつ、トルク監視が正確に行われているか否かを判定することができる。
なお、特許請求の範囲、及びこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態におけるECUの概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態における制御部と監視部の概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態における監視部の処理動作を示すフローチャートである。 第2実施形態における制御部と監視部の概略構成を示すブロック図である。 第3実施形態における監視部の処理動作を示すフローチャートである。 第4実施形態における監視部の処理動作を示すフローチャートである。
以下において、図面を参照しながら、本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
(第1実施形態)
図1は、車両に搭載された電子制御装置(Electronic Control Unit)であって、車両に搭載された内燃機関の動作を制御するECU10を示す。本実施形態では、内燃機関制御システムをECU10に適用した例を採用する。本実施形態に係る内燃機関は点火着火式のガソリンエンジンであるが、自着火式のディーゼルエンジンであってもよい。以下においては、内燃機関を単にエンジンとも記載する。
ECU10は、MCU11(Micro Controller Unit)、点火駆動IC12、燃料噴射弁駆動IC13、電子スロットル駆動IC14、第2通信部15及び統合IC16などを備えている。以下においては、燃料噴射弁駆動IC13をINJ駆動IC13、電子スロットル駆動IC14を電スロ駆動IC14と略称で記載する。
MCU11は、演算処理装置であるCPU11aと、記憶媒体であるメモリ11mと、入力処理回路11bと、第1通信部11cと、CPUチェック部11dなどを備えている。また、MCU11は、制御部20及び監視部30を有している。これらは、いずれについても、共通するCPU11a及びメモリ11mにより提供される機能である。すなわち、メモリ11mの制御用記憶領域20mに記憶された制御プログラムをCPU11aが実行している時のCPU11a及びメモリ11mは、制御部20として機能する。一方、メモリ11mの監視用記憶領域30mに記憶された監視プログラムをCPU11aが実行している時のCPU11a及びメモリ11mは、監視部30として機能する。制御用記憶領域20m及び監視用記憶領域30mは、メモリ11mの記憶領域のうち異なる領域に、別々に設定されている。
しかしながら、本開示は、これに限定されない。ECU10は、CPUとメモリとを含む制御部20と、制御部20とは異なるCPUとメモリとを含む監視部30とを備えていてもよい。
図1に示す例では、MCU11は1つの半導体チップ上に、CPU11a、メモリ11m、入力処理回路11b、第1通信部11c及びCPUチェック部11dが集積されているが、複数の半導体チップに分散して集積させてもよい。また、複数の半導体チップに分散して集積させた場合、共通の基板に複数の半導体チップを実装させてもよいし、複数の基板の各々に半導体チップを実装させてもよい。さらに、共通した1つの筐体に各々の半導体チップを収容させてもよいし、別々の筐体に収容させてもよい。
メモリ11mは、プログラム及びデータを記憶する記憶媒体であり、CPU11aによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体を含む。記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって提供されうる。メモリ11mに記憶されたプログラムは、CPU11aによって実行されることで、ECU10をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように制御装置を機能させる。なお、メモリ11mは、データを一時的に格納する記憶媒体を含んでいてもよい。
制御装置が提供する手段及び/又は機能は、実体的な記憶媒体に記録されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によって提供することができる。
MCU11には、例えば、アクセル開度センサ41、スロットルセンサ、カムセンサ、クランクセンサ42、エアフロセンサ43、水温センサ、インマニ圧センサなどが、入力処理回路11bと電気的に接続されている。また、MCU11には、外部ECUが第1通信部11cと電気的に接続されている。よって、MCU11は、各種センサからのセンサ信号や外部ECUからの外部信号が入力される。
アクセル開度センサは、車両の運転者によるアクセル操作量に応じた電気信号を出力する。なお、電気信号は、例えば電圧信号である。MCU11は、アクセル開度センサ41からのセンサ信号に基づき、車両の運転者つまりエンジンのドライバが操作したアクセルペダルの踏込量を演算する。
スロットルセンサは、スロットルバルブの開度(スロットル開度)に応じたセンサ信号を出力する。MCU11は、スロットルセンサからのセンサ信号に基づき、スロットル開度を演算する。
カムセンサは、カムシャフトの回転に応じてパルス状のセンサ信号を出力する。クランクセンサ42は、エンジンのクランクシャフト(出力軸)の回転に応じてパルス状のセンサ信号を出力する。MCU11は、クランクセンサ42からのセンサ信号に基づき、クランクシャフトの単位時間当りの回転数、つまりエンジン回転数を演算する。また、MCU11は、カムセンサ及びクランクセンサ42からのセンサ信号に基づき、気筒判別を行う。なお、エンジン回転数は、内燃機関の回転数に相当する。
エアフロセンサ43は、空気流量センサに相当し、エンジンの吸入空気量に応じた信号を出力する。MCU11は、エアフロセンサ43より出力されるセンサ信号に基づき、吸気流量や流速を演算する。また、吸気流量は、推定トルクの算出に用いるパラメータである。吸気流量は、空気流量に相当する。
水温センサは、エンジンを冷却する冷却水の温度に応じた信号を出力する。MCU11は、水温センサからのセンサ信号に基づき、冷却水の温度を演算する。インマニ圧センサは、サージタンク又は吸気マニホールド内の吸気圧に応じたセンサ信号を出力する。MCU11は、インマニ圧センサからのセンサ信号に基づき、燃焼室へ吸入される吸気の圧力を演算する。
外部ECUから出力された外部信号は、例えば、エンジンの出力軸を駆動源とする補機の動作状態を表す信号が挙げられる。上記補機の具体例としては、車室内を空調する空調装置が有している。冷媒圧縮機であって、エンジンの出力軸を駆動源とするコンプレッサが挙げられる。
点火駆動IC12は、点火装置と電気的に接続されている。点火駆動IC12は、エンジンが備えている点火装置への電力供給と、電力供給の遮断を制御するスイッチング素子を有している。MCU11は、このスイッチング素子への指令信号を出力する。具体的には、MCU11は、上記した各種信号に基づき、点火装置で放電点火させる時期の目標値である目標点火時期を演算し、演算した目標点火時期に応じて指令信号を点火駆動IC12へ出力する。なお、目標点火時期は、要求点火時期と言い換えることもできる。
INJ駆動IC13は、図2に示すように、インジェクタ50に電気的に接続されている。INJ駆動IC13は、エンジンが備えているインジェクタ50の燃料噴射弁への電力供給と遮断を制御するスイッチング素子を有している。MCU11は、このスイッチング素子への指令信号を出力する。具体的には、MCU11は、上記した各種信号に基づき、燃料噴射弁で燃料噴射させる期間(つまり噴射量)の目標値である目標噴射量を演算し、演算した目標噴射量に応じて指令信号をINJ駆動IC13へ出力する。なお、目標噴射量は、要求噴射量と言い換えることもできる。
そして、MCU11は、INJ駆動IC13への指令信号によってスイッチング素子を制御して、インジェクタ50の燃料噴射弁への電力供給を示す駆動信号と、電力供給の遮断を示す駆動信号を出力することで、インジェクタ50の燃料噴射弁を駆動する。このように、MCU11は、INJ駆動IC13におけるスイッチング素子を介して、インジェクタ50への駆動信号を出力する、と言える。なお、インジェクタ50は、燃料噴射装置に相当する。
電スロ駆動IC14は、図2に示すように、電子スロットル60に電気的に接続されている。電スロ駆動IC14は、エンジンが備えている電子スロットル60における電子スロットルバルブ(電スロ)への電力供給と、電力供給の遮断を制御するスイッチング素子を有している。MCU11は、このスイッチング素子への指令信号を出力する。具体的には、MCU11は、上記した各種信号に基づき、電スロのバルブ開度の目標値である目標開度を演算し、演算した目標開度に応じて指令信号を電スロ駆動IC14へ出力する。なお、目標開度は、要求吸気流量と言い換えることもできる。
このように、ECU10は、点火装置、燃料噴射弁及び電スロの動作を制御することで、エンジンの燃焼状態を制御する。つまり、ECU10は、少なくともインジェクタ50を駆動制御しつつ、エンジンの燃焼状態を制御するとも言える。そして、MCU11により演算される目標点火時期、目標噴射量及び目標開度は、エンジンの燃焼状態を制御する制御量の目標値である目標制御量に相当する。
第2通信部15は、MCU11からの指示に応じて、MCU11が把握している各種情報を外部ECUへ出力する。MCU11は、例えば、トルク監視異常、エアフロセンサ異常など異常が生じている旨を表す異常フラグの信号を、第2通信部15を介して、車両運転者が視認する表示装置の動作を制御する表示ECUへ出力する。表示ECUは、異常フラグの信号を取得した場合に警告表示や警告音を発生させる。しかしながら、本開示は、警告表示や警告音を発生させなくて目的を達成できる。
CPUチェック部11dは、メモリ11mに記憶されているプログラム及びデータが正常であるか否かのチェックを実行する等、CPU11a及びメモリ11mが正常であるか否かをチェックする。このチェックは、例えばパリティチェックなどを採用できる。
統合IC16は、図示しないメモリ、及びメモリに記憶されている各種のプログラムを実行するCPU等を備えている。統合IC16は、CPUが実行するプログラムに応じて、マイコン監視部16aとして機能したり、電スロカット部16bとして機能したりする。マイコン監視部16aは、CPUチェック部11dのチェック結果を参照しつつ、MCU11の動作不良を監視する。
統合IC16は、マイコン監視部16aが異常を検出した場合には、電スロの動作を制限するといった電スロカットの制御を実行する。電スロカット部16bは、電スロ駆動IC14へ電スロカットを指令する信号である電スロカット指令信号を出力する。統合IC16は、電スロカット指令信号を出力することで、例えば、アクセル開度にかかわらず、予め設定しておいた所定開度に目標開度を固定して、エンジンの出力が所定出力未満となるように制限する。あるいは、目標開度をゼロにしてエンジンを強制的に停止させる。なお、電スロ駆動IC14は、MCU11から出力される指令信号よりも電スロカット指令信号を優先して動作する。
制御部20は、ドライバが要求するエンジンの駆動トルクであるユーザ要求トルクに応じて、上記目標制御量を算出する。一方、監視部30は、エンジンに要求されている要求トルクと、エンジンの実トルクの推定値である推定トルクとを用いて、トルク異常状態であるか否かのトルク監視を行う。このように、ECU10は、制御部20と監視部30とを備えた内燃機関制御システムを提供する。
まず、制御部20に関して説明する。制御部20は、要求トルク算出部21及び駆動信号出力部22としての機能を有している。要求トルク算出部21は、入力処理回路11b及び第1通信部11cから取得した各種信号に基づき、エンジンに要求するべきトルクである要求トルクを算出する。なお、要求トルクは、エンジンに要求するべきトルクであるため、機関要求トルクとも言える。
ここで、図2を用いて、要求トルク算出部21に関して詳しく説明する。なお、図2においては、複数のICのうちINJ駆動IC13及び電スロ駆動IC14のみを図示している。
要求トルク算出部21は、ドライバ要求トルク算出部21aと目標トルク算出部21bとを有している。ドライバ要求トルク算出部21aは、アクセル開度センサ41からのセンサ信号、すなわちアクセル開度に基づきドライバ要求トルクを算出する。アクセル開度が大きいほど、ドライバ要求トルクは大きい値に算出される。例えば、アクセル開度とドライバ要求トルクとの相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、ドライバ要求トルク算出部21aは、そのマップを参照して、アクセル開度に応じたドライバ要求トルクを算出する。
なお、ドライバ要求トルク算出部21aは、アクセル開度に加えて、エンジン回転数に基づきドライバ要求トルクを算出してもよい。この場合、エンジン回転数が高回転数であるほど、ドライバ要求トルクは大きい値に算出される。また、エンジン回転数及びアクセル開度とドライバ要求トルクとの相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、ドライバ要求トルク算出部21aは、そのマップを参照して、エンジン回転数及びアクセル開度に応じたドライバ要求トルクを算出する。
目標トルク算出部21bは、ドライバ要求トルクを用いて機関要求トルクを算出する。例えば、目標トルク算出部21bは、リザーブ込みトルクを、トルク効率で除算して、機関要求ルクを算出する。要するに、目標トルク算出部21bは、総ロストルク及びリザーブトルクをドライバ要求トルクに加算した値を、トルク効率で除算することで、機関要求トルクを算出する。
この場合、目標トルク算出部21bは、ポンプロス、フリクションロス、及びロストルク学習値などを加算して、総ロストルクを算出する。さらに、目標トルク算出部21bは、ドライバ要求トルク、総ロストルク、及び外部要求トルクを加算して、ロス込みトルクを算出する。外部要求トルクの具体例としては、車載バッテリへの充電を目的として、内燃機関で駆動する発電機による発電量を増大させるといった、発電増大分のトルクが挙げられる。
なお、ポンプロスは、エンジンのピストンが往復動する際に吸排気から受ける抵抗によるエネルギーロスである。フリクションロスは、エンジンのピストンが往復動する際のシリンダとの摩擦による機械エネルギーロスである。
また、目標トルク算出部21bは、ロス込みトルクに、リザーブトルクを加算して、リザーブ込みトルクを算出する。具体的には、目標トルク算出部21bは、アイドルリザーブ、触媒暖機リザーブ及び補機リザーブの各々に相当するトルクを加算してリザーブトルクを算出する。アイドルリザーブトルクとは、内燃機関のアイドル運転時に発進性/加速性を考慮して意図的に点火遅角状態からの点火進角による即応性を向上させるトルクアップ分に相当するトルクのことである。触媒暖機リザーブトルクとは、内燃機関の排気を浄化する触媒を活性化温度以上に温度上昇させるべく排気温度を上昇させる暖機制御を実施するにあたり、排気温度を上昇させることに用いる燃焼エネルギのロス分をトルクに換算した値のことである。補機リザーブトルクとは、内燃機関を駆動源とする発電機等の補機を駆動させるのに要するトルクのことである。また、これら各々のリザーブトルクは、エンジン回転数、エンジン負荷及び水温等のエンジンの運転状態に応じて設定される。
さらに、目標トルク算出部21bは、最大トルク発生点火時期(MBT点火時期)、ノック学習込みベース遅角量及び目標ラムダに基づき、トルク効率を算出する。MBT点火時期とは、最大トルクが得られる点火時期のことであり、エンジン回転数やエンジン負荷、水温等に応じて異なる時期となる。但し、MBT点火時期ではノッキングが生じやすいので、MBT点火時期よりも所定時間遅い時期、つまり所定角度遅角させた時期で点火させることが要求される。その遅角させた時期をベース点火時期と呼ぶ。その遅角量(ベース遅角量)は、エンジン回転数やエンジン負荷、水温等に応じて異なる。
また、ノッキングがセンサで検出された場合には、点火時期を所定時間だけ遅角させるように補正するフィードバック制御を実行してもよい。この遅角補正量(ノック学習量)を次回以降の点火時期制御に反映させる学習制御をノック学習と呼ぶ。そして、ベース点火時期にノック学習量を反映させた時期が目標点火時期に相当する。
制御部20は、MBT点火時期から目標点火時期を減算して得られた時期を、MBT点火時期に対する目標点火時期の遅角量であるMBT遅角量として算出する。制御部20は、算出したMBT遅角量及び目標ラムダに基づき、トルク効率を算出する。
トルク効率とは、燃焼室での燃焼エネルギのうち、クランク軸の回転トルクに変換される分のエネルギの割合のことである。MBT遅角量が小さいほど、つまり目標点火時期がMBT点火時期に近いほど、トルク効率は高い値に算出される。目標ラムダとは、燃焼室で燃焼する混合気に含まれる、空気と燃料の比率(ラムダ)の目標値のことである。目標トルク算出部21bは、目標ラムダに応じた値にトルク効率を算出する。例えば、MBT遅角量及び目標ラムダとトルク効率との相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、目標トルク算出部21bは、そのマップを参照して、MBT遅角量及び目標ラムダに応じたトルク効率を算出する。
なお、上記したMBT点火時期、ベース点火時期及び目標ラムダの各々は、エンジン回転数、エンジン負荷及び水温等のエンジンの運転状態に応じて、制御部20により設定される。
また、上記ノック学習に係る学習制御は、制御部20により実行される。本実施形態に係るECU10は、点火駆動IC12から出力される駆動電流又は電圧を検出する検出回路を備えている。そして、制御部20は、その検出回路による検出値を用いて機関要求トルクを演算している。具体的には、上記検出値に基づき実点火時期を算出し、その実点火時期を用いてノック学習に係る学習制御を実行し、ノック学習量を算出している。
なお、ここで採用した、機関要求トルクの算出方法は、一例に過ぎない。本開示は、これに限定されない。つまり、機関要求トルクの算出方法は、特に限定されない。
駆動信号出力部22は、要求吸気流量算出部22aと要求噴射量算出部22bなどを備えている。駆動信号出力部22は、要求トルク算出部21で算出された機関要求トルクに応じて目標制御量を算出し、算出した目標制御量に応じて各IC12〜14に各種指令信号を出力することで、各アクチュエータ50、60などに駆動信号を出力する。
例えば、要求吸気流量算出部22aは、要求トルク算出部21で算出された機関要求トルクに応じて要求吸気流量を算出し、算出した要求吸気流量に応じて電スロ駆動IC14に指令信号を出力する。このようにして、要求吸気流量算出部22aは、電子スロットル60に駆動信号を出力する。また、要求噴射量算出部22bは、要求トルク算出部21で算出された機関要求トルクに応じて要求空燃比を算出し、算出した要求空燃比と吸気流量から算出した要求噴射量に応じてINJ駆動IC13に指令信号を出力する。このようにして、要求噴射量算出部22bは、インジェクタ50に駆動信号を出力する。なお、駆動信号出力部22は、要求トルク算出部21で算出された機関要求トルクに応じて要求点火時期を算出し、算出した要求点火時期に応じて点火駆動IC12に指令信号を出力する。
次に、監視部30に関して説明する。監視部30は、エンジンに要求されている要求トルクと、エンジンの実トルクの推定値である推定トルクとを用いて、トルク異常状態であるか否かのトルク監視を行う。このように、ECU10は、制御部20と監視部30とを備えた内燃機関制御システムを提供する。
要求トルクは、エンジンに要求されているトルクのことであり、制御部20の要求トルク算出部21により算出される要求トルクと同義である。但し、監視部30で算出される要求トルクは、トルク異常の監視に用いられる値である。一方、制御部20で算出される要求トルクは、エンジンに対する目標制御量の算出に用いられる値である。つまり、監視用の要求トルクと制御用の要求トルクは、用途が異なる。また、監視用の要求トルクと制御用の要求トルクは、メモリ11mの記憶領域のうち異なる領域に記憶されたプログラムによって演算された値である。
監視部30は、図1に示すように、入力保障部31、トルク監視部32としての機能を有している。入力保障部31は、図2に示すように、噴射量変換部31a、推定吸気流量算出部31b、特性診断部31cとしての機能を有している。
入力保障部31は、入力処理回路11b及び第1通信部11cから取得した各種信号のデータが正常であることをチェックする。入力保障部31は、異常であれば、データ修復、データ再取得、データ廃棄等を実行する。これにより、監視部30は、異常データを用いて各種算出を行うことを回避できる。つまり、入力保障部31は、監視部30による算出に用いられる各種データが正常であることを保障する。ここでのチェックは、上記と同様に、パリティチェックなどを採用できる。
また、入力保障部31は、INJ駆動IC13の駆動信号が入力され、この駆動信号が正常であることをチェックする。そして、入力保障部31は、トルク監視部32によるトルク監視が正常に行われているか否かを診断する。この点に関しては、後程詳しく説明する。
トルク監視部32は、要求トルク算出部32a、推定トルク算出部32b、トルク異常判定部32c及び電スロカット制御部32dとしての機能を有している。トルク異常判定部32cは、要求トルク算出部32aにより算出された機関要求トルクと、推定トルク算出部32bにより算出された推定トルクとの差分を算出し、その差分が所定以上であればトルク異常状態であると判定する。トルク異常状態であると判定された場合、電スロカット制御部32dは、電スロカット部16bと同様にして、電スロ駆動IC14へ電スロカットを指令する信号を出力する。なお、トルク監視部32は、トルク異常状態であると判定された場合、INJ駆動IC13への通電をカットしてもよい。
要求トルク算出部32aは、例えば、触媒暖機要求トルク及びアイドル要求トルクと、ドライバ要求トルクと、外部要求トルクとを加算して機関要求トルクを算出する。要求トルク算出部32aは、入力処理回路11b及び第1通信部11cから取得した各種信号であって、入力保障部31により保障された信号に基づき機関要求トルクを算出する。
この場合、要求トルク算出部32aは、触媒暖機目標回転数及びアクセル開度に基づき、触媒暖機要求トルクを算出する。エンジンの排気を浄化する触媒を活性化温度以上に温度上昇させるべく排気温度を上昇させる暖機制御を実行している期間におけるエンジン回転数の目標値が触媒暖機目標回転数である。そして、要求トルク算出部32aは、暖機制御を実行している期間におけるアクセル開度及び触媒暖機目標回転数に基づき、触媒暖機要求トルクを算出する。
触媒暖機要求トルクとは、触媒暖機リザーブトルクと同義である。但し、監視部30で算出される触媒暖機要求トルクは、トルク異常の監視に用いられる値である。一方、制御部20で算出される触媒暖機リザーブトルクは、エンジンに対する目標制御量の算出に用いられる値である。つまり、これら監視用の触媒暖機要求トルクと制御用の触媒暖機リザーブトルクは、メモリ11mの記憶領域のうち異なる領域に記憶されたプログラムによって演算された値である。
なお、本実施形態では、触媒暖機要求トルクの算出に用いる変数の例示として触媒暖機目標回転数及びアクセル開度を記載しているが、他の変数として、水温、ドライバ要求トルク、エンジン回転数及び吸気充填効率が挙げられる。吸気充填効率とは、スロットルバルブを通過した吸気の流量に対する、燃焼室で圧縮される吸気の流量の比率のことである。要求トルク算出部32aは、これらの変数の少なくとも1つを用いて触媒暖機要求トルクを算出する。
要求トルク算出部32aは、アクセルペダルが踏み込まれていない時の触媒暖機目標回転数が大きいほど、触媒暖機要求トルク(リザーブ量)を大きく算出する。また、要求トルク算出部32aは、アクセルペダルが踏み込まれている時のアクセル開度が所定未満であれば触媒暖機要求トルクを所定値に設定し、所定以上であればゼロに設定する。さらに、水温やエンジン回転数に応じて触媒暖機要求トルクを増減させてもよいし、特に吸気充填効率に応じて触媒暖機要求トルクを増減させてもよい。吸気充填効率とは、スロットルバルブを通過した吸気の流量に対する、燃焼室で圧縮される吸気の流量の比率のことである。
要求トルク算出部32aは、アイドル目標回転数及びエンジン回転数に基づき、アイドル要求トルクを算出する。エンジンのアイドル運転時にトルクアップさせて燃焼を安定化させるアイドル制御を実行している期間におけるエンジン回転数の目標値がアイドル目標回転数である。そして、要求トルク算出部32aは、アイドル制御を実行している期間におけるエンジン回転数及びアイドル目標回転数に基づき、アイドル要求トルクを算出する。
アイドル要求トルクとは、アイドルリザーブトルクと同義である。但し、監視部30で算出されるアイドル要求トルクは、トルク異常の監視に用いられる値である。一方、制御部20で算出されるアイドルリザーブトルクは、エンジンに対する目標制御量の算出に用いられる値である。つまり、これら監視用のアイドル要求トルクと制御用のアイドルリザーブトルクは、メモリ11mの記憶領域のうち異なる領域に記憶されたプログラムによって演算された値である。
なお、本実施形態では、アイドル要求トルクの算出に用いる変数の例示としてアイドル目標回転数及びエンジン回転数を記載しているが、他の変数として、水温、車速、大気圧及び吸気充填効率が挙げられる。要求トルク算出部32aは、これらの変数の少なくとも1つを用いてアイドル要求トルクを算出する。
要求トルク算出部32aは、アクセルペダルが踏み込まれていない時の目標回転数とエンジン回転数との差分が小さいほど、アイドル要求トルク(リザーブ量)を大きく算出する。また、要求トルク算出部32aは、アクセルペダルが踏み込まれている時のアクセル開度が小さいほど、アイドル要求トルクを大きく算出する。さらに、水温やエンジン回転数に応じてアイドル要求トルクを増減させてもよいし、特に吸気充填効率に応じてアイドル要求トルクを増減させてもよい。
なお、要求トルク算出部32aによる機関要求トルクの算出方法は、上記一例を採用することができるが、これに限定されない。
推定トルク算出部32bは、MBT推定トルクにトルク効率を乗算した値を、ロストルクを考慮しない推定トルクとして算出する。推定トルク算出部32bは、算出した推定トルクから、ロストルクを減算した値を、監視用の推定トルクとして演算する。推定トルク算出部32bは、入力処理回路11b及び第1通信部11cから取得したクランクセンサ42やエアフロセンサ43などの各種信号であって、入力保障部31により保障された信号に基づき、エンジンが実際に出力している駆動トルクを推定する。
この場合、推定トルク算出部32bは、吸気充填効率及びエンジン回転数に基づき、点火時期がMBTである場合におけるエンジンの実際の駆動トルク(MBT推定トルク)を推定する。MBT推定トルクは、エンジン回転数が高回転数であるほど、また、吸気充填効率が大きいほど大きい値が算出される。例えば、エンジン回転数及び吸気充填効率とMBT推定トルクとの相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、推定トルク算出部32bは、このマップを参照して、エンジン回転数及び吸気充填効率に応じたMBT推定トルクを算出する。
また、推定トルク算出部32bは、吸気充填効率及びエンジン回転数に基づきMBT点火時期を算出する。推定トルク算出部32bは、吸気充填効率及びエンジン回転数に基づきベース点火時期を算出する。これらのMBT点火時期及びベース点火時期は、MBT推定トルクの算出と同様に、メモリ11mに予め記憶させておいたマップを参照して算出される。
また、推定トルク算出部32bは、MBT点火時期からベース点火時期を減算した値を、ベース遅角量として演算する。そして、推定トルク算出部32bは、ベース遅角量に基づきトルク効率を算出する。但し、推定トルク算出部32bは、ノック学習量が予め設定しておいた所定量又はゼロとみなしてトルク効率を算出する。
また、推定トルク算出部32bは、エンジン回転数及び水温に基づき、ポンプロス及びフリクションロスを含むロスエネルギをトルク換算したロストルクを算出する。例えば、エンジン回転数及び水温とロストルクとの相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、推定トルク算出部32bは、このマップを参照して、エンジン回転数及び水温に応じたロストルクを算出する。
なお、推定トルク算出部32bによる駆動トルクの推定方法は、上記一例を採用することができるが、これに限定されない。
ここで、図3を用いて、監視部30の処理動作に関して説明する。監視部30は、所定時間毎に図3のフローチャートに示す処理を実行する。
ステップS10では、インジェクタ駆動信号を取得する(推定部)。噴射量変換部31aは、燃料噴射量を算出するために、インジェクタ50に対する駆動信号(噴射時間)をINJ駆動IC13から取得する。
ステップS20では、エンジン回転数を取得する(推定部)。噴射量変換部31aは、燃料噴射量を算出するために、クランクセンサ42からのセンサ信号に基づきエンジン回転数を取得する。つまり、噴射量変換部31aは、クランクセンサ42からのセンサ信号に基づきエンジン回転数を演算する。
ステップS30では、推定吸気流量を取得する(推定部)。監視部30は、インジェクタ50に対する駆動信号とエンジン回転数とを用いて、吸気流量の推定値である推定吸気流量を取得(推定)する。推定吸気流量は、推定空気流量に相当する。
まず、噴射量変換部31aは、ステップS10で取得した駆動信号と、ステップS20で取得したエンジン回転数とを用いて、燃料噴射量を取得する。つまり、噴射量変換部31aは、ステップS10で取得した駆動信号と、ステップS20で取得したエンジン回転数とに相関した燃料噴射量を取得する。例えば、駆動信号及びエンジン回転数と燃料噴射量との相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、噴射量変換部31aは、このマップを参照して、駆動信号及びエンジン回転数に応じた燃料噴射量を取得する。言い換えると、噴射量変換部31aは、駆動信号とエンジン回転数を燃料噴射量に変換する。また、噴射量変換部31aは、駆動信号に基づくインジェクタ50の噴射時間と、エンジン回転数とを用いて燃料噴射量を取得するとも言える。このように、監視部30は、インジェクタ50への駆動信号とエンジン回転数がわかれば、単位時間あたり/単位気筒あたりの燃料噴射量が概算できる。
単位時間あたり/単位気筒あたりの燃料噴射量が分かれば、それに応じてどの程度の吸気がエンジンに供給されているかも概算できる。つまり、エンジンへの吸気流量を推定できる。
そこで、推定吸気流量算出部31bは、駆動信号とエンジン回転数とから得た燃料噴射量から推定吸気流量を取得する。つまり、推定吸気流量算出部31bは、駆動信号とエンジン回転数とか得た燃料噴射量に相関した推定吸気流量を取得する。例えば、燃料噴射量と推定吸気流量との相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、推定吸気流量算出部31bは、このマップを参照して、燃料噴射量に応じた推定吸気流量を取得する。このようにして、監視部30は、インジェクタ50への駆動信号とエンジン回転数とを用いて、吸気流量を推定することができる。なお、監視部30は、所定の空燃比で制御されている場合、インジェクタ50への駆動信号とエンジン回転数とを用いて、吸気流量を推定することができる。
ステップS40では、吸気流量を取得する(取得部)。特性診断部31cは、トルク異常判定部32cによるトルク監視が正常に行われているか否かを判定するために、エアフロセンサ43より出力されるセンサ信号に基づき吸気流量を取得する。これによって、監視部30は、駆動信号とエンジン回転数とに基づく推定吸気流量と、エアフロセンサ43のセンサ信号に基づく吸気流量とを取得することができる。
ステップS50では、|推定吸気流量−吸気流量|≧所定量であるか否かを判定する(異常診断部)。特性診断部31cは、ステップS30で推定した推定吸気流量とステップS40で取得した吸気流量とを比較して、推定吸気流量と吸気流量との乖離が所定量に達しているか否かを判定する。これは、トルク監視部32によるトルク監視が正常に行われているか否かを診断するためである。
特性診断部31cは、乖離が所定量に達していないと判定した場合はステップS80へ進む。一方、特性診断部31cは、乖離が所定量に達していると判定した場合は、トルク監視が正常に行われていない可能性があるとみなしてステップS60へ進む。なお、乖離が所定量に達している状態は異常状態であるものの、特性診断部31cは、乖離が所定量に達していると判定したことで、直ちにトルク監視が異常であるとは判定しない。これは、ノイズなどの影響によって乖離が所定量に達した場合に誤判定することを抑制するためである。
また、特性診断部31cは、推定吸気流量と吸気流量とが所定の対応関係を満たしている場合にステップS80に進み、推定吸気流量と吸気流量とが所定の対応関係を満たしていない場合にステップS60へ進むようにしてもよい。所定の対応関係の一例としては、一致などをあげることができる。つまり、特性診断部31cは、推定吸気流量と吸気流量とが一致している場合にステップS80に進み、推定吸気流量と吸気流量とが一致していない場合にステップS60へ進むようにしてもよい。この場合、所定量はゼロ以外とみなすことができる。
また、所定量は、公差範囲などを採用できる。この場合、特性診断部31cは、乖離が公差範囲内であると判定した場合はステップS80へ進み、乖離が公差範囲を超えていると判定した場合はステップS60へ進む。
また、所定量は、エンジンが燃焼するか否かの関係性、すなわちエンジンとしての許容範囲などから決定してもよい。この場合、特性診断部31cは、乖離がエンジンとしての許容範囲内であると判定した場合はステップS80へ進み、乖離がエンジンとしての許容範囲を超えていると判定した場合はステップS60へ進む。
さらに、所定量は、意図しない加速が発生するトルクとなるか否かによって決定してもよい。この場合、特性診断部31cは、乖離が意図しない加速が発生しないトルクとなる量と判定した場合はステップS80へ進み、意図しない加速が発生するトルクとなる量と判定した場合はステップS60へ進む。
なお、ここで挙げた例は一例に過ぎない。本開示は、推定吸気流量と吸気流量との乖離が、トルク監視が正常に行われていないと判断できる量であればステップS60へ進み、トルク監視が正常に行われていると判断できる量であればステップS80へ進むものであれば採用できる。
ステップS60では、異常状態経過時間>所定時間であるか否かを判定する(異常診断部)。特性診断部31cは、乖離が所定量に達している状態の経過時間が所定時間を超えていると判定した場合はステップS70へ進み、経過時間が所定時間を超えていると判定しなかった場合はステップS80へ進む。なお、経過時間は、継続時間と言い換えることもできる。
なお、後程説明するが、乖離が所定量に達している状態の経過時間が所定時間を超えている場合、エアフロセンサ43の異常とみなすことができる。そこで、ここでの所定時間は、エアフロセンサ43が異常とみなせる状態になってから、エアフロセンサ43の異常に伴う二次故障が起こるまでの時間を採用できる。また、この時間は、例えばシミュレーションなどによって決定することができる。さらに、ここでの所定時間は、エアフロセンサ43が正常な状態では起こりえない、乖離が所定量に達している状態の継続時間などを採用することができる。
ステップS70では、トルク監視が異常であると判定する(異常診断部)。特性診断部31cは、乖離が所定量に達していると判定し、さらに、乖離が所定量に達している状態が所定時間継続したと判定した場合、インジェクタ50の駆動信号、エンジンの回転数、吸気流量センサによる吸気流量のいずれかが正常ではないと判断できる。よって、特性診断部31cは、乖離が所定量に達していると判定し、さらに、乖離が所定量に達している状態が所定時間継続したと判定した場合、トルク監視が異常と診断する。つまり、特性診断部31cは、トルク監視が正常に行われないと診断する。
ステップS80では、トルク監視が正常であると判定する。特性診断部31cは、乖離が所定量に達していると判定しなかった場合、及び、乖離が所定量に達している状態が所定時間継続したと判定しなかった場合、トルク監視が正常におこなわれていると診断する。
なお、トルク監視部32は、特性診断部31cによる診断結果を取得することができる。よって、トルク監視部32は、トルク監視が正常に行われるか否かを認識することができる。
また、特性診断部31cは、吸気流量と推定吸気流量との乖離に基づいて、トルク監視が正常に行われないと診断した場合、エアフロセンサ43が異常と診断してもよい。つまり、特性診断部31cは、乖離が所定量に達していると判定し、さらに、乖離が所定量に達している状態が所定時間継続したと判定した場合、トルク監視が正常に行われないと診断するとともに、エアフロセンサ43が異常と診断する。
上記のように、推定吸気流量を算出するにあたり、インジェクタ50の噴射時間やエンジン回転数を主に用いる。これらの信号は、複数気筒を持つ昨今のエンジンであれば、インジェクタ50を少なくとも2本備え、クランクセンサ42とカムセンサを少なくとも1つずつ備えており、比較診断が個々の信号で可能である。
しかしながら、エアフロセンサ43は、複数備えていることはコストの観点からほぼ無く、吸気管圧センサなど別パラメータとした多重系システムになってことが多い。そのため、推定吸気流量を算出するにあたり、各信号を上流で電気的異常だけでなく、特性異常の診断も可能である。つまり、それらの信号を用いた推定吸気流量とエアフロセンサ43に基づく吸気流量を比較した結果、乖離が起こり続けてしまう場合は、エアフロの特性異常である可能性が高い。よって、特性診断部31cは、乖離が所定量に達していると判定し、さらに、乖離が所定量に達している状態が所定時間継続したと判定した場合、トルク監視が正常に行われないと診断するとともに、エアフロセンサ43が異常と診断する。
なお、監視部30は、エアフロセンサ43が異常と診断した場合、通知部70を介して、警告表示や警告音を発生させてもよい。この場合、監視部30は、第2通信部15を介して通知部70に、警告表示や警告音の発生指示を行う。しかしながら、本開示は、警告表示や警告音を発生させなくても目的を達成できる。
トルク監視部32は、エアフロセンサ43で検出された吸気流量を用いて推定トルクを推定するものである。そして、エアフロセンサ43が異常と診断されていない場合、トルク監視部32は、エアフロセンサ43で検出された吸気流量を用いて推定した推定トルクを用いてトルク監視を行う。一方、エアフロセンサ43が異常と診断された場合、トルク監視部32は、推定吸気流量を用いて推定トルクを推定するとともに、推定吸気流量を用いて推定した推定トルクを用いてトルク監視を行ってもよい。
エアフロセンサ43に基づく推定トルクが正しく算出できない場合は、トルク監視を正しく行うことができない。しかしながら、噴射時間ベースでは、ある程度の推定トルクの算出は可能なため、診断を継続することが可能となる。
また、トルク監視部32は、エアフロセンサ43が異常と診断された場合、吸気流量を用いて推定した推定トルクと、推定吸気流量を用いて推定した推定トルクのうち大きいトルクを示す方を用いてトルク監視を行ってもよい。これによって、本開示は、より安全側にトルク監視を実施することができる。
以上のように、ECU10は、インジェクタ50への駆動信号とエンジンの回転数とから推定した推定吸気流量を取得する。つまり、インジェクタ50への駆動信号とエンジンの回転数がわかれば、単位時間あたり/単位気筒あたりの燃料噴射量が概算できる。また、単位時間あたり/単位気筒あたりの燃料噴射量が分かれば、それに応じてどの程度の吸気流量が供給されているかも概算できる。このようにして、ECU10は、推定吸気流量を推定できる。
このインジェクタ50への駆動信号やエンジンの回転数は、吸気の圧力変化ほど急激な変化をしない。このため、ECU10は、吸気管圧センサやスロットル開度センサなどを用いて、吸気の圧力変化を用いて吸気流量を推定する場合ほど高周期でサンプリングする必要がない。よって、ECU10は、推定吸気流量を取得するために処理負荷が高くなることを抑制することができる。
また、ECU10は、このように推定した推定吸気流量とエアフロセンサ43で検出された吸気流量との乖離が所定量に達しているか否かを判定する。そして、ECU10は、推定吸気流量と吸気流量との乖離が所定量に達している場合、インジェクタ50の駆動信号、エンジンの回転数、吸気流量センサによる吸気流量のいずれかが正常ではないと判断することができる。また、ECU10は、吸気流量センサによる吸気流量によって推定トルクを推定するため、推定吸気流量と吸気流量との乖離が所定量に達している場合、トルク監視が正常に行われないと判断することができる。このように、ECU10は、処理負荷が高くなることを抑制しつつ、トルク監視が正確に行われているか否かを判定することができる。
また、ECU10は、入力保障する信号数が最小化できることで、MCU11のリソースを含めたECU10全体のコスト低減と、制御部20とは独立した監視部30によるトルク監視機能の実現が可能となる。さらに、ECU10は、駆動信号(噴射時間)とエンジン回転数とから吸気流量を推定するため、エンジンが直噴エンジン以外であっても適用することができる。
(変形例1)
推定吸気流量算出部31bは、インジェクタ50の駆動信号とエンジン回転数に加えて、エンジンから排出される排気ガスの空燃比に関する情報である空燃比情報を用いて、推定吸気流量を推定してもよい(推定部)。これによって、ECU10は、空燃比情報を用いない場合よりも、吸気流量の推定精度を向上させることができる。
(変形例2)
推定吸気流量算出部31bは、インジェクタ50の駆動信号とエンジン回転数に加えて、エンジンから排出される排気ガスの空燃比の目標値である目標空燃比を用いて、推定吸気流量を推定してもよい(推定部)。これによって、ECU10は、目標空燃比を用いない場合よりも、吸気流量の推定精度を向上させることができる。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、上記実施形態に何ら制限されることはなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。以下に、本開示のその他の形態として、第2実施形態〜第4実施形態に関して説明する。上記実施形態及び第2実施形態〜第4実施形態は、夫々単独で実施することも可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。本開示は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
(第2実施形態)
図4を用いて、第2実施形態のECU10aに関して説明する。ECU10aは、ECU10と同様の箇所が多い。ここでは、ECU10aにおけるECU10と同様の個所に、ECU10と同じ符号を付与する。よって、ECU10aにおけるECU10と同じ符号の構成要素は、上記実施形態を参照して適用することができる。
ECU10aは、燃圧センサ44が電気的に接続され、燃圧センサ44からのセンサ信号を取得可能に構成されている点、及び推定吸気流量の推定方法がECU10と異なる。
燃圧センサ44は、インジェクタ50に供給する燃料を高圧の状態で蓄える蓄圧部の燃料圧力(燃圧)に応じたセンサ信号を出力する。監視部30は、駆動信号と回転数に加えて、燃圧センサ44のセンサ信号から得られる燃料圧力を用いて、推定吸気流量を推定する。詳述すると、噴射量変換部31aは、燃料圧力と噴射時間がわかれば、単位時間あたり/単位気筒あたりの燃料噴射量が概算できる。そして、上記のように、単位時間あたり/単位気筒あたりの燃料噴射量が分かれば、それに応じてどの程度の吸気がエンジンに供給されているかも概算できる。よって、推定吸気流量算出部31bは、燃料圧力と噴射時間とから得た燃料噴射量から推定吸気流量を取得する。
ECU10aは、ECU10と同様の効果を奏することができる。さらに、ECU10aは、エンジンとして、直噴方式のエンジンを採用した場合であっても、推定吸気流量を推定することができる。また、ECU10aは、ECU10よりも吸気流量の推定精度を向上させることができる。
(第3実施形態)
図5を用いて、第3実施形態のECU10に関して説明する。本実施形態は、第1実施形態と同様の個所が多いため、便宜的に第1実施形態と同じ符号を用いる。また、本実施形態では、第1実施形態と同じ処理に同じステップ番号を用いる。よって、本実施形態における第1実施形態と同じ符号の構成要素及び同じステップ番号は、上記実施形態を参照して適用することができる。本実施形態は、監視部30の処理動作が第1実施形態と異なる。
監視部30は、所定時間毎に図5のフローチャートに示す処理を実行する。ステップS50では、上記と同様に、|推定吸気流量−吸気流量|≧所定量であるか否かを判定する(異常診断部)。特性診断部31cは、乖離が所定量に達していないと判定した場合はステップS80へ進む。一方、特性診断部31cは、乖離が所定量に達していると判定した場合はステップS70へ進む。つまり、本実施形態の特性診断部31cは、乖離が所定量に達している状態で直ちにトルク監視が異常であると判定する。また、特性診断部31cは、乖離が所定量に達している状態の継続時間を考慮することなく、トルク監視が異常であると判定する。
本実施形態のECU10は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態のECU10は、乖離が所定量に達している状態の継続時間を考慮しないため、即座にトルク監視が異常であるか否かを判定することができる。
なお、本実施形態の特性診断部31cは、乖離が所定量に達していると判定した場合、トルク監視が正常に行われないと診断するとともに、エアフロセンサ43が異常と診断してもよい。
(第4実施形態)
図6を用いて、第4実施形態のECU10に関して説明する。本実施形態は、第1実施形態と同様の個所が多いため、便宜的に第1実施形態と同じ符号を用いる。よって、本実施形態における第1実施形態と同じ符号の構成要素は、上記実施形態を参照して適用することができる。本実施形態は、監視部30の処理動作が第1実施形態と異なる。
上記のように、噴射量から推定吸気流量を概算するのは、所定の空燃比で制御されていることが前提である。空燃比フィードバック制御が行われている場合とそうでない場合とでは、空燃比の確からしさが異なる。このため、空燃比フィードバック制御が行われている場合とそうでない場合とでは、推定吸気流量の推定精度もかわってくる。このため、エアフロセンサ43が正常に動作していても、推定吸気流量と吸気流量の乖離が大きくなる可能性がある。
そこで、監視部30は、エンジンの排気中におけるガス成分の濃度を検出する排気センサ又はエンジンの運転状態から燃料噴射量のフィードバック制御が行われていない状態又は行えない状態であるか否かを判定する機能を備えている。本実施形態では、一例として、エンジンの運転状態を取得し、エンジンの運転状態から燃料噴射量のフィードバック制御が行われていない状態又は行えない状態であるか否かを判定する例を採用する。
監視部30は、所定時間毎に図6のフローチャートに示す処理を実行する。ステップS100では、運転状態を取得する(フィードバック判定部)。監視部30は、燃料噴射量のフィードバック制御が行われていない状態、又は行えない状態であるか否かを判定するために、運転状態を取得する。
ステップS110では、フィードバック制御中であるか否かを判定する(フィードバック判定部)。監視部30は、ステップS100で取得した運転状態に基づいて、フィードバック制御中であるか否かを判定する。例えば、燃料カット中、触媒保護増量や燃料カットからの復帰直後などのリッチ制御中、及びリーン制御中は、燃料噴射量のフィードバック制御が行われていない状態とみなすことができる。空燃比センサが未活性状態の場合は、燃料噴射量のフィードバック制御が行えない状態とみなすことができる。
監視部30は、ステップS100で取得した運転状態に基づいて、フィードバック制御中であると判定した場合、ステップS120へ進む。ステップS120では、異常診断を許可する。監視部30は、フィードバック制御中と判定した場合、推定吸気流量の推定精度を確保することができるとみなして異常診断を許可する。よって、監視部30は、異常診断が許可の場合に限って、図3や図5のフローチャートに示す処理を開始する。
一方、監視部30は、ステップS100で取得した運転状態に基づいて、フィードバック制御中でない、すなわち、フィードバック制御が行われていない状態、又は行えない状態であると判定した場合、ステップS130へ進む。
ステップS130では、異常診断を禁止する。監視部30は、フィードバック制御中でないと判定した場合、推定吸気流量の推定精度を確保することができないとみなして異常診断を禁止する。よって、監視部30は、異常診断が禁止の場合、実行タイミングであっても、図3や図5のフローチャートに示す処理を実行しない。
本実施形態のECU10は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態のECU10は、推定吸気流量の推定精度が確保できる場合に限って、トルク監視が正確に行われているか否かを判定するため、誤判定することを抑制できる。
(第4実施形態の変形例)
また、監視部30は、ステップS130において、フィードバック制御が行われていない状態又は行えない状態であると判定されていない場合よりも、乖離と比較する所定量を大きくすることで、トルク監視が正常に行われないと診断されにくくしてもよい。つまり、監視部30は、フィードバック制御中でないと判定した場合は、フィードバック制御中と判定した場合よりも、トルク監視が正常に行われるか否かの判断基準を緩める方に変更してもよい。また、監視部30は、ステップS130において、フィードバック制御が行われていない状態又は行えない状態であると判定されていない場合よりも、異常状態の継続時間と比較する所定時間を長くしてもよい。なお、監視部30は、ステップS120では判断基準を変更しない。
この変形例に関しても、第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
10、10a…ECU、11…MCU、11a…CPU、11b…入力処理回路、11c…第1通信部、11d…CPUチェック部、11m…メモリ、12…点火駆動IC、13…INJ駆動IC、14…電スロ駆動IC、15…第2通信部、16…統合IC、16a…マイコン監視部、16b…電スロカット部、20…制御部、20m…制御用記憶領域、21…要求トルク算出部、21a…ドライバ要求トルク算出部、21b…目標トルク算出部、22…駆動信号出力部、22a…要求吸気流量算出部、22b…要求噴射量算出部、30…監視部、30m…監視用記憶領域、31…入力保障部、31a…噴射量変換部、31b…推定吸気流量算出部、31c…特性診断部、32…トルク監視部、32a…要求トルク算出部、32b…推定トルク算出部、32c…トルク異常判定部、32d…電スロカット制御部、41…アクセル開度センサ、42…クランクセンサ、43…エアフロセンサ、44…燃圧センサ、50…インジェクタ、60…電子スロットル、70…通知部

Claims (10)

  1. ドライバが要求する内燃機関の駆動トルクに応じて、少なくとも燃料噴射装置を駆動制御しつつ、前記内燃機関の燃焼状態を制御する制御部(20)と、
    前記内燃機関に要求されている要求トルクと、前記内燃機関の実トルクの推定値である推定トルクとを用いて、トルク異常状態であるか否かのトルク監視を行う監視部(30)と、を備え、
    前記監視部は、
    空気流量センサで検出された、前記内燃機関の気筒に供給される空気流量を取得する取得部(S40)と、
    前記燃料噴射装置への駆動信号と前記内燃機関の回転数とを用いて、前記空気流量の推定値である推定空気流量を推定する推定部(S10〜S30)と、
    前記取得部にて取得した前記空気流量と、前記推定部にて推定した前記推定空気流量とを比較して、前記空気流量と前記推定空気流量との乖離が所定量に達していると判定した場合、前記トルク監視が正常に行われないと診断する異常診断部(S50〜S70)と、を備えている内燃機関制御システム。
  2. 前記異常診断部は、前記乖離が前記所定量に達していると判定し、さらに、前記乖離が前記所定量に達している状態が所定時間継続した場合に、前記トルク監視が正常に行われないと診断する請求項1に記載の内燃機関制御システム。
  3. 前記推定部は、前記駆動信号と前記回転数に加えて、前記燃料噴射装置に供給する燃料を高圧の状態で蓄える蓄圧部の燃料圧力とを用いて、前記推定空気流量を推定する請求項1又は2に記載の内燃機関制御システム。
  4. 前記推定部は、前記駆動信号と前記回転数に加えて、前記内燃機関から排出される排気ガスの空燃比に関する情報である空燃比情報を用いて、前記推定空気流量を推定する請求項1又は2に記載の内燃機関制御システム。
  5. 前記推定部は、前記駆動信号と前記回転数に加えて、前記内燃機関から排出される排気ガスの空燃比の目標値である目標空燃比を用いて、前記推定空気流量を推定する請求項1又は2に記載の内燃機関制御システム。
  6. 前記内燃機関の排気中におけるガス成分の濃度を検出する排気センサ、又は前記内燃機関の運転状態を用いて、燃料噴射量のフィードバック制御が行われていない状態又は行えない状態であるか否かを判定するフィードバック判定部(S100、S110)を、さらに備え、
    前記異常診断部は、前記フィードバック判定部にて前記フィードバック制御が行われていない状態又は行えない状態であると判定された場合、前記フィードバック制御が行われていない状態又は行えない状態であると判定されていない場合よりも、前記所定量を大きくすることで、前記トルク監視が正常に行われないと診断されにくくする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内燃機関制御システム。
  7. 前記内燃機関の排気中におけるガス成分の濃度を検出する排気センサ、又は前記内燃機関の運転状態を用いて、燃料噴射量のフィードバック制御が行われていない状態又は行えない状態であるか否かを判定するフィードバック判定部(S100、S110)を、さらに備え、
    前記異常診断部は、前記フィードバック判定部にて前記フィードバック制御が行われていない状態又は行えない状態であると判定された場合、前記トルク監視が正常に行われているか否かの診断を行わない請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内燃機関制御システム。
  8. 前記異常診断部は、前記空気流量と前記推定空気流量との乖離に基づいて、前記トルク監視が正常に行われないと診断した場合、前記空気流量センサが異常と診断する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の内燃機関制御システム。
  9. 前記監視部は、前記空気流量センサで検出された前記空気流量を用いて前記推定トルクを推定するものであり、前記空気流量センサが異常と診断されていない場合は、前記空気流量を用いて推定した前記推定トルクを用いて前記トルク監視を行い、前記空気流量センサが異常と診断された場合は、前記推定空気流量を用いて前記推定トルクを推定するとともに、前記推定空気流量を用いて推定した前記推定トルクを用いて前記トルク監視を行う請求項8に記載の内燃機関制御システム。
  10. 前記監視部は、前記空気流量センサで検出された前記空気流量を用いて前記推定トルクを推定するものであり、前記空気流量センサが異常と診断されていない場合は、前記空気流量を用いて推定した前記推定トルクを用いて前記トルク監視を行い、前記空気流量センサが異常と診断された場合は、前記推定空気流量を用いて前記推定トルクを推定し、前記空気流量を用いて推定した前記推定トルクと、前記推定空気流量を用いて推定した前記推定トルクのうち大きいトルクを示す方を用いて前記トルク監視を行う請求項8に記載の内燃機関制御システム。
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