JP6809408B2 - トルク監視装置および内燃機関制御システム - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、内燃機関のトルク異常を監視するトルク監視装置、および内燃機関制御システムに関する。
特許文献1には、内燃機関の実トルクが、内燃機関に要求されている機関要求トルクと乖離したトルク異常状態であるか否かを監視するトルク監視装置が開示されている。
特開2010−196713号公報
さて、本発明者は、上述した実トルクと機関要求トルクとの乖離量が所定量以上になった状態が、所定の時間(判定時間)以上継続した場合に、トルク異常であると判定することを検討した。しかしながら、判定時間を短く設定すると、ノイズ等の原因により一時的に乖離量が大きくなった場合にもトルク異常であると判定するおそれがある。一方、判定時間を長く設定すると、トルク異常を迅速に検知できなくなる。
この開示の目的は、トルク異常の誤判定抑制と迅速な検知の両立を図ったトルク監視装置を提供することである。
ここに開示されたトルク監視装置は、第1態様及び第3態様について、
内燃機関の実トルクの推定値である推定トルクが、内燃機関に要求されている機関要求トルクと乖離したトルク異常状態であるか否かを監視するトルク監視装置において、
推定トルクと機関要求トルクとの乖離量が大きいほど、計数値を大きい値に設定する計数値設定部(34a、34b、34c、B16)と、
計数値を積算した値である積算値を算出する積算部(34d)と、
積算値が所定の異常判定閾値以上になった場合に、トルク異常状態であると判定する異常判定部(34e)と、を備える。
加えて、上述したトルク監視装置の第1態様では、計数値設定部は、計数値が予め設定された上限ガード値を超えて大きくならないように計数値を設定する
上述したトルク監視装置の第3態様では、異常判定閾値は、内燃機関を駆動源として走行する車両の運転状態、または内燃機関の運転状態に応じて可変設定される。
開示されたトルク監視装置の第2態様では、
内燃機関の実トルクの推定値である推定トルクが、内燃機関に要求されている機関要求トルクと乖離したトルク異常状態であるか否かを監視するトルク監視装置において、
推定トルクと機関要求トルクとの乖離量が大きいほど、計数値を大きい値に設定する計数値設定部(34a、34b、34c、B16)と、
乖離量が予め設定された不感帯の範囲外である場合は、計数値を積算した値を積算値として算出し、乖離量が不感帯の範囲内である場合は、計数値を積算した値から不感帯の上値に相当する値を減算した値を積算値として算出する積算部(34d)と、
積算値が所定の異常判定閾値以上になった場合に、トルク異常状態であると判定する異常判定部(34e)と、を備える。
ここに開示されたトルク監視装置によると、推定トルクと機関要求トルクとの乖離量が大きいほど計数値を大きい値に設定し、その計数値を積算した値が所定の異常判定閾値を超えた場合にトルク異常状態であると判定する。そのため、乖離量が大きいほどトルク異常状態と判定されやすくなり、トルク異常を迅速に検知できるようになり、それでいて、乖離量が小さいほどトルク異常状態と判定されにくくなり、ノイズ等の原因によりトルク異常と誤判定されるおそれを低減できる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
第1実施形態に係る内燃機関制御システムのブロック図。 図1に示す制御モジュールのブロック図。 図1に示す監視モジュールのブロック図。 第1実施形態においてトルク監視制御の手順を示すフローチャート。 図3のトルク比較異常判定部の詳細を示すブロック図。 図5の不感帯設定に用いる、不感帯とギア段との関係を示すマップ。 ギア段と走行加速度との関係を示す特性図。 図5の不感帯設定に用いる、不感帯と車速との関係を示すマップ。 図5の不感帯設定に用いる、不感帯と機関要求トルクとの関係を示すマップ。 図5の異常判定閾値の設定に用いる、異常判定閾値とギア段との関係を示すマップ。 図5の異常判定閾値の設定に用いる、異常判定閾値と車速との関係を示すマップ。 図4に示すトルク異常判定の処理手順を示すフローチャート。 第1実施形態において、内燃機関の運転状態の推移に対する、制御モジュールおよび監視モジュールの演算結果の推移を示すタイムチャート。 第1実施形態による作用効果を説明するタイムチャート。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
(第1実施形態)
図1は、車両に搭載された電子制御装置(Electronic Control Unit)であって、車両に搭載された内燃機関の作動を制御するECU10を示す。上記車両は、内燃機関を駆動源として走行する。なお、本実施形態に係る内燃機関は点火着火式のガソリンエンジンであるが、自着火式のディーゼルエンジンであってもよい。また、上記車両には、内燃機関の出力軸の回転速度を所望の回転速度に変換して出力する変速機が備えられている。
ECU10は、MCU11(Micro Controller Unit)、点火駆動IC12、燃料噴射弁駆動IC13、電スロ駆動IC14、通信回路15および統合IC16を備える。
MCU11は、演算処理装置であるCPU11aと、記憶媒体であるメモリ11mと、入力処理回路11cと、通信回路11dと、CPUチェック回路11eと、を備える。図1に示す例では、MCU11は1つの半導体チップ上に、CPU11a、メモリ11m、入力処理回路11c、通信回路11dおよびCPUチェック回路11eが集積されているが、複数の半導体チップに分散して集積させてもよい。また、複数の半導体チップに分散して集積させた場合、共通の基板に複数の半導体チップを実装させてもよいし、複数の基板の各々に半導体チップを実装させてもよい。さらに、共通した1つの筐体に各々の半導体チップを収容させてもよいし、別々の筐体に収容させてもよい。
メモリ11mは、プログラムおよびデータを記憶する記憶媒体であり、CPU11aによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体を含む。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。メモリ11mに記憶されたプログラムは、CPU11aによって実行されることによって、ECU10をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように制御装置を機能させる。
制御装置が提供する手段および/または機能は、実体的な記憶媒体に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
MCU11には、エンジン回転数、アクセル開度、インマニ圧、排気圧、水温、油温、外部ECUから出力された外部信号等の各種信号が入力される。これらの信号は、ECU10の外部から入力処理回路11cまたは通信回路11dへ入力される。
エンジン回転数の信号は、クランク角センサの検出値を表す信号であり、この検出値に基づきMCU11は、内燃機関のクランク軸(出力軸)の単位時間当りの回転数、つまり出力軸の回転速度を演算する。アクセル開度の信号は、アクセルペダルセンサの検出値を表す信号であり、この検出値に基づきMCU11は、車両の運転者つまり内燃機関のユーザが操作したアクセルペダルの踏込量を演算する。
インマニ圧の信号は、吸気圧センサの検出値を表す信号であり、この検出値に基づきMCU11は、燃焼室へ吸入される吸気の圧力を演算する。排気圧の信号は、排気圧センサの検出値を表す信号であり、この検出値に基づきMCU11は、燃焼室から排出される排気の圧力を演算する。水温の信号は、水温センサの検出値を表す信号であり、この検出値に基づきMCU11は、内燃機関を冷却する水の温度を演算する。油温の信号は、油温センサの検出値を表す信号であり、この検出値に基づきMCU11は、内燃機関の潤滑油や油圧アクチュエータの作動油の温度を演算する。
外部ECUから出力された外部信号の具体例としては、内燃機関の出力軸を駆動源とする補機の作動状態を表す信号が挙げられる。上記補機の具体例としては、車室内を空調する空調装置が有する冷媒圧縮機であって、内燃機関の出力軸を駆動源とするコンプレッサが挙げられる。
点火駆動IC12は、内燃機関が備える点火装置への電力供給と遮断を制御するスイッチング素子を有し、このスイッチング素子への指令信号をMCU11は出力する。具体的には、MCU11は、先述したエンジン回転数等の各種信号に基づき、点火装置で放電点火させる時期の目標値である目標点火時期を演算し、演算した目標点火時期に応じて指令信号を点火駆動IC12へ出力する。
燃料噴射弁駆動IC13は、内燃機関が備える燃料噴射弁への電力供給と遮断を制御するスイッチング素子を有し、このスイッチング素子への指令信号をMCU11は出力する。具体的には、MCU11は、先述したエンジン回転数等の各種信号に基づき、燃料噴射弁で燃料噴射させる期間(つまり噴射量)の目標値である目標噴射量を演算し、演算した目標噴射量に応じて指令信号を燃料噴射弁駆動IC13へ出力する。
電スロ駆動IC14は、内燃機関が備える電子スロットルバルブ(電スロ)への電力供給と遮断を制御するスイッチング素子を有し、このスイッチング素子への指令信号をMCU11は出力する。具体的には、MCU11は、先述したエンジン回転数等の各種信号に基づき、電スロのバルブ開度の目標値である目標開度を演算し、演算した目標開度に応じて指令信号を電スロ駆動IC14へ出力する。
このように、点火装置、燃料噴射弁および電スロの作動をECU10が制御することで、内燃機関の燃焼状態は制御される。そして、MCU11により演算される目標点火時期、目標噴射量および目標開度は、内燃機関の燃焼状態を制御する制御量の目標値である目標制御量に相当する。
通信回路15は、MCU11が把握している各種情報を外部ECUへ出力する。例えば、後述するトルク異常状態等の異常が生じている旨を表す異常フラグの信号を、車両運転者が視認する表示装置の作動を制御する表示ECUへ出力する。表示ECUは、異常フラグの信号を取得した場合に警告表示や警告音を生じさせる。
統合IC16は、図示しないメモリ、およびメモリに記憶されている各種のプログラムを実行するCPU等を備える。CPUが実行するプログラムに応じて、統合IC16は、マイコン監視部16aとして機能したり、電スロカット制御部16bとして機能したりする。
ここで、CPUチェック回路11eは、メモリ11mに記憶されているプログラムおよびデータが正常であるかのチェック(例えばパリティチェック)を実行する等、CPU11aおよびメモリ11mが正常であるか否かをチェックする。マイコン監視部16aは、CPUチェック回路11eのチェック結果を参照しつつ、MCU11の作動不良を監視する。
統合IC16は、マイコン監視部16aが異常を検出した場合には、電スロの作動を制限するといった電スロカットの制御を実行する。例えば、アクセル開度に拘らず、予め設定しておいた所定開度に目標開度を固定して、内燃機関の出力が所定出力未満となるように制限する。あるいは、目標開度をゼロにして内燃機関を強制的に停止させる。電スロカット制御部16bは、電スロ駆動IC14へ電スロカットを指令する信号を出力する。電スロ駆動IC14は、MCU11から出力される指令信号よりも電スロカット指令信号を優先して作動する。
MCU11は、制御モジュール20および監視モジュール30を有する。これらのモジュールは、いずれについても、共通するCPU11aおよびメモリ11mにより提供される機能である。すなわち、メモリ11mの制御用記憶領域20mに記憶された制御プログラムをCPU11aが実行している時のCPU11aおよびメモリ11mは、制御モジュール20として機能する。
また、メモリ11mの監視用記憶領域30mに記憶された監視プログラムをCPU11aが実行している時のCPU11aおよびメモリ11mは、監視モジュール30として機能する。制御用記憶領域20mおよび監視用記憶領域30mは、メモリ11mの記憶領域のうち異なる領域に、別々に設定されている。
制御モジュール20は、ユーザが要求する内燃機関の駆動トルクであるユーザ要求トルクに応じて、先述した各種の目標制御量を演算する「制御用演算装置」を提供する。監視モジュール30は、内燃機関の実トルクの推定値である推定トルクが、内燃機関に要求されている機関要求トルクに対して所定以上乖離したトルク異常状態であるか否かを監視する「監視用演算装置」を提供する。ECU10は、制御用演算装置および監視用演算装置を備える「トルク監視装置」を提供する。
<1>制御モジュール20の説明
制御モジュール20は、機関要求トルク算出部21および駆動信号出力部22としての機能を有する。機関要求トルク算出部21は、入力処理回路11cおよび通信回路11dから取得した各種信号に基づき、内燃機関に要求するべきトルクである機関要求トルクを算出する。駆動信号出力部22は、機関要求トルク算出部21で算出された機関要求トルクに応じて、先述した目標点火時期、目標噴射量、および目標開度等の目標制御量を演算する。さらに駆動信号出力部22は、演算された目標制御量に応じて、点火駆動IC12、燃料噴射弁駆動IC13および電スロ駆動IC14等のアクチュエータへ、各種の指令信号を出力する。
図2を用いてより詳細に説明すると、機関要求トルク算出部21は、ユーザ要求トルク算出部21a、ポンプロス算出部21b、フリクションロス算出部21c、トルク効率算出部21dおよび演算部B1〜B6としての機能を有する。
<1−1>ユーザ要求トルクの説明
ユーザ要求トルク算出部21aは、先述したエンジン回転数およびアクセル開度に基づきユーザ要求トルクを算出する。エンジン回転数が高回転数であるほど、また、アクセル開度が大きいほど、ユーザ要求トルクは大きい値に算出される。例えば、エンジン回転数およびアクセル開度とユーザ要求トルクとの相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、そのマップを参照して、エンジン回転数およびアクセル開度に応じたユーザ要求トルクをユーザ要求トルク算出部21aは算出する。
<1−2>ロストルクの説明
ポンプロス算出部21bは、先述したインマニ圧および排気圧に基づき、ポンプロスをトルク換算した値であるポンプロストルクを算出する。ポンプロスとは、内燃機関のピストンが往復動する際に吸排気から受ける抵抗によるエネルギ損失のことである。インマニ圧が低いほど、ピストンの吸気行程での吸気抵抗が大きいとみなしてポンプロスは大きい値に設定される。また、排気圧が高いほど、ピストンの排気行程での排気抵抗が大きいとみなしてポンプロスは大きい値に設定される。例えば、インマニ圧および排気圧とポンプロスとの相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、そのマップを参照して、インマニ圧および排気圧に応じたポンプロスをポンプロス算出部21bは算出する。
フリクションロス算出部21cは、先述した水温および油温に基づき、フリクションロスをトルク換算した値であるフリクションロストルクを算出する。フリクションロスとは、内燃機関のピストンが往復動する際のシリンダとの摩擦による機械エネルギロスのことである。水温が適正範囲から外れて低温または高温になっているほど、摩擦が大きいとみなしてフリクションロスは大きい値に設定される。また、油温が低いほど潤滑油等の粘性が大きいとみなしてフリクションロスは大きい値に設定される。例えば、水温および油温とフリクションロスとの相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、そのマップを参照して、水温および油温に応じたフリクションロスをフリクションロス算出部21cは算出する。
演算部B1は、ポンプロス算出部21bにより算出されたポンプロス、フリクションロス算出部21cにより算出されたフリクションロス、およびロストルク学習値を加算して、総ロストルクを演算する。演算部B2は、ユーザ要求トルク算出部21aにより算出されたユーザ要求トルク、演算部B1により演算された総ロストルク、および外部要求トルクを加算して、ロス込みトルクを演算する。外部要求トルクの具体例としては、車載バッテリへの充電を目的として、内燃機関で駆動する発電機による発電量を増大させるといった、発電増大分のトルクが挙げられる。
<1−3>リザーブの説明
演算部B3は、アイドルリザーブ、触媒暖機リザーブおよび補機リザーブの各々に相当するトルクを加算してリザーブトルクを演算する。これら各々のリザーブトルクは、エンジン回転数、エンジン負荷および水温等の内燃機関の運転状態に応じて、制御モジュール20により設定される。演算部B4は、演算部B2により演算されたロス込みトルクに、演算部B3により演算されたリザーブトルクを加算して、リザーブ込みトルクを演算する。
アイドルリザーブトルクとは、内燃機関のアイドル運転時にトルクアップさせて燃焼を安定化させる制御を実施するにあたり、そのトルクアップ分に相当するトルクのことである。触媒暖機リザーブトルクとは、内燃機関の排気を浄化する触媒を活性化温度以上に温度上昇させるべく排気温度を上昇させる暖機制御を実施するにあたり、排気温度を上昇させることに用いる燃焼エネルギのロス分をトルクに換算した値のことである。補機リザーブトルクとは、内燃機関を駆動源とする発電機等の補機を駆動させるのに要するトルクのことである。
<1−4>トルク効率の説明
トルク効率算出部21dは、最大トルク発生点火時期(MBT点火時期)、ノック学習込みベース遅角量および目標ラムダに基づき、トルク効率を算出する。MBT点火時期とは、最大トルクが得られる点火時期のことであり、エンジン回転数やエンジン負荷、水温等に応じて異なる時期となる。但し、MBT点火時期ではノッキングが生じやすいので、MBT点火時期よりも所定時間遅い時期、つまり所定角度遅角させた時期で点火させることが要求される。その遅角させた時期をベース点火時期と呼ぶ。その遅角量(ベース遅角量)は、エンジン回転数やエンジン負荷、水温等に応じて異なる。
また、ノッキングがセンサで検出された場合には、点火時期を所定時間だけ遅角させるように補正するフィードバック制御を実行しており、その遅角補正量(ノック学習量)を次回以降の点火時期制御に反映させる学習制御をノック学習と呼ぶ。そして、ベース点火時期にノック学習量を反映させた時期が目標点火時期に相当する。
演算部B5は、MBT点火時期から目標点火時期を減算して得られた時期を、MBT点火時期に対する目標点火時期の遅角量であるMBT遅角量として演算する。トルク効率算出部21dは、演算部B5により演算されたMBT遅角量および目標ラムダに基づき、トルク効率を算出する。
トルク効率とは、燃焼室での燃焼エネルギのうち、クランク軸の回転トルクに変換される分のエネルギの割合のことである。MBT遅角量が小さいほど、つまり目標点火時期がMBT点火時期に近いほど、トルク効率は高い値に算出される。目標ラムダとは、燃焼室で燃焼する混合気に含まれる、空気と燃料の比率(ラムダ)の目標値のことであり、トルク効率算出部21dは、目標ラムダに応じた値にトルク効率を算出する。例えば、MBT遅角量および目標ラムダとトルク効率との相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、そのマップを参照して、MBT遅角量および目標ラムダに応じたトルク効率をトルク効率算出部21dは算出する。
なお、上述したMBT点火時期、ベース点火時期および目標ラムダの各々は、エンジン回転数、エンジン負荷および水温等の内燃機関の運転状態に応じて、制御モジュール20により設定される。
また、上記ノック学習に係る学習制御は制御モジュール20により実行される。本実施形態に係るECU10は、点火駆動ICから出力される駆動電流または電圧を検出する検出回路を備えている。そして、その検出回路による検出値を用いて、制御モジュール20は機関要求トルクを演算している。具体的には、上記検出値に基づき実点火時期を算出し、その実点火時期を用いてノック学習に係る学習制御を実行し、ノック学習量を算出している。
<1−5>制御用機関要求トルクの説明
演算部B6は、演算部B4により演算されたリザーブ込みトルクに、トルク効率算出部21dにより算出されたトルク効率を除算して、エンジン制御に用いる制御用の機関要求トルクを演算する。要するに、総ロストルクおよびリザーブトルクをユーザ要求トルクに加算した値を、トルク効率で除算することで、機関要求トルク算出部21は機関要求トルクを算出する。
<2>監視モジュール30の説明
監視モジュール30は、推定トルクが機関要求トルクに対して所定以上乖離したトルク異常状態であるか否かを監視するものであることは先述した通りであり、推定トルクとは、内燃機関の実トルクを推定した値のことである。機関要求トルクとは、内燃機関に要求されているトルクのことであり、制御モジュール20の機関要求トルク算出部21により算出される機関要求トルクと同義である。但し、監視モジュール30で算出される機関要求トルクは、トルク異常の監視に用いられる値であり、制御モジュール20で算出される機関要求トルクは、内燃機関に対する目標制御量の算出に用いられる値である。つまり、これら監視用の機関要求トルクと制御用の機関要求トルクは、メモリ11mの記憶領域のうち異なる領域で演算された値である。
図1に示すように、監視モジュール30は、入力保障部31、機関要求トルク演算部32、推定トルク演算部33、トルク比較異常判定部34および電スロカット制御部35としての機能を有する。
入力保障部31は、入力処理回路11cおよび通信回路11dから取得した各種信号のデータが正常であることをチェック(例えばパリティチェック)する。異常であれば、データ修復、データ再取得、データ廃棄等を入力保障部31は実行する。これにより、監視モジュール30が異常データを用いて各種の算出を行うことを回避できる。つまり、入力保障部31は、監視モジュール30による算出に用いられる各種データが正常であることを保障する。
トルク比較異常判定部34は、機関要求トルク演算部32により算出された期間要求トルクと、推定トルク演算部33により算出された推定トルクとの差分を算出し、その差分が所定以上であれば、上述したトルク異常状態であると判定する。この異常判定の詳細については、図5および図12を用いて後述する。トルク異常状態であると判定された場合、電スロカット制御部35は、電スロカット制御部16bと同様にして、電スロ駆動IC14へ電スロカットを指令する信号を出力する。
<2−1>監視用機関要求トルクの説明
図3に示すように、機関要求トルク演算部32は、触媒暖機要求トルク算出部32a、アイドル要求トルク算出部32bおよび演算部B11としての機能を有する。
触媒暖機要求トルク算出部32aは、触媒暖機目標回転数および先述したアクセル開度に基づき、触媒暖機要求トルクを算出する。内燃機関の排気を浄化する触媒を活性化温度以上に温度上昇させるべく排気温度を上昇させる暖機制御については先述した通りであり、暖機制御を実行している期間におけるエンジン回転数の目標値が触媒暖機目標回転数である。そして、触媒暖機要求トルク算出部32aは、暖機制御を実行している期間におけるアクセル開度および触媒暖機目標回転数に基づき、触媒暖機要求トルクを算出する。
触媒暖機要求トルクとは、触媒暖機リザーブトルクと同義である。但し、監視モジュール30で算出される触媒暖機要求トルクは、トルク異常の監視に用いられる値であり、制御モジュール20で算出される触媒暖機リザーブトルクは、内燃機関に対する目標制御量の算出に用いられる値である。つまり、これら監視用の触媒暖機要求トルクと制御用の触媒暖機リザーブトルクは、メモリ11mの記憶領域のうち異なる領域で演算された値である。
図3では、触媒暖機要求トルクの算出に用いる変数の例示として触媒暖機目標回転数およびアクセル開度を記載しているが、他の変数として、水温、ユーザ要求トルク、エンジン回転数および吸気充填効率が挙げられる。吸気充填効率とは、スロットルバルブを通過した吸気の流量に対する、燃焼室で圧縮される吸気の流量の比率のことである。触媒暖機要求トルク算出部32aは、これらの変数の少なくとも1つを用いて触媒暖機要求トルクを算出する。
例えば、アクセルペダルが踏み込まれていない時の触媒暖機目標回転数が大きいほど、触媒暖機要求トルク(リザーブ量)を大きく算出する。また、アクセルペダルが踏み込まれている時のアクセル開度が所定未満であれば触媒暖機要求トルクを所定値に設定し、所定以上であればゼロに設定する。また、水温やエンジン回転数に応じて触媒暖機要求トルクを増減させてもよいし、充填効率に応じて触媒暖機要求トルクを増減させてもよい。
アイドル要求トルク算出部32bは、アイドル目標回転数および先述したエンジン回転数に基づき、アイドル要求トルクを算出する。内燃機関のアイドル運転時にトルクアップさせて燃焼を安定化させるアイドル制御については先述した通りであり、このアイドル制御を実行している期間におけるエンジン回転数の目標値がアイドル目標回転数である。そして、アイドル要求トルク算出部32bは、アイドル制御を実行している期間におけるエンジン回転数およびアイドル目標回転数に基づき、アイドル要求トルクを算出する。
アイドル要求トルクとは、アイドルリザーブトルクと同義である。但し、監視モジュール30で算出されるアイドル要求トルクは、トルク異常の監視に用いられる値であり、制御モジュール20で算出されるアイドルリザーブトルクは、内燃機関に対する目標制御量の算出に用いられる値である。つまり、これら監視用のアイドル要求トルクと制御用のアイドルリザーブトルクは、メモリ11mの記憶領域のうち異なる領域で演算された値である。
図3では、アイドル要求トルクの算出に用いる変数の例示としてアイドル目標回転数およびエンジン回転数を記載しているが、他の変数として、水温、車速、大気圧および吸気充填効率が挙げられる。アイドル要求トルク算出部32bは、これらの変数の少なくとも1つを用いてアイドル要求トルクを算出する。
例えば、アクセルペダルが踏み込まれていない時の目標回転数とエンジン回転数との差分が小さいほど、アイドル要求トルク(リザーブ量)を大きく算出する。また、アクセルペダルが踏み込まれている時のアクセル開度が小さいほど、アイドル要求トルクを大きく算出する。また、水温やエンジン回転数に応じてアイドル要求トルクを増減させてもよいし、充填効率に応じてアイドル要求トルクを増減させてもよい。
演算部B11は、触媒暖機要求トルク算出部32aおよびアイドル要求トルク算出部32bで算出された触媒暖機要求トルクおよびアイドル要求トルクと、ユーザ要求トルクと、外部要求トルクとを加算して、内燃機関に要求されている機関要求トルクを算出する。この算出に用いるユーザ要求トルクは、入力保障部31により保障されたエンジン回転数およびアクセル開度のデータを用いて算出される。
以上により、機関要求トルク演算部32は、入力処理回路11cおよび通信回路11dから取得した各種信号であって、入力保障部31により保障された信号(データ)に基づき、内燃機関に要求されている機関要求トルクを算出する。
<2−2>監視用推定トルクの説明
図3に示すように、推定トルク演算部33は、推定トルク算出部33a、MBT点火時期算出部33b、ベース点火時期算出部33c、トルク効率算出部33d、ロストルク算出部33eおよび演算部B12、B13、B14としての機能を有する。
推定トルク算出部33aは、先述した充填効率およびエンジン回転数に基づき、点火時期がMBTである場合における内燃機関の実際の駆動トルク(MBT推定トルク)を推定する。エンジン回転数が高回転数であるほど、また、充填効率が大きいほど、MBT推定トルクは大きい値に算出される。例えば、エンジン回転数および充填効率とMBT推定トルクとの相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、そのマップを参照して、エンジン回転数および充填効率に応じたMBT推定トルクを推定トルク算出部33aは算出する。
MBT点火時期算出部33bは、充填効率およびエンジン回転数に基づきMBT点火時期を算出する。ベース点火時期算出部33cは、充填効率およびエンジン回転数に基づきベース点火時期を算出する。これらのMBT点火時期およびベース点火時期は、推定トルク算出部33aと同様にして、メモリ11mに予め記憶させておいたマップを参照して算出される。
演算部B12は、MBT点火時期算出部33bにより算出されたMBT点火時期から、ベース点火時期算出部33cにより算出されたベース点火時期を減算した値を、先述したベース遅角量として演算する。トルク効率算出部33dは、演算部B12により演算されたベース遅角量に基づき、先述したトルク効率を算出する。但し、ノック学習量が予め設定しておいた所定量またはゼロとみなして、トルク効率算出部33dはトルク効率を算出する。
ロストルク算出部33eは、エンジン回転数および水温に基づき、ポンプロスおよびフリクションロスを含むロスエネルギをトルク換算したロストルクを算出する。例えば、エンジン回転数および水温とロストルクとの相関を表すマップをメモリ11mに予め記憶させておき、そのマップを参照して、エンジン回転数および水温に応じたロストルクをロストルク算出部33eは算出する。
演算部B13は、推定トルク算出部33aにより算出されたMBT推定トルクに、トルク効率算出部33dにより演算されたトルク効率を乗算した値を、ロストルクを考慮しない推定トルクとして演算する。演算部B14は、演算部B13により演算された推定トルクから、ロストルク算出部33eにより算出されたロストルクを減算した値を、監視用の推定トルクとして演算する。
以上により、推定トルク演算部33は、入力処理回路11cおよび通信回路11dから取得した各種信号であって、入力保障部31により保障された信号(データ)に基づき、内燃機関が実際に出力している駆動トルクを推定する。
<3>監視モジュール30による処理手順の説明
内燃機関の運転期間中には、監視モジュール30による監視機能が常時作動する。具体的には、図4に示すメイン処理が常時実行される。
図4のメイン処理では、先ずステップS10において、モニタ実行条件が満たされているか否かを判定する。例えば、CPUチェック回路11eによるチェックが完了していることや、マイコン監視部16aが異常を検出していないこと等が、モニタ実行条件の具体例として挙げられる。
モニタ実行条件が満たされていると判定された場合、続くステップS20において、先述した機関要求トルク演算部32が、監視用の機関要求トルクを算出する。なお、図3に示す機関要求トルク演算部32ではユーザ要求トルクの算出ブロックを省略しているが、例えばユーザ要求トルク算出部21aと同様にして、エンジン回転数およびアクセル開度に基づきユーザ要求トルクを算出する。但し、入力保障部31により保障されたエンジン回転数およびアクセル開度のデータを用いてユーザ要求トルクを算出する。
続くステップS30では、先述した推定トルク演算部33が、監視用の推定トルクを算出する。続くステップS40、S50では、先述したトルク比較異常判定部34が、トルク異常の判定を実行する。ステップS50にてトルク異常と判定された場合、続くステップS60において、電スロカット制御部35が電スロカット指令信号を出力する。
以下、上記ステップS40およびトルク比較異常判定部34によるトルク異常判定の処理について、詳細に説明する。図5に示すように、トルク比較異常判定部34は、上限ガード設定部34a、トルク乖離量算出部34b、不感帯設定部34c、トルク乖離量積算部34d、トルク異常判定部34eおよび演算部B15、B16としての機能を有する。
演算部B15は、機関要求トルク演算部32により演算された機関要求トルクから、推定トルク演算部33により演算された推定トルクを減算して、トルク乖離量を算出する。上限ガード設定部34aは、内燃機関の運転状態に応じて上限ガード値を設定する。例えば、高エンジン回転数であるほど、また、高負荷運転であるほど、上限ガード値を小さい値に設定する。
トルク乖離量算出部34bでは、演算部B15で算出されたトルク乖離量と、上限ガード設定部34aで設定された上限ガード値とを比較して、小さい方の値をトルク乖離量として設定する。要するに、演算部B15で算出されたトルク乖離量が上限ガード値を超えて大きくなった場合には、トルク異常判定に用いるトルク乖離量を上限ガード値に制限する。
不感帯設定部34cは、車両の運転状態および内燃機関の運転状態の少なくとも一方に応じて、不感帯を設定する。不感帯とは、トルク乖離量のうち所定の下値(ゼロ)から上値までの領域のことであり、トルク乖離量をゼロとみなす領域のことである。車両の運転状態の具体例としては、先述した変速機による変速比および車両の走行速度(車速)等が挙げられる。内燃機関の運転状態の具体例としては、機関要求トルク、ユーザ要求トルク、エンジン回転数およびエンジン負荷等が挙げられる。
例えば、変速機による変速比が小さいほど、つまり変速機による出力トルクが大きいほど、不感帯の上値を大きく設定する(図6参照)。本実施形態に係る変速機は、複数のギア段を有しており、ギア段を切り替えることで、変速機への入力に対する出力の変速比が切り替えられる。そして、低速ギア段に切り替えられた場合には、低回転数(低速)高トルクで車両の駆動輪が回転駆動し、高速ギア段に切り替えられた場合には、高回転数(高速)低トルクで車両の駆動輪が回転駆動する。高速ギア段にして高速低トルクにした場合(図7中の実線参照)には、低速ギア段にして低速高トルクにした場合(図7中の点線参照)に比べて、アクセルペダルの踏み込み量等の条件が同じであれば車両の走行加速度が大きくなる。
そして、走行加速度が大きいほど、トルク異常発生に伴い車両運転者に与える違和感は小さいとみなし、トルク異常状態と判定されにくくしている。具体的には、ギア段が大きいほど、つまり高速低トルクのギア段であり走行加速度が大きいほど、不感帯の上値を大きい値に設定している(図6参照)。
例えば、車速が速いほど、トルク異常発生に伴い車両運転者に与える違和感は小さいとみなし、トルク異常状態と判定されにくくしている。具体的には、車速が速いほど不感帯の上値を大きい値に設定している(図8参照)。例えば、監視用機関要求トルクが大きいほど、トルク異常発生に伴い車両運転者に与える違和感は小さいとみなし、トルク異常状態と判定されにくくしている。具体的には、監視用機関要求トルクが大きいほど不感帯の上値を大きい値に設定している(図9参照)。
図5の説明に戻り、演算部B16は、トルク乖離量算出部34bで設定されたトルク乖離量が、不感帯設定部34cで設定された不感帯の上値未満であれば、そのトルク乖離量から不感帯の上値を減算する。そしてトルク乖離量積算部34d(積算部)は、演算部B16により演算された後のトルク乖離量を積算していく。トルク異常判定部34e(異常判定部)は、トルク乖離量積算部34dにより算出された積算値が所定の異常判定閾値にまで達した場合には、トルク異常状態であると判定する。
上限ガード設定部34a、トルク乖離量算出部34b、不感帯設定部34cおよび演算部B16は、推定トルクと機関要求トルクとの乖離量が大きいほど、計数値を大きい値に設定する「計数値設定部」に相当する。本実施形態では、トルク乖離量をそのまま計数値として用いているが、例えばトルク乖離量が10Nmである場合に計数値を1として、トルク乖離量を所定の計数値に換算してもよい。いずれにしても、トルク乖離量が大きいほど計数値は大きく設定される。なお、本実施形態では、推定トルクから要求トルクを減算した値を乖離量(計数値)としているため、推定トルクが要求トルクよりも小さい場合には乖離量はマイナスの値に設定される。
また、トルク異常判定部34eは、車両の運転状態および内燃機関の運転状態の少なくとも一方に応じて異常判定閾値を可変設定している。車両の運転状態の具体例としては、先述した変速比および車速等が挙げられ、内燃機関の運転状態の具体例としては、機関要求トルク、ユーザ要求トルク、エンジン回転数およびエンジン負荷等が挙げられる。例えば、変速比が小さいほど、つまり変速機による出力トルクが大きいほど、トルク異常発生に伴い車両運転者に与える違和感は小さいとみなし、異常判定閾値を大きく設定してトルク異常状態と判定されにくくしている(図10参照)。或いは、車速が速いほど、トルク異常発生に伴い車両運転者に与える違和感は小さいとみなし、異常判定閾値を大きく設定してトルク異常状態と判定されにくくしている(図11参照)。
図12は、図4のステップS40に係るサブルーチン処理を示すフローチャートであり、先ずステップS41において、トルク乖離量積算値をゼロにリセットする。続くステップS42では、エンジン回転数が所定値以上であるか否かを判定する。上記所定値は、アイドル運転時の回転数より小さい値、かつ、スタータモータによる内燃機関の始動運転時のクランキング回転数より大きい値に設定されている。エンジン回転数が所定値未満であれば、エアフロメータにより検出される吸気量の検出値が安定していないとみなし、以降の異常判定処理の実行を禁止してステップS41に戻る。
エンジン回転数が所定値以上であれば、次のステップS43において、演算部B15が、機関要求トルク演算部32により演算された機関要求トルクから、推定トルク演算部33により演算された推定トルクを減算して、トルク乖離量を算出する。続くステップS44では、上限ガード設定部34aが、内燃機関の運転状態に応じて上限ガード値を可変設定する。続くステップS44aでは、トルク乖離量算出部34bが、トルク乖離量を上限ガード値に制限する。
続くステップS45では、不感帯設定部34cが、車両の運転状態および内燃機関の運転状態の少なくとも一方に応じて、不感帯の領域を可変設定する。続くステップS45aでは、ステップS44aで設定したトルク乖離量が、ステップS45で設定された不感帯の領域内の値であるか否かを判定する。具体的には、トルク乖離量が不感帯の上値以上であるか否かを判定する。
トルク乖離量が不感帯の領域であると判定された場合、次のステップS46において、トルク乖離量の積算値の前回値に、ステップS44aで設定されたトルク乖離量を加算する。トルク乖離量が不感帯の領域であると判定された場合、次のステップS47において、トルク乖離量の積算値の前回値に、ステップS44aで設定されたトルク乖離量を加算するとともに、その加算した値から不感帯の上値を減算する。要するに、これらステップS45a、S46、S47の処理は、演算部B16およびトルク乖離量積算部34dにより実行される。
続くステップS48では、トルク異常判定部34eの説明で先述した通り、車両の運転状態および内燃機関の運転状態の少なくとも一方に応じて、異常判定閾値を可変設定する。続くステップS48aでは、ステップS46、S47で算出したトルク乖離量積算値が、ステップS48で設定された判定閾値以上であるか否かを判定する。積算値が判定閾値未満であると判定された場合には、ステップS42の処理に戻る。積算値が判定閾値以上であると判定された場合には、続くステップS49において、トルク異常判定部34eがトルク異常状態であると判定して、トルク異常フラグをオンに設定する。これにより、図4のステップS50にて異常判定であると判定され、電スロカット指令信号が出力され、電スロの作動が制限される。
<4>監視制御の一態様の説明
図13の(a)〜(g)欄の各々は、エンジン回転数、イグニッションスイッチ、制御モジュール20の演算結果、トルク監視実行フラグ、監視モジュール30の演算結果、トルク乖離量の積算値、トルク異常判定フラグの、経過時間に対する変化を示す。図13に示す例では、(b)欄に示すようにt1時点でイグニッションスイッチがオン操作されると、内燃機関のスタータモータが駆動してエンジン始動し、その後、加速走行、減速走行、アイドル、クリープ、加速走行、減速走行の順に運転状態は推移している。
(a)欄に示すように、エンジン始動に伴いエンジン回転数が所定値にまで上昇したt2時点で、(d)欄に示すトルク監視フラグをオンに設定してトルク監視を実行させ、カウンタによる積算を開始している。ここで言うカウンタとは、トルク乖離量の計数値を積算するトルク乖離量積算部34dのことである。つまり、t2時点で、図12のステップS42で肯定判定され、(f)欄に示すトルク乖離量積算値の積算が許可されている。
(c)欄に示すように、t2時点からt3時点までの期間では、制御モジュール20により演算される機関要求トルクと推定トルクは一致している。同様にして、(d)欄に示すように、t2時点からt3時点までの期間では、監視モジュール30により演算される機関要求トルクと推定トルクはほぼ一致している。
但し、アイドル運転のt3時点で、制御用記憶領域20mに記憶されているデータの異常が発生し、この異常発生に起因して、制御用の機関要求トルクが意図に反して上昇している。これに伴い、制御モジュール20の駆動信号出力部22は、エンジン出力トルクを上昇させるように各種の駆動IC12、13、14を制御する。その結果、制御モジュール20により推定されるトルクである制御用推定トルクおよび実トルクは、制御用の機関要求トルクの上昇に合わせて上昇する。なお、制御用推定トルクは、駆動IC12、13、14のフィードバック制御に用いられるフィードバック値である。
その一方で、監視モジュール30は、異常発生している制御用記憶領域20mとは別の監視用記憶領域30mのデータを用いて要求トルク(監視用要求トルク)を演算している。そのため、制御用記憶領域20mにてデータ異常が発生して制御用要求トルクが上昇しても、監視用要求トルクは上昇しない。但し、実トルクが上昇していることに伴い、(e)欄の点線に示すように監視用推定トルクは上昇する。そのため、監視用要求トルクと監視用推定トルクとの乖離であるトルク乖離量が増大していく。
トルク乖離量が増大していくと、(f)欄に示す積算値も増大していく。但し、異常発生のt3時点からt4時点までの期間は、トルク乖離量が不感帯よりも小さいため、積算値はゼロのままである。また、t5時点でトルク乖離量が上限ガードまで上昇したことに起因して、t5時点以降は積算値の増加速度は低下している。
その後、積算値が異常判定閾値まで上昇したt6時点で、(g)欄に示すようにトルク異常判定のフラグがオンに設定されている。これにより、電スロカット制御部35によるエンジン出力制限が為され、実トルクおよびエンジン回転数が低下し、制御用推定トルクおよび監視用推定トルクも低下している。監視用推定トルクが十分に低下すると、トルク乖離量が不感帯の上値よりも小さい値となり、その結果、図12のステップS47にて積算値が減少していく。つまり、(f)欄に示すt7時点で積算値が減少を開始する。その後、積算値が異常判定閾値未満となったt8時点で、(g)欄に示すようにトルク異常判定のフラグがオフに設定されている。
その後、加速走行中に、制御用記憶領域20mに記憶されているデータの異常が発生し、この異常発生に起因して、制御用の機関要求トルクが意図に反して低下している。これに伴い、制御モジュール20の駆動信号出力部22は、エンジン出力トルクを低下させるように各種の駆動IC12、13、14を制御する。その結果、制御用推定トルクおよび実トルクは、制御用機関要求トルクの上昇に合わせて低下する。この場合、監視用推定トルクも減少するがトルク乖離量はマイナスの値となり、トルク乖離量積算値はゼロに張り付いた状態になる。
その後、イグニッションスイッチがオフ操作されたことに伴い、エンジン回転数が低下して所定値未満となったt9時点で、トルク監視フラグをオフに設定してトルク監視を終了させ、積算値をゼロにクリアさせている。
<5>作用効果の説明
本実施形態によれば、ECU10(トルク監視装置)は、計数値設定部、積算部および異常判定部を備える。計数値設定部は、監視用推定トルクと監視用機関要求トルクとの乖離量が大きいほど、計数値としてのトルク乖離量を大きい値に設定する。積算部は、トルク乖離量の積算値を算出し、異常判定部は、積算値が異常判定閾値以上になった場合に、トルク異常状態であると判定する。そのため、乖離量が大きいほどトルク異常状態と判定されやすくなり、トルク異常を迅速に検知できるようになり、それでいて、乖離量が小さいほどトルク異常状態と判定されにくくなり、ノイズ等の原因によりトルク異常と誤判定されるおそれを低減できる。
図14は、上述の如くトルク異常を迅速に検知できる様子を示す一態様であり、図14の横軸は経過時間を示し、縦軸は、意図に反して内燃機関の実際の出力(実トルク)が上昇する様子を示す。図中の一点鎖線L1は、異常に伴う実トルクの上昇が小さく、トルク乖離量が小さい場合の例であり、この場合には、tc時点で積算値が異常判定閾値にまで上昇して異常判定される。
図中の点線L2は、異常に伴う実トルクの上昇が大きく、トルク乖離量が大きい場合の例である。この場合には、トルク乖離量が大きいので計数値が大きく設定されため、tc時点よりも早いtb時点で積算値が異常判定閾値にまで上昇して異常判定される。
図中の二点鎖線L3は、異常に伴う実トルクの上昇がさらに大きく、トルク乖離量が上限ガード値を超えて大きくなっている場合の例である。この場合には、計数値が上限ガード値に制限されるものの、tb時点よりも早いta時点で積算値が異常判定閾値にまで上昇して異常判定される。
図中の実線L4は、異常判定の迅速性が要求される要求値を示す。実線L4に示すように、実トルクの上昇速度が大きいほど、短時間で異常判定されることが要求される。但し、上限ガード値により計数値の大きさが制限されているので、所定時間未満では異常判定されないようになっている。
さらに本実施形態では、計数値設定部は、計数値が予め設定された上限ガード値を超えて大きくならないように計数値を設定する。そのため、トルク乖離量が上限ガード値を超えて大きくなる現象が、ノイズ等の原因で瞬時的に生じた場合に、一瞬で積算値が異常判定値を超えて異常判定されることが回避される。よって、トルク乖離量が瞬時的に上限ガード値を超えるような電スロカットが必要でない場合にまでトルク異常判定されることを抑制できる。換言すれば、トルク異常の誤判定を抑制できる。
ここで、上限ガード値を小さい値に設定するほど、トルク異常の誤判定抑制を促進できるが、その背反として、トルク異常検知の迅速性が損なわれる。そして、誤判定抑制と迅速性の最適なバランスは、内燃機関の運転状態に応じて異なる。この点を鑑み、本実施形態では、内燃機関の運転状態に応じて上限ガード値を可変設定するので、上記バランスの最適化を図ることができる。例えば、高エンジン回転数であるほど、また、高負荷運転であるほど、トルク異常発生に伴い車両運転者に与える違和感は小さいとみなして、上限ガード値を小さい値に設定し、トルク異常検知の迅速性よりも誤判定抑制の促進を優先させる。
さらに本実施形態では、積算部は、トルク乖離量が予め設定された不感帯の範囲内である場合の計数値については、計数値の積算を制限する。具体的には、トルク乖離量が不感帯の上値未満であれば、トルク乖離量に相当する計数値だけ積算値に加算しつつも、上値に相当する計数値だけ積算値から減算する。そのため、トルク乖離量が不感帯の範囲の小さい値で生じる現象が、ノイズ等の原因で長期間に亘って継続する場合に、積算値が異常判定値を超えて異常判定されることが回避される。よって、微少なトルク乖離量が長期間継続するような電スロカットが必要でない場合にまでトルク異常判定されることを抑制できる。換言すれば、トルク異常の誤判定を抑制できる。
ここで、不感帯の上値を大きい値に設定するほど、トルク異常の誤判定抑制を促進できるが、その背反として、トルク異常検知の迅速性が損なわれる。そして、誤判定抑制と迅速性の最適なバランスは、内燃機関の運転状態や車両の運転状態に応じて異なる。この点を鑑み、本実施形態では、不感帯は、車両または内燃機関の運転状態に応じて可変設定されるので、上記バランスの最適化を図ることができる。例えば、変速比が小さいほど、或いは、車両の走行速度が速いほど、トルク異常発生に伴い車両運転者に与える違和感は小さいとみなして、不感帯を広い範囲に設定し、トルク異常検知の迅速性よりも誤判定抑制の促進を優先させる。
また、異常判定閾値を大きい値に設定するほど、トルク異常の誤判定抑制を促進できるが、その背反として、トルク異常検知の迅速性が損なわれる。そして、誤判定抑制と迅速性の最適なバランスは、車両の運転状態や内燃機関の運転状態に応じて異なる。この点を鑑み、本実施形態では、異常判定閾値は、車両の運転状態または内燃機関の運転状態に応じて可変設定されるので、上記バランスの最適化を図ることができる。例えば、変速比が小さいほど、或いは、車両の走行速度が速いほど、トルク異常発生に伴い車両運転者に与える違和感は小さいとみなして、異常判定閾値を大きい値に設定し、トルク異常検知の迅速性よりも誤判定抑制の促進を優先させる。
さらに本実施形態に係るECU10(トルク監視装置)は、制御モジュール20(制御用演算装置)および監視モジュール30(監視用演算装置)を備える。制御モジュール20は、制御用記憶領域20mを用いて演算する演算装置であって、ユーザ要求トルクに応じて、内燃機関の燃焼状態を制御する制御量の目標値である目標制御量を演算する。監視モジュール30は、制御用記憶領域20mとは別の監視用記憶領域30mを用いて演算する演算装置であって、計数値設定部、積算部および異常判定部を有する。このように、トルク監視する演算装置である監視モジュール30は、制御用記憶領域20mとは別の監視用記憶領域30mを用いて演算する。そのため、図13に例示したように、監視用の推定トルクが異常値になるのに対して監視用の要求トルクは異常時にならないので、トルク乖離量が大きくなり、制御用記憶領域20mに記憶されたデータの異常に起因したトルク異常の監視が可能となる。
さて、監視に用いる推定トルクおよび要求トルクの演算速度および演算精度は、制御に用いる推定トルクおよび要求トルクに比べて低い。この点を鑑み、本実施形態では、監視モジュール30の演算周期は制御モジュール20の演算周期より長い。そのため、監視モジュール30の演算処理負荷が必要以上に大きくなることを回避できる。
また、監視に用いる推定トルクおよび要求トルクの場合、これらのトルクの演算に用いるデータが正常時であることの保障に対する要求は、制御に用いる推定トルクおよび要求トルクの場合に比べて高い。この点を鑑み、本実施形態では、監視モジュール30は、監視モジュール30の外部から取得したデータが正常であることをチェックする入力保障部31を有する。そのため、監視モジュール30の演算に用いるデータが正常時であることの保障を向上でき、上記要求に応えることができる。
さらに本実施形態では、監視モジュール30は、機関要求トルク演算部32および推定トルク演算部33を有する。そして機関要求トルク演算部32は、内燃機関の点火時期の遅角に伴い生じる実トルクの低下分をリザーブトルクとして算出し、算出したリザーブトルクおよびユーザ要求トルクに基づき機関要求トルクを演算する。そのため、リザーブトルクを考慮せずに機関要求トルクを演算することに起因して生じる、機関要求トルクと推定トルクとの乖離を抑制できるので、トルク異常を誤判定するおそれを抑制できる。
さらに本実施形態では、制御モジュール20は、目標点火時期を触媒暖機要求時に遅角させるように設定しており、機関要求トルク演算部32は、触媒暖機要求の遅角量に相当する燃焼効率悪化分のトルク以上となるようにリザーブトルクを算出する。
さらに本実施形態では、制御モジュール20は、目標点火時期をアイドル運転時に遅角させるように設定しており、機関要求トルク演算部32は、アイドル要求トルクの遅角量に相当する燃焼効率悪化分のトルク以上となるようにリザーブトルクを算出する。このように、触媒暖機要求やアイドル要求の如く点火時期の遅角に起因した燃焼効率悪化分が、監視用の機関要求トルクに反映されるので、上述した誤判定のおそれを抑制できる。
(他の実施形態)
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記第1実施形態では、トルク乖離量が不感帯の上値未満の場合に、トルク乖離量に相当する計数値だけ積算値に加算しつつ、上値に相当する計数値だけ積算値から減算していくので、積算値は減少していくことになる。これに対し、トルク乖離量が不感帯の上値未満の場合に、積算値への計数値の加算を禁止し、かつ、上値に相当する計数値だけ積算値から減算することを廃止して、積算値が減少しないようにしてもよい。
上記第1実施形態では、トルク乖離量が不感帯の範囲内であるか否かに応じて計数値の積算を制限している。これに対し、トルク乖離量に対応する計数値が不感帯の範囲内であるか否かに応じて計数値の積算を制限してもよい。
上記第1実施形態では、内燃機関の運転状態に応じて上限ガード値を可変設定しているが、運転状態に拘らず、上限ガード値を予め設定した固定値に設定してもよい。上記第1実施形態では、車両または内燃機関の運転状態に応じて不感帯を可変設定しているが、運転状態に拘らず、不感帯を予め設定した固定値に設定してもよい。同様にして、異常判定閾値についても、可変設定を廃止して、予め設定した固定値に設定してもよい。
上記第1実施形態では、図12のステップS42の処理において、エンジン回転数が所定値以上であることを条件として、ステップS43以降のトルク異常判定処理を実行している。これに対し、エンジン回転数の変動量が所定未満であることを条件として、ステップS43以降のトルク異常判定処理を実行してもよい。
上記第1実施形態では、監視モジュール30が計数値設定部、積算部および異常判定部を有しており、監視モジュール30により計数値の設定、積算値の算出および異常判定が実行されている。これに対し、制御モジュール20が計数値設定部、積算部および異常判定部を有し、制御モジュール20により計数値の設定、積算値の算出および異常判定が実行されていてもよい。また、制御モジュール20および監視モジュール30の両方で実行されていてもよい。
上記各実施形態では、監視モジュール30の演算速度は制御モジュール20の演算速度よりも遅い。具体的には、入力保障部31によるチェック処理速度がボトルネックとなり、機関要求トルク演算部32および推定トルク演算部33の演算速度は、機関要求トルク算出部21の演算速度よりも遅くなっている。これに対し、監視モジュール30の演算速度が制御モジュール20の演算速度と同等であってもよい。
上記各実施形態では、共通する1つのメモリ11mの記憶領域に、制御用記憶領域20mおよび監視用記憶領域30mを設定している。これに対し、ECU10に複数のメモリを設け、第1のメモリの記憶領域を制御用記憶領域として設定し、第2のメモリの記憶領域を監視用記憶領域として設定してもよい。
上記各実施形態では、共通する1つのMCU11が、制御用記憶領域20mおよび監視用記憶領域30mを有している。これに対し、ECU10に複数のMCUを設け、第1のMCUが制御用記憶領域を有し、第2のMCUが監視用記憶領域を有するように構成されていてもよい。
上記各実施形態では、車両に搭載された内燃機関をECU10の制御対象としているが、車載以外の定置式の内燃機関をECU10の制御対象としてもよい。また、ハイブリッド車や電気自動車に搭載されている車両駆動用モータを監視対象としても良い。その場合には、車両駆動用モータの要求トルクと実トルクの乖離量が大きいほど、計数値を大きい値に設定する。
10…ECU(トルク監視装置)、20…制御モジュール(制御用演算装置)、20m…制御用記憶領域、30…監視モジュール(監視用演算装置)、30m…監視用記憶領域、34a…上限ガード設定部(計数値設定部)、34b…トルク乖離量算出部(計数値設定部)、34c…不感帯設定部(計数値設定部)、34d…トルク乖離量積算部(積算部)、34e…トルク異常判定部、B16…演算部(計数値設定部)。

Claims (12)

  1. 内燃機関の実トルクの推定値である推定トルクが、前記内燃機関に要求されている機関要求トルクと乖離したトルク異常状態であるか否かを監視するトルク監視装置において、
    前記推定トルクと前記機関要求トルクとの乖離量が大きいほど、計数値を大きい値に設定する計数値設定部(34a、34b、34c、B16)と、
    前記計数値を積算した値である積算値を算出する積算部(34d)と、
    前記積算値が所定の異常判定閾値以上になった場合に、前記トルク異常状態であると判定する異常判定部(34e)と、
    を備え
    前記計数値設定部は、前記計数値が予め設定された上限ガード値を超えて大きくならないように前記計数値を設定するトルク監視装置。
  2. 前記上限ガード値は、前記内燃機関の運転状態に応じて可変設定される請求項に記載のトルク監視装置。
  3. 前記積算部は、前記乖離量が予め設定された不感帯の範囲内である場合の前記計数値については、前記積算を制限する請求項1または2に記載のトルク監視装置。
  4. 内燃機関の実トルクの推定値である推定トルクが、前記内燃機関に要求されている機関要求トルクと乖離したトルク異常状態であるか否かを監視するトルク監視装置において、
    前記推定トルクと前記機関要求トルクとの乖離量が大きいほど、計数値を大きい値に設定する計数値設定部(34a、34b、34c、B16)と、
    前記乖離量が予め設定された不感帯の範囲外である場合は、前記計数値を積算した値積算値として算出し、前記乖離量が前記不感帯の範囲内である場合は、前記計数値を積算した値から前記不感帯の上値に相当する値を減算した値を積算値として算出する積算部(34d)と、
    前記積算値が所定の異常判定閾値以上になった場合に、前記トルク異常状態であると判定する異常判定部(34e)と、
    を備えトルク監視装置。
  5. 前記不感帯は、前記内燃機関を駆動源として走行する車両の運転状態、または前記内燃機関の運転状態に応じて可変設定される請求項3または4に記載のトルク監視装置。
  6. 前記車両には、前記内燃機関の出力軸の回転速度を所望の回転速度に変換して出力する変速機が備えられており、
    前記変速機への入力に対する出力の変速比が小さいほど、或いは、前記車両の走行速度が速いほど、前記不感帯は広い範囲に設定される請求項5に記載のトルク監視装置。
  7. 前記異常判定閾値は、前記内燃機関を駆動源として走行する車両の運転状態、または前記内燃機関の運転状態に応じて可変設定される請求項1〜6のいずれか1つに記載のトルク監視装置。
  8. 内燃機関の実トルクの推定値である推定トルクが、前記内燃機関に要求されている機関要求トルクと乖離したトルク異常状態であるか否かを監視するトルク監視装置において、
    前記推定トルクと前記機関要求トルクとの乖離量が大きいほど、計数値を大きい値に設定する計数値設定部(34a、34b、34c、B16)と、
    前記計数値を積算した値である積算値を算出する積算部(34d)と、
    前記積算値が所定の異常判定閾値以上になった場合に、前記トルク異常状態であると判定する異常判定部(34e)と、
    を備え
    前記異常判定閾値は、前記内燃機関を駆動源として走行する車両の運転状態、または前記内燃機関の運転状態に応じて可変設定されるトルク監視装置。
  9. 前記車両には、前記内燃機関の出力軸の回転速度を所望の回転速度に変換して出力する変速機が備えられており、
    前記変速機への入力に対する出力の変速比が小さいほど、或いは、前記車両の走行速度が速いほど、前記異常判定閾値は大きい値に設定される請求項7または8に記載のトルク監視装置。
  10. 制御用記憶領域(20m)を用いて演算する演算装置であって、ユーザが要求する前記内燃機関の駆動トルクであるユーザ要求トルクに応じて、前記内燃機関の燃焼状態を制御する制御量の目標値である目標制御量を演算する制御用演算装置(20)と、
    前記制御用記憶領域とは別の監視用記憶領域(30m)を用いて演算する演算装置であって、前記計数値設定部、前記積算部および前記異常判定部を有する監視用演算装置(30)と、
    を備える請求項1〜のいずれか1つに記載のトルク監視装置。
  11. 前記監視用演算装置の演算周期は、前記制御用演算装置の演算周期より長い請求項10に記載のトルク監視装置。
  12. 前記監視用演算装置は、前記監視用演算装置の外部から取得したデータが正常であることをチェックする入力保障部(31)を有する請求項10または11に記載のトルク監視装置。
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