JP6540660B2 - 内燃機関のデータ記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されて内燃機関の故障診断のためのデータを記録する装置に関し、特に、運転者が力不足を感じるような故障の診断に有益なものに係る。
従来より自動車などの車両において、内燃機関の故障の早期発見や原因究明のために、運転データが正常でない(即ち、異常な)状態を検出する手法が種々、検討されている。一例として特許文献1には、車両の走行中に運転データを逐次取得し、時系列に変化する運転データのパターン(運転シーンともいう)に区分けした上で、それぞれのパターンの特徴を抽出し、この特徴に基づいて異常の判定の基準値を設定することが開示されている。
すなわち、例えばアクセルペダルの踏み込みに対して車速が正常に応答しない異常が、車両の発進時にのみ発生しており、このときのアクセル開度および車速のそれぞれの値は、減速後の加速時などにおいて通常、検出されるようなものであるとする。このような場合に同じ基準値で異常を判定しようとすると、車両の発進時においては異常を見逃すおそれがあり、また、減速後の加速時などにおいては正常であるにもかかわらず、異常と誤判定するおそれがある。
つまり、車両の発進時と減速後の加速時という異なる走行シーンにおいては、それぞれ異なる基準値に基づいて異常を判定しなくてはならない。そこで、特許文献1の装置では、種々の運転シーンにおける運転データ、例えばアクセル開度および車速の関係を表す時系列のデータを区分けして、それぞれのパターンに対応するよう適切な基準値を設定するようにしている。
特開2014−234113号公報
しかしながら前記従来例の装置では、まず、幅広い運転シーンにおける車両の運転データを逐次取得し、時刻の情報と共に記憶した上で、時系列に変化する運転データのパターンに区分けして、それぞれのパターンの特徴を二重文節構造解析などによって抽出する。そして、それぞれのパターン特徴に基づいて統計的手法により異常の判定基準値を適切に設定するというものであり、これら一連の処理が複雑で、演算の負荷が重くならざるを得ない。
このような実情を考慮して本発明の目的は、前記のような複雑な処理を行わず、演算の負荷も抑えながら、内燃機関が出力不足となる故障の診断のためのデータを記録できるようにすることにある。
前記の目的を達成すべく本発明では、内燃機関の出力が不足しているだけでなく、それを感じた運転者がアクセルを踏み増したときに、故障の診断が必要と判定するようにしている。すなわち、本発明は、車両に搭載された内燃機関の実出力トルクが要求トルクに対して小さい出力不足となっているか否かの故障診断を行うためのデータを記録する内燃機関のデータ記録装置を対象として、アクセル開度が増加して該アクセル開度が第1の所定開度以上で、且つ要求トルクに対する実出力トルクの比率が100%よりも小さい所定値未満の異常状態となったときに異常時間の積算を開始し、その後、前記異常状態となっていることを条件として異常時間を積算していく計時手段と、その異常時間が予め設定した時間以上になっており、且つアクセル開度が前記第1の所定開度よりも大きな第2の所定開度以上であるときに、内燃機関が出力不足となっているか否かの故障診断が必要と判定する判定手段と、この判定手段によって前記故障診断が必要と判定された場合に、内燃機関が出力不足となっているか否かの故障診断のための所定のデータである吸気量、燃料供給量、点火時期、バルブタイミングを含むデータを記録手段に記録させる制御手段と、を備えている。
前記の構成により、まず、車両の走行中に運転者がアクセルペダルを踏み操作して、アクセル開度が第1の所定開度以上になっているにもかかわらず、このアクセル開度に対応する要求トルクに対して、内燃機関の実出力トルクが十分に大きくならないとする。すなわち、要求トルクは、例えば内燃機関と自動変速機との協調制御によって、運転者が車両に求める駆動力を実現できるようなトルクであり、一般的にその駆動力に対して内燃機関や動力伝達系の摩擦などの損失分を加えて算出される。
よって、要求トルクに対する実出力トルクの比率が100%よりも小さい所定値未満であれば、内燃機関の出力不足の異常が起きていて、運転者が不快に感じている可能性が高いので、このような異常状態となったときに異常時間の積算を開始し、その後、前記異常状態となっていることを条件として異常時間を計時手段によって積算していく。そして、積算される異常時間が予め設定した時間以上になって、且つアクセル開度が前記第1の所定開度よりも大きな第2の所定開度以上になれば、即ちアクセル踏み増しが行われれば、判定手段によって、内燃機関が出力不足となっているか否かの故障診断が必要と判定される。
つまり、異常時間が予め設定した時間以上になっている状況で運転者がアクセルペダルを踏み増しすれば、このことに基づいて、従来例(特許文献1)のような複雑な処理を行うことなく、また、演算の負荷も重くならないようにしながら(即ち演算負荷を抑えながら)、内燃機関の出力不足の故障の診断が必要か否か適切に判定することができる。この判定に応じて制御手段により、故障の診断や原因究明のために有益なデータを記録手段に記録することができる。
ところで、例えば高地のように大気圧の低い環境下では、内燃機関に吸入される空気の密度が低くなることから、機関出力が不足していると誤判定しやすくなる。この点で好ましいのは、前記要求トルクに対する実出力トルクの比率に関する所定値を、大気圧が低いほど小さな値に変更するか、前記異常時間に関して予め設定された時間を、大気圧が低いほど長い時間に変更するか、の少なくとも一方の補正制御を行うことである。こうすることで、誤判定を抑制できる。
また、前記のようにアクセル開度が第1の所定開度以上になっていても、運転者は車両の加速感に概ね満足してアクセルペダルを戻し気味にしており、それ故に、要求トルクに対する実出力トルクの比率が所定値未満になっていることもあり得る。そこで、このような場合を排除して、異常時間の計測精度を高めるために好ましいのは、アクセル開度が前記第1の所定開度以上で、且つ要求トルクに対する実出力トルクの比率が100%よりも小さい所定値未満の異常状態となっている場合において、前記アクセル開度が小さくなる状況で且つ前記アクセル開度の時間微分値である増加率が所定の負の値である閾値未満である積算中断条件が成立しておれば前記異常時間の積算を中断し、前記積算中断条件が成立していなければ前記異常時間を積算することである。
こうしてアクセルペダルが戻し気味にされたときに、異常時間の積算を中断するようにした場合、それまでに積算した異常時間は保持するか、または零にクリアすることが考えられる。例えば、アクセルペダルが或る程度以上の時間をかけて踏み込まれた後に、戻し気味にされた場合は、運転者には加速要求があり、アクセルペダルは再び踏み込まれる可能性が高いと考えられるので、積算した異常時間を保持しておくのが好ましい。
一方、アクセルペダルが前記のような時間をかけずに、比較的短時間で踏み込まれた後に戻し気味にされた場合、運転者は意識してアクセルペダルを踏み込んでいるのではなく、加速要求はないと考えられる。そして、仮にこのような場合まで、積算された異常時間を保持するようにすると、これが積算されて前記設定時間以上になってしまい、出力不足の異常と誤判定するおそれがある。
そこで、好ましいのは、アクセル開度が前記第1の所定開度以上で、且つ要求トルクに対する実出力トルクの比率が100%よりも小さい所定値未満の異常状態となっている場合において、前記積算中断条件が成立したとき、そのときまでに積算した前記異常時間が所定時間以上であれば(即ち、アクセルペダルが或る程度以上の時間をかけて踏み込まれた後に、戻し気味にされたのであれば)、この異常時間を保持する一方、所定時間未満であれば異常時間は零にクリアするようにすることである。
以上、説明したように本発明に係る内燃機関のデータ記録装置によると、内燃機関の故障によって出力不足の異常が起きていると考えられる状態(異常状態)で、車両の運転者がアクセルペダルを踏み増したときに、故障の診断が必要と判定してデータを記録させるようにしたので、運転シーンによって異なる基準値を最適設定するための複雑な処理が不要になり、演算負荷も抑えながら、出力不足の故障の診断が必要か否か適切に判定し、その診断のために有益なデータを記録することができる。
本発明を適用するエンジンの概略構成図である。 ECUの構成を模式的に示す説明図である。 フリーズフレームデータの生成を模式的に示す説明図である。 故障に係る判定からデータの記録までの制御の一例を示すフローチャートである。 故障に係る判定の際のアクセル開度およびエンジントルクの変化の一例を示すタイミングチャートである。 変形例1においてトルク達成率の所定値や異常時間についての設定時間を、それぞれ空気密度に応じて補正するマップのイメージ図である。 アクセル開度増加率が閾値未満のときに異常時間のカウントを中断するようにした変形例2に係る図4相当図である。 前記変形例2に係る図5相当図である。 異常時間のカウントを中断したときのカウント値に応じて、このカウント値を保持またはクリアするようにした変形例3に係る図4、7相当図である。 前記変形例3に係る図5、8相当図である。 故障に係る判定によらずデータを記録するようにした他の実施形態に係る図4相当図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。一例として本実施の形態では、図示しない自動車(車両)に搭載された内燃機関(以下、エンジン1という)のデータ記録装置について説明する。
−エンジンの概略構成−
図1は、実施の形態に係るエンジン1の概略構成を示す。このエンジン1は一例として多気筒ガソリンエンジンであって、各気筒2には燃焼室11を区画するようにピストン12が収容されている。ピストン12とクランクシャフト13はコンロッド14によって連結され、シリンダブロック17の下部には、クランクシャフト13の回転角(クランク角)を検出するクランク角センサ61が配設されている。
一方、シリンダブロック17の上部にはシリンダヘッド18が締結されて、各気筒2の上端を閉ざしている。このシリンダヘッド18には、気筒2内に臨むように点火プラグ20が配設され、後述のECU100によって制御されるイグナイタ21から高電圧が供給されることによって、火花放電するようになっている。なお、シリンダブロック17の側壁の上部には、エンジン1の冷却水温を検出する水温センサ62が配設されている。
また、各気筒2毎の燃焼室11に連通するように、吸気通路3および排気通路4が設けられている。吸気通路3の下流側(吸気流の下流側)の部分は、シリンダヘッド18に形成された吸気ポートであり、これが燃焼室11に臨む開口に吸気バルブ31が配設されている。同様に排気通路4の上流側(排気流の上流側)の部分は排気ポートであり、その開口には排気バルブ41が配設されている。これら吸気バルブ31および排気バルブ41を動作させるための動弁系5はシリンダヘッド18に設けられている。
一例として本実施の形態の動弁系5は、吸気バルブ31を駆動する吸気カムシャフト51と、排気バルブ41を駆動する排気カムシャフト52とを備えている。これら2つのカムシャフト51,52が、図示しないタイミングチェーンなどを介してクランクシャフト13により駆動されることで、吸気バルブ31および排気バルブ41は所定のタイミングで開閉される。また、吸気カムシャフト51には電動のVVT53が備わっており、吸気バルブ31の開閉タイミングは後述のECU100によって制御される。
そして、前記吸気通路3には、その上流側から順にエアクリーナ32、エアフローメータ63、吸気温センサ64(エアフローメータ63に内蔵)、および、電子制御式のスロットルバルブ33が配設されている。このスロットルバルブ33はスロットルモータ34によって駆動され、吸気の流れを絞ってエンジン1の吸気量を調整するものであり、その開度(スロットル開度)は、後述のECU100によって制御される。
また、吸気通路3には各気筒2毎に燃料噴射用のインジェクタ35も配設されており、このインジェクタ35が後述のECU100によって制御され、吸気通路3内に燃料を噴射する。こうして噴射された燃料が吸気と混合されて気筒2内に吸入され、燃焼室11において点火プラグ20により点火されて燃焼する。そして、発生した既燃ガスは排気通路4へ流出し、触媒コンバータ42によって浄化される。なお、触媒コンバータ42の上流側には空燃比センサ65が配設されている。
−ECU−
ECU100は、公知の電子制御ユニット(Electronic Control Unit)からなり、図2に模式的に示すようにCPU101、ROM102、RAM103およびバックアップRAM104などを備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムやマップに基づいて種々の演算処理を実行するもので、ROM102は、エンジン1の制御プログラムを記憶している他、後述する故障判定などのプログラムも記憶している。
また、RAM103はCPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリ(記憶手段)であり、バックアップRAM104は、エンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記録する不揮発性のメモリである。本実施の形態においてバックアップRAM104は、後述するように故障診断のためのデータを記録する記録手段を兼ねている。
一例としてバックアップRAM104は、例えばEPROM、F−ROM(フラッシュ・ロム)等を採用すればよい。なお、バックアップRAM104とは別に例えばHDD(ハード・ディスク・ドライブ)を記録手段として設けることもできる。そして、前記のCPU101、ROM102、RAM103ならびにバックアップRAM104はバス106を介して互いに接続されているとともに、入出力のインターフェース105と接続されている。
このインターフェース105には、図1を参照して上述したようにクランク角センサ61、水温センサ62、エアフローメータ63、吸気温センサ64、空燃比センサ65などが接続されている。また、インターフェース105には、図1にも示すように、車室内に設けられたアクセルペダル7の操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ66と、車室外に臨んで設けられた大気圧センサ67とが接続され、さらに、図示はしないが、エンジン1の運転制御に用いられるそれ以外のセンサやスイッチも接続されている。
そして、ECU100は、前記の各種センサ、スイッチ等から入力する信号に基づいて種々の制御プログラムを実行することにより、アクセル開度やエンジン1の負荷および回転数、或いは車速等に基づいてエンジン1への要求トルクを算出し、この要求トルクを出力するように、イグナイタ21による点火時期の制御、スロットルモータ34によるスロットル開度の制御(即ち、吸気量の制御)インジェクタ35による燃料噴射の制御、およびVVT53による吸気バルブタイミングの制御などを実行する。
なお、エンジン1への要求トルクは、エンジン1とトランスミッションとの協調制御によって、運転者が車両に対し要求する挙動を実現することができるようなトルクであり、運転者が車両に求める駆動力に対して、エンジン1や動力伝達系でロスとなる摩擦などの損失分のトルクを加えて、算出される。さらに、ECU100は、以下に説明するようにエンジン1の故障診断のためのデータを記録する制御も行う。
−故障診断データ−
前記したようにECU100は、運転者の求める駆動力が得られるように、要求トルクに基づいてエンジン1の吸気量や燃料噴射量、点火時期、バルブタイミング等を制御するが、例えばスロットルモータ34の故障によってスロットル開度が小さくなったり、インジェクタ35の噴口の詰まりによって燃料の噴射量が少なくなったりして、エンジン1の実出力トルクが小さくなることがある。
このような場合には、運転者によるアクセルペダル7の踏み込みに対して車速がスムーズに上昇しないことがあり、このことから故障と判定できることもある。しかしながら、一般的にエンジン1の出力制御には応答遅れがあり、この遅れの大きさは車両の走行状態や運転者による操作によって変化するので、例えばアクセル開度と車速の上昇する度合い(加速度)との関係から一義的に故障を判定することは困難であった。
そこで、本実施の形態では、前記のようにエンジン1の出力が不足しており、何らかの故障が起きていると懸念される異常状態において、運転者がアクセルペダル7を踏み増したときに故障の診断が必要と判定するようにしている。そして、この判定(以下、故障に係る判定ともいう)に応じて所定のデータセット(以下に述べるフリーズフレームデータ)をバックアップRAM104に記録させるようにしている。以下、具体的に図3、図4および図5を参照して説明する。
まず、本実施の形態のECU100において、CPU101は、上述の如くエンジン1の運転データ、即ち各種センサからの信号値やこれにより演算されたエンジン回転数、吸気量、空燃比などのデータを所定周期でRAM103に記憶更新している。公知のようにRAM103には複数の記憶領域があり、CPU101は予め設定された故障診断データをRAM103の所定領域に時系列に記憶しつつ、所定時間毎に更新する。
なお、故障診断データは、運転者の操作や自動車の走行状態に関連して、エンジン1の出力不足の故障診断のために記録すべき情報を予め設定したものであり、例えばアクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作、車速、加速度、エンジン回転数、吸気量、燃料噴射量、点火時期、バルブタイミング等々の情報が挙げられる。
これらの故障診断データは、ECU100の電源がオンになっている間、図3には模式的に白丸○で示すように時系列にRAM103に記憶され、かつ所定時間毎に更新されてゆく。すなわち、一時記憶するデータ量が、サンプリング時間Tnに対応して予め設定された記憶容量を越えると、最も古いデータから順に新しいデータによって上書きされてゆく。
そして、以下に詳説するようにエンジン1の出力不足の故障診断が必要と判定されると、図3には星印☆で示すようにトリガが発せられ、このトリガ点のデータ、即ち故障に係る判定時点のデータと、それよりも以前の所定時間内におけるデータ(プリトリガデータ)と、トリガ点よりも以降の所定時間内におけるデータ(ポストトリガデータ)とが、RAM103の所定領域から読み出されてフリーズフレームデータとされ、バックアップRAM104に書き込まれる。
こうしてバックアップRAM104に記録されたデータは、例えばディーラーや自動車メーカー等において、故障の原因究明のための解析に利用することができる。そのためにECU100には、図示しないが、ディーラー等に配備されている専用端末装置用の接続ポートが設けられており、この接続ポートに専用端末装置を接続してバックアップRAM104のデータを転送できるようになっている。
−故障に係る判定の手順−
本実施の形態においてECU100は、アクセルペダル7の踏み込みに対してエンジン1がなかなか応答せず、異常が起きていると考えられる状態(異常状態)において、運転者がアクセルペダル7を踏み増したときに、故障の診断が必要と判定するようにしている。以下、CPU101によって実行される判定の手順を図4のフローチャートを参照して説明する。なお、このルーチンはECU100の電源がオンになっている間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、ルーチンが開始されると(START)、ステップST1においてアクセル開度センサ66からの信号に基づいて、運転者によりアクセルペダル7が所定以上、大きく踏み込まれているか否か(アクセル開度Acc≧第1の所定開度Acc1)判定する。これは、運転者が或る程度以上、大きくアクセル踏み操作をしていることを判定するものであり、第1の所定開度Acc1は例えば50%くらいに設定すればよい。
そして、Acc<Acc1で否定判定(NO)すれば、ルーチンを終了する(END)一方、Acc≧Acc1で肯定判定(YES)すればステップST2に進み、今度は、エンジン1への要求トルクTreqに対する実出力トルクTactの比率(Tact/Treq:以下、トルク達成率ともいう)が所定値a未満か否か判定する。この所定値aは、エンジン制御の遅れも考慮して、正常な状態とそうでない(即ち、異常な)状態を検出するための閾値であって、例えば0.65くらいに設定すればよい。
その判定の結果、(Tact/Treq)≧aで否定判定(NO)すれば、ステップST3に進んで、以下に説明する異常時間のカウント値をクリアして、ルーチンを終了する。一方、(Tact/Treq)<aで肯定判定(YES)すれば、ステップST4に進んで、異常時間のカウント(計時)を開始する。すなわち、例えば過渡運転状態における一時的な遅れなどと区別して、異常状態の継続する時間を計測する。
続くステップST5では、異常時間が予め設定した時間(設定時間)以上になったか否か判定し、この設定時間未満で否定判定すればルーチンを終了する。これにより、異常時間のカウント値が保持されたまま再びルーチンが行われ、前記ステップST1,ST2で肯定判定(YES)すれば、再びステップST4で、異常時間のカウントが行われる。こうして、出力不足の異常状態が継続すると、異常時間のカウント値が増大してゆく。
これにより異常時間が設定時間以上になると、前記のステップST5で肯定判定(YES)してステップST6に進み、アクセルペダル7が踏み増しされたか否か(アクセル開度Acc≧第2の所定開度Acc2)判定する。この第2の所定開度Acc2は、踏み増しに至らないアクセル開度Accの変動と区別するために、第1の所定開度Acc1よりも十分に大きく、例えば80%くらいに設定すればよい。
そして、Acc<Acc2であり、ステップST6で否定判定(NO)すればルーチンを終了する。この場合、故障が起きていなければ、ルーチンが繰り返されることで(Tact/Treq)≧aになるので、前記のステップST2で否定判定(NO)され、ステップST3で異常時間のカウント値がクリアされる。一方、Acc≧Acc2でアクセル踏み増しされたと肯定判定(YES)すれば、ステップST7に進んで、出力不足であって故障の診断が必要と判定し、故障判定フラグをオンにする。
続いてステップST8において、故障判定の履歴(即ち、故障の診断が必要と判定されたという履歴)がないことを判定し、故障判定フラグの状態から履歴があると否定判定(NO)すれば、ルーチンを終了する一方、履歴がないと肯定判定(YES)すれば、ステップST9に進んで、図3を参照して上述したようにデータを記録する。すなわち、RAM103から読み出したフリーズフレームデータをバックアップRAM104に書き込んで、ルーチンを終了する(END)。
前記図4のフローのステップST1,ST2,ST4を実行することによってECU100のCPU101は、アクセル開度Accが第1の所定開度Acc1以上で、かつエンジン1への要求トルクTreqに対する実出力トルクTactの比率、即ちトルク達成率(Tact/Treq)が所定値a未満の異常状態が継続する時間(異常時間)をカウントする、計時手段を構成する。
また、ステップST5〜ST7を実行することによってCPU101は、異常時間が設定時間以上になっており、かつアクセル開度Accが第1の所定開度Acc1よりも大きな第2の所定開度Acc2以上になったときに、故障の診断が必要と判定する判定手段を構成し、ステップS9を実行することによってCPU101は、前記の判定に応じてエンジン1の故障診断データをバックアップRAM104に記録させる制御手段を構成する。
以上、説明したように本実施の形態では、まず、自動車の走行中に運転者がアクセルペダル7を踏み操作すると、図5のタイミングチャートにおいて時刻t0に示すように、アクセル開度Accが増大し始める。そして、時刻t1でアクセル開度Accが第1の所定開度Acc1以上になり、これに対応して要求トルクTreqも大きくなっているにもかかわらず、実出力トルクTactがスムーズに大きくならないと、それらの比率であるトルク達成率(Tact/Treq)が所定値a未満の異常な状態になる。
このようにエンジン1の実出力トルクTactがスムーズに増大しない異常状態が暫くの間、続くようであれば、何らかの故障が起きている可能性があるので、前記の時刻t1から異常状態の継続する時間(異常時間)がカウントされる。そして、時刻t2で異常時間が設定時間Δt(例えば2秒くらい)以上になった後に、運転者がアクセルペダル7を踏み増しすると(時刻t3)、これによりアクセル開度Accが第2の所定開度Acc2以上になって(時刻t4)、故障の診断が必要と判定される。
つまり、エンジン1の出力が不足する故障の可能性がある異常状態において、運転者によるアクセルペダル7の踏み増しによって故障診断が必要と判定するようにしており、異常状態を判定する基準(アクセル開度Accの第1および第2の所定開度Acc1,Acc2やトルク達成率の所定値aなど)は自動車の走行状態など種々の運転シーンにおいて共通である。
よって、それらの基準値を運転シーンによって異なる最適値に設定するための複雑な処理が不要になり、CPU101の演算負荷を抑えながら、故障の診断が必要か否か適切に判定し、事後に解析する上で有用な故障診断データを記録することができる。
しかも、本実施の形態では、前記のように故障に係る判定をする前からエンジン1の運転制御に関するデータをRAM103に一時記憶させておき、判定に応じて読み出して、バックアップRAM104に記録させるようにしている。こうして、例えばインジェクタ35の噴口の詰まりなどによる燃料噴射量の減少のように、故障の診断が必要と判定される前のデータも、判定後のデータと同様に記録することができ、故障の原因究明に有利になる。
なお、そうして故障に係る判定の前にRAM103に一時記憶させるデータは、その判定が行われない場合には新しいデータによって上書きされてゆく(即ち消去されることになる)ので、RAM103やバックアップRAM104の容量が徒に大きくなることもない。
−変形例1−
ところで、自動車が例えば高地のように大気圧の低い環境下にある場合、エンジン1に吸入される空気の密度が低くなることから、その出力が低下する傾向があり、出力不足の異常が発生していると誤判定しやすくなる。そこで、好ましいのは、前記図4のフローのステップST2、ST5における判定の基準、即ちトルク達成率(Tact/Treq)の所定値aおよび異常時間についての設定時間の少なくとも一方を、大気圧や空気密度に応じて補正することである。
具体的に変形例1においては、大気圧センサ67からの信号に基づいて空気密度を算出する。そして、一例を図6に示すようなマップを参照して、同図に実線のグラフで示すように空気密度が低いほど前記の所定値aを小さな値に変更するか、破線のグラフで示すように設定時間を長い時間に変更するか、の少なくとも一方の補正を行う。このマップは、空気密度の変化によるエンジントルクの変化に基づき、予めシミュレーションなどによって設定すればよい。
こうして所定値aや設定時間の少なくとも一方を補正することによって、異常状態についての判定の基準が適度に緩く(即ち判定し難く)なるので、自動車が例えば高地を走行しているときに、空気密度の低下によってエンジン1のトルクが低下傾向になっても、そのことに起因して出力不足の異常と誤判定することは抑制される。
−変形例2−
次に、前記異常時間のカウントの仕方を変更した場合(変形例2)について説明する。前記実施の形態では、アクセル開度Accが第1の所定開度Acc1以上になっているときに、運転者が或る程度以上、大きくアクセル踏み操作をしていて、加速要求があると判定し、それにも関わらず、トルク達成率(Tact/Treq)が所定値a以下の状態が継続する時間を、異常時間としてカウントするようにしている。
しかしながら、アクセル開度Accが第1の所定開度Acc1以上になっていても、運転者は車両の加速感に概ね満足してアクセルペダル7を戻し気味にしており、それ故に、トルク達成率(Tact/Treq)があまり大きくならないこともあり得る。そこで、変形例2では、アクセル開度Accの増加率ΔAcc(一例として微分値)に着目し、これが所定の閾値b(例えば−1.5%)未満であれば、運転者がアクセルペダル7を戻し気味にしていると考えて、異常時間のカウントを中断するようにした。
具体的には、図7のフローチャートにおいてステップST21〜ST23までは、図4のフローのステップST1〜ST3と同じ処理を行うが、ステップST24ではアクセル開度増加率ΔAccが閾値b未満であるか否か(ΔAcc<b)判定する。そして、否定判定(NO)すればステップST25に進み、図4のフローのステップST4と同じく異常時間のカウントを行い、その後のステップST27〜ST31において、図4のフローのステップST5〜ST9と同じ処理を行う。
一方、アクセル開度増加率ΔAccが閾値b未満になっていれば肯定判定(YES)してステップST26に進み、異常時間のカウントを中断して前記ステップST27〜ST31に進む。すなわち、一例を図8のタイミングチャートに示すように、時刻t1でアクセル開度Accが第1の所定開度Acc1以上になり、異常時間のカウントが開始された後に運転者がアクセルペダル7を戻し気味にして、時刻t2でアクセル開度増加率ΔAccが閾値b未満になると、異常時間のカウントが中断される。
そして、同図の下段の実線のグラフに示すように、それまでのカウント値が保持されるようになり、その後、再びアクセルペダル7が踏み込まれて、時刻t3でアクセル開度増加率ΔAccが閾値b以上になれば、異常時間のカウントが再開される。なお、同図に仮想線のグラフで示すように、異常時間のカウントを中断したときに、それまでのカウント値は零にクリアしてもよい。この場合、前記の時刻t3からは新たに異常時間のカウントが開始される。
この変形例2によると、アクセル開度Accが第1の所定開度Acc1以上になっていても、運転者がアクセルペダル7を戻し気味にすれば、カウントを中断することによって、異常時間の計測精度を高めることができる。なお、この変形例2においてもECU100のCPU101は、図7のフローのステップST21,ST22,ST24〜ST26を実行することによって計時手段を構成し、また、ステップST27〜ST29を実行することによって判定手段を構成し、ステップS31を実行することによって制御手段を構成する。
−変形例3−
次に変形例3について説明する。これは、前記の変形例2のようにアクセルペダル7が戻し気味にされて、異常時間のカウントを中断するときに、それまでのカウント値に応じて、このカウント値を保持またはクリアするようにしたものである。すなわち、アクセルペダル7が或る程度以上の時間をかけて踏み込まれた後に、戻し気味にされた場合は、運転者には加速要求があり、アクセルペダル7は再び踏み込まれる可能性が高いと考えられる。よって、この場合は異常時間のカウント値を保持しておき、後に再開することが好ましい。
一方、アクセルペダル7が前記のような時間をかけずに、比較的短時間で踏み込まれた後に戻し気味にされた場合、運転者は意識してアクセルペダル7を踏み込んではおらず、加速要求はないとも考えられる。このような場合に異常時間のカウント値を保持すると、これが繰り返し積算される結果として、カウントされた異常時間が設定時間以上になってしまい、出力不足の異常であると誤判定するおそれがある。
そこで、この変形例3では、前記のようにアクセル開度Accが第1の所定開度Acc1以上になっていて、かつアクセル開度増加率ΔAccが閾値b未満になったとき、そのときまでにカウントされた異常時間が所定時間(運転者に加速要求はないと考えられるような短時間のアクセル開度Accの変化に相当する時間であり、例えば0.5秒くらい)以上であれば、この異常時間のカウント値を保持する一方、所定時間未満であればカウント値を零にクリアするようにしている。
具体的には、まず、図9のフローチャートにおいてステップST41〜ST44までは、図7のフローのステップST21〜ST24と同じ処理を行う。そして、ステップST44でアクセル開度増加率ΔAccが閾値b未満でないと否定判定(NO)すれば、ステップST45に進んで、図7のフローのステップST25と同じく異常時間のカウントを行い、その後のステップST48〜ST52において、図7のフローのステップST27〜ST31と同じ処理を行う。
一方、アクセル開度増加率ΔAccが閾値b未満になっていて、前記ステップST44で肯定判定(YES)すればステップST46に進み、今度は異常時間のカウント値が所定値(前記所定時間に相当する値)以上か否か判定する。そして、所定値未満で否定判定(NO)すれば異常時間のカウントを中断し、ステップST43に進んで異常時間のカウント値を零にクリアする。
すなわち、一例を図10のタイミングチャートに示すように、アクセル開度Accが第1の所定開度Acc1以上になって(時刻t1)、異常時間のカウントが開始された後に、アクセルペダル7が戻し気味にされ、アクセル開度増加率ΔAccが閾値b未満になれば(時刻t2)、前記した変形例2と同じく異常時間のカウントを中断する。このときに、異常時間(t1〜t2)に相当するカウント値が所定値未満であれば、アクセル開度Accが短時間で変化しており、運転者に加速要求はないと考えられる。
そこで、このときには異常時間のカウント値を零にクリアして、その後、再びアクセルペダル7が踏み込まれ、アクセル開度増加率ΔAccが閾値b以上になれば(時刻t3)、新たに異常時間のカウントを開始する。そして、再びアクセルペダル7が戻し気味にされ、アクセル開度増加率ΔAccが閾値b未満になれば(時刻t4)、前記と同様に異常時間のカウントを中断する。このときには異常時間(t3〜t4)に相当するカウント値が所定値未満であるので、再び異常時間のカウント値をクリアする。
つまり、アクセルペダル7が短時間で踏み込まれたり、戻し気味にされたりしていれば、運転者は意識してアクセルペダル7を踏み込んではおらず、加速要求はないと考えて、異常時間のカウント値を零にクリアするのである。
これに対し、前記図9のフローのステップST46においてカウント値が所定値以上であると肯定判定(YES)すれば、ステップST47に進んで異常時間のカウントを中断し、このときまでのカウント値を保持して、前記ステップST48〜ST52に進む。すなわち、前記の変形例2と同様にアクセルペダル7が或る程度以上の時間をかけて踏み込まれた後に、戻し気味にされた場合は、運転者には加速要求があり、アクセルペダル7は再び踏み込まれる可能性が高いと考えて、異常時間のカウント値を保持するのである。
このように変形例3によれば、異常時間のカウントを中断するときに、それまでの異常時間(カウント値)が所定時間未満であれば、運転者に加速要求はないと考えて、カウント値をクリアするようにしている。これにより、加速要求がないのにカウント値が積算される結果として、異常時間が設定時間以上になってしまい、出力不足の異常と誤判定されることを抑制でき、異常時間の計測精度が高くなる。
なお、この変形例3においてもECU100のCPU101は、図9のフローのステップST41,ST42,ST44〜ST47を実行することによって計時手段を構成し、また、ステップST48〜ST50を実行することによって判定手段を構成し、ステップS52を実行することによって制御手段を構成する。
−その他の実施形態−
以上、説明した実施の形態(変形例1〜3を含む)の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することを意図しない。例えば前記実施の形態では、例えば図4のフローのステップST6においてアクセル踏み増しを判定(YES)したときにのみ、即ち故障の診断が必要と判定したときにのみ、バックアップRAM104に故障診断データを記録させるようにしているが、これには限定されず、例えば異常時間が設定時間以上になったときにもデータを記録させるようにしてもよい。
すなわち、一例として示す図11のフローチャートにおいてステップST61〜ST65までは、図4のフローのステップST1〜ST5と同じ処理を行い、ステップST65において異常時間が設定時間以上になったと肯定判定(YES)すれば、ステップST66に進む。ここでは、図4のフローのステップST8と同様に故障判定の履歴がないことを判定し、肯定判定(YES)であればステップST67に進んで、ステップST9と同じくフリーズフレームデータを記録して、ルーチンを終了する。
このように、異常状態が予め設定した時間以上、継続すれば故障に係る判定によらずデータを記録することで、故障の診断が必要との判定に至った場合だけでなく、結果的にその判定に至らなかった異常状態についても併せてデータを検討することが可能になり、故障の原因究明に有利になる。
なお、処理の簡略化や演算負荷の抑制を最優先するのであれば、前記実施形態のようなフリーズフレームデータの生成は行わず、より簡便に故障に係る判定時のエンジン制御データをRAM103から読み込んで、バックアップRAM104に記録させるようにしてもよい。この場合、RAM103は、本発明の構成要素としての記憶手段(異常状態が継続する間、少なくともエンジン1の制御に関連するデータを記憶させる記憶手段)ではないので、データ記録装置は、記録手段としてのバックアップRAM104は備えるが、記憶手段は備えないものとなる。
さらに、前記のように故障の診断が必要との判定に至った場合だけでなく、この判定に至らなかった場合のデータもバックアップRAM104に記録するのであれば、それら2種類のデータを区別する識別情報を付帯させて記録させたり、また、バックアップRAM104において異なる領域に記録させたりするのが好ましい。そして、故障の診断が必要との判定に至らなかった場合のデータは、所定時間毎に上書きして更新するようにしてもよい。
さらにまた、前記の実施の形態では一例として、エンジン1のECU100を利用してデータ記録装置を構成する場合について説明したが、これにも限定されず、ECU100に別のコントロールユニットを相互に通信可能に接続して、データ記録装置を構成してもよい。また、自動車に搭載したデータ記録装置にも限定されず、本発明は、例えば二輪車や産業車両などに搭載することもできる。
本発明のデータ記録装置によれば、内燃機関の出力不足の故障に係る判定を適切に行い、その診断のためのデータを記録することができるので、特に自動車に搭載して有益である。
1 エンジン(内燃機関)
7 アクセルペダル
66 アクセル開度センサ
100 ECU
101 CPU(計時手段、判定手段、制御手段)
103 RAM(記憶手段)
104 バックアップRAM(記録手段)
Acc アクセル開度
Acc1 第1の所定開度
Acc2 第2の所定開度
ΔAcc アクセル開度増加率
Tact/Treq トルク達成率(要求トルクに対する実出力トルクの比率)
Δt 設定時間(異常時間に関して予め設定した時間)

Claims (4)

  1. 車両に搭載された内燃機関の実出力トルクが要求トルクに対して小さい出力不足となっているか否かの故障診断を行うためのデータを記録する内燃機関のデータ記録装置であって、
    アクセル開度が増加して該アクセル開度が第1の所定開度以上で、且つ要求トルクに対する実出力トルクの比率が100%よりも小さい所定値未満の異常状態となったときに異常時間の積算を開始し、その後、前記異常状態となっていることを条件として異常時間を積算していく計時手段と、
    前記異常時間が予め設定した時間以上になっており、且つアクセル開度が前記第1の所定開度よりも大きな第2の所定開度以上であるときに、内燃機関が出力不足となっているか否かの故障診断が必要と判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記故障診断が必要と判定された場合に、内燃機関が出力不足となっているか否かの故障診断のための所定のデータである吸気量、燃料供給量、点火時期、バルブタイミングを含むデータを記録手段に記録させる制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関のデータ記録装置
  2. 請求項1に記載の内燃機関のデータ記録装置において、
    前記要求トルクに対する実出力トルクの比率に関する所定値を、大気圧が低いほど小さな値に変更するか、前記異常時間に関して予め設定された時間を、大気圧が低いほど長い時間に変更するか、の少なくとも一方の補正制御を行う、内燃機関のデータ記録装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関のデータ記録装置において、
    前記計時手段は、前記アクセル開度が前記第1の所定開度以上で、且つ要求トルクに対する実出力トルクの比率が100%よりも小さい所定値未満の異常状態となっている場合において、前記アクセル開度が小さくなる状況で且つ前記アクセル開度の時間微分値である増加率が所定の負の値である閾値未満である積算中断条件が成立しておれば前記異常時間の積算を中断し、前記積算中断条件が成立していなければ前記異常時間を積算する、内燃機関のデータ記録装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関のデータ記録装置において、
    前記計時手段は、前記アクセル開度が前記第1の所定開度以上で、且つ要求トルクに対する実出力トルクの比率が100%よりも小さい所定値未満の異常状態となっている場合において、前記積算中断条件が成立したとき、そのときまでに積算した前記異常時間が所定時間以上であれば、この異常時間を保持する一方、所定時間未満であれば前記異常時間をクリアする、内燃機関のデータ記録装置。
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