JP2004036506A - 異常事象関連データ保存装置、その方法及びそのプログラム - Google Patents
異常事象関連データ保存装置、その方法及びそのプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】後から異常事象の原因究明を有効に行うことができる。
【解決手段】ドライビングレコーダ20は、各異常事象の異常カウンタの値(発生頻度)と各異常事象の解析に必要なデータ量と不揮発性メモリ25の記憶容量とに基づいて、どの異常事象に関連するデータをどれだけのデータ量で不揮発性メモリ25に保存するかを選別している。具体的には、例えば発生頻度の高いものは発生頻度の低いものに比べて異常の兆候が現れていると言えるので、発生頻度の高い異常事象に関連するデータを優先して保存し、また発生頻度の高い異常事象に関連するデータは異常事象の解析に必要となるデータ量と同量又はそれに近い量を保存している。このように異常の兆候が見られた事象についてデータが適切な量だけ保存されるため、後からその原因を究明することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ドライビングレコーダ20は、各異常事象の異常カウンタの値(発生頻度)と各異常事象の解析に必要なデータ量と不揮発性メモリ25の記憶容量とに基づいて、どの異常事象に関連するデータをどれだけのデータ量で不揮発性メモリ25に保存するかを選別している。具体的には、例えば発生頻度の高いものは発生頻度の低いものに比べて異常の兆候が現れていると言えるので、発生頻度の高い異常事象に関連するデータを優先して保存し、また発生頻度の高い異常事象に関連するデータは異常事象の解析に必要となるデータ量と同量又はそれに近い量を保存している。このように異常の兆候が見られた事象についてデータが適切な量だけ保存されるため、後からその原因を究明することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異常事象の発生原因等を解析するために必要な異常事象関連データを保存する装置、その保存方法及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機器類の動作異常が発生したときにその発生原因を後から解析する目的でその異常事象に関連するデータを保存するデータ保存装置が知られている。このとき保存されるデータは異常発生後に更新が禁止されることからフリーズフレームデータ(以下FFDという)と称されることがある。ところで、異常事象の発生原因を後から解析することを考えると膨大なデータを保存しなければならないが、FFDを保存するデータ保存領域の容量は限られているため、不要なデータを保存することなくその限られた容量を有効活用することが望ましい。
【0003】
このような観点から、特開2002−70637では、誤動作又は故障の内容に応じて保存するデータのサンプリングレートや保存期間を変更したりしている。具体的には、自動車のエンストやエンジン失火についてはサンプリングレートを最大(高速)にし、水温センサの故障についてはサンプリングレートが最小(低速)にすることが提案されている。
【0004】
なお、そのほかに、FFDを保存する技術としては、異常事象発生時に異常事象の違いにかかわらず共通である共通データと異常事象に固有である固有データとを組み合わせて保存する技術(特開2001−317403)や、優先度の高い異常事象に関連するデータを優先的に保存する技術(特開平6−66197)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ある機器類の動作異常が発生したことが確実なときには、その異常事象を後から解析するためにその異常事象に関連するデータを保存する必要があることはもちろんであるが、動作異常が確実に発生したとは言えないまでも動作異常の兆候が見られる場合についてもその原因を後から究明するためにそれに関連するデータを保存しておくことが好ましい。一方、データ保存領域の容量は限られているため、いたずらに多くのデータを保存することは好ましくない。
【0006】
本発明は、このような要望に応えることを課題とするものであり、後から異常事象の原因究明を有効に行うことのできるデータ保存装置、その方法及びプログラムを提供することを目的とする。また、異常の兆候がみられた事象について後から原因究明を行うことのできるデータ保存装置、その方法及びプログラムを提供することを別の目的とする。更に、データを無駄に保存することのないデータ保存装置、その方法及びプログラムを提供することを別の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述した目的の少なくとも一つを達成するために、本発明は以下の手段をとった。即ち、本発明の第1の異常事象関連データ保存装置は、
異常事象に関連するデータを保存可能なデータ保存手段と、
各異常事象の発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段に保存するかを選別するデータ選別手段と、
前記データ選別手段によって選別された前記データを前記データ保存手段に保存する保存制御手段と
を備えたものである。
【0008】
この異常事象関連データ保存装置では、各異常事象の発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータをデータ保存手段に保存するかを選別する。ここで、異常事象の発生頻度は、異常事象の兆候を判定するための指標となり得る。このため、この異常事象関連データ保存装置によれば、異常の兆候が見られる事象についてもそれに関連するデータを保存することが可能となり、後からその異常の兆候が見られた事象につき原因究明をすることができる。また、異常の兆候が見られない事象についてはそれに関連するデータを保存しないようにしたり少量しか保存しないようにすることも可能となり、不要なデータを無駄に保存することもない。
【0009】
本発明の第1の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、各異常事象の発生頻度と前記データ保存手段の記憶容量とに基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段に保存するかを選別してもよい。こうすれば、例えばデータ保存手段の記憶容量が小さいときには、主として発生頻度の比較的高い異常事象に関連するデータを保存することができる。
【0010】
本発明の第1の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、各異常事象の発生頻度と各異常事象の解析に必要なデータ量とに基づいてどの異常事象に関連するデータをどれだけのデータ量で前記データ保存手段に保存するかを選別してもよい。こうすれば、例えば発生頻度の比較的高い異常事象に関連するデータについてはその異常事象の解析に必要なデータ量と略同量のデータを保存することができる。
【0011】
本発明の第1の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、発生頻度の高い異常事象に関連するデータほど優先して保存されるようにしてもよいし、発生頻度の高い異常事象に関連するデータほど該異常事象の解析に必要となるデータ量と同量又はこれに近い量だけ保存されるようにしてもよい。こうすれば、発生頻度の高い異常事象について後からその原因を究明しやすい。
【0012】
本発明の第1の異常事象関連データ保存装置において、各異常事象の発生頻度と各異常事象ごとに定められた異常事象の発生を確定するための確定頻度とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて各異常事象の発生を確定するか否かを判定する異常判定手段とを備え、前記データ選別手段は、前記異常判定手段によっていずれかの異常事象の発生が確定したと判定されたとき、該確定した異常事象に関連するデータについては該異常事象の解析に必要なデータ量だけ前記データ保存手段に保存されるようにし、一方、未確定の異常事象に関連するデータについては少なくとも前記発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段の残った記憶容量に保存するかを選別してもよい。こうすれば、確定した異常事象についてはその異常事象に関連するデータが十分保存されているため後から発生原因を究明することができ、また、未確定の異常事象についてはその異常事象に関連するデータが発生頻度に基づいてデータ保存手段の空き容量に保存されているためその異常事象の予兆原因を調査することもできる。なお、異常判定手段は、例えばある異常事象の発生頻度が該異常事象の確定頻度に達したときに該異常事象の発生が確定したと判定してもよい。
【0013】
本発明の第2の異常事象関連データ保存装置は、
異常事象に関連するデータを保存可能なデータ保存手段と、
各異常事象に関連するデータの必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別するデータ選別手段と、
前記データ選別手段によって選別されたデータを前記データ保存手段に保存する保存制御手段と
を備えたものである。
【0014】
この異常事象関連データ保存装置では、各異常事象に関連するデータの必要度に基づいてどのデータをデータ保存手段に保存するかを選別するため、異常事象に関連するデータのうち必要度の高いものを保存することが可能となり、そのような必要度の高いデータを後から解析することで異常事象の原因究明を有効に行うことができる。また、必要度の低いデータは保存しないか又は少量だけ保存することも可能となり、そのようにすれば不要なデータを無駄に保存することもない。ここで、異常事象に関連するデータの必要度は、特にどのような観点から定めてもよいが、例えば一つの異常事象のみに関連しているデータと複数の異常事象に関連しているデータとが存在する場合には後者のデータの方が必要度が高いというように決めてもよい。
【0015】
本発明の第2の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、前記必要度と前記データ保存手段の記憶容量とに基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別してもよい。こうすれば、例えばデータ保存手段の記憶容量が小さいときには、主として必要度の比較的高いデータを保存することができる。
【0016】
本発明の第2の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、前記必要度と各異常事象の解析に必要なデータ量とに基づいてどのデータをどれだけのデータ量で前記データ保存手段に保存するかを選別してもよい。こうすれば、例えば異常事象に関連するデータのうち必要度が比較的高いものについては、その異常事象の解析に必要なデータ量と略同量を保存することができる。
【0017】
本発明の第2の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、必要度の高いデータほど優先して保存されるようにしてもよいし、必要度の高いデータほど異常事象の解析に必要となるデータ量と同量又はこれに近い量だけ保存されるようにしてもよい。こうすれば、異常事象について後からその原因を究明しやすい。
【0018】
本発明の第2の異常事象関連データ保存装置において、各異常事象の発生頻度と各異常事象ごとに定められた異常事象の発生を確定するための確定頻度とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて各異常事象の発生を確定するか否かを判定する異常判定手段とを備え、前記データ選別手段は、各異常事象の確定頻度と発生頻度との比率を前記必要度とし少なくとも該必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別してもよい。このときの必要度は、異常事象の兆候を判定するための指標となり得る。また、ここでは、同じ確定頻度を持つ複数の異常事象の間では、発生頻度の高いものほど必要度が高くなるが、異なる確定頻度を持つ複数の異常事象の間では、発生頻度が高いからといって必ずしも必要度が高いとは限らず、例えば確定頻度が小さな値の異常事象については発生頻度が低くても必要度が高くなることがある。いずれにしても、必要度が高いほど、その異常事象が確定される方向に近づくため異常の兆候がより明らかになるといえる。したがって、異常の兆候が見られる事象についてもそれに関連するデータを保存することが可能となり、後からその異常の兆候が見られた事象につき原因究明をすることができる。また、異常の兆候が見られない事象についてはそれに関連するデータを保存しないようにしたり少量しか保存しないようにすることも可能となり、不要なデータを無駄に保存することもない
【0019】
このとき、前記データ選別手段は、前記異常判定手段によっていずれかの異常事象が確定したと判定されたとき、該確定した異常事象に関連するデータについては該異常事象の解析に必要なデータ量だけ前記データ保存手段に保存されるように選別する一方、未確定の異常事象に関連するデータについては少なくとも前記必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段の残った記憶容量に保存するかを選別してもよい。こうすれば、確定した異常事象についてはその異常事象に関連するデータが十分保存されているため後から発生原因を究明することができ、また、未確定の異常事象についてはその異常事象に関連するデータが必要度に基づいてデータ保存手段の空き容量に保存されているためその異常事象の予兆原因を調査することもできる。
【0020】
本発明の第1及び第2の異常事象関連データ保存装置において、各異常事象の解析に必要なデータ量は、時系列的にいつからいつまでのデータを取るかによって決められていてもよい。時系列的にいつからいつまでのデータを取るかは、各異常事象に応じて決めればよい。すなわち、異常事象によって、異常発生時より前のデータがその原因を究明する上で有用なこともあるし、異常発生時より後のデータがその原因を究明する上で有用なこともあるし、異常発生時を挟んで前後のデータがその原因を究明する上で有用なこともあるため、各異常事象に応じてどのような時系列データを取るかを決めればよい。
【0021】
本発明の第1及び第2異常事象関連データ保存装置において、前記異常事象は、車載機器の異常事象であってもよい。本発明の第1及び第2は特にどのような機器の異常事象関連データを保存する場合であっても適用可能であるが、自動車、自動二輪車、列車などの車両に搭載されている機器(すなわち車載機器)の異常事象関連データを保存する場合に適用することが好ましい。また、自動車では短期間のうちに新たな技術を利用した電子機器が搭載されることが多いため、自動車に搭載された機器の異常事象関連データを保存する場合に適用することが特に好ましい。
【0022】
本発明の第3は、異常事象に関連するデータを保存可能なデータ保存手段に前記データを保存する異常事象関連データ保存方法であって、各異常事象の発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段に保存するかを選別する選別ステップと、前記データ選別手段によって選別された前記データを前記データ保存手段に保存する保存制御ステップとを含むもの、又は、各異常事象に関連するデータの必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別する選別ステップと、前記選別ステップで選別されたデータを前記データ保存手段に保存する保存制御ステップとを含むものである。
【0023】
この異常事象関連データ保存方法のうち前者によれば、異常の兆候が見られる事象についてもそれに関連するデータを保存することが可能となり、後からその異常の兆候が見られた事象につき原因究明をすることができる。また、異常の兆候が見られない事象についてはそれに関連するデータを保存しないようにしたり少量しか保存しないようにすることも可能となり、不要なデータを無駄に保存することもない。一方、異常事象関連データ保存方法のうち後者によれば、異常事象に関連するデータのうち必要度の高いものを保存することが可能となり、そのような必要度の高いデータを後から解析することで異常事象の原因究明を有効に行うことができる。また、必要度の低いデータを保存しないか少量だけ保存することも可能となり、そのようにすれば不要なデータを無駄に保存することもない。なお、選別ステップについては、本発明の第1又は第2の異常事象関連データ保存装置におけるデータ選別手段の動作手順を取り入れてもよい。
【0024】
本発明の第4は、上述した異常事象関連データ保存装置の少なくとも前記データ選別手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム、又は、上述した異常事象関連データ保存方法の各ステップをコンピュータに実現させるためのプログラムに関する。このプログラムをコンピュータに実行させれば、上述した異常事象関連データ保存装置による効果を得ることができる。また、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介して配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明を一層明らかにするために、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。図1は本実施形態のドライビングレコーダの概略ブロック図である。
【0026】
本実施形態のドライビングレコーダ20は、エンジンや自動変速機等を制御する電子制御ユニット10に接続されている。電子制御ユニット10は、エンジンや自動変速機等を制御するために、各種センサからエンジン回転数信号、スロットル開度信号、車速信号、冷却水温信号等を入力してこれらの入力信号に基づいてエンジン制御や自動変速制御等を実行するものである。ドライビングレコーダ20は、ドライビングレコーダ全体の制御を司るCPU21と、各種プログラムが格納されたROM22と、各種データを一時的に格納するSRAM23と、各種カウンタ24と、異常事象に関連するデータを保存するデータ保存手段としての不揮発性メモリ25(例えばEEPROMなど)と、電子制御ユニット10から出力された各種信号を入力する入力インタフェース部26と、電子制御ユニット10から出力された異常コード信号を検出する異常コード検出部27とを備えており、これらはバス28により互いに信号を送受可能に接続されている。
【0027】
電子制御ユニット10から出力される異常コード信号は、異常事象ごとに付与されたコードであり、例えば、異常事象が空燃比異常の場合には異常コード「0001」、異常事象がエンジン失火の場合には異常コード「0010」、異常事象がスロットルセンサの異常電圧の場合には異常コード「0020」、といった具合に対応付けられている。ROM22には、異常事象と、その異常事象に関連するデータと、その異常事象を解析するのに必要なデータ量とが対応付けられたテーブルが記憶されている(例えば後述の表1参照)。ここで、異常事象を解析するのに必要なデータ量は、異常事象の種類に応じて決められており、例えば重要度の高い異常事象(例えばエンジン失火など)については事後に細かな解析を行うことができるように大きなデータ量が設定され、重要度の低い異常事象(例えば水温異常など)については小さなデータ量が設定されている。また、異常事象を解析するうえで異常発生確定前のデータが必要な異常事象については異常事象確定前のデータを保存するようにし、異常事象を解析するうえで異常発生確定前後のデータが必要な異常事象については異常事象確定前後のデータを保存するようにし、異常事象を解析するうえで異常発生確定後のデータが必要な異常事象については異常事象確定後のデータを保存するようにする。
【0028】
次に、本実施形態のドライビングレコーダ20の動作について図2のフローチャートに基づいて説明する。ドライビングレコーダ20のCPU21は、所定タイミング(例えば8msec)ごとにROM22に記録されている異常事象関連データ保存プログラムを読み出してこれを実行する。なお、ここでは、各異常事象とも、原因を究明するために異常事象確定時よりも前のデータが必要になるものとして説明する。
【0029】
このプログラムが開始されると、CPU21は、まず、ステップS100でフリーズフラグFの値が「0」か「1」かを判定する。このフリーズフラグFは、初期設定時に「0」にリセットされ、いずれかの異常事象が確定してFFDが保存されたときに後述するステップS230で「1」にセットされるフラグである。このステップS100でフリーズフラグFが「0」つまりFFDが保存されていないときには、ステップS110に進んで電子制御ユニット10から入力される各種データ(例えばエンジン回転数、スロットル開度、車速、冷却水温など)を入力インタフェース部26を介してSRAM23に記憶する。なお、SRAM23は所定の記憶容量を持っており、この所定の記憶容量を超えるデータを記憶するときには最も古いデータに新しいデータを上書きしていく。
【0030】
続くステップS120では、複数の異常事象のうちどの異常事象かを特定するための序数カウンタの値nに1をセットし、続くステップS130で第n番目の異常事象に対応する異常コード信号が異常コード検出部27で検出されたか否かを判定する。このステップS130で第n番目の異常事象に対応する異常コード信号が検出されたときには、ステップS140に進んで今回の異常事象に対応する異常カウンタの値を1インクリメントし、一方、ステップS130で第n番目の異常事象に対応する異常コード信号が検出されなかったときには、ステップS150に進んで今回の異常事象に対応する異常カウンタの値をリセットする。その後、ステップS160で序数カウンタの値nが最大値か否かを判定し、最大値でないときにはステップS170に進んで序数カウンタの値nを1インクリメントしたのち再びステップS130以下の処理を繰り返し行う。一方、ステップS160で序数カウンタの値nが最大値のときには、ステップS180に進んで、各異常カウンタの値のうち予め定められた確定頻度に達したものがあるか否かを判定することにより、異常事象の発生を確定すべきものがあるか否かを判定する。
【0031】
ここで、確定頻度は、異常事象ごとに定められた固有値(回数)であり、通常2以上の値に設定されている。これは、電子制御ユニット10が出力したある異常事象の異常コード信号を異常コード検出部27で一度検出したときに直ちにその異常事象の発生を確定するとすれば、本来異常事象が発生していないにもかかわらずノイズ等が原因でその異常コード信号が出力された場合に誤判定してしまうことから、これを避けるべく、所定タイミングごとに繰り返し実行されるこのプログラムにおいて予め定められた確定頻度だけ連続して同じ異常事象に対応する異常コード信号が検出されたときに、初めてその異常事象の発生を確定するようにしている。
【0032】
ステップS180でいずれの異常事象も未確定だったときには、ステップS190に進んで仮FFDのデータ割り振りを各異常カウンタの値と異常事象の解析に必要となるデータ量と不揮発性メモリ25の記憶容量とに基づいて行う。例えば、異常カウンタの値が確定頻度に近い異常事象に関連するデータは、異常カウンタの値がゼロ又はゼロに近い異常事象に関連するデータに比べて、優先して不揮発性メモリ25に保存されるよう割り振りを行ったり異常事象の解析に必要となるデータ量に近い量だけ不揮発性メモリ25に保存されるよう割り振りを行ったりする。この具体例については後述する。なお、「仮FFD」とは、いずれの異常事象も未確定の段階での「FFD」と類似のデータという意である。その後ステップS200に進み、ステップS190で決定した仮FFDのデータ割り振りに基づいてSRAM23からデータを読み出すことにより仮FFDを作成し、それを不揮発性メモリ25に保存し、このプログラムを終了する。
【0033】
一方、ステップS180でいずれかの異常事象が確定したときには、ステップS210に進んでFFDのデータ割り振りを各異常カウンタの値と不揮発性メモリ25の記憶容量に基づいて行う。ここではステップS190と同様にしてデータ割り振りを行う。但し、異常カウンタの値が確定頻度に達した異常事象に関連するデータについては、その異常事象の解析に必要となるデータ量分が不揮発性メモリ25に保存されるように割り振る。この具体例についても後述する。その後ステップS220に進み、ステップS210で決定したFFDのデータ割り振りに基づいてSRAM23からデータを読み出すことによりFFDを作成し、それを不揮発性メモリ25に保存する。そして、続くステップS230において、いずれかの異常事象が確定してFFDが保存されたことを表すフリーズフラグFに「1」をセットし、このプログラムを終了する。このようにフリーズフラグFに「1」をセットしたあとは、所定のタイミングでこのプログラムが開始されたとしても、ステップS100でフリーズフラグFが「1」のためそのまま終了することになる。このため、異常事象が確定してFFDが保存された後は、FFDが更新されることはない。
【0034】
次に、図2のフローチャートに基づいて具体例を説明する。ここでは、下記表1のように、異常事象として第1〜第3異常事象があり、第1〜第3異常事象の各異常カウンタの確定頻度が「10」、「8」、「10」と定められているものとする。また、第1異常事象に関連するデータはデータa,b,cでこの第1異常事象の解析にはこれらのデータの10回分が必要であるとし、第2異常事象に関連するデータはデータb,c,dでこの第2異常事象の解析にはこれらのデータの8回分が必要であるとし、第3異常事象に関連するデータはデータc,d,eでありこの第3異常事象の解析にはこれらのデータの6回分が必要だとする。また、不揮発性メモリ25の記憶容量つまりデータ上限数を36個とする。
【0035】
【表1】
【0036】
(ケース1)
今、第1異常事象の異常カウンタの値が「8」、第2異常事象の異常カウンタの値が「4」、第3異常事象の異常カウンタの値が「3」であるとする。このとき、いずれの異常事象も確定頻度に達していないため、ステップS180で異常未確定と判定され、ステップS190に進んで仮FFDのデータ割り振りが行われる。この仮FFDにおけるデータ割り振り量は、第1〜第3異常事象の各々につき、異常カウンタの値つまり発生頻度を確定頻度で除した値(必要度という)と異常事象の解析に必要なデータ量とを乗じた値(小数点以下切り捨て)を求め、これを仮FFDにおけるデータ割り振り量とする(下記数1参照)。但し、各異常事象に共通するデータについては、各異常事象ごとに求めたデータ割り振り量の総和とするのではなく、最も大きなデータ割り振り量を採用するものとする。また、データ割り振り量の総和が不揮発性メモリ25のデータ上限数を超えるときには、そのデータ上限数を各データのデータ割り振り量に応じた比率で切り分けることにより、データ上限数以下に収まるようにする。
【0037】
【数1】
【0038】
このケースでは、第1異常事象の必要度が「0.8」、第2異常事象の必要度が「0.5」、第3異常事象の必要度が「0.3」となる。数1式によれば、第1異常事象に関連するデータa,b,cのデータ割り振り量はそれぞれ8回分、第2異常事象に関連するデータb,c,dのデータ割り振り量はそれぞれ4回分、第3異常事象に関連するデータc,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ1回分となるが、データbについては4回分ではなく8回分を採用し、データcについては4回分や1回分ではなく8回分を採用し、データdについては1回分ではなく4回分を採用する。この結果、データa,b,c,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ8,8,8,4,1回分となる。このときのデータ総数は29個でデータ上限数である36個以内であるため、このデータ割り振り量がそのまま採用され、ステップS200でSRAM23の記憶内容に基づいて仮FFDを作成して不揮発性メモリ25に保存する。
【0039】
(ケース2)
その後、第1異常事象の異常カウンタの値が「10」、第2異常事象の異常カウンタの値が「6」、第3異常事象の異常カウンタの値が「0」(つまり異常コードが確定頻度の数だけ連続して検出されずステップS150でリセット)になったとする。このとき、第1異常事象が確定頻度に達したため、ステップS180で異常確定と判定され、ステップS200に進んでFFDのデータ割り振りが行われる。このケースでは、第1異常事象の必要度が「1」、第2異常事象の必要度が「0.75」、第3異常事象の必要度が「0」となる。数1式によれば、第1異常事象に関連するデータa,b,cのデータ割り振り量はそれぞれ10回分、第2異常事象に関連するデータb,c,dのデータ割り振り量はそれぞれ6回分、第3異常事象に関連するデータc,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ0回分となるが、データb,cについては10回分を採用し、データdについては6回分を採用する。この結果、データa,b,c,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ10,10,10,6,0回分となる。このときのデータ総数は36個でデータ上限数である36個以内であるため、このデータ割り振り量がそのまま採用され、ステップS220でSRAM23の記憶内容に基づいてFFDを作成して不揮発性メモリ25に保存する。
【0040】
(ケース3)
一方、第1異常事象の異常カウンタの値が「10」、第2異常事象の異常カウンタの値が「6」、第3異常事象の異常カウンタの値が「5」になったとする。このとき、第1異常事象が確定頻度に達したため、ステップS180で異常確定と判定され、ステップS200に進んでFFDのデータ割り振りが行われる。このケースでは、第1異常事象の必要度が「1」、第2異常事象の必要度が「0.75」、第3異常事象の必要度が「0.5」となる。数1式によれば、第1異常事象に関連するデータa,b,cのデータ割り振り量はそれぞれ10回分、第2異常事象に関連するデータb,c,dのデータ割り振り量はそれぞれ6回分、第3異常事象に関連するデータc,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ3回分となるが、データb,cについては10回分を採用し、データdついては6回分を採用する。この結果、データa,b,c,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ10,10,10,6,3回分となる。しかし、データ総数は39個でデータ上限数である36個を越えているため、このデータ割り振り量をそのまま採用することができない。このようにデータ総数がデータ上限数を超えた場合、第1異常事象は異常発生が確定しているためその解析に必要なデータ量をすべて確保することが好ましいことから、データa,b,cはそれぞれ10回分のデータを確保する。すると、不揮発性メモリ25の残り記憶容量は6回分のデータとなるため、これをデータd,eで再度振り分ける。元のデータ割り振り量はデータdが6回分、データeが3回分のため、この比率で残り記憶容量を再度振り分けると、データdが4回分、データeが2回分となる。したがって、データa,b,c,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ10,10,10,4,2回分となる。
【0041】
(ケース4)
異常事象がいずれも未確定のときであってもデータ総数がデータ上限数を超えることがあり得る。例えば、数1式に基づいて得られたデータa,b,c,d,eのデータ割り振り量がそれぞれ9,9,9,7,5回分だとすると、データ総数は39回分となり、データ総数である36回分を上回る。その場合には、各データにつき元のデータ割り振り量の比率でデータ総数である36回分を再度振り分ける。すると、データa,b,c,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ8,8,8,6,4回分となる。
【0042】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の不揮発性メモリ25が本発明のデータ保存手段に相当し、CPU21が比較手段、異常判定手段、データ選別手段及び保存制御手段に相当する。
【0043】
以上詳述した本実施形態のドライビングレコーダ20によれば、確定した異常事象に関連するデータが不揮発性メモリ25に保存されるため、後からその異常事象の原因究明を有効に行うことができる。また、異常の兆候が見られる事象(即ち、確定頻度が同じである複数の異常事象においては発生頻度が高い事象、確定頻度が異なる異常事象を含む場合においては必要度の高い異常事象)に関連するデータを優先して且つその異常事象の解析に必要なデータ量に近い量だけ不揮発性メモリ25に保存する。このため、後から不揮発性メモリ25に保存されたデータを解析すれば、その異常の兆候の原因を究明することができる。
【0044】
また、異常の兆候が見られない事象(即ち、確定頻度が同じである複数の異常事象においては発生頻度が低い事象、確定頻度が異なる異常事象を含む場合においては必要度の低い異常事象)に関連するデータを保存しないか少量しか保存しない。このため、不要なデータを無駄に保存することもない。
【0045】
更に、保存しようとするデータの総量が不揮発性メモリ25の記憶容量を超える場合には、発生が確定した異常事象に関連するデータについてはその異常事象の解析に必要なデータ量だけ優先して不揮発性メモリ25に保存するようにし、未確定の異常事象に関連するデータについて数1式に基づいてどのデータを不揮発性メモリ25の残容量に保存するかを選別している。このため、発生が確定した異常事象については後から発生原因を十分究明することができる。また、未確定の異常事象についてもその異常の兆候の原因をある程度究明することができる。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0047】
例えば、上述した実施形態では、自動車に搭載された各種機器のデータをFFDとして保存する場合について説明したが、本発明を自動二輪車、列車、飛行機、家電製品、精密機械などに搭載された各種機器のデータをFFDとして保存する場合に適用してもよい。
【0048】
また、上述した実施形態では、数1式に基づいてデータの振り分けを行ったが、各異常事象の異常カウンタの値(発生頻度)あるいは各異常事象の必要度(発生頻度/確定頻度)を利用して不揮発性メモリ25に保存すべきデータを選別する手法であれば、どのような手法を適用しても構わない。
【0049】
更に、異常事象の解析に必要なデータ量が例えば過去3回分の場合には、必ずしも連続する過去3回分のデータである必要はなく、所定回おきの過去3回分のデータであってもよい。
【0050】
更にまた、上述した実施形態では、電子制御ユニット10を介して各種信号を入力するように構成したが、各種センサから直接それらの信号を入力するように構成してもよいし、あるいは、電子制御ユニット10にドライビングレコーダの機能を持たせてもよい。
【0051】
そしてまた、上述した実施形態では、発生頻度を確定頻度で除した値を必要度としたが、必要度は特にこれに限られるものではなく、例えばデータa〜eにつきいくつの異常事象に関連しているかによって必要度を決めてもよい。具体的には、データa〜eをみると、表1に示すように、データcが3つの異常事象に関連しているためデータa〜eの中で必要度が最も高くなり、次にデータb,dの必要度が高く、データa,eの必要度が最も低くなる。
【0052】
そして更に、上述した実施形態では、各異常事象とも原因を究明するために異常事象確定時よりも前のデータが必要になるものとして説明したが、異常事象確定時よりも後のデータが必要になる異常事象を含んでいてもよい。この場合には、例えば図2のフローチャートを図3のように変更すればよい。即ち、ステップS180の後に異常確定フラグ(初期設定時はリセット状態)に「1」をセットするステップS201を設け、その後ステップS210,S220を実行する。ここで、ステップS220では、異常事象確定時よりも後のデータが必要となる場合にはFFDの作成が完了しないため、ステップS220の後にFFDの作成が完了したか否かを判定するステップS221を設け、FFDの作成が完了していないときにはステップS230を経由することなくプログラムを終了させる。その後の所定タイミングでこのプログラムが開始されると、ステップS100でフリーズフラグFは「0」と判定され、ステップS110で今回電子制御ユニット10から取得した各種入力データをSRAMに一時記憶したあと、異常確定フラグの状態を判定するステップS111に進み、ここで異常確定フラグが「1」と判定されるとステップS220へ進んでFFDの作成が続行され、その後FFDの作成が完了するまでこの動作が繰り返される。そして、FFDの作成が完了すると、ステップS230でフリーズフラグFが「1」にセットされ、その後所定タイミングごとにこのプログラムが開始されたとしても、ステップS100で否定判定されて直ちに終了するため、FFDは更新されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のドライビングレコーダの概略ブロック図である。
【図2】本実施形態の異常事象関連データ保存プログラムのフローチャートである。
【図3】他の実施形態の異常事象関連データ保存プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
10…電子制御ユニット、20…ドライビングレコーダ、21…CPU、22…ROM、23…SRAM、24…各種カウンタ、25…不揮発性メモリ、26…入力インタフェース部、27…異常コード検出部、28…バス。
【発明の属する技術分野】
本発明は、異常事象の発生原因等を解析するために必要な異常事象関連データを保存する装置、その保存方法及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機器類の動作異常が発生したときにその発生原因を後から解析する目的でその異常事象に関連するデータを保存するデータ保存装置が知られている。このとき保存されるデータは異常発生後に更新が禁止されることからフリーズフレームデータ(以下FFDという)と称されることがある。ところで、異常事象の発生原因を後から解析することを考えると膨大なデータを保存しなければならないが、FFDを保存するデータ保存領域の容量は限られているため、不要なデータを保存することなくその限られた容量を有効活用することが望ましい。
【0003】
このような観点から、特開2002−70637では、誤動作又は故障の内容に応じて保存するデータのサンプリングレートや保存期間を変更したりしている。具体的には、自動車のエンストやエンジン失火についてはサンプリングレートを最大(高速)にし、水温センサの故障についてはサンプリングレートが最小(低速)にすることが提案されている。
【0004】
なお、そのほかに、FFDを保存する技術としては、異常事象発生時に異常事象の違いにかかわらず共通である共通データと異常事象に固有である固有データとを組み合わせて保存する技術(特開2001−317403)や、優先度の高い異常事象に関連するデータを優先的に保存する技術(特開平6−66197)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ある機器類の動作異常が発生したことが確実なときには、その異常事象を後から解析するためにその異常事象に関連するデータを保存する必要があることはもちろんであるが、動作異常が確実に発生したとは言えないまでも動作異常の兆候が見られる場合についてもその原因を後から究明するためにそれに関連するデータを保存しておくことが好ましい。一方、データ保存領域の容量は限られているため、いたずらに多くのデータを保存することは好ましくない。
【0006】
本発明は、このような要望に応えることを課題とするものであり、後から異常事象の原因究明を有効に行うことのできるデータ保存装置、その方法及びプログラムを提供することを目的とする。また、異常の兆候がみられた事象について後から原因究明を行うことのできるデータ保存装置、その方法及びプログラムを提供することを別の目的とする。更に、データを無駄に保存することのないデータ保存装置、その方法及びプログラムを提供することを別の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述した目的の少なくとも一つを達成するために、本発明は以下の手段をとった。即ち、本発明の第1の異常事象関連データ保存装置は、
異常事象に関連するデータを保存可能なデータ保存手段と、
各異常事象の発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段に保存するかを選別するデータ選別手段と、
前記データ選別手段によって選別された前記データを前記データ保存手段に保存する保存制御手段と
を備えたものである。
【0008】
この異常事象関連データ保存装置では、各異常事象の発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータをデータ保存手段に保存するかを選別する。ここで、異常事象の発生頻度は、異常事象の兆候を判定するための指標となり得る。このため、この異常事象関連データ保存装置によれば、異常の兆候が見られる事象についてもそれに関連するデータを保存することが可能となり、後からその異常の兆候が見られた事象につき原因究明をすることができる。また、異常の兆候が見られない事象についてはそれに関連するデータを保存しないようにしたり少量しか保存しないようにすることも可能となり、不要なデータを無駄に保存することもない。
【0009】
本発明の第1の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、各異常事象の発生頻度と前記データ保存手段の記憶容量とに基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段に保存するかを選別してもよい。こうすれば、例えばデータ保存手段の記憶容量が小さいときには、主として発生頻度の比較的高い異常事象に関連するデータを保存することができる。
【0010】
本発明の第1の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、各異常事象の発生頻度と各異常事象の解析に必要なデータ量とに基づいてどの異常事象に関連するデータをどれだけのデータ量で前記データ保存手段に保存するかを選別してもよい。こうすれば、例えば発生頻度の比較的高い異常事象に関連するデータについてはその異常事象の解析に必要なデータ量と略同量のデータを保存することができる。
【0011】
本発明の第1の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、発生頻度の高い異常事象に関連するデータほど優先して保存されるようにしてもよいし、発生頻度の高い異常事象に関連するデータほど該異常事象の解析に必要となるデータ量と同量又はこれに近い量だけ保存されるようにしてもよい。こうすれば、発生頻度の高い異常事象について後からその原因を究明しやすい。
【0012】
本発明の第1の異常事象関連データ保存装置において、各異常事象の発生頻度と各異常事象ごとに定められた異常事象の発生を確定するための確定頻度とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて各異常事象の発生を確定するか否かを判定する異常判定手段とを備え、前記データ選別手段は、前記異常判定手段によっていずれかの異常事象の発生が確定したと判定されたとき、該確定した異常事象に関連するデータについては該異常事象の解析に必要なデータ量だけ前記データ保存手段に保存されるようにし、一方、未確定の異常事象に関連するデータについては少なくとも前記発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段の残った記憶容量に保存するかを選別してもよい。こうすれば、確定した異常事象についてはその異常事象に関連するデータが十分保存されているため後から発生原因を究明することができ、また、未確定の異常事象についてはその異常事象に関連するデータが発生頻度に基づいてデータ保存手段の空き容量に保存されているためその異常事象の予兆原因を調査することもできる。なお、異常判定手段は、例えばある異常事象の発生頻度が該異常事象の確定頻度に達したときに該異常事象の発生が確定したと判定してもよい。
【0013】
本発明の第2の異常事象関連データ保存装置は、
異常事象に関連するデータを保存可能なデータ保存手段と、
各異常事象に関連するデータの必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別するデータ選別手段と、
前記データ選別手段によって選別されたデータを前記データ保存手段に保存する保存制御手段と
を備えたものである。
【0014】
この異常事象関連データ保存装置では、各異常事象に関連するデータの必要度に基づいてどのデータをデータ保存手段に保存するかを選別するため、異常事象に関連するデータのうち必要度の高いものを保存することが可能となり、そのような必要度の高いデータを後から解析することで異常事象の原因究明を有効に行うことができる。また、必要度の低いデータは保存しないか又は少量だけ保存することも可能となり、そのようにすれば不要なデータを無駄に保存することもない。ここで、異常事象に関連するデータの必要度は、特にどのような観点から定めてもよいが、例えば一つの異常事象のみに関連しているデータと複数の異常事象に関連しているデータとが存在する場合には後者のデータの方が必要度が高いというように決めてもよい。
【0015】
本発明の第2の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、前記必要度と前記データ保存手段の記憶容量とに基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別してもよい。こうすれば、例えばデータ保存手段の記憶容量が小さいときには、主として必要度の比較的高いデータを保存することができる。
【0016】
本発明の第2の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、前記必要度と各異常事象の解析に必要なデータ量とに基づいてどのデータをどれだけのデータ量で前記データ保存手段に保存するかを選別してもよい。こうすれば、例えば異常事象に関連するデータのうち必要度が比較的高いものについては、その異常事象の解析に必要なデータ量と略同量を保存することができる。
【0017】
本発明の第2の異常事象関連データ保存装置において、前記データ選別手段は、必要度の高いデータほど優先して保存されるようにしてもよいし、必要度の高いデータほど異常事象の解析に必要となるデータ量と同量又はこれに近い量だけ保存されるようにしてもよい。こうすれば、異常事象について後からその原因を究明しやすい。
【0018】
本発明の第2の異常事象関連データ保存装置において、各異常事象の発生頻度と各異常事象ごとに定められた異常事象の発生を確定するための確定頻度とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて各異常事象の発生を確定するか否かを判定する異常判定手段とを備え、前記データ選別手段は、各異常事象の確定頻度と発生頻度との比率を前記必要度とし少なくとも該必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別してもよい。このときの必要度は、異常事象の兆候を判定するための指標となり得る。また、ここでは、同じ確定頻度を持つ複数の異常事象の間では、発生頻度の高いものほど必要度が高くなるが、異なる確定頻度を持つ複数の異常事象の間では、発生頻度が高いからといって必ずしも必要度が高いとは限らず、例えば確定頻度が小さな値の異常事象については発生頻度が低くても必要度が高くなることがある。いずれにしても、必要度が高いほど、その異常事象が確定される方向に近づくため異常の兆候がより明らかになるといえる。したがって、異常の兆候が見られる事象についてもそれに関連するデータを保存することが可能となり、後からその異常の兆候が見られた事象につき原因究明をすることができる。また、異常の兆候が見られない事象についてはそれに関連するデータを保存しないようにしたり少量しか保存しないようにすることも可能となり、不要なデータを無駄に保存することもない
【0019】
このとき、前記データ選別手段は、前記異常判定手段によっていずれかの異常事象が確定したと判定されたとき、該確定した異常事象に関連するデータについては該異常事象の解析に必要なデータ量だけ前記データ保存手段に保存されるように選別する一方、未確定の異常事象に関連するデータについては少なくとも前記必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段の残った記憶容量に保存するかを選別してもよい。こうすれば、確定した異常事象についてはその異常事象に関連するデータが十分保存されているため後から発生原因を究明することができ、また、未確定の異常事象についてはその異常事象に関連するデータが必要度に基づいてデータ保存手段の空き容量に保存されているためその異常事象の予兆原因を調査することもできる。
【0020】
本発明の第1及び第2の異常事象関連データ保存装置において、各異常事象の解析に必要なデータ量は、時系列的にいつからいつまでのデータを取るかによって決められていてもよい。時系列的にいつからいつまでのデータを取るかは、各異常事象に応じて決めればよい。すなわち、異常事象によって、異常発生時より前のデータがその原因を究明する上で有用なこともあるし、異常発生時より後のデータがその原因を究明する上で有用なこともあるし、異常発生時を挟んで前後のデータがその原因を究明する上で有用なこともあるため、各異常事象に応じてどのような時系列データを取るかを決めればよい。
【0021】
本発明の第1及び第2異常事象関連データ保存装置において、前記異常事象は、車載機器の異常事象であってもよい。本発明の第1及び第2は特にどのような機器の異常事象関連データを保存する場合であっても適用可能であるが、自動車、自動二輪車、列車などの車両に搭載されている機器(すなわち車載機器)の異常事象関連データを保存する場合に適用することが好ましい。また、自動車では短期間のうちに新たな技術を利用した電子機器が搭載されることが多いため、自動車に搭載された機器の異常事象関連データを保存する場合に適用することが特に好ましい。
【0022】
本発明の第3は、異常事象に関連するデータを保存可能なデータ保存手段に前記データを保存する異常事象関連データ保存方法であって、各異常事象の発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段に保存するかを選別する選別ステップと、前記データ選別手段によって選別された前記データを前記データ保存手段に保存する保存制御ステップとを含むもの、又は、各異常事象に関連するデータの必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別する選別ステップと、前記選別ステップで選別されたデータを前記データ保存手段に保存する保存制御ステップとを含むものである。
【0023】
この異常事象関連データ保存方法のうち前者によれば、異常の兆候が見られる事象についてもそれに関連するデータを保存することが可能となり、後からその異常の兆候が見られた事象につき原因究明をすることができる。また、異常の兆候が見られない事象についてはそれに関連するデータを保存しないようにしたり少量しか保存しないようにすることも可能となり、不要なデータを無駄に保存することもない。一方、異常事象関連データ保存方法のうち後者によれば、異常事象に関連するデータのうち必要度の高いものを保存することが可能となり、そのような必要度の高いデータを後から解析することで異常事象の原因究明を有効に行うことができる。また、必要度の低いデータを保存しないか少量だけ保存することも可能となり、そのようにすれば不要なデータを無駄に保存することもない。なお、選別ステップについては、本発明の第1又は第2の異常事象関連データ保存装置におけるデータ選別手段の動作手順を取り入れてもよい。
【0024】
本発明の第4は、上述した異常事象関連データ保存装置の少なくとも前記データ選別手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム、又は、上述した異常事象関連データ保存方法の各ステップをコンピュータに実現させるためのプログラムに関する。このプログラムをコンピュータに実行させれば、上述した異常事象関連データ保存装置による効果を得ることができる。また、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介して配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明を一層明らかにするために、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。図1は本実施形態のドライビングレコーダの概略ブロック図である。
【0026】
本実施形態のドライビングレコーダ20は、エンジンや自動変速機等を制御する電子制御ユニット10に接続されている。電子制御ユニット10は、エンジンや自動変速機等を制御するために、各種センサからエンジン回転数信号、スロットル開度信号、車速信号、冷却水温信号等を入力してこれらの入力信号に基づいてエンジン制御や自動変速制御等を実行するものである。ドライビングレコーダ20は、ドライビングレコーダ全体の制御を司るCPU21と、各種プログラムが格納されたROM22と、各種データを一時的に格納するSRAM23と、各種カウンタ24と、異常事象に関連するデータを保存するデータ保存手段としての不揮発性メモリ25(例えばEEPROMなど)と、電子制御ユニット10から出力された各種信号を入力する入力インタフェース部26と、電子制御ユニット10から出力された異常コード信号を検出する異常コード検出部27とを備えており、これらはバス28により互いに信号を送受可能に接続されている。
【0027】
電子制御ユニット10から出力される異常コード信号は、異常事象ごとに付与されたコードであり、例えば、異常事象が空燃比異常の場合には異常コード「0001」、異常事象がエンジン失火の場合には異常コード「0010」、異常事象がスロットルセンサの異常電圧の場合には異常コード「0020」、といった具合に対応付けられている。ROM22には、異常事象と、その異常事象に関連するデータと、その異常事象を解析するのに必要なデータ量とが対応付けられたテーブルが記憶されている(例えば後述の表1参照)。ここで、異常事象を解析するのに必要なデータ量は、異常事象の種類に応じて決められており、例えば重要度の高い異常事象(例えばエンジン失火など)については事後に細かな解析を行うことができるように大きなデータ量が設定され、重要度の低い異常事象(例えば水温異常など)については小さなデータ量が設定されている。また、異常事象を解析するうえで異常発生確定前のデータが必要な異常事象については異常事象確定前のデータを保存するようにし、異常事象を解析するうえで異常発生確定前後のデータが必要な異常事象については異常事象確定前後のデータを保存するようにし、異常事象を解析するうえで異常発生確定後のデータが必要な異常事象については異常事象確定後のデータを保存するようにする。
【0028】
次に、本実施形態のドライビングレコーダ20の動作について図2のフローチャートに基づいて説明する。ドライビングレコーダ20のCPU21は、所定タイミング(例えば8msec)ごとにROM22に記録されている異常事象関連データ保存プログラムを読み出してこれを実行する。なお、ここでは、各異常事象とも、原因を究明するために異常事象確定時よりも前のデータが必要になるものとして説明する。
【0029】
このプログラムが開始されると、CPU21は、まず、ステップS100でフリーズフラグFの値が「0」か「1」かを判定する。このフリーズフラグFは、初期設定時に「0」にリセットされ、いずれかの異常事象が確定してFFDが保存されたときに後述するステップS230で「1」にセットされるフラグである。このステップS100でフリーズフラグFが「0」つまりFFDが保存されていないときには、ステップS110に進んで電子制御ユニット10から入力される各種データ(例えばエンジン回転数、スロットル開度、車速、冷却水温など)を入力インタフェース部26を介してSRAM23に記憶する。なお、SRAM23は所定の記憶容量を持っており、この所定の記憶容量を超えるデータを記憶するときには最も古いデータに新しいデータを上書きしていく。
【0030】
続くステップS120では、複数の異常事象のうちどの異常事象かを特定するための序数カウンタの値nに1をセットし、続くステップS130で第n番目の異常事象に対応する異常コード信号が異常コード検出部27で検出されたか否かを判定する。このステップS130で第n番目の異常事象に対応する異常コード信号が検出されたときには、ステップS140に進んで今回の異常事象に対応する異常カウンタの値を1インクリメントし、一方、ステップS130で第n番目の異常事象に対応する異常コード信号が検出されなかったときには、ステップS150に進んで今回の異常事象に対応する異常カウンタの値をリセットする。その後、ステップS160で序数カウンタの値nが最大値か否かを判定し、最大値でないときにはステップS170に進んで序数カウンタの値nを1インクリメントしたのち再びステップS130以下の処理を繰り返し行う。一方、ステップS160で序数カウンタの値nが最大値のときには、ステップS180に進んで、各異常カウンタの値のうち予め定められた確定頻度に達したものがあるか否かを判定することにより、異常事象の発生を確定すべきものがあるか否かを判定する。
【0031】
ここで、確定頻度は、異常事象ごとに定められた固有値(回数)であり、通常2以上の値に設定されている。これは、電子制御ユニット10が出力したある異常事象の異常コード信号を異常コード検出部27で一度検出したときに直ちにその異常事象の発生を確定するとすれば、本来異常事象が発生していないにもかかわらずノイズ等が原因でその異常コード信号が出力された場合に誤判定してしまうことから、これを避けるべく、所定タイミングごとに繰り返し実行されるこのプログラムにおいて予め定められた確定頻度だけ連続して同じ異常事象に対応する異常コード信号が検出されたときに、初めてその異常事象の発生を確定するようにしている。
【0032】
ステップS180でいずれの異常事象も未確定だったときには、ステップS190に進んで仮FFDのデータ割り振りを各異常カウンタの値と異常事象の解析に必要となるデータ量と不揮発性メモリ25の記憶容量とに基づいて行う。例えば、異常カウンタの値が確定頻度に近い異常事象に関連するデータは、異常カウンタの値がゼロ又はゼロに近い異常事象に関連するデータに比べて、優先して不揮発性メモリ25に保存されるよう割り振りを行ったり異常事象の解析に必要となるデータ量に近い量だけ不揮発性メモリ25に保存されるよう割り振りを行ったりする。この具体例については後述する。なお、「仮FFD」とは、いずれの異常事象も未確定の段階での「FFD」と類似のデータという意である。その後ステップS200に進み、ステップS190で決定した仮FFDのデータ割り振りに基づいてSRAM23からデータを読み出すことにより仮FFDを作成し、それを不揮発性メモリ25に保存し、このプログラムを終了する。
【0033】
一方、ステップS180でいずれかの異常事象が確定したときには、ステップS210に進んでFFDのデータ割り振りを各異常カウンタの値と不揮発性メモリ25の記憶容量に基づいて行う。ここではステップS190と同様にしてデータ割り振りを行う。但し、異常カウンタの値が確定頻度に達した異常事象に関連するデータについては、その異常事象の解析に必要となるデータ量分が不揮発性メモリ25に保存されるように割り振る。この具体例についても後述する。その後ステップS220に進み、ステップS210で決定したFFDのデータ割り振りに基づいてSRAM23からデータを読み出すことによりFFDを作成し、それを不揮発性メモリ25に保存する。そして、続くステップS230において、いずれかの異常事象が確定してFFDが保存されたことを表すフリーズフラグFに「1」をセットし、このプログラムを終了する。このようにフリーズフラグFに「1」をセットしたあとは、所定のタイミングでこのプログラムが開始されたとしても、ステップS100でフリーズフラグFが「1」のためそのまま終了することになる。このため、異常事象が確定してFFDが保存された後は、FFDが更新されることはない。
【0034】
次に、図2のフローチャートに基づいて具体例を説明する。ここでは、下記表1のように、異常事象として第1〜第3異常事象があり、第1〜第3異常事象の各異常カウンタの確定頻度が「10」、「8」、「10」と定められているものとする。また、第1異常事象に関連するデータはデータa,b,cでこの第1異常事象の解析にはこれらのデータの10回分が必要であるとし、第2異常事象に関連するデータはデータb,c,dでこの第2異常事象の解析にはこれらのデータの8回分が必要であるとし、第3異常事象に関連するデータはデータc,d,eでありこの第3異常事象の解析にはこれらのデータの6回分が必要だとする。また、不揮発性メモリ25の記憶容量つまりデータ上限数を36個とする。
【0035】
【表1】
【0036】
(ケース1)
今、第1異常事象の異常カウンタの値が「8」、第2異常事象の異常カウンタの値が「4」、第3異常事象の異常カウンタの値が「3」であるとする。このとき、いずれの異常事象も確定頻度に達していないため、ステップS180で異常未確定と判定され、ステップS190に進んで仮FFDのデータ割り振りが行われる。この仮FFDにおけるデータ割り振り量は、第1〜第3異常事象の各々につき、異常カウンタの値つまり発生頻度を確定頻度で除した値(必要度という)と異常事象の解析に必要なデータ量とを乗じた値(小数点以下切り捨て)を求め、これを仮FFDにおけるデータ割り振り量とする(下記数1参照)。但し、各異常事象に共通するデータについては、各異常事象ごとに求めたデータ割り振り量の総和とするのではなく、最も大きなデータ割り振り量を採用するものとする。また、データ割り振り量の総和が不揮発性メモリ25のデータ上限数を超えるときには、そのデータ上限数を各データのデータ割り振り量に応じた比率で切り分けることにより、データ上限数以下に収まるようにする。
【0037】
【数1】
【0038】
このケースでは、第1異常事象の必要度が「0.8」、第2異常事象の必要度が「0.5」、第3異常事象の必要度が「0.3」となる。数1式によれば、第1異常事象に関連するデータa,b,cのデータ割り振り量はそれぞれ8回分、第2異常事象に関連するデータb,c,dのデータ割り振り量はそれぞれ4回分、第3異常事象に関連するデータc,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ1回分となるが、データbについては4回分ではなく8回分を採用し、データcについては4回分や1回分ではなく8回分を採用し、データdについては1回分ではなく4回分を採用する。この結果、データa,b,c,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ8,8,8,4,1回分となる。このときのデータ総数は29個でデータ上限数である36個以内であるため、このデータ割り振り量がそのまま採用され、ステップS200でSRAM23の記憶内容に基づいて仮FFDを作成して不揮発性メモリ25に保存する。
【0039】
(ケース2)
その後、第1異常事象の異常カウンタの値が「10」、第2異常事象の異常カウンタの値が「6」、第3異常事象の異常カウンタの値が「0」(つまり異常コードが確定頻度の数だけ連続して検出されずステップS150でリセット)になったとする。このとき、第1異常事象が確定頻度に達したため、ステップS180で異常確定と判定され、ステップS200に進んでFFDのデータ割り振りが行われる。このケースでは、第1異常事象の必要度が「1」、第2異常事象の必要度が「0.75」、第3異常事象の必要度が「0」となる。数1式によれば、第1異常事象に関連するデータa,b,cのデータ割り振り量はそれぞれ10回分、第2異常事象に関連するデータb,c,dのデータ割り振り量はそれぞれ6回分、第3異常事象に関連するデータc,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ0回分となるが、データb,cについては10回分を採用し、データdについては6回分を採用する。この結果、データa,b,c,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ10,10,10,6,0回分となる。このときのデータ総数は36個でデータ上限数である36個以内であるため、このデータ割り振り量がそのまま採用され、ステップS220でSRAM23の記憶内容に基づいてFFDを作成して不揮発性メモリ25に保存する。
【0040】
(ケース3)
一方、第1異常事象の異常カウンタの値が「10」、第2異常事象の異常カウンタの値が「6」、第3異常事象の異常カウンタの値が「5」になったとする。このとき、第1異常事象が確定頻度に達したため、ステップS180で異常確定と判定され、ステップS200に進んでFFDのデータ割り振りが行われる。このケースでは、第1異常事象の必要度が「1」、第2異常事象の必要度が「0.75」、第3異常事象の必要度が「0.5」となる。数1式によれば、第1異常事象に関連するデータa,b,cのデータ割り振り量はそれぞれ10回分、第2異常事象に関連するデータb,c,dのデータ割り振り量はそれぞれ6回分、第3異常事象に関連するデータc,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ3回分となるが、データb,cについては10回分を採用し、データdついては6回分を採用する。この結果、データa,b,c,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ10,10,10,6,3回分となる。しかし、データ総数は39個でデータ上限数である36個を越えているため、このデータ割り振り量をそのまま採用することができない。このようにデータ総数がデータ上限数を超えた場合、第1異常事象は異常発生が確定しているためその解析に必要なデータ量をすべて確保することが好ましいことから、データa,b,cはそれぞれ10回分のデータを確保する。すると、不揮発性メモリ25の残り記憶容量は6回分のデータとなるため、これをデータd,eで再度振り分ける。元のデータ割り振り量はデータdが6回分、データeが3回分のため、この比率で残り記憶容量を再度振り分けると、データdが4回分、データeが2回分となる。したがって、データa,b,c,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ10,10,10,4,2回分となる。
【0041】
(ケース4)
異常事象がいずれも未確定のときであってもデータ総数がデータ上限数を超えることがあり得る。例えば、数1式に基づいて得られたデータa,b,c,d,eのデータ割り振り量がそれぞれ9,9,9,7,5回分だとすると、データ総数は39回分となり、データ総数である36回分を上回る。その場合には、各データにつき元のデータ割り振り量の比率でデータ総数である36回分を再度振り分ける。すると、データa,b,c,d,eのデータ割り振り量はそれぞれ8,8,8,6,4回分となる。
【0042】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の不揮発性メモリ25が本発明のデータ保存手段に相当し、CPU21が比較手段、異常判定手段、データ選別手段及び保存制御手段に相当する。
【0043】
以上詳述した本実施形態のドライビングレコーダ20によれば、確定した異常事象に関連するデータが不揮発性メモリ25に保存されるため、後からその異常事象の原因究明を有効に行うことができる。また、異常の兆候が見られる事象(即ち、確定頻度が同じである複数の異常事象においては発生頻度が高い事象、確定頻度が異なる異常事象を含む場合においては必要度の高い異常事象)に関連するデータを優先して且つその異常事象の解析に必要なデータ量に近い量だけ不揮発性メモリ25に保存する。このため、後から不揮発性メモリ25に保存されたデータを解析すれば、その異常の兆候の原因を究明することができる。
【0044】
また、異常の兆候が見られない事象(即ち、確定頻度が同じである複数の異常事象においては発生頻度が低い事象、確定頻度が異なる異常事象を含む場合においては必要度の低い異常事象)に関連するデータを保存しないか少量しか保存しない。このため、不要なデータを無駄に保存することもない。
【0045】
更に、保存しようとするデータの総量が不揮発性メモリ25の記憶容量を超える場合には、発生が確定した異常事象に関連するデータについてはその異常事象の解析に必要なデータ量だけ優先して不揮発性メモリ25に保存するようにし、未確定の異常事象に関連するデータについて数1式に基づいてどのデータを不揮発性メモリ25の残容量に保存するかを選別している。このため、発生が確定した異常事象については後から発生原因を十分究明することができる。また、未確定の異常事象についてもその異常の兆候の原因をある程度究明することができる。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0047】
例えば、上述した実施形態では、自動車に搭載された各種機器のデータをFFDとして保存する場合について説明したが、本発明を自動二輪車、列車、飛行機、家電製品、精密機械などに搭載された各種機器のデータをFFDとして保存する場合に適用してもよい。
【0048】
また、上述した実施形態では、数1式に基づいてデータの振り分けを行ったが、各異常事象の異常カウンタの値(発生頻度)あるいは各異常事象の必要度(発生頻度/確定頻度)を利用して不揮発性メモリ25に保存すべきデータを選別する手法であれば、どのような手法を適用しても構わない。
【0049】
更に、異常事象の解析に必要なデータ量が例えば過去3回分の場合には、必ずしも連続する過去3回分のデータである必要はなく、所定回おきの過去3回分のデータであってもよい。
【0050】
更にまた、上述した実施形態では、電子制御ユニット10を介して各種信号を入力するように構成したが、各種センサから直接それらの信号を入力するように構成してもよいし、あるいは、電子制御ユニット10にドライビングレコーダの機能を持たせてもよい。
【0051】
そしてまた、上述した実施形態では、発生頻度を確定頻度で除した値を必要度としたが、必要度は特にこれに限られるものではなく、例えばデータa〜eにつきいくつの異常事象に関連しているかによって必要度を決めてもよい。具体的には、データa〜eをみると、表1に示すように、データcが3つの異常事象に関連しているためデータa〜eの中で必要度が最も高くなり、次にデータb,dの必要度が高く、データa,eの必要度が最も低くなる。
【0052】
そして更に、上述した実施形態では、各異常事象とも原因を究明するために異常事象確定時よりも前のデータが必要になるものとして説明したが、異常事象確定時よりも後のデータが必要になる異常事象を含んでいてもよい。この場合には、例えば図2のフローチャートを図3のように変更すればよい。即ち、ステップS180の後に異常確定フラグ(初期設定時はリセット状態)に「1」をセットするステップS201を設け、その後ステップS210,S220を実行する。ここで、ステップS220では、異常事象確定時よりも後のデータが必要となる場合にはFFDの作成が完了しないため、ステップS220の後にFFDの作成が完了したか否かを判定するステップS221を設け、FFDの作成が完了していないときにはステップS230を経由することなくプログラムを終了させる。その後の所定タイミングでこのプログラムが開始されると、ステップS100でフリーズフラグFは「0」と判定され、ステップS110で今回電子制御ユニット10から取得した各種入力データをSRAMに一時記憶したあと、異常確定フラグの状態を判定するステップS111に進み、ここで異常確定フラグが「1」と判定されるとステップS220へ進んでFFDの作成が続行され、その後FFDの作成が完了するまでこの動作が繰り返される。そして、FFDの作成が完了すると、ステップS230でフリーズフラグFが「1」にセットされ、その後所定タイミングごとにこのプログラムが開始されたとしても、ステップS100で否定判定されて直ちに終了するため、FFDは更新されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のドライビングレコーダの概略ブロック図である。
【図2】本実施形態の異常事象関連データ保存プログラムのフローチャートである。
【図3】他の実施形態の異常事象関連データ保存プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
10…電子制御ユニット、20…ドライビングレコーダ、21…CPU、22…ROM、23…SRAM、24…各種カウンタ、25…不揮発性メモリ、26…入力インタフェース部、27…異常コード検出部、28…バス。
Claims (19)
- 異常事象に関連するデータを保存可能なデータ保存手段と、
各異常事象の発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段に保存するかを選別するデータ選別手段と、
前記データ選別手段によって選別されたデータを前記データ保存手段に保存する保存制御手段と
を備えた異常事象関連データ保存装置。 - 請求項1に記載の異常事象関連データ保存装置であって、
前記データ選別手段は、各異常事象の発生頻度と前記データ保存手段の記憶容量とに基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段に保存するかを選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 請求項1又は2に記載の異常事象関連データ保存装置であって、
前記データ選別手段は、各異常事象の発生頻度と各異常事象の解析に必要なデータ量とに基づいてどの異常事象に関連するデータをどれだけのデータ量で前記データ保存手段に保存するかを選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の異常事象関連データ保存装置であって、
前記データ選別手段は、発生頻度の高い異常事象に関連するデータほど優先して保存されるように選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の異常事象関連データ保存装置であって、
前記データ選別手段は、発生頻度の高い異常事象に関連するデータほど該異常事象の解析に必要となるデータ量と同量又はこれに近い量だけ保存されるように選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の異常事象関連データ保存装置であって、
各異常事象の発生頻度と各異常事象ごとに定められた異常事象の発生を確定するための確定頻度とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて各異常事象の発生を確定するか否かを判定する異常判定手段と
を備え、
前記データ選別手段は、前記異常判定手段によっていずれかの異常事象の発生が確定したと判定されたとき、該確定した異常事象に関連するデータについては該異常事象の解析に必要なデータ量だけ前記データ保存手段に保存されるようにする一方、未確定の異常事象に関連するデータについては少なくとも前記発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段の残った記憶容量に保存するかを選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 異常事象に関連するデータを保存可能なデータ保存手段と、
各異常事象に関連するデータの必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別するデータ選別手段と、
前記データ選別手段によって選別されたデータを前記データ保存手段に保存する保存制御手段と
を備えた異常事象関連データ保存装置。 - 請求項7に記載の異常事象関連データ保存装置であって、
前記データ選別手段は、前記必要度と前記データ保存手段の記憶容量とに基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 請求項7又は8に記載の異常事象関連データ保存装置であって、
前記データ選別手段は、前記必要度と各異常事象の解析に必要なデータ量とに基づいてどのデータをどれだけのデータ量で前記データ保存手段に保存するかを選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 請求項7〜9のいずれかに記載の異常事象関連データ保存装置であって、
前記データ選別手段は、前記必要度の高いデータほど優先して保存されるように選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 請求項7〜10のいずれかに記載の異常事象関連データ保存装置であって、
前記データ選別手段は、前記必要度の高いデータほど異常事象の解析に必要となるデータ量と同量又はこれに近い量だけ保存されるように選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 請求項7〜11のいずれかに記載の異常事象関連データ保存装置であって、
各異常事象の発生頻度と各異常事象ごとに定められた異常事象の発生を確定するための確定頻度とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて各異常事象の発生を確定するか否かを判定する異常判定手段と
を備え、
前記データ選別手段は、各異常事象の確定頻度と発生頻度との比率を前記必要度とし少なくとも該必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 請求項12に記載の異常事象関連データ保存装置であって、
前記データ選別手段は、前記異常判定手段によっていずれかの異常事象が確定したと判定されたとき、該確定した異常事象に関連するデータについては該異常事象の解析に必要なデータ量だけ前記データ保存手段に保存されるように選別する一方、未確定の異常事象に関連するデータについては少なくとも前記必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段の残った記憶容量に保存するかを選別する
異常事象関連データ保存装置。 - 請求項1〜13のいずれかに記載の異常事象関連データ保存装置であって、
各異常事象の解析に必要なデータ量は、時系列的にいつからいつまでのデータを取るかによって決められている
異常事象関連データ保存装置。 - 前記異常事象は、車載機器の異常事象である
請求項1〜14のいずれかに記載の異常事象関連データ保存装置。 - 異常事象に関連するデータを保存可能なデータ保存手段に前記データを保存する異常事象関連データ保存方法であって、
各異常事象の発生頻度に基づいてどの異常事象に関連するデータを前記データ保存手段に保存するかを選別する選別ステップと、
前記選別ステップで選別されたデータを前記データ保存手段に保存する保存制御ステップと
を含む異常事象関連データ保存方法。 - 異常事象に関連するデータを保存可能なデータ保存手段に前記データを保存する異常事象関連データ保存方法であって、
各異常事象に関連するデータの必要度に基づいてどのデータを前記データ保存手段に保存するかを選別する選別ステップと、
前記選別ステップで選別されたデータを前記データ保存手段に保存する保存制御ステップと
を含む異常事象関連データ保存方法。 - 請求項1〜15のいずれかに記載の異常事象関連データ保存装置の少なくとも前記データ選別手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
- 請求項16又は17に記載の異常事象関連データ保存方法の各ステップをコンピュータに実現させるためのプログラム。
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