JP2011174765A - 機器劣化評価支援方法及び機器劣化評価支援装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機器劣化評価支援装置1は、初期音響データを測定し、記憶する(S401)。定期的に現在音響データを測定し、記憶する(S402)。初期音響データと、現在音響データとを比較し、異なっているパターンを抽出し、予兆パターンの候補として記憶する(S403)。候補が抽出されなければ(S404のNO)、現在音響データを測定し直す(S402)。候補が抽出されれば(S404のYES)、サポートベクトルマシンを使い、正常パターン及び候補を識別する識別関数を設定する(S405)。識別関数を用いて候補と同一パターンの発生頻度の、現在音響データにおける変化傾向を把握する(S406)。発生頻度が増加傾向であれば(S407のYES)、候補を予兆パターンとして記憶する(S408)。予兆パターンの発生頻度を詳細に把握し(S409)、監視対象機器の劣化状況を評価する(S410)。
【選択図】図4
Description
図1は、機器劣化評価支援装置1のハードウェア構成を示す図である。機器劣化評価支援装置1は、音響測定部11、表示部12、入力部13、処理部14及び記憶部15を備え、各部がバス16を介してデータを送受信可能なように接続されている。音響測定部11は、監視対象の機器から発する音響を測定する部分であり、例えば、マイクロフォン等によって実現される。表示部12は、処理部14からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。入力部13は、オペレータがデータ(例えば、音響データの測定間隔等)を入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。処理部14は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、機器劣化評価支援装置1全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部15は、処理部14からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置によって実現される。
図2は、機器の劣化について説明するための図である。図2(a)には、横軸を経過時間とし、縦軸を劣化度合いとする座標平面に機器劣化曲線が描かれている。そして、機器の稼動開始からの経過時間がt1からt5へ進むにつれて、機器劣化曲線の傾きが徐々に急になっている。例えば、経過時間がt3の時に点検を行うと、頻繁に機器を停止しなければならないので、運用コストがかかってしまう。また、経過時間t5の時に点検を行ったのでは、劣化度合いが低コストで修理可能な範囲である修理限界を超えるので、大幅な修理が必要になり、このタイミングでも運用コストがかかってしまう。そこで、修理限界前のぎりぎりのところである、経過時間t4を過ぎたあたりに機器の修理を行うことが望ましい。なお、修理限界を決める際には、機器劣化曲線は予兆パターン(詳細は後記)の発生頻度曲線に対応するので、実際に修理限界の状態に至った予兆パターンの発生頻度に対応する劣化度合いを修理限界とする。
図3は、機器劣化評価支援装置1の記憶部15に記憶されるデータの構成を示す図である。図3(a)は、事前データ15Aの構成を示す。事前データ15Aは、実際に機器の劣化状態を監視する前に予め準備されるデータであり、サポートベクトルマシン15A1及び過去音響データ15A2を含む。サポートベクトルマシン15A1は、パターン識別手法を実現するプログラムの1つであり、予兆パターンと、正常パターンとの組合せデータを多数入力すると、予兆パターンと、正常パターンとを識別するための関数(識別関数)を生成する。過去音響データ15A2は、過去において機器ごとに稼動開始から劣化までの音響データを記録したものであり、決定した予兆パターンの発生頻度曲線を求めるために用いられる。
図4は、機器劣化評価支援装置1の処理を示すフローチャートである。本処理は、機器劣化評価支援装置1において、主として処理部14が記憶部15のデータを参照、更新しながら、音響データに基づいて機器劣化の評価を行うものである。なお、本処理が実施される前に、事前データ15Aとしてサポートベクトルマシン15A1及び過去音響データ15A2が予め記憶部15に記憶されているものとする。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
14 処理部
15 記憶部
15A1 サポートベクトルマシン
15A2 過去音響データ
15B1 初期音響データ
15B2 現在音響データ
15B3 正常パターン
15B4 予兆パターン候補
15B5 識別関数データ
15B8 予兆パターン
15B10 機器劣化曲線データ
Claims (8)
- 記憶部と、処理部とを備えるコンピュータにより、機器の劣化評価を支援する機器劣化評価支援方法であって、
前記記憶部は、過去における稼動開始から劣化までの前記機器の音響を測定した過去音響データと、直近の稼動開始時に前記機器の音響を測定した初期音響データと、直近の稼動開始から所定時間後に前記機器の音響を測定した現在音響データと、を記憶し、
前記処理部は、
前記初期音響データと、前記現在音響データとを比較し、前記初期音響データと異なるパターンを前記現在音響データから抽出し、抽出したパターンを予兆パターン候補として前記記憶部に記憶するステップと、
前記現在音響データにおける前記予兆パターン候補の発生頻度を計数し、当該予兆パターン候補の発生頻度が時間の経過とともに増加する傾向であるか否かを判定するステップと、
前記予兆パターン候補の発生頻度が増加する傾向である場合に、前記予兆パターン候補を予兆パターンとして前記記憶部に記憶するステップと、
前記過去音響データにおける前記予兆パターンの発生頻度を計数し、当該予兆パターンの発生頻度の時間的変化に基づいて、前記機器の劣化度合いの時間的変化を示す機器劣化曲線データを作成するステップと、
を実行する
ことを特徴とする機器劣化評価支援方法。 - 請求項1に記載の機器劣化評価支援方法であって、
前記パターンは、前記過去音響データ、前記初期音響データ及び前記現在音響データに含まれる、所定の周波数帯域における入力音響レベルの波形データである
ことを特徴とする機器劣化評価支援方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の機器劣化評価支援方法であって、
前記記憶部は、パターン識別手法を実現するプログラムをさらに記憶し、
前記処理部は、
前記現在音響データにおける前記予兆パターン候補の発生頻度を計数する際に、
前記プログラムに対して、前記初期音響データに含まれる正常パターンと、前記現在音響データに含まれる前記予兆パターン候補とを入力することにより、前記正常パターンと、前記予兆パターン候補とを識別する識別関数を生成するステップと、
前記識別関数を用いて、前記現在音響データにおいて前記予兆パターン候補と同一であると認識されたパターンの発生頻度を所定時間帯ごとに計数するステップと、
をさらに実行する
ことを特徴とする機器劣化評価支援方法。 - 請求項3に記載の機器劣化評価支援方法であって、
前記プログラムは、サポートベクトルマシンである
ことを特徴とする機器劣化評価支援方法。 - 機器の劣化評価を支援する機器劣化評価支援装置であって、
記憶部と、処理部とを備え、
前記記憶部は、過去における稼動開始から劣化までの前記機器の音響を測定した過去音響データと、直近の稼動開始時に前記機器の音響を測定した初期音響データと、直近の稼動開始から所定時間後に前記機器の音響を測定した現在音響データと、を記憶し、
前記処理部は、
前記初期音響データと、前記現在音響データとを比較し、前記初期音響データと異なるパターンを前記現在音響データから抽出し、抽出したパターンを予兆パターン候補として前記記憶部に記憶する手段と、
前記現在音響データにおける前記予兆パターン候補の発生頻度を計数し、当該予兆パターン候補の発生頻度が時間の経過とともに増加する傾向であるか否かを判定する手段と、
前記予兆パターン候補の発生頻度が増加する傾向である場合に、前記予兆パターン候補を予兆パターンとして前記記憶部に記憶する手段と、
前記過去音響データにおける前記予兆パターンの発生頻度を計数し、当該予兆パターンの発生頻度の時間的変化に基づいて、前記機器の劣化度合いの時間的変化を示す機器劣化曲線データを作成する手段と、
を備える
ことを特徴とする機器劣化評価支援装置。 - 請求項5に記載の機器劣化評価支援装置であって、
前記パターンは、前記過去音響データ、前記初期音響データ及び前記現在音響データに含まれる、所定の周波数帯域における入力音響レベルの波形データである
ことを特徴とする機器劣化評価支援装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の機器劣化評価支援装置であって、
前記記憶部は、パターン識別手法を実現するプログラムをさらに記憶し、
前記処理部は、
前記現在音響データにおける前記予兆パターン候補の発生頻度を計数する際に、
前記プログラムに対して、前記初期音響データに含まれる正常パターンと、前記現在音響データに含まれる前記予兆パターン候補とを入力することにより、前記正常パターンと、前記予兆パターン候補とを識別する識別関数を生成する手段と、
前記識別関数を用いて、前記現在音響データにおいて前記予兆パターン候補と同一であると認識されたパターンの発生頻度を所定時間帯ごとに計数する手段と、
をさらに備える
ことを特徴とする機器劣化評価支援装置。 - 請求項7に記載の機器劣化評価支援装置であって、
前記プログラムは、サポートベクトルマシンである
ことを特徴とする機器劣化評価支援装置。
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