JPH11229904A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JPH11229904A
JPH11229904A JP3310698A JP3310698A JPH11229904A JP H11229904 A JPH11229904 A JP H11229904A JP 3310698 A JP3310698 A JP 3310698A JP 3310698 A JP3310698 A JP 3310698A JP H11229904 A JPH11229904 A JP H11229904A
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JP
Japan
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correction coefficient
throttle
opening area
value
flow rate
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Application number
JP3310698A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Hagura
信宏 羽倉
Atsushi Nanba
篤史 難波
Akira Akimoto
晃 秋本
Takashi Matsuura
崇 松浦
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロットル通過空気流量目標値となるスロッ
トル開度に制御する際、運転状態による影響を排除して
制御精度を確保する。 【解決手段】 圧力比算出部60でマニホルド圧Pmと
大気圧Paとの圧力比RPを算出すると、第1の補正係
数算出部61で圧力比RPの値に応じてオリフィスの流
量式における補正係数KPを求めた後、第2の補正係数
算出部62で定数項K1と補正係数KPとを乗算して補
正係数KFを求める。同時に、流量係数算出部63でエ
ンジン回転数Neと圧力比RPとから領域毎の流量補正
係数KCを求める。そして、有効開口面積算出部64で
スロットル通過空気流量Qaを流量補正係数KCと補正
係数KFとの乗算値KC・KFで除算して有効開口面積
OAを算出し、ETC指示値設定部65で有効開口面積
OAからETC指示値Saを設定することで、運転領域
による流量係数の変化や運転状態による変動要因の影響
を排除し、制御精度を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スロットル開度を
アクチュエータを介して制御するエンジンの制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近、車両の制御に直接作用する物理量
であるエンジン出力軸トルクを制御の基準量として燃料
量と空気量とを決定し、運転者の要求出力に対する応答
性を改善して良好な走行性能を得る技術が種々提案され
ている。
【0003】例えば、本出願人は、先に、特願平8−2
53563号において、エンジン出力軸トルクの目標値
をアクセル操作量とエンジン回転数とから設定し、設定
した目標トルクに応じて燃料噴射量を制御するとととも
に、スロットルアクチュエータによりスロットル開度を
電子制御して吸入空気量を制御する技術を提案してい
る。この技術では、スロットル開度の制御部分におい
て、スロットル通過空気流量Qaとマニホルド圧Pmと
から2次元マップによってスロットルアクチュエータの
操作指示値(スロットル開度目標値)Saを算出する公
知技術を採用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スロッ
トル開度目標値Saを設定するための従来のQa−Pm
2次元マップでは、図6に示すように、スロットル通過
空気流量Qaが低流量の領域では操作指示値Saの設定
データの勾配が急となるため、僅かな流量変化で操作指
示値Saが大きく変化することになり、マップセッティ
ングが容易でないといった問題がある。
【0005】また、スロットル通過空気流量Qaの低流
量域で操作指示値Saの設定データの勾配が急であるこ
とは、設定データが密であることを意味し、通常のマッ
プ格子間隔では補間データの精度が低下する。同様に、
マニホルド圧Pmが大気圧に近い場合にも、操作指示値
Saの設定データの勾配が急となり、補間データの精度
が低下する。
【0006】さらに、図7に示すように、スロットルバ
ルブの流量係数はエンジン回転数Neに依存して運転領
域毎に変化するが、従来のQa−Pm2次元マップで
は、エンジン回転数Neが同一のデータはQa軸とPm
軸とに対して増減する(格子に対して斜めとなる)もの
の、Ne軸がないため運転領域による流量係数の変化を
反映できず、制御精度の向上に限界があった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、スロットルバルブに連設したアクチュエータを駆動
してスロットル通過空気流量目標値となるスロットル開
度に制御する際、運転状態による影響を受けることな
く、制御精度を確保することのできるエンジンの制御装
置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
エンジンのスロットルバルブに連設したアクチュエータ
を駆動してスロットル開度を制御し、エンジンの目標ト
ルクに対応した必要空気量を得るエンジンの制御装置に
おいて、上記必要空気流量におけるスロットル通過空気
流量目標値を、上記スロットルバルブ前後の差圧と空気
通過面積と流量係数とを基本とするオリフィスの流量式
に適用し、上記スロットルバルブの目標開口面積を求め
る手段と、上記スロットルバルブの目標開口面積から上
記アクチュエータの操作指示値を設定する手段とを備え
たことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記流量係数を、吸気管圧力とエンジン回
転数とに基づいて運転領域毎に求めることを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の発明において、上記目標開口面積を、大気圧
の計測値を用いて補正することを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1,2,3
のいずれか一に記載の発明において、上記目標開口面積
を、大気温度の計測値を用いて補正することを特徴とす
る。請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明におい
て、上記目標開口面積を、上記オリフィスの流量式の各
要素に対する運転状態の変動要因を個別に考慮して算出
することを特徴とする。
【0012】すなわち、本発明によるエンジンの制御装
置では、スロットルバルブ前後の差圧と空気通過面積と
流量係数とを基本とするオリフィスの流量式を用い、こ
のオリフィスの流量式に、エンジンの目標トルクに対応
した必要空気量におけるスロットル通過空気流量目標値
を適用することで、スロットルバルブの目標開口面積を
求める。そして、この目標開口面積からスロットルバル
ブに連設したアクチュエータの操作指示値を設定し、ス
ロットル開度を制御する。
【0013】この場合、オリフィスの流量式の各要素に
対する運転状態の変動要因を個別に考慮して目標開口面
積を算出することが望ましく、オリフィスの流量式を適
用するに当たっては、流量係数を吸気管圧力とエンジン
回転数とに基づいて運転領域毎に求める、さらには、大
気圧の計測値、大気温度の計測値の少なくとも一方を用
いて目標開口面積を補正することが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図3は本発明の実施の第1
形態に係わり、図1はETC指示部のブロック図、図2
はエンジン制御系の概略構成図、図3は燃料・吸気・E
GR制御機能のブロック図である。
【0015】図2において、符号1は、吸気管2の中途
に介装されたスロットルバルブ3の開度がスロットルア
クチュエータ20を介して電子的に制御される電子制御
スロットル式エンジンであり、本形態においては、排気
管4と上記吸気管2とを連通する排気還流管5にEGR
バルブ21を介装し、排気ガスを吸気系に再循環するE
GRを併用するエンジンである。
【0016】上記エンジン1は、燃料噴射制御、吸気制
御、EGR制御を総合的に行う電子制御ユニット(EC
U)50によって制御される。このECU50は、マイ
クロコンピュータを中心として構成され、運転状態を検
出するための各種センサ・スイッチ類や各種アクチュエ
ータ類が接続されている。
【0017】上記ECU50に接続されるセンサ類とし
ては、例えば、所定のクランク角毎にパルス信号を出力
するクランク角センサ10、このクランク角センサ10
から出力されるパルス信号間で発生する気筒判別のため
のパルス信号を出力する気筒判別センサ11、図示しな
いアクセルペダルの踏み込み量に応じた電圧信号を出力
するアクセル開度センサ12、吸気管内圧力(マニホル
ド圧)を計測するための吸気管圧力センサ13、大気圧
を計測するための大気圧センサ14、上記スロットルバ
ルブ3上流の吸気温度を計測するための吸気温度センサ
15、上記スロットルバルブ3下流の吸気管内のガス温
度を計測するための吸気管ガス温度センサ16、スロッ
トル通過空気流量を計測する吸入空気量センサ17等が
ある。
【0018】また、上記ECU50に接続されるアクチ
ュエータ類としては、上記スロットルバルブ3を駆動す
る上記スロットルアクチュエータ20、EGR量を可変
するための上記EGRバルブ21、燃料を噴射する各気
筒のインジェクタ22、気筒毎の点火プラグに連設され
る点火コイルの一次電流を断続するためのイグナイタ2
3等がある。
【0019】上記ECU50では、各種センサ類によっ
て検出した運転状態に基づき、運転者のアクセル操作に
基づく要求負荷に対応する必要空気量及び必要燃料量を
算出し、上記スロットルアクチュエータ20、上記イン
ジェクタ22に、それぞれ相応する駆動信号を出力して
必要空気量、必要燃料量を確保し、イグナイタ23に点
火信号を出力して図示しない点火プラグをスパークさ
せ、最適な燃焼状態を維持するよう制御する。
【0020】上記ECU50の燃料・吸気・EGR制御
に係わる機能は、概略的には、図3に示すように、目標
トルク設定部51、燃料・吸気・EGR設定部52、電
子制御スロットル(ETC)指示部53、EGR指示部
54等から構成されており、目標トルク設定部51で、
エンジン回転数Neとアクセル開度Sとに基づいて目標
エンジントルクTeを設定すると、燃料・吸気・EGR
設定部52で、この目標エンジントルクTeに対応した
基本燃料噴射量Gf及びEGR率を設定し、また、EG
Rバルブ通過ガス流量設定値(目標値)Qe、スロット
ル通過空気流量設定値(目標値)Qaを算出する。
【0021】上記燃料・吸気・EGR設定部52におけ
るEGRバルブ通過ガス流量設定値Qe、スロットルバ
ルブ通過空気流量設定値Qaの算出は、例えば、基本燃
料噴射量及びEGR率から吸気管内の圧力目標値を空気
有効成分分圧とEGRガス有効成分分圧とに分けて設定
し、以下の吸気系モデルに従い、空気有効成分分圧の推
定値及びEGRガス有効成分分圧の推定値を算出し、E
GRガス有効成分分圧の推定値とEGRガス有効成分分
圧の制御目標値との偏差に基づいてEGRバルブ通過ガ
ス流量設定値Qeを算出するとともに、空気有効成分分
圧の推定値と空気有効成分分圧の制御目標値との偏差、
及び、EGRガス中の空気過不足成分に基づいて、スロ
ットルバルブ通過空気流量設定値Qaを算出する。
【0022】尚、有効成分とは、目標値(初期設定値)
に呼応するための成分を示し、EGRガス有効成分は、
制御空燃比が当量(理論空燃比)であれば、EGRガス
中の非空気成分である不活性成分(理論空燃比での既燃
ガスに相当する成分;H20,CO2,N2等からなる)
と同じ値であるが、制御空燃比がリーンの場合、当量比
分の空気を含み、EGRガス中の空気成分に不活性成分
を加えた値となる。
【0023】また、過不足成分は、有効分に対する過不
足分を示し、定常状態では目標当量比と排気当量比とが
同じであるため、過不足は生じないが、過渡的には、こ
れから制御しようとする目標当量比と現在還流されてく
るEGRガスの排気当量比とが一致しないことが多く、
目標当量比>排気当量比の場合には、還流されてくるE
GRガス中に過剰空気を生じ、目標当量比<排気当量比
の場合には、還流されてくるEGRガス中に不足空気を
生じる。従って、この過剰・不足空気分をスロットルバ
ルブ・EGRバルブ制御で目標状態に制御するのであ
る。
【0024】ここで、上記燃料・吸気・EGR設定部5
2で用いる吸気系モデルは、エンジン1の吸気管2に介
装されたスロットルバルブ3を通過する新気分の流量
(スロットル通過空気流量)Qaと、排気管4から吸気
管2への排気還流管5に介装されたEGRバルブ21を
通過するEGRガス流量(EGRバルブ通過ガス流量)
Qeとが吸気管2内に供給され、エンジン1のシリンダ
に流出しているとするモデルであり、スロットル通過空
気流量QaとEGRバルブ通過ガス流量Qeとによって
吸気管容積を充填する分の空気量を見込むことにより、
アクセル操作量とエンジン回転数から設定した目標トル
クを過渡的に遅れなく実現することができる。
【0025】吸気管内の空気有効成分は、スロットルバ
ルブ3を通過する新気分と、EGRバルブ21を通過す
るEGRガス中の空気過不足成分との和から、シリンダ
内へ流入する空気有効成分を除いたものであり、スロッ
トル通過空気流量Qa、EGRガス中の空気過不足成分
のEGRバルブ通過流量Qea、吸気管内の空気有効成
分のシリンダ流入流量Qso、吸気管容積Vm、吸気管
内ガス温度Tm、空気有効成分の気体定数Raを用いて
気体の状態方程式を適用すると、吸気管内の空気有効成
分分圧Pmoの時間変化量dPmo/dtは、以下の
(1)式で表すことができる。 dPmo/dt=(Qa+Qea−Qso)・Ra・Tm/Vm …(1)
【0026】また、吸気管内のEGRガス有効成分は、
EGRバルブ21を通過するEGRガス有効成分からシ
リンダ内へ流入するEGRガス有効成分を除いたもので
あり、同様に、吸気管内のEGRガス有効成分分圧Pm
eeの時間変化量dPmee/dtは、EGRガス有効
成分のEGRバルブ通過流量Qee、EGRガス有効成
分のシリンダ流入流量Qsee、EGRガス有効成分の
気体定数Reにより、以下の(2)式で表すことができ
る。 dPmee/dt=(Qee−Qsee)・Re・Tm/Vm …(2)
【0027】上記(1)式におけるEGRガスの空気過不
足成分のEGRバルブ通過流量Qea、上記(2)式にお
けるEGRガス有効成分のEGRバルブ通過流量Qee
は、EGRバルブ通過ガス流量Qeに、EGRバルブ2
1入口におけるEGRガスの当量比Φとシリンダ内当量
比の初期設定値である目標当量比Φiとの比を適用する
ことにより、それぞれ、以下の(3),(4)式のように表す
ことができる。 Qea=(1−Φ/Φi)・Qe …(3) Qee=(Φ/Φi)・Qe …(4)
【0028】また、上記(1)式における空気有効成分の
シリンダ流入流量Qso、上記(2)式におけるEGRガ
ス有効成分のシリンダ流入流量Qseeは、それぞれ、
1気筒当たりのストローク容積Vs、体積効率ηv、エ
ンジンの気筒数Lを用いて、以下の(5),(6)式で表すこ
とができる。 Qso=((Pmo・Vs)/(Ra・Tm))・ηv・(Ne・L/120) …(5) Qsee=((Pmee・Vs)/(Re・Tm))・ηv・(Ne・L/120) …(6)
【0029】従って、上記(1),(2)式に上記(3)〜(5)式
を適用して式中の一部を以下の(7)〜(9)式で示す係数
a,ba,beで置き換え、上記(1),(2)式をマトリック
ス形式で記述すると、以下の(10)式で示すようになり、
スロットル通過空気流量Qa、EGRバルブ通過ガス流
量Qe、及び、EGRガスの当量比Φと目標当量比Φi
との比に基づいて、吸気管内の状態を空気有効成分分圧
Pmoの時間変化量とEGRガス有効成分分圧Pmee
の時間変化量とによって表現することができる。 a =(Vs/Vm)・ηv・(Ne・L/120) …(7) ba=Ra・Tm/Vm …(8) be=Re・Tm/Vm …(9)
【0030】上記吸気系モデルを用いることにより、吸
気管内の空気有効成分分圧Pmo及びEGRガス有効成
分分圧Pmeeの時間変化量に基づいて、スロットル通
過空気流量QaとEGRバルブ通過ガス流量Qeとを算
出することができ、吸気管内のEGRガス有効成分分圧
の目標値と、EGRガス有効成分分圧の計算値であるE
GRガス有効成分分圧推定値との偏差をフィードバック
してEGRバルブ通過ガス流量Qeを設定し、さらに、
このEGRバルブ通過ガス流量Qeに含まれる空気有効
成分、及び、吸気管内の空気有効成分分圧の目標値と空
気有効成分分圧の計算値である空気有効成分分圧推定値
との偏差をフィードバックし、スロットル通過空気流量
Qaを設定する。
【0031】尚、上記吸気系モデルによるEGRバルブ
通過ガス流量Qe、スロットル通過空気流量Qaの算出
処理については、本出願人による特願平8−25356
3号に詳述されている。
【0032】以上により、EGRバルブ通過ガス流量Q
e、スロットル通過空気流量Qaを算出すると、ETC
指示部53で、マニホルド圧Pm、スロットル通過空気
流量設定値Qa、エンジン回転数Neから、スロットル
アクチュエータ20に対する操作量としてのスロットル
アクチュエータ指示値(ETC指示値;目標スロットル
開度)Saを設定してスロットルアクチュエータ20へ
出力し、また、EGR指示部54で、マニホルド圧P
m、EGRバルブ通過ガス流量設定値Qeから、EGR
バルブ21に対する操作量としてのEGRバルブ指示値
Seを設定してEGRバルブ21へ出力する。
【0033】この場合、上記ETC指示部53では、ス
ロットルバルブ3に対してオリフィスによる流量計算式
を適用し、この流量計算式からスロットルバルブ3の目
標開口面積を求めてETC指示値Saを設定するように
している。このため、上記ETC指示部53の機能は、
図1に示すように、圧力比算出部60、第1の補正係数
算出部61、第2の補正係数算出部62、流量補正係数
算出部63、有効開口面積算出部64、ETC指示値設
定部65等から構成されている。
【0034】すなわち、スロットルバルブ3をオリフィ
スとみなして圧縮性流体の流量計算式を適用すると、空
気通過面積A、流量係数C、スロットルバルブ3上流側
圧力(大気圧)Pa、スロットルバルブ3下流側圧力
(マニホルド全圧)Pm、吸気温度(大気温度)Ta、
比熱比κ、気体定数Raとして、以下の(11)〜(13)式に
よってスロットル通過空気流量Qaを表現することがで
きる。 Qa=C・A・(2・κ/(κ−1)・Ra)1/2・(Pa/(Ta)1/2)・KP…(11) 但し、Pm/Pa>(2/(κ+1))κ/κ-1のとき、 KP=((Pm/Pa)2/κ−(Pm/Pa)κ+1/κ)1/2…(12) Pm/Pa≦(2/(κ+1))κ/κ-1のとき、 KP=((κ−1)/(κ+1))・(2/(κ+1))2/κ-1 …(13)
【0035】上記ETC指示部53では、圧力比算出部
60、第1,第2の補正係数算出部61,62、流量補
正係数算出部63で上記(11)式における各項を個々に計
算しておき、有効開口面積算出部64で最終的に乗除算
によってスロットルバルブ3の有効開口面積を上記(11)
式から逆算する。そして、ETC指示値設定部65で、
この有効開口面積を目標開口面積としてETC指示値S
aを設定する。
【0036】この場合、上記(11)式における流量係数C
は、運転領域によって変化するため、上記(11)式におけ
る流量係数Cを領域毎の流量補正係数KCで置き換え、
また、上記(11)式における空気通過面積A、(2・κ/
(κ−1)・Ra)1/2・(Pa/(Ta)1/2)・KPの項を、そ
れぞれ、スロットバルブ3の有効開口面積OA、補正係
数KFで置き換えて計算する。
【0037】以下、上記ETC指示部53におけるET
C指示値Saの設定処理について説明する。尚、本形態
では、大気圧Pa、大気温度Taを、それぞれ定数(P
a=1atm、Ta=298°K)として扱う。
【0038】まず、圧力比算出部60では、大気圧Pa
を定数(1atm)として扱い、マニホルド圧Pmと大
気圧Paとの比Pm/Paを算出し、圧力比RPとして
第1の補正係数算出部61及び流量補正係数算出部63
へ送る。
【0039】第1の補正係数算出部61では、圧力比R
Pの値に応じて上記(12)式あるいは上記(13)式の補正係
数KPを求め、第2の補正係数算出部62へ送る。この
補正係数KPは、比熱比κを用いた計算結果を予め圧力
比RPの1次元テーブルにストアしておき、テーブル参
照によって求める。この補正係数KPにより、第2の補
正係数算出部62では、予め定数K1として計算済みの
定数項(2・κ/(κ−1)・Ra)1/2・(Pa/(Ta)1/2)
と補正係数KPとの乗算により、補正係数KFを求め、
有効開口面積算出部64へ送る。
【0040】同時に、流量係数算出部63では、エンジ
ン回転数Neと圧力比RPとから2次元マップによって
領域毎の流量補正係数KCを求め、有効開口面積算出部
64へ送る。そして、流量補正係数算出部63からの流
量補正係数KCと第2の補正係数算出部62からの補正
係数KFを受けた有効開口面積算出部64では、先に燃
料・吸気・EGR設定部52で算出されたスロットル通
過空気流量Qaを、流量補正係数KCと補正係数KFと
の乗算値KC・KFで除算して有効開口面積OAを算出
する。
【0041】以上により、スロットルバルブ3の有効開
口面積OAが算出されると、ETC指示値設定部65で
は、この有効開口面積OAの1次元テーブルを参照し、
ETC指示値Saを設定する。
【0042】すなわち、ETC指示値Saを設定する
際、従来のように、スロットル通過空気流量Qaとマニ
ホルド圧Pmとによる2次元マップを使用することな
く、オリフィスの流量式における各要素を、運転状態に
よる変動要因を考慮して個々に計算し、有効開口面積O
Aの1次元テーブルからETC指示値Saを設定するた
め、スロットル通過空気流量Qaが低流量の領域やマニ
ホルド圧Pmが大気圧に近い領域においても、ETC指
示値Saを正確に設定することができ、制御精度の向上
とセッティングの容易化を図ることができる。
【0043】図4は本発明の実施の第2形態に係わり、
ETC指示部のブロック図である。本形態は、前述の第
1形態に対し、ETC指示部53においてスロットルバ
ルブ3の有効開口面積OAを算出する際に、大気圧Pa
を一定とせず、実際の大気圧計測値を用いるものであ
る。
【0044】このため、本形態では、図4に示すよう
に、圧力比算出部60A、第2の補正係数算出部62A
に大気圧センサ14によって計測した大気圧Paを入力
するようにしており、圧力比算出部60Aでは、実測に
よるマニホルド圧Pm及び大気圧Paの比Pm/Paを
算出し、圧力比RPとして第1の補正係数算出部61及
び流量補正係数算出部63へ送る。
【0045】また、第2の補正係数算出部62Aでは、
実測による大気圧Paと、予め定数K2として計算済み
の定数項(2・κ/(κ−1)・Ra)1/2・(Ta)1/2と、第
1の補正係数算出部61で算出した補正係数KPとを乗
算して補正係数KFを求め、有効開口面積算出部64へ
送る。
【0046】そして、前述の第1形態と同様、有効開口
面積算出部64で、スロットル通過空気流量設定値Qa
を各補正係数KC,KFの乗算値KC・KFで除算して
有効開口面積OAを算出し、ETC指示値設定部65
で、有効開口面積OAの1次元テーブルを参照してスロ
ットルアクチュエータ指示値Saを設定する。
【0047】本形態では、大気圧の実測値を用いてET
C指示値Saを設定するため、大気圧の変動によるET
C指示値Saのバラツキを防止することができ、より制
御性を向上することができる。
【0048】図5は本発明の実施の第3形態に係わり、
ETC指示部のブロック図である。本形態は、前述の第
2形態に対し、大気圧Paに加えて大気温度Taも実際
の計測値を用いるものであり、図5に示すように、第2
の補正係数算出部62Bに、大気圧センサ14によって
計測した大気圧Paと吸気温度センサ15によって計測
した大気温度Taとを入力する。
【0049】第2の補正係数算出部62Bでは、予め定
数K3として計算済みの定数項(2・κ/(κ−1)・Ra)
1/2と、大気圧の実測値Paを大気温度の実測値Taの1
/2乗で除算した値と、第1の補正係数算出部61で算出
した補正係数KPとを乗算して補正係数KFを求める。
これにより、大気圧及び大気温度の実測値を用いて有効
開口面積OAが算出され、ETC指示値Saが設定され
る。
【0050】本形態では、大気圧と大気温度の両方の実
測値を用いてETC指示値Saを設定するため、大気圧
の変動や大気温度の変動によるETC指示値Saのバラ
ツキを防止することができ、更に精密な制御が可能とな
る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
ロットルバルブ前後の差圧と空気通過面積と流量係数と
を基本とするオリフィスの流量式を用い、このオリフィ
スの流量式に、エンジンの目標トルクに対応した必要空
気量におけるスロットル通過空気流量目標値を適用して
スロットルバルブの目標開口面積を求め、この目標開口
面積からスロットルバルブに連設したアクチュエータの
操作指示値を設定してスロットル開度を制御するため、
運転領域による流量係数の変化や運転状態による変動要
因の影響を排除し、制御精度を確保することができる等
優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係わり、ETC指示
部のブロック図
【図2】同上、エンジン制御系の概略構成図
【図3】同上、燃料・吸気・EGR制御機能のブロック
【図4】本発明の実施の第2形態に係わり、ETC指示
部のブロック図
【図5】本発明の実施の第3形態に係わり、ETC指示
部のブロック図
【図6】従来のスロットル開度目標値設定マップを概念
的に示す説明図
【図7】流量係数の変化を示す説明図
【符号の説明】
1 …エンジン 3 …スロットルバルブ 20…スロットルアクチュエータ Qa…スロットル通過空気流量 KC,KP,KF…補正係数 OA…有効開口面積 Sa…スロットルアクチュエータ指示値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 崇 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのスロットルバルブに連設した
    アクチュエータを駆動してスロットル開度を制御し、エ
    ンジンの目標トルクに対応した必要空気量を得るエンジ
    ンの制御装置において、 上記必要空気流量におけるスロットル通過空気流量目標
    値を、上記スロットルバルブ前後の差圧と空気通過面積
    と流量係数とを基本とするオリフィスの流量式に適用
    し、上記スロットルバルブの目標開口面積を求める手段
    と、 上記スロットルバルブの目標開口面積から上記アクチュ
    エータの操作指示値を設定する手段とを備えたことを特
    徴とするエンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 上記流量係数を、吸気管圧力とエンジン
    回転数とに基づいて運転領域毎に求めることを特徴とす
    る請求項1記載のエンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 上記目標開口面積を、大気圧の計測値を
    用いて補正することを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のエンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】 上記目標開口面積を、大気温度の計測値
    を用いて補正することを特徴とする請求項1,2,3の
    いずれか一に記載のエンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】 上記目標開口面積を、上記オリフィスの
    流量式の各要素に対する運転状態の変動要因を個別に考
    慮して算出することを特徴とする請求項1記載のエンジ
    ンの制御装置。
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