JP5462390B1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】推定された大気圧、目標吸入空気流量、吸気圧および吸気温を絞り式流量計の流量算出式に適用して、スロットル開度制御手段の目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、予め適合されたスロットル開度制御手段の有効開口面積とスロットル開度との対応マップを用いて、目標有効開口面積から目標スロットル開度を算出する目標開度算出手段と、実吸入空気流量が目標吸入空気流量と一致するように、推定大気圧を更新する推定大気圧更新手段とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
しかしながら、目標吸入空気流量を達成するスロットル開度をオリフィスの流量式に適用して算出するためには、大気圧や吸気圧、吸気温といったデータが必要であり、これらのデータを取得する各種のセンサを取り付ける必要がある。ただし、各種センサを取り付けることによってコストが高くなるため、各種センサの内、大気圧センサを用いずに大気圧を推定する方法が提案されている。
t1において、吸入空気流量とAFS補正推定スロットル弁通過空気流量に差が生じていることより、大気圧推定を更新する。大気圧推定が更新されることで、上述したように吸入空気流量が変化し、AFS補正推定スロットル弁通過空気流量も変化することとなる。
この吸入空気流量とAFS補正推定スロットル弁通過空気流量が安定するまでは、過渡変化時であり、大気圧を誤推定しやすいため、吸入空気流量とAFS補正推定スロットル弁通過空気流量が安定するまでの時間を十分に設定する必要があり、この間、大気圧推定の更新を停止することとなる。
t2において、吸入空気流量とAFS補正推定スロットル弁通過空気流量が安定したと判断し、吸入空気流量とAFS補正推定スロットル弁通過空気流量に差が生じていることより大気圧推定を更新する。このt1からt2の間は大気圧推定の更新を停止した状態となる。上記t1からt2と同様に、t4でAFS補正推定スロットル弁通過空気流量が吸入空気流量と一致するまで大気圧推定を更新することとなり、収束するまでに時間がかかってしまう課題があった。
t1において、吸入空気流量とAFS補正推定スロットル弁通過空気流量に差が生じていることより、大気圧推定を更新する。大気圧推定が更新されることで、吸入空気流量とAFS補正推定スロットル弁通過空気流量が変化することとなる。
t2において、推定大気圧の更新周期が短いと吸入空気流量とAFS補正推定スロットル弁通過空気流量が安定する前に推定大気圧を更新することとなる。
t3において、推定大気圧は実大気圧と合致するが、吸入空気流量とAFS補正推定スロットル弁通過空気流量が安定していないため、差が生じた状態となり、推定大気圧を更新することとなる。このため、推定大気圧はオーバーシュートすることとなる。
t5においても、t4と同様に推定大気圧を低下するように更新し、AFS補正推定スロットル弁通過空気流量が低下するように変化する。
t6において、推定大気圧は実大気圧相当に近づくが、AFS補正推定スロットル弁通過空気流量の応答が遅いために、吸入空気流量と差が生じ、推定大気圧を更新することとなる。
内燃機関の制御パラメータの算出に適用する大気圧を推定する大気圧推定手段を備える内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記内燃機関の運転状態に基づいて目標吸入空気流量を算出する目標吸入空気流量算出手段と、
内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルと、
前記スロットルのスロットル開度を制御することにより前記吸気通路の有効開口面積を変化させて、前記内燃機関への吸気量を可変制御するスロットル開度制御手段と、
前記内燃機関への実吸入空気流量を検出する実吸入空気流量検出手段と、
前記スロットルの前記内燃機関側の圧力を吸気圧として検出する吸気圧検出手段と、
前記スロットルの大気側の吸気温を検出する吸気温検出手段とを含み、
前記大気圧推定手段は、
推定された大気圧、前記目標吸入空気流量、前記吸気圧および前記吸気温を、絞り式流量計の流量算出式に適用して、前記スロットル開度制御手段の目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、
予め適合された前記スロットル開度制御手段の有効開口面積とスロットル開度との対応マップを用いて、前記目標有効開口面積から目標スロットル開度を算出する目標開度算出手段と、
前記実吸入空気流量が前記目標吸入空気流量と一致するように、推定大気圧を更新する推定大気圧更新手段とを備え、
前記目標開度算出手段は、前記推定大気圧更新手段により更新された推定大気圧を用いて前記目標スロットル開度を算出し、前記目標スロットル開度に前記スロットル開度を制御するように構成したものである。
以下、この発明を実施例である図に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置を適用した車両の要部構成を示す概略図である。
また、AFS4の下流側には、アクセルペダルに設けられたアクセル開度センサ6の示す開度に応じて任意の開度調整を可能としたスロットル7が設けられており、このスロットル7には、スロットル開度位置を検出するためのスロットル開度センサ8が設けられている。
また、同時にインジェクタ13や点火コイル14を含む各種アクチュエータを制御する指示値も算出し、出力している。
さらに、ECU12では、後述するように大気圧を推定する大気圧推定処理を実行し、得られた推定大気圧により目標有効開口面積の補正を行わせる。
図において、ECU12は、入力インタフェース(以下、「入力I/F」と称す)12aと、演算処理部12bと、出力インタフェース(以下、「出力I/F」と称す)12cとを備え、入力I/F12aには、AFS4、吸気温センサ5、アクセル開度センサ6、スロットル開度センサ8、圧力センサ10および図示しない他のセンサを含む各種センサ
30が接続されている。
続いて、演算処理部12bは、エンジンの運転状態からドライバが必要としているトルク(ドライバ要求トルク)と、エンジンが動作することによる負荷トルク(ロストルク)と、アイドル時にエンジン回転を目標エンジン回転となるように調整したトルク(ISCトルク)の合計から目標トルクを算出し、この目標トルクから目標吸入空気流量に変換を行い、目標吸入空気流量を達成するための目標有効開口面積を算出するとともに、目標有効開口面積を達成するための目標スロットル開度を算出する。
さらに、演算処理部12bは、各種の制御指令値を算出し、出力I/F12cを介してスロットル7、インジェクタ13および点火コイル14を含む各種アクチュエータ40に出力する。これによりスロットル7は、スロットル開度が目標スロットル開度と一致するように制御される。
図において、ドライバ要求トルク算出手段50は、各種センサ30から入力される運転状態により、ドライバが必要としているトルクを算出する。
ロストルク算出手段51は、各種センサ30から入力される運転状態により、エンジンの吸気および排気により発生するポンピング負荷と、エンジンが動作することにより発生する摩擦に伴う摩擦抵抗をフリクション負荷として求め、このポンピング負荷とフリクション負荷の合計をロストルクとして算出する。
目標吸入吸気量算出手段は、充填効率変換手段53により出力された充填効率から目標トルクを達成するための目標吸入空気流量Qa*を算出し、目標有効開口面積算出手段15と推定大気圧更新手段16に出力する。
圧力比算出手段17は、圧力センサ10から入力された吸気圧Peと大気圧Poとの圧力比Pe/Poを算出する除算器からなり、圧力比Pe/Poの算出値を無次元流量算出手段18に入力する。
無次元流量算出手段18は、圧力比Pe/Poに基づき、無次元流量σを算出して目標有効開口面積算出手段15に入力する。
音速算出手段20は、吸気温センサ5から検出した吸気温Toに基づき、大気中の音速a0を算出して目標有効開口面積算出手段15に入力する。
目標開度算出手段19は、予め適合された有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの対応マップ(後述する「CAt−TPマップ」)を用いて、目標有効開口面積CAt*に対応した目標開度TP*を算出し、スロットル7の開度を制御することになる。
一般に、絞り式流量計の体積流量算出式は、吸入空気流量Qa(体積流量)と、大気中の音速a0と、流量係数Cと、スロットル7の開口面積Atと、吸気圧Peと、大気圧Poと、比熱比kとを用いて、以下の式(1)で表される。
そこで、ECU12内での演算負荷を抑えるために、音速算出手段20は、予め大気中の音速a0の理論値を算出して、吸気温Toに対するマップデータとして記憶しておき、目標有効開口面積算出手段15での演算処理前に吸気温Toを用いて大気中の音速a0を算出している。
そこで、ECU12内での演算負荷を抑えるために、無次元流量算出手段18は、予め無次元流量σの理論値を算出し、図4に示すように吸気圧Peと大気圧Poとの圧力比に対するマップデータとして記憶しておき、目標有効開口面積算出手段15での演算処理前に、圧力比算出手段17で算出された吸気圧Peと大気圧Poとの圧力比Pe/Poから図4を用いて無次元流量σを算出している。
そこで、吸気圧Peと大気圧Poの圧力比が所定値以下の場合、圧力比算出手段17において吸気圧Peと大気圧Poの圧力比を所定値とすることで、チョークが起きた場合にも対応できる。
なお、圧力比算出手段17において吸気圧Peと大気圧Poの圧力比を所定値とする代わりに、無次元流量算出手段18において、吸気圧Peと大気圧Poの圧力比で表される無次元流量σのマップ値を、吸気圧Peと大気圧Poの圧力比が所定値以下の部分は、所定値の場合と同値としてもよい。
なお、圧力比算出手段17において、吸気圧Peと大気圧Poの圧力比を所定値とする代わりに、無次元流量算出手段18において、吸気圧Peと大気圧Poの圧力比で表される無次元流量σのマップ値を、吸気圧Peと大気圧Poの圧力比が所定値以上の部分は所定値の場合と同値としてもよい。
これにより、スロットル開度TPと有効開口面積CAtとの2次元マップを容易に作成することができ、大幅なセッティング工数の削減を実現することができる。
出力された大気圧Poによりスロットル7を制御することで、実吸入空気流量Qaが目標吸入空気流量Qa*と一致し、推定大気圧GPoは大気圧Poと一致する。
まず、ステップS1では、推定大気圧更新手段16において、大気圧推定が完了しているか判定し、Yesの場合は、大気圧推定フローを終了する。Noの場合は、ステップS2に進む。
ここで、所定値Aについては、実験に基づいて設定する必要があり、各運転状態での定常状態から目標吸入空気流量Qa*の偏差を求め、この偏差を下回らない値に設定する。下回る設定とした場合、常時推定大気圧が実施されない状態となり、逆に偏差に対し大きく設定した場合に、エンジンが過渡運転中でも推定大気圧が実施されることとなり、誤推定することとなる。
ステップS4では、圧力比算出手段17で算出した圧力比(Pe/Po)が所定値B(空気の場合、約0.528)以下の場合は、上述したように、スロットルを通る空気の流量が飽和(所謂チョーク)する領域であることより、大気圧を誤推定しやすい領域となるため、Yesに進み大気圧推定の開始ステップS1に戻る。また、圧力比(Pe/Po)が所定値Bより大きい場合は、NoとなりステップS5に進む。
ステップS6では、ステップS3で求めた圧力比(Pe/Po)から無次元流量算出手段18により無次元流量σを算出し、ステップS7に進む。
ステップS8では、ステップS6とステップS7で算出した無次元流量σと音速a0とに基づき、目標有効開口面積算出手段15において目標有効開口面積CAt*を算出し、目標開度算出手段19においてスロットル目標開度TP*を算出し、スロットル7を動作させる。
ステップS10では、実吸入空気流量Qaの平均化が完了しているか判定し、平均化が完了している場合(Yes)は、ステップS11に進む。Noの場合は、大気圧推定の開始ステップS1に戻る。
ここで、所定値Dについては、上述した所定値Aと同様に、実験に基づいて設定する必要があり、各運転状態での定常状態から実吸入空気流量Qaの偏差を求め、この偏差を下回らない値に設定する。下回る設定とした場合、常時推定大気圧が実施されない状態となり、逆に偏差に対し大きく設定した場合に、エンジンが過渡運転中でも推定大気圧が実施されることとなり、誤推定することとなる。
合は、平均実吸入空気流量Qaveが目標吸入空気流量Qa*より大きいと判断し、ステップS14に進む。
ステップS12で除算した値が所定値Eよりも大きい場合は、Yesとなり、ステップS13に進む。ステップS13では、ステップS12において平均実吸入空気流量Qaveが目標吸入空気流量Qa*よりも小さいため、目標吸入空気流量Qa*に平均実吸入空気流量Qaveが一致するように、大気圧を下記式(7)に従い更新する。
ステップS14で除算した値が所定値Gより小さい場合(Yes)は、ステップS15に進む。
ステップS15では、ステップS14において平均実吸入空気流量Qaveが目標吸入空気流量Qa*よりも大きいため、目標吸入空気流量Qa*に平均実吸入空気流量Qaveが一致するように、大気圧を下記式(8)に従い更新する。
ステップS16では、大気圧推定手段70における大気圧推定が完了したとして大気圧推定フローを終了する。すなわち、ステップS13およびステップS15で更新された推定大気圧データを用いてステップS8においてスロットル目標開度TP*を算出し、スロットル7を制御させることになる。
t4において、目標吸入空気流量Qa*を平均実吸入空気流量Qaveで除算した値が所定範囲内(所定値G≦目標吸入空気流量Qa*/平均実吸入空気流量Qave≦所定値E)となると、目標吸入空気流量Qa*と実吸入空気流量Qaが一致し、推定大気圧が実大気圧と一致することになる。
が一致するように大気圧推定を行わせることができ、大気圧の推定を早期にかつ精度良く行わせることができる。
さらに、実吸入空気流量検出手段により検出された実吸入空気流量の変化量を算出し、算出した変化量が所定値以上であるときは、推定大気圧の更新を停止することにより、実標吸入空気流量の変動が大きくなることによる大気圧の誤推定を抑制できる。
4:エアフロセンサ(AFS)、5:吸気温センサ、6:アクセル開度センサ、
7:スロットル、 8:スロットル開度センサ、
9:サージタンク、 10:圧力センサ、 11:回転速度センサ、
12:電子制御装置(ECU)、13:インジェクタ、14:点火コイル、
15:目標有効開口面積算出手段、 16:推定大気圧更新手段、
17:圧力比算出手段、18:無次元流量算出手段、19:目標開度算出手段、
20:音速算出手段、 30:各種センサ、 40:各種アクチュエータ、
50:ドライバ要求トルク算出手段、 51:ロストルク算出手段、
52:ISCトルク算出手段、 53:充填効率変換手段、
60:目標吸入空気流量算出手段、 70:大気圧推定手段、
80:スロットル開度制御手段
Claims (4)
- 内燃機関の制御パラメータの算出に適用する大気圧を推定する大気圧推定手段を備える内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記内燃機関の運転状態に基づいて目標吸入空気流量を算出する目標吸入空気流量算出手段と、
前記内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルと、
前記スロットルのスロットル開度を制御することにより前記吸気通路の有効開口面積を変化させて、前記内燃機関への吸気量を可変制御するスロットル開度制御手段と、
前記内燃機関への実吸入空気流量を検出する実吸入空気流量検出手段と、
前記スロットルの前記内燃機関側の圧力を吸気圧として検出する吸気圧検出手段と、
前記スロットルの大気側の吸気温を検出する吸気温検出手段とを含み、
前記大気圧推定手段は、
推定された大気圧、前記目標吸入空気流量、前記吸気圧および前記吸気温を、絞り式流量計の流量算出式に適用して、前記スロットル開度制御手段の目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、
予め適合された前記スロットル開度制御手段の有効開口面積とスロットル開度との対応マップを用いて、前記目標有効開口面積から目標スロットル開度を算出する目標開度算出手段と、
前記実吸入空気流量が前記目標吸入空気流量と一致するように、推定大気圧を更新する推定大気圧更新手段とを備え、
前記目標開度算出手段は、前記推定大気圧更新手段により更新された推定大気圧を用いて前記目標スロットル開度を算出し、前記目標スロットル開度に前記スロットル開度を制御することを特徴とした内燃機関の制御装置。 - 前記大気圧推定手段は、
前記推定大気圧更新手段において、前記目標吸入空気流量算出手段により算出された目標吸入空気流量の変化量を算出し、算出した変化量が所定値以上で、かつ所定値以上の状態が所定時間以内の場合には、推定大気圧の更新を停止することを特徴とした請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記大気圧推定手段は、
前記推定大気圧更新手段において、前記実吸入空気流量検出手段により検出された実吸入空気流量の変化量を算出し、算出した変化量が所定値以上であるときは、推定大気圧の更新を停止することを特徴とした請求項1または請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記大気圧推定手段は、
前記吸気圧と前記推定大気圧から圧力比を求める圧力比算出手段を備え、
前記圧力比算出手段により算出された圧力比が所定範囲以外であるときは、推定大気圧の更新を停止することを特徴とした請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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