JP2010048125A - 内燃機関のセンサ故障判定装置 - Google Patents

内燃機関のセンサ故障判定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010048125A
JP2010048125A JP2008211546A JP2008211546A JP2010048125A JP 2010048125 A JP2010048125 A JP 2010048125A JP 2008211546 A JP2008211546 A JP 2008211546A JP 2008211546 A JP2008211546 A JP 2008211546A JP 2010048125 A JP2010048125 A JP 2010048125A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake pipe
pipe pressure
sensor
amount
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008211546A
Other languages
English (en)
Inventor
Tei Someno
禎 染野
Mamoru Nemoto
守 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2008211546A priority Critical patent/JP2010048125A/ja
Publication of JP2010048125A publication Critical patent/JP2010048125A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】過渡を含めた運転状態においても、精度良く吸入空気量センサおよび大気圧センサの故障を判定でき、エミッションモード走行においても確実に故障を判定することができる判定装置を提供する。
【解決手段】吸入空気量センサと、吸入空気量から燃料噴射量を演算する手段と、排気ガスの空燃比に基づいて空燃比補正量を演算する手段と、アクセル弁開度、エンジン回転数、吸気温度及び大気圧をそれぞれ検出する各センサと、アクセル弁開度及びエンジン回転数から、基準吸気管圧力を求める手段と、基準吸気管圧力となるように基準吸気管圧力と吸気温度とエンジン回転数とからスロットル弁開度を制御する手段と、吸入空気量から推定吸気管圧力を求める手段と、基準吸気管圧力と推定吸気管圧力とを比較して吸入空気量センサの故障を判定する手段とを備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、センサの故障判定装置に係り、特に内燃機関の燃料噴射量を演算する手段として用いられている吸入空気量センサと大気圧センサの故障を判定する内燃機関のセンサ故障判定装置に関する。
吸入空気量センサの故障を判定する手段を有するものとしては、例えば、特許文献1に記載されているように、吸入空気量を推定する空気量推定手段と、排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、エアフローメータによる検出吸入空気量と空気量推定手段による推定吸入空気量との関係、及び、空燃比に基づいて、エアフローメータの異常を検出する診断装置がある。
一方、空気の質量流量を検出して、吸気管内の圧力を推定する吸気管圧力推定と、エンジンの流入空気量を検出する手段がある(例えば、特許文献2参照)。
また、近年排気ガスエミッションの規制強化と合せて、年々厳しくなる故障診断要求によっては、北米の排気ガスエミッションモード走行に用いるFTPモードをはじめとする、各国のエミッションモード走行内で必ず故障を判定することが望ましく、当該モード走行内でも精度良く吸入空気量センサや大気圧センサの故障を判定することが望ましい。また、実吸気管圧力を計測できるセンサが装着されている場合には、吸気管圧力から吸入空気量を推定したり、実大気圧を計測することも可能であるが、吸入空気量を直接計測するような構成では、加給器付きの内燃機関を除いて、吸気管圧力センサは装着されないケースが多いため、他の手段により吸入空気量センサおよび大気圧センサの故障を判定する必要がある。
特開2006−257939号公報 特許第2908924号公報
しかしながら、従来の故障診断装置においては、推定吸入空気量と検出吸入空気量との比較により故障を判定する際に、エンジンの安定した運転状態、すなわち各種パラメータの偏差(変動)が所定値内であるか判定されることによって、安定した運転状態になるまで待機状態としているために、故障の判定そのものが、定常的な状態での運転に限定されている。
したがって、一般道などの比較的定常的な運転をし易い状態では故障を判定できるが、特に北米の排気ガスエミッションモード走行などで、定常的に走行できる運転領域が5secに満たないような走行条件では、故障を確定するための時間が短く、故障の判定ができない。または故障を確定する時間を短くしようとすると、過渡を含んだ誤差の大きい領域を含めることになり、誤判定する可能性がある。
本発明の目的は、過渡を含めた運転状態においても、精度良く吸入空気量センサおよび大気圧センサの故障を判定でき、エミッションモード走行においても確実に故障を判定することができる判定装置を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係るセンサ故障判定装置は、エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量センサと、前記吸入空気量から燃料噴射量を演算する手段と、排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段からの検出地に基づいて空燃比補正量を演算する手段と、アクセル弁開度、エンジン回転数、吸気温度及び大気圧をそれぞれ検出する各センサとを備え、前記吸入空気量センサの故障を検出する内燃機関のセンサ故障判定装置において、前記アクセル弁開度及び前記エンジン回転数から、基準吸気管圧力を求める手段と、前記基準吸気管圧力となるように、前記基準吸気管圧力と前記吸気温度と前記エンジン回転数とからスロットル弁開度を制御する手段と、前記吸入空気量から、推定吸気管圧力を求める手段と、前記基準吸気管圧力と前記推定吸気管圧力とを比較して、前記吸入空気量センサの故障を判定する手段とを備えるものである。
特に、上記のセンサ故障装置では、吸入空気量センサの故障を判定する際に、アクセル弁開度、エンジン回転数を検出するセンサから求める基準吸気管圧力と、吸入空気量を検出するセンサから求める推定吸気管圧力とを比較する構成としてもよい。これにより、過渡を含めた運転状態においても、精度良く吸入空気量センサの故障を判定することができ、エミッションモード走行などで、定常状態が短い場合においても確実に故障を判定することができる。
また、本発明に係る別のセンサ故障判定装置は、エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量センサと、前記吸入空気量から燃料噴射量を演算する手段と、排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段からの検出値に基づいて空燃比補正量を演算する手段と、アクセル弁開度、エンジン回転数、吸気温度及び大気圧をそれぞれ検出する各センサとを備え、前記大気圧センサの故障を検出する内燃機関のセンサ故障判定装置において、前記アクセル弁開度及び前記エンジン回転数から、基準吸気管圧力を求める手段と、前記基準吸気管圧力、前記吸気温度及び前記大気圧から目標吸気管圧力求める手段と、前記基準吸気管圧力となるように、目標吸気管圧力からスロットル弁開度を制御する手段と、前記吸入空気量から推定吸気管圧力を求める手段と、前記目標吸気管圧力と推定吸気管圧力とを比較して、前記大気圧センサの故障を判定する手段とを備えるものである。
特に、上記のセンサ故障判定装置では、大気圧センサの故障を判定する際に、前記基準吸気管圧力と吸気温度および大気圧を検出するセンサから求める目標吸気管圧力と、吸入空気量を検出するセンサから求める推定吸気管圧力との比率から、推定大気圧と、検出される大気圧との偏差量を演算する構成としてもよい。これにより、過渡を含めた運転状態においても、精度良く大気圧センサの故障を判定することができ、エミッションモード走行などで、定常状態が短い場合においても確実に故障を判定することができる。
また、本発明のセンサ故障判定装置は、前記目標吸気管圧力を求める手段には、可変吸気、または可変排気バルブ制御量、またはEGR制御量に基づく、充填効率補正項を備えると共に、可変バルブ装置またはEGR装置が故障と判定されている時には、診断を禁止する手段を有してもよい。これにより、前記各装置が故障した際の、実吸気管圧力の故障の誤判定を防止することができる。
本発明によれば、過渡を含めた運転状態においても、精度良く吸入空気量センサおよび大気圧センサの故障を判定でき、エミッションモード走行などで、定常状態が短い場合においても確実に故障を判定することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のセンサ故障判定装置が適用される筒内噴射内燃機関の制御システムを示す全体構成図であり、図2は、図1のコントロールユニットの内部構成図である。
まず、図1に基づいて、筒内噴射内燃機関の制御システムの構成を、筒内噴射内燃機関107に導入される吸入空気の流れに沿って説明する。図1に示すように、吸入空気は、エアクリーナ102の入口部102aから取り入れられ、吸気流量を制御するためのスロットル弁開度を制御する電制スロットル弁105aが収容されたスロットルボディ105を通ってコレクタ106に入る。電制スロットル弁105aの上流には、吸気管吸入空気量センサ(以下、「吸入空気量センサ」と称する)103が配設されている。吸入空気量センサ103で検出される質量流量(g/minまたはkg/h)を示す信号は内燃機関制御装置であるコントロールユニット115に入力される。スロットルボディ105には、電制スロットル弁105aの開度を検出するスロットルセンサ104が取り付けられており、その信号もコントロールユニット115に入力される。
コレクタ106に吸入された空気は、内燃機関107の各シリンダ107bに接続された各吸気管101に分配された後、シリンダ107bの燃焼室107cに導かれる。
他方、ガソリン等の燃料は、燃料タンク108から燃料ポンプ109により加圧されて燃料圧力レギュレータ110により一定の圧力に調圧されるとともに、各シリンダ107bに設けられているインジェクタ112から燃焼室107cに噴射される。燃焼室107cに噴射された燃料は、点火コイル111で高電圧化された点火信号により点火プラグ114で着火される。
内燃機関107の運転状態を検出するための手段として、シリンダ107bの近傍には内燃機関の冷却水(クーラント)温度を検出するためのエンジン水温センサ123が取り付けられ、エアクリーナ102の近傍には、吸入空気の温度を検出するための吸気温度センサ124が取り付けられ、コントロールユニット115内には、大気圧を検出するための大気圧センサ121が取り付けられている。また、コントロールユニット115には、アクセルセンサ130からアクセル弁開度(アクセルペダルの踏込量)が入力される。
内燃機関107の排気弁100aのカムシャフト100には、カムシャフト100の位相を検出するカム角センサ116が取り付けられ、その出力信号はコントロールユニット115に入力される。なお、カム角センサ100は吸気弁122aのカムシャフト122に取り付けてもよい。内燃機関107のクランクシャフト117aの軸上には、クランクシャフト117aの回転すなわちエンジン回転数と位相を検出するためのクランク角センサ117が設けられ、その出力信号はコントロールユニット115に入力される。
排気管119中の触媒120の上流に設けられた空燃比センサ118は、排気ガスを検出し、その検出信号がコントロールユニット115に入力される。
図2に示すように、コントロールユニット115の主要部は、MPU203、EP−ROM202、RAM204、A/D変換器(図示せず)及びMPU203と上記の各センサやインジェクタ等の駆動部との信号の入出力を行うI/O LSI201等で構成される。コントロールユニット115は、内燃機関の運転状態を計測(検出)する手段である吸入空気量センサ103及びクランク角センサ117を含む各種のセンサ等からの信号を入力として取り込み、A/D変換またはパルス数から、コントロールユニット115内のプログラムによって物理量に換算し、所定の演算処理を実行して、この演算結果から各種の制御信号を出力する。例えば、各インジェクタ112に出力される燃料噴射量は、吸入空気量センサ103の入力から計測される質量流量と、クランク角センサ117から計測されるエンジン回転数とから、基本燃料噴射量が演算され、この基本燃料噴射量にエンジン水温センサ123から検出される水温等を含む各補正項目が付加されて演算される。さらに、空燃比センサ118によって検出される空燃比状態に応じて、制御空燃比が理論空燃比となるように空燃比補正量が演算され、燃料噴射量に付加されて、最終的にはインジェクタ112に駆動パルス幅として出力されることにより、燃料供給量制御が実行される。
図3は、本実施形態のセンサ故障判定装置を示す構成図である。図3に示すように、センサ故障判定装置は、基準吸気管圧力を求める基準吸気管圧力演算手段310と、目標吸気管圧力を求める目標吸気管圧力演算手段320と、推定吸気管圧力を求める推定吸気管圧力演算手段330と、これら演算手段の結果から吸入空気量センサ103及び大気圧センサ121の故障を判定する故障判定手段350とを備える。
基準吸気管圧力演算手段310は、アクセルセンサ130から検出されるアクセル弁開度とクランク角センサ117から検出されるエンジン回転数とから基準吸気管圧力を演算し、その演算結果を目標吸気圧演算手段320及び故障判定手段350に出力する。
目標吸気管圧力演算手段320は、基準吸気管圧力と、空気密度補正手段301から入力される空気密度補正項と、充電効率補正手段300から入力される充電効率補正項とから目標吸気管圧力を求める。空気密度補正手段301は、大気圧センサ121から検出される大気圧と、吸気温度センサ123から検出される吸気温度とから空気密度補正項を求める。充填効率補正手段300は、EGR制御量及び可変吸気弁角度から充填効率補正項を求める。目標吸気管圧力演算手段の演算結果は、故障判定手段350とスロットル弁開度制御手段600とに出力される。スロットル弁開度制御手段600は、目標吸気管圧力に基づいて、吸気管内の圧力が基準吸気管圧力となるように、スロットル弁105aの開度を制御する。
推定吸気管圧力演算手段330は、吸気温度と、エンジン回転数と、吸入空気量センサ103で検出された吸入空気量(検出値)と、気筒流入空気量演算手段340から入力される気筒流入空気量とから推定吸気管圧力を演算する。気筒流入空気量演算手段340は、吸気温度とエンジン回転数と、推定吸気管圧力演算手段330からフィードバックされる推定吸気管圧力とから気筒流入空気量を演算し、その演算結果を推定吸気管圧及び基本燃料噴射演算手段400に出力する。基本燃料噴射量演算手段400は、気筒流入空気量演算手段400から入力される気筒流入空気量に基づいて基本燃料噴射量を演算する。空燃比補正量演算手段500は、空燃比検出手段(空燃比センサ)118で検出される空燃費から空燃比補正量を演算し、その演算結果を燃料噴射量演算手段410及び故障判定手段350に出力する。燃料噴射量演算手段410は、基本燃料噴射量と空燃比補正量とに基づいて燃料噴射量を演算する。
次に、故障判定に用いるパラメータについて、図4を用いて説明する。図4は、図3のセンサ故障判定装置の構成において、基準吸気管圧力演算及び目標吸気管圧力演算に関するパラメータを説明するためのブロック図である。
図4に示すように、基準吸気管圧力演算手段310では、アクセルセンサ130及びクランク角センサ117から検出される情報(エンジン回転数Ne,アクセル弁開度APO)とから基準吸気管圧力PMCALが求められる。具体的には、まず、予めROM202内に設定されている内燃機関の最大トルク特性(図中、305)により、アクセル弁開度を最大トルクに対する要求充填率(%)に換算する(図中充填率演算部305)。自然吸気内燃機関においては、低地(高度0m:大気圧(MAXTPM)=101.3kPa)では充填率100%が101.3kPa相当になる。基準吸気管圧力演算手段310において、充填率を吸気管絶対圧力相当に換算したものが基準吸気管圧力PMCAL(kPa)であり、低地で要求されるトルクを吸気管圧力の単位へパラメータ変換したものである。
他方、運転者のアクセル弁開度に応じて、低地におけるトルクと同等のトルクを高地において出力しようとする場合、空気密度の低下及び排圧の影響によるトルク減少分を考慮して、スロットル弁を開いて吸入空気量を増加し、低地の場合と同じトルクになるように制御する必要がある。このトルク減少分を充填率の補正分として、空気密度補正手段310では、吸気温度(Ta)と大気圧(PATM)から空気密度補正(KAIR)を求める。目標吸気管圧力演算手段320では、基準吸気管圧力(PMCAL)に空気密度補正(KAIR)を掛け算補正し、高地におけるトルク減少分が補正された目標吸気管圧力(RQPM)を演算する。
目標TVO算出手段550において、目標吸気管圧力(RQPM)から目標スロットル弁開度(TVO)が算出される。吸気管101の圧力が目標吸気管圧力となるようにスロットル弁開度制御手段600によって、電制スロットル弁105が目標スロットル弁開度となるように操作され、高地でも低地における要求と同等のトルクを実現するようにしている。すなわち、コントロールユニット115は、高地においても基準吸気管圧力と等しくなるように吸入空気量を増加するように制御する。
また、図示されていないEGR(Exhaust Gas Recirculation)制御装置あるいは可変吸排気バルブ機構が搭載されている内燃機関では、EGR制御量あるいは可変吸排気バルブの進角値量によるトルクの増減分を補正する充填効率補正手段300により充填効率補正(KVT)が演算され、目標吸気管圧力(RQPM)は、基準吸気管圧力(PMCAL)に空気密度補正(KAIR)及び充填効率補正(KVT)が掛け算補正されて求められる。
図7は所定回転数2000r/minの時のスロットル弁開度と吸気管圧力との関係を示したもので、低地(大気圧=101.3kPa)相当時の関係を実線で示している。点線、破線、一点鎖線は、それぞれ高度が1600m、2400m、3000mでの関係を示している。図7に示すように、同一回転数、同一スロットル弁開度においても、高度が上昇すると吸気管圧力は減少する傾向を示す。本実施形態では、要求トルクを充填率から吸気管絶対圧力相当に換算しているので、吸気管絶対圧=トルクと考えてよい。例えば、低地0mでの運転者のアクセル弁開度=スロットル弁開度と考えると、スロットル弁開度の要求値が600mVの時は、基準吸気管圧力=71kPaとなる。これと同じトルクを高地2400mで出力しようとする場合、スロットル弁開度は1300mV必要であり、低地相当の吸気管圧力に換算すると、92kPaが必要となるため、目標吸気管圧力(PQPM)=92kPa、空気密度補正(KAIR)=92/71≒1.29となる。以上のような関係をROM予め設定しておけば、基準吸気管圧力(PMCAL)に対する、目標吸気管圧力(RQPM)が求められ、これに応じて空気量が増加され、低地と同等のトルクを出力するようになる。
図5及び図6を用いて、推定吸気管圧力を求める手段について説明する。図5(a)〜図5(c)は、エンジン回転数1800r/min、23kPaから73kPaまで0.3s間でスロットル弁を操作した時の、吸入空気量と実吸気管圧力、推定吸気管圧力との関係を示したものである。通常、気筒内に流入する質量流量を計測するためにスロットル弁105の上流に吸入空気量センサ103を設けており、図5(b)に示すような加速相当の過渡時においては、吸気管101のマニホールドチャージのために、検出空気流量は、図5(a)に示すように、オーバーシュートして過大な値を示す。実際に気筒内に流入する質量空気流量と検出空気流量とは、一致しなくなるため、気筒流入空気量を正確に把握できなくなる。これを防ぐ手段として、圧力勾配係数(KIN)検出空気量とから推定吸気管圧力を演算し、その推定吸気管圧力に基づき、気筒流入空気量を演算する手段を用いている(この演算方法は特許文献2に記載されている)。
具体的には、図6に示すように、まず、圧力勾配係数演算部325において、吸気温度とエンジン回転数とから、圧力勾配係数KINを求める。推定吸気管圧力演算手段330では、圧力勾配係数(KIN)と、吸入空気量センサ103で検出された吸入空気量(Qa)と直前に演算される気筒流入空気量との差分式(ブロック330内参照)により、推定吸気管圧力(PMMHG)を演算する。また、気筒流入空気量演算手段340では、推定吸気管圧力PMMHGと、吸気温度Taと、エンジン回転数Neとから、所定の計算式(例えば、ブロック340内参照、式中、kは係数)により、気筒流入空気量QCを演算する。
図5(b)のグラフによれば、推定吸気管圧力演算手段330で求められる推定吸気管圧力と実吸気管圧力の特性は、過渡においても、ほぼ一致していることが判る。したがって、基準吸気管圧力と、推定吸気管圧力とは一致することになり、過渡においても、両者の偏差は小さいと言える。
図8は、低地および高地における、実吸気管圧力と推定吸気管圧力PMMHGとの関係を示す図である。低地0m、高地1600m、2400m、3000mの場合の各点の演算結果を示している。低地0mにおいては、実吸気管圧力と推定吸気管圧力とは、ほぼ比例直線の関係にある。一方、高地の場合は、大気圧が下がるため、吸気管圧力の最大値が大気圧以上にはならないことは明白であり、また、実吸気管圧力と、推定吸気管圧力をの関係は、低地と同様の直線関係に保たれていることが判る。
ただし、この場合に、吸気管圧力パラメータであるため推定吸気管圧力の絶対値が、検出される大気圧よりも小さい場合に判定する必要がある。
以上から、高地すなわち大気圧によらず、実吸気管圧力と推定吸気管圧力とには相関があり、一方、高地においても基準吸気管圧力と等しくなるように吸入空気量を増加するように構成されているので、吸入空気量センサの故障を判定する場合に、基準吸気管圧力と、推定吸気管圧力とを比較すれば、過渡においても、精度良く故障を判定できると言える。
具体的には、図8に示すように、吸入空気量センサの流量を、基準値より増加、減少させた特性の場合、流量増加側特性品では、グラフ(a)のように、実吸気管圧力に対して推定吸気管圧力(PMMHG)が大きくなる特性を示し、流量減少側特性品では、グラフ(b)に示すように、実吸気管圧力に対して推定吸気管圧力が小さくなる特性を示す。
図9は、故障判定手段の構成を示すブロック図である。図9に示すように、故障判定手段350は、空気量センサの故障判定を行う系と大気圧センサの故障判定を行う系とで構成されている。空気量センサの故障判定を行う系は、基準吸気管圧力(PMMHG)と推定吸気管圧力(PMCAL)との比(AFMRTE)を演算するパラメータ比率演算部(パラメータ演算部)360と、そのパラメータ比AFMRTEに基づいて空気量センサの故障を判定する空気量センサ故障判定部とで構成される。他方、大気圧センサの故障判定を行う系は、目標吸気管圧力(RQPM)と推定吸気管圧力(PMMHG)との比(ATMRTE)を演算するパラメータ比率演算部360と、そのパラメータ比(ATMRTE)及び予め設定された比例テーブル値から推定大気圧(PATMR)を求める推定大気圧演算手段370と、大気圧センサ121で検出される大気圧検出値PATMと推定他気圧PATMRとの偏差を求める大気圧偏差演算部375と、演算されたパラメータに基づいて空気量センサの故障判定を行う故障判定部391とで構成される。また、上記のパラメータ演算部360では、各パラメータ間の偏差量を求めるように構成してもよい。
したがって、図9に示すように、故障判定手段350では、基準吸気管圧力(PMCAL)と推定吸気管圧力(PMMHG)を比較し、その比率(AFMRTE)または偏差量が所定以上である場合に、吸入空気量センサの故障と判定する。
次に、大気圧センサの故障判定方法について説明する。
本故障判定装置では、高地においても基準吸気管圧力と等しくなるように吸入空気量を増加するように構成されているので、目標吸気管圧力が高地に行くほど、空気密度補正により上昇する。
目標吸気管圧力となるようにスロットル弁が制御された場合、空気量は増加するものの、計算される推定吸気管圧力は基準吸気管圧力と等しくなるため、大気圧より低い吸気管圧力では、目標吸気管圧力と、推定吸気管圧力との関係は、空気密度補正分の差となり、両者の比率をとれば、空気密度補正分が正しく演算されているかが判る。
したがって、目標吸気管圧力と推定吸気管圧力との比率から、推定大気圧を求めることができる。検出される大気圧が正しければ、比率と推定大気圧は、ほぼ比例関係(図9中、推定大気圧演算部370)にあるので、この関係を予めROM202内に定数テーブルとして記憶させておく。
図7に示したスロットル弁開度と吸気管圧力の関係を用いて具体的に説明する。大気圧センサが正常な場合、図中の低地0mと高地2400mでの吸気管圧力で比較すると基準吸気管圧力=推定吸気管圧力=71(kPa)、目標吸気管圧力=92(kPa)から、推定吸気管圧力/目標吸気管圧力の比率は、71(kPa)/92(kPa)=0.77となり、大気圧≒77kPaであると推定できる。
また、大気圧センサが故障して正常でない値を示したと仮定する。例えば、本装置が低地(101kPa)にあるのに大気圧センサが高地(77kPa)を示した場合では、目標吸気管圧力が空気密度補正により1.29倍されて前例の場合92kPaとなる。他方、演算される推定吸気管圧力は、低地のため目標吸気管圧力:92kPaと同じ空気量が吸入されることになり、推定大気圧=推定吸気管圧力/目標吸気管圧力=1.0で、101kPaとなる。検出大気圧が77kPaのため、両者の偏差量をとると、77−101=−24kPaと偏差量が大きくなることで故障と判定できる。
逆に、本装置が高地(77kPa)にあり、大気圧センサが低地(101kPa)を示していると仮定すると、検出大気圧が低地の値を示すので目標吸気管圧力には空気密度補正がかからず、目標吸気管圧力=71(kPa)の値でスロットルが制御される。他方、推定吸気管圧力は、低地のスロットル開度のままの空気量しか入らないことになり、54kPaにしか達しない。よって、推定吸気管圧力/目標吸気管圧力=54/71=0.76であり、推定大気圧は74kPaとなる。検出大気圧と推定大気圧との偏差量をとると、101−74=26kPaと偏差量が大きくなることで、同様に故障と判定できる。
以上をまとめると、図9の下段に示すように、推定吸気管圧力(PMMHG)/目標吸気管圧力(RQPM)の比率から、推定大気圧演算手段370において比例テーブル値から推定大気圧(PATMR)を求め、大気圧偏差演算部375において推定大気圧(PATMR)と検出大気圧(PATM)との偏差量(DEFATM)を求め、故障判定部391で偏差量(DEFATM)が所定範囲外にあった場合、大気圧センサの故障を判定することができる。
ただし、本実施形態のセンサの故障判定には、空燃比補正量KLAMD(図9参照)が用いられる。ここで、空燃比補正量をセンサの故障判定に用いる理由について説明する。
前述したように、目標吸気管圧力は、検出される吸気温度と大気圧から空気密度補正を掛け算して補正されるので、吸気温度センサまたは大気圧センサが故障した場合には、目標吸気管圧力が間違って演算されるため、推定吸気管圧力の演算結果と比較した際に、吸入空気量センサの特性がずれている場合と同様の傾向を示すため、誤判定する可能性がある(吸入空気量センサ103の故障を大気圧センサ121の故障と判定してしまう場合がある)。
一般的に本実施形態の内燃機関の制御システムのように、吸入空気量センサ103の入力を基に燃料噴射量を制御する構成では、噴射した燃料と吸入した空気量との割合が理論空燃比(A/F=14.7)近辺で制御するように演算値が予め設定されており、検出される吸入空気量に応じて基本燃料噴射量が演算される。さらに、排気管119に装着された空燃比センサ118によって検出される空燃比状態に応じて空燃比補正量を演算することによって、上記の予め設定された演算にセンサのばらつきなどで多少のずれが発生した場合には、空燃比補正量によって理論空燃比近辺となるように制御される。したがって、吸入空気量センサ103の特性が単品生産上発生する特性ばらつき程度のものであれば、空燃比補正量が大きくなることは無いので正常範囲内にあると言えるが、吸入空気量センサ103の検出値が異常である場合は、燃料噴射量が理論空燃比付近で制御されなくなるので、空燃比補正量が過大になる。
一方、大気圧センサ121は、質量空気流量に基づいた基本燃料噴射量の演算には大きく寄与しないので、大気圧センサの特性に異常がある場合は、目標吸気管圧力を演算したときに正規では無い値に演算されて、圧力に関するパラメータ演算結果が正規の範囲からは外れるが、質量空気流量にしたがって燃料噴射量が演算されるため、空燃比補正量が過大になることは無い。
これらの現象を大気圧センサ121或いは吸入空気量センサ103が故障した状態で各パラメータを演算した場合の誤判定対策として用いると、吸入空気量センサ103については、比率(AFMRTE)が上下限設定範囲外にあり、かつ、空燃比補正量(KLAMD)に所定範囲外のずれがある場合に故障と確定することができる。他方、大気圧センサ121については、吸入空気量センサ103が正常である必要があるため、空燃比補正量(KLAMD)が所定範囲内である場合に、大気圧センサ121の故障と判定する。これにより、演算結果に寄与する他方の検出センサに異常がある場合の誤判定を防止することができる。
図10、図11は、本実施形態の内燃機関において、北米排気ガスエミッションのFTPモード走行中の過渡部分を含む一部の特性を抽出したグラフである。図中、上段には、従来技術の空気量推定手段と同等である推定基本噴射パルス幅:TP(空気量/エンジン回転数)と実TP、下段には本実施形態における基準吸気管圧力(PMCAL)と、推定吸気管圧力(PMMHG)、中段には各々の比率である推定TP/実TP、PMMHG/PMCALを示す。
図10は、吸入空気量センサが正常場合の例であり、基準吸気管圧力(PMCAL)と、推定吸気管圧力(PMMHG)の演算結果は、ほぼ同一の結果になる。4sec程度の定常領域での推定値と検出値との比率は各々1.0付近にあるものの、加速開始、終了付近の比率では(推定TP/実TP)が0.9から1.05まで変動しているのに対し、(PMMHG/PMCAL)は全体を通して1.0付近にあることが判る。定常4secでの判定時間は、誤判定を避けるためにできるだけ長い時間(5〜10sec程度)に設定したいため、本実施形態では、加減速等の過渡を含めても、比率を精度良く演算できるため判定時間を長く設定することができ、かつ誤判定することもない。
図11は、吸入空気量センサの特性を−25%減量して異常とした例であり、推定吸気管圧力(PMMHG)の演算結果は、基準吸気管圧力(PMCAL)に対して、ほぼ一律に減少して演算される。正常品特性の場合と同様に、定常領域での比率は各々0.75付近にあるものの、加速開始、終了付近の比率では(推定TP/実TP)が0.65から1.1まで変動しているのに対し、(PMMHG/PMCAL)は全体を通して0.75付近にある。故障を判定するしきい値を0.8と仮定すると、走行モード中でも故障を判定するのに充分な時間を設定することができる。
図12は、大気圧センサの計測値を101kPaから85kPaに故障させた状態であって、FTP走行モード走行中の過渡部分を含む一部の特性を抽出し、推定吸気管圧力(PMMHG)、目標吸気管圧力(RQPM)及びその比率について示したものである。比率の演算結果は、0.8から0.9の間にあり、大気圧の偏差量としては10から20kPaとなる。故障を判定するしきい値を10kPaと仮定すると、走行モード中でも故障を判定するのに充分な時間を設定することができる。
また、吸入空気量センサ103と大気圧センサ121の故障判定領域と、判定のタイミングや順番は、特に限定するものでは無いが、比率を演算する際に分母となるパラメータの絶対値が小さいと、ばらつきが大きくなる傾向にあるため、減速領域またはアイドル領域を診断領域外とする方が良い。
これまで説明したセンサの故障判定をフローチャートに基づいて説明する。図13(a)及び図13(b)は、センサの故障判定に使用する各パラメータの演算フローを示すものである。各演算処理は、所定の時間間隔ごと(例えば10ms)に実行される。
図13(a)に示すように、ステップ1000では、エンジン回転数、アクセル弁開度を基に最大トルクとの関係から要求充填率(%)が演算される。ステップ1010では、これにノイズ分や過渡の位相を補正するためのフィルタリング処理が行われて、要求されるトルクを吸気管圧力へパラメータ変換した低地基準である基準吸気管圧力(PMCAL)が演算される。ステップ1020では、前述した空気密度補正、充填効率補正が加味されて、目標吸気管圧力(RQPM)が演算される。
ステップ1030では、基準吸気管圧力と推定吸気管圧力とから比率を求め、フィルタリング処理された空気量センサ故障判定用のパラメータ比率(AFMRTE)を演算する。ここで、推定吸気管圧力は、吸入空気量センサで検出される検出空気量Qaを用いて演算されるパラメータであるので、図13(b)で説明する別のフローで求められている。ステップ1040では、推定吸気管圧力と目標吸気管圧力とから比率を求め、フィルタリング処理された大気圧センサ故障判定用のパラメータ比率(ATMRTE)を演算する。比率からステップ1050では比率と大気圧との相関をテーブル換算した推定大気圧(PATMR)を求める。ステップ1060では、推定大気圧と検出大気圧との偏差量が演算され、この大気圧偏差量(DEFATM)が大気圧センサの故障判定用のパラメータとなる。
ステップ1500では、ステップ1020で求められた目標吸気管圧力を基に、吸気管圧力とスロットル開度との関係から目標スロットル開度(TGTVO)が演算され、ステップ1600では電制スロットルの開度が目標スロットル開度となるように制御される。
図13(b)に示すように、ステップ1100では、吸入空気量センサからの信号を検出空気量(Qa)として物理量換算した値が演算される。ステップ1110では、エンジン回転数、吸気温度等を基に推定吸気管圧力を演算するための圧力勾配係数(KIN)を演算して、これらのパラメータを基に所定の演算が行われ、フィルタリング処理されて推定吸気管圧力(PMMHG)がステップ1120で演算される。ステップ1130では、演算された推定吸気管圧力と、エンジン回転数、吸気温度等を基に気筒流入空気量(QC)が演算され、この空気量を基にステップ1200で理論空燃比となるように基本噴射量(TP)が演算される。ステップ1300では排気ガスの空燃比を検出する手段であるOセンサの検出値から、空燃比補正量(KLAMD)を演算する。
図14は、吸入空気量センサの故障判定処理を示したフローチャートである。故障判定処理は所定の時間間隔ごと(例えば40ms)に実行される。まず、ステップ2000で、診断を実行するために必要な状態にあるかを判定するための条件が成立しているかを判定する。本実施形態のセンサ故障判定装置は、エンジンが過渡状態にあるときも故障判定することができるので、ステップ2000では、例えばエンジン暖機後、バッテリ電圧などのパラメータの演算結果に影響する最低限の必要条件を判定する。これらが成立しているときは、ステップ2010において、比率(AFMRTE)が所定範囲であるか否かを判定する。ここで本実施形態では、所定範囲であるかを判定するための閾値は、予め設定された値としているが、スロットル弁開度あるいはエンジン回転数に応じた変数としても良い。比率(AFMRTE)が所定範囲にある場合はステップ2200において、正常判定時間をカウントする(正常判定時間タイマT0に1を加算する)。タイマT0は初期値を0にセットしてあり、またステップ2000で診断実行許可条件にないと判定したときにも0にセットする。次にステップ2210で、正常判定タイマT0が所定値以上になっているかを判定する。正常判定タイマT0が所定値に満たない場合はそのまま処理を終了するが、正常判定タイマT0が所定値に達すれば、ステップ2220で空気量センサ103の正常判定が確定したと判定し、処理を終了する。
一方、ステップ2010で比率演算結果が所定範囲外と判定された場合、ステップ2020において、推定吸気管圧力(PMMHG)が検出大気圧以下であるかを判定する。推定吸気管圧力が検出大気圧を超える場合は、吸気管圧力が大気圧より高くなることはないので、処理を終了する。推定吸気管圧力が大気圧以下である場合はステップ2030において、空燃比補正量(KLAMD)が所定範囲外であるか否かを判定する。空燃比補正量が所定範囲外であるか否かを判定する具体的手法については後述する。空燃比補正量が所定範囲内である場合は一旦処理を終了する。空燃比補正量が所定範囲外である場合はステップ2040において、異常判定時間をカウントする(異常判定タイマT1に1を加算する)。異常判定タイマT1は初期値を0にセットしてあり、またステップ2000で診断実行許可条件にないと判定したときにも0にセットする。次に、ステップ2050で、異常判定タイマT1が所定値になっているかを判定する。ステップ2050で異常判定タイマT1が所定値に満たない場合はそのまま処理を終了するが、異常判定タイマT1が所定値に達すれば、ステップ2060で空気量センサ103の異常判定が確定したと判定し、処理を終了する。
図15は、大気圧センサの故障判定処理を示したフローチャートである。この故障判定処理も所定の時間間隔ごと(例えば40ms)に実行される。まず、ステップ2300において、診断を実行するために必要な状態にあるかを判定するための条件が成立しているかを判定する。これらが成立しているときは、ステップ2310において、大気圧偏差(DEFATM)が所定範囲外であるか否かを判定する。本実施形態では、所定範囲であるかを判定するための閾値は、予め設定された値としているが、スロットル弁開度あるいはエンジン回転数に応じた変数としても良い。大気圧偏差が所定範囲内の場合はステップ2400へ進み、正常判定時間タイマT01をカウントする(正常判定タイマT0に1を加算する)。正常判定タイマT01は初期値を0にセットしてあり、またステップ2300で診断実行許可条件にないと判定したときにも0にセットする。次に、ステップ2400で、タイマT01が所定値になっているか、を判定する。ステップ2410で正常判定タイマT01が所定値に満たない場合はそのまま処理を終了するが、正常判定タイマT01が所定値に達すれば、ステップ2420で大気圧センサの正常判定が確定したと判定し、処理を終了する。
一方、ステップ2310で大気圧偏差(DEFATM)が所定範囲外と判定された場合は、ステップ2320において、空燃比補正量(KLAMD)が所定範囲内であるか否かを判定する。空燃比補正量が所定範囲内であるか否かを判定する具体的手法については後述する。空燃比補正量が所定範囲内である場合は一旦処理を終了する。空燃比補正量が所定範囲内である場合は、ステップ2330において、異常判定時間をカウントする(異常判定タイマT11に1を加算する)。異常判定タイマT11は初期値を0にセットしてあり、またステップ2300で診断実行許可条件にないと判定したときにも0にセットする。次に、ステップ2340で、異常判定タイマT11が所定値になっているか、を判定する。タイマT11が所定値に満たない場合はそのまま処理を終了するが、タイマT11が所定値に達すれば、ステップ2350で大気圧センサの異常判定が確定したと判定し、処理を終了する。
次に、ステップ2030または2320において、空燃比補正量(KLAMD)が所定範囲内であるか否かを判定する具体的手段について次に説明する。空燃比補正量は、一般的には空燃比(またはλ)フィードバック係数などで示される(a)短期的調整量と、短期的調整量を基に学習して調整量を補正する長期的な(b)学習補正量とが存在する。空燃比補正量を判定するパラメータとしては、これら短期的調整量と長期的な学習補正量との補正量の総和値(c):{(a)+(b)}が空燃比補正量のずれであるので、総和の上下限範囲を判定する閾値として設定しておけば良い。また、(a)短期的調整量の範囲と(b)学習補正量の上下限範囲または(c)総和値の上下限範囲とを独立に判定閾値として設定し、何れか1つが範囲を超える場合を所定範囲外とする場合、何れか2つとのAND条件にて所定範囲外とするなどの方法がある。いずれの方法を採用するかはエンジンシステムの空燃比制御の実力値を踏まえて検討して設定すれば良い。
なお、上記の空燃比は、エバポパージガスによる空燃比の影響を除いたものであり、エバポパージ中は演算する燃料噴射量がパージガスの濃度により影響を受けるため、これらの影響は別項目で補正される。
本実施形態では、空燃比検出センサ118としてOセンサを用いた場合について説明したが、空燃比検出センサ118がA/Fセンサの場合、短期的調整量(a)が無い制御の場合もあるので、直接検出される空燃比の上下限範囲を設定するようにしても良い。
さらに、他の実施形態として、EGR装置が装着されているシステムの場合には、EGR量が増加すると、吸気管圧力が大気側にずれるがトルクは低下する。そのため、図13のパラメータ演算フローにおいては、目標吸気管圧力を求める要素にEGR流量またはEGR率または制御量に応じた充填効率補正量がステップ1015で演算され、目標吸気管圧力に補正を加える。また可変吸気または排気バルブ制御装置が装着されているシステムの場合には、バルブ制御量が変化すると、吸気管圧力がずれて、トルクも変化するため、目標吸気管圧力を求める要素に可変吸気または排気バルブ制御量の補正量ステップ1015を同様に加えるようにする。さらに、図14のステップ2000または図15のステップ2300において、本装置が診断領域にあるか否かを判定する際に、EGRが正常か否かを判定し、または可変吸気または排気バルブ装置が正常か否かを判定することにより、EGRが故障または、可変吸気または排気バルブ装置が故障と判定されている時には、診断領域外とすることで診断を禁止してそれぞれの誤判定を防止することができる。
本発明に係る一実施形態の内燃機関制御システム全体構成図である。 図1のコントロールユニットの内部構成図である。 本実施形態のセンサ故障判装置の構成を説明する図である。 吸入空気量センサ及び大気圧センサの故障判定に用いるパラメータを説明するブロック図である。 過渡時の推定吸気管圧力と実吸気管圧力との関係を示す図である。 推定吸気管圧力演算手段を示すブロック図である。 スロットル弁開度と吸気管圧力との関係を示す図である。 推定吸気管圧力と実吸気管圧力との関係を示す図である。 故障判定手段の構成を示すブロック図である。 モード走行中(吸入空気量センサ正常時)のチャートである。 モード走行中(吸入空気量センサ異常時)のチャートである。 モード走行中(大気圧センサ異常時)のチャートである。 パラメータの演算を示すフローチャートである。 空気量センサの故障判定フローチャートである。 大気圧センサの故障判定フローチャートである。
符号の説明
101 吸気管
103 吸入空気量センサ
104 スロットルセンサ
117 クランク角センサ
107 内燃機関
118 空燃比センサ
121 大気圧センサ
124 吸気温度センサ
130 アクセルセンサ
310 基準吸気管圧力演算手段
320 目標吸気管圧力演算手段
330 推定吸気管圧力演算手段
410 燃料噴射量演算手段
350 故障判定手段
500 空燃比補正量演算手段
600 スロットル弁開度制御手段

Claims (6)

  1. エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量センサと、前記吸入空気量から燃料噴射量を演算する手段と、排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段からの検出値に基づいて空燃比補正量を演算する手段と、アクセル弁開度、エンジン回転数、吸気温度及び大気圧をそれぞれ検出する各センサとを備え、前記吸入空気量センサの故障を検出する内燃機関のセンサ故障判定装置において、
    前記アクセル弁開度及び前記エンジン回転数から、基準吸気管圧力を求める手段と、
    前記基準吸気管圧力となるように、前記基準吸気管圧力と前記吸気温度と前記エンジン回転数とからスロットル弁開度を制御する手段と、
    前記吸入空気量から、推定吸気管圧力を求める手段と、
    前記基準吸気管圧力と前記推定吸気管圧力とを比較して、前記吸入空気量センサの故障を判定する手段とを備えることを特徴とする内燃機関のセンサ故障判定装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関のセンサ故障判定装置において、前記吸入空気量センサの故障を判定する手段は、前記推定吸気管圧力の絶対値が、検出される大気圧よりも小さく、かつ前記基準吸気管圧力と推定吸気管圧力比較結果の比率または偏差量が所定以上であり、前記空燃比補正量が所定範囲外である場合に、前記吸入空気量センサの故障と確定する内燃機関のセンサ故障判定装置。
  3. エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量センサと、前記吸入空気量から燃料噴射量を演算する手段と、排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段からの検出値に基づいて空燃比補正量を演算する手段と、アクセル弁開度、エンジン回転数、吸気温度及び大気圧をそれぞれ検出する各センサとを備え、大気圧センサの故障を検出する内燃機関のセンサ故障判定装置において、
    前記アクセル弁開度及び前記エンジン回転数から、基準吸気管圧力を求める手段と、
    前記基準吸気管圧力、前記吸気温度及び前記大気圧から目標吸気管圧力求める手段と、
    前記基準吸気管圧力となるように、目標吸気管圧力からスロットル弁開度を制御する手段と、
    前記吸入空気量から推定吸気管圧力を求める手段と、
    前記目標吸気管圧力と推定吸気管圧力とを比較して、前記大気圧センサの故障を判定する手段とを備えることを特徴とする内燃機関のセンサ故障判定装置。
  4. 請求項3記載の内燃機関のセンサ故障判定装置において、前記目標吸気管圧力と推定吸気管圧力の比率から推定大気圧を求める手段と、前記推定大気圧と前記大気圧センサで検出される大気圧検出値との偏差量を求める手段を備え、前記大気圧の故障を判定する手段は、前記偏差量が所定以上かつ前記空燃比補正量が所定範囲内にある場合に、前記大気圧センサの故障と確定する内燃機関のセンサ故障判定装置。
  5. 請求項3または4記載の内燃機関のセンサ故障判定装置において、前記目標吸気管圧力を求める手段には、可変吸気または可変排気バルブ制御量に基づいて充填効率補正項を求める手段備えると共に、可変吸気または排気バルブ装置が故障と判定されている時には、センサの故障判定を禁止する内燃機関のセンサ故障判定装置。
  6. 請求項3または4記載の内燃機関のセンサ故障判定装置において、前記目標吸気管圧力を求める手段には、EGR制御量に基づく、充填効率補正項を備えると共に、EGR装置が故障と判定されている時には、センサの故障判定を禁止する内燃機関のセンサ故障判定装置。
JP2008211546A 2008-08-20 2008-08-20 内燃機関のセンサ故障判定装置 Pending JP2010048125A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008211546A JP2010048125A (ja) 2008-08-20 2008-08-20 内燃機関のセンサ故障判定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008211546A JP2010048125A (ja) 2008-08-20 2008-08-20 内燃機関のセンサ故障判定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010048125A true JP2010048125A (ja) 2010-03-04

Family

ID=42065404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008211546A Pending JP2010048125A (ja) 2008-08-20 2008-08-20 内燃機関のセンサ故障判定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010048125A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013122194A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Mitsubishi Motors Corp エンジンの制御装置
WO2014002567A1 (ja) * 2012-06-27 2014-01-03 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置及び制御方法
CN104061080A (zh) * 2013-03-22 2014-09-24 雅马哈发动机株式会社 燃料喷射控制装置
JP2017110523A (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 三菱自動車工業株式会社 燃料噴射量の補正装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013122194A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Mitsubishi Motors Corp エンジンの制御装置
WO2014002567A1 (ja) * 2012-06-27 2014-01-03 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置及び制御方法
CN104061080A (zh) * 2013-03-22 2014-09-24 雅马哈发动机株式会社 燃料喷射控制装置
JP2014185571A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Yamaha Motor Co Ltd 燃料噴射制御装置
US9745913B2 (en) 2013-03-22 2017-08-29 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Fuel injection controller
JP2017110523A (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 三菱自動車工業株式会社 燃料噴射量の補正装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8573185B2 (en) Diagnostic device for internal-combustion engine
US7856966B2 (en) Controller for internal combustion engine
US7908073B2 (en) Control apparatus for an internal combustion engine
JP4320744B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US20050120786A1 (en) Misfire detector for internal combustion engines
US9194322B2 (en) Control device of an engine
WO2008090998A1 (ja) 内燃機関の制御装置
US6752128B2 (en) Intake system failure detecting device and method for engines
US20140121947A1 (en) Engine control unit
US8275535B2 (en) Method for operating an internal combustion engine
US11143134B2 (en) Engine controller, engine control method, and memory medium
JP4776698B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5171738B2 (ja) 電制スロットル特性学習制御装置及び方法
JP2010048125A (ja) 内燃機関のセンサ故障判定装置
JP2009138579A (ja) 内燃機関のセンサの故障判定装置
US8286472B2 (en) Diagnostic system for variable valve timing control system
JP4259570B2 (ja) バルブの異常判定装置、異常判定方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP4338663B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2011226363A (ja) 内燃機関の異常診断装置
JP2006057523A (ja) エンジン制御システムの異常診断装置
US20210324814A1 (en) Control Device and Diagnostic Method for Internal Combustion Engine
US9429089B2 (en) Control device of engine
US9932923B2 (en) Abnormality determination apparatus
US20080196390A1 (en) Deterioration-determination apparatus for exhaust gas purifying system
JP5582086B2 (ja) 内燃機関の故障検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100108