JP4747526B2 - 光コネクタ - Google Patents

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本発明は、光通信や光情報処理の分野で用いられる光導波路が光導波路用フェルールに嵌合してなる光コネクタに関する。
近年、インターネットをはじめとする情報伝達手段の普及・発展により、大容量かつ高速なデータ伝送の要求が高まっている。大容量のデータを高速に伝送するには、膨大な情報をより遠くまで少ない伝送損失で送ることができる光ファイバが知られており、この光ファイバを複数一括して接続する多芯光コネクタが用いられている。
この多芯光コネクタを多芯光ファイバコネクタに接続するとき、多芯光コネクタの光導波路の光軸と、多芯光ファイバコネクタの導波路の光軸とを調芯して同芯とする必要がある。この調芯方法として、例えば、多芯光ファイバコネクタの導波路を発光させた状態で、多芯光コネクタの光導波路に最も強い光が入射するように、多芯コネクタに対して光導波路を移動させて位置調整するアクティブアライメントがある。
しかし、このアクティブアライメントでの調芯作業は手作業で行われるため、コストが高くついてしまう。コストを下げるためには、調芯作業を簡略化するか、もしくは無調芯で製造可能とすることが求められている。
そこで、図5に示すように、基板102の上に光導波路コア104と光導波路コア104を取り囲むクラッド部106とか形成された光導波路108の両端に、位置決め用の溝110(又は、段差)を光導波路コア104の延伸方向と平行に形成し、この位置決め用溝110を、光導波路122を接続する光導波路用フェルール112に形成した凸部114に係合させることで、光導波路コア104を光導波路用フェルール112に対して位置決めする構成が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
しかし、溝110を光導波路108の両端に形成することで、その分光導波路108の幅方向の寸法が大きくなる。これに伴って、光導波路用フェルール112の光導波路108を接続する開口部116の寸法も大きくなり、光導波路用フェルール112のサイズが大きくなってしまう。また、開口部116の寸法が大きくなることによって、光導波路用フェルール112の機械強度が低下するので、ばねクランプ118で圧接したときに撓みが生じ、光導波路108も撓みの影響を受けて光接続損失が増大する恐れがある。
さらに、溝110が形成されたクラッド106面とコネクタ112の凸部114が形成された面の間に接着剤を侵入させ硬化固定すると、接着剤の硬化収縮が生じて該溝110が形成されたクラッド106面と光導波路用フェルール112の凸部114が形成された面に相対的に近づける力が働く。しかし、該溝110と凸部114とが係合しているため変位なく、離れた部位に該力を伝え撓みが生じ、光導波路コア104の光軸ズレから接続損失が増大する。また該光軸ズレの変位量もバラツキがあり、製品内光接続損失バラツキが大きくなってしまう。
特開平8−248269号公報(第3−4項、第1図) 特開平9−105838号公報(第4項、第1図) 特開2001−324631号公報(第4項、第3図)
本発明は、上記事実を考慮し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、光導波路が嵌合され、サイズが小さく、十分な強度を有する光導波路用フェルールを持つ光コネクタを提供することにある。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> 傾斜面を持つ光導波路と、
前記光導波路が嵌合される開口部が、当該開口部の底面に対して傾斜し且つ奥行き方向に延伸する傾斜面を持ち、前記光導波路が前記開口部に嵌合されたとき、前記光導波路の傾斜面と前記開口部の傾斜面とが係合される光導波路用フェルールと、
を備え、
長手方向に直交する方向に沿って切断したときの前記光導波路の断面形状と前記光導波路用フェルールの開口部の開口形状とが略同一であり
前記開口部が、前記光導波路を嵌合したときに前記光導波路用フェルールと前記光導波路との間で空隙となる凹部であって、前記開口部を構成する面のうち、前記光導波路の傾斜面が狭まる方向にある面と対向する面に設けられた凹部を有し、
前記光導波路及び前記光導波路用フェルールの互いの傾斜面が係合した状態で、前記光導波路用フェルールの前記開口部に前記光導波路が嵌合されてなり、
前記光導波路と前記前記光導波路用フェルールとが、前記空隙に接着剤を侵入させ固定されていることを特徴とする光コネクタ。
前記<1>に記載の発明によれば、前記光導波路に設けられた傾斜面が、光導波路用フェルールに設けられた傾斜面に係合することで、光導波路コアが光導波路用フェルールに対して位置決めされる。これにより、光導波路を光導波路用フェルールに挿入してなる光コネクタを光ファイバコネクタに接続するだけで、光導波路コアの光軸と光ファイバコネクタのファイバコアの光軸が一致するため、調芯作業が不要となる。このため、接続に溶着などの特別な作業が必要なく、コストを低く抑えることができる。
特に、当該光導波路用フェルールが、光導波路が嵌合される開口部を有することで、すなわち、当該光導波路用フェルールが前記光導波路の傾斜面と係合する傾斜面を有することで、光導波路の光導波路用フェルールに対する位置決めを容易に行うことができる。
前記<1>に記載の発明によれば、空隙に接着剤が侵入し硬化接着することで、前記光導波路と光導波路用フェルールとの接着強度を増大させることができる。これにより、該光コネクタと光ファイバコネクタをバネ等で加圧接続したときに、撓みが生じにくく光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
また、前記<1>に記載の発明によれば、光導波路用フェルールの傾斜面に係合して位置決めを行う傾斜面を、光導波路の側面に形成することで、光導波路と光導波路用フェルールとの間に接着剤を侵入させ硬化固定し硬化収縮が生じても、変位しないよう固定された箇所がないので、硬化収縮で光導波路と光導波路用フェルールを近づける力が均等に働き、撓みが発生しにくくなる。これにより、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる
また、前記<1>に記載の発明によれば、空隙に接着剤が侵入し硬化接着することで、前記光導波路と光導波路用フェルールとの接着強度を増大させることができる。これにより、該光コネクタと光ファイバコネクタをバネ等で加圧接続したときに、撓みが生じにくく光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
> 前記凹部の深さが、0.1〜50μmであることを特徴とする<>に記載の光コネクタである。
前記<>に記載の発明によれば、前記空隙に侵入する接着剤の硬化収縮率から、硬化収縮によるコネクタと導波路コアの変位量を設計することができ、もしくは光軸ズレ量を光接続損失しないほどに抑えることができる。
> 前記開口部の傾斜面が、底面に対して45°以上90°未満で形成されていることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の光導波路である。
前記<>に記載の発明によれば、光導波路を光導波路用フェルールに挿入させたときの係合に際し、光導波路と光導波路用フェルールとの摩擦により片当たりしても該傾斜で片当たりが除かれ傾斜に沿って水平が保たれる。これにより、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
本発明によれば、光導波路が嵌合され、サイズが小さく、十分な強度を有する光導波路用フェルールを持つ光コネクタを提供することができる。すなわち、本発明は上記構成としたので、位置決め用の傾斜面や片当たり防止及び接着剤侵入用空隙を形成することで、サイズが大きくなることなく、光軸ズレや撓み等の光接続損失の増大を抑えつつ、光コネクタの調芯作業を簡略化することができる。
最初に、図1を用いて本発明の光導波路の製造工程について、工程順に説明する。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、コア凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程
鋳型の作製は、光導波路コア(以下「コア」とする)に対応する凸部を形成した原盤を用いて行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。以下では、原盤を用いる方法について説明する。なお、図1においては、説明を簡単にするため、コアが1本の形態を示す。
<原盤の作製>
コアに対応する凸部12を形成した原盤10(図1(A)に示す)の作製には、従来の方法、たとえばフォトリソグラフィー法やRIE法を特に制限なく用いることができる。また、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)も、原盤10を作製するのに適用できる。
原盤10に形成されるコアに対応する凸部12の大きさは、一般的に5〜500μm角程度、好ましくは40〜200μm角程度であり、光導波路の用途等に応じて適宜決められる。例えばシングルモード用の光導波路の場合には、10μm角程度のコアを、マルチモード用の光導波路の場合には、50〜100μm角程度のコアが一般的に用いられるが、用途によっては数百μm角程度と更に大きなコアを持つ光導波路も利用される。
<鋳型の作製>
次に、鋳型20の作製の工程について説明する。
上記のようにして作製した原盤10のコアに対応する凸部12が形成された面に、図1(B)に示すように、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布又は注型して硬化性樹脂層20aを形成し、必要に応じ乾燥処理をして硬化性樹脂層20aを硬化させる。そして、この硬化した硬化性樹脂層20aを原盤10から剥離することで、凸部12に対応する凹部22が形成された鋳型20が作製される。
次に、図1(C)に示すように、鋳型20に、凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填するための進入口26、及び凹部22から樹脂を排出させるための排出口28を、打ち抜きによって形成する。
なお、進入口26及び排出口28は、鋳型20に打ち抜きによって予め設ける構成以外にも、種々の方法を用いることができる。その他の方法として、例えば、原盤に鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層を形成した後、硬化性樹脂層を原盤から剥離して鋳型を作製し、その後、鋳型の両端を凹部が露出するように切断することにより進入口及び排出口を形成する方法が挙げられる。このように、進入口26及び排出口28の形成方法は特に制限されない。
鋳型20の凹部22に連通する進入口26及び排出口28を、凹部22の両端に設けることによって、進入口26は液(樹脂)溜まりとして利用でき、排出口28は減圧吸引管をその中に挿入して凹部22内部を減圧吸引装置に接続することができる。また、進入口26をコア形成用硬化性樹脂の注入管に連結して、進入口26から樹脂を凹部22に加圧注入することも可能である。排出口28は、凹部22が複数ある場合には、各凹部22に対応してそれぞれ設けてもよく、また、各凹部22に共通に連通する1つの孔を設けてもよい。
硬化樹脂層の厚さは、鋳型20の取り扱い性を考慮して適宜決められるが、一般的に0.1〜50mm程度が適切である。また、原盤10にはあらかじめ離型剤塗布などの離型処理を行うことで、硬化性樹脂層22aが原盤10から剥離しやすくなり、原盤10と鋳型20の剥離が促進される。
鋳型形成用硬化性樹脂としては、その硬化物が原盤10から容易に剥離できること、鋳型20(繰り返し用いる)として一定以上の機械的強度・寸法安定性を有すること、凹部の22形状を維持する硬さ(硬度)を有すること、後述するクラッド用基材30との密着性が良好であることが好ましい。鋳型形成用硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
鋳型形成用硬化性樹脂は、原盤10の表面に塗布や注型等することが可能で、また、原盤10に形成された個々のコアに対応する凸部12を正確に転写しなければならない。従って、ある限度以下の粘度、たとえば、500〜7000mPa・s程度を有することが好ましい。(なお、「鋳型形成用硬化性樹脂」の中には、硬化後、弾性を有するゴム状体となるものも含まれる。)また、粘度調節のために溶剤を、溶剤の悪影響が出ない程度に鋳型形成用硬化性樹脂に加えることができる。
鋳型形成用硬化性樹脂としては、剥離性、機械強度・寸法安定性、硬度、クラッド用基材との密着性の点から、硬化後、シリコーンゴム(シリコーンエラストマー)又はシリコーン樹脂となる硬化性オルガノポリシロキサンが好ましく用いられる。硬化性オルガノポリシロキサンは、分子中にメチルシロキサン基、エチルシロキサン基、フェニルシロキサン基を含むものが好ましい。また、硬化性オルガノポリシロキサンは、一液型のものでも硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものでもよく、また、熱硬化型のものでも室温硬化型(例えば空気中の水分で硬化するもの)のものでもよく、更に他の硬化(紫外線硬化等)を利用するものであってもよい。
硬化性オルガノポリシロキサンとしては、硬化後シリコーンゴムとなるものが好ましい。硬化後シリコーンゴムとなるものには、通常液状シリコーンゴム(「液状」の中にはペースト状のように粘度の高いものも含まれる)と称されているものが用いられている。液状シリコーンゴムは、硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものが好ましい。中でも付加型の液状シリコーンゴムは、表面と内部が均一にかつ短時間に硬化し、またその際、副生成物が無く、あるいは少なく、かつ離型性に優れ収縮率も小さいので好ましく用いられる。
液状シリコーンゴムの中でも特に液状ジメチルシロキサンゴムが密着性、剥離性、強度及び硬度の制御性の点から好ましい。また、液状ジメチルシロキサンゴムの硬化物は、一般に屈折率が1.43程度と低いため、これを用いて形成された鋳型は、クラッド用基材から剥離させずに、そのままクラッド層として利用することができる。この場合には、鋳型と、充填したコア形成用樹脂及びクラッド用基材とが剥がれないような工夫が必要になる。
液状シリコーンゴムの粘度は、コアに対応する凸部12を正確に転写し、かつ気泡の混入を少なくして脱泡し易くする観点と、数ミリの厚さの鋳型を形成する点から、500〜7000mPa・s程度のものが好ましく、さらには、2000〜5000mPa・s程度のものがより好ましい。
さらに、鋳型20の表面エネルギーは、10dyn/cm〜30dyn/cm、特に、15dyn/cm〜24dyn/cmの範囲にあることが、基材フィルムとの密着性とコア形成用硬化性樹脂の浸透速度の点からみて好ましい。
鋳型20のシェア(Share)ゴム硬度は、15〜80であればよく、特に20〜60であることが、型取り性能、凹部形状の維持、剥離性の点からみて好ましい。
鋳型20の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS))は、0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下にすることで、形成されたコアの光導波特性において光損失を大幅に低減できる。表面粗さは、使用する光の波長の2分の1以下が好ましく、10分の1以下になるとその光のコア表面粗さによる導波損失は殆ど無視できるレベルになる。
また、鋳型20は、紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることが好ましい。鋳型20が可視領域において光透過性であることによって、後述する2)の工程において鋳型20をクラッド用基材30(図1(D)参照)に密着させる際、位置決めを容易に行うことができる。また、後述する3)の工程においてコア形成用硬化性樹脂が鋳型20の凹部22に充填される様子が観察でき、充填完了等が容易に確認することができる。
さらに、鋳型20が紫外領域において光透過性であることが好ましいのは、コア形成用硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合に、鋳型20を透して紫外線硬化を行うためである。従って、鋳型20の、紫外領域(300nm〜400nm)における透過率が80%以上であることが好ましい。
硬化性オルガノポリシロキサン、中でも硬化後シリコーンゴムとなる液状シリコーンゴムは、クラッド用基材30との密着性と剥離性という相反した特性に優れ、ナノ構造を転写する能力を持ち、シリコーンゴムとクラッド用基材30とを密着させたとき、液体の進入さえ防ぐことができる。このようなシリコーンゴムを用いた鋳型20は高精度に原盤10の形状を転写し、クラッド用基材30にしっかりと密着する。このため、鋳型20とクラッド用基材30の間の凹部22のみに、コア形成用樹脂を効率良く充填することが可能となる。また、クラッド用基材30と鋳型20の剥離も容易である。従って、この鋳型20からは高精度に形状を維持した光導波路を、極めて簡便に作製することができる。
さらに、硬化樹脂層、とりわけ硬化樹脂層がゴム弾性を有する場合、硬化樹脂層の一部すなわち原盤10の凸部12を転写する部分以外の部分を他の剛性材料に置き換えることができ、この場合、鋳型20のハンドリング性が向上する。
2)鋳型20にクラッド用基材30を密着させる工程
鋳型20にクラッド用基材30を密着させる。クラッド用基材30としては、ガラス基材、セラミック基材、プラスチック基材等のものが制限なく用いられる。クラッド用基材30にプラスチック基材等の高分子化合物を用いることで、クラッド部を成形するにあたって、任意の形状を得ることが容易となる。
また、屈折率制御のためにこれらの基材に樹脂コートしたものも用いられる。クラッド用基材30の屈折率は、1.55より小さく、1.50より小さいものがより好ましい。特に、コア32(図1(F)参照)の屈折率より0.01以上小さい必要がある。また、クラッド用基材30としては、平坦で、鋳型20との密着性に優れ、両者を密着させた場合、鋳型20の凹部22以外に空隙が生じないものが好ましい。
プラスチック基材の中でも、フレキシブルなフィルム基材を用いた光導波路は、カプラー、ボード間の光配線や光分波器等としても使用できる。フィルム基材は、作製される光導波路の用途に応じて、その屈折率、光透過性等の光学的特性、機械的強度、耐熱性、鋳型との密着性、フレキシビリティー(可撓性)等を考慮して選択される。
フィルム基材の材料としては、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、脂環式アクリル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等)、脂環式オレフィン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、二又は三酢酸セルロース、アミド系樹脂(脂肪族、芳香族ポリアミド等)、イミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、または樹脂の混合物等が挙げられる。
フィルム基材が、鋳型20やコア32との密着性があまり良好でない場合には、オゾン雰囲気による処理、波長300nm以下の紫外線照射処理を行い、鋳型20及びコア32との密着を改善することが望ましい。
また、脂環式オレフィン樹脂としては、主鎖にノルボルネン構造を有するもの、及び主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基(アルキル基としては炭素数1から6のものやシクロアルキル基)等の極性基をもつものが挙げられる。中でも主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂は、低屈折率(屈折率が1.50近辺であり、コア32、クラッド用基材30の屈折率の差を確保できる)及び高い光透過性等の優れた光学的特性を有し、鋳型20との密着性に優れ、さらに耐熱性に優れている。
フィルム基材の屈折率は、コア32との屈折率差を確保するため、1.55より小さく、好ましくは1.53より小さくすることが望ましい。
また、フィルム基材の厚さはフレキシビリティーと剛性や取り扱いの容易さ等を考慮して適切に選ばれ、一般的には0.1mm〜0.5mm程度が好ましい。
3)クラッド用基材30を密着させた鋳型20の凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程
図1(D)に示すように、凹部22の一端に形成された進入口26にコア形成用硬化性樹脂を注入し、凹部22の他端に形成された排出口28から減圧吸引して、凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する。
なお、凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する方法は、上記方法に限定されない。例えば、進入口26にコア形成用硬化性樹脂を少量垂らし毛細管現象を利用して充填したり、進入口26から凹部22にコア形成用硬化性樹脂を加圧充填したり、排出口28から凹部22内を減圧吸引したり、あるいは加圧充填と減圧吸引の両方を行うなどにより、凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する方法がある。加圧充填と減圧吸引を併用する場合はこれらを同期して行うことが好ましい。これにより、鋳型20が安定して固定された状態で、加圧充填において圧力を段階的に増加させ、減圧吸引において圧力を段階的に減少させることで、コア形成用硬化性樹脂をより高速に注入する相反則を両立させることができる。また、毛細管現象を利用して、凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する場合には、充填を促進するために凹部22内を0.1〜100kPa程度に減圧することが好ましい。さらに、充填を促進するために、凹部22内の減圧に加えて、鋳型20の進入口26から充填するコア形成用硬化性樹脂を加熱することで、より低粘度化することも有効な手段である。
コア形成用硬化性樹脂としては、紫外線硬化性、放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いることができ、中でも紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。コア形成用の紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が好ましく用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としてエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。このように、コアをシリコン基板やガラス基板等で形成せずに高分子化合物で形成することで、材料費を低く抑えることができ、製造コスト削減に繋がる。また、コアを紫外線硬化性、放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂などの高分子化合物で成形することで、任意の形状を得ることが容易となる。
コア形成用硬化性樹脂は、鋳型20とクラッド用基材30との間に形成された空隙(凹部22)に充填させるため、低粘度であることが必要である。硬化性樹脂の粘度は、10〜2000mPa・s好ましくは100〜1000mPa・s、更に好ましくは300〜700mPa・sにすることで、充填速度が速くなり、精度の良い形状のコアが得られ、光損失を少なくすることができる。
このほかに、原盤10に形成されたコアに対応する凸部12が有する元の形状を高精度に再現するため、硬化性樹脂の硬化前後の体積変化が小さいことが必要である。例えば、体積が減少すると導波損失の原因になる。従って、硬化性樹脂は、体積変化ができるだけ小さいものが望ましく、体積変化が10%以下のものが用いられる。好ましくは体積変化が0.01〜4%の範囲にあるものが用いられる。溶剤を用いて硬化性樹脂を低粘度化することは、硬化前後の体積変化が大きいのでできれば避ける方が好ましい。体積収縮が0.01%以下の材料や体積膨張する材料では、鋳型20からの剥離効率が下がり、鋳型20からの剥離時に表面の破断等の表面劣化が生じるため、形成されるコア32の表面の平滑性が低下して光導波損失が上昇するので好ましくない。
コア形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするため、樹脂にポリマーを添加することができる。ポリマーはコア形成用硬化性樹脂との相溶性を有し、かつ樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないものが好ましい。またポリマーを添加することにより体積変化を小さくする他、粘度や硬化樹脂のガラス転移点を高度に制御できる。ポリマーとしては例えばアクリル系、メタクリル酸系、エポキシ系のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は1.2から1.6の範囲、より好ましくは1.4から1.6の範囲が好ましく、硬化物の屈折率が範囲内に入る2種類以上の屈折率の異なる樹脂が用いられる。
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッド用基材30となるフィルム基材(以下の5)の工程におけるクラッド層を含む)より大きいことが必要である。コアとクラッド部(クラッド用基材及びクラッド層)との屈折率の差は、0.01以上、好ましくは0.05以上である。
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程
前記3)の工程において、凹部22に充填したコア形成用硬化性樹脂を、硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。
5)鋳型20をクラッド用基材30から剥離する工程
前記4)の工程の後、鋳型20をクラッド用基材30から剥離する。図1(E)に示すように、剥離したクラッド用基材30の上には、コア32と進入口26及び排出口28内において硬化した樹脂部分が形成される。そして、図1(F)に示すように、進入口26及び排出口28内において硬化した樹脂部分を、研削等によって除去する。これにより、コア32(光導波路コア)とする。なお、コア32の端面は、鏡面平滑性を有している。
また、前記1)〜4)の工程で用いる鋳型20は、屈折率等の条件を満たせばそのままクラッド層に用いることも可能で、この場合は、鋳型を剥離する必要はなくそのままクラッド層として利用する。この場合、鋳型とコア材料の接着性を向上させるために鋳型をオゾン処理することが好ましい。
6)コア32が形成されたクラッド用基材30の上にクラッド層を形成する工程
図1(G)に示すように、コア32が形成されたクラッド用基材30の上にクラッド層34を形成する。クラッド層34としては、フィルム(たとえば前記2)の工程で用いたようなクラッド用基材が同様に用いられる)や、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層、高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜等が挙げられる。クラッド用硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
クラッド形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、樹脂と相溶性を有し、また樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないポリマー(例えばメタクリル酸系、エポキシ系)を、クラッド用硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂)に添加することができる。
クラッド層34としてフィルムを用いる場合は、接着剤を用いて貼り合わされるが、その際、接着剤の屈折率がフィルムの屈折率と近いことが望ましい。用いる接着剤は紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。また、このフィルムにも、紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、クラッド層34に添加するポリマーと同様のポリマーを添加することができる。
クラッド用基材30とクラッド層34との屈折率の差は小さい方が好ましく、その差は光の閉じ込めの点から、0.1以内、好ましくは0.05以内、更に好ましくは0.001以内、最も好ましくは差をなくするのがよい。
7)クラッド層34を硬化させる工程
前記6)の工程のクラッド層34である、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層と高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜を、クラッド用基材フィルムを貼り合わせる接着剤等(紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂)を用いて貼り合わせ、硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が行われる。
以上の工程によって、光導波路38が形成される。
8)光導波路38のクラッド部に位置決め用傾斜面36を形成する工程
図1(H)に示すように、上記工程によって形成された光導波路38のクラッド用基材(クラッド部)30に、位置決め用傾斜面36を研磨等の機械加工によって形成する。
前記クラッド部の傾斜面は、光導波路コア中心方向を向く傾きであることが好ましい。このような傾きに形成することにより、光導波路38の幅方向の寸法を小さくすることができ、後述する光導波路用フェルールの開口、光コネクタのサイズを小さくすることができる。
前記クラッド部の傾斜面の傾斜角が、光導波路コア形成面に対して45°以上90°未満で形成されていることが好ましく、55°以上80°以下で形成されていることがより好ましい。前記クラッド部の傾斜面の傾斜角を45°以上90°未満とすることにより、光導波路を光導波路用フェルールに挿入させたときの係合に際し、光導波路と光導波路用フェルールとの摩擦により片当たりしても該傾斜で片当たりが除かれ傾斜に沿って水平が保たれる、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
なお、位置決め用傾斜面36の形成方法は、機械加工に限定されない。例えば、クラッド用基材30の成形時に傾斜形状を形成しておいてもよい。この場合、クラッド用基材30に位置決め用傾斜面36を形成する方法として、前記1)工程等と同様に、傾斜形状を設けた鋳型を形成し、その上面にクラッド用基材の材料をスピンコート法により塗布し、その後硬化させ剥離して得る方法がある。また、圧延ロールに傾斜形状を設けて、クラッド用基材を圧延ロールで押圧して傾斜形状を形成する方法もある。
<光導波路用フェルール及び光コネクタ>
本発明の光導波路用フェルールは、前記本発明の光導波路と凹凸の関係をなし、該光導波路が嵌合する開口部を有することを特徴としている。
また、本発明の光コネクタは、前記光導波路に、該光導波路と凹凸の関係をなし、該光導波路が嵌合する開口部を有する光導波路用フェルールが嵌合してなることを特徴としている。
例えば、図2に示すように、光導波路用フェルール40の開口部44には、光導波路38に形成された傾斜面36と係合する精度の高い傾斜面46と、光導波路36が嵌合したとき空隙となる凹部47が形成されていて、光導波路38を、図2(A)の矢印方向に、光導波路用フェルール40の開口部44に挿入すると、図2(B)に示すように、光導波路38の傾斜面と光導波路用フェルールの傾斜面46とが密接した状態で嵌合するとともに、凹部47と光導波路38との間に空隙を生じる。このように、光導波路38と光導波路用フェルール40とが嵌合し、本発明の光コネクタ50をなす。
光導波路用フェルールは、射出成形、トランスファ成形、インジェクション成形などによって形成することができる。光導波路用フェルールに使用される材料は、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド等が用いられる。また、石英等の無機ガラス粉末等をこれらの材料に添加すると、機械強度や形状精度が高められる。
以上の光導波路用フェルール40の傾斜面46に、光導波路38の傾斜面36を係合させて位置決めを行う。そして、光導波路用フェルール40と光導波路38の間に接着剤を流し込み、光導波路38を光導波路用フェルール40に固定する。接着剤は、体積変化(収縮)により光導波路38と光導波路フェルール40の相対位置を変化させようとする撓みや歪みといった力が小さいものを使用することが好ましく、クラッド用基材30(図1(G)参照)の貼り合わせに用いられた接着剤が好適に用いられる。
また、前記光導波路用フェルールの凹部の存在により、該凹部と光導波路との間に生じる空隙に接着剤が侵入し硬化接着することで、前記光導波路と光導波路用フェルールとの接着強度を増大させることができる。これにより、該光コネクタと光ファイバコネクタをバネ等で加圧接続したときに、撓みが生じにくく光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
空隙の深さは、0.1〜50μmであることが好ましく、0.5〜30μmであることがより好ましい。空隙の深さが0.1μm未満であると接着力が不足する。また、硬化収縮量は、その全面に渡って精密に制御することが困難で、収縮量のバラツキができるので、前記空隙の深さを50μmより大きくすると該面における収縮量バラツキが大きくなってかえって光軸ズレ量バラツキを増大させ光接続損失バラツキを増大させてしまう。
また、光導波路用フェルール40の接続面にはピン孔42が形成されており、このピン孔42にピン45の一端を挿入し、接続する光ファイバコネクタ41のピン孔43にピン45の他端を挿入する。これにより、光導波路用フェルール40は光ファイバコネクタ41に位置決めされて接続され光コネクタ50とすることができる。そして、光コネクタ50のコア66の光軸が、光ファイバコネクタ41の光導波路67の光軸と一致する。
最後に、光導波路用フェルール40と光ファイバコネクタ41を図示しないばねクランプを用いて固定する。
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
<原盤の作製>
シリコン基板52に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して露光し、現像した。これにより、図3(A)に示すように、断面が正方形の8本のコア用の凸部54(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:150mm、近接幅250μm)が形成された。これを120℃でポストベークして、コア作製用の原盤56を作製した。
<鋳型の作製>
次に、原盤56に離型剤を塗布した後、図3(B)に示すように、鋳型の材料として熱硬化性液状ジメチルシロキサンゴム(ダウコーニングアジア社製:SYLGARD184、粘度5000mPa・s)及びその硬化剤を混合したもの(鋳型材58)を流し込み、120℃で30分間加熱して硬化させた。そして、原盤56から鋳型材58を剥離して、図3(C)に示すように、コア用の凹部62が形成された鋳型60(型の厚さ3mm)を作製した。次に、コア用の凹部62の両端が露出するように、紫外線硬化性樹脂を充填するための進入口(図1(C)参照)及び、この樹脂(紫外線硬化性樹脂)を排出させるための排出口を形成した。
鋳型60は、表面エネルギーが22dyn/cm、シェアゴム硬度が60、表面粗さが10nm以下、紫外線透過率が80%以上で、透明で下のものがよく観察できた。
<クラッド用基材及び光導波路コアの作成>
図3(D)に示すように、鋳型60より一回り大きい厚膜188μmのクラッド用基材64(JSR(株)社製、アートンフィルム、屈折率1.510)を、鋳型60に密着させた。
次に、鋳型60の一端にある進入口に、粘度1300mPa・sの紫外線硬化樹脂(JSR(株)社製、PJ3001)を数滴垂らし、毛細管現象により、図3(E)に示すように、凹部62に紫外線硬化製樹脂を充填した。そして、50mW/cm2のUV光を鋳型60を通して5分間照射し、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、鋳型60をクラッド用基材64から剥離した。
これにより、図3(F)に示すように、クラッド用基材64上に原盤56の凸部54と同じ形状のコア66が形成された。なお、本実施例において、コア66の屈折率は1.591となる。
<クラッド層の作成>
次に、図3(G)に示すように、クラッド用基材64のコア66が形成された面に、クラッド層68を貼り合わせた。クラッド層68は、硬化後の屈折率がクラッド用基材64と同じ1.510となる紫外線硬化性接着剤(JSR(株)社製)が用いた。そして、50mW/cm2のUV光を、鋳型60を通して5分間照射して、クラッド用基材64にクラッド層68を接着した。このようにして、光導波路50が形成された。
<位置決め用傾斜面の形成>
次に、ダイシングソー((株)ディスコ社製、DAD321、ブレード幅0.10mm)を用いて、図3(H)に示すように、最外郭のコア66からそれぞれ100μmの位置で、光導波路50をコア66の延伸方向と平行に研削し、コア66の延伸方向と直交する方向(幅方向)の寸法を2mmにする。また、コア66の延伸方向の寸法は100mmとなるように研削した。
そして、図3(I)に示すように、光導波路50の下面50Aに、側面から0.1mm、コア66の形成面(コア66のそれぞれの中心線を含む面)に対して角度45°の傾斜面72をコア66の延伸方向に形成した。これらの傾斜面は、後述する光導波路用フェルール70に形成された傾斜面73に係合して、光導波路用フェルール70と光導波路50の位置決めをするものである。
<光導波路用フェルールの作製>
図5に示すような光導波路用フェルール70を、石英ガラス粉末を添加したエポキシ樹脂をトランスファ成形法で形成した。光導波路用フェルール70には開口部77が形成されており、一方向から見て略矩形状となっている。開口部77には光導波路50が嵌合されるようになっており、開口部77の底面77Aの開口部77の幅方向端面には、光導波路50のコア66の延伸方向に沿って幅0.1mm、角度45°の傾斜面73が形成されている。
光導波路50の傾斜面72を光導波路用フェルール70の傾斜面73に係合させた。そして、開口部77と光導波路50との間に紫外線硬化性接着剤(JSR(株)社製)を垂らし入れ、50mW/cm2の紫外光を5分間照射して紫外線硬化性接着剤を硬化させ、光導波路50を光導波路用フェルール70に固定した。
また、光導波路用フェルール70の接続面にはピン孔42が形成されており、このピン孔42にピン45の一端を挿入し、接続する光ファイバコネクタ41のピン孔43にピン45の他端を挿入した。これにより、光導波路用フェルール70は光ファイバコネクタ41に位置決めされて接続され、光導波路用フェルール70のコア66の光軸が、光ファイバコネクタ41の光導波路67の光軸と一致した。
そして、光導波路用フェルール70と光ファイバコネクタ41を図示しないばねクランプを用いて固定した。
この製造方法によって作製された光導波路50及び光導波路用フェルール70において、位置決め用の傾斜面72及び73を、コア66の延伸方向に設けることで、光導波路用フェルール70に光導波路50を接続する際、光導波路50の傾斜面72を光導波路用フェルール70の傾斜面73に係合させれば、光導波路50は光導波路用フェルール70に対してコア66の延伸方向に位置決めがされる。これにより、光導波路50を光導波路用フェルール70に接続するだけで、光導波路50のコア66の光軸と、光導波路用フェルール70に接続する光ファイバコネクタ41の光導波路67の光軸が一致するので、調芯作業が不要となる。このため、接続作業が複雑にならず、コストを低く抑えることができる。
さらに、傾斜面72を光導波路50の側面に形成することで、光導波路50には位置決め用形状を形成するスペースを別途必要としないので、光導波路50の幅方向の寸法が大きくなることがない。従って、コア66の数が増えても、幅方向の寸法はコア66を並列させただけの大きさで抑えることができるので、シリコン基板やガラス基板等の十分な機械強度を持たない材料で光導波路50を形成しても、撓みが発生しにくくなる。これにより、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
[実施例2]
まず、実施例1と同様に、図3(H)の工程における光導波路50を作製した。
<位置決め用傾斜面の形成>
実施例1と同様に、ダイシングソー((株)ディスコ社製、DAD321、ブレード幅0.10mm)を用いて、最外郭のコア66からそれぞれ100μmの位置で、光導波路78をコア66の延伸方向と平行に研削し、コア66の延伸方向と直交する方向(幅方向)の寸法を2mmにした。また、コア66の延伸方向の寸法が100mmとなるように研削した。
そして、図3(I)と同様に、光導波路50の下面50Aに、側面から0.1mm、角度60°の傾斜面72をコア66の延伸方向に形成した。これらの傾斜面は、後述する光導波路用フェルール70に形成された傾斜面73に係合して、光導波路用フェルール70と光導波路50の位置決めをするものである。
<光導波路用フェルールの作製>
図5に示すような光導波路用フェルール70は、石英ガラス粉末を添加したエポキシ樹脂をインジェクション成形法で形成した。光導波路用フェルール70には開口部77が形成されており、一方向から見て略矩形状となっている。開口部77には光導波路50が嵌合されるようになっており、開口部77の底面77Aの開口部77の幅方向端面には、光導波路50のコア66の延伸方向に沿って幅0.1mm、角度60°の傾斜面73が形成されている。
光導波路50の傾斜面72を光導波路用フェルール70の傾斜面73に係合させた。そして、開口部77と光導波路50の間に紫外線硬化性接着剤(JSR(株)社製)を垂らし入れ、50mW/cm2の紫外光を5分間照射して紫外線硬化性接着剤を硬化させ、光導波路50を光導波路用フェルール70に固定した。
また、光導波路用フェルール70の接続面にはピン孔42が形成されており、このピン孔42にピン45の一端を挿入し、接続する光ファイバコネクタ41のピン孔43にピン45の他端を挿入する。これにより、光導波路用フェルール70は光ファイバコネクタ41に位置決めされて接続され、光導波路用フェルール70のコア66の光軸が、光ファイバコネクタ41の光導波路67の光軸と一致した。
そして、光導波路用フェルール70と光ファイバコネクタ41を図示しないばねクランプを用いて固定した。
この製造方法によって作製された光導波路50及び光導波路用フェルール70において、位置決め用の傾斜面72及び73を、コア66の延伸方向に設けることで、光導波路用フェルール70に光導波路50を接続する際、光導波路50の傾斜面72を光導波路用フェルール70の傾斜面73に係合させれば、光導波路50は光導波路用フェルール70に対してコア66の延伸方向に位置決めがされる。これにより、光導波路50を光導波路用フェルール70に接続するだけで、光導波路50のコア66の光軸と、光導波路用フェルール70に接続する光ファイバコネクタ41の光導波路67の光軸が一致するので、調芯作業が不要となる。このため、接続作業が複雑にならず、コストを低く抑えることができる。
また、傾斜面の傾きを大きくすることで、光導波路をコネクタに挿入させたときの係合に際し、コネクタに対し光導波路が片当たりして係合が充分でない場合も、光導波路の荷重によって傾斜に沿って係合され、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
さらに、光導波路50の側面に形成する傾斜面の傾きが大きくなることで、光導波路50に形成する傾斜面の占めるスペースを小さくすることができる。従って、コア66の数を増やすことが可能となる。
[実施例3]
まず、実施例2と同様に、角度60°の傾斜面を有する光導波路50を作製した。
<光導波路用フェルールの作製>
本実施例の光導波路用フェルールについて図2を参照して示す。なお、図2では光導波路として光導波路38が描かれているが、前述の光導波路50と読み替えるものとする。光導波路用フェルール40として、石英ガラス粉末を添加したエポキシ樹脂を射出成形法で形成した。光導波路用フェルール40には開口部が形成されており、一方向から見て略矩形状となっている。開口部44には光導波路50(38)が嵌合されるようになっており、開口部44の幅方向端面には、光導波路50(38)のコア66の延伸方向に沿って幅0.11mm、角度60°の傾斜面73が形成され、光導波路50の傾斜面72を光導波路用フェルール70の傾斜面に係合させた場合に、光導波路50の傾斜が狭まる方向にある面50Aと光導波路用フェルールの間には、深さ0.017mmの凹部47が設けられている。
光導波路50の傾斜面72を光導波用フェルール70の傾斜面73に係合させた。そして、開口部77と光導波路50Aの間に紫外線硬化性接着剤(JSR(株)社製)を垂らし入れ、50mW/cm2の紫外光を5分間照射して紫外線硬化性接着剤を硬化させ、光導波路50を光導波路用フェルール70に固定した。
この製造方法によって作製された光導波路50及び光導波路用フェルール70において、位置決め用の傾斜面72及び73を、コア66の延伸方法に設けることで、光導波路用フェルール70に光導波路50を接続する際、光導波路50の傾斜面72を光導波路用フェルール70の傾斜面73に係合させれば、光導波路50は光導波路用フェルール70に対してコア66の延伸方向に位置決めがされる。これにより、光導波路50を光導波路用フェルール70に接続するだけで、光導波路50のコア66の光軸と、光導波路用フェルール70に接続する光ファイバコネクタ41の光導波路67の光軸が一致するので、調芯作業が不要となる。このため、接続作業が複雑にならず、コストを低く抑えることができる。
また、光導波路50の傾斜が狭まる方向にある面50Aと光導波路フェルールの間に空隙を設けることで、光導波路用フェルールに光導波路50の傾斜が狭まる方向にある面50Aが接して傾斜面72及び73が係合されないことがなく、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。また、前記空隙の接着剤による面接着で強度が増すとともに硬化収縮から傾斜面の係合がより強くなり、該光導波路用フェルールと光ファイバコネクタをバネ等で加圧接続したときに、撓みが生じにくく光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
本発明の光導波路の製造工程を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る光コネクタの製造工程を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る光導波路の製造工程を示す概念図である。 本発明の実施例に係る光導波路の製造工程を示す斜視図である。 従来の光導波路及び光導波路用フェルールを示す斜視図である。
符号の説明
36 傾斜面
40 光導波路用フェルール
41 光ファイバコネクタ
38 50 光導波路
44 開口部
46 傾斜面
47 凹部
50 光コネクタ
64 クラッド用基材(クラッド部)
66 コア(光導波路コア)
67 光導波路(コネクタ光導波路コア)
68 クラッド層(クラッド部)
70 光導波路用フェルール
72 傾斜面
73 傾斜面
77 開口部

Claims (3)

  1. 傾斜面を持つ光導波路と、
    前記光導波路が嵌合される開口部が、当該開口部の底面に対して傾斜し且つ奥行き方向に延伸する傾斜面を持ち、前記光導波路が前記開口部に嵌合されたとき、前記光導波路の傾斜面と前記開口部の傾斜面とが係合される光導波路用フェルールと、
    を備え、
    長手方向に直交する方向に沿って切断したときの前記光導波路の断面形状と前記光導波路用フェルールの開口部の開口形状とが略同一であり
    前記開口部が、前記光導波路を嵌合したときに前記光導波路用フェルールと前記光導波路との間で空隙となる凹部であって、前記開口部を構成する面のうち、前記光導波路の傾斜面が狭まる方向にある面と対向する面に設けられた凹部を有し、
    前記光導波路及び前記光導波路用フェルールの互いの傾斜面が係合した状態で、前記光導波路用フェルールの前記開口部に前記光導波路が嵌合されてなり、
    前記光導波路と前記前記光導波路用フェルールとが、前記空隙に接着剤を侵入させ固定されていることを特徴とする光コネクタ。
  2. 前記凹部の深さが、0.1〜50μmであることを特徴とする請求項に記載の光コネクタ
  3. 前記開口部の傾斜面が、底面に対して45°以上90°未満で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光コネクタ
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