JP4678155B2 - 光導波路、光導波路用フェルール、及び光コネクタ - Google Patents
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Description
この多芯光コネクタを多芯光ファイバコネクタに接続する。このとき、多芯光コネクタの光導波路の光軸と、多芯光ファイバコネクタの導波路の光軸とを調芯して同芯とする必要がある。この調芯方法として、例えば、多芯光ファイバコネクタの導波路を発光させた状態で、多芯光コネクタの光導波路に最も強い光が入射するように、多芯コネクタに対して光導波路を移動させて位置調整するアクティブアライメントがある。
そこで、図8に示すように、基板102の上に光導波路コア104と光導波路コア104を取り囲むクラッド部106とが形成された光導波路108の両端に、位置決め用の溝110(又は、段差)を光導波路コア104の延伸方向と平行に形成し、この位置決め用溝110を、光導波路122を接続するコネクタ112に形成した凸部114に係合させることで、光導波路コア104をコネクタ112に対して位置決めする構成が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
本発明の目的は、サイズが小さく、十分な強度を有する光導波路用フェルール、これに嵌合する光導波路、及びこれらを一体化した光コネクタを提供することにある。
<1> 光信号を伝達する光導波路コアと、該光導波路コアを取り囲む板状のクラッド部と、を有する光導波路であって、前記光導波路コア及び前記クラッド部が、高分子化合物で形成されており、前記光導波路コアの一端近傍のクラッド部の少なくとも一側に、前記光導波路コアの延伸方向における肉厚が変わる段差を有し、前記段差が、前記光導波路コアの延伸方向の略法線方向に断面を持つように前記クラッド部のみに形成されていることを特徴とする光導波路である。
前記<1>に記載の発明によれば、光導波路コアは板状のクラッド部に取り囲まれており、クラッド部に段差が設けられている。この段差が光導波路用フェルールに設けられた段差に突き当てることで、光導波路コアが光導波路用フェルールに対して位置決めがなされる。これにより、光コネクタを光ファイバコネクタに接続するだけで、光導波路端面と光ファイバコネクタのコネクタ光導波路コア端面が一致するため、調芯作業が不要となる。このため、接続作業が複雑にならず、コストを低く抑えることができる。
また、光導波路用フェルールの段差に当接する段差を、光導波路コアの一端部近傍のクラッド部表面に形成することで、段差を形成するスペースを別途必要とせず、光導波路の幅方向寸法が大きくなることがない。従って、光導波路コアの数が増えても、幅方向の寸法は光導波路コアを並列させただけの大きさで抑えることができる。また、シリコン基板やガラス基板等を用いて光導波路を形成した場合に比べフェルール開口面積を小さくできるので、フェルールの機械強度が低下せず、撓みが発生しにくくなる。これにより、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
前記<2>に記載の発明によれば、断面形状が矩形状の立体が切除されてなる形状としたため、光導波路を光導波路用フェルールの開口部に挿入し、クラッド部表面に形成した段差が光導波路用フェルールに形成した段差に突き当たることで、光導波路延伸方向に対して挿入されることなく、位置が変化することがない。
前記<3>に記載の発明によれば、当該光導波路用フェルールが、前記<1>又は<2>のいずれかに記載の光導波路と凹凸の関係をなす形状の開口部を有することで、前記光導波路が当該光導波路用フェルールと係合し、光導波路の光導波路用フェルールに対する位置決めを容易に行うことができる。
前記<4>に記載の発明によれば、光導波路と凹凸の関係をなす形状の開口部を有することで、前記光導波路が当該光導波路用フェルールと係合し、光導波路の光導波路用フェルールに対する位置決めを容易に行うことができる。
前記<5>に記載の発明によれば、光導波路用フェルールの開口部に柱状突起が形成されれば、段差が形成された光導波路を挿入し位置決めすることができ、光導波路の幅方向の全域にわたって段差を形成するに比べ光導波路用フェルールの体積を低減できる。このため、コネクタ材料の使用量を低減でき、コストを低く抑えることができる。
前記<6>に記載の発明によると、光導波路用フェルールの隆起部に係合して位置決めを行う段差を光導波路に形成することで、光導波路と光導波路用フェルールとの間に接着剤を侵入させ硬化固定し硬化収縮が生じても、変位しないよう固定された箇所がないので、硬化収縮で光導波路と光導波路用フェルールを近づける力が均等に働き、撓みが発生しにくくなる。これにより、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
前記<7>に記載の発明によれば、光導波路フェルールには開口部が形成されており、この開口部には光導波路に設けられた段差に突き当たり、位置決めするための段差が形成されている。これにより、光導波路用フェルールを光ファイバコネクタに接続するだけで、光導波路の先端面と光導波路用フェルールの先端面が面一となり、光ファイバコネクタのコネクタ光導波路コア端面が一致するため、調芯作業が不要となる。このため、接続作業が複雑にならず、コストを低く抑えることができる。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、コア凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程
鋳型の作製は、光導波路コア(以下「コア」とする)に対応する凸部を形成した原盤を用いて行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。以下では、原盤を用いる方法について説明する。
コアに対応する凸部12を形成した原盤10(図1(A)に示す)の作製には、従来の方法、たとえばフォトリソグラフィー法やRIE法を特に制限なく用いることができる。また、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)も、原盤10を作製するのに適用できる。
原盤10に形成されるコアに対応する凸部12の大きさは、一般的に5〜500μm角程度、好ましくは40〜200μm角程度であり、光導波路の用途等に応じて適宜決められる。例えばシングルモード用の光導波路の場合には、10μm角程度のコアを、マルチモード用の光導波路の場合には、50〜100μm角程度のコアが一般的に用いられるが、用途によっては数百μm角程度と更に大きなコアを持つ光導波路も利用される。
次に、鋳型20の作製の工程について説明する。
上記のようにして作製した原盤10のコアに対応する凸部12が形成された面に、図1(B)に示すように、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布又は注型して硬化性樹脂層20aを形成し、必要に応じ乾燥処理をして硬化性樹脂層20aを硬化させる。そして、この硬化した硬化性樹脂層20aを原盤10から剥離することで、凸部12に対応する凹部22が形成された鋳型20が作製される。
なお、進入口26及び排出口28は、鋳型20に打ち抜きによって予め設ける構成以外にも、種々の方法を用いることができる。その他の方法として、例えば、原盤に鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層を形成した後、硬化性樹脂層を原盤から剥離して鋳型を作製し、その後、鋳型の両端を凹部が露出するように切断することにより進入口及び排出口を形成する方法が挙げられる。このように、進入口26及び排出口28の形成方法は特に制限されない。
鋳型20の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS))は、0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下にすることで、形成されたコアの光導波特性において光損失を大幅に低減できる。表面粗さは、使用する光の波長の2分の1以下が好ましく、10分の1以下になるとその光のコア表面粗さによる導波損失は殆ど無視できるレベルになる。
さらに、硬化樹脂層、とりわけ硬化樹脂層がゴム弾性を有する場合、硬化樹脂層の一部すなわち原盤10の凸部12を転写する部分以外の部分を他の剛性材料に置き換えることができ、この場合、鋳型20のハンドリング性が向上する。
鋳型20にクラッド用基材(クラッド部)30を密着させる。クラッド用基材30としては、ガラス基材、セラミック基材、プラスチック基材等のものが制限なく用いられる。クラッド用基材30にプラスチック基材等の高分子化合物を用いることで、クラッド部を成形するにあたって、任意の形状を得ることが容易となる。
また、脂環式オレフィン樹脂としては、主鎖にノルボルネン構造を有するもの、及び主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基(アルキル基としては炭素数1から6のものやシクロアルキル基)等の極性基をもつものが挙げられる。中でも主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂は、低屈折率(屈折率が1.50近辺であり、コア32、クラッド用基材30の屈折率の差を確保できる)及び高い光透過性等の優れた光学的特性を有し、鋳型20との密着性に優れ、さらに耐熱性に優れている。
また、フィルム基材の厚さはフレキシビリティーと剛性や取り扱いの容易さ等を考慮して適切に選ばれ、一般的には0.1mm〜0.5mm程度が好ましい。
図1(D)に示すように、凹部22の一端に形成された進入口26にコア形成用硬化性樹脂を注入し、凹部22の他端に形成された排出口28から減圧吸引して、凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する。
なお、凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する方法は、上記方法に限定されない。例えば、進入口26にコア形成用硬化性樹脂を少量垂らし毛細管現象を利用して充填したり、進入口26から凹部22にコア形成用硬化性樹脂を加圧充填したり、排出口28から凹部22内を減圧吸引したり、あるいは加圧充填と減圧吸引の両方を行うなどにより、凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する方法がある。加圧充填と減圧吸引を併用する場合はこれらを同期して行うことが好ましい。これにより、鋳型20が安定して固定された状態で、加圧充填において圧力を段階的に増加させ、減圧吸引において圧力を段階的に減少させることで、コア形成用硬化性樹脂をより高速に注入する相反則を両立させることができる。また、毛細管現象を利用して、凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する場合には、充填を促進するために凹部22内を0.1〜100kPa程度に減圧することが好ましい。さらに、充填を促進するために、凹部22内の減圧に加えて、鋳型20の進入口26から充填するコア形成用硬化性樹脂を加熱することで、より低粘度化することも有効な手段である。
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッド用基材30となるフィルム基材(以下の5)の工程におけるクラッド層を含む)より大きいことが必要である。コアとクラッド(クラッド用基材及びクラッド層)との屈折率の差は、0.01以上、好ましくは0.05以上である。
前記3)の工程において、凹部22に充填したコア形成用硬化性樹脂を、硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。
前記4)の工程の後、鋳型20をクラッド用基材30から剥離する。図1(E)に示すように、剥離したクラッド用基材30の上には、コア32と進入口26及び排出口28内において硬化した樹脂部分が形成される。そして、図1(F)に示すように、進入口26及び排出口28内において硬化した樹脂部分を、研削等によって除去する。これにより、コア32(光導波路コア)とする。なお、コア32の端面は、鏡面平滑性を有している。
図1(G)に示すように、コア32が形成されたクラッド用基材30の上にクラッド層34を形成する。クラッド層34としては、フィルム(たとえば前記2)の工程で用いたようなクラッド用基材が同様に用いられる)や、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層、高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜等が挙げられる。クラッド用硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
前記6)の工程のクラッド層34である、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層と高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜を、クラッド用基材フィルムを貼り合わせる接着剤等(紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂)を用いて貼り合わせ、硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が行われる。
以上の工程によって、光導波路38が形成される。
図1(H)に示すように、上記工程によって形成された光導波路38のクラッド用基材30に、段差36を研磨等の機械加工によって形成する。段差36は、光導波路コアの延伸方向におけるクラッド部の肉厚が変わる。
なお、段差36の形成方法は、機械加工に限定されない。例えば、クラッド用基材30の成形時に段差を形成しておいてもよい。この場合、クラッド用基材30に段差36を形成する方法として、前記1)工程等と同様に、凸形状を設けた鋳型を形成し、その上面にクラッド用基材の材料をスピンコート法により塗布し、その後硬化させ剥離して得る方法がある。また、圧延ロールに凸形状を設けて、クラッド用基材を圧延ロールで押圧して凸形状を形成する方法もある。但し段差形状とするため、ダイシングソー等により、凹形状のくぼんだ面で切断し、段差を形成する。
本発明の光導波路用フェルールは、前記本発明の光導波路と凹凸の関係をなし、該光導波路が嵌合する開口部を有することを特徴としている。
また、本発明の光コネクタは、前記光導波路に、該光導波路と凹凸の関係をなし、該光導波路が嵌合する開口部を有する光導波路用フェルールが嵌合してなることを特徴としている。
そして、光導波路用フェルール70と光ファイバコネクタ41を図示しないばねクランプを用いて固定する。
<原盤の作製>
シリコン基板52に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して露光し、現像した。これにより、図7(A)に示すように、断面が正方形の8本のコア用の凸部54(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:150mm、近接幅250μm)が形成された。これを120℃でポストベークして、コア作製用の原盤56を作製した。
次に、原盤56に離型剤を塗布した後、図7(B)に示すように、鋳型の材料として熱硬化性液状ジメチルシロキサンゴム(ダウコーニングアジア社製:SYLGARD184、粘度5000mPa・s)及びその硬化剤を混合したもの(鋳型材58)を流し込み、120℃で30分間加熱して硬化させた。そして、原盤56から鋳型材58を剥離して、図7(C)に示すように、コア用の凹部62が形成された鋳型60(型の厚さ3mm)を作製した。次に、コア用の凹部62の両端が露出するように、紫外線硬化性樹脂を充填するための進入口(図1(C)参照)及び、この樹脂(紫外線硬化性樹脂)を排出させるための排出口を形成した。
鋳型60は、表面エネルギーが22dyn/cm、シェアゴム硬度が60、表面粗さが10nm以下、紫外線透過率が80%以上で、透明で下のものが良く観察できた。
図7(D)に示すように、鋳型60より一回り大きい厚膜188μmのクラッド用基材64(JSR(株)社製、アートンフィルム、屈折率1.510)を、鋳型60に密着させた。
次に、鋳型60の一端にある進入口に、粘度1300mPa・sの紫外線硬化樹脂(JSR(株)社製、PJ3001)を数滴垂らし、毛細管現象により、図7(E)に示すように、凹部62に紫外線硬化製樹脂を充填した。そして、50mW/cm2のUV光を鋳型60を通して5分間照射し、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、鋳型60をクラッド用基材64から剥離した。
これにより、図7(F)に示すように、クラッド用基材64上に原盤56の凸部54と同じ形状のコア66が形成された。なお、本実施例において、コア66の屈折率は1.591であった。
次に、図7(G)に示すように、クラッド用基材64のコア66が形成された面に、クラッド層68を貼り合わせた。クラッド層68は、硬化後の屈折率がクラッド用基材64と同じ1.510となる紫外線硬化性接着剤(JSR(株)社製)を用いた。そして、50mW/cm2のUV光を、鋳型60を通して5分間照射して、クラッド用基材64にクラッド層68を接着した。このようにして、光導波路38を形成した。
次に、ダイシングソー((株)ディスコ社製、DAD321、ブレード幅0.10mm)を用いて、図4に示すように、最外郭のコア66からそれぞれ100μmの位置で、光導波路38をコア66の延伸方向と平行に研削し、コア66の延伸方向と直交する方向(幅方向)の寸法を2mmとした。また、コア66の延伸方向の寸法は100mmとなるように研削した。
この段差36は、後述する光導波路用フェルール70に形成された隆起部46に突き当て、光導波路用フェルール70と光導波路38の位置決めをするものである。
光導波路用フェルール70は、石英ガラス粉末を添加したエポキシ樹脂をトランスファ成形法で形成した。図2に示すように、光導波路用フェルール70には開口部44が形成されており、一方向から見て略矩形状となっている。開口部44には光導波路38が挿入されるようになっており、開口部44の底面44Aの端面から、幅0.1mm、高さ0.1mmの隆起部46が形成されている。
そして、光導波路用フェルール70と光ファイバコネクタ41を図示しないばねクランプを用いて固定した。
まず、実施例1と同様に、光導波路38を作製した。
<位置決め用段差の作製>
実施例1と同様に、ダイシングソー((株)ディスコ社製、DAD321、ブレード幅0.10mm)を用いて、最外郭のコア66からそれぞれ100μmの位置で、光導波路78をコア66の延伸方向と平行に研削し、コア66の延伸方向と直交する方向(幅方向)の寸法を2mmとした。またコア66の延伸方向の寸法が100mmとなるように研削した。
この段差36は、後述する光導波路用フェルール70に形成された隆起部46に突き当て、光導波路用フェルール70と光導波路38の位置決めをするものである。
光導波路用フェルール70は、石英ガラス粉末を添加したエポキシ樹脂を射出成形法で形成した。図5に示すように、光導波路用フェルール70には開口部44が形成されており、一方向から見て略矩形状となっている。開口部44には光導波路38が挿入されるようになっており、開口部44の底面44A及びその対面の端面から、幅0.1mm、高さ0.1mmの隆起部46a、46bがそれぞれ形成されている。
そして、光導波路用フェルール70と光ファイバコネクタ41を図示しないばねクランプを用いて固定した。
さらに、段差36a、36bを光導波路38の上下面のコア66の投影領域にかかる位置に形成することで、光導波路38には光導波路用フェルールとの位置決め形状を形成するスペースを別途必要としないので、光導波路38の幅方向の寸法が大きくなることがない。従って、コア66の数が増えても、幅方向の寸法はコア66を並列させただけの大きさで抑えることができるので、シリコン基板やガラス基板等の十分な機械強度を持たない材料で光導波路38を形成しても、撓みが発生しにくくなる。これにより、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
まず、実施例1と同様に、光導波路38を作製し、実施例1と同様の位置決め用段差36を作製した。
<光導波路用フェルールの作製>
光導波路用フェルール70は、石英ガラス粉末を添加したエポキシ樹脂をインジェクション成形法で形成した。図6(A)に示すように、光導波路用フェルール70には開口部44が形成されており、一方向から見て略矩形状となっている。開口部44には光導波路38が挿入されるようになっており、開口部44の底面44Aの端面から、幅0.1mm、奥行き0.1mm、高さ0.1mmの柱状突起48が形成されている。
そして、光導波路用フェルール70と光ファイバコネクタ41を図示しないばねクランプを用いて固定した。
さらに、段差72を光導波路38の下面のコア66の投影領域にかかる位置に形成することで、光導波路38には光導波路用フェルールとの位置決め形状を形成するスペースを別途必要としないので、光導波路38の幅方向の寸法が大きくなることがない。従って、コア66の数が増えても、幅方向の寸法はコア66を並列させただけの大きさで抑えることができるので、シリコン基板やガラス基板等の十分な機械強度を持たない材料で光導波路38を形成しても、撓みが発生しにくくなる。これにより、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
まず、実施例1と同様に、光導波路38を作製し、実施例2と同様の位置決め用段差を作製した。
<光導波路用フェルールの作製>
光導波路用フェルール70は、石英ガラス粉末を添加したエポキシ樹脂をインジェクション成形法で形成した。図6(B)に示すように、光導波路用フェルール70には開口部44が形成されており、一方向から見て略矩形状となっている。開口部44には光導波路38が挿入されるようになっており、開口部44の底面44Aの端面から、幅0.1mm、奥行き0.1mm、高さ0.1mmの柱状突起48が上下に形成されている。
そして、光導波路用フェルール70と光ファイバコネクタ41を図示しないばねクランプを用いて固定した。
さらに、段差36を光導波路38の上下面のコア66の投影領域にかかる位置に形成することで、光導波路38には光導波路用フェルールとの位置決め形状を形成するスペースを別途必要としないので、光導波路38の幅方向の寸法が大きくなることがない。従って、コア66の数が増えても、幅方向の寸法はコア66を並列させただけの大きさで抑えることができるので、シリコン基板やガラス基板等の十分な機械強度を持たない材料で光導波路38を形成しても、撓みが発生しにくくなる。これにより、光軸ズレ等の光接続損失の増大を抑えることができる。
36 段差
38 光導波路
41 光ファイバコネクタ
44 開口部
46 隆起部
48 突起
50 光コネクタ
66 コア(光導波路コア)
67 光導波路(コネクタ光導波路コア)
70 光導波路用フェルール
Claims (7)
- 光信号を伝達する光導波路コアと、該光導波路コアを取り囲む板状のクラッド部と、を有する光導波路であって、
前記光導波路コア及び前記クラッド部が、高分子化合物で形成されており、
前記光導波路コアの一端近傍のクラッド部の少なくとも一側に、前記光導波路コアの延伸方向における肉厚が変わる段差を有し、前記段差が、前記光導波路コアの延伸方向の略法線方向に断面を持つように前記クラッド部のみに形成されていることを特徴とする光導波路。 - 前記段差が、断面形状が矩形状の立体が切除されてなる形状であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
- 請求項1又は2に記載の光導波路の一端部近傍と凹凸の関係をなし、該光導波路が嵌合する開口部を有することを特徴とする光導波路用フェルール。
- 前記光導波路が前記開口部に挿入された際に前記光導波路の段差に係合する隆起部を有することを特徴とする請求項3に記載の光導波路用フェルール。
- 前記隆起部が、柱状の突起であることを特徴とする請求項4に記載の光導波路用フェルール。
- 請求項1又は2に記載の光導波路に、該光導波路と凹凸の関係をなし、該光導波路が嵌合する開口部を有する光導波路用フェルールが嵌合してなることを特徴とする光コネクタ。
- 前記光導波路を前記光導波路用フェルールに嵌合させたとき、前記光導波路の先端面と前記光導波路用フェルールの先端面とが面一となることを特徴とする請求項6に記載の光コネクタ。
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