JP4747507B2 - 磁気メモリ及びその記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記憶素子を備えて成る磁気メモリ及びその記録方法に係わり、不揮発メモリに適用して好適なものである。
コンピュータ等の情報機器では、ランダム・アクセス・メモリとして、動作が高速で、高密度なDRAMが広く使われている。
しかし、DRAMは電源を切ると情報が消えてしまう揮発性メモリであるため、情報が消えない不揮発のメモリが望まれている。
そして、不揮発メモリの候補として、磁性体の磁化で情報を記録する磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)が注目され、開発が進められている(例えば非特許文献1参照)。
MRAMは、ほぼ直交する2種類のアドレス配線(ワード線、ビット線)にそれぞれ電流を流して、各アドレス配線から発生する電流磁場によって、アドレス配線の交点にある磁気記憶素子の磁性層の磁化を反転して情報の記録を行うものである。
一般的なMRAMの模式図(斜視図)を、図9に示す。
シリコン基板等の半導体基体110の素子分離層102により分離された部分に、各メモリセルを選択するための選択用トランジスタを構成する、ドレイン領域108、ソース領域107、並びにゲート電極101が、それぞれ形成されている。
また、ゲート電極101の上方には、図中前後方向に延びるワード線105が設けられている。
ドレイン領域108は、図中左右の選択用トランジスタに共通して形成されており、このドレイン領域108には、配線109が接続されている。
そして、ワード線105と、上方に配置された、図中左右方向に延びるビット線106との間に、磁化の向きが反転する記憶層を有する磁気記憶素子103が配置されている。この磁気記憶素子103は、例えば磁気トンネル接合素子(MTJ素子)により構成される。
さらに、磁気記憶素子103は、水平方向のバイパス線111及び上下方向のコンタクト層104を介して、ソース領域107に電気的に接続されている。
ワード線105及びビット線106にそれぞれ電流を流すことにより、電流磁界を磁気記憶素子103に印加して、これにより磁気記憶素子103の記憶層の磁化の向きを反転させて、情報の記録を行うことができる。
そして、MRAM等の磁気メモリにおいて、記録した情報を安定に保持するためには、情報を記録する磁性層(記憶層)が、一定の保磁力を有していることが必要である。
一方、記録された情報を書き換えるためには、アドレス配線にある程度の電流を流さなければならない。
ところが、MRAMを構成する素子の微細化に従い、アドレス配線も細くなるため、充分な電流が流せなくなってくる。
そこで、より少ない電流で磁化反転が可能な構成として、スピン注入による磁化反転を利用する構成の磁気メモリが注目されている(例えば、特許文献1参照)。
スピン注入による磁化反転とは、磁性体の中を通過してスピン偏極した電子を、他の磁性体に注入することにより、他の磁性体において磁化反転を起こさせるものである。
例えば、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)や磁気トンネル接合素子(MTJ素子)に対して、その膜面に垂直な方向に電流を流すことにより、これらの素子の少なくとも一部の磁性層の磁化の向きを反転させることができる。
そして、スピン注入による磁化反転は、素子が微細化されても、少ない電流で磁化反転を実現することができる利点を有している。
日経エレクトロニクス 2001.2.12号(第164頁−171頁) 特開2003−17782号公報
しかしながら、従来のMRAMの構成では、各アドレス配線の交点に1個ずつ磁気記憶素子が設けられているだけであるため、情報を記録できる単位は1ビットのみであった。
また、上述したスピン注入による磁化反転を利用する構成の磁気メモリの模式図を図7及び図8に示す。図7は斜視図、図8は断面図である。
シリコン基板等の半導体基体60の素子分離層52により分離された部分に、各メモリセルを選択するための選択用トランジスタを構成する、ドレイン領域58、ソース領域57、並びにゲート電極51が、それぞれ形成されている。このうち、ゲート電極51は、図中前後方向に延びるワード線を兼ねている。
ドレイン領域58は、図中左右の選択用トランジスタに共通して形成されており、このドレイン領域58には、配線59が接続されている。
そして、ソース領域57と、上方に配置された、図中左右方向に延びるビット線56との間に、スピン注入により磁化の向きが反転する記憶層を有する磁気記憶素子53が配置されている。この磁気記憶素子53は、例えば磁気トンネル接合素子(MTJ素子)により構成される。
さらに、磁気記憶素子53は、ビット線56と、ソース領域57とに、それぞれ上下のコンタクト層54を介して接続されている。これにより、磁気記憶素子53に電流を流して、スピン注入により記憶層の磁化の向きを反転させることができる。
しかしながら、このようなスピン注入による磁化反転を利用する構成の磁気メモリでも、各アドレス配線51,56の交点に1個ずつ磁気記憶素子53が設けられた構成が提案されているだけであり、情報を記録できる単位は1ビットのみであった。
従って、より高密度の磁気メモリを実現するためには、情報を記憶できる単位を増やす必要がある。
情報を記憶できる単位を増やす方法としては、例えば、最先端の微細半導体形成プロセスを採用したり、アドレス配線を多層化したりする等の方法が考えられる。
しかし、最先端の微細半導体形成プロセスを採用するためには、最先端の新規製造設備を必要とするため、製造コスト上昇を招くという問題点がある。
一方、アドレス配線を多層化して情報を記憶できる単位を増やすと、磁気記憶素子が近接して配置されることになる。
このため、近接する磁気記憶素子同士の磁気的干渉が生じることにより、安定した記録動作が困難になってしまう。
また、製造プロセスが複雑化するため、製造歩留まりが低下して、製造コスト上昇を招くという問題点がある。
上述した問題の解決のために、本発明においては、単位面積当たりに多くの情報を記憶することを可能にする磁気メモリ及びその記録方法を提案するものである。
本発明の磁気メモリは、情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有する磁気記憶素子を備え、互いに交差する2種類の配線の交点付近かつ2種類の配線の間に、それぞれ複数個の磁気記憶素子が電気的に直列又は並列に接続され、2種類の配線を通じて、磁気記憶素子に電流を流すことにより、スピン注入により記憶層の磁化の向きが反転して、磁気記憶素子に情報の記録が行われ、複数個の磁気記憶素子は、それぞれ情報の記録が可能になる記録電流の閾値が異なり、複数個の磁気記憶素子の抵抗値がほぼ等しく、各磁気記憶素子の記憶層が、それぞれ異なる情報記憶単位を構成するものである。
本発明の磁気メモリの記録方法は、情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有する磁気記憶素子を備え、互いに交差する2種類の配線の交点付近かつ2種類の配線の間に、それぞれ複数個の磁気記憶素子が電気的に直列又は並列に接続され、2種類の配線を通じて、磁気記憶素子に電流を流すことにより、スピン注入により記憶層の磁化の向きが反転して、磁気記憶素子に情報の記録が行われ、複数個の磁気記憶素子は、それぞれ情報の記録が可能になる記録電流の閾値が異なり、複数個の磁気記憶素子の抵抗値がほぼ等しく、各磁気記憶素子の記憶層が、それぞれ異なる情報記憶単位を構成する磁気メモリに対して、複数個の磁気記憶素子のそれぞれの記録電流の閾値のうち、いずれか2つの閾値の中間の値に記録電流を選定する、或いは最大の閾値よりも大きい値に記録電流を選定することにより、複数個の磁気記憶素子に対して選択的に情報の記録を行うものである。
上述の本発明の磁気メモリの構成によれば、2種類の配線の間に、それぞれ複数個の磁気記憶素子が電気的に直列又は並列に接続され、2種類の配線を通じて、磁気記憶素子に電流を流すことにより、スピン注入により記憶層の磁化の向きが反転して、磁気記憶素子に情報の記録が行われ、各磁気記憶素子の記憶層がそれぞれ異なる情報記憶単位を構成することにより、磁気記憶素子に記録電流を流してスピン注入により記憶層の磁化の向きを反転させて情報の記録を行うことが可能になる。また、配線の間に1個の磁気記憶素子が配置されていた磁気メモリの構成と比較して、単位体積当たりの磁気記憶素子の数を増やして、磁気メモリを高密度化することができる。
さらに、2種類の配線の間に接続された複数個の磁気記憶素子は、それぞれ情報の記録が可能になる記録電流の閾値が異なっているため、これら複数個の磁気記憶素子に流す電流の大きさと向きを選定することにより、複数個の磁気記憶素子のうち、一部又は全部の磁気記憶素子に対して選択的に記録を行うことが可能になる。
上述の本発明の磁気メモリの記録方法によれば、上記本発明の磁気メモリに対して、複数個の磁気記憶素子のそれぞれの記録電流の閾値のうち、いずれか2つの閾値の中間の値に記録電流を選定する、或いは最大の閾値よりも大きい値に記録電流を選定することにより、複数個の磁気記憶素子に対して選択的に情報の記録を行うので、記録電流の大きさを選定することにより、複数個の磁気記憶素子のうち記録が行われる磁気記憶素子を選択することができる。
そして、複数個の磁気記憶素子の一部又は全部に対して選択的に情報の記録を行う操作を、記録電流の大きさと向きとを選定して、1回又は複数回組み合わせることにより、複数個の磁気記憶素子の任意の磁気記憶素子に、任意の情報を記録することが可能になる。
さらに、上記本発明の磁気メモリ及び磁気メモリの記録方法においては、(2種類の配線の間に接続された)複数個の磁気記憶素子の抵抗値がほぼ等しい構成としている。
このように構成したことにより、複数個の磁気記憶素子に記録できる情報量が少なくなる代わりに、1回の選択的記録の操作によって、任意の情報を記録することが可能になる。
上述の本発明によれば、磁気記憶素子を高密度に配置して、単位チップ面積当たりの密度を向上し、磁気メモリの高記録密度化を図ることができる。これにより、磁気メモリの記憶容量の増大や小型化を図ることができる。
また、本発明によれば、記録電流の大きさとその向き(極性)を選定することによって、配線間に接続された複数個の磁気記憶素子に対して選択して記録することができる。
従って、本発明により、高密度に磁気記憶素子(情報記憶単位)を配置しても、安定して確実に情報を記録することができる磁気メモリを実現することができる。
まず、本発明の具体的な実施の形態の説明に先立ち、本発明の概要について説明する。
本発明は、前述したスピン注入により、磁気記憶素子の記憶層の磁化の向きを反転させて、情報の記録を行うものである。
スピン注入により磁性層の磁化の向きを反転させる基本的な動作は、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)もしくは磁気トンネル接合素子(MTJ素子)から成る磁気記憶素子に対して、その膜面に垂直な方向に、ある閾値以上の電流を流すものである。このとき、電流の極性(向き)は、反転させる磁化の向きに依存する。
この閾値よりも絶対値が小さい電流を流した場合には、磁化反転を生じない。
スピン注入によって、磁性層の磁化の向きを反転させるときに、必要となる電流の閾値Icは、現象論的に、下記数1により表される(例えば、F.J.Albert他著、Appl.Phys.Lett.,77,p.3809,2000年、等を参照)。
Figure 0004747507
本発明では、式(1)で表されるように、電流の閾値が、磁性層の体積V、磁性層の飽和磁化M、実効的な磁気異方性の大きさを制御することにより、任意に設定することが可能であることを利用する。
そして、磁化状態により情報を保持することができる磁性層(記憶層)を有し、それぞれ情報記憶単位を構成する磁気記憶素子を、2種類の配線の間に、複数個接続して配置し、これら複数個の磁気記憶素子の電流の閾値が異なる構成とする。
このように構成することにより、複数個の磁気記憶素子を選択的に記録することが可能になる。
実際の電流の閾値は、例えば、記憶層の厚さが2nmであり、平面パターンが120〜130nm×100nmの略楕円形の巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)において、+側の閾値+Ic=+0.6mAであり、−側の閾値−Ic=−0.2mAであることと、その際の電流密度は約6×10A・cmであり、上記の式(1)にほぼ一致する(屋上他著,日本応用磁気学会誌,Vol.28,No.2,p.149,2004年参照)。
一方、電流磁場により磁化反転を行う通常のMRAMでは、書き込み電流が数mA以上必要となる。
これに対して、スピン注入により磁化反転を行う場合には、上述のように、書き込み電流の閾値が充分に小さくなるため、集積回路の消費電力を低減させるために有効であることがわかる。
また、通常のMRAMで必要とされる、電流磁界発生用の配線(図9の105)が不要となるため、集積度においても通常のMRAMに比較して有利である。
なお、磁気記憶素子の記憶層に記録された情報を読み出す方法としては、磁気記憶素子の記憶層に薄い絶縁膜を介して、情報の基準となる磁性層を設けて、絶縁層を介して流れる強磁性トンネル電流によって、情報記憶単位の情報を読み出してもよいし、磁気抵抗効果により読み出してもよい。
また、複数個の磁気記憶素子に記録された情報を読み出すためには、情報の内容に対応する各状態の抵抗値が、互いに分離するように設定する必要がある。
例えば、磁気記憶素子を磁気トンネル接合素子(MTJ素子)で構成した場合には、一般には、トンネルバリア層(絶縁層)の厚さを変化させることで抵抗値を変化させることができ、材料構成が同じ場合には、ΔR/Rで表されるMR比はほぼ一定値となる。そのため、複数個の磁気記憶素子のそれぞれの抵抗値を変えておけば、各状態の抵抗値を分離させることが可能になる。
続いて、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の一実施の形態として、磁気メモリの概略構成図(斜視図)を図1に示す。
この磁気メモリは、互いに直交する2種類のアドレス配線(例えばワード線とビット線)の交点付近に、磁化状態で情報を記録することができる磁気記憶素子が配置されて成る。
即ち、例えばシリコン基板から成る半導体基体10の素子分離層2により分離された部分に、各メモリセルを選択するための選択用トランジスタを構成する、ドレイン領域8、ソース領域7、並びにゲート電極1が、それぞれ形成されている。このうち、ゲート電極1は、図中前後方向に延びる一方のアドレス配線(例えばワード線)を兼ねている。
そして、ソース領域7と、上方に配置された、図中左右方向に延びる他方のアドレス配線(例えばビット線)6との間に、磁気記憶素子が配置されている。
ドレイン領域8は、図中左右の選択用トランジスタに共通して形成されており、このドレイン領域8には、配線9が接続されている。
本実施の形態の磁気メモリにおいては、特に、2種類のアドレス配線1,6の交点付近に、それぞれ2個の磁気記憶素子3,5を配置している。
そして、下側の磁気記憶素子3とソース領域7、上側の磁気記憶素子5と下側の磁気記憶素子3、ビット線6と上側の磁気記憶素子5が、それぞれ、コンタクト層4を介して電気的に接続されている。
即ち、2種類のアドレス配線1,6間に、選択用トランジスタを介して、2個の磁気記憶素子3,5を直列に配置した構成となっている。
これにより、ワード線1に電圧を印加して選択用トランジスタをオン状態にした上で、ビット線6と配線9との間に電流を流すことにより、2個の磁気記憶素子3,5に電流を流して、スピン注入によって記憶層の磁化の向きを反転させ、記憶層に情報を記録することが可能になる。
また、図1の磁気メモリの模式的断面図を図2Aに示し、模式的等価回路図を図2Bに示す。
図2Aに示すように、2個の磁気記憶素子3,5は、それぞれ、反平行に磁気的結合した2つの磁性層11及び12,13及び14を有して成る。
これにより、それぞれの磁気記憶素子3,5において、互いに反平行の向きである2層の磁性層11及び12,13及び14の磁化が打ち消し合って、記憶層全体の合成磁化が小さくなり、記憶層の磁性層11及び12,13及び14の磁化の向きを小さい電流で容易に変えることが可能になる。
そして、それぞれの磁気記憶素子3,5の記憶層を構成する2層の磁性層11及び12,13及び14は、互いに反平行に磁気的結合していると共に、磁化量がほぼ同じになる構成とすることが望ましい。
これにより、磁気記憶素子3,5の記録層10から漏洩する磁場を最小限に抑えることができるため、2個の磁気記憶素子3,5を近接配置しても磁気記憶素子3,5同士の磁気的な干渉が少なくなり、情報記憶単位となる各磁気記憶素子3,5に、それぞれ独立した情報を記録し保存することが可能になる。
2個の磁気記憶素子3,5を上下に形成するには、例えば、下側の磁気記憶素子3を形成した後、コンタクト層4を形成し、さらに上側の磁気記憶素子5を形成すればよい。
或いは、2つの磁気記憶素子3,5の各層を順次成膜した後に、まとめてパターニングを行って、各磁気記憶素子3,5を形成してもよい。
さらに、本実施の形態の磁気メモリは、特に、詳細を後述するように、2個の磁気記憶素子3,5を、記憶層の磁化の向きが反転する電流の閾値が互いに異なり、また磁気記憶素子の抵抗値が互いに異なる構成とする。
これにより、2個の磁気記憶素子3,5に対して、選択的に情報を記録することができると共に、各磁気記憶素子3,5に記録された情報を読み出すことが可能になる。
次に、図1の磁気記憶素子(情報記憶単位)3,5の一形態の概略構成図(斜視図)を、図3に示す。
図3に示す形態は、磁気トンネル接合素子(MTJ素子)により磁気記憶素子を構成するものである。
図3に示すように、上層から、磁化の向きを反転させることが可能であり、磁化状態として情報を記録することができる記憶層21と、トンネル絶縁層(トンネルバリア層)22と、磁化の向きが固定された磁化固定層23と、磁化固定層23の磁化の向きを一定方向に固定するための反強磁体層24とが積層されて、磁気トンネル接合素子(MTJ素子)が構成されている。
記憶層21及び磁化固定層23には、CoFe、NiFe、CoFeB等の合金等を使用することができる。トンネル絶縁層(トンネルバリア層)22には、金属Alを酸化させた酸化アルミニウムを使用することができる。反強磁性体層24には、PtMn,NiMn,IrMn,FeMn等の材料を使用することができる。
この形態の磁気記憶素子では、記憶層21の磁化M21の向きと、磁化固定層23の磁化M23の向きとが、図3に示すように互いに反平行である場合には、トンネル絶縁層22を流れるトンネル電流に対する抵抗が高くなる。
一方、記憶層21の磁化M21の向きと、磁化固定層23の磁化M23の向きとが、互いに平行である場合には、トンネル絶縁層22を流れるトンネル電流に対する抵抗が低くなる。
なお、図2Aに示したように、磁気記憶素子3,5の記憶層を2層の磁性層11及び12,13及び14から構成する場合には、図3に示す単層の磁性層から成る記憶層21の代わりに、2層の磁性層が非磁性層を介して上下に配置された構成の記憶層を設ける。
ここで、図3に示す構成の、スピン注入により磁化反転を生じる磁気トンネル接合素子(MTJ素子)における、印加電流と素子抵抗との関係を、図4に示す。
図4では、トンネル絶縁層22を流れるトンネル電流に対する抵抗が低い状態(記憶層21と磁化固定層23の磁化M21,M23の向きが互いに平行である状態)から、記憶層の磁化の向きを反転させて、抵抗が高い状態(記憶層21と磁化固定層23の磁化M21,M23の向きが互いに反平行である状態)に変化させる向きの印加電流を、+側の極性とし、その逆の向きの印加電流を−側の極性としている。以降の図でも同様とする。
また、図4では、記憶層の磁化の向きが反転する印加電流の閾値を、+側と−側とで、それぞれ+Icと−Icとしている。
以下、図4を参照して、印加電流の変化による素子抵抗の変化を説明する。
なお、初期状態において、記憶層21の磁化M21の向きと磁化固定層23の磁化M23の向きとが互いに平行であり、抵抗が低い状態(R)であったとして説明する。
まず、+側の閾値+Icよりも+側に大きい電流を流すと、記憶層21の磁化M21の向きが反転して、記憶層21の磁化M21の向きと磁化固定層23の磁化M23の向きとが互いに反平行になり、抵抗が高い状態(R)になる。なお、図4では、抵抗が低い状態(R)と抵抗が高い状態(R)との差をΔRとして、抵抗が高い状態(R)をR+ΔRで示している。
それ以上は、+側に大きい電流を流しても、素子抵抗は変化しない。
次に、抵抗が高い状態R+ΔRにおいて、−側の閾値−Icよりも−側に大きい電流を流すと、記憶層21の磁化M21の向きが反転して、記憶層21の磁化M21の向きと磁化固定層23の磁化M23の向きとが互いに平行になり、抵抗が低い状態(R)になる。
それ以上は、−側に大きい電流を流しても、素子抵抗は変化しない。
このようにして、磁気トンネル接合素子(MTJ素子)から成る磁気記憶素子に、抵抗が低い状態と、抵抗が高い状態との、2値の記録を行うことが可能になる。
続いて、本実施の形態の磁気メモリの記録動作を、図5を参照して説明する。
以下の説明では、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位という表現を用い、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位のうち、磁化の向きが反転する電流の閾値の絶対値が小さい方を第1の情報記憶単位とする。
そして、第1の情報記憶単位については、抵抗の低い状態の抵抗値をR1Lとし、抵抗の高い状態の抵抗値をR1L+ΔR1とし、電流の閾値を+Ic1,−Ic1とする。第2の情報記憶単位については、抵抗の低い状態の抵抗値をR2Lとし、抵抗の高い状態の抵抗値をR2L+ΔR2とし、電流の閾値を+Ic2,−Ic2とする。
例えば、図3に示した磁気トンネル接合素子(MTJ素子)において、第2の情報記憶単位の構成を、第1の情報記憶単位の構成と比較して、材料と面積は等しく、記憶層21の膜厚のみを第1の情報記憶単位の2倍になるように構成する。
このように構成した場合には、前述した(1)式より、第2の情報記憶単位の記録電流の閾値+IC2,−Ic2は、おおよそ第1の情報記憶単位の記録電流の閾値+Ic1,−Ic1のそれぞれ2倍になる。
そして、図1及び図2に示した、直列接続された2個の磁気記憶素子3及び5のうち、いずれか一方の磁気記憶素子を第1の情報記憶単位とし、他方の磁気記憶素子を第2の情報記憶単位とする。
なお、電流の閾値の符号(+側、−側)は、MTJ素子の材料構成(主として磁性体の特性)で変化する。また、各閾値+IC1、+IC2、−IC1、−IC2は、通常、絶対値が全て異なるものである。
ここでは、各閾値を、−IC2<−IC1<0<+IC1<+IC2となるように設定した場合について、説明を行う。
また、抵抗の低い状態をLとし、抵抗の高い状態をHとして、第1の情報記憶単位と第2の情報記憶単位のそれぞれの抵抗の状態を、(L,L)と表記する。カッコ内の前側を第1の情報記憶単位の抵抗の状態とし、後側を第2の情報記憶単位の抵抗の状態とする。
まず、初期状態として、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位が、共に図3とは逆に記憶層21の磁化M21が左側を向いている状態を考える。この場合、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位はいずれも抵抗が低い状態にあり、合成直列抵抗は(R1L+R2L)となる。この状態(L,L)を合成直列抵抗の第1の抵抗状態とする。
次に、+IC1<IWRITE<+IC2を満足する書き込み電流IWRITEを印加すると、第1の情報記憶単位では記憶層21の磁化M21の向きが反転して右側を向き、高抵抗の状態R1L+ΔR1に変化するが、第2の情報記憶単位の記録層21は磁化M21の向きが反転せず低抵抗の状態R2Lのままである。この際の合成直列抵抗は、R1L+R2L+ΔR1となる。この状態(H,L)を第2の抵抗状態とする。
次に、+IC2<IWRITEを満足する書き込み電流IWRITEを印加すると、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位の両方において、記憶層21の磁化M21が右側を向き、高抵抗の状態となる。この際の合成直列抵抗は(R1L+R2L+ΔR1+ΔR2)となる。この状態(H,H)を第3の抵抗状態とする。
次に、印加電流の極性をマイナス側にして、−IC2<IWRITE<−IC1を満足する書き込み電流IWRITEを印加すると、第1の情報記憶単位のみ記憶層21の磁化M21の向きが反転して左側を向き、低抵抗の状態R1Lとなる。第2の情報記憶単位の記録層21は磁化M21の向きが反転せず高抵抗の状態R2L+ΔR2のままである。この際の合成直列抵抗は(R1L+R2L+ΔR2)となる。この状態(L,H)を第4の抵抗状態とする。
次に、IWRITE<−IC2を満足する書き込み電流IWRITEを流すことにより、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位の両方において、記憶層21の磁化M21が左側を向き、低抵抗の状態となる。この際の合成直列抵抗は(R1L+R2L)となり、第1の抵抗状態(L,L)に戻すことができる。
なお、いずれの抵抗状態においても、−Ic1<IWRITE<+Ic1の範囲の書き込み電流IWRITEを印加した場合には、スピン注入による記憶層の磁化の向きの反転が生じない。即ち、書き込みを行わなくても信号を読み出すことが可能になる。
ここで、とりうる4つの抵抗状態を全て判別できるようにするためには、各抵抗状態の間の抵抗値が分離するようにする必要がある。
従って、図5より、ΔR1,ΔR2,ΔR1+ΔR2が、いずれも異なる値になるように、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位を構成する必要があり、これら第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位となる2個の磁気記憶素子3,5が、互いに異なる抵抗値を有する構成とする必要がある。
このような構成とするには、例えば、2個の磁気記憶素子3,5が図3に示したような磁気トンネル接合素子(MTJ素子)から構成される場合には、トンネル絶縁層22の材料・組成や膜厚等を異ならせればよい。
なお、図5では、ΔR1>ΔR2となっているが、ΔR1<ΔR2となるように設定しても構わない。
以上説明したように、一定の条件を満たす書き込み電流を流すことにより、合成直列抵抗を、第1の抵抗状態から第4の抵抗状態までの4つの抵抗状態間で遷移させることが可能である。
そして、これら合成直列抵抗の4つの抵抗状態をセンスアンプで判別することにより、4値の記憶が可能となる。
従って、ビット線及びワード線の交点付近に配置された2個の情報記憶単位によって、4値の記録が可能となり、通常の2値の記録を行う構成に対して、同じ面積の磁気メモリにおいて2倍の容量を実現することができる。
また、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位が、第1〜第4のいずれの抵抗状態にあったとしても、最大2回の書き込み電流を流す操作を行うことにより、他の任意の状態に遷移させることが可能である。
例えば、第2の情報記憶単位の閾値よりも絶対値の大きい電流を流すことにより、1回の操作で、他の抵抗状態から、第1の抵抗状態や第4の抵抗状態に遷移させることが可能である。
例えば、第2の抵抗状態と第4の抵抗状態との相互間の遷移、第1の抵抗状態から第4の抵抗状態への遷移、第3の抵抗状態から第2の抵抗状態への遷移は、いずれも1回の操作では遷移させることができないが、他の抵抗状態を経由する2回の操作で遷移させることができる。
なお、図5では、説明を簡単にするために−IC2<−IC1<+IC1<+IC2と仮定したが、この条件は必須ではなく、4つの閾値のそれぞれが異なっていれば構わない。
上述の本実施の形態の磁気メモリの構成によれば、2種類の配線(例えばワード線とビット線)1,6の間に、それぞれ2個の磁気記憶素子3,5が電気的に直列に接続されて、各磁気記憶素子3,5の記憶層がそれぞれ異なる情報記憶単位(第1の情報記憶単位と第2の情報記憶単位)を構成するので、磁気記憶素子3,5に電流を流してスピン注入により記憶層の磁化の向きを反転させて情報の記録を行うことができる。
そして、2種類の配線の間に1個の磁気記憶素子が配置されていた磁気メモリの構成と比較して、単位体積当たりの磁気記憶素子の数を増やして、磁気メモリを高密度化することができる。
また、本実施の形態の磁気メモリによれば、2種類の配線の間に接続された複数個の磁気記憶素子3,5において、記憶層の磁化の向きが反転され、情報の記録が可能になる電流の閾値が互いに異なっているため、これらの磁気記憶素子3,5に流す電流の大きさと向きを選定することにより、2個の磁気記憶素子に対して選択的に情報の記録を行うことが可能になる。例えば、2個の磁気記憶素子の閾値の中間の値に電流を選定する、或いは2個の磁気記憶素子の閾値のうち大きい閾値よりも大きい値に電流を選定することにより、2個の磁気記憶素子に選択的に情報の記録を行うことができる。
これにより、2個の磁気記憶素子に4値の記録を行うことができる。
従って、本実施の形態の磁気メモリの構成によれば、磁気記憶素子3,5を高密度に配置して、単位チップ面積あたりの密度を向上し、磁気メモリの高記録密度化を図ることができる。これにより、磁気メモリの記憶容量の増大や小型化を図ることができる。
さらに、2個の磁気記憶素子3,5の記憶層は、2層の磁性層11及び12,13及び14が、上下の磁性層の磁化の向きが互いに反平行となるように積層されていることにより構成されているため、互いに反平行の向きである上下の磁性層の磁化が打ち消し合って、記憶層全体の合成磁化が小さくなり、記憶層の磁性層の磁化の向きを容易に変えることが可能になる。これにより、単層の磁性層のみで記憶層を構成した場合と比較して、小さい電流で磁化の向きを変えることが可能になる。また、上下に配置された2個の磁気記憶素子3,5において、互いに磁気的な干渉を生じにくくすることができる。これにより、安定して確実に情報を記録することが可能になる。
従って、各配線の幅を縮小しなくても、磁気メモリの高記録密度化を図ることが可能になる。
なお、上述の実施の形態では、磁気記憶素子3,5の記憶層が、互いに反平行に磁気的結合した2層の磁性層11及び12,13及び14から構成されていたが、本発明では、1層の磁性層から記憶層を構成してもよく、3層以上の磁性層を上下の磁性層の磁化の向きが互いに反平行となるように積層させて記憶層を構成してもよい。
さらに、上述の実施の形態では、記憶層を構成する各磁性層11〜14がそれぞれ単層であったが、本発明では、磁気記憶素子の記憶層を構成する磁性層が、それぞれ、単層の磁性層であってもよく、また記録磁場に対して一様な磁性層とみなせるものであれば、異なる組成の磁性層を連続して積層した構成や、磁性層と非磁性層とが積層された構成であってもよい。
また、上述した動作の説明は、2個の磁気記憶素子(情報記憶単位)を直列に接続した場合を想定したが、2種類の配線(例えばワード線とビット線)の間に3個以上の磁気記憶素子(情報記憶単位)を直列又は並列に接続した場合でも、同様に、選択的記録及び全ての状態の読み出しが可能である。
2種類の配線の間に接続された磁気記憶素子(情報記憶単位)の個数をn個とすると、記録できる情報は2値となり、nビットの情報を記録することができる。
なお、磁気記憶素子(情報記憶単位)を並列に接続した場合には、直列に接続した場合と合成抵抗値の演算が異なるが、選択記録や読み出しは同様に行うことができる。
次に、本発明の磁気メモリの他の実施の形態を示す。
本実施の形態の磁気メモリの概略構成は、図1〜図2に示した先の実施の形態の磁気メモリと同様である。このため、先の実施の形態の磁気メモリと同様である構成については重複説明を省略する。また、各部品等は、図1〜図2に示した符号を利用して説明する。
本実施の形態の磁気メモリでは、特に、ワード線1とビット線6との間に直列に接続され、記録電流の閾値が異なる2個の磁気記憶素子3,5が、ほぼ等しい抵抗値を有する構成とする。
このような構成とするには、例えば、各磁気記憶素子3,5が図4に示したような磁気トンネル接合素子(MTJ素子)から構成される場合には、トンネル絶縁層22の材料・膜厚をほぼ同じにすればよい。
次に、図6を参照して、本実施の形態の記録動作を説明する。
本実施の形態では、2個の磁気記憶素子3,5がほぼ等しい抵抗値を有するので、R1=R2=Rとし、ΔR1=ΔR2=ΔRとする。
また、図5の場合と同様に、第1の情報記憶単位(一方の磁気記憶素子)の電流の閾値を+Ic1及び−Ic1とし、第2の情報記憶単位(他方の磁気記憶素子)の記録電流の閾値を+Ic2及び−Ic2とし、第1の情報記憶単位の方が閾値の絶対値が小さい値である構成とする。
まず、初期状態は、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位がいずれも抵抗の低い状態であったとすると、合成直列抵抗は2Rとなる。
次に、+IC1<IWRITE<+IC2を満足する書き込み電流IWRITEを印加すると、第1の情報記憶単位は高抵抗の状態R+ΔRに変化するが、第2の情報記憶単位は低抵抗の状態Rのままである。この際の合成直列抵抗は、2R+ΔRとなる。
次に、+IC2<IWRITEを満足する書き込み電流IWRITEを印加すると、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位が共に高抵抗の状態R+ΔRとなる。この際の合成直列抵抗は2R+2ΔRとなる。
次に、印加電流の極性をマイナス側にして、−IC2<IWRITE<−IC1を満足する書き込み電流IWRITEを印加すると、第1の情報記憶単位のみ低抵抗の状態Rに変化するが、第2の情報記憶単位は高抵抗の状態R+ΔRのままである。この際の合成直列抵抗は2R+ΔRとなる。
次に、IWRITE<−IC2を満足する書き込み電流IWRITEを流すことにより、第1の情報記憶単位及び第2の情報記憶単位の両方において、低抵抗の状態となる。この際の合成直列抵抗は2Rとなる。
本実施の形態の場合、前述したL,Hの4つの組み合わせのうち、(L,H)及び(H,L)は、いずれも合成抵抗値が2R+ΔRと同じ値になるため、同じ情報として扱われることになる。
従って、合成抵抗値は、2R、2R+ΔR、2R+2ΔRの3つの値となり、2個の磁気記憶素子に対して、3値の情報の記録を行うことができる。
そして、この場合には、3値のいずれの状態からでも、1回の操作で他の2値の状態に変化させることが可能である。
本実施の形態の構成は、記憶容量よりも高速性を要求される用途の場合に好適である。
そして、本発明を使用しない通常の方式のMRAMと比較して、1.5倍程度の容量を、同じチップサイズ、同じ書き込み時間で実現することが可能である。
上述の本実施の形態によれば、先の実施の形態と同様に、2種類の配線(例えばワード線及びビット線)1,6の間に2個の磁気記憶素子3,5を直列に接続し、これら2個の磁気記憶素子3,5を電流の大きさとその極性によって選択して記録することができる。
従って、磁気記憶素子3,5を高密度に配置して、単位チップ面積あたりの密度を向上し、磁気メモリの高記録密度化を図ることができる。これにより、磁気メモリの記憶容量の増大や小型化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、3値の状態のうちの任意の状態間を、1回の操作のみで遷移させることが可能になるため、情報の記録を高速に行うことが可能になる。
なお、2種類の配線(例えばワード線とビット線)の間に接続された磁気記憶素子(情報記憶単位)の個数を3個以上に増やした場合でも、それぞれの磁気記憶素子の記録電流の閾値を互いに異ならせると共に、抵抗値をほぼ同じにすれば、図6に示した実施の形態と同様の記録動作が可能である。
磁気記憶素子(情報記憶単位)の個数をn個とすると、記録できる情報は(n+1)値となり、抵抗値を異ならせた場合の2値と比較して少なくなる。
その代わりに、(n+1)値のいずれの状態からでも、記録電流の大きさと向きを選定することにより、1回の操作で他のn値の状態に変化させることが可能である。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
本発明の一実施の形態の磁気メモリの概略構成図(斜視図)である。 A 図1の磁気メモリの模式的断面図である。 B 図1の磁気メモリの模式的等価回路図である。 図1の磁気メモリの磁気記憶素子の構成の一形態を示す図である。 図3の磁気記憶素子におけるスピン注入磁化反転の書き込み電流と素子抵抗との関係を示す図である。 図1の磁気メモリにおける記録動作を説明する図である。 本発明の他の実施の形態の磁気メモリにおける記録動作を説明する図である。 スピン注入による磁化反転を利用した磁気メモリの概略構成図(斜視図)である。 図7の磁気メモリの断面図である。 従来のMRAMの構成を模式的に示した斜視図である。
符号の説明
1 ゲート電極(ワード線)、3,5 磁気記憶素子(情報記憶単位)、4 コンタクト層、6 配線(ビット線)、7 ソース領域、8 ドレイン領域、11,12,13,14 磁性層、21 記憶層、22 トンネル絶縁層、23 磁化固定層、24 反強磁性層

Claims (2)

  1. 情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有する磁気記憶素子を備えた磁気メモリであって、
    互いに交差する2種類の配線の交点付近かつ前記2種類の配線の間に、それぞれ複数個の前記磁気記憶素子が電気的に直列又は並列に接続され、
    前記2種類の配線を通じて、前記磁気記憶素子に電流を流すことにより、スピン注入により前記記憶層の磁化の向きが反転して、前記磁気記憶素子に情報の記録が行われ、
    複数個の前記磁気記憶素子は、それぞれ情報の記録が可能になる記録電流の閾値が異なり、
    前記複数個の磁気記憶素子の抵抗値がほぼ等しく、
    各前記磁気記憶素子の前記記憶層が、それぞれ異なる情報記憶単位を構成する
    磁気メモリ。
  2. 情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有する磁気記憶素子を備え、
    互いに交差する2種類の配線の交点付近かつ前記2種類の配線の間に、それぞれ複数個の前記磁気記憶素子が電気的に直列又は並列に接続され、
    前記2種類の配線を通じて、前記磁気記憶素子に電流を流すことにより、スピン注入により前記記憶層の磁化の向きが反転して、前記磁気記憶素子に情報の記録が行われ、
    複数個の前記磁気記憶素子は、それぞれ情報の記録が可能になる記録電流の閾値が異なり、
    前記複数個の磁気記憶素子の抵抗値がほぼ等しく、
    各前記磁気記憶素子の前記記憶層が、それぞれ異なる情報記憶単位を構成する磁気メモリに対して、
    前記複数個の前記磁気記憶素子のそれぞれの記録電流の閾値のうち、いずれか2つの閾値の中間の値に記録電流を選定する、或いは最大の閾値よりも大きい値に記録電流を選定することにより、前記複数個の前記磁気記憶素子に対して選択的に情報の記録を行う
    磁気メモリの記録方法。
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