JP3767930B2 - 情報の記録・再生方法および情報記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、第1および第2の強磁性体層を含み、磁界の印加条件によって抵抗値が第1の抵抗値または第2の抵抗値となり、然も、磁気抵抗曲線がヒステリシス特性を示す情報記録部と、電流が供給されそれにより前記磁界を形成する電極と、を具えた磁気メモリ素子における情報記録・再生方法とその実施に好適な情報記憶装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
巨大磁気抵抗(GMR: Giant Magnetoresistance)効果を利用した磁気メモリ素子の一例およびこの素子における情報の記録・再生方法が、例えば文献I(ジャパニーズ ジャーナル アプライド フィジックス (Jpn.J.Appl.Phys.)Vol.34(1995)pp.L415-L417)に開示されている。この素子は、基板と、この基板上に形成された情報記録部と、該情報記録部上に形成された絶縁層と、該絶縁層上に形成された磁界形成用電極と、情報記録部両端に形成され該記録部の抵抗値検出用電極と、を具えたものであった。ここで情報記録部は、保磁力の異なる第1および第2の強磁性体層(NiFeCoおよびCoPt)と非磁性体層(Cu)とを[{CoPt/Cu/NiFeCo}/Cu]のごとく積層した単位構造をさらに複数積層したGMR層で、構成されている。また、この情報記録部の磁化曲線および磁気抵抗曲線は、模式的にはそれぞれ、図15(A)および(B)の様なものとなる。ただし、図15(A)において11は上記積層単位の要部を示し、また11a,11b,11cはこの順でいってNiFeCo層、Cu層、CoPt層をそれぞれ示す。磁化曲線は2つの強磁性体層11a,11cの保磁力差に起因してステップ状となっている。また、ある磁界強度範囲(図15(A)のb及びd)において各強磁性体層11a,11cの磁化方向は逆向きとなり、このとき、情報記録部11の抵抗値は大きくなる(図15(B)のb,d参照)。一方、上記磁界強度範囲を越える磁界(図15(A)のa及びc)において各強磁性層11a,11cの磁化方向は同じ向きとなり、このとき、情報記録部の抵抗値は小さくなる。
【0003】
また、この文献Iでは磁気メモリ素子への情報の記録は、磁界形成用電極に大きな電流を流すことにより漏洩磁界を発生させて行っている。具体的には、記録させたい情報状態が「1」か「0」かに応じ、+Hまたは−Hの大きな磁界をGMR層に印加して、図15(A)におけるaまたはcの磁化状態(すなわちGMR層の抵抗値としては、状態「1」、状態「0」いずれも低抵抗状態)を形成し記録を行っている(例えば文献Fig.4(a))。また、情報の再生は、磁界形成用電極に記録時よりも小さなパルス状の電流を流すことによりGMR層に−hから+hに変化するようなパルス状の磁界を印加する(例えば文献Fig.4(b))。具体的には、図15(A)のcの磁化状態(情報状態「0」)にある場合、パルス状の電流を電極に流すことでGMR層に−hから+hに変化するパルス磁界を印加する。するとGMR層の磁化状態は−hにおいてc状態のままであり+hにおいてd状態となるので、結局、GMR層の抵抗値は、低抵抗状態c(図15(B))から高抵抗状態dに変化する。一方、図15(A)のaの磁化状態(情報状態「1」)にある場合、情報再生のためのパルス状の電流を電極に流すことでGMR層に−hから+hに変化するパルス磁界を印加する。すると、GMR層の磁化状態は−hにおいてb状態になり+hにおいて再びa状態に戻るので、結局、GMR層の抵抗値は、高抵抗状態b(図15(B))から低抵抗状態aに変化する。GMR層の抵抗値をモニターしながら上記の様に電極にパルス状の電流を流すと、このGMR層の抵抗値の変化パターンは、GMR層の記録状態が「0」か「1」かによって上記のごとく異なってくるので、この抵抗値の変化パターンの違いにより情報の再生が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の情報記録・再生方法では、情報再生の際にも磁界形成用電極にパルス状の再生電流を流す必要があるため、情報の記録・再生時の消費電流が多くなってしまうという問題点があった。また、情報再生の際にパルス状の再生電流を電極に流し、そしてこれに応答するGMR層の抵抗値の変化パターンを検出する必要があるので、情報の再生に要する時間がその分長くなってしまう(高速動作が制約される)という問題点があった。そこで、従来に比べ情報再生の際の消費電力の低減が図れ、かつ、高速での情報再生動作が可能な情報の記録・再生方法およびその実施に好適な情報記憶装置の実現が望まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、この出願の第一発明の情報の記録・再生方法によれば、第1および第2の強磁性体層を含み、磁界の印加条件によって前記第1および第2の強磁性体層の磁化方向が同じかまたは逆となり、該磁化方向に応じて第1の抵抗値または第2の抵抗値を示し、然も、磁気抵抗曲線がヒステリシス特性を示す情報記録部と、電流が供給されそれにより前記磁界を形成する電極と、を具えた磁気メモリ素子(以下、「所定の磁気メモリ素子」と略称することもある。)への情報記録および該素子からの情報再生を行なうに当たり、
所定の磁気メモリ素子を2個用いて情報の記憶単位を構成すると共に、
前記記憶単位への情報記録は、(i) 前記記憶単位における一方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給し、かつ、他方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給するか、(ii)前記一方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給し、かつ、他方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を前記第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給するか、 (iii) 前記2個の磁気メモリ素子それぞれの情報記録部の抵抗値を同じ値に固定する磁界を形成し得る電流をこれら磁気メモリ素子それぞれの電極に供給するかのいずれかを、記録させたい情報状態に応じて実行することにより行ない、
前記記憶単位からの情報の再生は、前記2個の磁気メモリ素子それぞれに固定される抵抗値の差分を検出することにより行なうことを特徴とする。
なお、この第一発明において、抵抗値を同じ値に固定するという上記 (iii) の条件は、抵抗値を全く同じ値に固定する場合はもちろんのこと、両者がある許容値をもって同じ値になる場合も含む(以下の装置発明において同じ)。
【0006】
なお、ここでいう第1の抵抗値は、第2の抵抗値との違いが検出できるなら絶対値に限られるものではなくある範囲内において記録時ごとに異なる値でも良く、第2の抵抗値も同様に絶対値に限られるものではなくある範囲内において記録時ごとに異なる値でも良い(以下の各発明において同じ。)。また、抵抗値を検出してとは、抵抗値を他の物理量例えば電圧または電流として検出する場合でも良い。
【0007】
この第一発明によれば、情報再生の際は、磁界形成用の電極に再生電流を流す必要は無く、情報記録部の抵抗値を検出するための電流のみで済む。そのため、情報再生時の消費電流を従来に比べ少なく出来るから、その分、情報の記録・再生での消費電力の低減が図れる。また、情報再生に当たって、従来は磁界形成用の電極にパルス状の再生電流を流してそれに応じて生じる情報記録部での抵抗値の変化パターンを検出するという一連の処理が必要であったのに対し、この発明では情報記録部の抵抗値を単に検出するのみで済む。このため、従来に比べ、情報の再生動作の高速化が図れる。
【0009】
この第一発明によれば、上述の作用・効果が得られると共に、以下の様な別の作用・効果も得られる。
【0010】
第一発明では、1つの記憶単位を2個の所定の磁気メモリ素子で構成し、かつ、これら所定の磁気メモリ素子それぞれの情報記録部に固定される抵抗値の大小関係が記憶したい「0」または「1」に応じて逆転するように、抵抗値を固定し、そして、これら固定された抵抗値の差分をとる。ここでこの差分は、記録された情報が「0」か「1」かによって、プラスまたはマイナスの値を示すので、これらプラス/マイナスの情報により記録情報が「0」なのか「1」なのかが判定できる。しかも、2個の磁気メモリ素子が同様な設計のものであるなら両者が示す抵抗値の両者間における再現性(相対的な再現性)は高いと考えられるから、両者が示す抵抗値の差分の再現性は高いといえ、したがって、より信頼性の高い情報再現が可能になる。
【0012】
さらに、この第一発明によれば、上述の作用・効果が同様に得られると共に、以下の様な別の作用・効果も得られる。すなわち、2個の所定の磁気メモリ素子それぞれの情報記録部に固定される抵抗値の大小関係として、一方が他方より大きい場合と、一方が他方より小さい場合と、双方が同じ場合の、3つの関係が設定できる。そして、このように固定された抵抗値の差分としては、上記の抵抗値の大小関係に対応して、プラス、マイナスおよび0(差なし)の3つの結果が得られる。したがって、この第一発明によれば、記録状態として3つの状態を情報記録部に書き込めるから、記憶容量の大きな情報記録ができる。
【0014】
また、この出願の第二発明によれば、所定の磁気メモリ素子を2個用いて構成された情報の記憶単位を少なくとも1個と、記録させたい情報に応じ該記憶単位の2個の磁気メモリ素子それぞれの電極に上記の(i) の条件、(ii)の条件または(iii) の条件で電流を供給して情報を記録する情報記録手段と、所定の情報再生手段とを具える。このため、第一発明を容易に実施できる情報記憶装置が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。なお、説明に用いる各図はこの発明を理解出来る程度に各構成成分の寸法、形状および配置関係を概略的に示してある。また、各図において同様な構成成分については同一の番号を付して示してある。
【0016】
1.所定の磁気メモリ素子の説明
はじめに、この出願の各発明で用いる所定の磁気メモリ素子のいくつかの例について説明する。
【0017】
1−1.スピンバルブタイプの磁気メモリ素子
先ず、図1〜図3を参照して、所定の磁気メモリ素子の1例として、保磁力が同じ第1および第2の強磁性体層と反強磁体層とを含む磁気メモリ素子20(これを、以下、「スピンバルブタイプの磁気メモリ素子」と称することもある。)の一例を説明する。ここで、図1(A)はこの磁気メモリ素子20の全体図、図1(B)は該素子20に備わる情報記録部23の要部の説明図である。このスピンバルブタイプの磁気メモリ素子20は、基板21と、該基板21上に設けられた情報記録部23と、該情報記録部23上に設けられた絶縁層25と、該絶縁層25上に設けられた磁界形成用電極27と、情報記録部23の両端にそれぞれ設けられ該情報記録部23の抵抗値検出用電極29とを具えた構造となっている。ここで情報記録部23は、スピンバルブ・タイプの巨大磁気抵抗(GMR)層で構成してある。具体的には、第1の強磁性体層23aと、非磁性体層23bと、第2の強磁性体層23cと、反強磁性体層23dとをこの順番で積層した積層単位23x(図1(B)参照)をさらに複数層積層したGMR層で構成してある。ただし、積層単位23xが1層の場合のスピンバルブ・タイプのGMR層で情報記録部23を構成する場合があっても良い。
【0018】
このスピンバルブタイプの磁気メモリ素子20では、電極27に電流を流すことで磁界を発生させて、情報記録部に磁界(漏洩磁界)を印加できる。然も、電極27に流す電流の向き(図1に矢印で示す。)および大きさを変えることによって、情報記録部23に印加する磁界の大きさおよび向きを変えることが出来る。そしてこの素子20では、情報記録部23における第1の強磁性体層23aおよび第2の強磁性体層23cそれぞれの磁化の方向は、該情報記録部23に印加される上記磁界の強度および向きに対して、以下に図2(A)を用いて説明するように変化する。さらにこの素子20では、印加磁界の強度および向きに対し情報記録部23の抵抗値は以下に図2(B)を用いて説明するように変化する。ただし、説明に用いるこの図2では、反強磁性体層23dは磁化方向が図2の左から右向きのものである例を示している。さらに、この図2では、第1および第2の強磁性体層23a,23cそれぞれが初期状態において左向きに磁化されている状態(図2の(a)の状態)からの、印加磁界変化に対する磁化の変化および抵抗値の変化の様子を示している。なお、第1および第2の強磁性体層23a,23cを上記(a)の状態に磁化するには、情報記録部23に対し磁界の向きが図2の右から左である磁界であって反強磁性体層23dに起因する磁界を打ち負かして第1および第2の強磁性体層23a,23cを左向きに磁化し得るような初期化磁界を予め印加することで行なえる。このような初期化磁界は、外部磁界でも、電極27に大電流を流して形成される磁界でも良い。
【0019】
図2に示したように、図2中の(a)の状態では、第1および第2の強磁性体層23a,23cの磁化の方向は同じであり、このような場合、情報記録部23は第1の抵抗値を示す(図2(B)の状態(a))。次に、この(a)の状態にある情報記録部23に対し左向きの磁界すなわち磁界の向きが第1および第2の強磁性体層23a,23cの現在の磁化の方向と同じである磁界を印加した場合および強度がこれら層23a,23cの磁化方向を変え得る程には大きくない右向きの磁界を印加した場合は、第1および第2の強磁性体層23a,23cの磁化方向は変化しない(図2(A)の状態(b)参照)。したがって、情報記録部23は第1の抵抗値を示したままである(図2(B)の状態(b))。次に、情報記録部23に対し、第1および第2の強磁性体層23a,23cのいずれか一方のみを現在の磁化方向とは反対方向に磁化し得る程度の強度の右向きの磁界を印加する。この場合は、反強磁性体層23dが右向きに磁化されているためこの層に接している第2の強磁性体層23cの方が右方向に磁化され易くなるから、そのためここでは強度H+Wの範囲の磁界によって第2の強磁性体層23cの磁化方向が右方向に反転し、この結果、第1及び第2の強磁性体層23a,23cの磁化方向は逆になる(図2(A)の状態(c))。第1及び第2の強磁性体層23a,23cの磁化方向が逆向き状態の場合の情報記録部23は、第1の抵抗値より大きな第2の抵抗値を示す(図2(B)の状態(c))。次に、情報記録部23に対し、上記H+Wより大きな右向きの磁界を印加する。すると、第1の強磁性体層23aもこの磁界の影響を受けるようになるため、この第1の強磁性体層23aも右向きに磁化され、その結果、第1及び第2の強磁性体層23a,23cは今度は磁化方向が右向き状態で同じ向きになる(図2(A)の状態(d))。したがって、情報記録部23の抵抗値は第1の抵抗値に戻る(図2(B)の状態(d))。共に右向きに磁化された第1および第2の強磁性体層23a,23cは、情報記録部23に対して右向きの磁界が印加されたり強度が弱い左向きの磁界(後述の強度がH-Wに至らない磁界)が印加された場合は、上記の(a)−(b)の過程の場合と同じ理由で、磁化方向は変化せず(図2の状態(e))、そのため、情報記録部の抵抗値も第1の抵抗値のままとなる(図2(B)の状態(e))。次に、情報記録部23に対し、左向きの磁界であって第1および第2の強磁性体層23a,23cのいずれか一方のみを現在の磁化方向とは反対方向に磁化し得る程度の強度の磁界H-Wを印加する。この場合は、反強磁性体23dの磁化方向に逆らうことになるので、先のH+Wに比べ大きな強度の磁界H-Wが必要になる。すなわち、H+Wの範囲が始まる磁界HA に比べH-Wの範囲が始まる磁界HB の方が絶対値が大きい磁界になる(図2(B)参照)。また、この磁界H-Wの印加においては第1及び第2の強磁性体23a,23cのうちの、反強磁性体層23dから遠い位置にある第1の強磁性体層23aの磁化方向が右から左に反転する(図2(A)の状態(f))。この結果、第1及び第2の強磁性体層23a,23cの磁化方向は逆向きになるので、情報記録部23の抵抗値は第2の抵抗値に変化する(図2(B)の状態(f))。次に、情報記録部23にさらに大きな左向きの磁界を印加すると、第2の強磁性体層23cの磁化方向も右から左に反転する。このため、第1及び第2の強磁性体層23a,23cの磁化方向は同じ向きになるので、情報記録部23の抵抗値は第1の抵抗値に戻る。
【0020】
上述の説明から分かるように、上述のスピンバルブタイプの磁気メモリ素子20では、電極27に流す電流で形成される磁界の向きおよび大きさ次第で(すなわち電極27に流す電流の大きさおよび向き次第で)第1および第2の強磁性体層23a,23cの磁化方向が同じかまたは逆となる。さらにその磁化方向に応じて情報記録部23は第1の抵抗値または第2の抵抗値を示し、かつ、磁化抵抗曲線はヒステリシス特性を示すものとなる。然も、印加磁界の向きが右向きの場合での磁化抵抗曲線と、印加磁界の向きが左向きの場合での磁化抵抗曲線とは異なる(H+w、H-Wが異なる)ものになる。
【0021】
次に、上述のスピンバルブタイプの磁気メモリ素子20の具体的な構成例およびその特性を説明する。基板21をMgO基板で構成し、第1および第2の強磁性体層23a,23cをCo層により構成し、非磁性体層23bをCu層により構成し、反強磁性体層23dをFe50Mn50合金層により構成し、絶縁層25をSiO2 層により構成する。なお、これらCo層、Cu層、FeMn合金層およびSiO2 層はスパッタ法により形成する。また、各層の厚さは、例えば、Co層を60Å、Cu層を28Å、FeMn合金層を210Å、SiO2 層を0.5μmとする。これらCo層、Cu層、Co層およびFeMn合金層で構成される積層単位を1層とするか複数層とするかは、設計に応じ決めれば良い。このような構成としたスピンバルブタイプの磁気メモリ素子20の磁気抵抗特性を直流4端子法により測定した結果は、例えば図3に示したようになる。すなわち、図2を用いて説明したと同様、ヒステリシス特性をもつ磁化抵抗曲線になる。これについていま少し説明する。
【0022】
図3のグラフの横軸は磁界の強度(Oe)を表し、縦軸は媒体の電気抵抗率の増加率を示している。ただし、この増加率は、第1および第2の強磁性体層23a,23cの磁化の方向が同じとなっているときの電気抵抗を基準としている。この具体例のスピンバルブタイプの磁気メモリ素子では、図2に示したH+Wに当たる磁界強度は、約30〜約110Oeの範囲となり、H-Wに当たる磁界強度は約−100〜−200Oeの範囲となることが、図3から分かる。さらに、第1の抵抗値に対し第2の抵抗値は約5%増加することが、図3から分かる。耐ノイズ性を考えると、H+WやH-Wは磁界0からある程度離れた強度範囲にあることが好ましい。一方、H+WやH-Wが磁界0からあまり離れた強度範囲であると、消費電流の点で好ましくない。また、制御性の点でH+WやH-Wはある程度の強度範囲も持つすなわちこれら範囲が磁気抵抗曲線において矩形状の特性を示すのが好ましい。これらの点から、この具体例のスピンバルブタイプの磁気メモリ素子は、この発明でいう所定の磁気メモリ素子として好ましい。
【0023】
なお、上記の具体例では、情報記録部23をFeMn/Co/Cu/Co の積層構造を用いて構成した例を説明したがこれに限るものではない。例えば、強磁性体層23a,23cの材料としては、Fe、Ni、Coまたはこれらの合金等を用いることができる。また、反強磁性体層23dの材料としては、NiOやCoO等を用いることができる。また、非磁性体層23bの材料としては、AgやCr等を用いることができる。例えば、これらの材料を組合せて構成される素子、例えば[NiO/Co/Cu/Co]の積層構造または[FeMn/Fe/Cr/Fe] の積層構造を用いて情報記録部23を構成した磁気メモリ素子もスピンバルブタイプの磁気メモリ素子となり得る。
【0024】
1−2.異保磁力タイプの磁気メモリ素子
次に、図4および図15を参照して、所定の磁気メモリ素子の他の例として、保磁力が異なる第1および第2の強磁性体層を含む磁気メモリ素子30(以下、「異保磁力タイプの磁気メモリ素子30」と称することもある。)の一例を説明する。文献Iに開示されている磁気メモリ素子も、このタイプの素子に相当する。ここで、図4(A)は異保磁力タイプの磁気メモリ素子30の全体図、図4(B)は該素子30に備わる情報記録部33の要部の説明図である。この異保磁力タイプの磁気メモリ素子30は、基板21と、該基板21上に設けられた情報記録部33と、該情報記録部33上に設けられた絶縁層25と、該絶縁層25上に設けられた磁界形成用電極27と、情報記録部33の両端にそれぞれ設けられ該情報記録部33の抵抗値検出用電極29と、を具えた構造となっている。ここで情報記録部33は、第1の非磁性体層33aと、第1の強磁性体層33bと、第2の非磁性体層33cと、第1の強磁性体層33bとは保磁力が異なる第2の強磁性体層33dとをこの順番で積層した積層単位33x(図4(B)参照)をさらに複数層積層したGMR層で構成してある。ただし、積層単位33xが1層の場合のGMR層で情報記録部33を構成する場合があっても良い。
【0025】
この異保磁力タイプの磁気メモリ素子30の場合も、電極27に電流を流すことで磁界を発生させて、情報記録部33に磁界(漏洩磁界)を印加できる。然も、電極27に流す電流の向きおよび大きさを変えることによって、情報記録部33に印加する磁界の大きさおよび向きを変えることが出来る。そして、磁界の向きを変えることによって第1および第2の強磁性体層33b,33dの磁化方向が同じかまたは逆となる。さらにこれら強磁性体層33b,33dの磁化方向が同じか逆かに応じて情報記録部33は第1の抵抗値または第2の抵抗値を示し、かつ、ヒステリシス特性をもつ磁気抵抗曲線を示す。その磁気抵抗曲線を模式的に示した場合、それは図15(B)のようになる。なお、異保磁力タイプの磁気メモリ素子30の場合は、スピンバルブタイプの磁気メモリ素子20が有していた反強磁性体層を有していないので、印加磁界が右向きのときの磁気抵抗曲線と印加磁界が左向のときの磁気抵抗曲線とが、磁界0を中心に対称となる(図15(B)参照)。
【0026】
この異保磁力タイプの磁気メモリ素子30の具体的な構成例として、例えば、基板31をガラス基板で構成し、第1および第2の非磁性体層33a,33cをCu層により構成し、第1の強磁性体層33bをCo層により構成し、第2の強磁性体層33dをNiFeCo合金層により構成し、絶縁層25をSiO2 層により構成した素子が挙げられる。或は、高保磁力を示す層33の構成材料として、FeやCoPt等を用いても良い。また、低保磁力を示す層の構成材料としてFeNやFeSiAl等を用いても良い。また、非磁性体層の構成材料としてAgやCr等を用いても良い。例えば、これらの材料を組合せて構成される素子、例えば[{Fe/Ag/FeN}/Ag]の人工格子または[{CoPt/Cr/FeSiAl}/Cr] の人工格子を用いて情報記録部33を構成した磁気メモリ素子も異保磁力タイプの磁気メモリ素子となり得る。
【0027】
2.情報の記録・再生方法の説明
2−1.第1の参考例
2−1−1.第1の参考例の第1の形態
まず、第1の参考例の情報の記録・再生方法であって、スピンバルブタイプの磁気メモリ素子20に対しての情報の記録・再生方法の第1の形態について、図1〜図3および図5を参照して説明する。ただし、ここでの説明では、スピンバルブタイプの磁気メモリ素子20における第1および第2の強磁性体層23a,23cが、初期化において図2(A)における状態(d)のように磁化されているものとして説明を行なう。
【0028】
第1の参考例では、磁気メモリ素子20への情報の記録は、記憶させたい情報状態に応じ、情報記録部23の抵抗値を第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流値あるいは第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流値のいずれかを、磁界形成用電極27に供給することにより行う。そこで、この第1の形態では、記憶させたい情報状態が例えば「0」の場合は、図2を用いて説明したH-Wの強度範囲の磁界が形成できる電流、ここでは図5に示した−Ha の磁界が形成出来る電流を磁界形成用電極27に流し、その後、この電流の供給を停止する。こうすると、−Ha の磁界が印加された後にこの磁界が0にされるので(図5中のルート(1))、この磁気メモリ素子20の情報記録部23の抵抗値は抵抗値Ra (高抵抗値)に固定され保持される。また、記憶させたい情報状態が「1」の場合は、図2を用いて説明したH+Wの強度範囲を越える磁界が形成できる電流、ここでは図5に示したHb の磁界が形成出来る電流を磁界形成用電極27に流し、その後、この電流の供給を停止する。こうすると、Hb の磁界が印加された後にこの磁界が0にされるので(図5中のルート(2))、この磁気メモリ素子20における情報記録部23の抵抗値は抵抗値Rb (低抵抗値)に固定され保持される。もちろん、情報状態「0」、「1」に対する電流の供給条件を上述の逆としても良い。ここで、図5から、−Ha およびHb は、大きさが同じで磁界の向きが反対である磁界としても良いことが分かる。すなわち、−Ha およびHb を適正な値に選ぶと、磁界形成用の電極27に流す電流の大きさは同じで向きを逆転させるのみで、「0」、「1」の情報に対応する抵抗値Ra またはRb を情報記録部23に保持させることが可能になることが分かる。これについて上記の具体例の磁気メモリ素子(図3に示した磁気抵抗特性を示した素子)の場合で考えれば、記録磁界−Ha 、Hb を、−Ha については−120〜190Oeの範囲のある強度の磁界(例えば−150Oe)とし、Hb についてはこの−Ha とは逆向きの磁界(例えば150Oe)とすることで、磁界形成用の電極27に流す電流の向きを逆転させるのみで記録ができる。
【0029】
一方、情報の再生は、情報記録部23に固定される抵抗値を抵抗値検出用電極29を介し測定することで行なう。抵抗値の測定は、任意好適な手段例えば検出用ICで行なえる。また、抵抗値の測定は、抵抗値自体で行なっても良く、或は他のパラメータ例えば電圧で行なっても良い。
【0030】
2−1−2.第1の参考例の第2の形態
次に、第1の参考例の情報の記録・再生方法であって、異保磁力タイプの磁気メモリ素子30に対する情報の記録・再生方法の第2の形態について図4および図6を参照して説明する。ただし、以下の説明では、異保磁力タイプの磁気メモリ素子30における第1および第2の強磁性体層33b、33dが、初期化において図15(A)における状態(a)のように磁化されている例で考える。先ず、情報の記録に当たっては、磁界形成用電極27にスピンバルブタイプの磁気メモリ素子20の場合と同様にある所定の電流を供給しそして電流を停止するようにすれば良い。具体的には図6に示したように、磁界−Ha を形成し得る電流を供給後それを停止するか(図6中のルート(1))、磁界Hb を形成し得る電流を供給後それを停止するか(図6中のルート(2))を、記録させたい情報が「0」か「1」かに応じ行なえば良い。なぜなら、この例の場合は、第1および第2の強磁性体層33b、33dは初期化において共に右向きに磁化されているので、第1の強磁性体層33bの磁化方向を反転させ得る程度の強度の左向き磁界である−Ha の磁界を情報記録部33に印加すると情報記録部33の抵抗値はRb からRa に変化し、また、Ra をRb に戻すには、第1の強磁性体33bの磁化方向を元に戻し得る程度の強度以上の右向き磁界であるHb の磁界を情報記録部33に印加すれば良いからである。一方、情報の再生は、情報記録部33に固定された抵抗値を検出することで行なえる。
【0031】
2−2.第2の参考例
2−2−1.第2の参考例の第1の形態
次に、第2の参考例の情報の記録・再生方法の第1の形態について図7を主に参照して説明する。ここで、図7(A)はこの第2の参考例の実施に好適な情報記憶装置の構成を模式的に示した図である。また、図7(B)は磁気メモリ素子20a,20bそれぞれの電極27(図1参照)に供給する電流の向きとこの電流により形成される磁界との関係を示した図である。なお、詳細は後述するが、図7(A)において41は記憶単位、43は情報記録手段、45は情報再生手段をそれぞれ示す。さらに、図7(A)において、45aはこの第2の参考例の形態での情報再生手段45の一構成成分である第1の抵抗検出手段、45bは同じく第2の抵抗検出手段、45cは抵抗検出手段45a,45bの出力を比較するための比較手段をそれぞれ示す。
【0032】
第2の参考例では、所定の磁気メモリ素子を2個用いて情報の記憶単位41を構成する。この図7の例の場合は2個のスピンバルブタイプの磁気メモリ素子20a,20bを用いて記憶単位41を構成した例を示している。またこの第2の参考例では、(i) 記憶単位41における一方の磁気メモリ素子20aの情報記録部の抵抗値を第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子20aの電極27(図1参照)に供給し、かつ、他方の磁気メモリ素子20bの情報記録部の抵抗値を前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子20bの電極27に供給するか、(ii)一方の磁気メモリ素子20aの情報記録部の抵抗値を前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子20aの電極27に供給し、かつ、他方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を前記第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極27に供給するかのいずれかを、記録させたい情報状態に応じて実行する。ここで、上記の(i),(ii)を実現する電流の具体的な供給条件は、2個の磁気メモリ素子20a,20bの情報記録部に対し情報を図2(B)中のどのルートでの磁界印加条件で記録させるか、および、2個の磁気メモリ素子20a,20bそれぞれの第1および第2の強磁性体層の磁化方向を初期化時にどのようにするかにより変更出来る。そこでここでは、その一例として、磁界の印加条件を図5を用いて説明したルート(1)およびルート(2)とする例を考える。その場合は2個の磁気メモリ素子20a,20bそれぞれの第1および第2の強磁性体層の磁化方向がすべて図2の状態(a)または状態(d)になるように、初期化磁化をする。そして、両素子20a,20bの強磁性体層すべてを図2の状態(d)になるように初期化磁化をした場合において図7中の磁気メモリ素子20aに図5のルート(2)で磁界Hb が印加され、かつ、磁気メモリ素子20bに図5のルート(1)で磁界−Ha が印加されるように電流を各素子の電極27(図1参照)に流すと、磁気メモリ素子20aは低抵抗値を示し、また磁気メモリ素子20bは高抵抗値を示すようになる。また電流の大きさは同じで向きを上記例とは逆にすると、磁気メモリ素子20aは高抵抗値を示し、磁気メモリ素子20bは低抵抗値を示すようになる。なお、このような電流の供給停止はここでは情報記録手段43により行なう。この情報記録手段は任意好適な回路で構成出来る。2つの磁気メモリ素子20a,20bへの上記のような電流の供給・停止を、記憶させたい情報状態が「0」か「1」かに応じ行なうことで、2つの磁気メモリ素子20a,20bには、抵抗値の大小関係が異なる記録状態を形成出来る。
【0033】
また、情報再生は次のように行なう。一方の磁気メモリ素子20aが保持した抵抗値を第1の抵抗検出手段45aにより検出し、他方の磁気メモリ素子20bが保持した抵抗値を第2の抵抗検出手段45bにより検出する。この検出結果を比較手段45cは比較し、その比較結果を出力する。2つの磁気メモリ素子20a,20bが保持する抵抗値の大小関係に応じ、比較手段45cの出力はプラス若しくはマイナスとなるので、記憶されていた情報が何であったかは、この比較手段45cの出力がマイナスかプラスかにより判断できる。なお、第1および第2の抵抗検出手段45a,45bは例えば抵抗検出用のICで構成出来、比較手段は公知の比較回路により構成出来る。
【0034】
2−2−2.第2の参考例の第2の形態
図7に示した例の場合では記憶単位における2個の磁気メモリ素子20a,20bそれぞれを情報記録手段43と別々の信号線で接続する例を示した。このため図7の例では記憶単位41に対し2組の信号線が必要であった。しかしこれは特に記憶単位を多数具えた情報記憶装置を構成する場合、信号線の数を増加させるので改善が望まれる。以下、その対策例(第2の形態)について説明する。図8はその説明に供する図であり、図7に対応させて示した図である。この例の場合は、2つの磁気メモリ素子20a,20bの磁界形成用電極に反対向きに電流が流れるような接続関係でこれら電極を直列に接続し、そして該直列に接続した電極と情報記録手段43とを1組の信号線43aを介し接続している。この構成では、ある電流値を信号線43aに流すと、2つの磁気メモリ素子20a,20bにはそれぞれ逆向きに電流が供給される。この結果、一方の磁気メモリ素子20aに上記の−Ha の磁界を形成する場合は、他方の磁気メモリ素子20bにHb の磁界を形成でき、また、一方の磁気メモリ素子20aに上記のHb の磁界を形成する場合は、他方の磁気メモリ素子20bに−Ha の磁界を形成できるようになるので、信号線数を減らせるにもかかわらず、第1の形態と同様に情報記録が出来る。なお、この第2の形態の場合は、初期化磁化のために信号線43aに大電流を流すと、2個の磁気メモリ素子間で強磁性体層の磁化の方向は逆向きとなってしまう。よって、2個の磁気メモリ素子それぞれの強磁性体層の磁化の方向を同じにする初期化磁化は外部磁界により行なう。
【0035】
2−2−3.第2の参考例の第3、第4の形態
図7および図8を用いて説明した第1、第2の形態において、2個のスピンバルブタイプの磁気メモリ素子を異保磁力タイプの磁気メモリ素子30にそれぞれ代えた場合も、上記の各形態と同様な効果が得られる。
【0036】
2−3.第一発明の実施の形態
2−3−1.第一発明の第1の実施の形態
次に、第一発明の情報の記録・再生方法の第1の実施の形態について図9および図10を参照して説明する。ここで、図9(A)はこの第一発明の実施に好適な情報記憶装置の構成を模式的に示した図である。また、図9(B)は磁気メモリ素子20a,20bの電極27(図1参照)に供給する電流の大きさおよび向きと、この電流により形成される磁界との関係を示した図である。なお、この図9(A)に示した各構成成分のうちの特に情報記録手段51は、少なくとも3値の電流を発生できるものである点で第2の参考例における情報記録手段43と相違する。また、図10は、用いたスピンバルブタイプの磁気メモリ素子での磁気抵抗曲線と記録磁界との関係を説明する図である。
【0037】
第一発明では、所定の磁気メモリ素子を2個用いて情報の記憶単位41を構成する。この図9の例の場合は2個のスピンバルブタイプの磁気メモリ素子20a,20bを用いて記憶単位41を構成した例を示している。またこの第一発明では、(i) 記憶単位41における一方の磁気メモリ素子20aの情報記録部の抵抗値を第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子20aの電極(磁界形成用電極)に供給し、かつ、他方の磁気メモリ素子20bの情報記録部の抵抗値を前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子20bの電極に供給するか、(ii)一方の磁気メモリ素子20aの情報記録部の抵抗値を前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子20aの電極に供給し、かつ、他方の磁気メモリ素子20bの情報記録部の抵抗値を前記第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子20bの電極に供給するか、(iii) 2つの磁気メモリ素子20a,20bそれぞれの情報記録部の抵抗値を同じ値に固定する磁界を形成し得る電流をこれら磁気メモリ素子20a,20bそれぞれの電極に供給するかのいずれかを、記録させたい情報状態に応じて実行する。ここで、上記の(i),(ii),(iii)を実現する電流の具体的な供給条件は、2個の磁気メモリ素子20a,20bの情報記録部に対し情報を図2(B)中のどのルートでの磁界印加条件で記録させるか、および、2個の磁気メモリ素子20a,20bそれぞれの第1および第2の強磁性体層の磁化方向を初期化時にどのようにするかにより変更出来る。そこでここでは、その一例として、磁界の印加条件を図10に示したルート(a)、ルート(b)、ルート(c)、ルート(a)’、ルート(b)’およびルート(c)’とする例を考える。その場合は2個の磁気メモリ素子20a,20bのうちの一方の素子の第1および第2の強磁性体層の磁化方向が図2の状態(a)になるように、かつ、他方の素子の第1および第2の強磁性体層の磁化方向が図2の状態(d)になるように初期化磁化をする。そして、例えば、図9中の磁気メモリ素子20aの第1および第2の強磁性体層の磁化方向が図2の状態(a)になるように、かつ、素子20bの第1および第2の強磁性体層の磁化方向が図2の状態(d)になるように初期化磁化をした場合において図9中の磁気メモリ素子20aに図10のルート(a)で磁界Ha が印加され、かつ、磁気メモリ素子20bに図10のルート(a)’で磁界−Ha ’が印加されるように電流を各素子の電極27(図1参照)に流すと、磁気メモリ素子20aは高抵抗値を示し、磁気メモリ素子20bは低抵抗値を示すようになる。また、メモリ素子20aに図10のルート(b)で磁界Hb が印加され、かつ、磁気メモリ素子20bに図10のルート(b)’で磁界−Hb ’が印加されるように電流を各素子の電極27(図1参照)に流すと、磁気メモリ素子20aは低抵抗値を示し、磁気メモリ素子20bは高抵抗値を示すようになる。また、メモリ素子20aに図10のルート(c)で磁界Hc が印加され、かつ、磁気メモリ素子20bに図10のルート(c)’で磁界−Hc ’が印加されるように電流を各素子の電極27(図1参照)に流すと、磁気メモリ素子20aおよび磁気メモリ素子20bはいずれも低抵抗値を示すようになる。したがって、この第一発明では、記憶単位41に、3種類の抵抗値の組み合わせ、すなわち、素子20a,20bが示す抵抗値の大小関係が20a>20b、20a<20b、20a=20bという3種類の組み合わせを、記録出来る。このため、この第一発明では3値の情報を記憶単位任意に記録出来るので、より多くの情報量の記録が可能になる。なお、この場合は、Ha と−Ha ’とは絶対値が同じでかつ逆向きの磁界とでき、Hb と−Hb ’とは絶対値が同じでかつ逆向きの磁界とでき、Hc と−Hc ’とは絶対値が同じでかつ逆向きの磁界とできることが、図10から分かる。なぜなら、スピンバルブタイプの磁気抵抗素子の磁気抵抗曲線が右向き磁界と左向き磁界とで異なるからである。
【0038】
また、情報再生は次のように行なう。一方の磁気メモリ素子20aが保持した抵抗値を第1の抵抗検出手段45aにより検出し、他方の磁気メモリ素子20bが保持した抵抗値を第2の抵抗検出手段45bにより検出する。この検出結果を比較手段45cは比較し、その比較結果を出力する。2つの磁気メモリ素子20a、20bが保持する抵抗値の大小関係に応じ、比較手段45cの出力はプラス、マイナス若しくは0(差なし)となるので、記憶されていた情報が何であったかは、比較手段45cの出力がマイナスかプラスかゼロかにより判断できる。
【0039】
2−3−2.第一発明の第2の実施の形態
図9に示した例の場合では記憶単位における2個の磁気メモリ素子20a,20bそれぞれを情報記録手段51と別々の信号線で接続する例を示した。このため図9の例では記憶単位41に対し2組の信号線が必要であった。しかしこれは特に記憶単位を多数具えた情報記憶装置を構成する場合、信号線の数を増加させるので改善が望まれる。そこで、この第一発明において第2の参考例の第2の形態において説明したように、2つの磁気メモリ素子20a,20bの磁界形成用電極に反対向きに電流が流れるような接続関係でこれら電極を直列に接続し、そして該直列に接続した電極と情報記録手段とを1組の信号線を介し接続し、信号線数の低減を図るのが良い。
【0040】
2−3−3.第一発明の第3の実施の形態
上記第一発明の第1及び第2の実施の形態の構成において、2個のスピンバルブタイプの磁気メモリ素子を異保磁力タイプの磁気メモリ素子30にそれぞれ代えた場合も、上記の各実施の形態と同様な効果が得られる。ただし、この場合は以下に説明する点に留意する必要がある。
【0041】
異保磁力タイプの磁気メモリ素子30の場合、スピンバルブタイプの磁気メモリ素子20が有していた反強磁性体層を有していないので、印加磁界が右向きのときの磁気抵抗曲線と印加磁界が左向のときの磁気抵抗曲線とが、磁界0を中心に対称となることは既に説明した(図15(B)参照)。したがって、異保磁力タイプの磁気メモリ素子30を2個用いて構成された記憶単位にスピンバルブタイプの磁気メモリ素子のときと同じ記録磁界すなわち図10の記録磁界(Ha =|−Ha ’|、Hb =|−Hb ’|、Hc =|−Hc ’|)を印加すると、所望の記録が行なえない。そこで、この場合は図11に示したように、Ha ≠|−Ha ’|、Hb ≠|−Hb ’|、Hc ≠|−Hc ’|であってそれぞれ適正な大きさの記録磁界Ha 、Hb 、Hc 、−Ha ’、−Hb ’、−Hc ’が、ルート(a)、ルート(b)、ルート(c)、ルート(a)’、ルート(b)’、ルート(c)’のうちの対応するルートで形成されるように、記憶単位41における2個の異保磁力タイプの磁気メモリ素子の磁界形成用電極に、所定の電流をそれぞれ供給する。ただし、選択の仕方によっては、例えば強磁界についてはHc =|−Hc ’|とできる。ここで、Ha ≠|−Ha ’等とする必要から、記憶単位41における2個の異保磁力タイプの磁気メモリ素子に供給する電流の大きさは、両素子で異なったものとする必要がある。そして、記憶単位41における2個の異保磁力タイプの磁気メモリ素子に異なる電流を流す場合、図7のように両素子に別々の信号線で電流を供給するなら問題はないが、図8(A)のような接続関係で両素子に1本の信号線で電流を供給する場合は工夫が必要に3る。このため、例えば図12に示したように、2個の磁気メモリ素子30a,30bのうちの一方の素子の磁界形成用電極27(図4参照)に並列に抵抗手段61を接続する。このように抵抗手段61を接続したので、磁気メモリ素子30bに流れる電流は磁気メモリ素子30aに流れる電流に比べ小さくなるので、2個の磁気メモリ素子に上記のHa ≠|−Ha ’|等の条件を満たした電流を1本の信号線により供給出来る。
【0042】
3.大容量の情報記憶装置の構成例
上述の第1の参考例では1個の所定の磁気メモリ素子を用いた例を、また、上述の第2の参考例及び第一発明の実施の形態では1個の記憶単位を用いた例をそれぞれ説明した。しかし、この出願の各発明は大容量の情報記憶装置を構成する場合にも適用でき、むしろそのような適用が有用である。そこで、以下に、その具体的な構成例を説明する。図13はその説明に供する図であり、大容量の記憶装置の一部要部を示した図である。具体的には、行方向に並置された記録電流線a1 〜a3 および列方向に並置された記録電流供給線b1 〜b3 で構成された記録電流供給線群と、行方向に並置された抵抗値検出線A1 〜A3 および列方向に並置された抵抗値検出線B1 〜B3 で構成された抵抗値検出線群と、行列それぞれの記録電流供給線の交差点近傍でかつ行列それぞれの抵抗値検出線の交差点近傍にそれぞれ配置された磁気メモリ素子2011〜2023とで構成された回路部分を示した図である。記録電流線群は例えばデコーダを介し例えば情報記録手段43に接続する。また、抵抗値検出線群は例えばデコーダを介し例えば情報再生手段45に接続する。もちろん、記録電流供給線および抵抗値検出線を3本ずつとしたのは説明の簡単化のためであり、これら線の本数は情報記憶装置の記憶容量によって任意とできる。なお、記録電流供給線am を磁気メモリ素子20mnの磁界形成用電極27の一端に接続してあり、記録電流供給線bn を磁気メモリ素子20mnの磁界形成用電極27の他端に接続してある。ここで、m,nは正の整数であり、図示例の場合では1〜3である(以下、同様)。また、抵抗値検出線Am を磁気メモリ素子20mnの情報記録部23の一端に接続してあり、抵抗値検出線Bn を磁気メモリ素子20mnの情報記録部23の他端に接続してある。
【0043】
この図13に示した情報記憶装置における情報記録動作は、行方向、列方向それぞれから1本ずつの記録電流供給線を選択しそれらを介して記録電流を磁気メモリ素子に流すことで、行なえる。例えば、磁気メモリ素子2011に情報の記録を行なう場合には、記録電流供給線a1 およびb1 を選択してこれらを介し記録電流を流す。このとき、記録電流供給線a1 をプラスとし記録電流供給線b1 をマイナスとするか、または、記録電流供給線a1 をマイナスとし記録電流供給線b1 をプラスとすることで、磁気メモリ素子2011の電極27周囲に2種類の異なる磁界(例えば上述の−Ha やHb )を発生させることが可能になり、従って、磁気メモリ素子2011に高低2種類の抵抗の何れかを記憶させることが可能になる。
【0044】
一方、情報再生動作、たとえば磁気メモリ素子(1,1)に記録された情報の再生動作は、抵抗値検出線A1 および抵抗値検出線B1 を介して素子2011の情報記録部23に一定電流を流すことで、該素子2011に記録された抵抗値が高抵抗化値か低抵抗値かを電圧値の大きさの違いとして検出することで行なう。この電圧値は、検出線に接続された例えば検出用ICにより読み取る。また、検出線に一定電圧を印加し、該素子(1,1)に記録された抵抗値が高抵抗化値か低抵抗値かを電流値の違いとして検出しても良い。
【0045】
その他の磁気メモリ素子20mnについての情報記録および情報再生も上記の素子2011と同様に行なえるので、任意の位置の磁気メモリ素子についての情報記録および情報再生が行なえる。また、磁気メモリ素子20mnを異保磁力タイプの磁気メモリ素子にそれぞれ代えた場合も上記の例同様に大容量の情報記憶装置を構成出来る。
【0046】
また、上記の情報記憶装置の構成において、磁気メモリ素子20mnの代わりに、2個のスピンバルブタイプの磁気メモリ素子20a,20bであってそれぞれに具わる磁界形成用電極に逆向きに電流が流れる様な接続関係でこれら電極を直列接続してある素子20a,20bで構成された記憶単位41mnを配置した構成の大容量情報記憶装置を構成しても良い。図14はその構成例を示した図である。記憶単位41を用いる場合は、情報再生の際に2個の磁気メモリ素子20a,20bそれぞれの情報記録部に保持された抵抗値を検出する必要があるので、そのために抵抗値検出線C1 〜C3 を追加し、これらと抵抗値検出線A1 〜A3 およびB1 〜B3 とで抵抗検出線群を構成する。
【0047】
上述においては、この出願の各発明の実施の形態について説明したが、これら発明は上記の実施の形態に限られない。例えば、実施の形態では磁界形成用電極27に流す電流の向きを、2つの抵抗検出用電極29を結ぶ線と直交する向きとしたが、該線と平行な方向としても良い。また、実施の形態で説明した記録磁界条件は一例であり他の磁界印加ルートで記録をする場合があっても良い。
【0048】
【発明の効果】
上述した説明から明らかなようにこの出願の各発明によれば、所定の磁気抵抗特性を有する磁気メモリ素子への情報記録および該素子からの情報再生を行なうに当たり、情報記録は、記憶させたい情報状態に応じ、情報記録部の抵抗値を前記第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流値あるいは前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流値のいずれかを、前記電極に供給することにより行い、情報再生は、前記固定される抵抗値を検出することにより行なう。このため、情報再生の際は、磁界形成用の電極に再生電流を流す必要は無く情報記録部の抵抗値を検出するための電流のみで済む。また、情報再生に当たって、従来は磁界形成用の電極にパルス状の再生電流を流してそれに応じて生じる情報記録部での抵抗値の変化パターンを検出するという一連の処理が必要であったのに対し、この発明では情報記録部の抵抗値を単に検出するのみで済む。そのため、従来に比べ、情報再生時の消費電流を低減出来、かつ、情報の再生動作の高速化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スピンバルブタイプの磁気メモリ素子の説明図(その1)である。
【図2】 スピンバルブタイプの磁気メモリ素子の説明図(その2)である。
【図3】 スピンバルブタイプの磁気メモリ素子の説明図(その3)である。
【図4】 異保磁力タイプの磁気メモリ素子の説明図である。
【図5】 第1の参考例の情報記録・再生方法の実施の形態の説明図(その1)である。
【図6】 第1の参考例の情報記録・再生方法の実施の形態の説明図(その2)である。
【図7】 第2の参考例の説明図(その1)である。
【図8】 第2の参考例の説明図(その2)である。
【図9】 第一発明の実施の形態の説明図(その1)である。
【図10】 第一発明の実施の形態の説明図(その2)である。
【図11】 第一発明の実施の形態の説明図(その3)である。
【図12】 第一発明の実施の形態の説明図(その4)である。
【図13】 大容量の情報記憶装置の説明図(その1)である。
【図14】 大容量の情報記憶装置の説明図(その2)である。
【図15】 従来技術および課題の説明図である。
【符号の説明】
20:スピンバルブタイプの磁気メモリ素子
21:基板
23:情報記録部
23a:第1の強磁性体層
23b:非磁性体層
23c:第2の強磁性体層
23d:反磁性体層
25:絶縁層
27:磁界形成用電極
29:抵抗値検出用電極
30:異保磁力タイプの磁気メモリ素子
31:基板
33:情報記録部
33a:非磁性体層
33b:第1の強磁性体層
33c:非磁性体層
33d:第2の強磁性体層(第1の層33bとは保磁力が異なる層)
Claims (5)
- 第1および第2の強磁性体層を含み、磁界の印加条件によって前記第1および第2の強磁性体層の磁化方向が同じかまたは逆となり、該磁化方向に応じて第1の抵抗値または第2の抵抗値を示し、然も、磁気抵抗曲線がヒステリシス特性を示す情報記録部と、電流が供給されそれにより前記磁界を形成する電極と、を具えた磁気メモリ素子への情報記録および該素子からの情報再生を行なうに当たり、
前記磁気メモリ素子を2個用いて情報の記憶単位を構成すると共に、
前記記憶単位への情報記録は、
(i) 前記記憶単位における一方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給し、かつ、他方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給するか、
(ii)前記一方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給し、かつ、他方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を前記第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給するか、
(iii) 前記2個の磁気メモリ素子それぞれの情報記録部の抵抗値を同じ値に固定する磁界を形成し得る電流をこれら磁気メモリ素子それぞれの電極に供給するかのいずれかを、記録させたい情報状態に応じて実行することにより行ない、
前記記憶単位からの情報の再生は、前記2個の磁気メモリ素子それぞれに固定される抵抗値の差分を検出することにより行なうこと
を特徴とする情報の記録・再生方法。 - 請求項1に記載の情報の記録・再生方法において、
前記記憶単位における2個の磁気メモリ素子の各電極に反対向きに電流が流れるような接続関係でこれら電極を直列に接続し、
該直列接続した電極に1組の信号線で電流を供給することにより前記情報記録を行なうこと
を特徴とする情報の記録・再生方法。 - 第1および第2の強磁性体層を含み、磁界の印加条件によって前記第1および第2の強磁性体層の磁化方向が同じかまたは逆となり、該磁化方向に応じて第1の抵抗値または第2の抵抗値を示し、然も、磁気抵抗曲線がヒステリシス特性を示す情報記録部と、電流が供給されそれにより前記磁界を形成する電極と、を具えた磁気メモリ素子を2個用いて構成された情報の記憶単位を少なくとも1個と、
(i) 前記記憶単位における一方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給し、かつ、他方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給するか、(ii)前記一方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を前記第2の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給し、かつ、他方の磁気メモリ素子の情報記録部の抵抗値を前記第1の抵抗値に固定する磁界を形成し得る電流を該磁気メモリ素子の電極に供給するか、(iii) 前記2個の磁気メモリ素子それぞれの情報記録部の抵抗値を同じ値に固定する磁界を形成し得る電流をこれら磁気メモリ素子それぞれの電極に供給するかのいずれかを、記憶したい情報状態に応じ行って前記記憶単位に情報を記録する情報記録手段と、
前記記憶単位における2個の磁気メモリ素子それぞれに固定される抵抗値を検出しそれらの差分に基づいて情報を再生する情報再生手段と
を具えたことを特徴とする情報記憶装置。 - 請求項3に記載の情報記憶装置において、
前記記憶単位における2個の磁気メモリ素子の各電極に反対向きに電流が流れるような接続関係でこれら電極を直列に接続してあり、
前記情報記録手段から前記記憶単位への前記電流供給用信号線を1組としてあること
を特徴とする情報記憶装置。 - 行列状態で配置された記録電流供給線群と、
行列状態で配置された抵抗値検出線群と、
行列それぞれの記録電流供給線の交差点近傍でかつ行列それぞれの抵抗値検出線の交差点近傍にそれぞれ配置された請求項3又は4に記載の磁気メモリ素子または記憶単位と
を具えたことを特徴とする情報記憶装置。
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