以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して以下の順で説明する。
1.システム構成の概要説明
2.パチンコ機及びパチンコ機付属機器の説明
3.ICタグ及びアンテナの説明
4.島管理装置の説明
5.ホールコンピュータの説明
6.監視情報及び検出情報の説明
7.RWの動作の説明
8.島管理装置の動作の説明
9.ホールコンピュータの動作の説明
10.請求項との対比
11.変形例の説明
1.システム構成の概要説明
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施の形態の遊技場監視システムの全体構成について説明する。図1は、遊技場監視システムを示す構成図である。図2は、遊技場監視システムを導入した遊技場内の外観を示す説明図である。
遊技場には、パチンコ機1が設置される設置台である遊技島200が複数設置されている。遊技島200では、パチンコ機1が背中合わせに2列に並べられて設置されている。そして、各遊技島200の内部には、パチンコ機1を監視するための監視制御装置であるリーダライタ(以下、RWと称する)30が、1台のパチンコ機1に1台ずつ設置されている。また、RW30は通信ユニット300を備えており、遊技島200の外面、パチンコ機1の前面上部に設置されている。この通信ユニット300には、RW30が外部と通信するための種々のアンテナが備えられている。そして、各通信ユニット300の上側には、遊技者が個々のパチンコ機1の遊技内容(本日の大当たり回数など)に関する情報を入手するための情報表示器201が設置されている。
また、遊技島200にはそれぞれ1台ずつ島管理装置100が設置されており、遊技場内には遊技者が利用する遊技者端末400が1台設置されており、遊技場外の事務室にはホールコンピュータ600が1台設置されている。そして、これらのRW30、島管理装置100、遊技者端末400及びホールコンピュータ600は、店内ネットワーク150に接続している。
かかる遊技場監視システムにおいては、各RW30により、各パチンコ機1に設置された後述の監視タグ86と監視アンテナ68と(図3〜図5参照)のRFID通信を利用して、両者の通信状態に基づいて開閉部材の開閉状態が監視される。RW30は、継続的に監視アンテナ68から監視タグ86を呼び出す呼出波を送信しており、予めRW30に登録されているIDコードを含む反射波を送信する監視タグ86とのRFID通信が成立している状態では、監視場所は閉じられている(正常)と判断される。そして、監視タグ86と監視アンテナ68とのRFID通信が断たれた場合や、予めRW30に登録されている監視タグでないICタグとRFID通信をした場合には異常と判断され、RW30から島管理装置100へ「異常情報」が送信される。
また、遊技場の係員は係員カード510を所持している。係員カード510は、カード型のICタグであり、係員の身分を証明するためのカードである。係員はパチンコ機1の玉詰まりの除去等の作業を行う際に、パチンコ機1の前面や本体枠10(図3参照)を開放する。しかしながら、この係員による開放は作業のための開放であり、不正者による不正開放ではない。そこで、係員は係員カード510を用いてRW30に作業を行う旨を認識させる(「認証状態」とさせる)。
この係員カード510には、係員を識別可能なIDコード(ICタグ固有の識別コード)が記憶されており、RW30にはこの係員カード510と通信するための認証アンテナ301が備えられ、通信ユニット300に内蔵されている(図5参照)。そこで、係員は作業を行う前に係員カード510を通信ユニット300にかざす。すると、認証アンテナ301と係員カード510とのRFID通信が成立するので、RW30は「認証状態」とされ、監視タグ86と監視アンテナ68とのRFID通信が断たれても係員による「作業中」であると判断される。そして、島管理装置100へは「異常情報」でなく、「作業情報」が送信されることとなる。なお、この「認証状態」は10秒経過した際に、全ての監視場所が閉じられていれば解除される。また、10秒経過後に1つでも開放されている監視場所があれば、全ての監視場所が閉じられてから解除される。
また、RW30から「異常情報」及び「作業情報」を受信した島管理装置100は、それらの情報をホールコンピュータ600へ送信する。そして、各パチンコ機1についての「異常情報」はホールコンピュータ600において集計、記憶される。しかし、不正開放が行われた際には、その行為に対して係員が対処する必要がある。そこで、「異常情報」を受信した島管理装置100では、警告ランプ106を点灯させ、表示器107に異常内容を表示して、遊技場内の係員に異常の発生を報知する。なお、この報知は停止ボタン108を押下することにより停止される。なお、「作業情報」を受信した際には、「異常」の発生ではなく「作業」が行われているので、報知は行われない。
また、本発明の遊技場監視システムでは、監視タグ86と監視アンテナ68とのRFID通信が成立せず、異常と判断された場合には、前述したように「異常情報」を島管理装置100へ送信し、その後所定時間(例えば、10秒)内に係員カード510を検出し「認証状態」とされた場合には、「検出情報」が島管理装置100へ送信される。一方、島管理装置100では「異常情報」を受信すると異常発生の報知を行うが、そこへ「検出情報」を受信した場合には、異常発生の報知を停止する。またさらに、「検出情報」が島管理装置100からホールコンピュータ600へ送信され、ホールコンピュータ600ではその「検出情報」が送信されるきっかけとなった「異常情報」を「作業情報」に変更する。
これは、係員が係員カード510をかざして「認証状態」とするのをうっかり忘れて、前面枠11や本体枠10を開放してしまった場合に対処するためである。係員カード510をかざすのを忘れた場合には、前面枠11や本体枠10の開放は「不正なもの」と判断されてしまい、島管理装置100において異常発生の報知が行われてしまう。しかしながら、実際には係員が作業を行うためになされた開放であり、不正行為によるものではない。ところが、異常発生の報知が行われてしまうので、作業を行おうとしている係員は、異常発生の報知を解除して作業を継続する、又は、異常発生の報知をさせたまま作業を継続する必要がある。前者の場合には、そのパチンコ機1に遊技者がいる場合には、遊技者を待たせてしまうという問題があり、前者の場合には、異常発生の報知に対して他の係員が対処しようとしてしまったり、遊技者に不審を抱かせてしまったりという問題がある。
そこで、本発明の遊技場監視システムでは、異常と判断された場合に、所定時間内に係員カード510を検出し「認証状態」とした場合には、「検出情報」を島管理装置100へ送信する。これにより、うっかり係員カード510をかざし忘れて前面枠11や本体枠10を開けてしまっても、所定時間以内に係員カード510をかざせば、「検出情報」が島管理装置100へ送信されて自動的に報知が停止されるので、係員は作業を中断する必要がなく、また、他の係員が対処に駆けつけてしまったりすることがない。またさらに、「検出情報」が島管理装置100からホールコンピュータ600へ送信され、ホールコンピュータ600ではその「検出情報」が送信されるきっかけとなった「異常情報」が「作業情報」に変更されるので、後に監視情報を閲覧する際に、不正の発生か作業かの区別が簡単につく。
なお、遊技者は、遊技者を識別可能なIDコードを記憶したカード型のICタグである遊技者カード410を所有している。この遊技者カード410には、遊技者を識別可能なIDコードの他に、その遊技者の過去の遊技情報が記憶されている。遊技者は、遊技を開始する前に、通信ユニット300に遊技者カード410をセットする。通信ユニット300には、RW30が遊技者カード410とRFID通信を行うための遊技者アンテナ302(図5参照)が備えられている。そして、RW30では、繰り返し遊技者カード410を呼び出す呼出波を送信しており、遊技者カード410とのRFID通信が成立し、遊技者を認識すると、その後のパチンコ機1の遊技情報(打ち込み球数、払出球数、大当たり抽選回数、大当たり回数など)が所定時間(例えば、1分)ごとに遊技者カード410へ送信され、遊技者カード410のEEPROM(図示外)に書き込まれる。また、遊技者カード410に書き込まれる遊技情報は、RW30から島管理装置100を経由して、ホールコンピュータ600へ送信され、集計、記憶される。
また、遊技者端末400にも、遊技者カード410とRFID通信するためのアンテナが設けられており、遊技者端末400は遊技者カード410に記憶されている遊技情報を読み出すことができる。そこで、遊技者は、遊技者カード410を遊技者端末にセットすることにより、記憶されている遊技情報を閲覧することができる。
2.パチンコ機及びパチンコ機付属機器の説明
次に、図3乃至図6を参照して、パチンコ機1について説明する。図3は、パチンコ機1の前面枠11及び本体枠10を開いた状態をパチンコ機1の前面から見た斜視図である。図4は、パチンコ機1の背面図である。図5は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図6は、RW30のEEPROM35の記憶エリアを示した模式図である。
図3に示すように、パチンコ機1は、機枠12と、本体枠10と、前面枠11とから構成されている。機枠12は、パチンコ機1を遊技島200に固定するためのものである。また、本体枠10は、前面側に遊技領域4を有する遊技盤2、遊技球を貯留するための上皿5や下皿6等を備え、裏面側には機構部としての機構板、パチンコ機1の制御を司る種々の基板等が設置されている。そして前面枠11は、遊技盤を覆うためのガラス板を保持している。さらに、遊技領域4には、図柄表示装置や各種入賞口等が設けられている。
図4に示すように、パチンコ機1背面の下部には、パチンコ機1の主制御を司る主基板41を収納した主基板ケース81、遊技球の払い出しを制御する払出制御基板45を収容した払出制御基板ケース82等が配置されている。また、機構板は、遊技球を払い出すための払出装置67を備えている。
次に、図5を参照してパチンコ機1の主な構成要素の電気的構成について説明する。パチンコ機1には、主基板41、払出制御基板45をはじめ図示外の電源基板、音基板、図柄表示基板、電飾基板、中継基板、発射基板、サブ統合基板等が設けられている。主基板41には、各種の演算処理を行うCPU51が設けられており、フラグやカウンタ値やデータを記憶するRAM52と、制御プログラム及び各種の初期値のデータや遊技領域4に設けられた図柄表示装置への表示内容のデータ等を記憶したROM53とを備えている。また、CPU51は、I/Oインタフェイス54に接続しており、I/Oインタフェイス54には払出制御基板45及び出力ポート55が接続している。なお、パチンコ機1は遊技島200に備えられた電源から電源供給を受けている。
また、図3及び図4に示すように、監視タグ86a〜86cが主基板ケース81、機枠12、前面枠11に貼り付けられている。そして、主基板ケース81、機枠12と本体枠10、本体枠10と前面枠11の開閉の監視が行われている。そして、各監視場所が閉じられた状態において、監視タグ86と対峙し、RFID通信が可能な位置に監視アンテナ68が備えられている。そこで、主基板ケース81に貼り付けられた監視タグ86をケースタグ86a、機枠12に貼り付けられた監視タグ86を機枠タグ86b、前面枠11に貼り付けられた監視タグ86を前面枠タグ86cとする。なお、ケースタグ86aと通信する監視アンテナ68をケースアンテナ68a、機枠タグ86bと通信する監視アンテナ68を機枠アンテナ68b、前面枠タグ86cと通信する監視アンテナ68を前面枠アンテナ68cとする。なお、主基板41が収容されている主基板ケース81を監視場所1とし、本体枠10と機枠12を監視場所2とし、前面枠11と本体枠10を監視場所3とする。
次に、図5を参照してRW30について説明する。RW30には、RW30の制御を司るCPU32が設けられている。CPU32にはフラグやデータ等を一時的に記憶するRAM34、制御プログラム及び各種の初期値のデータ等を記憶したROM33が内蔵されている。そして、CPU32には、監視情報等を記憶するEEPROM35、監視タグ86へ呼出波を送信し、反射波を受信するためのRadio Frequency回路(以下、RF回路と称する)38、時間管理を行うRTC(以下、Real Time Clockと称する)71、I/Oインタフェイス37が接続している。I/Oインタフェイス37には、パチンコ機1の主基板41の出力ポート55と接続する入力ポート39、島管理装置100を介して店内ネットワーク150に接続するため通信回路36が接続されている。
そして、RF回路38には、係員カード510とRFID通信するための認証アンテナ301、及び、遊技者カード410とRFID通信するための遊技者アンテナ302がケーブルで接続しており、当該パチンコ機1の前面に設置されている通信ユニット300内に設けられている。また、パチンコ機1の各監視場所に貼り付けられている監視タグ86a〜86cとRFID通信するための監視アンテナ68a〜68cもRF回路38に接続している。
次に、図6を参照して、EEPROM35に記憶されている情報について説明する。EEPROM35には、監視情報記憶エリア351、認証情報記憶エリア352、監視IDコード記憶エリア353、認証IDコード記憶エリア354等が設けられている。監視情報記憶エリア351には、「監視情報」である、異常が発生した際の「異常情報」や作業が行われた際の「作業情報」が記憶される。認証情報記憶エリア352には、「認証状態」としたIDコードやその日時、解除された日時等を含む「認証情報」が記憶される。監視IDコード記憶エリア353には、監視場所ごとに監視タグ86のIDコードが記憶されている。認証IDコード記憶エリア354には、係員カード510のIDコードが記憶されている。
3.ICタグ及びアンテナの説明
次に、監視タグ86、遊技者カード410、係員カード510について説明する。監視タグ86、遊技者カード410、係員カード510は13.56MHzの短波帯でRFID通信を行うICタグである。
例えば、ケースタグ86aが貼り付けられてその開放が監視される主基板ケース81では、上蓋部及び下蓋部の中に主基板41が収納され、上蓋部と下蓋部とは開かないようにかしめられている。そして、ケースアンテナ68aは主基板ケース81の下蓋部に設置されており、ケースタグ86aは上蓋部に設置されている。そして、ケースアンテナ68aとケースタグ86aとの距離は、主基板ケース81の上蓋部と下蓋部を組み付けた状態で約3mmになるように配置されている。この距離間ではRFID通信が可能であり、ケースアンテナ68aとケースタグ86aとの距離が約5mmを超えると通信不能となるように設定されている。この通信可能距離は、監視アンテナ68のコイルの巻き数やリアクタンス値により調節が可能である。このように通信可能距離を設定することにより、上蓋部のわずかな隙間の開放であっても検知することができ、また、振動等によるわずかな揺れでは通信不能とならないように調整されている。
また、機枠タグ86bと機枠アンテナ68bとの通信可能距離についても、機枠12と本体枠10とを閉じた状態では通信可能となり、少しでも開けられた状態(例えば、5mmを超えた状態)では通信不能となるように、機枠アンテナ68bのコイルの巻き数やリアクタンス値の調節が行われている。そして、前面枠タグ86cと前面枠アンテナ68cとの通信可能距離についても、前面枠11と本体枠10とを閉じた状態では通信可能となり、少しでもあけられた状態(例えば、3mmを超えた状態)では通信不能となるように、前面枠アンテナ68cのコイルの巻き数やリアクタンス値の調節が行われている。
また、係員カード510と通信を行う認証アンテナ301と、遊技者カード410と通信を行う遊技者アンテナ302とは、通信ユニット300の内部に設置されている。通信ユニット300は遊技者カード410又は係員カード510を保持できるように、その上面にカード差込口が設けられている。そして、遊技者カード410又は係員カード510がカード差込口に挿入された状態で通信可能なようにコイルの巻き数やリアクタンス値の調節が行われている。なお、認証アンテナ301は、通信ユニットの正面側に設置されており、係員カード510はカード差込口に差し込まなくても、通信ユニット300の正面にかざした状態で認証アンテナ301とRFID通信を行うことができる。
4.島管理装置の説明
次に、図7を参照して、島管理装置100について説明する。図7は、島管理装置100の電気的構成を示すブロック図である。図7に示すように、島管理装置100は、CPU101を備えており、RAM102,ROM103,EEPROM104,I/Oインタフェイス105、RTC117がCPU101に接続している。そして、I/Oインタフェイス105には、RW30が店内ネットワーク150に接続するための通信回路109、遊技島200の監視の状態を示すメッセージ等を表示する表示器107、異常発生の報知を行うための警告ランプ106、報知を停止するための停止ボタン108が接続されている。
5.ホールコンピュータの説明
次に、ホールコンピュータ600について説明する。図8は、ホールコンピュータ600の電気的構成を示すブロック図である。図8に示すように、ホールコンピュータ600には、ホールコンピュータ600の制御を司るCPU601が設けられ、CPU601には、各種のデータを一時的に記憶するRAM602と、BIOS等を記憶したROM603と、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインタフェイス604とが接続されている。I/Oインタフェイス604には、ハードディスク装置680が接続され、当該ハードディスク装置680には、監視情報記憶エリア681と、遊技情報記憶エリア682と、認証情報記憶エリア683と、プログラム記憶エリア684と、その他の情報記憶エリア685とが設けられている。
なお、監視情報記憶エリア681には、遊技場内の全てのパチンコ機1の監視情報が記憶されており、遊技情報記憶エリア682には、遊技場内の全てのパチンコ機1の遊技情報が記憶されており、認証情報記憶エリア683には、遊技場内の全てのパチンコ機1の認証情報が記憶されており、プログラム記憶エリア684には、CPU601で実行されるプログラムが記憶されており、その他の情報記憶エリア685には、監視に関する種々の設定情報やパチンコ機1に関する情報などが記憶されている。
また、I/Oインタフェイス604には、通信装置608と、マウス633と、ビデオコントローラ614と、キーコントローラ615と、CD−ROMドライブ616と、FDドライブ617とが接続され、ビデオコントローラ614にはディスプレイ634が接続され、キーコントローラ615にはキーボード635が接続されている。そして、通信装置608は店内ネットワーク150に接続可能となっている。なお、CD−ROMドライブ616に挿入されるCD−ROM636には、制御プログラムが記憶されており、導入時に、印刷データ編集プログラムは、CD−ROM636からハードディスク装置18にセットアップされてプログラム記憶エリア684に記憶されるようになっている。また、FDドライブ617では、フレキシブルディスク(以下、FDとする)637の読み取りや書き込みが可能となっている。
6.監視情報及び検出情報の説明
次に、図9乃至図12を参照して、RW30から島管理装置100へ送信される監視情報391及び検出情報392、ホールコンピュータ600に記憶される監視情報について説明する。図9は、RW30から島管理装置100へ送信される監視情報391の模式図であり、図10は、RW30から島管理装置100へ送信される検出情報392の模式図である。そして、図11は、ホールコンピュータ600のHDD680の監視情報記憶エリア681に記憶されている監視情報6811の模式図であり、図12は監視情報6812の模式図である。
ここで、次のような作業が行われた場合の監視情報を考える。2005年3月11日の11:28:46に係員が台番号「101」のパチンコ機1の前面枠11を本体枠10から開け、係員カード510をかざし「認証状態」とするのを忘れたことに気が付いて、開放から10秒以内に係員カード510を認証アンテナ301にかざし、11:29:32に本体枠10を機枠12から開放し、作業を行った後、11:31:14に本体枠10を機枠12へ閉じ、11:31:16に前面枠11を本体枠10へ閉じる。
図9の監視情報391は係員カード510をかざす前の11:28:46に台番号「101」のパチンコ機1の前面枠11が本体枠10から開けられた際に送信される監視情報であり、図10の検出情報392は、その後に係員カード510をかざした際に送信された検出情報である。そして、図11は、監視情報391を受信した際の監視情報記憶エリア681に記憶されている監視情報6811の模式図であり、図12は、一連の作業が終了した後の監視情報記憶エリア681に記憶されている監視情報6812の模式図である。
図9に示すように監視情報391には、「区分」欄、「台番号」欄、「日時」欄、「監視場所」欄、「内容」欄、「状態」欄、「IDコード」欄が設けられている。「区分」欄はその監視情報が「異常情報」であるか、「作業情報」であるかを示す値がセットされる。本実施の形態では「0」は「異常情報」を示し、「1」は「作業情報」を示している。また、「台番号」欄には当該監視情報を作成したRW30が設置されているパチンコ機1の台番号がセットされ、「日時」欄はその監視情報が作成された日時がセットされ、「監視場所」欄には異常が発生/回復した又は作業が行われた監視場所を示す番号がセットされる。本実施の形態では、「1」は監視場所1(主基板41が収容されている主基板ケース81)を示し、「2」は監視場所2(本体枠10と機枠12)を示し、「3」は監視場所3(前面枠11と本体枠10)を示している。
そして、「内容」欄は異常の内容が「IDエラー」であるか、「応答エラー」であるかを示す情報がセットされる。予め登録されていないIDコードのICタグとRFID通信したことによる「IDエラー」では「1」がセットされ、呼出波に対してICタグから反射波の応答がない「応答エラー」では「0」がセットされる。そして、「状態」欄は異常の「発生」であるか、「回復」であるかを示す情報がセットされる。「発生」では「1」がセットされ、「回復」では「0」がセットされる。そして、「IDコード」欄は、作業情報の場合のみ使用され、作業を行った係員を示す情報、即ち、認証状態とした係員カード510のIDコードがセットされる。
図9に示すように、監視情報391には「区分」欄に「異常情報」であることを示す「0」がセットされており、「台番号」欄には「101」がセットされており、「日時」欄には「2005.03.11 11:28:46」がセットされており、「監視場所」欄には監視場所3(前面枠11と本体枠10)を示す「3」がセットされており、「内容」欄には応答エラーを示す「0」がセットされており、「状態」欄には発生を示す「1」がセットされており、「IDコード」欄には何もセットされていない。
そして、図10に示すように、検出情報392には、「区分」欄、「台番号」欄、「日時」欄、「認証待機開始日時」欄、「IDコード」欄が設けられている。「区分」欄は検出情報であることを示す値(本実施の形態では「3」)がセットされる。「台番号」欄には当該監視情報を作成したRW30が設置されているパチンコ機1の台番号がセットされ、「日時」欄はその検出情報が作成された日時がセットされ、「認証待機開始日時」欄には認証待機中とした異常の発生した日時がセットされ、「IDコード」欄には認証状態とした係員カード510のIDコードがセットされる。
図10に示すように、「区分」欄は「検出情報」であることを示す「3」がセットされ、「台番号」欄には「101」がセットされており、「日時」欄には「2005.03.11 11:28:52」がセットされており、「認証待機開始日時」欄には、「2005.03.11 11:28:46」がセットされており、「IDコード」欄に認証状態とした係員カード510のIDコードである「e6r8g4rer」がセットされている。
次に、ホールコンピュータ600の監視情報記憶エリア681について説明する。図11及び図12に示すように、監視情報記憶エリア681には、監視情報391と同様に「区分」欄、「台番号」欄、「日時」欄、「監視場所」欄、「内容」欄、「状態」欄、「IDコード」欄が設けられている。ここには、受信した監視情報にセットされていた値がそのままセットされる。
図11に示す監視情報391を受信した際の監視情報記憶エリア681に記憶されている監視情報6811の、監視情報391に対応したデータには、監視情報391と同じく、「区分」欄に「異常情報」であることを示す「0」がセットされており、「台番号」欄には「101」がセットされており、「日時」欄には「2005.03.11 11:28:46」がセットされており、「監視場所」欄には監視場所3(前面枠11と本体枠10)を示す「3」がセットされており、「内容」欄には応答エラーを示す「0」がセットされており、「状態」欄には発生を示す「1」がセットされており、「IDコード」欄には何もセットされていない。なお、その他のデータは省略されている。
また、図12に示す、一連の作業が終了した後の監視情報記憶エリア681では、監視情報391に対応したデータは「異常情報」から「作業情報」に変更されており、「区分」欄に「作業情報」であることを示す「1」がセットされ、「IDコード」欄には「検出情報」にセットされていた認証状態とした係員カード510のIDコードである「e6r8g4rer」がセットされている。その他の欄は図11に示した監視情報391にセットされていた値と同じ値のままである。
そして、その後の本体枠10の開放や、本体枠10及び前面枠11を閉じる作業は、認証状態中に行われているので、「作業情報」が送信されてきている。そこで、すべて「区分」欄は「区分」欄は「作業情報」であることを示す「1」がセットされ、「IDコード」欄に認証状態とした係員カード510のIDコードである「e6r8g4rer」がセットされている。
7.RWの動作の説明
次に、図13乃至図17のフローチャートを参照して、RW30の動作の説明を行う。図13は、RW30で行われるメイン処理のフローチャートであり、図14は、メイン処理の中で行われる認証処理のフローチャートであり、図15は、メイン処理の中で行われる監視処理のフローチャートであり、図16は、監視処理の中で行われる発生処理のフローチャートであり、図17は、監視処理の中で行われる回復処理のフローチャートである。
図13に示すように、まず、各エラーフラグ及び認証待機フラグに初期値の「0」がセットされる等の初期処理が行われる(S1)。エラーフラグは、「0」が記憶されている場合には監視タグ86との通信が正常に行われており、「1」が記憶されている場合には監視タグ86との通信が正常に行われていないこと、つまり異常が発生していることを示している。そして、監視場所1〜監視場所3毎に応答エラーフラグ及びIDエラーフラグが設けられている。なお、応答エラーは監視アンテナ68から送信された呼出波に対して、監視タグ86が反射波を返信してこなかった場合を示し、IDエラーは反射波に含まれているIDコードが予め登録されているものと異なっている場合を示している。また、認証待機フラグは、異常発生後、所定時間(例えば、10秒)以内であれば「1」が記憶されて「ON」となっており、所定時間経過後又は異常が発生していない際には「0」が記憶されて「OFF」となっている。
そして、認証処理が行われる(S2、図14参照)。この認証処理については、図14のフローチャートを参照して、後に詳述するが、認証アンテナ301から呼出波を送信して、係員カード510とRFID通信が成立する場合には「認証状態」とされる。そして、異常発生からの所定時間以内である場合には、「検出情報」が島管理装置100へ送信される。
次いで、主基板ケース81(監視場所1)(S3)、本体枠10と機枠12(監視場所2)(S4)、前面枠11と本体枠10(監視場所3)(S5)の順で監視が行われる。この監視処理については、図15のフローチャートを参照して、後に詳述するが、どの監視場所の監視処理を行うのかの情報は、監視場所を示す番号を用いて監視処理に指示される。そして、S2へ戻り、繰り返し、認証処理(S2)、監視処理(S3〜S5)が行われる。
次に、図14のフローチャートを参照して、認証処理について説明する。認証処理では、予め認証IDコード記憶エリア354に登録されているIDコードの係員カード510とのRFID通信が成立すると「認証状態」とされる。そして、10秒経過した際に、全ての監視場所が閉じられていれば(応答エラーが発生していない)、「認証状態」は解除される。また、10秒経過後に1つでも開放されている監視場所があれば(応答エラーが発生していれば)、全ての監視場所が閉じられてから「認証状態」は解除される。なお、この認証処理では、RAM34に記憶される認証フラグ、認証中IDコード、認証時間カウンタが用いられる。認証フラグは、「認証状態」であるか否かを示すフラグであり、「認証状態」では「1」がセットされてONとされており、「認証状態」でない場合には「0」がセットされてOFFされている。また、認証中IDコードには「認証状態」とした係員カード510のIDコードがセットされる。認証時間カウンタは、「認証状態」とされている時間を計測するためのタイマカウンタであり、RTC71からのタイマ割り込みによりカウントアップされる。
まず、認証アンテナ301から呼出波が送信される(S21)。そして、所定時間(例えば、5秒)以内に反射波を受信するか否かの判断が行われる(S22)。反射波を受信すれば(S22:YES)、受信した反射波に含まれるIDコードが予め認証IDコード記憶エリア354に記憶されているか否かの判断が行われる(S23)。認証IDコード記憶エリア354に記憶されている登録済みのIDコードであれば(S23:YES)、「認証状態」であるか否かの判断が行われ(S24)、認証状態フラグがONであり「認証状態」中でなければ(S24:YES)、認証フラグに「1」が記憶されて「認証状態」とされる(S25)。そして、そのIDコードが「認証中IDコード」としてRAM34に記憶される(S26)。次いで、認証情報記憶エリア352へ「認証状態」とされたことを示す情報、現在の時刻及び認証中IDコードが記憶される(S27)。そして、認証時間の計測が開始され(S28)、通信ユニット300に設けられている認証ランプが点灯される(S29)。
そして、認証待機フラグがONであるか否かにより、異常発生後所定時間以内であるか否かの判断が行われる(S30)。異常発生後所定時間以内であれば(S30:YES)、「検出情報」を島管理装置100へ送信する必要がある。そこで、「検出情報」が作成され(S31)、作成された「検出情報」が島管理装置100へ送信される(S32)。そして、メイン処理へ戻る。具体的には、「検出情報」には、「区分」欄に「検出情報」であることを示す「3」がセットされ、「台番号」欄には例えば「101」がセットされ、「日時」欄には現在日時がセットされ、「認証待機開始日時」欄には現在日時から認証時間カウンタの値を引いた日時がセットされ、「IDコード」欄にはRAM34に認証中IDコードとして記憶されているIDコードがセットされる。
また、異常発生後所定時間以内でなければ(S30:NO)、「検出情報」を島管理装置100へ送信する必要はないので、そのままメイン処理へ戻る。
また、係員カード510とのRFID通信が成立した際に(S21,S22:YES,S23:YES)、「認証状態」中であれば(S24:YES)、S25〜S32の「認証状態」開始の処理をする必要はないので、そのままメイン処理へ戻る。
また、呼出波を送信した際に(S21)、反射波を受信しなかったり(S22:NO)、登録されていないIDコードのICタグからの反射波を受信したり(S23:NO)した場合には、まず、現在「認証状態」であるか否かの判断が行われる(S34)。現在、「認証状態」でなければ(S34:NO)、そのままメイン処理へ戻る。また、「認証状態」であれば(S34:YES)、「認証状態」を終了させるか否かを判断して(S35、S36)、「認証状態」終了の処理が行われる(S37〜S39)。まず、認証時間が10秒を経過したか否かの判断が行われる(S35)。認証時間が10秒経過していなければ(S35:NO)、まだ「認証状態」が継続されるので、そのままメイン処理へ戻る。
認証時間が10秒経過していれば(S35:YES)、応答エラー中であるか否かが判断され(S36)、応答エラー中であれば(S36:YES)、「認証状態」は解除されないので、そのままメイン処理へ戻る。また、応答エラー中でなければ(S36:NO)、認証フラグに「0」がセットされて「認証状態」が解除される(S37)。そして、認証中IDコードがクリアされ(S38)、認証時間計測が停止される(S39)。そして、メイン処理へ戻る。
次に、図15を参照して、監視処理について説明する。この監視処理では、メイン処理から指定された監視場所の監視アンテナ68から呼出波が送信され、予め登録されているIDコードの監視タグ86とRFID通信が成立すれば、その監視場所は「正常」であるとされ、RFID通信が成立しなければ「異常」とされる。そして、「異常」とされた場合には、「異常情報」が作成され、経過時間の計測が開始される。また、「異常」が回復した際には異常の回復を示す「異常情報」が作成、送信される。また、「異常」と判断されても「認証状態」であれば、それは係員による作業であると判断され、「作業情報」が作成される。同様に「異常」の回復においても「認証状態」であれば、「作業情報」が作成される。
まず、監視アンテナ68から呼出波が送信される(S41)。そして、所定時間(例えば、5秒)以内に監視タグ86から反射波を受信するか否かの判断が行われる(S42)。反射波を受信したら(S42:YES)、IDコードが予め監視IDコード記憶エリア353に記憶されているIDコードと一致するか否かの判断が行われる(S46)。IDコードが一致していれば(S46:YES)、「正常」と判断される。そこで、現在エラー中であれば回復の処理をする必要があるので、応答エラーフラグがONであるか否かの判断(S51)、IDエラーフラグがONであるか否かの判断(S55)が行われる。応答エラー中でも、IDエラー中でもなければ(S51:NO,S55:NO)、正常な状態が継続しているので、そのままメイン処理へ戻る。
また、監視タグ86から反射波の返送がなければ(S42:NO)、「異常」と判断され「応答エラー」となる。そこで、すでに応答エラーとなっているか否かが、応答エラーフラグがONであるか否かにより判断される(S43)。すでに応答エラーとなっていなければ(S43:NO)、応答エラーに対する処理を行う必要がある。そこで、応答エラーフラグがONとされ(S44)、発生処理が行われる(S45、図16参照)。
この発生処理では、図16に示すように、まず「認証状態」であるか否かの判断が行われる(S71)。認証状態フラグがONであり「認証状態」である場合には(S71:YES)、「異常」の発生ではなく作業の開始である。そこで、IDエラーで行われた発生処理でないので(S72:NO)、すぐに作業情報が作成されて監視情報記憶エリア351に記憶され(S74)、作成された作業情報が島管理装置100へ送信される(S75)。そして、監視処理へ戻り、メイン処理へ戻る。
なお、作業情報には、「区分」欄、「日時」欄、「監視場所」欄、「内容」欄、「状態」欄、「IDコード」欄が設けられている。「区分」欄はその監視情報が「作業情報」であることを示すコード(本実施の形態では「1」)がセットされる。また、「日時」欄はその作業情報が作成された日時(現在日時)がセットされ、「監視場所」欄には作業が行われた監視場所を示す番号がセットされる。本実施の形態では、「1」は監視場所1(主基板41が収容されている主基板ケース81)を示し、「2」は監視場所2(本体枠10と機枠12)を示し、「3」は監視場所3(前面枠11と本体枠10)を示している。
そして、「内容」欄は異常の内容が「IDエラー(IDコードの変更)」であるか、「応答エラー(開放)」であるかを示す情報がセットされる。予め登録されていないIDコードのICタグとRFID通信したことにより、IDコードを変更した場合には、「1」がセットされ、呼出波に対してICタグから反射波の応答がなく、監視場所を開放した場合には「0」がセットされる。そして、「状態」欄は作業の「開始」であるか、「終了」であるかを示す情報がセットされる。「開始」では「1」がセットされ、「終了」では「0」がセットされる。そして、「IDコード」欄は、作業を行った係員を示す情報、即ち、認証状態とした係員カード510のIDコードがセットされる。
ここでは、具体的には「区分」欄に「作業情報」であることを示す「1」がセットされ、「日時」欄に現在の日時がセットされ、「監視場所」欄には監視場所を示す番号がセットされ、「内容」欄に応答エラー(開放)を示す「0」がセットされ、「状態」欄には発生を示す「1」がセットされ、「IDコード」欄にはRAM34に「認証中IDコード」として記憶されている値がセットされる。
また、認証状態フラグがOFFであり「認証状態」でない場合には(S71:NO)、認証待機フラグがONであり、認証待機中であるか否かの判断が行われる(S76)。認証待機中であり(S76:YES)、すでに監視情報送信待機時間を計測するための経過時間の計測が開始されていれば、そのままS79へ進むが、認証待機中でなければ(S76:NO)、監視情報送信待機時間を計測するために経過時間の計測が開始され(S77)、認証待機フラグがONとされる(S78)。そして、異常情報が作成され監視情報記憶エリア351に記憶され(S79)、島管理装置100へ送信される(S80)。そして、監視処理へ戻り、メイン処理へ戻る。なお、経過時間は、RTC71からのタイマ割り込みによりカウントアップされるタイマカウンタである経過時間カウンタにより計測される。
なお、異常情報には、「区分」欄、「日時」欄、「監視場所」欄、「内容」欄、「状態」欄が設けられている。「区分」欄はその監視情報が「異常情報」であることを示すコード(本実施の形態では「2」)がセットされる。また、「日時」欄はその監視情報が作成された日時(現在日時)がセットされ、「監視場所」欄には異常が発生/回復した監視場所を示す番号がセットされる。本実施の形態では、作業情報と同様に「1」は監視場所1(主基板41が収容されている主基板ケース81)を示し、「2」は監視場所2(本体枠10と機枠12)を示し、「3」は監視場所3(前面枠11と本体枠10)を示している。
そして、「内容」欄は異常の内容が「IDエラー」であるか、「応答エラー」であるかを示す情報がセットされる。予め登録されていないIDコードのICタグとRFID通信したことによる「IDエラー」では「1」がセットされ、呼出波に対してICタグから反射波の応答がない「応答エラー」では「0」がセットされる。そして、「状態」欄は異常の「発生」であるか、「回復」であるかを示す情報がセットされる。「発生」では「1」がセットされ、「回復」では「0」がセットされる。
ここでは、具体的には「区分」欄に「異常情報」であることを示す「0」がセットされ、「日時」欄に現在の日時がセットされ、「監視場所」欄には監視場所を示す番号がセットされ、「内容」欄に応答エラーを示す「0」がセットされ、「状態」欄には発生を示す「1」がセットされる。
また、監視処理(図15)において、すでに応答エラーとなっていれば(S43:YES)、特に処理をする必要はないので、そのままメイン処理へ戻る。
また、監視処理(図15)において、監視アンテナ68からの呼出波の送信に対して(S41)、反射波を受信しても(S42:YES)、反射波に含まれているIDコードが予め登録されているものでなかった場合には(S46:NO)、「異常」と判断され「IDエラー」となる。そこで、すでにIDエラーとなっているか否かが、IDエラーフラグがONであるか否かにより判断される(S47)。すでにIDエラーとなっていなければ(S47:NO)、IDエラーに対する処理を行う必要がある。そこで、IDエラーフラグがONとされ(S48)、発生処理が行われる(S49、図16参照)。
この発生処理では、前述した応答エラーが発生した際(S42:NO,S43:NO)に行われる発生処理とほぼ同様の処理が行われるので、詳細な説明を引用して省略する。ただし、S72ではIDエラーであると判断され(S72:YES)、監視IDコード記憶エリア353のIDコードが反射波に含まれているIDコードに変更される(S73)。さらに、S74において作成される作業情報では、「内容」欄にIDエラー(監視IDコードの変更)を示す「1」がセットされる。また、S79で作成される異常情報及びS74で作成される作業情報では、「内容」欄にIDエラーを示す「1」がセットされる。
また、監視処理(図15)において、すでにIDエラーとなっていれば(S47:YES)、特に処理をする必要はないので、そのままメイン処理へ戻る。
また、監視処理(図15)において、応答エラー中に「正常」に回復した場合には(SS41,S42:YES,S46:YES)、応答エラーフラグがONとなっている(S51:YES)。そこで、応答エラーフラグがOFFされ(S52)、回復処理が行われる(S53、図17参照)。
回復処理では、図17に示すように、まず「認証状態」であるか否かの判断が行われる(S81)。認証状態フラグがONであり「認証状態」である場合には(S81:YES)、作業が終了したことになるので、終了を示す作業情報が作成されて(S86)、島管理装置100へ送信される(S87)。具体的には、「区分」欄に「作業情報」であることを示す「1」がセットされ、「日時」欄に現在の日時がセットされ、「監視場所」欄には作業の開始を示す作業情報の監視場所と同じ番号がセットされ、「内容」欄に応答エラーを示す「0」がセットされ、「状態」欄には回復を示す「0」がセットされ、「IDコード」欄にはRAM34に「認証中IDコード」として記憶されている値がセットされる。
また、認証フラグがOFFであり「認証状態」でない場合には(S81:NO)、「異常」が回復したことになるので、異常の回復を示す異常情報が作成されて監視情報記憶エリア351に記憶される(S82)。具体的には、「区分」欄に「異常情報」であることを示す「0」がセットされ、「日時」欄に現在の日時がセットされ、「監視場所」欄には監視場所を示す番号がセットされ、「内容」欄に応答エラーを示す「0」がセットされ、「状態」欄には回復を示す「0」がセットされる。そして、その回復を示す異常情報が島管理装置100へ送信される(S83)。
そして、認証待機フラグがONであり、認証待機中であれば(S84:YES)、経過時間の計測が停止されてから(S85)、監視処理へ戻り、メイン処理へ戻る。なお、認証待機フラグがOFFであり、認証待機中でなければ(S84:NO)、そのまま監視処理へ戻り、メイン処理へ戻る。
また、監視処理(図15)において、IDエラー中に「正常」に回復した場合には(SS41,S42:YES,S46:YES、S51:NO)、IDエラーフラグがONとなっている(S55:YES)。そこで、IDエラーフラグがOFFされ(S56)、回復処理が行われる(S57、図17参照)。回復処理では、応答エラーが回復した際と同様の処理が行われるので説明を引用して省略する。ただし、S82で作成される異常情報及びS86で作成される作業情報の「内容」欄にはIDエラーを示す「1」がセットされる。そして、監視処理へ戻り、メイン処理へ戻る。
以上のようにして、各監視場所が監視され、異常が発生後10秒以内に係員カード510により認証状態とされた場合には、係員による作業であると判断されて「検出情報」が島管理装置100へ送信される。したがって、係員が係員カード510を用いて「認証状態」とするのを忘れて、作業を開始してしまっても、10秒以内に係員カード510をRW30に認識させれば、「検出情報」が島管理装置100へ送信されるので、異常発生の報知が自動的に停止される。よって、報知を停止するために作業を中断したり、報知をさせたまま作業を行い、他の係員が駆けつけてしまったりすることがない。また、後に詳述するが、「検出情報」がさらにホールコンピュータ600へ送信されることにより、ホールコンピュータ600に記憶されている「監視情報」においても「異常情報」から「作業情報」へ変更され、後に「監視情報」を閲覧する際には、係員による作業については「作業情報」として記録されているので、情報活用しやすい。
8.島管理装置の動作の説明
次に、図18のフローチャートを参照して、島管理装置100の動作について説明する。図18は、島管理装置100の制御フローチャートである。島管理装置100では、RW30から「異常情報」を受信すると(S100:YES)、受信された異常情報の内容が表示器107に表示され、警告ランプ106が点灯されて異常発生が報知される(S105)。そして、ホールコンピュータ600へ異常情報が送信される(S106)。そして、S100へ戻る。また、「作業情報」を受信した場合には(S100:NO,S101:YES)、受信された作業情報がホールコンピュータ600へ送信される(S108)。そして、S100へ戻る。
また、「検出情報」を受信した場合(S100:NO,S101:NO,S102:YES)、又は、停止ボタン108が押下された場合には(S100:NO,S101:NO,S102:NO,S103:YES)、警告ランプ106が消灯され、表示器107に表示されている異常情報の内容が消去されて異常発生の報知が解除される(S109)。そして、受信した「検出情報」がホールコンピュータ600へ送信され(S110)、S100へ戻る。また、「異常情報」も「作業情報」も「検出情報」も受信せず、停止ボタン108も押下されていない場合には(S100:NO,S101:NO,S102:NO,S103:NO)、島管理装置100でのその他の処理が行われる(S111)。
このように、島管理装置100において「検出情報」を受信すると異常発生の報知が停止される。よって、係員は係員カード510により「認証状態」とすることを失念して作業を開始してしまったとしても、所定時間以内に係員カード510を認証アンテナ301へかざして「認証状態」とすれば、異常発生の報知は直ちに停止されるので、作業を中断しなくてもよい。また、「検出情報」がさらにホールコンピュータ600へ送信されるので、ホールコンピュータ600において「異常情報」が「作業情報」へ変更される。
9.ホールコンピュータの動作の説明
次に、図19のフローチャートを参照して、ホールコンピュータ600の動作について説明する。図19は、ホールコンピュータ600の制御フローチャートである。ホールコンピュータ600では、島管理装置100から「異常情報」を受信すると(S200:YES)、受信された異常情報が監視情報記憶エリア681に記憶される(S203)。そして、S200へ戻る。また、「作業情報」を受信した場合には(S200:NO,S201:YES)、受信された作業情報が監視情報記憶エリア681に記憶され(S204)、S200へ戻る。
また、「検出情報」を受信した場合には(S200:NO,S201:NO,S202:YES)、監視情報記憶エリア681の「異常情報」が「作業情報」に変更される(S205)。そして、S200へ戻る。具体的には、「区分」欄に「作業情報」を示す「2」がセットされ、「IDコード」欄に検出情報にセットされているIDコードがセットされる。また、「異常情報」も「作業情報」も「検出情報」も受信していない場合には(S200:NO,S201:NO,S202:NO)、ホールコンピュータ600でのその他の処理が行われ(S206)、S200へ戻る。
このようにして、「検出情報」を受信すると「監視情報」において「異常情報」が「作業情報」へ変更されるので、後に「監視情報」を閲覧する際には、係員による作業については「作業情報」として記録されているので、情報活用しやすい。
10.請求項との対比
RW30のEEPROM35の監視IDコード記憶エリア353が「識別情報記憶手段」に該当し、RW30のEEPROM35の認証IDコード記憶エリア354が「係員識別情報記憶手段」に該当する。また、RF回路38及び監視アンテナ68が「監視タグ通信手段」に該当し、RF回路38及び認証アンテナ301が「係員タグ通信手段」該当する。
そして、図10に示す監視処理のS42,S46の処理を行うRW30のCPU32が「異常判断手段」に相当し、図9に示す認証処理のS21〜S23の処理を行うCPU32が「係員タグ検出手段」に相当し、図9に示す認証処理のS25の処理を行うCPU32が「認証状態制御手段」に相当し、図16に示す発生処理のS79,S80の処理を行うCPU32が「異常情報送信手段」に相当し、図16に示す発生処理のS74,S75を行うCPU32「作業情報送信手段」に相当し、図9に示す認証処理のS30〜S32の処理を行うCPU32が「検出情報送信手段」に相当する。
そして、島管理装置100及びホールコンピュータ600が「外部装置」に該当し、ホールコンピュータ600のHDD680の監視情報記憶エリア681が「作業情報記憶手段」及び「異常情報記憶手段」に該当する。図19に示すホールコンピュータ処理のS201の処理を行うホールコンピュータ600のCPU601が「作業情報受信手段」に相当し、S200の処理を行うCPU601が「異常情報受信手段」に相当し、S202の処理を行うCPU601が「検出情報受信手段」に相当し、S205の処理を行うCPU601が「情報変更手段」に相当する。また、図18に示す島管理装置処理のS105の処理を行う島管理装置100のCPU101が「報知手段」に相当し、S102、S109の処理を行うCPU101が「報知停止手段」に相当する。
11.変形例の説明
なお、本発明の遊技場監視システムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。以下に、本発明を適用する実施の形態の変形例について説明する。まず、本実施形態では所定の動作を行う装置として、遊技機の一種であるパチンコ機を例に挙げているが、所定の動作を行う装置は遊技機であるパチンコ機に限られず、パチコン機、パチスロ台等の各種の遊技機に適用可能である。また、上記実施の形態では、被監視部材としてパチンコ機1の主基板ケース81、本体枠10と機枠12、前面枠11と本体枠10、大入賞口に監視タグを設置したが、移動を監視される部材はこれに限らず、他の基板収納ボックスや、普通図柄始動ゲート等の入賞口に設置して、その開閉状態を監視してもよい。
上記実施の形態では、異常が発生してから係員カード510の認証を待機する時間を10秒としているが、この時間は10秒に限らず、これ以上であってもこれ以下であってもよい。また、上記実施の形態では、ホールコンピュータ600において「異常情報」及び「作業情報」を「監視情報」として1つの記憶エリアに記憶しているが、「異常情報」と「作業情報」とを別々の記憶エリアに記憶、管理してもよい。この場合には「異常情報」を「作業情報」に変更する際には、「異常情報」から該当するデータを削除して、「作業情報」にデータを追加することになる。また、上記実施の形態では、島管理装置100に監視情報を記憶していないが、EEPROM104等に記憶するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、島管理装置100においてのみ異常発生の報知を行っているが、ホールコンピュータ600においても報知を行うようにしてもよい。なお、この場合には、ホールコンピュータ600は、「検出情報」を受信した際に監視情報の変更をするだけでなく、報知の停止も行う。
また、上記実施の形態では、ホールコンピュータ600の監視情報記憶エリア681の「異常情報」を「作業情報」に変更しているが、ホールコンピュータ600の監視情報だけでなく、RW30の監視情報記憶エリア351の「異常情報」も「作業情報」に変更するようにしてもよい。この場合には、図14の認証処理において、認証状態とされた際に認証待機中であった場合に(S30:YES)、「異常情報」から「作業情報」への変更が行われることになる。