以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して以下の順で説明する。
1.システム構成の概要説明
2.パチンコ機及びパチンコ機付属機器の説明
3.島管理装置の説明
4.ICタグ及びアンテナの説明
5.異常発生報知に係るデータの説明
6.携帯端末の報知動作の説明
7.請求項との対比
8.変形例の説明
1.システム構成の概要説明
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施の形態の遊技場監視システムの全体構成について説明する。図1は、遊技場監視システムを示す構成図である。図2は、遊技場監視システムを導入した遊技場内の外観を示す説明図である。
遊技場には、パチンコ機1が設置される設置台である遊技島200が複数設置されている。遊技島200では、パチンコ機1が背中合わせに2列に並べられて設置されている。そして、各遊技島200の内部には、パチンコ機1を監視するための監視制御装置であるRリーダライタ(以下、RWと称する)30が、1台のパチンコ機1に1台ずつ設置されている。また、RW30は通信ユニット300を備えており、遊技島200の外面、パチンコ機1の前面上部に設置されている。この通信ユニット300には、RW30が外部と通信するための種々のアンテナが備えられている。そして、各通信ユニット300の上側には、遊技者が個々のパチンコ機1の遊技内容(本日の大当たり回数など)に関する情報を入手するための情報表示器201が設置されている。
また、遊技島200にはそれぞれ1台ずつ島管理装置100が設置されている。この島管理装置100は、無線LANである店内ネットワーク150に接続しており、RW30は島管理装置100を介して店内ネットワーク150へ接続している。また、店内ネットワーク150には遊技者端末400及びホールコンピュータ600も接続している。
かかる遊技場監視システムにおいては、各RW30により、各パチンコ機1に設置された後述の監視タグ86と監視アンテナ68と(図3〜図5参照)のRFID通信を利用して、両者の通信状態に基づいて開閉部材の開閉状態が監視される。RW30は、継続的に監視アンテナ68から監視タグ86を呼び出す呼出波を送信しており、予めRW30に登録されているIDコードを含む反射波を送信する監視タグ86とのRFID通信が成立している状態では、監視場所は閉じられている(正常)と判断される。そして、監視タグ86と監視アンテナ68とのRFID通信が断たれた場合や、予めRW30に登録されている監視タグでないICタグとRFID通信をした場合には異常と判断され、RW30から島管理装置100へ「異常情報」が送信される。
また、遊技場の係員は携帯端末510を所持している。携帯端末510は、係員の身分を証明するためのICタグ(認証タグ511)を内蔵している。係員はパチンコ機1の玉詰まりの除去等の作業を行う際に、パチンコ機1の前面枠11や本体枠10(図3参照)を開放する。しかしながら、この係員による開放は作業のための開放であり、不正者による不正開放ではない。そこで、係員は携帯端末510の認証タグ511を用いてRW30に作業を行う旨を認識させる(「認証状態」とさせる)。
認証タグ511には、係員を識別可能なIDコード(ICタグ固有の識別コード)が記憶されている。そして、RW30には、この認証タグ511と通信するための認証アンテナ301が備えられ、通信ユニット300に内蔵されている(図5参照)。そこで、係員は作業を行う前に携帯端末510を通信ユニット300にかざす。すると、認証アンテナ301と認証タグ511とのRFID通信が成立するので、RW30は「認証状態」とされ、監視タグ86と監視アンテナ68とのRFID通信が断たれても係員による「作業中」であると判断される。そして、島管理装置100へは「異常情報」でなく、「作業情報」が送信されることとなる。なお、この「認証状態」は10秒経過した際に、全ての監視場所が閉じられていれば解除される。また、10秒経過後に1つでも開放されている監視場所があれば、全ての監視場所が閉じられてから解除される。
また、RW30から「異常情報」及び「作業情報」を受信した島管理装置100は、それらの情報をホールコンピュータ600へ送信する。そして、各パチンコ機1についての異常情報はホールコンピュータ600において集計、記憶される。しかし、不正開放が行われた際には、その行為に対して係員が対処する必要がある。そこで、「異常情報」を受信した島管理装置100では、探索アンテナ111(図6参照)から「異常情報」を載せた呼出波(報知呼出波と呼ぶ)を送信する。そして、島管理装置100の周囲に係員が存在すれば、携帯端末510の認証タグ511がその報知呼出波を受信する。そして、携帯端末510では、受信した報知呼出波に載せられている「異常情報」を読み出し、表示パネル528(図7及び図8参照)に表示し、スピーカ527からブザー音を出力して報知する。なお、探索アンテナ111は、複数設けられており、島管理装置100の内部、島管理装置100が設置されているのと反対側の遊技島200の端、遊技島200の両側面に所定間隔で設置されている。
なお、認証タグ511では、報知呼出波を受信すると、反射波(報知反射波と呼ぶ)を返送する。島管理装置100では報知反射波を探索アンテナ111が受信すれば、周囲の係員へ異常発生の報知が行えたとされ、報知反射波を受信しなければ、周囲に係員がおらず、異常発生の報知が行えなかったとして、近隣の島管理装置100へ報知を依頼する依頼情報を送信する。依頼情報を受信した島管理装置100では報知呼出波を探索アンテナ111から送信して周囲の係員へ異常発生の報知を行う。本実施の形態では、遊技場内において15棟の遊技島200が設置され、それぞれに101番から115番までの15個の島管理装置100が管理番号の順に配置されているとする。例えば、一番壁側の島管理装置100が101番であるとすると、その隣が102番、その隣が103番と言うように配置されている。そこで、報知反射波を受信しなければ、まず隣(管理番号+1)の島管理装置100へ、報知呼出波の送信を依頼する依頼情報(図10参照)が送信され、隣の島管理装置100でも報知反射波を受信しなければ、反対の隣(管理番号−1)の島管理装置100へ依頼情報が送信される。
そして、異常の発生した遊技機の設置されている遊技島200の島管理装置100において、予め定められている島管理装置100の全てにおいて異常発生の報知が行えなかった場合には、ホールコンピュータ600へ未報知情報が送信され、ホールコンピュータ600において異常発生及び係員への報知が未実施であることの報知が行われる。
また、遊技者は、遊技者を識別可能なIDコードを記憶したICタグである遊技者タグ411を内蔵した遊技者カード410を所有している。この遊技者タグ411には、遊技者を識別可能なIDコードの他に、その遊技者の過去の遊技情報が記憶されている。遊技者は、遊技を開始する前に、通信ユニット300に遊技者カード410をセットする。通信ユニット300には、RW30が遊技者タグ411とRFID通信を行うための遊技者アンテナ302(図5参照)が備えられている。そして、RW30では、繰り返し遊技者タグ411を呼び出す呼出波を送信しており、遊技者タグ411とのRFID通信が成立し、遊技者を認識すると、その後のパチンコ機1の遊技情報(打ち込み球数、払出球数、大当たり抽選回数、大当たり回数など)が所定時間(例えば、1分)ごとに遊技者タグ411へ送信され、遊技者タグ411のEEPROM(図示外)に書き込まれる。また、遊技者タグ411に書き込まれる遊技情報は、RW30から島管理装置100を経由して、ホールコンピュータ600へ送信され、集計、記憶される。
また、遊技者端末400にも、遊技者タグ411とRFID通信するためのアンテナが設けられており、遊技者端末400は遊技者カード410(遊技者タグ411)に記憶されている遊技情報を読み出すことができる。そこで、遊技者は、遊技者カード410を遊技者端末にセットすることにより、記憶されている遊技情報を閲覧することができる。
2.パチンコ機及びパチンコ機付属機器の説明
次に、図3乃至図6を参照して、パチンコ機1について説明する。図3は、パチンコ機1の前面枠11及び本体枠10を開いた状態をパチンコ機1の前面から見た斜視図である。図4は、パチンコ機1の背面図である。図5は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、パチンコ機1は、機枠12と、本体枠10と、前面枠11とから構成されている。機枠12は、パチンコ機1を遊技島200に固定するためのものである。また、本体枠10は、前面側に遊技領域4を有する遊技盤2、遊技球を貯留するための上皿5や下皿6等を備え、裏面側には機構部としての機構板、パチンコ機1の制御を司る種々の基板等が設置されている。そして前面枠11は、遊技盤を覆うためのガラス板を保持している。さらに、遊技領域4には、図柄表示装置や各種入賞口等が設けられている。
図4に示すように、パチンコ機1背面の下部には、パチンコ機1の主制御を司る主基板41を収納した主基板ケース81、遊技球の払い出しを制御する払出制御基板45を収容した払出制御基板ケース82等が配置されている。また、機構板は、遊技球を払い出すための払出装置67を備えている。
次に、図5を参照してパチンコ機1の主な構成要素の電気的構成について説明する。パチンコ機1には、主基板41、払出制御基板45をはじめ図示外の電源基板、音基板、図柄表示基板、電飾基板、中継基板、発射基板、サブ統合基板等が設けられている。主基板41には、各種の演算処理を行うCPU51が設けられており、フラグやカウンタ値やデータを記憶するRAM52と、制御プログラム及び各種の初期値のデータや遊技領域4に設けられた図柄表示装置への表示内容のデータ等を記憶したROM53とを備えている。また、CPU51は、I/Oインタフェイス54に接続しており、I/Oインタフェイス54には払出制御基板45及び出力ポート55が接続している。なお、パチンコ機1は遊技島200に備えられた電源から電源供給を受けている。
また、図3及び図4に示すように、監視タグ86a〜86cが主基板ケース81、機枠12、前面枠11に貼り付けられている。そして、主基板ケース81、機枠12と本体枠10、本体枠10と前面枠11の開閉の監視が行われている。そして、各監視場所が閉じられた状態において、監視タグ86と対峙し、RFID通信が可能な位置に監視アンテナ68が備えられている。そこで、主基板ケース81に貼り付けられた監視タグ86をケースタグ86a、機枠12に貼り付けられた監視タグ86を機枠タグ86b、前面枠11に貼り付けられた監視タグ86を前面枠タグ86cとする。なお、ケースタグ86aと通信する監視アンテナ68をケースアンテナ68a、機枠タグ86bと通信する監視アンテナ68を機枠アンテナ68b、前面枠タグ86cと通信する監視アンテナ68を前面枠アンテナ68cとする。なお、主基板41が収容されている主基板ケース81を監視場所1とし、本体枠10と機枠12を監視場所2とし、前面枠11と本体枠10を監視場所3とする。
次に、図5を参照してRW30について説明する。RW30には、RW30の制御を司るCPU32が設けられている。CPU32にはフラグやデータ等を一時的に記憶するRAM34、制御プログラム及び各種の初期値のデータ等を記憶したROM33が内蔵されている。そして、CPU32には、監視情報等を記憶するEEPROM35、監視タグ86へ呼出波を送信し、反射波を受信するためのRadio Frequency回路(以下、RF回路と称する)38、時間管理を行うRTC(以下、Real Time Clockと称する)71、I/Oインタフェイス37が接続している。I/Oインタフェイス37には、パチンコ機1の主基板41の出力ポート55と接続する入力ポート39、島管理装置100を介して店内ネットワーク150に接続するため通信回路36が接続されている。
そして、RF回路38には、認証タグ511とRFID通信するための認証アンテナ301、及び、遊技者カード410とRFID通信するための遊技者アンテナ302がケーブルで接続しており、当該パチンコ機1の前面に設置されている通信ユニット300内に設けられている。また、パチンコ機1の各監視場所に貼り付けられている監視タグ86a〜86cとRFID通信するための監視アンテナ68a〜68cもRF回路38に接続している。
3.ICタグ及びアンテナの説明
次に、監視タグ86、遊技者カード410、認証タグ511について説明する。監視タグ86、遊技者カード410は13.56MHzの短波帯でRFID通信を行うICタグである。
例えば、ケースタグ86aが貼り付けられてその開放が監視される主基板ケース81では、上蓋部及び下蓋部の中に主基板41が収納され、上蓋部と下蓋部とは開かないようにかしめられている。そして、ケースアンテナ68aは主基板ケース81の下蓋部に設置されており、ケースタグ86aは上蓋部に設置されている。そして、ケースアンテナ68aとケースタグ86aとの距離は、主基板ケース81の上蓋部と下蓋部を組み付けた状態で約3mmになるように配置されている。この距離間ではRFID通信が可能であり、ケースアンテナ68aとケースタグ86aとの距離が約5mmを超えると通信不能となるように設定されている。この通信可能距離は、監視アンテナ68のコイルの巻き数やリアクタンス値により調節が可能である。このように通信可能距離を設定することにより、上蓋部のわずかな隙間の開放であっても検知することができ、また、振動等によるわずかな揺れでは通信不能とならないように調整されている。
また、機枠タグ86bと機枠アンテナ68bとの通信可能距離についても、機枠12と本体枠10とを閉じた状態では通信可能となり、少しでも開けられた状態(例えば、5mmを超えた状態)では通信不能となるように、機枠アンテナ68bのコイルの巻き数やリアクタンス値の調節が行われている。そして、前面枠タグ86cと前面枠アンテナ68cとの通信可能距離についても、前面枠11と本体枠10とを閉じた状態では通信可能となり、少しでもあけられた状態(例えば、3mmを超えた状態)では通信不能となるように、前面枠アンテナ68cのコイルの巻き数やリアクタンス値の調節が行われている。
また、認証タグ511は、950MHzのUHF帯を利用している。このUHF帯を利用したICタグでは、数mと通信距離が長く、アンテナから発信される電波の波長が長いと共に、電波の回り込み易いので、係員が所持している認証タグ511をアンテナに近づけなくてもRFID通信を行うことが可能である。前述したように、認証タグ511と通信するための探索アンテナ111は、遊技島200に複数設置されており、遊技島200の周囲に隈なく探索アンテナ111から発せられる報知呼出波が届くように構成されているので、遊技島200の周囲に認証タグ511を内蔵した携帯端末510を所有した係員がいれば、島管理装置100は認証タグ511とRFID通信を行うことができる。また、探索アンテナ111から発信される電波の届かない場所にいる係員の携帯端末510の認証タグ511とはRFID通信が成立しないため、遊技島200から離れている係員に報知することはない。なお、認証を行うための認証アンテナ301は通信ユニット300の正面側内部に設置されており、短い距離(例えば、2cm)に認証タグ511が近づかないとRFID通信ができないように、コイルの巻き数やリアクタンス値の調節が行われている。
また、遊技者アンテナ302は通信ユニット300の内部に設置されている。通信ユニット300は遊技者カード410を保持できるように、その上面にカード差込口が設けられている。そして、遊技者カード410がカード差込口に挿入された状態で通信可能なようにコイルの巻き数やリアクタンス値の調節が行われている。
3.島管理装置の説明
次に、図6を参照して、島管理装置100について説明する。図6は、島管理装置100の電気的構成を示すブロック図であり、図6に示すように、島管理装置100は、CPU101を備えており、RAM102,ROM103,EEPROM104,I/Oインタフェイス105、RTC112がCPU101に接続している。さらに、CPU101にはRF回路108が接続されており、このRF回路108は、携帯端末510の認証タグ511とRFID通信するための探索アンテナ111を備えている。そして、I/Oインタフェイス105には、店内ネットワーク150へ接続するための通信回路110が接続している。また、I/Oインタフェイス105には、遊技島200の監視の状態を示すメッセージ等を表示する表示器107が設けられている。また、EEPROM104には、遊技場内の島管理装置100へデータを送信する際の送信先アドレス、使用可能な認証タグ511のIDコード等の情報が記憶されている。
4.携帯端末の説明
次に、図7及び図8を参照して、携帯端末510について説明する。図7は、携帯端末510の正面図であり、図8は、携帯端末510の電気的構成を示すブロック図である。携帯端末510は、係員がポケット等に入れて所持可能なサイズの略直方体の端末装置である。図7に示すように、その正面の長手方向を縦方向、短手方向を横方向として、図7における上部に表示パネル528が設けられており、その下部に入力ボタン526、スピーカ527が備えられている。また、入力ボタン526とスピーカ527との間の内部には、認証タグ511が備えられている。図7に示す例では、表示パネル528に「101番台 2005.03.11 11:28:46 前面枠異常開放!!」という前面枠が開放されている異常が発生している旨を示すメッセージが表示されている。
図8に示すように、携帯端末510にはその制御を司るCPU520が備えられており、ROM521及びRAM522が内蔵され、EEPROM523が接続している。さらにCPU520はI/Oインタフェイス524を接続しており、I/Oインタフェイス524を介してCPU520にバッテリ525、入力ボタン526、スピーカ527、表示パネル528、認証タグ511が接続している。バッテリ525は当該携帯端末510を駆動するための電源であり、認証タグ511もこのバッテリ525から電源供給を受けている。入力ボタン526は入力を行うためのボタンである。そして、スピーカ527からは異常発生の報知が行われる際に警告音等が出力され、表示パネル528へは異常の内容が表示される。
そして、認証タグ511はCPU512を備えており、認証タグアンテナ515を備えた、RFID通信を行うためのRF回路513及びEEPROM514を接続している。EEPROM514には、当該認証タグ511を識別するためのユニークなIDコードが記憶されている。
5.異常発生報知に係るデータの説明
まず、図9及び図10を参照して、異常発生報知に係るデータについて説明する。図9は、RW30から島管理装置100へ送信される異常情報160の模式図であり、図10は、異常の発生した遊技機が設置されている島管理装置100から近隣の島管理装置100へ送信される依頼情報161の模式図である。
本実施の形態では、RW30においてパチンコ機1の異常を検出すると、島管理装置100へ「異常情報」(例えば、図9に示す異常情報160)が送信される。そして、島管理装置100では異常情報160を受信するとその異常情報160を載せた報知呼出波が探索アンテナ111から送信される。その報知呼出波を受信した認証タグ511があれば、報知反射波を返送してくる。そこで、島管理装置100は報知反射波を受信できなければ、報知が行われていないことになるので、依頼情報161の内容を報知する依頼を行う「依頼情報」(例えば、図10に示す依頼情報161)を所定の島管理装置100へ送信する。
依頼情報161を受信した島管理装置100では、依頼情報161に含まれている異常情報を載せた報知呼出波を送信し、報知反射波を受信すれば、報知を行えたことを示すコードがセットされている「報知済情報」を依頼元の島管理装置100へ送信し、報知反射波を受信できなければ、報知を行うことができなかったことを示すコードがセットされている「報知不能情報」を依頼元の島管理装置100へ送信する。
また、依頼元の島管理装置100では、全ての島管理装置100から「報知不能情報」を受信した場合には報知が行えていないので、その異常情報をホールコンピュータ600で報知するための「未報知情報」が送信される。そして、ホールコンピュータ600では「未報知情報」を受信したら、異常の内容及び異常発生の報知が行えなかったことが報知される。
図9に示すように、異常情報160には「区分」欄、「台番号」欄、「日時」欄、「監視場所」欄、「内容」欄、「状態」欄が設けられている。「区分」欄は「異常情報」であることを示す値「1」がセットされる。「台番号」欄には当該異常情報を作成したRW30が設置されているパチンコ機1の台番号がセットされ、「日時」欄はその監視情報が作成された日時がセットされ、「監視場所」欄には異常が発生/回復した又は作業が行われた監視場所を示す番号がセットされる。本実施の形態では、「1」は監視場所1(主基板41が収容されている主基板ケース81)を示し、「2」は監視場所2(本体枠10と機枠12)を示し、「3」は監視場所3(前面枠11と本体枠10)を示している。
そして、「内容」欄は異常の内容が「IDエラー」であるか、「応答エラー」であるかを示す情報がセットされる。予め登録されていないIDコードのICタグとRFID通信したことによる「IDエラー」では「1」がセットされ、呼出波に対してICタグから反射波の応答がない「応答エラー」では「0」がセットされる。そして、「状態」欄は異常の「発生」であるか、「回復」であるかを示す情報がセットされる。「発生」では「1」がセットされ、「回復」では「0」がセットされる。
図9に示す例では、異常情報160には「区分」欄に「異常情報」であることを示す「1」がセットされており、「台番号」欄には「101」がセットされており、「日時」欄には「2005.03.11 11:28:46」がセットされており、「監視場所」欄には監視場所3(前面枠11と本体枠10)を示す「3」がセットされており、「内容」欄には応答エラーを示す「0」がセットされており、「状態」欄には発生を示す「1」がセットされている。
また、図10に示すように、依頼情報161には「区分」欄、「宛先」欄、「応答先」欄、「異常情報」欄が設けられている。「区分」欄は、この情報が依頼情報であることを示すコードであり「3」がセットされており、「宛先」欄は、この依頼情報の送信先の島管理装置100の管理番号がセットされ、「応答先」欄は、依頼に対する応答をする島管理装置100の管理番号がセットされる。「異常情報」欄には、報知を行う異常についての異常情報がセットされる。尚、依頼情報にセットされる情報は必ず異常情報であるので、異常情報160にある「区分」欄は省かれている。
図10に示す例では「区分」欄に「1」がセットされ、「宛先」欄に「108」がセットされ、「応答先」欄に「107」がセットされている。「異常情報」欄には、図9に示した異常情報160と同様、「台番号」欄に「101」がセットされており、「日時」欄に「2005.03.11 11:28:46」がセットされており、「監視場所」欄に監視場所3(前面枠11と本体枠10)を示す「3」がセットされており、「内容」欄に応答エラーを示す「0」がセットされており、「状態」欄に発生を示す「1」がセットされている。
6.島管理装置の動作の説明
次に、図11乃至図14のフローチャートを参照して、本実施の形態における島管理装置100の報知動作の説明をする。図11はメイン処理のフローチャートであり、図12は、メイン処理で行われる報知処理のフローチャートであり、図13は、メイン処理で行われる依頼処理のフローチャートであり、図14は、メイン処理で行われる依頼中処理のフローチャートである。
島管理装置100は、遊技店の開店前の所定時間にホールコンピュータ600からの指示により起動する。そして、自身の動作確認等の初期処理が行われる(S101)。そして、作業情報をRW30から受信した場合には(S102:YES)、その作業情報が店内ネットワーク150によりホールコンピュータ600へ送信され(S107)、S102へ戻る。また、異常情報をRW30から受信した場合には(S102:NO,S103:YES)、異常発生を報知する必要があるので報知処理が行われ(S108、図12参照)、S102へ戻る。報知処理については、図12を参照して後述するが、ここでは、報知呼出波の送信が行われると共に、ホールコンピュータ600へ異常情報が送信される。そして、報知反射波が受信できなかった場合には隣の島管理装置100へ依頼情報を送信する。
また、依頼情報を他の島管理装置100から受信した場合には(S102:NO,S103:NO,S104:YES)、その依頼に応えて依頼処理が行われ(S109、図13参照)、S102へ戻る。依頼処理については、図13を参照して後述するが、ここでは、報知呼出波の送信が行われ、報知反射波を受信した場合には送信元の島管理装置100へ報知済情報が送信され、報知反射波を受信できなかった場合には送信元の島管理装置100へ報知不能情報が送信される。
作業情報、異常情報、依頼情報を受信しない場合には(S102:NO,S103:NO,S104:NO)、依頼フラグが「ON」であるか否かの判断が行われる(S106)。この依頼フラグは、報知処理において隣の島管理装置100へ依頼情報を送信した場合に「ON」(「1」)とされている。そこで、依頼フラグが「ON」であれば(S106:YES)、依頼中処理が行われる(S110、図14参照)。この依頼中処理については、図14を参照して後述するが、ここでは、依頼情報の送信に対する処理、報知済情報や報知不能情報の受信処理が行われ、報知不能情報を受信したり所定時間(例えば、20秒)以内に報知済情報を受信しない際に、次の島管理装置100へ依頼情報を送信する処理が行われる。
また、依頼フラグが「ON」でなければ(S106:NO)、その他の処理が行われる(S115)。そして、終了の指示をホールコンピュータ600から受信したか否かの判断が行われ(S116)、受信していなければ(S116:NO)、S102へ戻り、繰り返しS102〜S106,S116の判断処理が行われ、それに応じた処理が行われる。なお、終了指示をホールコンピュータ600から受信したら(S116:YES)、終了処理が行われて(S117)、本処理は終了し、島管理装置100は電源OFFされる。
次に、図12のフローチャートを参照して、報知処理(図11,S108)について説明する。RW30から異常情報を受信したら(図11、S103:YES)、まずホールコンピュータ600へその異常情報が送信される(S121)。そして、周囲にいる係員に異常発生を報知するために探索アンテナ111から認証タグ511を呼び出すための報知呼出波が送信される(S122)。そして、認証タグ511からの報知呼出波に対する報知反射波の受信処理が行われる(S123)。ここでは、所定時間(例えば、5秒間)報知反射波の受信が待機され、受信した報知反射波からIDコードが読み出され、RAM102に記憶される。なお、このIDコードが記憶されるRAM102の記憶エリアは、報知呼出波を送信する際に初期化されている。
そして、認証タグ511から報知反射波を受信したか否かの判断が行われる(S124)。RAM102に報知反射波から読み出されたIDコードが記憶されていれば、報知反射波を受信していることになる(S124:YES)。報知反射波を受信したならば、島管理装置100の周囲に認証タグ511が存在している、即ち、係員が存在しており、異常発生の報知を行えたことになるので、そのまま報知処理は終了し、メイン処理へ戻りS102へ進む。
また、RAM102にIDコードが記憶されていないICタグと通信を行ったり、認証タグ511から報知反射波を受信していなかったりした場合には(S124:NO)、周囲に係員がいないことになるので、近隣の島管理装置100へ報知呼出波の送信を依頼する必要がある。そこで、まず、依頼フラグに「1」が記憶されて「ON」とされる(S125)。そして、タイマカウンタがスタートされる(S126)。そして、依頼情報送信管理のための変数p、m、N、nに値がセットされる(S127)。
変数pには、一番端の島管理装置100まで依頼情報が送信された場合に「1」が加算され、初期値は「0」、一方の端まで送信された場合には「1」、両方の端まで送信された場合、すなわち全ての島管理装置100へ送信された場合には「2」となっている。また、変数nは、依頼情報を送信する島管理装置100の管理番号を示す変数である。変数mは、自身から何台離れた島管理装置100であるかを示す変数であり、変数nを決定するための変数として使用される。また、変数Nは自身の管理番号がセットされる。なお、変数mの初期値は「1」、変数nの初期値は「N+m」とされる。したがって、まず自身の管理番号よりも1番大きい番号の島管理装置100へ依頼情報が送信されることになる。
そして、S121で送信した依頼情報を含む依頼情報が作成され、管理番号がnである島管理装置100への送信される(S128)。そして、報知処理は終了し、メイン処理へ戻りS102へ進む。
次に、図13のフローチャートを参照して、依頼処理(図11、S109)について説明する。他の島管理装置100から依頼情報を受信したら(図11、S104:YES)、まず周囲にいる係員へ報知するために探索アンテナ111から認証タグ511を呼び出すための報知呼出波が送信される(S141)。そして、認証タグ511からの報知呼出波に対する報知反射波の受信処理が行われる(S142)。ここでは、所定時間(例えば、5秒間)報知反射波の受信が待機され、受信した報知反射波からIDコードが読み出され、RAM102に記憶される。なお、このIDコードが 記憶されるRAM102の記憶エリアは、報知呼出波を送信する際に初期化されている。
そして、認証タグ511から報知反射波を受信したか否かの判断が行われる(S143)。RAM102に報知反射波から読み出されたIDコードが記憶されていれば、報知反射波を受信していることになる(S143:YES)。そこで、報知済情報が作成され、依頼情報に指定されている送信元の島管理装置100へ送信される(S145)。そして、依頼処理は終了し、メイン処理へ戻りS102へ進む。
また、RAM102にIDコードが記憶されていなかったり、認証タグ511から報知反射波を受信していなかったりした場合には(S143:NO)、周囲に係員がいないことになるので、その旨を示す報知不能情報が作成され、依頼情報に指定されている送信元の島管理装置100へ送信される(S144)。そして、依頼処理は終了し、メイン処理へ戻りS102へ進む。
次に、図14を参照して、依頼中処理(図11、S110)について説明する。いずれの情報も受信せずに(S102:NO、S103:NO、S104:NO)、依頼フラグが「ON」であれば(S106:YES)、まず、タイマカウンタが10秒を経過しているか否かの判断が行われる(S161)。10秒経過していなければ(S161:NO)、まだ報知済情報又は報知不能情報の受信を待機するので、報知済情報を受信したか否かの判断(S162)及び報知不能情報を受信したか否かの判断が行われる(S163)。報知済情報が受信された場合には(S162:YES)、異常発生の報知はすでに行われたということなので、タイマカウンタが停止され(S164)、依頼フラグが「OFF」される(S165)。そして、メイン処理へ戻りS102へ進む。
また、報知不能情報を受信した場合には(S162:NO、S163:YES)、依頼した島管理装置100において係員へ報知されなかったということなので、他の島管理装置へ依頼情報を送信する必要がある。そこで、まず、変数pの値が「2」であるか否かの判断が行われる(S166)。変数pの値が「2」でなければ(S166:NO)、まだ依頼をしていない島管理装置100が存在するので、S167へ進む。変数pの値が「2」であれば(S166:YES)、すでに全ての島管理装置100へ依頼済であり、そのどこにも係員おらず、報知されなかったということになるので、ホールコンピュータ600へ未報知情報が送信される(S191)。そして、メイン処理へ戻りS102へ進む。
なお、S167では、まず、変数n(前回依頼情報を送信した島管理装置100の管理番号)が自身の管理番号Nよりも大きいか否かの判断が行われる(S167)。大きい場合には(S167:YES)、自身の管理番号Nよりも管理番号が小さい側の島管理装置100のうち、まだ依頼情報を送信していない島管理装置100で一番近い島管理装置100に依頼情報を送信したい。そこで、変数nに自身の管理番号Nから変数mの値を引いた値がセットされる(S171)。例えば、自身の管理番号が「107」であり、変数nが「108」の際には、変数mは「1」となっているので、新たな変数nは「107−1=106」となる。
そして、新たな変数nの値が管理番号の最小値MINよりも小さいか否かの判断が行われる(S172)。新たな変数nの値が最小の管理番号よりも小さくなければ(S172:NO)、タイマカウンタが再スタートされ(S173)、管理番号がnである島管理装置100への依頼情報が作成、送信される(S174)。そして、報知処理は終了し、メイン処理へ戻りS102へ進む。
また、新たな変数nの値が最小の管理番号(MIN)よりも小さければ(S172:YES)、その管理番号の島管理装置100は存在せず、そちら側の端まで依頼が完了したことになる。そこで、変数pに「1」が加算される(S175)。ここで、変数pの値が「2」となった場合には(S176:YES)、全ての島管理装置100へ依頼済みであるということなので、S191へ進み、ホールコンピュータ600へ未報知情報が送信される(S191)。そして、メイン処理へ戻りS102へ進む。変数pの値が「2」となっていなければ(S176:NO)、まだ依頼していない島管理装置100があるので、次の島管理装置100として、反対側の島管理装置100で依頼情報を送信しておらず一番近いものへ依頼情報を送信するために、S180へ進む。
また、S167において、変数nが自身の管理番号Nよりも大きくないと判断された場合には(S167:NO)、自身の管理番号Nよりも管理番号が大きい側の島管理装置100のうち、まだ依頼情報を送信していない島管理装置100で一番近い島管理装置100に依頼情報を送信したい。そこで、前回依頼情報を送信した島管理装置100が自身から何台離れているかを示す変数mに「1」が加算され(S180)、変数nに自身の管理番号Nに変数mの値を加算した値がセットされる(S181)。
そして、新たな変数nの値が管理番号の最大値MAXよりも大きいか否かの判断が行われる(S182)。新たな変数nの値が最大の管理番号(MAX)よりも大きくなければ(S182:NO)、タイマカウンタが再スタートされ(S183)、管理番号がnである島管理装置100への依頼情報が作成、送信される(S184)。そして、依頼中処理は終了し、メイン処理へ戻りS102へ戻る。
また、新たな変数nの値が最大の管理番号よりも大きければ(S182:YES)、その管理番号の島管理装置100は存在せず、そちら側の端まで依頼が完了したことになる。そこで、変数pに「1」が加算される(S185)。ここで、変数pの値が「2」となった場合には(S186:YES)、全ての島管理装置100へ依頼済みであるということなので、S191へ進み、ホールコンピュータ600へ未報知情報が送信される(S191)。そして、メイン処理へ戻りS102へ進む。変数pの値が「2」となっていなければ(S186:NO)、まだ依頼していない島管理装置100があるので、そして、次の島管理装置100として、反対側の島管理装置100で依頼情報を送信しておらず一番近いものへ依頼情報を送信するために、S171へ進む。
以上のようにして、島管理装置100では、RW30から異常情報が送信された際には、その異常情報を載せた報知呼出波が送信される。周囲に係員がいる場合には、係員が携帯している携帯端末510に内蔵された認証タグ511がその報知呼出波を受信してRFID通信が成立し、報知反射波を返送してくるので係員が存在したことがわかる。また、報知反射波の返送がなければ、係員が存在しておらず報知が行えなかったこととなるので、他の島管理装置100へ依頼情報を送信する。
例えば、番号114の島管理装置100が設置されている遊技島200のパチンコ機1において不正な開放が発生し、112〜115番の島管理装置100の周囲に係員はおらず、その近隣の島管理装置100では112番の島管理装置100の周囲にIDコード「a7t8eb4r」の認証タグ511の携帯端末510を所有する係員がいたとする。
この場合には、異常情報を受信した島管理装置100は(図11、S103:YES)、ホールコンピュータ600へ異常情報を送信し(図12、S121)、探索アンテナ111から報知呼出波を送信する(S122)。そして、受信処理を行う(S123)。しかし、島管理装置100の周囲に係員はいないので(S124:NO)、依頼フラグをONとし(S125)、タイマカウンタをスタートさせる(S126)。そして、変数pに「0」、変数mに「1」、変数Nに「114」、変数nに「114+1=115」がセットされる(S127)。そして、108番の島管理装置100へ区分「1」、宛先「115」、送信元「114」の依頼情報(図18参照)が送信される(S128)。
ところで、依頼情報を受信した108番の島管理装置100では(図11、S104:YES)、探索アンテナ111から報知呼出波を送信し(図13、S141)、受信処理を行う(S142)。そこで、108番の島管理装置100の周囲に係員はいないので(S143:NO)、宛先「108」の報知不能情報を作成、送信する(S144)。
そこで、114番の島管理装置100では、報知不能情報を受信する(図11、S106:YES,S110、図14、S161:NO,S162:NO,S163:YES)。変数pは「0」のままであり(S166:NO)、変数n「115」>変数N「114」であるので(S167:YES)、変数nに「114−1=113」がセットされ(S171)、変数n「113」>最小管理番号「101」なので(S172:NO)、タイマカウンタが再スタートして(S173)、113番の島管理装置100へ区分「1」、宛先「113」、送信元「114」の依頼情報を送信する(S144)。
依頼情報を受信した113番の島管理装置100では(図11、S104:YES)、探索アンテナ111から報知呼出波を送信し(図13、S141)、受信処理を行う(S142)。そこで、114番の島管理装置100の周囲に係員はいないので(S143:NO)、宛先「114」の報知不能情報を作成、送信する(S144)。
そこで、114番の島管理装置100では、報知不能情報を受信する(図11、S106:YES,S110、図14、S161:NO,S162:NO,S163:YES)。変数pは「0」のままであり(S166:NO)、変数n「113」<変数N「114」であるので(S167:NO)、変数mに「1」が加算されて「1+1=2」となり(S180)、変数nに「114+2=116」がセットされるが(S181)、変数n「116」>最大管理番号「115」であるので(S182:YES)、変数pに「1」が加算されて「1」となる(S185)。変数pは「2」でないので(S186:NO)、S171へ進み、変数nに「114−2=112」がセットされて(S171)、変数n「112」>最小管理番号「101」なので(S172:NO)、タイマカウンタがスタートされ(S173)、112番の島管理装置100へ区分「1」、宛先「112」、送信元「114」の依頼情報を送信する(S174)。
依頼情報を受信した112番の島管理装置100では(図11、S104:YES)、探索アンテナ111から報知呼出波を送信し(図13、S141)、受信処理を行う(S142)。そこで、112番の島管理装置100の周囲にはIDコード「a7t8eb4r」の認証タグ511の携帯端末510を所有する係員がいるので、IDコード「a7t8eb4r」を含む報知反射波を受信する(S143:YES)。そこで、依頼情報の送信元の島管理装置100の管理番号「114」を宛先として報知済情報が作成、送信される(S145)。
114番の島管理装置100では、112番の島管理装置100が送信した報知済情報を受信したら(図11、S106:YES,S110、図14、S161:NO,S162:YES)、タイマカウンタをストップさせ(S164)、依頼フラグを「OFF」する(S165)。
このようにして、RW30から異常情報を受信した場合には、まず、報知呼出波が送信され自身の周囲にいる係員に報知される。しかし、報知反射波を受信できず、係員に報知されていない場合には、まず自身の管理番号よりも1番大きい番号(N+m,m=1)の島管理装置100へ依頼情報が送信され、その島管理装置100の周囲に報知呼出波が送信され、周囲にいる係員に報知される。しかし、N+1番目の島管理装置100においても係員に報知できなかった場合には、自身の管理番号よりも1番小さい番号(N−1,m=1)の島管理装置100へ依頼情報が送信され、その島管理装置100の周囲に報知呼出波が送信され、周囲にいる係員に報知される。しかし、N−1番目の島管理装置100においても係員に報知できなかった場合には、自身の管理番号よりも2番大きい番号(N+m,m=2)の島管理装置100へ依頼情報が送信され、その島管理装置100の周囲に報知呼出波が送信され、周囲にいる係員に報知される。このように、島管理装置100(遊技島200)の距離関係に沿って島管理装置100の管理番号を割り当てているので、自身に近い島管理装置100から順に報知呼出波の送信を依頼することができる。
したがって、異常の発生したパチンコ機1の近くにいる係員が迅速に対応することができる。また、異常の発生したパチンコ機1が設置されている遊技島200の島管理装置100の周囲に係員がいなかった場合であっても、近い島管理装置100から順に依頼情報を送信して、その島管理装置100の近くにいる係員へ報知を行うことができるので、異常の発生したパチンコ機1の近くにいる係員が迅速に対応することができる。
7.携帯端末の動作の説明
次に、図15及び図16を参照して、携帯端末510の動作について説明する。図15は、認証タグ511のCPU512で実施される認証タグ処理のフローチャートであり、図16は、携帯端末510のCPU520で実施される携帯端末処理のフローチャートである。
図15に示すように、認証タグ511は携帯端末520の電源がオンされると、図15のフローチャートに示す認証タグ処理が開始される。そして、使用される記憶エリアの初期化等の初期処理が行われ(S1)、島管理装置100から報知呼出波を受信したか否かの判断が行われる(S2)。報知呼出波を受信していれば(S2:YES)、受信した報知呼出波に含まれている異常情報が読み出され(S3)、読み出された異常情報が携帯端末520へ送信され(S4)、EEPROM514に記憶されている自身のIDコードが読み出され、そのIDコードを含む報知反射波が認証タグアンテナ515から送信され(S5)、S2へ戻る。
また、報知呼出波を受信していなければ(S2:NO)、その他の処理が行われて(S6)、S2へ戻る。このような処理が繰り返されることにより、認証タグ511は島管理装置100からの報知呼出波を受信して、その中に含まれている異常情報を携帯端末510へ引き渡している。
また、携帯端末520の電源がオンされると、図16のフローチャートに示す携帯端末処理が開始される。そして、使用される記憶エリアの初期化等の初期処理が行われ(S11)、認証タグ511から異常情報を受信したか否かの判断が行われる(S12)。異常情報を受信していれば(S12:YES)、島管理装置100からの報知呼出波を認証タグ511が受信し、そこから読み出された異常情報が送信されてきたということなので、異常情報がEEPROM523へ記憶され(S13)、表示パネル528へ異常の発生を示すメッセージが表示され、スピーカ527から異常の発生を警告する警告音(例えば、ピーピーピー)が出力される(S14)。そして、S12へ戻る。
また、異常情報を受信していない場合には(S12:NO)、その他の処理が行われ(S15)、S12へ戻る。ここでは、入力ボタン526からの入力に応じた処理が行われる。例えば、所定のボタンが押下されると、スピーカ527から出力されている警告音が停止されたり、また、他の所定のボタンが押下されると、表示パネル528に表示されているメッセージが消去されたりする。また、他の所定のボタンが押下されると、過去の異常情報が履歴表示されたりする。このような処理が繰り返されることにより、携帯端末510では、認証タグ511が報知呼出波を受信すると、その中に含まれている異常情報の内容を報知している。
8.請求項との対比
図12に示す報知処理のS122、図13に示す依頼処理のS141の処理を行うCPU101が「報知呼出波送信手段」に相当し、図11に示すメイン処理のS103及び図12に示す報知処理のS122の処理を行うCPU101が「第1報知呼出波送信制御手段」に相当し、図11に示すメイン処理のS104及び図13に示す依頼処理のS141の処理を行うCPU101が「第2報知呼出波送信制御手段」に相当し、図12に示す報知処理のS124の処理を行うCPU101が「報知反射波受信手段」に相当する。また、図12に示す報知処理のS128、図14に示す依頼中処理のS174,S184の処理を行うCPU101が「依頼情報送信手段」に相当し、図14に示す依頼中処理の処理を行うCPU101が「依頼情報送信制御手段」に相当し、図11に示すメイン処理のS104の処理を行うCPU101が「依頼情報受信手段」に相当する。
図15に示す認証タグ処理のS2の処理を行うCPU512が「報知呼出波受信手段」に相当し、S3の処理を行うCPU512が「異常情報読出手段」に相当し、図に示すS5の処理を行うCPU512が「報知反射波送信手段」に相当する。また、図16に示す携帯端末処理のS14の処理を行うCPU520が「報知手段」に相当する。
9.変形例の説明
なお、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。以下に、本発明を適用する実施の形態の変形例について説明する。まず、本実施形態では所定の動作を行う装置として、遊技機の一種であるパチンコ機を例に挙げているが、所定の動作を行う装置は遊技機であるパチンコ機に限られず、パチコン機、パチスロ台等の各種の遊技機に適用可能である。
また、上記実施の形態では、被監視部材としてパチンコ機1の主基板ケース81、本体枠10と機枠12、前面枠11と本体枠10、夫々一箇所に監視タグを設置したが、移動を監視される部材はこれに限らず、他の基板収納ボックスや、大入賞口や普通図柄始動ゲート等の入賞口に設置して、その開閉状態を監視してもよい。また、監視タグを設置する場所は各部材に一箇所である必要はなく、複数の位置に設置してもよい。さらに、遊技機がパチンコ機1でない場合にはもちろん、移動を監視される部材は上記実施の形態の部材に限らず、遊技機に備えられ、開閉が行われる開閉部材や装置を構成する構成部材であればよく、開閉部材の開閉や構成部材の所在を監視するために、1つ又は複数の監視タグを開閉部材や構成部材に設置して、その部材の移動を監視してもよい。
また、上記施の形態では、携帯端末510を認証タグ511を内蔵した、報知機能のみを持つ端末装置としたが、携帯端末510は他の機能を有していてもよいことはいうまでもない。例えば、電話機能やインターネット接続機能を有した携帯電話であってもよい。また、その形状は略直方体に限らず、その他の形状であってもよいことはいうまでもない。例えば、丸みを帯びていたり、楕円球形状であったりしてもよい。
また、上記実施の形態では、遊技島200に複数の探索アンテナ111を設置したが、設置数や位置はこれに限らずより多くの探索アンテナ111を設置してもよく、遊技島200が小さい場合にはより少ない数の探索アンテナ111を設置してもよく、遊技場の環境に合わせて、遊技島200の周囲に隈なく探索アンテナ111の電波が届くように、探索アンテナ111の出力及び設置数を調整すればよい。
また、上記実施の形態では、全ての島管理装置100へ依頼情報を送信しているが、異常の発生した遊技島200から所定数(例えば、3棟)の遊技島200の島管理装置100までのみ依頼情報を送信するようにしてもよい。例えば、3棟までとする場合には、図14に示す依頼中処理のS172において最小の管理番号と比較しているが、ここでは「N−3」と比較し、S182において最大の管理番号と比較しているが、ここでは「N+3」と比較するようにすればよい。
また、他の島管理装置100への依頼情報の送信順序は上記実施の形態に限らず、まず両隣の2台の島管理装置100に同時に依頼情報を送信したり、両隣2台ずつの計4台の島管理装置100に同時に依頼情報を送信したりしてもよい。また、上記実施の形態では、依頼情報を受信した島管理装置100において、報知反射波を受信できなかった場合に「報知不能情報」を依頼元の島管理装置100へ送信し、依頼元の島管理装置100において次の島管理装置100へ依頼情報を送信している。しかしながら、依頼情報を受信した島管理装置100において報知できなかった場合の処理は、これに限らず、依頼情報を受信した島管理装置100において次の島管理装置100へ依頼情報を送信するようにしてもよい。