以下、本発明の実施の形態を図面を参照して以下の順で説明する。
1.システム構成の概要説明
2.パチンコ機1及びリーダライタユニット30の説明
3.監視場所の説明
4.ICタグの説明
5.RAM34の説明
6.管理端末300の説明
7.監視処理の説明
8.管理端末300の処理の説明
9.実施の形態と請求項との対比
10.変形例の説明
1.システム構成の概要説明
図1は、本実施の形態の監視システムの構成図である。遊技場内では、複数台のパチンコ機1を背中合わせに2列に並べて遊技機設置島200が形成されており、各々のパチンコ機1にはパチンコ機1の部材の監視を行うリーダライタユニット(以下、「R/Wユニット」と称する。)30が接続しており、R/Wユニット30にはカードホルダ90が接続している。さらに、パチンコ機1に接続しているR/Wユニット30が店内ネットワーク150を介して管理端末300に接続される構成となっている。尚、本実施形態の監視システムでは、パチンコ機1に備えられたR/Wユニット30が「監視装置」に該当し、管理端末300が「管理端末」に該当する。
尚、パチンコ機1には、監視を行う場所に監視タグ86が備えられ、正常に設置されている場合に監視タグ86と通信可能な位置に監視アンテナ68が備えられている(図2参照)。そして、監視アンテナ68が継続的に監視タグ86へ呼出波を送信し、監視タグ86から反射波が返送され、その反射波に含まれているIDコードが予めその監視タグ86が設置されている監視場所のIDコードとしてR/Wユニット30に登録されているIDコードと一致するか否かの判断が行われる。登録されているIDコードと一致するIDコードを含む反射波が返送されてきた場合には、監視タグ86が設置されている部材が正常な位置に存在すると判断される。つまり、通常は、監視タグ86と通信しており、監視タグ86から反射波が返送されてこなかったり、反射波が返送されてきてもIDコードが登録されていないものであったりした場合が異常な状態となる。尚、本実施の形態では、監視タグ86は機枠112、前面枠111及び主基板ボックス81の3箇所に備えられているが、具体的な設置場所については図2及び図3を参照して後述する。
また、監視の結果、異常が発生したり、異常が回復したりした場合には、その情報が監視情報としてR/Wユニット30のRAM34(図5、図10、図13参照)に記憶される。カードホルダ90においてランプ95(図4参照)を点灯させることにより異常が発生したことが報知され、遊技場内で係員が異常発生に対応することができる。また、監視情報は管理端末300へ送信され、管理端末300においても異常の発生や回復が報知される。尚、管理端末300は店内ネットワーク150に接続している全てのパチンコ機1の監視情報を収集し、蓄積する。
また、本実施の形態の監視システムでは、「認証部材」及び「認証タグ」としてカードキー91が使用される。このカードキー91は、ICチップ及びアンテナが埋め込まれたカード型のICタグであり(図4参照)、本実施の形態では、店長等の責任者のみが使用するマスタカードキー91aと、責任者以外の遊技場係員が使用するシフトカードキー91bに分類される。マスタカードキー91aは責任者1人が1つだけ所有し、シフトカードキー91bは、全ての遊技場係員が各々1枚ずつ所有する。尚、カードホルダ90はこのカードキー91をセットするものであり、遊技機設置島において、パチンコ機1の正面側からカードキー91をセット可能な位置、例えば、パチンコ機1とパチンコ機1との間や、パチンコ機1の上部に備えられている。
そして、本実施の形態では、認証アンテナ92が継続的に呼出波を送信しており、カードキー91から反射波が返送され、その反射波に含まれているIDコードが予めR/Wユニット30に登録されているIDコードのいずれかと一致する場合には、カードキー91が差し込まれているとR/Wユニット30が認識する。したがって、監視タグ86とは異なり、通常、カードキー91はR/Wユニット30で認識されていない。
R/Wユニット30がカードキー91を認識するとR/Wユニット30が「認証状態」とされる。マスタカードキー91aによる認証状態を「責任者モードの認証状態」と呼び、シフトカードキー91bによる認証状態を「係員モードの認証状態」と呼ぶこととし、この認証状態のモードの違いにより、R/Wユニット30では異なる制御を行う。「責任者モードの認証状態」では、監視アンテナ68から呼出波の送信を行わず、監視を行わない。また、「係員モードの認証状態」では、監視アンテナ68から呼出波の送信を行い、異常が発生した場合には監視情報を記憶し、管理端末へ監視情報を送信する。そして、管理端末300では受信した監視情報を記憶し、報知を行う。尚、認証状態を解除するタイミングは、「責任者モードの認証状態」と「係員モードの認証状態」とで異なり、これについては認証処理(図19参照)を説明する際に後述する。
2.パチンコ機1及びR/Wユニット30の説明
次に、図2乃至図5を参照してパチンコ機1の構造、パチンコ機1に備えられたR/Wユニット30について説明する。図2は、パチンコ機1の前面枠111及び本体枠110を開いた状態をパチンコ機1の前面から見た斜視図であり、図3はパチンコ機1の背面図であり、図4は、カードキー91及びカードホルダ90の斜視図である。また、図5は、パチンコ機1及びパチンコ機1に接続しているR/Wユニット30の電気的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、パチンコ機1は、機枠112と、本体枠110と、前面枠111とから構成されている。機枠112は、パチンコ機1を遊技機設置島200に固定するためのものである。また、本体枠110には、パチンコ機1の制御を司る種々の基板、図示外の発射機に遊技球を供給し、かつ、賞品球を受ける上皿5、賞品球を受ける下皿6、遊技球を発射するための発射ハンドル7から成る本体113及び遊技盤2がはめ込まれている。種々の基板は、本体枠110の背面に備えられている。また、略正方形の遊技盤2は、本体113の正面の上半分の部分に設けられ、遊技盤2の下方部には上皿5が設けられ、上皿5の直下には下皿6が設けられ、下皿6の右横には発射ハンドル7が設けられている。そして、前面枠111は、透明なガラス板111aを保持し、遊技盤2を保護のため覆っている。また、遊技盤2には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられており、発射ハンドル7を操作することにより発射された遊技球がガイドレール3に導かれて、遊技領域4へ侵入し、流下する。尚、遊技領域4の下部には、大入賞装置16が設けられ、さらに、種々の入賞装置、電飾ランプ、風車、障害釘及び図柄表示装置等が設けられている。
また、本体枠110には鍵穴120が設けられた施錠装置を備えており、鍵を挿入し、鍵121を左方向へ回転させると前面枠111が手前に開き、鍵121を右方向へ回転させると本体枠110が手前に開くように構成されている。
次に、図3を参照して、パチンコ機1の背面の構造について説明する。図3に示すように、パチンコ機1の左下部背面には、パチンコ機1の主制御を司る主基板41を収納した透明な樹脂製の主基板ボックス81が設けられ、主基板ボックス81の右隣には音基板43が、音基板43の右隣上方には電源基板42がそれぞれ透明な樹脂製のボックスに収められ、その下方には払出制御基板45が透明な樹脂製の払出制御基板ボックス82に収められて配置されている。さらに、主基板ボックス81の上方には、遊技盤の裏面を保護し、各種配線を覆うセンターカバー80が配置され、そのセンターカバー80の外側には、R/W基板31を収納したR/Wユニット30が設置されている。尚、R/Wユニット30の電源は、電源基板42からではなく遊技機設置島200の電源装置(図示外)から供給されている。
次に、図4を参照してカードホルダ90の外観について説明する。カードホルダ90は略立方体形状をしており、上面には開口部90aを設けている。そして、開口部90aから垂直に数センチの深さの挿入穴90bが設けられている。尚、この挿入穴90bの深さは、カードキー91の長手方向の長さよりも数センチ短くなっており、カードキー91を抜き差しできるようになっている。また、開口部90aの長手方向は、カードキー91の短手方向よりも数ミリ長く、開口部90aの短手方向は、カードキー91の厚みよりも1ミリ程度長く設計されており、カードキー91を挿入可能な広さとなっており、カードキー91を挿入穴90bへ挿入可能な形状となっている。また、挿入穴90bにおける、開口部90aの長手方向の辺から下りる面のいずれか一方には、カードキー91と通信を行うための認証アンテナ92が備えられている。図4に示す例では、図4における手前側の面に認証アンテナ92が備えられている。さらに、カードホルダ90の外側の遊技場係員の目を引きやすい位置、例えば、パチンコ機1の上部やパチンコ機1とパチンコ機1の間に設置した際に、通路側に配置される側面に、パチンコ機1に異常が発生していることを示すランプ95が設けられている。尚、この認証アンテナ92及びランプ95は図示外のケーブルでR/Wユニット30のR/W基板31に接続している。
次に、図5を参照して、パチンコ機1及びパチンコ機1に接続したR/Wユニット30の主な構成要素の電気的構成について説明する。パチンコ機1には、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、発射基板66、サブ統合基板58等が設けられている。主基板41には、各種の演算処理を行うCPU51が設けられており、フラグやカウンタ値やデータを記憶するRAM52と、制御プログラム及び各種の初期値のデータや図柄表示装置(図示外)への表示内容のデータ等を記憶したROM53とが接続している。また、CPU51は、I/Oインタフェイス54に接続しており、I/Oインタフェイス54には、R/Wユニット30へデータを引き渡すための出力ポート55、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47が接続している。さらに、サブ統合基板58には図柄表示基板44、電飾基板46、音基板43が接続され、払出制御基板45には発射基板66が接続されている。電源基板42は遊技機設置島に備えられた電源から電源供給を受けており、主基板41、サブ統合基板58、払出制御基板45、発射基板66に電源供給を行っている。
また、R/Wユニット30には、R/W基板31が備えられており、R/W基板31にはR/Wユニット30の制御を司るCPU32が設けられている。CPU32はフラグやデータ等を一時的に記憶するRAM34、制御プログラム及び各種の初期値のデータ等を記憶したROM33が内蔵されている。そして、CPU32には、監視情報等を記憶するEEPROM35、監視タグ86a,監視タグ86b,監視タグ86cへ呼出波を送信し、反射波を受信するためのRadio Frequency回路(以下、RF回路と称する)38、パチンコ機1の主基板41の出力ポート55と接続する入力ポート39、時間管理を行うRTC71、I/Oインタフェイス37が接続している。I/Oインタフェイス37には、管理端末300に接続するための店内ネットワーク150に接続する通信回路36が接続されている。さらに、RF回路38には、カードキー91と通信するための認証アンテナ92も接続されている。また、I/Oインタフェイス37にはパチンコ機1で異常が発生していることを示すランプ95が接続している。尚、この認証アンテナ92及びランプ95は、カードホルダ90(図4参照)に備えられている。
また、RF回路38には、監視タグ86a,86b,86cと通信するための監視アンテナ68a,68b,68cが接続されている。そして、パチンコ機1の各監視場所には監視タグ86a,86b,86cが貼り付けられており、各監視タグ86a,86b,86cと通信可能な位置に監視アンテナ68a,68b,68cが設置されている。尚、監視アンテナ68aは監視タグ86aと通信をし、監視アンテナ68bは監視タグ86bと通信をし、監視アンテナ68cは監視タグ86cと通信をする。
3.監視場所の説明
次に、図2、図3、図6を参照して、監視タグ86a,86b,86cが備えられている監視場所について説明する。図6は、主基板ボックス81の斜視図である。
監視場所は、主基板41が収容されている主基板ボックス81(監視場所1)、本体枠110と機枠112(監視場所2)、前面枠111と本体枠110(監視場所3)の3箇所であり、その開閉が監視されている。尚、監視場所1である主基板ボックス81を監視するために、監視タグ86a及び監視アンテナ68aが使用され、監視場所2である本体枠110と機枠112を監視するために、監視タグ86b及び監視アンテナ68bが使用され、監視場所3である前面枠111と本体枠110を監視するために、監視タグ86c及び監視アンテナ68cが使用される。
図3に示すように、主基板ボックス81の図3における正面視右下の内面には監視タグ86aが貼り付けられている。ここで、図6を参照して主基板ボックス81の監視について説明する。図6に示すように、主基板ボックス81は、透明な樹脂製の平面視略長方形の上蓋部81aと、同じく透明な樹脂製の平面視略長方形の下蓋部81cとから構成されている。また、上蓋部81aに対向する下蓋部81c上には、パチンコ機1の主制御を司る主基板41が配置されている。そして、上蓋部81aの裏面側には、小型で長方形の監視タグ86aが接着剤等で接着されている。主基板41の右下端部には、切り欠きが設けられ、その切り欠き位置には監視タグ86aと電磁波によるRF送受信を行うためのコイル状の監視アンテナ68aが下蓋部81cに設けられ、監視アンテナ68aは同軸ケーブルによりR/W基板31に接続されている。
また、図2に示すように、機枠112の図2における右枠の内面には監視タグ86bが貼り付けられており、本体113の右側面には監視アンテナ68bが備えられている。また、前面枠111と本体枠110とが閉じられた状態での前面枠111の正面視右上の裏面(本体枠110と向き合う面)には、監視タグ86cが貼り付けられており、本体枠110の上枠の表面(前面枠111と向き合う面)には、監視アンテナ68cが備えられている。そして、監視タグ86bと監視アンテナ68bは、本体枠110と機枠112とが閉じられた場合に向き合う位置に配置されており、監視タグ86cと監視アンテナ68cは、前面枠111と本体枠110とが閉じられた場合に向き合う位置に配置されている。
4.ICタグの説明
次に、図4、図7乃至図9を参照してICタグについて説明する。本実施の形態では、監視場所に設置する監視タグ86及びカード型のICタグであるカードキー91の2種類のICタグが用いられている。図7は、監視タグ86の平面図であり、図8は、監視タグ86の電気的回路構成を示すブロック図である。図9は、「認証タグ」であるカードキー91の電気的構成を示すブロック図である。
監視タグ86は、図7に示すように、薄いフレキシブルプリント基板上にアンテナ862及びICチップ864が設けられている。尚、監視タグ86a,86b,86cは同様の構造をしている。
また、カードキー91は、図4に示すように、約54mm×約86mmの略長方形の薄い板であり、クレジットカードやキャッシュカードのような形状をしており、2枚の薄いプラスチック樹脂にアンテナ912及びICチップ914が挟み込まれている。
次に、図8を参照して、監視タグ86の電気的構成について説明する。図8に示すように、監視タグ86には、RF回路861及びEEPROM863を備えたICチップ864と、アンテナ862とが搭載されている。尚、アンテナ862は、R/Wユニット30の監視アンテナ68から送信される呼出波を受信し、反射波を送信する。また、EEPROM863には、監視タグ86を他の監視タグから識別するための識別情報であるIDコードが上書消去禁止区域に記憶されている。尚、R/Wユニット30から呼出波が送られてくると、アンテナ862がこれを受信するが、この呼出波には搬送波成分が含まれており、これを受信してRF回路861で整流して直流電圧を得る。したがって、監視タグ86は、電池や外部電源を使用せずに必要な時にいつでもデータを発信することができる。データの発信は、EEPROM863からIDコードを読み出して反射波に乗せ、RF回路861からアンテナ862を介して監視アンテナ68に向けて送信する。
尚、本実施形態において、監視タグ86と監視アンテナ68は、13.56MHzの短波帯で通信を行っている。この周波数での通信はノイズによる影響を比較的受けにくいので、パチンコ機1の設置環境に適している。監視アンテナ68と監視タグ86との距離は、上蓋部81aと下蓋部81cを組み付けた状態、前面枠111と本体枠110とを閉じた状態、本体枠110と機枠112とを閉じた状態で約3mmになるように配置されている。この距離間ではRF送受信が可能であり監視アンテナ68を介したR/Wユニット30からの呼び出しに監視タグ86が応答することができ、監視アンテナ68と監視タグ86との距離が約5mmを超えると通信不能となるように設定されている。この通信可能距離は、監視アンテナ68のコイルの巻き数やリアクタンス値により調節が可能である。このように通信可能距離を設定することにより、上蓋部81aや各枠間のわずかな(2mm以上)開放であっても検知することができ、また、振動等によるわずかな揺れでは通信不能とならないように調整されている。尚、上述したように、この周波数帯での通信はノイズによる影響を比較的受けにくいが、他の電磁波を使用する部材からのノイズの影響による誤動作を少しでも防ぐために、監視タグ86や監視アンテナ68は、ソレノイドを使用している賞品払出装置や発射モータから離した位置に配置している。
次に、図9を参照して、カードキー91の電気的構成について説明する。図9に示すように、カードキー91には、監視タグ86と同様に、RF回路911及びEEPROM913を備えたICチップ914と、アンテナ912とが搭載されている。尚、アンテナ912は認証アンテナ92から送信される呼出波を受信し、反射波を送信する。また、EEPROM913には、カードキー91を他のICタグと識別するための識別情報であるIDコードが上書消去禁止区域に記憶されている。また、カードキー91においても、監視タグ86と同様に、搬送波成分が含まれている呼出波を受信してRF回路911で整流して直流電圧を得る。したがって、カードキー91も電池や外部電源を使用せずに必要な時にいつでもデータを発信することができる。尚、カードキー91と認証アンテナ92との通信も、監視タグ86と監視アンテナ68との通信と同様に、13.56MHzの短波帯で行われている。
5.RAM34の説明
次に、図10乃至図12を参照して、RAM34の記憶エリアについて説明する。図10は、R/Wユニット30のRAM34の概念図であり、図11は、認証ID記憶エリア341の概念図であり、図12は、認証情報記憶エリア343の概念図であり、図13は、1日分の監視情報が記憶されているR/W基板31のRAM34の監視情報記憶エリア344の概念図である。
まず、図10を参照してRAM34に設けられている各種記憶エリアについて説明する。図10に示すように、RAM34には認証ID記憶エリア341、監視ID記憶エリア342、認証情報記憶エリア343、監視情報記憶エリア344、フラグ記憶エリア345及び認証中IDコード記憶エリア346が設けられている。認証ID記憶エリア341には使用できるカードキー91のIDコードが記憶されており(図11参照)、監視ID記憶エリア342には、監視場所毎にそこに備えられている監視タグのIDコードが記憶されている。そして、認証情報記憶エリア343には、R/Wユニット30が認証状態となったり、認証状態が解除されたりした時刻やカードキー91のIDコードが記憶されており(図12参照)、監視情報記憶エリア344には1日分の監視情報が記憶されている(図13参照)。また、フラグ記憶エリア345には、監視基本処理(図18乃至図22参照)で使用される種々のフラグが記憶され、認証中IDコード記憶エリア346には、R/Wユニット30を認証状態としているカードキー91のIDコードが記憶される。尚、RAM34には図示外の記憶エリアが備えられている。
次に、図11を参照して、カードキー91の「識別情報」であるIDコードが記憶されている認証ID記憶エリア341について説明する。図11は、認証ID記憶エリア341の概念図である。認証ID記憶エリア341は、R/W基板31のRAM34に設けられており、R/Wユニット30で認証することができるカードキー91のIDコードが登録されている。図11に示すように、認証ID記憶エリア341には、IDコード欄及び区分欄が設けられており、IDコードに対応して区分が記憶されている。この区分は、カードキー91の種類、即ち、認証部材を所有する人物の権限の度合いを示すものであり、「1」はマスタカードキー91aを示し、「2」はシフトカードキー91bを示している。そして、この区分により認証状態となった際の制御が決められている。
図11に示す例では、IDコードが「468X2PEQ」であるカードキー91がマスタカードキー91aであり、IDコードが「K292TN30」、「S515HC2K」、「MKE87A26」、「3829458P」、「DN14SHB3」である5つのカードキー91がシフトカードキー91bであると設定されている。
次に、図12を参照して認証情報記憶エリア343について説明する。ここには、R/Wユニット30が認証状態とされた履歴が時系列に記憶されている。図12に示すように、認証情報記憶エリア343には日付欄、開始時刻欄、終了時刻欄、IDコード欄、認証区分欄が設けられている。日付欄には認証状態とされた日付が記憶され、認証状態が開始された時刻及び終了した時刻が開始時刻欄及び終了時刻欄に記憶される。また、IDコード欄には認証状態としたカードキー91のIDコードが記憶され、認証区分欄には認証状態としたカードキー91のカードの種類が記憶される。尚、認証ID記憶エリア341の区分欄と同様に、「1」はマスタカードキー91aであることを示し、「2」はシフトカードキー91bであることを示している。
図12に示す例では、2003年9月28日の22時15分30秒から22時15分32までの間、IDコード「S515HC2K」であるシフトカードキー91bにより認証状態とされており、それ以前のデータは省略されている。また、2003年9月29日の9時5分36秒から9時20分25秒までの間、IDコード「468X2PEQ」であるマスタカードキー91aにより認証状態とされており、2003年9月29日の15時54分14秒から15時55分6秒の間、IDコード「3829458P」であるシフトカードキー91bにより認証状態とされており、2003年9月29日の22時18分15秒から22時25分54秒の間、IDコード「S515HC2K」であるシフトカードキー91bにより認証状態とされている。
次に、図13を参照して、1日分の監視情報が記憶されている監視情報記憶エリア344について説明する。図13に示すように、監視情報記憶エリア344には、時刻欄、監視場所欄、状態欄、IDエラー欄、IDコード欄の情報が時系列に記憶されている。時刻欄には、異常が発生又は回復した時刻が記憶され、監視場所欄には監視場所を示す番号が記憶され、状態欄には異常が発生したか、回復したかを示す値が記憶される。なお、「1」は発生を示し、「2」は回復を示す。IDエラー欄にはIDエラーであるか否かの情報が記憶され、IDコード欄には認証状態となっている場合にカードキー91bのIDコードが記憶される。尚、マスタカードキー91aで認証状態となった場合には、監視が行われないので、監視情報が記憶されることはない。
図13に示す例では、2時15分30秒に監視場所1(主基板ボックス81)で応答エラーが発生し、2時17分16秒に同じく監視場所1でIDエラーが発生しており、共にIDコード欄には何も記憶されていないので係員による開放ではなく遊技者による不正開放であったことが分かる。また、9時20分25秒に監視場所1で応答エラーが回復し、9時20分26秒に同じく監視場所1でIDエラーが回復しており、共にIDコード欄には何も記憶されていないのでシフトカードキー91bで係員モードの認証状態としている間に復帰したのではないということが判る。尚、図12に示す認証情報記憶エリアのデータを参照すると、9時5分36秒から9時20分25秒までの間、マスタカードキー91aで責任者モードの認証状態とされているので、この間に監視場所1の主基板ボックス81の付け替えが行われ、新しい主基板ボックス81に貼り付けられている監視タグ86のIDコードがR/Wユニット30の監視ID記憶エリア342に記憶されていることが推測される。
そして、15時48分50秒には、監視場所3(前面枠111と本体枠110)において応答エラーが発生し、15時53分19秒に応答エラーが復帰している。ここでもIDコード欄には何も記憶されていないので、係員により開放でなく遊技者による不正開放であったことが判る。次いで、15時54分14秒にも監視場所3において応答エラーが発生し、15時55分6秒に応答エラーが回復している。ここでは、IDコード欄に「3829458P」が記憶されているので、IDコードが「3829458P」であるシフトカードキー91bにより係員モードの認証状態とされて前面枠111が開閉されたことが判る。
次いで、22時18分33秒に監視場所3において応答エラーが発生し、22時18分38秒に監視場所2(本体枠110と機枠112)においても応答エラーが発生している。そして、22時25分46秒に監視場所2の応答エラーが回復し、22時25分53秒に監視場所3の応答エラーが回復している。これらのデータのIDコード欄には共に「S515HC2K」が記憶されており、IDコードが「S515HC2K」であるシフトカードキー91bにより認証状態とされて、係員が前面枠111を開放し、次いで本体枠110を開放し、本体枠110を閉じ、前面枠111を閉じたことが判る。
6.管理端末300の説明
次に、管理端末300の構成について図14を参照して説明する。管理端末300は、周知の端末である一般的なパーソナルコンピュータであり、店内ネットワーク150に接続可能な通信装置309を備えている。そして、店内ネットワーク150に接続しているR/Wユニット30から監視情報を受信して報知する。図14は管理端末300の電気的構成を示すブロック図である。図15は管理端末300で表示される監視情報閲覧画面350のイメージ図であり、図16は管理端末300で異常を報知する異常画面351のイメージ図であり、図17は管理端末300でパチンコ機1が作業中であることを報知する作業中画面352のイメージ図である。
図14に示すように、管理端末300には、管理端末300の制御を司るCPU310が設けられ、CPU310には、各種のデータを一時的に記憶するRAM301と、BIOS等を記憶したROM302と、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインタフェイス303とが接続されている。I/Oインタフェイス303には、ハードディスク装置380が接続され、当該ハードディスク装置380には、監視情報記憶エリア381と、認証ID情報記憶エリア382と、プログラム記憶エリア383と、その他の情報記憶エリア384とが設けられている。
尚、監視情報記憶エリア381には、R/Wユニット30から送信された監視情報が時系列に記憶されている。認証ID情報記憶エリア382には、カードキー91のIDコードに対応して、カードキーの種類、そのカードキー91を所有する係員の氏名が記憶されている。プログラム記憶エリア383にはCPU310で実行されるプログラムが記憶されている。
また、I/Oインタフェイス303には、ビデオコントローラ304と、キーコントローラ305と、CD−ROMドライブ306と、通信装置309とが接続され、ビデオコントローラ304にはディスプレイ311が接続され、キーコントローラ305にはキーボード312が接続され、通信装置309は店内ネットワーク150に接続可能となっている。なお、CD−ROMドライブ306に挿入されるCD−ROM307には、管理端末300の制御プログラムが記憶されており、導入時には、制御プログラムは、CD−ROM307から、ハードディスク装置380にセットアップされてプログラム記憶エリア383に記憶されるようになっている。
次に、図15を参照して監視情報閲覧画面350について説明する。この監視情報閲覧画面350は、管理端末300において監視情報を閲覧する際に表示される画面であり、管理端末300での監視処理のメイン画面(図示外)から「監視情報閲覧」メニューを選択することにより表示される。尚、メイン画面には、「監視情報閲覧」の他に「カードキー設定」、「監視タグ設定」等のメニューが表示されている。監視情報閲覧画面350には、図15に示すように、「監視履歴情報」という見出し及び現在の時刻が「10:16」と表示され、監視情報記憶エリア381に記憶されている監視情報が時系列に表になって表示されている。尚、監視情報が表で表示されている監視履歴情報欄にはスクロールバーが設けられており、画面上に表示できる数以上のデータも閲覧できるようになっている。また、画面下部には検索ボタン、印刷ボタン及び戻るボタンが表示されている。検索ボタンが選択されると、日付、時間帯、台番号、監視場所、エラー内容、担当者のいずれかを指定して、指定された条件に合致するデータのみが表示される。印刷ボタンが選択されると監視情報を印刷することができる。ここで、印刷する期間や、台番号、監視場所、エラー内容、担当者、時間帯を指定して印刷するようにしてもよい。また、戻るボタンが選択されると、管理端末300での監視処理のメイン画面へ戻る。
図15に示す例では、監視履歴情報として、鈴木花子という名前の係員が所有するカードキー91により係員モードの認証状態とされている間の2003年9月28日の22時15分30秒に、台番号001のパチンコ機の前面枠111(監視場所1)の応答エラーが発生し、22時15分32秒に回復している。尚、このデータ以前のデータは画面には表示されていないが、スクロールバーを操作することにより閲覧することができる。次の行には、2003年9月29日の2時15分30秒に台番号001のパチンコ機1で主基板ボックス81(監視場所3)に応答エラーが発生し、9時20分25秒に回復している。また、同じく台番号001のパチンコ機1の主基板ボックス81においてIDエラーが2時17分16秒に発生し、9時20分26秒に回復している。これらのデータは、担当者欄が空欄になっているので、係員によりカードキー91を使用して行われてた開放ではなく、遊技者により不正に行われた開放であることがわかる。
次には、台番号015のパチンコ機1で前面枠111の応答エラーが2003年9月29日の11時25分30秒に発生し、11時26分45秒に回復しており、同じく台番号015のパチンコ機1の前面枠111で、田中一郎という名前の係員が所有するカードキー91により係員モードの認証状態とされている間の2003年9月29日11時27分56秒に応答エラーが発生し、2003年9月29日11時29分10秒に回復している。さらに、2003年9月29日12時10分8秒に台番号008のパチンコ機1の前面枠111で応答エラーが発生し、12時10分19秒に回復している。また、2003年9月29日14時15分20秒にも台番号003のパチンコ機1の前面枠111で応答エラーが発生しており、14時16分30秒に回復している。この2つのデータはいずれも係員欄に氏名が表示されていないので、係員による開閉ではなく、遊技者により不正に行われた開閉であることがわかる。
次には、2003年9月29日の15時48分50秒に台番号001の前面枠111で応答エラーが発生し、15時53分19秒に回復しており、同じく台番号001の前面枠で、田中一郎という名前の係員の所有するカードキー91により係員モードの認証状態とされている間の2003年9月29日15時54分14秒に応答エラーが発生し、15時55分6秒に回復している。さらに、2003年9月29日の22時18分33秒には台番号001のパチンコ機1の前面枠111に、鈴木花子という名前の係員が所有するカードキー91で係員モードの認証状態中に応答エラーが発生し、22時25分53秒に回復し、同じく2003年9月29日の22時18分38秒に本体枠110で、鈴木花子という名前の係員が所有するカードキー91で係員モードの認証状態中に応答エラーが発生し、22時25分46秒に回復している。さらに、2003年9月30日の10時15分38秒に台番号007のパチンコ機1の前面枠111で応答エラーが発生しており、この応答エラーはまだ回復していない。
次に、図16を参照して異常画面351について説明する。この異常画面351は、パチンコ機1の監視場所において、R/Wユニット30が監視タグ86と通信不能、又は、IDコード不一致となった場合に、管理端末300のディスプレイ311に表示される。図16に示すように、異常画面351では「007番台にエラーが発生しています!!」、「発生時刻 10:15:38」、「**前面枠 不正開放**」という、どのパチンコ機1のどの監視場所にどのエラーがいつ発生したのかを示すメッセージが表示されている。また、OKボタンが設けられており、このOKボタンが選択されると異常画面351は閉じられる。
次に、図17を参照して作業中画面352について説明する。この作業中画面352は、パチンコ機1がシフトカードキー91bにより係員モードの認証状態となり、監視場所が開らかれた場合に表示される。この作業中画面352は表示した5秒後に自動的に閉じられる。図17に示すように、作業中画面352では「001番台 前面枠 作業中です」、「開始時刻 15:54:14」、「係員 田中一郎」という、どのパチンコ機1のどの監視場所においてどの係員が作業を行っているかを示すメッセージが表示されている。
7.監視処理の説明
次に、R/Wユニット30による監視場所の監視について、図18乃至図22を参照してフローチャートを用いて説明する。R/Wユニット30に電源が供給されると、CPU32において監視基本処理が実行される。図18は、R/W基板31のCPU32で実施される監視基本処理のフローチャートである。図19は、監視基本処理の中で行われる認証処理のフローチャートであり、図20は、認証処理の中で行われるカードなし処理のフローチャートであり、図21は、カードなし処理の中で行われる監視ID取得処理のフローチャートである。図22は、監視基本処理の中で行われる監視処理のフローチャートである。
まず、図18を参照して、監視基本処理について、フローチャートを用いて説明する。この処理は、R/Wユニット30に電源が供給されると実施され、まず、認証フラグ及び各エラーフラグ等に初期値の「0」がセットされる(S1)。そして、S2〜S7の処理が繰り返し実施され、監視が行われる。
尚、ここで初期値がセットされるフラグは、RAM34のフラグ記憶エリア345に記憶されており、認証フラグは、R/Wユニット30が認証状態であるか否かを示すフラグであり、「0」である場合には認証状態でないことを示しており、「1」である場合にはマスタカードキー91aにより「責任者モードの認証状態」となっていることを示しており、「2」である場合にはシフトカードキー91bにより「係員モードの認証状態」となっていることを示している。
また、エラーフラグは各監視場所毎に設けられており、「0」が記憶されている場合には監視タグ86との通信が正常に行われており、「1」が記憶されている場合には監視タグ86との通信が正常に行われていないことを示している。そして、監視場所1,2,3毎に応答エラーフラグ及びIDエラーフラグが設けられている。尚、応答エラーは監視アンテナ68から送信された呼出波に対して、監視タグ86が反射波を返信してこなかった場合を示し、IDエラーは反射波に含まれているIDコードが予め登録されているものと異なっている場合を示している。
さらに、認証処理(図19乃至図21参照)ではセットフラグ、枠フラグも使用される。セットフラグは、「係員モードの認証状態」である場合に使用され、シフトカードキー91bがカードホルダ90にセットされている場合に「1」が記憶され、セットされていない場合に「0」が記憶されている。また、枠フラグも、「係員モードの認証状態」である場合に使用され、前面枠111又は本体枠110が開かれている場合に「1」が記憶され、閉じている場合には「0」が記憶される。
図18のS2〜S7に示すように、認証処理(S2)、主基板ボックス81(監視場所1)(S3)、認証処理(S4)、本体枠110と機枠112(監視場所2)(S5)、認証処理(S6)、前面枠111と本体枠110(監視場所3)(S7)の順で監視が行われる。尚、認証処理については、各監視処理が実施される前に必ず実施されている。
次に、認証処理について、図19乃至図21に示すフローチャートを参照して説明する。本実施の形態では、カードホルダ90にカードキー91が差し込まれ、そのカードキー91が予め登録されているIDコードを持つマスタカードキー91a又はシフトカードキー91bであるか否かの判断が行われる。そして、マスタカードキー91aであれば「責任者モードの認証状態」とされ、シフトカードキー91bであれば「係員モードの認証状態」とされる。
そして、「責任者モードの認証状態」では、マスタカードキー91aがカードホルダ90から抜かれたら、認証状態を解除すると共に、全ての監視タグ86のIDコードを取得して、R/Wユニット30の監視ID記憶エリア342に記憶されているIDコードを変更する。これにより、監視タグが備えられた部材を交換する際には、マスタカードキー91aを使用して「責任者モードの認証状態」として交換作業を行えば、新しく設置された部材の監視タグのIDコードを監視ID記憶エリアに記憶することができる。
また、「係員モードの認証状態」では、シフトカードキー91bが抜かれてから所定時間(例えば、20秒)以内に前面枠111又は本体枠110が開かれた際には、前面枠111及び本体枠110が閉じられた時点で「係員モードの認証状態」が解除される。また、シフトカードキー91bが抜かれてから所定時間(例えば、20秒)以内に前面枠111又は本体枠110が開かれない場合には「係員モードの認証状態」は解除される。また、前面枠111又は本体枠110が開かれている間にシフトカードキー91bが抜かれた場合にも、前面枠111及び本体枠110が閉じられた時点で「係員モードの認証状態」が解除される。尚、前面枠111が開かれたことは、監視場所3が応答エラーとなっていることにより判断される。本体枠110が開かれたことは、監視場所2が応答エラーとなっていることにより判断される。また、シフトカードキー91bが抜かれてから所定時間(20秒)以内であっても、予め識別ID記憶エリア341に記憶されていないIDコードのカードキー91が差し込まれた場合には、「係員モードの認証状態」は解除される。
まず、マスタカードキー91a(IDコードは「468X2PEQ」)がセットされた場合を考えて説明する。認証アンテナ92から呼出波が送信されると(S51)、マスタカードキー91aが自身のIDコードを載せた反射波を返信してくるので(S52:YES)、反射波に含まれているIDコードが予め認証ID記憶エリア341に登録されているIDコードであるか否かの判断が行われ(S53)、登録のIDコードである場合には(S53:YES)、マスタカードキー91aであるか、シフトカードキー91bであるかの判断が行われる(S54,S55)。カードの種類の判断は、認証ID記憶エリア341の区分により判断される。例えば、図11に示す認証ID記憶エリア341には、IDコード「468X2PEQ」は区分「1」として記憶されているので、このIDコードは登録のIDコードであり(S53:YES)、マスタカードキー91aであると判断される(S54:YES)。そして、責任者モードの認証状態とするために、認証フラグに「1」が記憶され(S60)、認証中IDコード記憶エリア346にIDコード「468X2PEQ」が記憶され(S61)、認証情報記憶エリア343に認証状態が開始された情報が記憶される(S62)。具体的には、現在の日時が日付欄及び開始時刻欄に記憶され、「468X2PEQ」がIDコード欄に記憶され、認証区分欄にマスタカードキー91aであることを示す「1」が記憶される。そして、ランプ95が点灯してエラーが報知されている場合にはランプ95を消灯させる必要があるので、ランプ95へ消灯指示がなされる(S63)。
そして、マスタカードキー91aがカードホルダ90にセットされている間は、認証アンテナ92からの呼出波の送信に対して(S51)、反射波が返送され(S52:YES)、マスタカードキー91aと判断されて(S53:YES,S54:YES)、「責任者モードの認証状態」が継続される(S60〜S63)。尚、S62においては、認証情報記憶エリア343に認証状態開始のデータが記憶されているので、新しいデータは記憶しない。
そして、マスタカードキー91aがカードホルダ90から外されると、認証アンテナ92から呼出波を送信しても(S51)、反射波の返送がない(S52:NO)。そこで、カードなし処理において非認証状態とされる(S80)。具体的には、認証フラグは「1」であるので、図20のフローチャートに示すように、非認証状態とは判断されず(S101:NO)、「責任者モードの認証状態」であると判断されて(S102:YES)、認証フラグに「0」が記憶されて非認証状態とされ(S130)、認証中IDコード記憶エリア346の値がクリアされ(S131)、認証情報記憶エリア343に認証状態が終了したことを示すデータが記憶される(S132)。具体的には、既に日付欄、開始時刻欄、IDコード欄、及び、認証区分欄がセットされているデータの終了時刻欄に現在の時刻が記憶される。そして、監視ID取得処理が行われる(S133)。そして認証処理に戻り、認証処理も終了される。
尚、S133の監視ID取得処理では、各監視場所に備えられている監視タグ86のIDコードを取得して、監視ID記憶エリア342に記憶し、登録のIDコードとする。具体的には、図21のフローチャートに示すように、監視場所カウンタnに初期値として「0」がセットされ(S150)、次いで、監視場所カウンタnに「1」が加算され、「1」となる(S151)。監視場所カウンタnの値は「3」より大きくないので(S152:NO)、監視場所1の監視アンテナ68aから呼出波が送信される(S153)。そして、監視タグ86aから反射波の返送があれば(S154:YES)、受信した反射波に含まれているIDコードを監視ID記憶エリアの監視場所1のIDコードとして記憶する(S155)。反射波の返送がなければ(S154:NO)、監視ID記憶エリアのIDコードは変更しない。
そして、S151へ戻り、監視場所カウンタnに「1」が加算されて「2」となる。監視場所2,監視場所3についても監視場所1と同様にS153〜S155の処理が行われ、監視場所カウンタの値が「4」となり、「3」よりも大きくなったら(S152:YES)、全ての監視場所の監視タグ86のIDコードの確認が完了しているので、処理を終了してカードなし処理へ戻る。
次に、シフトカードキー91b(IDコードは「S515HC2K」)がセットされた場合を考えて説明する。認証アンテナ92から呼出波が送信されると(S51)、シフトカードキー91bが自身のIDコードを載せた反射波を返信してくる(S52:YES)。認証ID記憶エリア341に、IDコード「S515HC2K」は区分「2」として記憶されているので、このIDコードは登録のIDコードであると判断され(S53:YES)、シフトカードキー91bであると判断される(S54:NO,S55:YES)。そして、「係員モードの認証状態」とするために、認証フラグに「2」が記憶され(S70)、認証中IDコード記憶エリア346に「S515HC2K」が記憶され(S71)、認証情報記憶エリア343に認証状態が開始された情報が記憶される(S72)。具体的には、現在の日時が日付欄及び開始時刻欄に記憶され、「S515HC2K」がIDコード欄に記憶され、認証区分欄にシフトカードキー91bであることを示す「2」が記憶される。そして、ランプ95が点灯してエラーが報知されている場合にはランプ95を消灯させる必要があるので、ランプ95が消灯される(S73)。そして、シフトカードキー91bがセットされていることを示すために、カードフラグに「1」が記憶される(S74)。
そして、監視場所2又は監視場所3が応答エラー中か否かの判断が行われる(S75)。監視場所2又は監視場所3が応答エラー中であれば、前面枠111又は本体枠110が開放されている状態であることを示している。この判断は、後述する監視処理において使用される各監視場所の応答エラーフラグが使用される。応答エラーフラグが「1」である場合には応答エラーが発生しており、前面枠111又は本体枠110が開かれており、応答エラーフラグが「0」である場合には応答エラーは発生しておらず、前面枠111及び本体枠110は閉じられている。そして、監視場所2又は監視場所3が応答エラー中であれば(S75:YES)、前面枠111又は本体枠110が開かれていることを示すために枠フラグに「1」が記憶され(S77)、応答エラー中でなければ(S75:NO)、前面枠111又は本体枠110が閉じられていることを示すために枠フラグに「0」が記憶される(S76)。
そして、シフトカードキー91bがカードホルダ90にセットされている間は、認証アンテナ92からの呼出波の送信に対して(S51)、反射波が返送され(S52:YES)、シフトカードキー91bと判断されて(S54:NO,S55:YES)、係員モードの認証状態が継続される(S70〜S73)。但し、S72においては、既に認証情報記憶エリア343に認証状態開始のデータが記憶されているので、新しいデータは記憶しない。そして、前面枠111又は本体枠110が開けられた場合には(S75:YES)、枠フラグに「1」が記憶され(S77)、開けられていない場合には(S75:NO)、枠フラグに「0」が記憶される(S76)。
次いで、シフトカードキー91bが外された場合を考える。シフトカードキー91bが外された際に、前面枠111又は本体枠110が開けられているか否かにより処理が異なる。前面枠111又は本体枠110が開けられている場合には、前面枠111及び本体枠110が閉じられた時点で「係員モードの認証状態」が解除され、非認証状態となる。前面枠111又は本体枠110が開けられていない場合には、時間カウンタのカウントが開始される。そして、所定時間(例えば、20秒)以内に前面枠111又は本体枠110が開放されなければ、「係員モードの認証状態」が解除されて非認証状態となり、所定時間以内に前面枠111又は本体枠110が開放されれば、前面枠111及び本体枠110が閉じられた時点で「係員モードの認証状態」が解除されて非認証状態となる。尚、前面枠111及び本体枠110が閉じられた時点でまだ所定時間(例えば、20秒)が経過していない場合には、認証状態は解除されず、所定時間経過後に解除されることになる。
シフトカードキー91bが外されると、認証アンテナ92から呼出波を送信しても(S51)、反射波の返送がない(S52:NO)。そこで、カードなし処理において非認証状態とされる(S80)。具体的には、認証状態が「2」であるので、図20のフローチャートに示すように、非認証状態であると判断されず(S101:NO)、「責任者モードの認証状態」であるとも判断されず(S102:NO)、「係員モードの認証状態」であると判断される(S104:YES)。
そして、シフトカードキー91bがセットされていた状態から外されたので、カードフラグは「1」となっているため(S105:YES)、時間カウンタの値が「0」にクリアされ(S106)、カードフラグの値が「0」とされる(S107)。尚、次回このカードなし処理が実行される際には、カードフラグが「0」となっているので、S105では「NO」と判断されて、S106において時間カウンタの値がクリアされることはない。次いで、枠フラグが「1」であるか否かにより、前面枠111又は本体枠110が開いていたか否かの判断が行われる(S108)。
既に、前面枠111又は本体枠110が開いていた場合には、枠フラグが「1」となっているので(S108:YES)、現在も前面枠111又は本体枠110が開いているか否かの判断が、監視場所2又は監視場所3が応答エラー中であるか否かにより行われる(S120)。そして、応答エラーであり、前面枠111又は本体枠110が開けられている場合には(S120:YES)、そのまま「係員モードの認証状態」が継続される。また、応答エラー中でなく、前面枠111又は本体枠110が閉じられている場合には(S120:NO)、「係員モードの認証状態」は終了するので、認証フラグに「0」が記憶されて非認証状態とされて(S121)、認証中IDコード記憶エリア346の値がクリアされて(S122)、認証情報記憶エリア343に認証状態が終了したことを示すデータが記憶される(S123)。具体的には、既に日付欄、開始時刻欄、IDコード欄、及び、認証区分欄がセットされているデータの終了時刻欄に現在の時刻が記憶される。そして、カードなし処理及び認証処理は終了する。
また、枠フラグが「1」でなく、まだ前面枠111又は本体枠110が開けられていなかった場合には(S108:NO)、現在は前面枠111又は本体枠110が開いているか否かの判断が、監視場所2又は監視場所3が応答エラー中であるか否かにより判断される(S109)。そして、前面枠111又は本体枠110が開けられている場合には(S109:YES)、前面枠111又は本体枠110が開けられていることを示すために、枠フラグが「1」とされ(S114)、そのまま「係員モードの認証状態」が継続され、カードなし処理及び認証処理は終了する。
また、前面枠111又は本体枠110が開けられていない場合には(S109:NO)、シフトカードキー91bが抜かれてから所定時間(例えば、20秒)経過後に非認証状態とされるので、時間カウンタが20秒を経過したか否かの判断が行われ(S110)、20秒を経過していなければ(S110:NO)、そのまま「係員モードの認証状態」が継続される。また、20秒を経過していれば(S110:YES)、「係員モードの認証状態」は終了するので、認証フラグに「0」が記憶されて非認証状態とされ(S111)、認証中IDコード記憶エリア346の値がクリアされて(S112)、認証情報記憶エリア343に認証状態が終了したことを示すデータが記憶される(S113)。具体的には、既に日付欄、開始時刻欄、IDコード欄、及び、認証区分欄がセットされているデータの終了時刻欄に現在の時刻が記憶される。そして、カードなし処理及び認証処理は終了する。
尚、予め登録されていないIDコードのカードキー91がカードホルダ90に差し込まれた場合には、認証アンテナ92から呼出波が送信されると(S51)、カードキー91が自身のIDコードを載せた反射波を返信してくるが(S52:YES)、認証ID記憶エリア341に登録されていないので(S53:NO)、認証フラグに「0」が記憶されて非認証状態とされ(S81)、認証中IDコード記憶エリア346の値がクリアされて(S82)、認証処理が終了する。
また、継続してカードキー91が差し込まれていない場合には、認証アンテナ92から呼出波を送信しても(S51)、反射波の返送がない(S52:NO)。そこで、カードなし処理において非認証状態とされる(S80)。具体的には、図20のフローチャートに示すように、認証状態が「0」であるので、非認証状態であると判断され(S101:YES)、カードなし処理及び認証処理が終了する。
次に、図22のフローチャートを参照して、各監視場所の監視を行う監視処理について説明する。ここでは、主基板ボックス81(監視場所1)、本体枠110と機枠112(監視場所2)、前面枠111と本体枠110(監視場所3)についての監視が行われ、監視の結果、エラーとなった場合には監視情報を記憶し、さらに監視情報が管理端末300へ送信される。ここで、R/Wユニット30が「責任者モードの認証状態」である場合には監視は行われない。尚、どの監視場所の監視処理を行うのかの情報は監視場所を示す番号を用いて監視基本処理から指示される。
まず、監視場所が正常な状態である場合について考える。予めIDコードの登録された監視タグ86が設置され、監視タグ86が備えられた部材も正しい位置に存在しており、「応答エラー」や「IDエラー」は発生していない、通常の状態である。
初めに、認証フラグに「1」が記憶されており、責任者モードの認証状態となっているか否かの判断が行われる(S200)。責任者モードの認証状態である場合には(S200:YES)、前面枠111や本体枠110、主基板ボックス81が開かれていても問題はないので監視は行われず、何もせずに処理を終了して、監視基本処理へ戻る。
また、責任者モードの認証状態でない場合には(S200:NO)、監視が行われるので、監視基本処理から指示されている監視場所の監視アンテナ68から呼出波が送信される(S201)。そして、監視タグ86から自身のIDコードを載せた反射波が返送されてくる(S202:YES)。この反射波に含まれているIDコードは、予め監視ID記憶エリア342に登録されており(S203:YES)、監視場所は正常な状態であり、応答エラーもIDエラーも発生していないので、応答エラーフラグは「ON」でなく(S204:NO)、IDエラーフラグも「ON」でないと判断され(S205:NO)、そのまま処理を終了して、監視基本処理へ戻る。
次に、「応答エラー」が発生している場合について考える。監視タグ86が設置されている部材が移動されたり、監視タグ86が設置されている部材がすり替えられることにより監視タグ86がなくなったりした際に、監視タグ86が監視アンテナ68からの呼出波に応答できない距離に移動してしまい、「応答エラー」となる。
初めに、認証フラグに「1」が記憶されており、責任者モードの認証状態となっているか否かの判断が行われる(S200)。責任者モードの認証状態である場合には(S200:YES)、前面枠111や本体枠110、主基板ボックス81が開かれていても問題はないので監視は行われず、何もせずに処理を終了して、監視基本処理へ戻る。
また、責任者モードの認証状態でない場合には(S200:NO)、監視が行われるので、監視基本処理から指示されている監視場所の監視アンテナ68から呼出波が送信される(S201)。しかし、監視タグ86が監視アンテナ68と通信可能な位置にないので、監視アンテナ68から呼出波が送信されても(S201)、監視タグ86から反射波が返送されない(S202:NO)。
そこで、まず応答エラーフラグが「ON」であるか否かにより、既に応答エラーが発生していたか否かの判断が行われる(S231)。部材が移動されて最初に行われる監視処理では、応答エラーフラグは「ON」となっていないので(S231:NO)、当該監視場所の応答エラーフラグに「1」が記憶され「ON」となり(S232)、RAM34の監視情報記憶エリア344に監視情報が記憶される(S233)。具体的には、監視情報記憶エリア344の日付及び時刻欄には現在の日付及び時刻が記憶され、状態欄には発生を示す「1」が記憶され、IDエラーに応答エラーを示す「0」が記憶され、IDコードには認証中IDコード記憶エリア346に記憶されているIDコードが記憶される。そして、監視情報記憶エリア344へ記憶したデータに自身が接続しているパチンコ機1の台番号を付加したデータが管理端末300へ送信され(S234)、エラーが発生したことを報知するためにランプ95を点灯させる(S235)。そして、監視基本処理へ戻る。
また、次に監視処理が行われた際に、まだ監視場所の監視タグ86が監視アンテナ68と通信可能な位置にない場合には、監視アンテナ68から呼出波が送信されても(S201)、監視タグ86からの反射波の返送はなされない(S202:NO)。そして既に応答エラーフラグは「ON」となっているので(S231:YES)、監視情報の記憶等は行われず、監視基本処理へ戻る。
次いで、「応答エラー」が回復した場合を考える。監視ID記憶エリア342にIDコードが登録された監視タグ86が通信可能な位置に設置された場合には、応答エラーは回復する。
まず、責任者モードの認証状態である場合には(S200:YES)、監視は行われず、何もせずに処理を終了して、監視基本処理へ戻る。そして、責任者モードの認証状態でない場合には(S200:NO)、監視アンテナ68から呼出波が送信されると(S201)、監視タグ86は自身のIDコードを載せた反射波を返送してくる(S202:YES)。また、反射波に含まれているIDコードは、予め監視ID記憶エリア342に登録されているものである(S203:YES)。そして、前回の監視処理では監視タグ86から反射波の返送がなく、応答エラーとなっているので、応答エラーフラグは「ON」となっている(S204:YES)。そこで、応答エラーフラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ(S211)、監視情報記憶エリア344に監視情報が記憶され(S212)、監視情報記憶エリア344に記憶されたデータに、自身が接続しているパチンコ機1の台番号を付加したデータが管理端末300へ送信される(S213)。具体的には、監視情報記憶エリア344の時刻欄には現在の時刻が記憶され、状態欄には回復を示す「2」が記憶され、IDエラーに応答エラーを示す「0」が記憶され、IDコードには認証中IDコード記憶エリア346に記憶されているIDコードが記憶される。
そして、IDエラーも発生しておりIDエラーフラグも「ON」であれば(S205:YES)、その処理を行い(S216〜S218)、IDエラーは発生しておらずIDエラーフラグが「ON」でなければ(S205:NO)、何もせずに、監視処理は終了して、監視基本処理へ戻る。
次に、「IDエラー」が発生した場合について考える。「IDエラー」は、監視タグ86が備えられている部材がすり替えられることにより、予め部材に備えられ、監視ID記憶エリア342にIDコードが記憶されている監視タグ86と異なる不正なICタグが、監視アンテナからの呼出波に対して反射波を返送してきた場合に発生する。
初めに、認証フラグに「1」が記憶されており、責任者モードの認証状態となっているか否かの判断が行われる(S200)。責任者モードの認証状態である場合には(S200:YES)、前面枠111や本体枠110、主基板ボックス81が開かれていても問題はないので監視は行われず、何もせずに処理を終了して、監視基本処理へ戻る。
また、責任者モードの認証状態でない場合には(S200:NO)、監視が行われるので、監視基本処理から指示されている監視場所の監視アンテナ68から呼出波が送信される(S201)。しかし、監視アンテナ68から呼出波が送信され(S201)、ICタグから反射波が返送されても(S202:YES)、IDコードは監視ID記憶エリア342に記憶されているIDコードと一致しない(S203:NO)。
そこで、まずIDエラーフラグが「ON」であるか否かにより、既にIDエラーが発生していたか否かの判断が行われる(S221)。不正なICタグからの反射波を受け取るようになって最初に行われる監視処理では、IDエラーフラグは「ON」となっていないので(S221:NO)、当該監視場所のIDエラーフラグに「1」が記憶され「ON」となり(S222)、RAM34の監視情報記憶エリア344に監視情報が記憶される(S223)。具体的には、監視情報記憶エリア344の時刻欄には現在の時刻が記憶され、状態欄には発生を示す「1」が記憶され、IDエラーにIDエラーを示す「1」が記憶され、IDコードには認証中IDコード記憶エリア346に記憶されているIDコードが記憶される。そして、監視情報記憶エリア344へ記憶したデータに自身が接続しているパチンコ機1の台番号を付加したデータが管理端末300へ送信され(S224)、エラーが発生したことを報知するためにランプ95を点灯させる(S225)。そして、監視基本処理へ戻る。
また、次に監視処理が行われた際にも、監視アンテナ68からの呼出波の送信に対して(S201)、反射波の送信はあるが(S202:YES)、反射波に含まれているIDコードは予め監視ID記憶エリア342に記憶されているIDコードと一致せず(S203:NO)、IDエラーフラグは「ON」となっているので(S221:YES)、監視情報の記憶等は行われず、監視基本処理へ戻る。
次いで、「IDエラー」が回復した場合について考える。不正なICタグが備えられている部材が取り外され、もともとの正しい監視タグ86が備えられている部材が設置されたり、監視ID記憶エリア342のIDコードが新しく取り替えられた部材に備えられている監視タグのIDコードに変更された場合に「IDエラー」は回復する。
まず、責任者モードの認証状態である場合には(S200:YES)、監視は行われず、何もせずに処理を終了して、監視基本処理へ戻る。そして、責任者モードの認証状態でない場合には(S200:NO)、監視アンテナ68からの呼出波の送信に対して(S201)、反射波が返送される(S202:YES)。IDコードは一致しているので(S203:YES)、応答エラーも発生しており応答エラーフラグが「ON」であれば(S204:YES)、その処理が行われ(S211〜S213)、応答エラーは発生しておらず応答エラーフラグが「ON」でなければ(S204:NO)、なにも行われない。そして、IDエラーフラグが「ON」であるので(S205:YES)、IDエラーフラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ(S216)、監視情報記憶エリア344に監視情報が記憶され(S217)、監視情報記憶エリア344に記憶されたデータに、自身が接続しているパチンコ機1の台番号を付加したデータが管理端末300へ送信される(S218)。具体的には、監視情報記憶エリア344の日付及び時刻欄には現在の日付及び時刻が記憶され、状態欄には回復を示す「2」が記憶され、IDエラーにIDエラーを示す「1」が記憶され、IDコードには認証中IDコード記憶エリア346に記憶されているIDコードが記憶される。そして、監視基本処理へ戻る。
以上のようにして、監視基本処理が繰り返されることにより、R/W基板31から監視タグ86a,86b,86cへ呼出波を送信することにより、監視タグ86a,86b,86cの移動や取替えを監視することができる。そして、監視場所1,2,3の監視が行われ、エラーが発生したり、回復したりした際には監視情報記憶エリア344に監視情報が記憶され、ランプ95を点灯させることによりエラーが発生していることが報知される。また、監視情報記憶エリア344に記憶されたデータに自身が接続しているパチンコ機1の台番号を付加したデータが管理端末300へ送信される。
また、マスタカードキー91aが使用されている場合には監視は行われず、シフトカードキー91bが使用されている場合には監視が行われ、カードキー91のIDコードが分類されている区分により異なる制御を行うことができる。
8.管理端末300の処理の説明
次に、管理端末300の報知処理について説明する。この報知処理は、管理端末300において常時実施されており、R/Wユニット30から監視情報を受信した場合には、受信した監視情報を監視情報記憶エリア381に記憶し、さらにそのデータが発生データである場合にはディスプレイ311に異常画面351(図16参照)を表示して、エラー発生を報知する。図23は、報知処理のフローチャートである。
次に、図23のフローチャートを参照して、管理端末300で実施される報知処理について説明する。この報知処理では、R/Wユニット30から監視情報を受信し、その監視情報が異常発生を示すデータであれば、ディスプレイ311に報知する。尚、監視情報が係員モードの認証状態中に発生した監視情報でなければ、遊技者によるゴト行為であるので異常画面351を表示する。また、係員モードの認証状態中に発生したものであれば、遊技者によるゴト行為ではなく、係員による作業行為であるので、作業中画面352表示する。尚、異常画面351は画面内に設けられている「OK」ボタンが選択されると閉じられ、作業中画面352は5秒(5000ミリ秒)間表示されると自動的に閉じられる。尚、この報知処理は管理端末300の稼動中は継続して実施されている。
まず、遊技者によるゴト行為により発生した監視情報を受信した場合について説明する。異常発生の監視情報を受信すると(S301:YES)、監視情報が監視情報記憶エリア381に記憶される(S302)。次いで、監視情報の状態欄には「1」が記憶されているので、発生データと判断される(S303:YES)。また、認証状態中に発生したデータでなく、非認証状態で発生したデータのIDコード欄にはIDコードが記憶されていないので(S304:NO)、受信した監視情報の内容を記載した異常画面351がディスプレイ311に表示される(S308)。そして、OKボタンが選択されたら(S309:YES)、OKボタンが選択された異常画面351が閉じられる(S310)。尚、複数の異常が発生していれば、異常画面351は異常の数だけ表示されることになる。したがって、ここで閉じられる異常画面351は、S308にて表示された異常画面351に限らない。次いで、作業中画面352が表示中であれば(S311:YES)、作業中画面352を閉じるか否かの確認処理が行われ(S312〜S317)、作業中画面352が表示中でなければ(S311:NO)、何もせずに、S301へ戻る。
そして、S309において、S308で表示された異常画面351のOKボタンが選択されたと判断されると(S309:YES)、異常画面351が閉じられる(S310)。
次に、係員モードの認証状態中に係員が監視場所の部材を移動させたことにより発生した監視情報を受信した場合について説明する。係員モードの認証状態中に発生した監視情報を受信すると(S301:YES)、監視情報が監視情報記憶エリア381に記憶される(S302)。次いで、監視情報の状態欄には「1」が記憶されているので、発生データと判断される(S303:YES)。また、認証状態中に発生したデータであるので、IDコード欄にはIDコードが記憶されている(S304:YES)。そこで、報知カウンタに「1」が加算され(S305)、報知カウンタの値が示す番号の報知時間カウンタに「5000」がセットされる(S306)。この報知カウンタは、ディスプレイ311に表示されている作業中画面352の数を示すものであり、報知時間カウンタは作業中画面352を閉じるまでの時間を計測するためのものである。尚、報知時間カウンタは図示外の時間管理プログラムにより1ミリ秒毎に減算されている。また、報知カウンタの値は、当該報知処理が最初に実行された際に初期値として「0」が記憶されている。尚、ここでは、1つ目の作業中画面352が表示されたとして、報知カウンタの値は「1」となっているものとする。そして、作業中画面352がディスプレイ311に表示される(S307)。
次いで、OKボタンの処理が行われる(S309、S310)。次いで、報知時間カウンタの値が「0」より大きく、1つ以上の作業中画面352が表示中であれば(S311:YES)、作業中画面352を閉じるための処理が行われる(S312〜S317)。ここでは、1つめの作業中画面352が表示されており、報知カウンタの値は「1」となっているので、報知カウンタの値は「0」よりも大きく、作業中画面352が表示中であると判断される(S311:YES)。
そこで、表示されている作業中画面352が5秒間表示され、閉じる時間となっているか否かの判断が行われ、5秒を経過している場合には作業中画面352が閉じられる。まず、表示中の作業中画面352をカウントするためのカウンタである変数mに初期値の「0」がセットされる(S312)、次いでmに「1」が加算される(S313)。そして、mの値が現在表示されている作業中画面352の数である報知カウンタの値よりも大きくなったか否かの判断が行われる(S314)。ここでは、mの値も報知カウンタの値も「1」であるので(S314:NO)、1番目の報知時間カウンタの値が「0」より大きいか否かにより、5秒が経過したか否かの判断が行われる(S315)。「0」より大きく、まだ5秒経過していなければ(S315:NO)、何もせずにS313へ戻り、mの値に「1」が加算されて「2」となる(S313)。そして、報知カウンタの値「1」よりも大きくなったので(S314:YES)、S301へ戻る。尚、複数の作業中画面352が表示されている場合には、表示されている作業中画面352の数だけ、5秒が経過したか否かの判断が行われ、経過した場合にはその作業中画面352が閉じられる。
そして、5秒経過し報知時間カウンタの値が「0」よりも大きくなくなった後にS315が実施された際に、5秒経過と判断され(S315:YES)、作業中画面352は閉じられ(S316)、報知カウンタの値が「1」減算される(S317)。そしてS313へ戻る。
尚、当該監視情報が示している異常が回復した際に送信されてくる監視情報を受信した際には(S301:YES)、監視情報記憶エリア381に記憶されるが(S302)、回復データであるので状態欄には「2」が記憶されており、発生データでないと判断され(S303:NO)、報知は行われずにS301へ戻る。また、監視情報を受信しない場合には(S301:NO)、何もせずにS309へ進み、OKボタン選択の判断が行われる(S309)。
以上のようにして、管理端末300において、遊技場内のパチンコ機1に接続した各R/Wユニット30から送信された監視情報が報知される。
9.実施の形態と請求項との対比
尚、上記実施の形態におけるRAM34の認証ID記憶エリア341が「認証識別情報記憶手段」に該当し、監視ID記憶エリア342が「監視識別情報記憶手段」に該当する。また、R/Wユニット30のRF回路38が「呼出波送信手段」又は「反射波受信手段」に該当する。
また、図22に示す監視処理におけるS202,S203の処理を実行するCPU32が「監視判断手段」に相当する。また、図19に示す認証処理のS52,S53の処理を実行するCPU32が「認証判断手段」に相当し、S60,S70の処理を実行するCPU32が「認証制御手段」に相当し、図20に示すカードなし処理のS130の処理を実行するCPU32が「第1認証解除手段」に相当し、S111の処理を実行するCPU32が「第2認証解除手段」に相当し、S121の処理を実行するCPU32が「第3認証解除手段」に相当する。さらに、図21に示す監視ID取得処理のS153の処理を実行するCPU32が「呼出波送信制御手段」に相当し、S155の処理を実行するCPU32が「監視識別情報変更手段」に相当する。
10.変形例の説明
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。以下に、本発明を適用する実施の形態の変形例について説明する。まず、本実施形態では遊技機としてパチンコ機を例に挙げているが、遊技機はパチンコ機に限られず、パチコン機等の可動部材を設けた入賞装置を持つ各種の遊技機に適用可能である。
また、上記実施の形態では、R/Wユニット30をパチンコ機1の背面に設置しているが、R/Wユニット30の設置場所はパチンコ機1の背面に限らず、パチンコ機1の上部や、隣のパチンコ機1との間、球貸し機等のカードサンドの背面、上部等の遊技機設置島200の所定の位置であってもよい。また、1つのR/Wユニット30が1つのパチンコ機1に接続するだけではなく、複数のパチンコ機1を接続して監視してもよい。
また、認証部材は上記実施の形態のカードキー91のようなカード型のものに限らず、スティック型のものや、その他様々な形状のものであってもよい。また、パチンコ機1の前面枠111や本体枠110を開閉する際に使用する鍵121を認証部材とし、ICタグを埋めこんでもよい。この際には、鍵穴120の近傍に認証アンテナ92を設置する。
さらに、カードホルダ90の形状は上記実施の形態のものに限らず、認証部材の形状に合わせて認証部材を保持しやすい形状のものとすればよい。また、カードホルダ90は、マスタカードキー91a用のもの、シフトカードキー91b用のものを別体で設けてもよい。例えば、マスタカードキー91aのように、認証状態を継続するために認証部材が継続して認識される必要がある認証部材用のカードホルダ90と、シフトカードキー91bのように、認証状態を継続するために認証部材が継続して認識される必要のない認証部材用のカードホルダ90とを別体で設ける。そして、認証部材が継続して認識される必要がある認証部材用のカードホルダ90は、認証部材の形状に合わせて認証部材を保持しやすい形状のものとする。また、認証部材が継続して認識される必要のない認証部材用の場合には、認証部材を保持する必要がないので、上記実施の形態のカードホルダ90のような形状ではなく、認証アンテナ又は認証アンテナを備えた部材をパチンコ機1の前面、球貸し機等のカードサンドの前面や上部等の所定の位置に設置するようにし、認証部材をかざすだけで認証部材を認識できるような形状にしてもよい。
また、上記実施の形態では監視タグ86と監視アンテナ68、及び、カードキー91と認証アンテナ92との通信は、13.45MHzの短波帯で行われているが、他の周波数によるものであってもよい。
また、上記実施の形態では、認証部材であるカードキー91の種類をマスタカードキー91aとシフトカードキー91bの2種類としており、認証タグの識別情報が分類される区分も「1」及び「2」の2つとしているが、区分は2以上あってもよく、それぞれの区分の認証部材毎に異なる制御を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、監視基本処理において各監視場所の監視アンテナ68から順次呼出波が送信されて、監視場所の監視が行われているが、呼出波を送信するタイミングはこのパターンに限らない。例えば、各監視場所毎に時間を決めてその時間間隔で呼出波を送信したり、予め定めた時間に呼出波を送信したり、遊技球が発射されている間継続して呼出波を送信したり、遊技球が発射されていない間継続して呼出波を送信したりしてもよい。また、この呼出波送信のパターンは、全ての監視場所について同じである必要はなく、各監視場所毎に異なるものとしても良い。
また、上記実施の形態では、認証状態とした認証部材に備えられている認証タグの識別情報の分類される区分により、異なる制御を行っている。しかしながら、異なる制御とは、全ての監視場所を監視をする制御、監視タグ86への呼出波の送信を行わないことにより全ての監視場所を監視をしない制御のみに限らない。監視をしないために、監視タグ86への呼出波の送信は行うが、監視タグ86からの反射波の返送の有無の判断やIDコード一致の判断を行わないようにしたり、呼出波の送信や判断は行うが監視情報の記憶は行わないようにしたりしてもよい。これらの場合には、図22に示す監視処理のフラグのS200で行っている「責任者モードの認証状態か?」の判断をS202の「反射波の返送あるか?」の判断やS203の「IDコードは一致しているか?」の判断前で行ったり、S202:NO,S203:NO,S204:YESの後で行ったりすればよい。
また、監視を行う、行わないの制御の違いだけでなく、例えば、ある区分に分類されている識別情報の認証タグを備えた認証部材では、所定の監視場所の監視を行わないようにしてもよい。また、監視の結果である監視情報を記憶する記憶エリアを異なるものとしてもよい。また、報知を行わないようにしてもよい。また、記憶する監視情報の内容を異なるものとしてもよい。例えば、ある区分に分類されている識別情報により認証状態となった場合には、監視情報として、異常が発生した日付、時刻、発生場所、異常の内容、監視タグの識別情報、認証状態としていた認証タグの識別情報を記憶するが、他の区分に分類されている識別情報により認証状態となった場合には、異常が発生した日付、時刻、発生場所のみを記憶するというようにしてもよい。
また、R/Wユニット30と通信可能な携帯情報端末や管理端末300からの指示信号を受けた場合に、異なる制御を行うようにしてもよい。例えば、管理端末300において、認証部材の区分やIDコード、その認証部材を所有する係員の氏名を設定することや、監視場所の追加、削除、変更や監視タイミングの変更を行うこと場合を考える。これらの設定データが管理端末300からR/Wユニット30へ送信された場合には、R/Wユニット30では自身が認証状態となっているか否か、認証状態となっている場合にはどの区分に分類されている識別情報の認証部材で認証状態となっているかにより、設定を行ったり行わなかったり、変更履歴を記憶したり記憶しなかったり、異なる制御を行うようにしてもよい。尚、携帯情報端末は、周知の携帯型情報端末であるPDA(Personal Digital Assistants)や専用のハンディーターミナルであり、R/Wユニット30に無線通信回路を設けて、電波や光や赤外線により無線通信が行われる。または、R/Wユニット30に接続したICタグを備え、携帯情報端末にそのICタグと通信可能なRF回路及びアンテナを設けて、RFID通信を行うことによりR/Wユニット30と携帯情報端末とのデータのやり取りを行ってもよい。
また、上記実施の形態では、カードホルダ90は図4に示したような形状をしているが、カードホルダ90の形状はこれに限らず、カードキー91と通信する認証アンテナ92を備えていれば良い。また、ランプ95もカードホルダ90に備えられているのではなく、遊技機設置島等の遊技場内の遊技場係員の目に留まりやすい場所に付けられていても良い。
また、上記実施の形態では、係員モードの認証状態中に発生した異常についても管理端末300において作業中画面352で報知しているが、認証状態中に発生した異常については、監視情報を記憶するのみで、報知は行わないようにしてもよい。