JP4359811B2 - 監視用icタグを備えた所定の動作を行う装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置に関し、詳細には、所定の動作を行う装置の部材の移動を監視するための監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、所定の動作を行う装置の一種である遊技機のうちパチンコ機においては、遊技者が不当に遊技球を獲得する不正行為が後を絶たず、種々の防止策が施されている。特に、遊技機の制御を司る制御基板の不正改造、例えば、不正ROMへの交換を防止するために、制御基板を収納する基板ボックスには、様々な工夫が施されている。例えば、基板ボックスに封印シールを設けたり、また、制御基板に触われないように、基板ボックスを閉じるかしめ方向にのみ回転する封印ビスによって、基板ボックスの開放を困難にしているものがある(例えば、特許文献1参照)。さらに、可動接点を用いて収納ボックスの開閉を検出して、その検出信号を記憶して、発光ダイオードにより報知するようにしているものもある(例えば、特許文献2参照)。また、基板ボックスの表面にICタグを貼着し、ID読取装置からの送信要求に応じてICタグからその内部に記憶された識別情報をID読取装置に送信させ、識別情報を確認することにより、基板ボックスごと制御基板がすり替えられたか否かを判断するようになっているものもある(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−216324号公報
【特許文献2】
特開平9−34365号公報
【特許文献3】
特開2000−288218号公報
【0004】
しかし、封印シールを用いるものでは、基板ボックスを開放して不正ROMへの交換が終了した後に、精巧な偽造封印シールを張られてしまうと基板ボックスが開閉されたか否かを判断することは困難だった。また、封印ビスを用いるものでは、特殊な工具で強制的に封印ビスを開放方向へ回して基板ボックスを開放して不正ROMへの交換が行われてしまうことがあった。さらに、可動接点を用いて基板ボックスの開閉を検出するものでは、基板ボックスは、通常透明の樹脂により形成されているために、収納ボックスの開閉を検出する可動接点が用いられているのが目視により分かり、基板収納ボックスの隙間から、ピアノ線などを入れて可動接点が動かないようにされてしまい、基板ボックスの開閉を検出することができなくなると言う問題点があった。さらに、上記の従来技術では、基板ボックスが開閉されたか否かは、制御基板を目視しないと判断できないという問題点があり、このような不正行為は夜間に行われることが多いが、遊技場に何百台とある遊技機を毎朝点検確認するのは煩雑であった。
【0005】
そこで、本出願人は特願2002−232193号で遊技機の状態を監視する監視システム、遊技機及び装置管理システムを提案した。この出願では、遊技機の一種であるパチンコ機の基板ボックス及び大入賞口の開閉扉に監視用ICタグを各々取り付け、これらの監視用ICタグと通信するリーダライタユニット(ICタグ監視装置)が、適時監視用ICタグに呼出波を送信し、ICタグから予めICタグ監視装置に記憶されている監視用ICタグのIDコードが含まれている反射波が返送されてくるか否かにより、部材の開閉を監視している。尚、大入賞口は通常は閉鎖された状態であり、この大入賞口が開放され、遊技機が入球すると遊技者は多数の遊技球を獲得できるため、薄いプラスチック板などで不正に開閉扉を開いて、遊技球を入賞させるという不正が発生している。そのため、大入賞口の開閉扉の開放の監視が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特願2002−232193号における発明において、基板ボックス等の監視用ICタグが備えられている部材を故障によって交換した場合には、監視用ICタグも新しいものと交換される。監視用ICタグが交換されると、予めICタグ監視装置に記憶されている登録情報中のIDコードも変更する必要が生じる。登録情報の設定は、遊技機設置島毎に設置され、ICタグ監視装置に接続し監視結果を報知している管理機、管理機を取りまとめているホールコンピュータ、設定専用の装置等のパチンコ機以外の他の装置で行うことが考えられるが、部材の交換の都度、設定を行うことは手間である。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、所定の動作を行う装置の部材の移動を監視するための監視用ICタグを備え、監視用ICタグが交換された場合に自動的に登録情報の更新を行う、所定の動作を行う装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、所定の動作を行う装置に設けられている部材の移動を監視するための監視用ICタグを備え、且つ、他のICタグと区別するための認証識別情報を記憶している認証用ICタグを備えた認証部材の認証が可能な所定の動作を行う装置であって、前記所定の動作を行う装置は、前記監視用ICタグと通信を行うICタグ監視装置を備え、前記監視用ICタグは、他のICタグと区別するための監視識別情報を記憶している識別情報記憶手段を備え、前記ICタグ監視装置は、正当な前記認証用ICタグが記憶している前記認証識別情報を認証用登録情報として記憶する認証用登録情報記憶手段と、前記認証用ICタグを呼び出す認証用呼出波を送信する認証用呼出波送信手段と、前記認証用ICタグから返送される認証用反射波を受信する認証用反射波受信手段と、当該認証用反射波受信手段が、前記認証用登録情報記憶手段に記憶されている前記認証用登録情報と同一の認証識別情報を含む前記認証用反射波を受信した場合に、前記所定の動作を行う装置を認証状態に移行させる認証制御手段と、監視のための情報であり、前記監視用ICタグが備えられている位置を特定する位置特定符号に対応させて、前記監視用ICタグに記憶されている前記監視識別情報を監視用登録情報として記憶する監視用登録情報記憶手段と、前記監視用ICタグを呼び出す監視用呼出波を送信する監視用呼出波送信手段と、前記監視用ICタグから返送される監視用反射波を受信する監視用反射波受信手段と、当該監視用反射波受信手段によって受信された前記監視用反射波に含まれている監視識別情報である受信識別情報が、前記監視用登録情報記憶手段において前記監視用呼出波を送信された監視用ICタグが備えられている位置の位置特定符号に対応して記憶されている監視用登録情報である対応登録情報と一致するか否かを判断する一致判断手段と、前記所定の動作を行う装置が前記認証制御手段によって認証状態に移行されている間に、前記一致判断手段によって前記受信識別情報と前記対応登録情報とが一致しないと判断された場合、前記対応登録情報を前記受信識別情報に変更する監視用登録情報変更手段と、当該監視用登録情報変更手段によって前記対応登録情報が変更されたことを示す変更情報を、前記ICタグ監視装置による監視状態を管理する管理装置に送信する変更情報送信手段とを備えている。
【0009】
この構成の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、所定の動作を行う装置のICタグ監視装置は、監視用ICタグ及び認証用ICタグと通信を行う。ICタグ監視装置の認証用登録情報記憶手段は、認証用ICタグを識別するための情報である認証用登録情報を記憶し、認証用呼出波送信手段は、認証用ICタグを呼び出す認証用呼出波を送信し、認証用反射波受信手段は、認証用ICタグから返送される認証用反射波を受信し、認証制御手段は、認証用反射波受信手段が、認証用登録情報記憶手段に記憶されている認証用登録情報と同一の認証識別情報を含む認証用反射波を受信した場合に、所定の動作を行う装置を認証状態に移行させる。ICタグ監視装置の監視用登録情報記憶手段は、監視のための情報であり、監視用ICタグが備えられている位置を特定する位置特定符号に対応させて監視用ICタグに記憶されている監視識別情報を監視用登録情報として記憶し、監視用呼出波送信手段は、監視用ICタグを呼び出す監視用呼出波を送信し、監視用反射波受信手段は、監視用ICタグから返送される監視用反射波を受信し、一致判断手段は、監視用反射波受信手段によって受信された監視用反射波に含まれている監視識別情報である受信識別情報が、監視用登録情報記憶手段において監視用呼出波を送信された監視用ICタグが備えられている位置の位置特定符号に対応して記憶されている監視用登録情報である対応登録情報と一致するか否かを判断する。監視用登録情報変更手段は、所定の動作を行う装置が認証状態に移行されている間に、一致判断手段によって受信識別情報と対応登録情報とが一致しないと判断された場合、対応登録情報を受信識別情報に変更し、変更情報送信手段は、監視用登録情報変更手段によって前記対応登録情報が変更されたことを示す変更情報を、前記ICタグ監視装置による監視状態を管理する管理装置に送信する。
【0010】
また、請求項2に係る発明の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記監視用登録情報記憶手段では、前記位置特定符号を重複しないように記憶することを特徴とする構成となっている。
【0011】
この構成の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、登録情報記憶手段では、位置特定符号を重複しないように記憶する。
【0012】
【0013】
【0014】
また、請求項3に係る発明の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記所定の動作を行う装置は遊技機であることを特徴とする構成となっている。
【0015】
この構成の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、所定の動作を行う装置は遊技機が用いられる。
【0016】
また、請求項4に係る発明の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、請求項3に記載の発明の構成に加えて、前記遊技機は、当該遊技機を設置する遊技機設置台に前記遊技機を固定するための機枠と、前記遊技機の本体を前記機枠に設置するための本体枠と、遊技球が流下する遊技領域を保護するための前面枠と、鍵と錠とで構成され、前記機枠と前記本体枠、及び前記本体枠と前記前面枠とを施錠する施錠装置とを備え、前記認証部材は前記鍵に備えられていることを特徴とする構成となっている。
【0017】
この構成の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、請求項3に記載の発明の作用に加えて、遊技機の機枠は、遊技機を設置する遊技機設置台に遊技機を固定し、本体枠は、遊技機の本体を機枠に設置し、前面枠は、遊技球が流下する遊技領域を保護し、施錠装置は、鍵と錠とで構成され、機枠と本体枠、及び本体枠と前面枠とを施錠する。また、認証部材は鍵に備えられている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して以下の順で説明する。
1.システム構成の概要説明
2.所定の動作を行う装置の構成の説明
3.所定の動作を行う装置内部のハード部分の構成の説明
4.被監視部材の説明
5.認証部材の説明
6.他のシステム構成要素の説明
7.発明部分のデータ構造の説明
8.発明部分の動作の説明
9.実施の形態の請求項との対比
10.実施の形態の効果
11.変形例の説明
【0019】
1.システム構成の概要説明
図1は、本実施の形態の監視システムの構成図である。本実施形態の監視システムでは、遊技機の一種であるパチンコ機1が「所定の動作を行う装置」として機能し、リーダライタユニット(以下、「R/Wユニット」と称する。)30が「ICタグ監視装置」として機能する。パチンコ機1にはR/Wユニット30が付属しており、遊技場内にある複数台のパチンコ機1を背中合わせに2列に並べて設置した遊技機設置島200の各々に管理端末装置100が設置されている。さらに、パチンコ機1に付属のR/Wユニット30が店内ネットワーク150を介して管理端末装置100に接続される構成となっている。また、管理端末装置100は遊技場全体を管理するホールコンピュータ300に接続されており、このホールコンピュータ300が各管理端末装置100を一括管理している。
【0020】
また、パチンコ機1には、パチンコ機1の制御を行う基板が備えられている基板ボックス80(図3参照)の上蓋部80aの内面の正面視右下に監視用ICタグ86が貼り付けられており(図7参照)、遊技球の入賞により多数の遊技球を払い出す大入賞口16の開閉扉16a(図2参照)に、監視用ICタグ186が貼り付けられている(図8参照)。そして、R/Wユニット30がこれらの監視用ICタグ86,186に監視用呼出波をアンテナを介して送信して監視用ICタグ86,186が備えられた基板ボックス80及び大入賞口16の開閉の監視、即ち上蓋80a及び開閉扉16aの移動の監視を行っている。また、監視の結果、監視用ICタグに異常が発生したり、異常が回復したりした場合には、その情報が監視情報としてR/Wユニット30に記憶され、管理端末装置100に送信される。そこで、管理端末装置100は監視情報を報知し、その監視情報に対して遊技場内で係員が対応できるように構成されている。
【0021】
尚、図7に示す基板ボックス80の上蓋部80a及び図8に示す大入賞口16の開閉扉16aが「所定の動作を行う装置の部材」に相当し、開閉部材である上蓋部80a及び開閉扉16aの開放が「部材の移動」に相当し、基板ボックス80の上蓋部80aの内面の正面視右下及び大入賞口16の開閉扉16aが「監視用ICタグが備えられている位置」に相当している。本発明の監視システムでは、所定の動作を行う装置の部材の移動を監視するために、被監視部材の1又は複数の位置に監視用ICタグを設置して、R/Wユニット30が各監視用ICタグに対して監視用呼出波を送信することにより被監視部材の移動を監視する。本実施の形態では、1つの被監視部材に対して1の位置にしか監視用ICタグを設置していないが、例えば、基板ボックス80について言うならば、上蓋部80aの内面の正面視右下だけでなく、正面視左上にも監視用ICタグを設置して、1つの被監視部材に対して複数の位置に監視用ICタグを設置することにより被監視部材の監視を行ってもよい。
【0022】
また、本実施の形態では、監視用ICタグにより基板ボックス80や大入賞口16の開放を監視した際に、監視用ICタグから返送されてきた監視用反射波に含まれるIDコード(認証情報)が、予めR/Wユニット30の登録情報に記憶されているものと異なる場合には、IDコードエラーとなる。また、認証用ICタグ126が埋め込まれた鍵121(図9参照)を用いることにより、パチンコ機1が認証状態となっている場合には、R/Wユニット30の登録情報に記憶されているIDコードを、監視用反射波に含まれていたIDコードに自動的に変更することができる。また、この登録情報の更新の履歴である更新情報も管理端末装置100へ送信される。
【0023】
2.所定の動作を行う装置の構成の説明
次に、図2を参照してパチンコ機1について説明する。図2は、パチンコ機1の前面枠111及び本体枠110を開いた状態をパチンコ機1の前面から見た斜視図である。図2に示すように、パチンコ機1は、遊技機設置島200に固定される機枠112と、本体113を囲い固定している本体枠110と、遊技盤2を保護する前面枠111とから構成されている。鍵穴120に鍵121を挿入し、鍵121を左方向へ回転させると前面枠111が手前に開き、鍵121を右方向へ回転させると本体枠110が手前に開く。また、鍵穴120の上部に位置する本体枠110の内部には、鍵121に埋め込まれている認証用ICタグ126と通信を行うための認証用アンテナ128が備えられている。
【0024】
また、パチンコ機1の本体枠110の内部には本体113がはめ込まれており、本体113の正面の上半分の部分には、略正方形の遊技盤2が設けられ、遊技盤2には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられており、前面枠111は透明なガラス板111aを保持し、遊技盤2を覆っている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、図示外の発射機に遊技球を供給し、また、賞品球を受ける上皿5が設けられ、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には、発射ハンドル7が設けられ、上皿5と下皿6との間には、スピーカー48が設けられている。また、遊技領域4の下部には、大入賞口16が設けられている。尚、遊技盤2には、上記以外に、種々の入賞口、電飾ランプ、風車、障害釘及び図柄表示装置等が設けられている。
【0025】
次に、図3を参照して、パチンコ機1の背面の構造について説明する。図3はパチンコ機1の背面図である。図3に示すように、パチンコ機1の左下部背面には、パチンコ機1の主制御を司る主制御基板41を収納した基板ボックス80が設けられ、基板ボックス80の右隣には音基板43が、音基板43の右隣上方には電源基板42が、その下方には払出制御基板45がそれぞれ透明な樹脂製のボックスに収められて配置されている。さらに、基板ボックス80の上方には、遊技盤の裏面を保護し、各種配線を覆うセンターカバー90が配置され、そのセンターカバー90の外側にR/Wユニット30が設置されている。尚、R/Wユニット30の電源は、電源基板42からではなく遊技機設置島200の電源装置(図示外)から供給されている。
【0026】
3.所定の動作を行う装置内部のハード部分の構成の説明
次に、図4を参照してパチンコ機1及びパチンコ機1に付属したR/Wユニット30の主な構成要素の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機1及びパチンコ機1に付属したR/Wユニット30の電気的構成を示すブロック図である。
【0027】
パチンコ機1には、主制御基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、発射基板66が設けられている。主制御基板41には、各種の演算処理を行うCPU51が設けられており、フラグやカウンタ値やデータやプログラム等を記憶するRAM52と、制御プログラム及び各種の初期値のデータや図柄表示装置(図示外)への表示内容のデータ等を記憶したROM53とが接続している、これらのCPU51、RAM52及びROM53は1つのLSI50として一体にモールディングされている。また、CPU51は、I/Oインターフェース54に接続しており、I/Oインターフェース54には、R/Wユニット30へデータを引き渡すための出力ポート55、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、発射基板66が接続している。また、主制御基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、発射基板66はそれぞれ電源基板42に接続し、電源の供給を受けている。さらに、パチンコ機1には監視用ICタグ86及び監視用ICタグ186が、それぞれの被監視部材である基板ボックス80及び大入賞口16に貼り付けられている。
【0028】
また、R/Wユニット30には、R/Wユニット30の制御を司るCPU31が設けられており、CPU31にはフラグやデータ等を一時的に記憶するRAM33、制御プログラム及び各種の初期値のデータ等を記憶したROM34、及び、登録情報、更新情報を記憶するEEPROM32が接続している。また、CPU31にはI/Oインターフェース38が接続し、I/Oインターフェース38には管理端末装置100に接続するための店内ネットワーク150に接続する通信回路37及びパチンコ機1の主制御基板41の出力ポート55と接続する入力ポート36が接続している。さらに、CPU31には、監視用ICタグ86,監視用ICタグ186及び認証用ICタグ126へ呼出波を送信し、反射波を受信するためのRF回路35が接続している。さらに、RF回路35にはパチンコ機1に設置されている監視用アンテナ68,監視用アンテナ168及び認証用アンテナ128が接続している。監視用アンテナ68は監視用ICタグ86と通信をし,監視用アンテナ168は監視用ICタグ186と通信をし、認証用アンテナ128は鍵121に埋め込まれている認証用ICタグ126と通信をする。
【0029】
次に、図5及び図6を参照して監視用ICタグ86の構造について説明する。図5は、監視用ICタグ86の平面図である。図6は、監視用ICタグ86の電気的回路構成を示すブロック図である。監視用ICタグ86には、図6に示すように、R/Wユニット30からの監視用呼出波に応答して監視用反射波を放出するRF回路86a、アンテナ86b、EEPROM86cが搭載されている。また、監視用ICタグ86は、図5に示すように、薄いフレキシブルプリント基板上にアンテナ86b及びICチップ86dが設けられており、ICチップ86dには、RF回路86aとEEPROM86cとが一体となって構成されている。さらに、EEPROM86cには、監視用ICタグ86を他の監視用ICタグから識別するための識別情報であるIDコードが上書消去禁止区域に記憶されている。
【0030】
R/Wユニット30から監視用アンテナ68を介して監視用呼出波が送られてくると、アンテナ86bがこれを受信するが、この監視用呼出波には搬送波成分が含まれており、これを受信してRF回路86aで整流して直流電圧を得る。従って、監視用ICタグ86は、電池や外部電源を使用せずに必要な時にいつでもデータを発信することができる。データの発信は、EEPROM86cからIDコードを読み出して監視用反射波に乗せ、RF回路86aから監視用アンテナ68に向けて送信する。
【0031】
尚、監視用ICタグ86と監視用ICタグ186とは、同様の構造をしており、監視用ICタグ186もRF回路、アンテナ、EEPROMを搭載し、薄いフレキシブルプリント基板上にアンテナ及びICチップが設けられて、ICチップには、RF回路とEEPROMとが一体となって構成されている。そして、EEPROMには、監視用ICタグ186を他の監視用ICタグから識別するための識別情報であるIDコードが上書消去禁止区域に記憶されている。
【0032】
4.被監視部材の説明
次に、図7を参照して、基板ボックス80を監視するために基板ボックス80に備えられた監視用ICタグ86及び監視用アンテナ68について説明する。図7は基板ボックス80の斜視図である。尚、被監視部材である基板ボックス80に貼り付けられた監視用ICタグ86の貼り付け位置を示す位置特定符号を、本実施の形態では「BOX」とする。
【0033】
図7に示すように、基板ボックス80は、透明な樹脂製の平面視略長方形の上蓋部80aと、同じく透明な樹脂製の平面視略長方形の下蓋部80cとから構成されている。また、上蓋部80aに対向する下蓋部80c上には、パチンコ機1の主制御を司る主制御基板41が配置されている。そして、上蓋部80aの裏面側には、小型で長方形の監視用ICタグ86(図5参照)が接着剤等で接着されている。主制御基板41の右下端部には、切り欠きが設けられ、その切り欠き位置には監視用ICタグ86と電磁波によるRF送受信を行うためのコイル状の監視用アンテナ68が下蓋部80cに設けられ、監視用アンテナ68は同軸ケーブルによりR/Wユニット30に接続されている。
【0034】
尚、本実施形態において、監視用ICタグ86と監視用アンテナ68は、13.56MHzの短波帯で通信を行っている。この周波数での通信はノイズによる影響を受けにくいので、パチンコ機1の設置環境に適している。監視用アンテナ68と監視用ICタグ86との距離は、上蓋部80aと下蓋部80cを組み付けた状態で約3mmになるように配置されている。この距離間ではRF送受信が可能であり監視用アンテナ68を介したR/Wユニット30からの呼び出しに監視用ICタグ86が応答することができ、監視用アンテナ68と監視用ICタグ86との距離が約5mmを超えると通信不能となるように設定されている。この通信可能距離は、監視用アンテナ68のコイルの巻き数やリアクタンス値により調節が可能である。このように通信可能距離を設定することにより、上蓋部80aのわずかな隙間の開放であっても検知することができ、また、振動等によるわずかな揺れでは通信不能とならないように調整されている。また、上述したように、この周波数帯での通信はノイズによる影響を受けにくいが、他の電磁波を使用する部材からのノイズの影響による誤動作を少しでも防ぐために、監視用ICタグ86や監視用アンテナ68は、ソレノイドを使用している賞品払出装置や発射モータから離した位置である主制御基板41の右下端部に配置している。
【0035】
次に、図8を参照して、所定条件の成立により開閉扉16aを開閉する可変入賞装置の一種である大入賞口16が設けられているアタッカ部材160への監視用ICタグ186の設置について説明する。図8は、開閉扉16aが開放されている状態のアタッカ部材160の斜視図である。尚、被監視部材である大入賞口16の開閉扉16aに貼り付けられた監視用ICタグ186の貼り付け位置を示す位置特定符号を、本実施の形態では「DAI」とする。
【0036】
図8に示すように、アタッカ部材160の開閉扉16aの表面には、前述した監視用ICタグ186(図5参照)が貼り付けられ、さらに監視用ICタグ186を覆うように装飾シール等が貼付されて遊技者からは見えないようになっている。また、アタッカ部材160の開口部16bである大入賞口16の周囲には、監視用ICタグ186を囲むようにループ形状の監視用アンテナ168が設けられ、監視用アンテナ168は同軸ケーブルによりR/Wユニット30に接続されている。
【0037】
この監視用ICタグ186は、送受信方向に指向性があり、監視用アンテナ168と平行に位置した場合のみ送受信可能である。大入賞口16の閉鎖状態では、開閉扉16aが大入賞口16の開口部16bを塞いでおり、監視用ICタグ186と監視用アンテナ168はほぼ同一平面上に位置しているので、送受信可能であり、監視用アンテナ168を介したR/Wユニット30からの監視用呼出波に対して監視用ICタグ186から監視用反射波が返される。一方、図8に示すように開閉扉16aが開くと、監視用ICタグ186と監視用アンテナ168とは平行でなくなり、通信可能な臨界角度を超えるので、監視用ICタグ186はR/Wユニット30からの呼び出しに応答できなくなる。
【0038】
また、監視用アンテナ168と監視用ICタグ186間の通信も13.56MHzの短波帯で行われており、この周波数帯での通信はノイズによる影響を受けにくいが、他の電磁波を使用する部材からのノイズの影響による誤動作を少しでも防ぐために、開閉扉16aの動作を制御する大入賞口開放ソレノイド70は、監視用ICタグ186や監視用アンテナ168から離したアタッカ部材160の左奥に配置されている。
【0039】
5.認証部材の説明
次に、鍵121の構造について図9を用いて説明する。図9は、鍵121の平面図である。尚、この鍵121が「認証部材」に相当する。図9に示すように、鍵121は、把持部122のカバー内部に認証用ICタグ126が埋め込まれている。認証用ICタグ126は、把持部122のカバー内部に埋め込むために、細い円筒型(スティック型)に形成されている。また、その電気的回路構成は、監視用ICタグ86及び監視用ICタグ186と同様で、認証用ICタグ126もRF回路、アンテナ、EEPROMを搭載している。円筒中にはアンテナ及びICチップが設けられて、ICチップには、RF回路とEEPROMとが一体となって構成されている。そして、EEPROMには、監視用ICタグ126を他のICタグと識別するための識別情報であるIDコードが上書消去禁止区域に記憶されている。また、この鍵121は複数存在してもよい。ただし、その際には各鍵121に埋め込まれている認証用ICタグ126のIDコードは、各認証用ICタグ126毎に異なる。
【0040】
6.他のシステム構成要素の説明
次に、管理端末装置100の構成について図10を参照して説明する。管理端末装置100は、各パチンコ機1に備えられたR/Wユニット30から監視情報及び更新情報を受信し、報知する。図10は、管理端末装置100の正面図である。図10に示すように、管理端末装置100は、上部に警告ランプ109を備えている。また、正面には表示器101を備え、表示器101の右側には上から監視ボタン103、監視履歴ボタン104、設定履歴ボタン105、設定ボタン106及び停止ボタン102を備え、正面下側には、入力キー107、矢印キー108が備えられている。
【0041】
また、表示器101に表示される画面は、監視ボタン103、監視履歴ボタン104及び設定履歴ボタン105、設定ボタン106を押下することにより、切り替えることができる。監視ボタン103を押下すると、監視モード画面が表示され、監視履歴ボタン104を押下すると、監視履歴モード画面が表示され、設定履歴ボタン105を押下すると、設定履歴モード画面が表示され、設定ボタン106が押下されると設定モード画面が表示される。尚、起動時には、監視モード画面が表示されている。
【0042】
監視モード画面では、管理端末装置100に接続されているパチンコ機1のいずれかで基板ボックス80及び大入賞口16の不正開放が検出され、不正開放データがR/Wユニット30から送信されてきた場合には、「104番台 大入賞口16不正開放!! 11:40:22」等のパチンコ機1の台番号、不正内容及び不正発生時刻が表示される。不正が発生していない場合には、「現在、正常稼働中」の表示がなされている。複数の不正が同時に発生した場合には、それらの報知画面が所定時間ごと、例えば5秒毎に切り替わり、繰り返し表示される。また、不正開放データがパチンコ機1のR/Wユニット30から送信されてきた場合には、警告ランプ109が点灯し、遊技場の係員の注意を喚起するようになっており、停止ボタン102の押下により消灯させることができる。また、入力キー107及び矢印キー108は表示器101に表示された画面を操作する際に用いられる。
【0043】
また、設定モード画面では、監視用ICタグ86及び監視用ICタグ186についての登録情報や、認証用ICタグ126についての認証用登録情報の設定を行ったりすることができる。また、監視履歴モード画面では、各パチンコ機1に備えられたR/Wユニット30が基板ボックス80及び大入賞口16を監視した結果である監視情報が時系列に監視履歴情報として表示される。また、設定履歴モード画面では、設定モード画面を用いて行われた監視用ICタグ86、監視用ICタグ186及び認証用ICタグ126についての設定の情報、及び、パチンコ機1において自動的にIDコードが変更された更新情報が時系列に設定履歴情報として表示される。
【0044】
図10に示す例では、監視モード画面が表示されており、エラー1、エラー2、エラー3の3つの不正が発生し、エラー2の内容を示す画面が表示されている。エラー2は、104番台で大入賞口16の不正開放が11時40分22秒に発生している。
【0045】
次に、管理端末装置100の電気的構成について図11を参照して説明する。図11は管理端末装置100の電気的構成を示すブロック図である。図11に示すように、管理端末装置100は、各種の演算を行うCPU98が設けられ、CPU98には、フラグやデータ等を一時的に記憶するRAM113と、制御プログラム及び各種の初期値のデータ等を記憶したROM97と、監視情報、設定履歴情報、登録情報及び認証用登録情報等を記憶したEEPROM114と、I/Oインターフェース99とが接続している。
【0046】
また、I/Oインターフェース99には、警告ランプ109、表示器101、監視ボタン103、監視履歴ボタン104、設定履歴ボタン105、停止ボタン102、入力キー107及び矢印キー108が備えられている。さらに、I/Oインターフェース99は通信回路117を介して店内ネットワーク150に接続している。
【0047】
7.発明部分のデータ構造の説明
次に、図12を参照して、R/Wユニット30のEEPROM32の登録情報記憶エリアに記憶されている登録情報321について説明する。図12は、R/Wユニット30のEEPROM32の登録情報記憶エリアに記憶されている登録情報321の模式図である。登録情報321には、基板ボックス80及び大入賞口16を監視するための情報が登録されている。登録情報321は、監視される位置毎に1つの登録データが登録されており、図12に示すようにデータ番号欄321a、位置特定符号欄321b、IDコード欄321c及び監視間隔時間欄321dが設けられている。
【0048】
データ番号欄321aには、登録データのデータ番号が「1」から順に振られている。位置特定符号欄321bには、その登録データがパチンコ機1の被監視部材のどの位置を監視するためのものであるかを特定するための位置特定符号が英数字で登録されている。登録データは1つの被監視部材の被監視位置に付き1つしか登録されないので、異なる登録データに同じ位置特定符号が記憶されることはない。IDコード欄321cには、被監視位置に貼り付けられている監視用ICタグに記憶されているIDコードが登録されている。監視間隔時間欄には、R/Wユニット30が被監視部材に貼り付けられている監視用ICタグに監視用アンテナを介して監視用呼出波を送信して、監視を行うタイミングを指定するための時間がミリ秒単位で登録されている。ここに登録されている時間毎に監視用呼出波が送信される。
【0049】
図12に示す例では、データ番号欄321aが「1」である登録データの位置特定符号欄321bには「BOX」、IDコード欄321cには「1557001H」、監視間隔時間欄321dには「3000」ミリ秒が登録されている。尚、位置特定符号「BOX」は基板ボックス80を示している。また、データ番号欄321aが「2」である登録データの位置特定符号欄321bには「DAI」、IDコード欄321cには「0011N221」、監視間隔時間欄321dには「10」ミリ秒が登録されている。尚、位置特定符号「DAI」は大入賞口16を示している。
【0050】
次に、図13を参照してR/Wユニット30のRAM33の監視処理使用データ記憶エリアに記憶されている監視処理使用データ331について説明する。図13は、R/Wユニット30のRAM33の監視処理使用データ記憶エリアに記憶されている監視処理使用データ331の模式図である。監視処理使用データ331には、基板ボックス80及び大入賞口16を監視する際に使用されるカウンタやフラグが記憶されている。図13に示すように、監視処理使用データ331には、データ番号欄331a、監視カウンタ欄331b、IDフラグ欄331c及び消失フラグ欄331dが設けられている。尚、監視処理使用データ331のデータ番号欄331aは、登録情報321のデータ番号欄321aに記憶されているデータ番号と対応している。つまり、登録情報321のデータ番号欄321aが「1」である被監視部材を監視する際には、監視処理使用データ331のデータ番号欄331aの監視カウンタ、IDフラグ及び消失フラグが使用される。
【0051】
データ番号欄331aには、データ番号が「1」から順に振られている。監視カウンタ欄331bには、当初、登録情報321の監視間隔時間がセットされ、図示外の時間管理プログラムにより1ミリ秒毎に減算される。また、IDフラグ欄331cには、被監視位置に貼り付けられた監視用ICタグに監視用呼出波を送信した際に返されて来た監視用反射波に含まれていたIDコードが、IDコード欄321cに登録されているものと一致しない場合に、「IDコードエラー」となり、「1」がセットされて「ON」状態となる。IDコードエラーが発生していない状態では「OFF」状態で「0」がセットされている。また、消失フラグ欄331dには、被監視位置に貼り付けられた監視用ICタグに監視用呼出波を送信した際に監視用反射波が返されてこなかった場合に、「応答エラー」となり、「1」がセットされて「ON」状態となる。応答エラーが発生していない状態では「OFF」状態で「0」がセットされている。
【0052】
図13に示す例では、データ番号欄331aが「1」である登録データの監視カウンタ欄331bには「1978」、IDフラグ欄331cには「0」、消失フラグ欄331dには「0」がセットされている。データ番号欄331aが「1」である登録データの監視カウンタ欄331bには「8」、IDフラグ欄331cには「0」、消失フラグ欄331dには「0」がセットされている。
【0053】
次に、R/Wユニット30のEEPROM32の認証用登録情報記憶エリアに記憶されている認証用登録情報322について説明する。図14は、R/Wユニット30のEEPROM32に記憶されている認証用登録情報322の模式図である。認証用登録情報322には、パチンコ機1を認証状態とするために認証用ICタグ126を識別するための情報が登録されている。図14に示すように、認証用登録情報322には、認証間隔時間欄322a及びIDコード欄322bが設けられ、IDコード欄322bはさらにIDコード1欄、IDコード2欄、IDコード3欄、IDコード4欄、IDコード5欄、IDコード6欄、IDコード7欄、IDコード8欄の8つの欄が設けられている。
【0054】
監視間隔時間欄322aには、R/Wユニット30が認証用ICタグ126に認証用アンテナ128を介して認証用呼出波を送信して、鍵121の挿入の確認を行うタイミングを指定するための時間がミリ秒単位で登録されている。ここに登録されている時間毎に認証用呼出波が送信される。IDコード欄322bには、鍵121に埋め込まれている認証用ICタグ126に記憶されているIDコードが記憶されている。遊技場内においては、例えば店員の数分だけ鍵121が複数存在することも考えられるので、IDコード1欄〜IDコード8欄の8つの欄が設けられている。すなわち、本実施の形態では、8つの鍵121を登録することができる。
【0055】
図14に示す例では、認証間隔時間欄322aには「100」ミリ秒が登録され、IDコード欄322bのIDコード1欄には「16174098」、IDコード2欄には「FT176495」、IDコード3欄には「00083082」が登録されており、IDコード4欄〜IDコード8欄には登録されていない。すわなち、本実施の形態では3つの鍵121が使用されていることになる。
【0056】
次に、図15を参照してR/Wユニット30のEEPROM32の監視情報記憶エリアに記憶されている監視情報323について説明する。図15は、R/Wユニット30のEEPROM32の監視情報記憶エリアに記憶されている監視情報323の模式図である。この監視情報323には、基板ボックス80及び大入賞口16を監視した結果、異常が発生していたり、異常が回復していたりした際にその監視データが追加記憶される。図15に示すように、監視情報323には、日付欄323a、時刻欄323b、位置特定符号欄323c及び内容欄323dが設けられている。日付欄323aには、監視データが作成された日付がセットされ、時刻欄323bには、監視データが作成された時刻がセットされる。異常が発生した場合には発生日付及び発生時刻であり、異常が回復した場合に回復日付及び回復時刻となる。位置特定符号欄323cには、異常が発生した監視用ICタグが設置されている位置を示す位置特定符号がセットされ、内容欄323dには、監視データの内容がコードでセットされており、「11」は所定時間内に監視用反射波が返送されてこなかった消失エラーが発生したことを示し、「21」はIDコードが登録情報321に記憶されているものと異なるIDコードエラーが発生したことを示し、「12」は消失エラーが回復したことを示し、「22」はIDコードエラーが回復したことを示している。
【0057】
図15に示す例では、1番目の監視データは、日付欄323aに「2002.10.16」、時刻欄323bに「20:30:15」、位置特定符号欄323cに「DAI」、内容欄323dに「11」がセットされているので、2002年10月16日の20時30分15秒に大入賞口16の開閉扉16aに設置されている監視用ICタグ186に消失エラーが発生したことを示している。2番目の監視データは、日付欄323aに「2002.10.16」、時刻欄323bに「20:31:19」、位置特定符号欄323cに「DAI」、内容欄323dに「12」がセットされているので、2002年10月16日の20時31分19秒に大入賞口16の開閉扉16aに設置されている監視用ICタグ186に発生していた消失エラーが回復したことを示している。3番目の監視データは、日付欄323aに「2002.10.22」、時刻欄323bに「3:15:24」、位置特定符号欄323cに「BOX」、内容欄323dに「11」がセットされているので、2002年10月22日の3時15分24秒に基板ボックス80に設置されている監視用ICタグ86に消失エラーが発生したことを示している。4番目の監視データは、日付欄323aに「2002.10.22」、時刻欄323bに「3:18:40」、位置特定符号欄323cに「BOX」、内容欄323dに「12」がセットされているので、2002年10月22日の3時18分40秒に基板ボックス80に設置されている監視用ICタグ86に発生していた消失エラーが回復したことを示している。5番目の監視データは、日付欄323aに「2002.10.22」、時刻欄323bに「3:16:36」、位置特定符号欄323cに「BOX」、内容欄323dに「21」がセットされているので、2002年10月22日の3時16分36秒に基板ボックス80に設置されている監視用ICタグ86にIDコードエラーが発生したことを示している。6番目の監視データは、日付欄323aに「2002.10.22」、時刻欄323bに「3:18:40」、位置特定符号欄323cに「BOX」、内容欄323dに「22」がセットされているので、2002年10月22日の3時18分40秒に基板ボックス80に設置されている監視用ICタグ86に発生していたIDコードエラーが回復したことを示している。
【0058】
次に、図16を参照してR/Wユニット30のEEPROM32の更新情報記憶エリアに記憶されている更新情報324について説明する。図16は、R/Wユニット30のEEPROM32の更新情報記憶エリアに記憶されている更新情報324の模式図である。この更新情報324には、登録情報321の登録データのIDコードが更新された際にその更新データが追加記憶される。図16に示すように、更新情報324には、更新日付欄324a、更新時刻欄324b、位置特定符号欄324c、更新前欄324d及び更新後欄324eが設けられている。更新日付欄324aには登録情報321を更新した日付がセットされ、更新時刻欄324bには更新した時刻がセットされ、位置特定符号欄324cには更新された登録データの位置特定符号がセットされ、更新前欄324dには更新前の登録データのIDコードがセットされ、更新後欄324eには更新後のIDコードがセットされる。
【0059】
図16に示す例では、1番目の更新日付欄324aには「2002.10.16」がセットされ、更新時刻欄324bには「10:50:47」がセットされ、位置特定符号欄324cには「DAI」がセットされ、更新前欄324dには「0011N221」がセットされ、更新後欄324eには「MASI8080」がセットされており、図13に示す登録情報321のデータ番号「2」のIDコード欄321cの値が2002年10月16日の10時50分47秒に「0011N221」から「MASI8080」に更新されたことを示している。2番目の更新日付欄324aには「2002.10.22」がセットされ、更新時刻欄324bには「9:45:22」がセットされ、位置特定符号欄324cには「BOX」がセットされ、更新前欄324dには「1557001H」がセットされ、更新後欄324eには「19740926」がセットされており、図13に示す登録情報321のデータ番号「1」のIDコード欄321cの値が2002年10月22日の9時45分22秒に「1557001H」から「19740926」に更新されたことを示している。
【0060】
8.発明部分の動作の説明
ここで、図17乃至図19を参照して、R/Wユニット30で行われる処理をフローチャートを用いて説明する。図17は、R/Wユニット30で行われるメイン処理のフローチャートである。このメイン処理の中で、監視用ICタグの監視処理、認証用ICタグ126の認証処理を行っている。図18は、R/Wユニット30で行われるメイン処理の中で行われる監視処理のフローチャートである。図19は、R/Wユニット30で行われるメイン処理の中で行われる認証処理のフローチャートである。
【0061】
まず、図17を参照してメイン処理について説明する。このメイン処理では、登録情報321に記憶されている監視間隔時間に従い、監視用アンテナから監視用呼出波を送信して、被監視部材に設置されている監視用ICタグの監視をする監視処理を行い、認証用登録情報322に記憶されている間隔時間に従い、認証用アンテナから認証用呼出波を送信して、パチンコ機1を認証状態とするか否かの処理をする認証処理を行う。尚、このメイン処理は、R/Wユニット30に電源が投入され、起動処理が終了した後に開始され、R/Wユニット30の電源がONである間継続して実施される。R/Wユニット30は、パチンコ機1の電源基板から電源の供給を受けていないため、夜間にパチンコ機1の電源をOFFしたとしても、電源断とはならず処理は中断されないため、夜間にも監視を続けることができる。
【0062】
まず、データ番号カウンタnに初期値の「0」をセットする(S1)。このデータ番号カウンタnは、図12に示す登録情報321のデータ番号をカウントするためのカウンタであり、データカウンタn番目の登録データに登録されている位置特定符号が示している被監視位置の監視が行われる。次いで、データ番号カウンタnに「1」を加算し(S2)、データ番号カウンタnの値が登録情報321のデータ数である「2」よりも大きいか否かを確認する(S3)。データ番号カウンタnの値が「2」よりも大きくなければ(S3:NO)、監視処理使用データ331のn番目のデータの監視カウンタ欄331b欄の値が「0」より大きいか否かを確認する(S4)。この監視カウンタ欄331b欄の値は、本メイン処理とは別処理の時間管理プログラムにおいて、1ミリ秒毎に減算され、「0」以下となると監視時刻が到来したことになる。n番目のデータの監視カウンタ欄331b欄の値が「0」より大きい場合には(S4:YES)、まだ監視時刻となっていないので、S2へ戻る。n番目のデータの監視カウンタ欄331b欄の値が「0」より大きくない場合には(S4:NO)、監視時刻となっているので、次回の監視のために登録情報321のn番目の登録データの監視間隔時間欄321dに記憶されている値を監視カウンタ欄331b欄へセットする(S5)。
【0063】
次いで、n番目の登録情報321の登録データの位置特定符号欄321bに記憶されている位置特定符号が「DAI」であるか否かを確認する(S6)。位置特定符合「DAI」は、大入賞口16の開閉扉16aを示しており、この開閉扉16aはパチンコ機1が大当たり中であれば開放されるため、パチンコ機1が大当たり中には開閉扉16aの開放を監視する必要はない。そこで、位置特定符号が「DAI」である場合には(S6:YES)、パチンコ機1が大当たり中であるか否かを確認し(S7)、大当たり中である場合には(S7:YES)、何もせずにS2へ戻る。大当たり中であるか否かの判断は、大当たりフラグにより行う。この大当たりフラグは主制御基板41からの信号の受信により、OFF/ONが行われる。大当たり中でない場合には(S7:NO)、位置特定符号が「DAI」である被監視位置、すなわち大入賞口16の開閉扉16aの監視処理を行う(S8)。また、n番目の位置特定符号が「DAI」でない場合には(S6:NO)、必ずどのような場合であっても監視が行われるので、S8へ進み、n番目の登録情報321の登録データに記憶された位置への監視処理を行う。尚、この監視処理の詳細については、図18で後述する。監視処理終了後には、S2へ戻る。
【0064】
続いて、データ番号カウンタnに「1」を加算し(S2)、データ番号カウンタnの値が「2」よりも大きれば(S3:YES)、S9へ進む。S9では、RAM33に記憶されている認証カウンタ(図示外)の値が「0」より大きいか否かを確認する(S9)。この認証カウンタは、本メイン処理とは別処理の時間管理プログラムにおいて、1ミリ秒毎に減算され、「0」以下となると認証時刻が到来したことになる。認証カウンタの値が「0」より大きい場合には(S9:YES)、まだ認証時刻となっていないので、S1へ戻る。認証カウンタの値が「0」より大きくない場合には(S9:NO)、認証時刻となっているので、認証用登録情報322の認証間隔時間欄322aの値を認証カウンタにセットして(S10)、認証処理を行う(S11)。そして、S1へ戻る。尚、S11の認証処理の詳細については、図19を用いて後述する。
【0065】
次いで、図18を参照してメイン処理の中で行われる監視処理(図17:S8)についてフローチャートを用いて説明する。この監視処理は、データ番号がメイン処理中で更新されるデータ番号カウンタnの値である登録情報321の登録データの位置特定符号欄321bに記憶されている位置特定符号が示す被監視位置を監視するための監視用アンテナから、監視用呼出波を送信することにより基板ボックス80及び大入賞口16の開放を監視する。
【0066】
まず、n番目の位置特定符号欄321bに記憶されている位置特定符号が示す位置を監視するために設けられている監視用アンテナから監視用呼出波を送信する(S21)。この監視用アンテナは、位置特定符号が「DAI」である場合には監視用アンテナ168であり、位置特定符号が「BOX」である場合には監視用アンテナ68である。次いで、監視用ICタグから監視用反射波の返送が所定時間内にあるか否かを確認する(S22)。本実施の形態では、この所定時間は例えば50ミリ秒とする。
【0067】
所定時間内に監視用反射波の返送がない場合には(S22:NO)、監視用ICタグが監視用アンテナと通信できない位置にある、すなわち監視用ICタグの設置部材が不正に開放されていると考えられる。そこで、まず監視処理使用データ331のn番目の消失フラグ欄331dに「1」がセットされて「ON」となっているか否かを確認する(S23)。n番目の消失フラグ欄331dに「1」がセットされて「ON」となっている場合には(S23:YES)、すでにこの不正開放が検知され、監視データが監視情報に記憶されているので、再度監視データを作成しないために何もせずに処理を終了する。n番目の消失フラグ欄331dに「1」がセットされて「ON」となっていない場合には(S23:NO)、今回の監視にて初めてこの不正開放が検知されたので、監視処理使用データ331のn番目の消失フラグ欄331dに「ON」をセットする(S24)。そして、監視情報323へ消失エラー発生の監視データを追加記憶し(S25)、管理端末装置100へ新しい監視データを送信して(S26)、処理を終了する。
【0068】
所定時間内に監視用反射波の返送があった場合には(S22:YES)、監視用反射波に含まれているIDコードが登録情報321のn番目の登録データのIDコード欄321cに記憶されているIDコードと一致するか否かを確認する(S27)。
【0069】
S27にてIDコードが一致しない場合には(S27:NO)、認証状態であるか否かを確認する(S28)。認証状態であるか否かの確認はRAM33に記憶されている認証フラグ(図示外)に「1」が記憶されており、「ON」であるか否かにより判断する。この認証フラグは、後述する認証処理(図17:S11、図19参照)により認証状態に移行すると判断された場合に「1」がセットされて「ON」となり、認証状態を終了すると判断された場合に「0」がセットされて「OFF」となる。
【0070】
S28にて認証状態である場合には(S28:YES)、パチンコ機1が認証状態となっている状態で、IDコードが不一致となっているので、権限のある係員が新しく設置された監視用ICタグのIDコードをパチンコ機1に登録しようとしていると考えられるので、現在登録情報321に記憶されているIDコードを、監視用反射波に含まれているIDコードに変更しなければならない。そこで、登録情報321のn番目の登録データのIDコード欄321cに記憶されているIDコードを、監視用反射波に含まれていたIDコードに変更する(S29)。そして、更新情報324へ更新データを追加記憶する(S30)。そして、監視処理使用データ331のn番目のIDフラグ欄331cに「1」がセットされて「ON」となっているか否かを確認する(S31)。「ON」である場合には(S31:YES)、すでにIDコードエラーが検知され、監視データが監視情報に記憶されているので、再度監視データを作成しないため、S30にて記憶された更新データのみを管理端末装置100へ送信して(S34)、処理を終了する。「ON」でない場合には(S31:NO)、n番目のIDフラグ欄331cに「0」をセットして「OFF」とし(S32)、監視情報323へIDコードエラー復帰の監視データを追加記憶し(S33)、S30にて記憶された更新データ及びS33にて記憶された監視データを管理端末装置100へ送信して(S34)、処理を終了する。
【0071】
S28にて認証状態でない場合には(S28:NO)、登録情報321の更新は行わない。そこで、監視処理使用データ331のn番目のIDフラグ欄331cに「1」がセットされて「ON」となっているか否かを確認する(S35)。「ON」である場合には(S35:YES)、すでにこのIDコードエラーが検知され、監視データが監視情報に記憶されているので、再度監視データを作成しないために何もせずに処理を終了する。「ON」でない場合には(S35:NO)、n番目のIDフラグ欄331cに「1」をセットして「ON」とし(S36)、監視情報323へIDコードエラー発生の監視データを追加記憶し(S37)、管理端末装置100へ監視データを送信して(S38)、処理を終了する。
【0072】
S27にてIDコードが一致した場合には(S27:YES)、被監視位置に備えられた監視用ICタグは正常である。そこで、監視処理使用データ331のn番目の消失フラグ欄331dに「1」がセットされて「ON」となっているか否かを確認する(S39)。「ON」である場合には(S39:YES)、消失エラーから復帰したのでn番目の消失フラグ欄331dに「0」をセットして「OFF」とし(S40)、監視情報323へ消失エラー復帰の監視データを追加記憶し(S41)、監視データを管理端末装置100へ送信して(S42)、S43へ進む。「ON」でない場合には(S39:NO)、何もせずにS43へ進む。
【0073】
S43では、監視処理使用データ331のn番目のIDフラグ欄331cに「1」がセットされて「ON」となっているか否かを確認する(S43)。「ON」である場合には(S43:YES)、IDコードエラーから復帰しているのでn番目のIDフラグ欄331cに「0」をセットして「OFF」とし(S44)、監視情報323へIDコードエラー復帰の監視データを追加記憶し(S45)、監視データを管理端末装置100へ送信して(S46)、処理を終了する。「ON」でない場合には(S43:NO)、何もせずに、処理を終了する。
【0074】
次いで、図19を参照してメイン処理の中で行われる認証処理(図17:S11)についてフローチャートを用いて説明する。この認証処理は、認証用アンテナ128から認証用呼出波を送信し、認証用登録情報322に記憶されているIDコードのいずれかと一致するIDコードを含む認証用反射波の返送が鍵121に埋め込まれた認証用ICタグ126からあった場合に、認証フラグに「1」をセットして「ON」として、認証状態に移行するものである。また、鍵121が鍵穴120から抜かれて、認証用反射波の返送がなくなった場合には認証フラグに「0」をセットして「OFF」として認証状態から復帰する。
【0075】
まず、認証用アンテナ128から認証用呼出波を送信する(S51)。ついで、所定時間内に認証用ICタグ126から認証用反射波の返送があるか否かを確認する(S52)。ここで、所定時間は例えば50ミリ秒とする。認証用反射波の返送がない場合には(S52:NO)、認証用ICタグ126が埋め込まれた鍵121が鍵穴120に差し込まれていないということなので、認証フラグに「0」をセットして「OFF」とし(S58)、処理を終了する。
【0076】
また、認証用反射波の返送がある場合には(S52:YES)、図14に示す認証用登録情報322のIDコード欄322b内のIDコードをカウントするためのIDコードカウンタmに初期値「0」をセットする(S53)。そしてIDコードカウンタmに「1」を加算し(S54)、IDコードカウンタmの値が認証用登録情報322に記憶可能なIDコードの最大数である「8」より大きいか否かを確認する(S55)。「8」より大きくない場合には(S55:NO)、認証用登録情報322のIDコード欄322bのm番目のIDコードと、認証用反射波に含まれていたIDコードが一致するか否かを確認する(S56)。一致した場合には(S56:YES)、認証フラグに「1」をセットして「ON」とし(S57)、処理を終了する。
【0077】
一致しなかった場合には(S56:NO)、S54に戻りIDコードカウンタmに再び「1」を加算し(S54)、IDコードカウンタmの値が「8」よりも大きいか否かを確認する(S55)。「8」よりも大きい場合には(S55:YES)、認証用反射波に含まれていたIDコードが認証用登録情報322のIDコード欄322bに記憶されていない、すなわち、正規の鍵121でない鍵121が鍵穴120に差し込まれているということになるので、認証フラグに「0」をセットして「OFF」とし(S58)、処理を終了する。
【0078】
9.実施の形態の請求項との対比
尚、図6に示す監視用ICタグ86のEEPROM86c及び監視用ICタグ186のEEPROMが「識別情報記憶手段」に相当する。また、図12に示す登録情報321が記憶されているR/Wユニット30のEEPROM32の登録情報記憶エリアが「監視用登録情報記憶手段」に相当し、図4に示すパチンコ機1及びR/Wユニット30の電気的構成を示すブロック図のRF回路35、監視用アンテナ68及び監視用アンテナ168が「監視用呼出波送信手段」及び「監視用呼出波受信手段」に相当し、図18に示す監視処理のフローチャートのS29のIDコード変更処理を実行するCPU31が「監視用登録情報変更手段」として機能する。また、図14に示す認証用登録情報322が記憶されているR/Wユニット30のEEPROM32が「認証用登録情報記憶手段」に相当し、図4に示すパチンコ機1及びR/Wユニット30の電気的構成を示すブロック図のRF回路35及び認証用アンテナ128が「認証用呼出波送信手段」及び「認証用反射波受信手段」に相当し、図19に示す認証処理のフローチャートのS52〜S58の処理を実行するCPU31が「認証制御手段」として機能し、図18に示す監視処理のフローチャートのS28及びS29の処理を実行するCPU31が「識別情報変更制御手段」として機能する。
【0079】
10.実施の形態の効果
以上説明したように、上記の実施の形態の監視システムでは、監視用ICタグ86,監視用ICタグ186により基板ボックス80及び大入賞口16の開放を監視し、その監視情報をR/Wユニット30に記憶することができる。また、R/Wユニット30に記憶された監視情報は、遊技場内に設置された管理端末装置100にも送信され、記憶される。また、管理端末装置100からはホールコンピュータ300へ監視情報が送られて、ホールコンピュータ300で遊技場内の全てのパチンコ機1の監視情報を管理できるようになっている。
【0080】
また、鍵121に認証用ICタグ126が埋め込まれており、パチンコ機1の鍵穴120に正規の鍵121を差し込むことにより、パチンコ機1が認証状態となる。そして、監視用ICタグの監視処理中に、部材の取り替えによるIDコードエラーが発生した場合であっても、認証状態であれば、登録情報321に記憶されているIDコードを、監視用ICタグから返送されてきた監視用反射波に含まれているIDコードに変更することができる。したがって、監視用ICタグが備えられている基板ボックス80や大入賞口16の交換を行い、監視用ICタグ86又は監視用ICタグ186が新しくなり、したがってIDコードも新しいIDコードに変わったとしても、鍵121を鍵穴120に差し込み、認証状態とすることにより、自動的に登録情報321のIDコードを変更することができる。
【0081】
11.変形例の説明
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。以下に、本発明を適用する実施の形態の変形例について説明する。まず、本実施形態では所定の動作を行う装置として、遊技機の一種であるパチンコ機を例に挙げているが、所定の動作を行う装置は遊技機であるパチンコ機に限られず、パチコン機、パチスロ台等の各種の遊技機に適用可能である。さらに、遊技機に限らず、所定の動作を行って製品を製造する工作機械、所定の動作を行って商品を販売する自動販売機、所定の動作を行ってサービスを提供するサービス提供装置等にも適用可能である。
【0082】
また、上記実施の形態では、移動を監視される被監視部材としてパチンコ機1の基板ボックス80及び大入賞口16を扱い、夫々一箇所に監視用ICタグを設置したが、移動を監視される部材はこれに限らず、他の入賞口や普通図柄始動ゲート、センターカバー90や各種基板に設置して、その開閉状態を監視してもよい。また、本体枠110、前面枠111又は機枠112に監視用ICタグを備え、前面枠111と本体枠110、本体枠110と機枠112の開閉を監視してもよい。また、監視用ICタグを設置する場所は各部材に一箇所である必要はなく、複数の位置に設置してもよい。さらに、所定の動作を行う装置がパチンコ機1でない場合にはもちろん、移動を監視される部材は上記実施の形態の部材に限らず、所定の動作を行う装置に備えられ、開閉が行われる開閉部材や所定の動作を行う装置を構成する構成部材であればよく、開閉部材の開閉や構成部材の所在を監視するために、1つ又は複数の監視用ICタグを開閉部材や構成部材に設置して、その部材の移動を監視してもよい。
【0083】
また、上記実施の形態では、管理端末装置100を夜間にも稼働させ、常時R/Wユニット30から監視情報及び更新情報の送信を受けているが、管理端末装置100の稼働形態はこれに限らず、夜間(営業時間外)は管理端末装置100の電源を切り、R/Wユニット30に管理端末装置100が稼働していない間の監視情報を記憶させ、管理端末装置100起動後に送信させるようにしてもよい。
【0084】
また、上記実施の形態では認証用登録情報324に記憶できる認証用ICタグ126のIDコードを8個として扱ったが、これは8個に限らずそれ以上であっても、以下であってもよく、1つであってもよい。また、上記実施の形態では、認証用ICタグ126を鍵121に埋め込ませたが、認証用ICタグ126を備えた認証部材は必ずしも鍵121に埋め込まれている必要はなく、操作担当者の名札や身分証、制服、筆記用具等に埋め込まれていてもよく、また、認証部材として単独で存在していてもよく、形状もカード型のプラスチック板、指輪型、スティック型、布地への埋め込みなどでもよい。
【0085】
また、上記実施の形態では、監視処理の中で識別情報であるIDコードの変更を行っている。しかしながら、所定の動作を行う装置の部材を交換する場合には装置の電源をOFFすることが多い。そこで、識別情報の変更を行うのは、パチンコ機1の起動後初めて監視を行う時のみとしてもよい。
【0086】
また、IDコードエラーが発生した(監視用反射波に含まれている識別情報が登録情報に記憶されているものと異なる)ということは、登録情報の他の登録方法(例えば管理端末装置100による登録)においてIDコードの登録誤りをする、監視用ICタグと監視用アンテナとの通信エラーが発生するなどのトラブル以外には、監視用ICタグ又は監視用アンテナが備えられている部材がすり替えられたということは意味する。監視用ICタグ又は監視用ICタグが備えられている部材がすり替えを行う際には、必ず消失エラーが発生するため、異常は検知されることになる。したがって、被監視部材の移動を検知することは、消失エラーが発生したか否か(監視用ICタグから監視用反射波が返送されてくるか否か)の確認で足り、IDコードエラーが発生したか否かの判断を必ずしも行わなくてもよい。そこで、上記実施の形態では、IDコードエラーが発生し、且つ、パチンコ機1が認証状態である場合に識別情報の変更を行っているが、IDコードエラーが発生した場合には、認証状態である場合に限らず、必ず識別情報の変更を行うようにしてもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1に係る発明の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、監視用ICタグ及び認証用ICタグと通信を行うことができる。ICタグ監視装置の認証用登録情報記憶手段は、認証用ICタグを識別するための情報である認証用登録情報を記憶し、認証用呼出波送信手段は、認証用ICタグを呼び出す認証用呼出波を送信し、認証用反射波受信手段は、認証用ICタグから返送される認証用反射波を受信し、認証制御手段は、認証用反射波受信手段が、認証用登録情報記憶手段に記憶されている認証用登録情報と同一の認証識別情報を含む認証用反射波を受信した場合に、所定の動作を行う装置を認証状態に移行させることができる。ICタグ監視装置の監視用登録情報記憶手段は、監視のための情報であり、監視用ICタグが備えられている位置を特定する位置特定符号に対応させて監視用ICタグに記憶されている監視識別情報を監視用登録情報として記憶し、監視用呼出波送信手段は、監視用ICタグを呼び出す監視用呼出波を送信し、監視用反射波受信手段は、監視用ICタグから返送される監視用反射波を受信し、一致判断手段は、監視用反射波受信手段によって受信された監視用反射波に含まれている監視識別情報である受信識別情報が、監視用登録情報記憶手段において監視用呼出波を送信された監視用ICタグが備えられている位置の位置特定符号に対応して記憶されている監視用登録情報である対応登録情報と一致するか否かを判断することができる。監視用登録情報変更手段は、所定の動作を行う装置が認証状態に移行されている間に、一致判断手段によって受信識別情報と対応登録情報とが一致しないと判断された場合、対応登録情報を受信識別情報に変更し、変更情報送信手段は、監視用登録情報変更手段によって前記対応登録情報が変更されたことを示す変更情報を、前記ICタグ監視装置による監視状態を管理する管理装置に送信することができる。したがって、監視用ICタグを交換した場合には、自動で登録情報の変更が行われる。監視用ICタグの交換を行ったりした際に、監視用ICタグの対応登録情報を新しい監視用ICタグの監視用識別情報に変更するためには、予め登録されている認証用ICタグを備えた認証部材が必要となるので、操作を行うことができる人物を限定することができる。
【0088】
また、請求項2に係る発明の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、監視用登録情報記憶手段では、位置特定符号を重複しないように記憶することができる。したがって、1つの監視用ICタグの設置場所についての情報が2つ以上登録されることはない。
【0089】
【0090】
また、請求項3に係る発明の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、所定の動作を行う装置は遊技機を用いることができる。したがって、遊技機において不正が行われ易い部材の監視を監視用ICタグを用いて行う場合に、その監視用ICタグの識別情報の変更を遊技機で自動的に行うことができる。
【0091】
また、請求項4に係る発明の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置では、請求項3に記載の発明の効果に加えて、遊技機の機枠は、遊技機を設置する遊技機設置台に遊技機を固定し、本体枠は、遊技機の本体を機枠に設置し、前面枠は、遊技球が流下する遊技領域を保護し、施錠装置は、鍵と錠とで構成され、機枠と本体枠、及び本体枠と前面枠とを施錠することができる。また、認証部材は鍵を備えることができる。したがって、遊技機の機枠、本体枠及び前面枠を開閉するための鍵と認証部材を兼用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本実施の形態の監視システムの構成図である。
【図2】 図2は、パチンコ機1の前面枠111及び本体枠110を開いた状態をパチンコ機1の前面から見た斜視図である。
【図3】 図3はパチンコ機1の背面図である。
【図4】 図4は、パチンコ機1及びR/Wユニット30の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】 図5は、監視用ICタグ86の平面図である。
【図6】 図6は、監視用ICタグ86の電気的回路構成を示すブロック図である。
【図7】 図7は基板ボックス80の斜視図である。
【図8】 図8は、開閉扉16aが開放されている状態のアタッカ部材160の斜視図である。
【図9】 図9は、鍵121の平面図である。
【図10】 図10は、管理端末装置100の正面図である。
【図11】 図11は管理端末装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】 図12は、R/Wユニット30のEEPROM32の登録情報記憶エリアに記憶されている登録情報321の模式図である。
【図13】 図13は、R/Wユニット30のRAM33の監視処理使用データ記憶エリアに記憶されている監視処理使用データ331の模式図である。
【図14】 図14は、R/Wユニット30のEEPROM32に記憶されている認証用登録情報322の模式図である。
【図15】 図15は、R/Wユニット30のEEPROM32の監視情報記憶エリアに記憶されている監視情報323の模式図である。
【図16】 図16は、R/Wユニット30のEEPROM32の更新情報記憶エリアに記憶されている更新情報324の模式図である。
【図17】 図17は、R/Wユニット30で行われるメイン処理のフローチャートである。このメイン処理の中で、監視用ICタグの監視処理、認証用ICタグ126の認証処理を行っている。
【図18】 図18は、R/Wユニット30で行われるメイン処理の中で行われる監視処理のフローチャートである。
【図19】 図19は、R/Wユニット30で行われるメイン処理の中で行われる認証処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ機
16 大入賞口
16a 開閉扉
30 R/Wユニット
31 CPU
32 EEPROM
35 RF回路
68 監視用アンテナ
80 基板ボックス
80a 上蓋部
86 監視用ICタグ
86c EEPROM
98 CPU
100 管理端末装置
110 本体枠
111 前面枠
112 機枠
120 鍵穴
121 鍵
126 認証用ICタグ
128 認証用アンテナ
168 監視用アンテナ
186 監視用ICタグ
321 登録情報
323 監視情報
324 更新情報
Claims (4)
- 所定の動作を行う装置に設けられている部材の移動を監視するための監視用ICタグを備え、且つ、他のICタグと区別するための認証識別情報を記憶している認証用ICタグを備えた認証部材の認証が可能な所定の動作を行う装置であって、
前記所定の動作を行う装置は、
前記監視用ICタグと通信を行うICタグ監視装置を備え、
前記監視用ICタグは、
他のICタグと区別するための監視識別情報を記憶している識別情報記憶手段を備え、
前記ICタグ監視装置は、
正当な前記認証用ICタグが記憶している前記認証識別情報を認証用登録情報として記憶する認証用登録情報記憶手段と、
前記認証用ICタグを呼び出す認証用呼出波を送信する認証用呼出波送信手段と、
前記認証用ICタグから返送される認証用反射波を受信する認証用反射波受信手段と、
当該認証用反射波受信手段が、前記認証用登録情報記憶手段に記憶されている前記認証用登録情報と同一の認証識別情報を含む前記認証用反射波を受信した場合に、前記所定の動作を行う装置を認証状態に移行させる認証制御手段と、
監視のための情報であり、前記監視用ICタグが備えられている位置を特定する位置特定符号に対応させて、前記監視用ICタグに記憶されている前記監視識別情報を監視用登録情報として記憶する監視用登録情報記憶手段と、
前記監視用ICタグを呼び出す監視用呼出波を送信する監視用呼出波送信手段と、
前記監視用ICタグから返送される監視用反射波を受信する監視用反射波受信手段と、
当該監視用反射波受信手段によって受信された前記監視用反射波に含まれている監視識別情報である受信識別情報が、前記監視用登録情報記憶手段において前記監視用呼出波を送信された監視用ICタグが備えられている位置の位置特定符号に対応して記憶されている監視用登録情報である対応登録情報と一致するか否かを判断する一致判断手段と、
前記所定の動作を行う装置が前記認証制御手段によって認証状態に移行されている間に、前記一致判断手段によって前記受信識別情報と前記対応登録情報とが一致しないと判断された場合、前記対応登録情報を前記受信識別情報に変更する監視用登録情報変更手段と、
当該監視用登録情報変更手段によって前記対応登録情報が変更されたことを示す変更情報を、前記ICタグ監視装置による監視状態を管理する管理装置に送信する変更情報送信手段と
を備えたことを特徴とする監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置。 - 前記監視用登録情報記憶手段では、前記位置特定符号を重複しないように記憶することを特徴とする請求項1に記載の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置。
- 前記所定の動作を行う装置は、遊技機であることを特徴とする請求項1又は2に記載の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置。
- 前記遊技機は、
当該遊技機を設置する遊技機設置台に前記遊技機を固定するための機枠と、
前記遊技機の本体を前記機枠に設置するための本体枠と、
遊技球が流下する遊技領域を保護するための前面枠と、
鍵と錠とで構成され、前記機枠と前記本体枠、及び前記本体枠と前記前面枠とを施錠する施錠装置と
を備え、
前記認証部材は前記鍵に備えられていることを特徴とする請求項3に記載の監視用ICタグを備えた所定の動作を行う装置。
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