以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の遊技機管理システムの構成図である。本実施の形態では、遊技機としてパチンコ機1、管理端末装置として島コンピュータ100及びホールコンピュータ300、遊技機情報読取装置としてハンディターミナル400(以下、「HT」と称する。)、ICタグ監視装置としてリーダライタユニット56(以下、「R/Wユニット」と称する。)を考える。遊技場において、複数台のパチンコ機1を背中合わせに2列に並べて設置した遊技機設置島500があり、遊技機設置島500には各々島コンピュータ100が設置され、また、パチンコ機1には、パチンコ機1に備えられたICタグを呼び出して識別データを読み取るための独立したR/Wユニット56が備えられている。パチンコ機1は、自身が設置されている遊技機設置島500に設置された島コンピュータ100と遊技場全体を管理するホールコンピュータ300とにR/Wユニット56を介して接続している。ここで、R/Wユニット56と島コンピュータ100、R/Wユニット56とホールコンピュータ300との接続は、通信ケーブル等を用いずに、電波により無線で行われている。
そして、パチンコ機1には、パチンコ機1を制御するためにパチンコ機1の背面に設置された主制御基板41を収納した基板ボックス80(図7参照)と大入賞口16(図8参照)の開閉扉16aにそれぞれ識別データを記憶したICタグを設置し、R/Wユニット56はICタグに呼出波を送信して反射波を受信し、反射波に含まれた識別データを読み取ることにより、設置箇所の異常又は異常回復を検知する。また、検知された結果は、島コンピュータ100及びホールコンピュータ300に検知の都度送信され、各々の機器に表示され、遊技場内で係員が対応ができるようになっている。
さらに、R/Wユニット56は、パチンコ機1から後述する遊技情報及び監視情報を収集して記憶する。そして、遊技情報及び監視情報をホールコンピュータ300へ、監視情報を島コンピュータ100へ送信することができる。また、HT400は、パチンコ機1の前面側からアクセス可能に備えられた管理用ICタグ24と通信することができ、管理用ICタグ24を介してR/Wユニット56に記憶されている遊技情報及び監視情報を取得し、画面にて遊技情報及び監視情報を閲覧することができる。
図2は、パチンコ機1のガラス枠13を開いた状態の斜視図である。図2に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、略正方形の遊技盤2が設けられ、遊技盤2には、ガイドレールで囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。遊技盤2は、前面中央に遊技領域4を有し、透明なガラス板を保持したガラス枠13で覆われている。ガラス枠13の正面視左上方には、基板ボックス80(図3参照)や大入賞口16に設けられた識別用ICタグにより監視した履歴を外部に出力するための管理用ICタグ24が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、図示外の発射装置に遊技球を供給し、また、賞品球を受ける上皿5が設けられ、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には、発射ハンドル7が設けられている。
また、遊技領域4の略中央には、液晶画面を備えた特別図柄表示装置8が設けられている。この特別図柄表示装置8には、第1図柄停止部L1、第2図柄停止部L2、第3図柄停止部L3及び普通図柄表示部8aが設けられており、一桁の数字や一文字のアルファベットあるいは記号やマーク等の図柄を表示できるようになっている。また、特別図柄表示装置8の下側には、特別図柄始動電動役物15が設けられており、その特別図柄始動電動役物15の下方には、大入賞口16が設けられている。また、特別図柄始動電動役物15には、遊技球が通過したことを検出する図柄始動口センサ23が設けられている。パチンコ機1では、大入賞口16は通常の遊技状態では閉じている。そして、遊技球が特別図柄始動電動役物15を通過することにより、特別図柄表示装置8の各停止部L1、L2、L3に表示されている図柄が変化し、所定時間経過後図柄が確定し、確定した図柄が大当たり条件に合致し、大当たり状態となった場合には、大入賞口16が長時間開いて、遊技球が入賞できるようになり、大量の賞品球を獲得するチャンスとなる。そこで、不正に大入賞口16を開いて、遊技球を入賞させて賞品球を獲得する不正が行われる。また、遊技領域4の下端部に設けられているアウト口17には、何れの入賞口にも入賞できなかった遊技球が集まり、遊技領域4から排出される。尚、遊技盤2には、上記以外に、種々の電飾ランプ、風車及び多数の障害釘等が設けられている。さらに、ガラス枠13の内側の開閉軸側上部には、管理用ICタグ24が剥離不可能に設置され、この管理用ICタグ24からはケーブル24kが配線され、後述するR/Wユニット56に接続している。また、大入賞口16を構成するアタッカ部材160(図8参照)には、大入賞口16の開閉を監視するためのICタグ及びアンテナが設置されている。
次に、図3を参照して、パチンコ機1の背面の構造について説明する。図3はパチンコ機1の背面図である。図3に示すように、パチンコ機1の左下部背面には、パチンコ機1の主制御を司る主制御基板41を収納した基板ボックス80が設けられ、基板ボックス80の右隣には音基板43が、音基板43の右隣上方には電源基板42が、その下方には払出制御基板45がそれぞれ透明な樹脂製のボックスに収められて配置されている。さらに、基板ボックス80の上方には、遊技盤2の裏面を保護し、各種配線を覆うセンターカバー90が配置され、そのセンターカバー90の外側に遊技情報及び監視情報を収集するためのR/Wユニット56が設置されている。
次に、図4を参照してパチンコ機1及びR/Wユニット56について説明をする。図4は、パチンコ機1及びR/Wユニット56の電気的構成のブロック図である。R/Wユニット56には、R/Wユニット56の制御を司るCPU31が設けられ、CPU31にはR/Wユニット56に接続されているパチンコ機1の遊技情報及び監視情報を記憶する不揮発メモリであるEEP−ROM32と、各種データを一時的に記憶するRAM33と、CPU31で実行される制御プログラム等を記憶したROM34と、タイマ回路39と、送信回路及び受信回路であるRF(Radio Frequency:高周波無線)回路37と、データの受渡の仲介を行うI/Oインターフェース30とを備えている。さらに、RF回路37は、パチンコ機1に設置されたICタグ25と通信するアンテナ35と、ICタグ26と通信するアンテナ36とを備えており、I/Oインターフェース30は、パチンコ機1から情報を取得するための入力ポート38と、島コンピュータ100及びホールコンピュータ300と通信するための送受信回路40を備えている。送受信回路40は無線通信するためのアンテナ40aを備えており、入力ポート38はパチンコ機1のI/Oインターフェース29に接続している。
また、パチンコ機1には主制御基板41が設けられており、主制御基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うLSI50及びパチンコ機1の他の構成要素やR/Wユニット56とデータの受け渡しの仲介を行うI/Oインターフェース29が設けられている。LSI50には、各種の演算処理を行うCPU50b、フラグやカウンタ値やデータやプログラム等を記憶するRAM50aと、制御プログラム及び各種の初期値のデータ等を記憶したROM50cとが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、I/Oインターフェース29には、賞品球センサ20及び貸出球センサ21が払出制御基板27を介して接続し、さらに、排出球センサ22及び図柄始動口センサ23が接続している。また、パチンコ機1には、管理用ICタグ24、ICタグ25及びICタグ26が備えられており、管理用ICタグ24は、ケーブル24k(図2参照)を介してR/Wユニット56のI/Oインターフェース30に接続し、ICタグ25及びICタグ26は、それぞれアンテナ35及びアンテナ36と通信可能である。
また、本実施の形態では、稼働球数、賞品球数、貸出球数、図柄始動回数、大当たり回数、大当たり情報、及び、確率変動回数の7つを遊技情報として用いる。稼働球数は、パチンコ機1の遊技領域4に発射された遊技球の総数、即ち、遊技領域4に設けられた各種入賞口に入賞した遊技球数と、何れの入賞口にも入賞できずに遊技領域の下端部に設けられているアウト口17により回収された遊技球数であり、いずれの遊技球も排出球センサ22(図示外)を通過して検知される。賞品球数は、各種入賞口に遊技球が入賞したことにより払い出された遊技球の数であり、賞品球センサ20(図示外)を通過して検知される。貸出球数は、パチンコ機1に付属の球貸し装置(図示外)から遊技者に貸し出された遊技球であり、貸出球センサ21(図示外)を通過して検知される。図柄始動回数は、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入球数である。図柄始動回数は、図柄始動口センサ23を通過して検知される。大当たり回数は、大当たり条件成立により遊技者が遊技球を増加可能な大当たり遊技状態となった回数であり、大当たり情報は、前記大当たり遊技状態に現在なっているか否かの状態情報であって、大当たり遊技状態になっている場合には「1」、なっていない場合には「0」で表現される。確率変動回数は、大当たり条件が成立しやすくなる確率変動遊技状態となった回数である。大当たり遊技状態や確率変動遊技状態は、主制御基板41内のLSI50により管理されている。
次に、図5及び6を参照してICタグ25の構造について説明する。図5は、ICタグ25の平面図である。ICタグ25は、図5に示すように、薄いフレキシブルプリント基板上にICチップ25d及びアンテナ回路25bが設けられている。図6は、ICタグ25の電気的回路構成を示すブロック図である。ICタグ25には、R/Wユニット56からの呼出波に応答して反射波を放出するRF回路25a、アンテナ回路25b、EEPROM25cが搭載されている。ICチップ25dは、RF回路25a(図6参照)とEEPROM25c(図6参照)とが一体となって構成されている。EEPROM25cには、ICタグ25を他のICタグ25から識別するための識別データが上書消去禁止区域に記憶されている。R/Wユニット56からアンテナ35を介して呼出波が送られてくると、アンテナ25bがこれを受信するが、この呼出波には搬送波成分が含まれており、これを受信してRF回路25aで整流して直流電圧を得る。したがって、ICタグ25は、電池や外部電源を使用せずに必要な時にいつでもデータを発信することができる。データの発信は、EEPROM25cからIDコード等の識別データを読み出して反射波に乗せ、RF回路25aからアンテナ35に向けて送信する。また、一旦R/Wユニット56のRAM33に記憶された消失時刻や復帰時刻などのデータを後に受信してEEPROM25cに記憶しておくこともできる。尚、ICタグ26も同様の構造をしている。さらに、管理用ICタグ24は、ICタグ25の構造に加え、ICチップ25dにRAM内蔵型のCPU及びROMを備えており、さらにR/Wユニット56と接続するための入出力ポートを備え、ケーブル24kによりR/Wユニット56と接続することができる。
次に、図7を参照して基板ボックス80を監視するために、基板ボックス80に備えられたICタグ25及びアンテナ35について説明する。図7は基板ボックス80の斜視図である。図7に示すように、基板ボックス80は、透明な樹脂製の平面視略長方形の上蓋部80aと、同じく透明な樹脂製の平面視略長方形の下蓋部80cとから構成されている。また、上蓋部80aに対向する下蓋部80c上には、パチンコ機1の主制御を司る主制御基板41が配置されている。そして、上蓋部80aの裏面側には、小型で長方形のICタグ25が接着剤等で接着されている。主制御基板41の右下端部には、切り欠きが設けられ、その切り欠き位置にはICタグ25と電磁波によるRF送受信を行うためのコイル状のアンテナ35が下蓋部80cに設けられ、アンテナ35は同軸ケーブル56kによりR/Wユニット56に接続されている。
本実施形態において、ICタグ25とアンテナ35は、13.56MHzの短波帯で通信を行っている。この周波数での通信はノイズによる影響を受けにくいので、パチンコ機設置環境に適している。アンテナ35とICタグ25との距離は、上蓋部80aと下蓋部80cを組み付けた状態で約3mmになるように配置されている。この距離間ではRF送受信が可能でありアンテナ35を介したR/Wユニット56からの呼び出しにICタグ25が応答することができ、アンテナ35とICタグ25との距離が約5mmを超えると通信不能となるように設定されている。この通信可能距離は、アンテナ35のコイルの巻き数やリアクタンス値により調節が可能である。このように通信可能距離を設定することにより、上蓋部80aのわずかな隙間の開放であっても検知することができ、また、振動等によるわずかな揺れでは通信不能とならないように調整されている。また、上述したように、この周波数帯での通信はノイズによる影響を受けにくいが、他の電磁波を使用する部材からのノイズの影響による誤動作を少しでも防ぐために、ICタグ25やアンテナ35は、ソレノイドを使用している賞品払出装置や発射モータから離した位置である主制御基板41の右下端部に配置している。
次に、図8を参照して、所定条件の成立により開閉扉16aを開閉する可変入賞装置の一種である大入賞口16が設けられているアタッカ部材160へのICタグの設置について説明する。図8は、開閉扉16aが開放されている状態のアタッカ部材160の斜視図である。図8に示すように、アタッカ部材160の開閉扉16aの表面には、前述したICタグ26(図5参照)が貼り付けられ、さらにICタグ26を覆うように装飾シール等が貼付されて遊技者からは見えないようになっている。また、アタッカ部材160の開口部16bである大入賞口16の周囲には、ICタグ26を囲むようにループ形状のアンテナ36が設けられ、アンテナ36は同軸ケーブル56kによりR/Wユニット56に接続されている。このICタグ26は、送受信方向に指向性があり、アンテナ36と平行に位置した場合のみ送受信可能である。また、アンテナ36とICタグ26間の通信は電磁波を使用するため、他の電磁波を使用する部材からのノイズの影響による誤動作を防ぐために、ICタグ26やアンテナ36は、アタッカ部材160の左奥に位置する大入賞口開放ソレノイド70から離した位置に配置されている。
大入賞口16の閉鎖状態では、開閉扉16aが大入賞口16の開口部16bを塞いでおり、ICタグ26とアンテナ36はほぼ同一平面上に位置しているので、送受信可能であり、アンテナ36を介したR/Wユニット56からの呼出波に対してICタグ26から反射波が返される。一方、図8に示すように開閉扉16aが開くと、ICタグ26とアンテナ36とは平行でなくなり、通信可能な臨界角度を超えるので、ICタグ26はR/Wユニット56からの呼び出しに応答できなくなる。
次に、図9を参照してホールコンピュータ300について説明する。図9は、ホールコンピュータ300の電気的構成のブロック図である。図9に示すように、ホールコンピュータ300には、ホールコンピュータ300の制御を司るCPU301が設けられ、CPU301には、各種のデータを一時的に記憶するRAM302と、BIOS等を記憶したROM303と、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインターフェース304と、タイマ回路314とが接続されている。I/Oインターフェース304には、ハードディスク装置320が接続され、当該ハードディスク装置320には、各パチンコ機1の遊技情報を記憶する遊技情報記憶エリア321と、監視情報記憶エリア322と、その他の情報記憶エリア323と、CPU301で実行されるプログラムを記憶したプログラム記憶エリア324とが設けられている。
また、I/Oインターフェース304には、ビデオコントローラ306と、キーコントローラ307と、CD−ROMドライブ308と、通信回路309とが接続され、ビデオコントローラ306にはCRT312が接続され、キーコントローラ307にはキーボード313が接続されている。また、通信回路309にはアンテナ310が接続され、パチンコ機1と通信可能となっている。
なお、CD−ROMドライブ308に挿入されるCD−ROM311には、ホールコンピュータ300の制御プログラムが記憶されており、導入時には、制御プログラムは、CD−ROM311から、ハードディスク装置320にセットアップされてプログラム記憶エリア324に記憶されるようになっている。
次に、図10及び11を参照して島コンピュータ100について説明する。図10は、島コンピュータ100の正面図である。島コンピュータ100は、遊技機設置島500の端に設置され、係員から見やすい場所に配置されている。図10に示すように、島コンピュータ100は、上部に警告ランプ108を、正面に表示器107を備えている。島コンピュータ100に接続されているパチンコ機1のいずれかで大入賞口16の開閉扉16aの不正開放もしくは基板ボックス80の開放が検知され、島コンピュータ100に報知された場合には、警告ランプ108が点灯し、遊技場の係員の注意を喚起するようになっている。また、表示器107には、どのパチンコ機1で何の開放が検知されたのかを表示するようになっている。図10では、13番台の大入賞口16の開閉扉16aが不正開放された旨が表示器107に表示され、警告ランプ108が点灯している。警告ランプ108の点灯及び表示器107の表示は、係員がクリアボタン110を押下することにより消去することができる。
図11は、島コンピュータ100の電気的構成を示すブロック図である。島コンピュータ100は、各種の演算を行うCPU101と、フラグやデータ等を一時的に記憶するRAM102と、制御プログラム及び各種の初期値のデータ等を記憶したROM103と、管理者権限データベースや、履歴データベースを記憶したEEPROM104と、R/Wユニット56とデータの送受信を行うためのI/Oインターフェース105と、通信回路106と、受信した監視履歴データを表示するための表示器107と、受信した監視履歴データに基づいて点灯される警告ランプ108とから構成されている。通信回路106には、アンテナ109が接続されパチンコ機1と通信可能となっており、パチンコ機1のIDコード、消失時刻、復帰時刻等の監視履歴データを受信する。受信した監視履歴データに基づき、表示器107への表示、警告ランプ108の点灯が行われる。
次に、図12及び13を参照して、本実施の形態の遊技機管理システムにおいて使用する監視情報のデータ構造について説明する。図12は、R/Wユニット56、及びHT400で使用する監視情報の模式図である。R/Wユニット56のEEPROM32に記憶されている監視情報記憶エリア32bとHT400のフラッシュメモリ414(図26参照)に記憶されている監視情報記憶エリア422とは同じ構造をしている。ここには、遊技機に設置されたICタグに異常が発生した場合や異常が回復した場合の履歴情報が記憶されている。図13は、島コンピュータ100及びホールコンピュータ300で使用する監視情報の模式図である。島コンピュータ100のEEPROM104に記憶されている監視情報記憶エリア1041とホールコンピュータ300のハードディスク装置320に記憶されている監視情報記憶エリア322とは同じ構造をしている。ここには、遊技機に設置されたICタグに異常が発生した場合や異常が回復した場合の履歴情報が、遊技機毎に記憶されている。
まず、図12を参照して、R/Wユニット56の監視情報記憶エリア32bとHT400の監視情報記憶エリア422について説明する。番号欄には1から順に番号が振られており、異常が発生したり、回復したりする度に次の番号が振られて新しいデータが追加される。日付欄には異常が発生又は回復した日付が、時刻欄には異常が発生又は回復した時刻がセットされている。異常情報欄は、位置欄、種別欄及び状態欄が設けられている。位置欄にはICタグが設置されている場所を示すコードがセットされている。大入賞口16を監視するためのICタグ26を示す場合には「1」、基板ボックス80を監視するためのICタグ25を示す場合には「2」がセットされる。種別欄には異常の内容を示すコードがセットされている。時間内にIDデータが返送されてこなかった場合、即ち、アンテナとICタグとが通信できる位置になく、大入賞口16や基板ボックス80が不正に開放されている場合には「1」、返送されてきたIDデータが正しいものでなかった場合、即ち、基板ボックス80が取り替えられていたりした場合には「2」がセットされる。営業欄には、その異常が遊技場の営業時間外に発生した場合に「1」がセットされ、営業時間中に発生した場合には「0」がセットされている。復帰データ対応番号欄には、異常発生データである場合には、その異常が復帰した際に作成されたデータの番号がセットされ、異常回復データである場合には、その異常が発生した際に作成されたデータの番号がセットされている。
図12に示す例では、データ番号1のデータは2002年8月1日の11:38に作成されている。異常情報は「111」なので、大入賞口16のICタグ26に対して、アンテナ36が通信できない状態が発生したことを示している。営業欄には「0」がセットされいるので、営業時間中に発生した異常であることがわかる。また、復帰データ対応番号欄に「2」がセットされているので、この異常はデータ番号2のデータが作成された時点で復帰されていることわかる。データ番号2のデータは2002年8月1日の11:39に作成されている。異常情報は「112」なので、大入賞口16のICタグ26に対して、アンテナ36が通信できない状態が復帰したことを示している。営業欄には「0」がセットされているので、営業時間中に異常が復帰したことがわかる。また、復帰データ対応番号欄に「1」がセットされているので、この異常復帰はデータ番号1で発生した異常が復帰したことを示している。データ番号3のデータは2002年8月2日2:20に作成されている。異常情報は「211」なので、基板ボックス80のICタグ25に対して、アンテナ35が通信できない状態が発生したことを示している。営業欄には「1」がセットされているので、営業時間外に発生した異常であることがわかる。また、復帰データ対応番号欄には「6」がセットされているので、この異常はデータ番号6のデータが作成された時点で復帰されていることがわかる。データ番号4のデータは、2002年8月2日2:25に作成されている。異常情報は「221」なので、基板ボックス80のICタグ25が不正な識別データを返送してきたことがわかる。営業欄は「1」がセットされているので、この異常は営業時間外に発生した異常であることがわかる。また、復帰データ対応番号欄には「5」がセットされているので、この異常はデータ番号5のデータが作成された時点で復帰されていることがわかる。データ番号5のデータは2002年8月2日の9:55に作成されている。異常情報は「222」なので、基板ボックス80のICタグ25の識別データが正しいものに戻ったことを示している。営業欄には「0」がセットされているので、営業時間中に異常が復帰したことがわかる。また、復帰データ対応番号欄に「4」がセットされているので、この異常復帰はデータ番号4で発生した異常が復帰したことを示している。データ番号6のデータは2002年8月2日の9:55に作成されている。異常情報は「212」なので、基板ボックス80のICタグ25に対してアンテナ35が通信できない状態が復帰したことを示している。営業欄には「0」がセットされているので、営業時間中に異常が復帰したことがわかる。また、復帰データ対応番号欄に「3」がセットされているので、この異常復帰はデータ番号3で発生した異常が復帰したことを示している。
次に、図13を参照して島コンピュータ100の監視情報記憶エリア1041とホールコンピュータ300の監視情報記憶エリア322について参照する。これは、図12に示したR/Wユニット56及びHT400の監視情報記憶エリアに台番号欄を付属させたものである。台番号は、パチンコ機1毎に割り当てられた番号であり、パチンコ機1ごとに監視情報が記憶されている。
図13に示す例では、台番号1のパチンコ機1のデータ番号1のデータは2002年8月1日の11:38に作成されている。異常情報は「111」なので、大入賞口16のICタグ26に対して、アンテナ36が通信できない状態が発生したことを示している。営業欄には「0」がセットされいるので、営業時間中に発生した異常であることがわかる。また、復帰データ対応番号欄に「2」がセットされているので、この異常はデータ番号2のデータが作成された時点で復帰されていることわかる。データ番号2のデータは2002年8月1日の11:39に作成されている。異常情報は「112」なので、大入賞口16のICタグ26に対して、アンテナ36が通信できない状態が復帰したことを示している。営業欄には「0」がセットされているので、営業時間中に異常が復帰したことがわかる。また、復帰データ対応番号欄に「1」がセットされているので、この異常復帰はデータ番号1で発生した異常が復帰したことを示している。データ番号3のデータは2002年8月2日2:20に作成されている。異常情報は「211」なので、基板ボックス80のICタグ25に対して、アンテナ35が通信できない状態が発生したことを示している。営業欄には「1」がセットされているので、営業時間外に発生した異常であることがわかる。また、復帰データ対応番号欄には「6」がセットされているので、この異常はデータ番号6のデータが作成された時点で復帰されていることがわかる。台番号2のパチンコ機1のデータ番号1のデータは2002年8月2日2:21に作成されている。異常情報は「211」なので、基板ボックス80のICタグ25に対して、アンテナ35が通信できない状態が発生したことを示している。営業欄には「1」がセットされているので、営業時間外に発生した異常であることがわかる。また、復帰データ対応番号欄には「4」がセットされているので、この異常はデータ番号4のデータが作成された時点で復帰されていることがわかる。データ番号2のデータは、2002年8月2日2:27に作成されている。異常情報は「221」なので、基板ボックス80のICタグ25が不正な識別データを返送してきたことがわかる。営業欄は「1」がセットされているので、この異常は営業時間外に発生した異常であることがわかる。また、復帰データ対応番号欄には「3」がセットされているので、この異常はデータ番号3のデータが作成された時点で復帰されていることがわかる。データ番号3のデータは2002年8月2日の9:57に作成されている。異常情報は「222」なので、基板ボックス80のICタグ25の識別データが正しいものに戻ったことを示している。営業欄には「0」がセットされているので、営業時間中に異常が復帰したことがわかる。また、復帰データ対応番号欄に「2」がセットされているので、この異常復帰はデータ番号2で発生した異常が復帰したことを示している。
次に、図14及び15を参照して、本実施の形態の遊技機管理システムにおいて使用する遊技情報のデータ構造について説明する。図14は、R/Wユニット56、及びHT400で使用する遊技情報の模式図である。R/Wユニット56のEEPROM32に記憶されている遊技情報記憶エリア32aとHT400のフラッシュメモリ414に記憶されている遊技情報記憶エリア421とは同じ構造をしている。ここには、1週間分の遊技情報が1日毎に記憶されている。日付欄には日付がセットされ、各日付毎に稼働球数欄、賞品球数欄、貸出球数欄、入賞回数欄、大当たり回数欄、大当たり状態情報欄、確率変動回数欄及び確率変動状態情報欄が設けられている。図15は、ホールコンピュータ300のハードディスク装置320の遊技情報記憶エリア321に記憶されている遊技情報の模式図である。ここには、1カ月分の遊技情報が遊技機毎に記憶されている。日付欄には1日から31日までの日付がセットされ、日付毎に台番号欄が設けられ、パチンコ機1の識別番号である台番号がセットされており、台番号毎に稼働球数欄、賞品球数欄、貸出球数欄、入賞回数欄、大当たり回数欄、大当たり状態情報欄、確率変動回数欄及び確率変動状態情報欄が設けられている。
図14に示す例では、2日の稼働球数は36780球、賞品球数は38000球、貸出球数は12000球、入賞回数は2000回、大当たり回数は8回、大当たり状態情報は現在大当たり状態であることを示す「1」、確率変動回数は4回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」である。3日の稼働球数は2130球、賞品球数は2200球、貸出球数は750球、入賞回数は120回、大当たり回数は0回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は0回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」である。4日の稼働球数は54200球、賞品球数は57000球、貸出球数は18000球、入賞回数は3500回、大当たり回数は12回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は6回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」である。5日の稼働球数は25116球、賞品球数は25935球、貸出球数は8125球、入賞回数は1365回、大当たり回数は5回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は3回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」である。6日の稼働球数は0球、賞品球数は0球、貸出球数は0球、入賞回数は0回、大当たり回数は0回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は0回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」である。7日の稼働球数は14609球、賞品球数は15086球、貸出球数は4750球、入賞回数は794回、大当たり回数は3回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は1回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」である。8日の稼働球数は43148球、賞品球数は44555球、貸出球数は14000球、入賞回数は2345回、大当たり回数は9回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は4回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」である。
図15に示す例では、1日の台番号1のパチンコ機1の稼働球数は15447球、賞品球数は15911球、貸出球数は5000球、入賞回数は840回、大当たり回数は3回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は1回、確率変動状態情報は確率変動状態であることを示す「1」であり、台番号2のパチンコ機1の稼働球数は20431球、賞品球数は21044球、貸出球数は6625球、入賞回数は1111回、大当たり回数は4回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は2回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」である。2日の台番号1のパチンコ機1の稼働球数は36780球、賞品球数は38000球、貸出球数は12000球、入賞回数は2000回、大当たり回数は8回、大当たり状態情報は大当たり状態であることを示す「1」、確率変動回数は4回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」であり、台番号2のパチンコ機1の稼働球数は36283球、賞品球数は37371球、貸出球数は11750球、入賞回数は1973回、大当たり回数は8回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は4回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」である。31日の台番号1のパチンコ機1の稼働球数は27585球、賞品球数は28412球、貸出球数は9000球、入賞回数は1500回、大当たり回数は6回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は3回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」であり、台番号2のパチンコ機1の稼働球数は18058球、賞品球数は18600球、貸出球数は5875球、入賞回数は982回、大当たり回数は4回、大当たり状態情報は大当たり状態でないことを示す「0」、確率変動回数は2回、確率変動状態情報は確率変動状態でないことを示す「0」である。
次に、図16乃至18を参照してホールコンピュータ300のCRTに表示される監視画面について説明する。図16は、通常表示されている遊技機情報画面である。図17は、異常が発生した際に表示される警告画面である。図18は、遊技機情報画面において異常発生箇所をクリックすることにより表示される詳細画面である。ホールコンピュータ300は、営業開始時間になると、遊技場に設置された全てのパチンコ機1に稼働開始指示を行い、さらに夜間の監視情報を収集する。そして、図16の遊技機情報画面が表示され、営業時間中にはパチンコ機のR/Wユニット56から監視情報が送られてくるので、遊技機情報画面の更新が行われ、稼働終了時間になると、全パチンコ機1に稼働終了の指示をし、図16の遊技機情報画面も終了する(図19参照)。
まず、図16の遊技機情報画面について説明する。画面上部には、現在の日時、曜日が表示されている。次いで、パチンコ機1の遊技機情報である監視情報及び遊技情報がパチンコ機毎に表形式で表示されている。台欄にはパチンコ機1の台番号が、島欄にはパチンコ機1が設置されている遊技機設置島の番号が表示されている。監視情報欄は、1時間毎に24個の領域に区切られており、領域を塗り分けることでその時間帯のパチンコ機1の状態を示している。また、その塗り分けの分類が表の下部に説明されている。黒く塗りつぶされている場合は、パチンコ機1が稼働していないことを示している。右上がり斜線で塗られている場合は、パチンコ機1が正常に稼働している状態を示している。何も塗られていない場合には、まだ時間が経過していないことを示している。横線で塗られている場合には、何らかの異常が発生している状態を示している。この横線で塗られている領域をマウスでクリックすることにより、図18に示す詳細画面が表示され、その異常の内容を知ることができる。この詳細画面には、異常の発生した箇所、異常の内容、台番号、発生時刻、復旧時刻、確認ボタンが表示されており、確認ボタンを選択することにより、画面を消すことができる。
また、図16の遊技機情報画面の監視情報欄の右には、遊技情報欄が表示されている。この遊技情報欄は、稼働欄、貸出欄、賞品欄、始動欄、当り欄、確変欄が設けられており、それぞれ稼働球数、貸出球数、賞品球数、図柄始動回数、大当たり回数、確率変動回数が表示されている。また、当り欄では、大当たり状態である場合に領域が右下がり斜線で塗り分けられ、強調されるようになっている。確変欄でも、確率変動状態である場合に右下がり斜線で領域が塗り分けられ、強調されるようになっている。
図16に示す例は、8月8日木曜日の14:31現在の画面である。監視情報欄では、0時台から9時台まで、異常発生の時間帯以外は黒く塗りつぶされているため、この日は10時からパチンコ機1が稼働していることがわかる。また、現在は14:31なので14時台までが右上がり斜線で塗られており、15時台以降はまだ経過していないため、塗られていない。台番号2島番号1のパチンコ機1は、5時台から6時台にかけて横線で塗られており、異常が発生していることがわかる。さらに、台番号13島番号2のパチンコ機1では13時台に異常が発生している。この領域をクリックすると、図18に示す詳細画面が表示され、台番号13のパチンコ機1の大入賞口16の開閉扉16aが13:27に不正に開けられ、13:34には復旧したことがわかる。
また、遊技情報欄では、台番号3,6,7,9のパチンコ機1及び台番号11,12,15,18,20のパチンコ機1の遊技情報は全て「0」である。また、台番号1島番号1の稼働球数は19280球、貸出球数は7750球、賞品球数は24800球、入賞回数は0回、大当たり回数は3回、確率変動回数は1回であり、確率変動状態であることを示すために領域が右下がり斜線で塗られている。台番号2島番号1のパチンコ機1の稼働球数は36球、貸出球数は123球、貸出球数は5球、入賞回数は843回、大当たり回数は0回、確率変動回数は0回である。台番号4島番号1のパチンコ機1の稼働球数は8123球、貸出球数は750球、賞品球数は8120球、入賞回数は25回、大当たり回数は1回、確率変動回数は1回である。台番号5島番号1のパチンコ機1の稼働球数は1427球、貸出球数は1500球、賞品球数は90球、入賞回数は126回、大当たり回数は0回、確率変動回数は0回である。台番号8島番号1のパチンコ機1の稼働球数は9232球、貸出球数は4250球、賞品球数は10750球、入賞回数は463回、大当たり回数は1回、確率変動回数は0回である。台番号10島番号1のパチンコ機1の稼働球数は38球、貸出球数は125球、賞品球数は10球、入賞回数は0回、大当たり回数は0回、確率変動回数は0回である。台番号13島番号2のパチンコ機1の稼働球数は198球、貸出球数は250球、賞品球数は15球、入賞回数は16回、大当たり回数は0回、確率変動回数は0回である。台番号14島番号2のパチンコ機1の稼働球数は130球、賞品球数は125球、賞品球数は20球、入賞回数は2回、大当たり回数は0回、確率変動回数は0回である。台番号16島番号2のパチンコ機1の稼働球数は8680球、貸出球数は8000球、賞品球数は8480球、入賞回数は123回、大当たり回数は1回、確率変動回数は0回であり、大当たり状態であることを示すために当り欄の領域が左上がり斜線で塗られている。台番号17島番号2のパチンコ機1の稼働球数は9960球、貸出球数は2500球、賞品球数は8125球、入賞回数は43回、大当たり回数は1回、確率変動回数は0回である。台番号19島番号2のパチンコ機1の稼働球数は1119球、貸出球数は1250球、賞品球数は65球、入賞回数は37回、大当たり回数は0回、確率変動回数は0回である。また、スクロールバーを用いることにより、画面に表示されていないパチンコ機1についての情報を表示することができる。
また、図17に示す警告画面は、異常が発生した時に自動的にCRT312にポップアップ表示される。図17に示す例では、台番号13のパチンコ機1の大入賞口16に備えられたICタグ26がアンテナ36と通信できなくなったことを示す文言「大入賞口が不正に開けられた形跡があります。調べて下さい!!!」が「**警告**」の文字と台番号と共に表示され、さらに発生時刻「13:27」が表示されている。また、画面中央下側の確認ボタンを押下すると、この画面は消える。
ここで、フローチャートを用いてホールコンピュータ300、島コンピュータ100、R/Wユニット56の処理について説明する。図19は、ホールコンピュータ300が各パチンコ機1から遊技機情報を収集する遊技機情報収集処理のフローチャートである。図20は、R/Wユニット56で行われる遊技情報の送信処理のフローチャートである。図21は、R/Wユニット56で行われるICタグ監視メイン処理のフローチャートである。図22は、R/Wユニット56で行われるICタグ監視処理のフローチャートである。図23は、R/Wユニット56が各センサや主制御基板41から遊技情報を収集する遊技情報収集処理のフローチャートである。図24は、島コンピュータ100がパチンコ機1から監視情報を受信し、報知する島コンピュータ処理のフローチャートである。
まず、図19を参照して、ホールコンピュータ300の遊技機情報収集処理を説明する。ここでは、ホールコンピュータ300が営業時間になると、全パチンコ機1のR/Wユニット56に営業開始指示を行う。R/Wユニット56は営業開始指示を受けると、前回の営業終了時から営業開始指示受信時までの監視情報をホールコンピュータ300へ送信するので、ホールコンピュータ300はその監視情報を受信して、CRT312へ遊技機情報画面を表示し、営業終了時間になるまで、収集処理を行う。まず、営業開始時刻になるまで営業開始時刻であるか否かを確認し(S1:NO、S1)、営業開始時刻になったら(S1:YES)、パチンコ機カウンタnの値を「0」に初期化する(S2)。次いで、パチンコ機カウンタnの値に「1」を足し(S3)、nの値が全パチンコ機数よりも大きいか否かを確認する(S4)。nの値が全パチンコ機数よりも小さい場合には(S4:NO)、まだ全てのパチンコ機1に対して営業開始指示の処理が行われていないので、n番目のパチンコ機1へ営業開始指示電文を送信する(S5)。すると、パチンコ機1から、前回営業終了時から営業開始指示電文受信時までの監視情報が送信されるので、監視情報を受信する(S6)。そして、受信した監視情報を監視情報記憶エリア322に記憶し(S7)、S3へ戻る。ここで、受信した監視情報が「データなし」であった場合には、何も記憶しない。
次いで、パチンコ機カウンタnに「1」を足し(S3)、nの値が全パチンコ機数よりも大きいか否かを確認し(S4)、nの値が全パチンコ機数よりも大きくなり、全てのパチンコ機1の監視情報を受信したら(S4:YES)、遊技機情報画面をCRT312へ表示する(S8)(図16参照)。この時、遊技機情報画面の監視情報欄は、S7で記憶した監視情報に基づいて作成され、遊技情報欄には全て「0」が表示される。次いで、営業終了時刻であるか否かを確認する(S9)、営業終了時刻でなければ(S9:NO)、遊技情報を受信したかを確認する(S10)。遊技情報受信であれば、遊技情報記憶エリア321に遊技情報を記憶し(S10:YES、S11)、遊技機情報画面を更新して(S12)、S9へ戻る。また遊技情報受信でなければ(S10:NO)、監視情報を受信したかを確認する(S13)。監視情報受信であれば、監視情報記憶エリア322に監視情報を記憶し(S13:YES、S14)、そして、警告画面を表示して、遊技機情報画面を更新して(S15)、S9へ戻る。遊技情報受信でも監視情報受信でもなかった場合には(S10:NO、S13:NO)、そのままS9へ戻る。そして、営業終了時刻になったら(S9:YES)、全パチンコ機1へ営業終了指示電文を送信して(S16)、処理を終了する。
次に、図20を参照して、R/Wユニット56の営業開始処理とホールコンピュータ300への遊技情報の送信処理を説明する。遊技情報のホールコンピュータ300への送信は、1分毎に行われる。まず、営業開始指示電文を受信するまでホールコンピュータ300からの営業開始指示電文の受信であるか否かを確認し(S41:NO、S41)、営業開始指示電文を受信したら(S41:YES)、EEPROM32の監視情報記憶エリア32bに記憶されている監視情報の内、前回営業終了から営業開始指示電文受信時までの監視情報をホールコンピュータ300及び島コンピュータ100へ送信する(S42)。ここで、該当データが存在しなかった場合には、「データなし」電文を送信する。次いで、営業が開始されたので、営業フラグに「ON」をセットし(S43)、R/Wユニット56が各センサや主制御基板41から遊技情報を収集する遊技情報収集処理プログラムを起動させる(S44)(図23参照)。次いで、遊技情報をホールコンピュータ300へ送信する初回送信時間をセットする(S45)。これは、現在時刻の1分後とすればよい。ここまでが、R/Wユニット56の営業開始処理である。
次いで、ホールコンピュータ300から営業終了指示電文が送信されてきたか否かを確認する(S46)。送信されていなければ(S46:NO)、遊技情報のホールコンピュータ300への送信時間であるか否かを確認し(S47)、送信時間であれば遊技情報をホールコンピュータ300へ送信し(S47:YES、S48)、次回送信時間を1分後にセットし(S49)、S46へ戻る。、送信時間でなければ、送信時間になるまで繰り返し送信時間の確認を行う(S47:NO、S47)。S46にて営業終了指示電文を受信したら(S46:YES)、遊技情報収集処理プログラムを終了させ(S50)、遊技情報をホールコンピュータ300へ送信し(S51)、営業フラグに「OFF」をセットし(S52)、島コンピュータ100へ本日の営業終了指示電文を送信して(S53)、処理を終了する。
次に、図21及び23を参照してR/Wユニット56がICタグ25及び26を監視する監視処理を説明する。本実施の形態では監視されるICタグは、基板ボックス80に備えられたもの(ICタグ25)と大入賞口16に備えられたもの(ICタグ26)との2つがあり、R/Wユニット56がアンテナ35及び36を介して夫々のICタグにポーリングをかけ、所定時間内に正しい識別データが返信されてくることをにより、基板ボックス80及び大入賞口16が正常な状態であることを確認する。ただし、パチンコ機1が大当たり状態である場合には、大入賞口16の開閉扉16aは開いていても異常ではないので、ICタグ26はアンテナ36からのポーリングに返信することができなくとも、これが正常な状態である。そこで、まず図21に示すメイン監視処理において、パチンコ機1が大当たり状態であるか否かを確認し(S55)、大当たり状態でないときのみ(S55:NO)、大入賞口16に備えられたICタグ26の監視処理を行う(S56、図22参照)。次いで、基板ボックス80に備えられたICタグ25の監視処理を行う(S57、図22参照)。ここで、大入賞口16に備えられたICタグ26を位置「1」のICタグとし、基板ボックス80に備えられたICタグ25を位置「2」のICタグとして、ICタグ監視処理に位置情報を引き渡す。この位置情報は、図12及び13で説明した監視情報記憶エリアの異常情報欄の位置欄にセットされる値である。
次に、ICタグ25及び26に対して行われる監視処理を図22のフローチャートを用いて説明する。まず、R/Wユニット56はICタグに対してアンテナを介してポーリングを行う(S61)。ここで、位置が「1」である場合にはアンテナ36を介してICタグ26を、位置が「2」である場合にはアンテナ35を介してICタグ25をポーリングする。次いで、時間内に応答があるか否かを確認する(S62)。ここで、応答がない場合には(S62:NO)、ICタグがアンテナと通信不可能な位置にあることを意味する。即ち、基板ボックス80及び大入賞口16が不正に開けられている可能性がある。まず消失フラグが「ON」であるか否かを確認する(S66)。消失フラグが「ON」であれば(S66:YES)、すでに前回の監視処理で消失を検知し、記憶しているのでなにもせずに処理を終了する。消失フラグが「ON」でなければ(S66:NO)、今回の監視処理で初めて消失を検知したので、消失フラグを「ON」にセットし(S67)、R/Wユニット56の監視情報記憶エリア32bへ監視情報を追加する(S68)。日付欄には本日の日付をセットし、時刻欄には現在時刻をセットし、異常情報欄の位置欄には、本監視処理を行う際にメイン監視処理から渡された位置情報「1」又は「2」をセットし、種別欄にはICタグと通信できないことを示す「1」をセットし、状態欄には異常が発生したことを示す「1」をセットする。また、営業フラグ(図20参照)に「ON」がセットされている場合には、営業欄に「0」をセットする。復帰データ対応番号欄には、異常が復帰した際に復帰データのデータ番号をセットするので、異常発生時には何もセットしない。そして、S78へ進み、営業フラグが「ON」であれば(S78:YES)、島コンピュータ100及びホールコンピュータ300へ異常情報を送信して(S79)、処理を終了する。
次に、アンテナからのポーリングに対して時間内に応答があった場合に(S62:YES)、識別データが正しいものであるか否かを確認して(S63)、正しいものでなかった場合について説明する(S63:NO)。これは、ICタグがアンテナと通信可能な位置にあるが、通信しているICタグが正規のものでないことを意味している。まず、IDフラグが「ON」であるか否かを確認する(S69)。IDフラグが「ON」であれば(S69:YES)、すでに前回の監視処理で識別データ異常を検知し、記憶しているので、なにもせずに処理を終了する。IDフラグが「ON」でなければ(S69:NO)、今回の監視処理で初めて識別データ異常を検知したので、IDフラグを「ON」にセットし(S70)、R/Wユニット56の監視情報記憶エリア32bへ監視情報を追加する(S71)。日付欄には本日の日付をセットし、時刻欄には現在時刻をセットし、異常情報欄の位置欄には、本監視処理を行う際にメイン監視処理から渡された位置情報「1」又は「2」をセットし、種別欄には識別データが誤っていることを示す「2」をセットし、状態欄には異常が発生したことを示す「1」をセットする。また、営業フラグに「ON」がセットされている場合には、営業欄に「0」をセットする。復帰データ対応番号欄には、異常が復帰した際に復帰データのデータ番号をセットするので、異常発生時には何もセットしない。そして、S78へ進み、営業フラグが「ON」であれば(S78:YES)、島コンピュータ100及びホールコンピュータ300へ異常情報を送信して(S79)、処理を終了する。
次に、アンテナからのポーリングに対して時間内に応答があり、さらに識別データも正しいものであった場合について説明する(S62:YES、S63:YES)。これは、ポーリングをかけたICタグが正常な状態であったことを意味している。そこで、前回の監視処理において異常が発生していたかをIDフラグ及び消失フラグにより確認し、異常が発生していた場合には、復帰したことを管理情報に記憶する。まず、IDフラグが「ON」であった場合には(S64:YES)、IDフラグを「OFF」にセットし(S72)、R/Wユニット56の監視情報記憶エリア32bへ監視情報を追加する(S73)。日付欄には本日の日付をセットし、時刻欄には現在時刻をセットし、異常情報欄の位置欄には、本監視処理を行う際にメイン監視処理から渡された位置情報「1」又は「2」をセットし、種別欄には識別データが誤っていることを示す「2」をセットし、状態欄には異常が復帰したことを示す「2」をセットする。また、営業フラグに「ON」がセットされている場合には、営業欄に「0」をセットする。そして、監視情報のデータをデータ番号の大きい順に参照し、識別データ異常の発生データを取得し、発生データの復帰データ対応番号欄に復帰データのデータ番号をセットして、復帰データの復帰データ対応番号欄には発生データのデータ番号をセットする(S74)。そして、営業フラグが「ON」であれば(S80:YES)、島コンピュータ100及びホールコンピュータ300へ異常情報を送信する(S81)。
次いで、消失フラグが「ON」であるかを確認する(S65)。消失フラグが「ON」であった場合には(S65:YES)、消失フラグを「OFF」にセットし(S75)、R/Wユニット56の監視情報記憶エリア32bへ監視情報を追加する(S76)。日付欄には本日の日付をセットし、時刻欄には現在時刻をセットし、異常情報欄の位置欄には、本監視処理を行う際にメイン監視処理から渡された位置情報「1」又は「2」をセットし、種別欄には識別データが誤っていることを示す「2」をセットし、状態欄には異常が復帰したことを示す「2」をセットする。また、営業フラグに「ON」がセットされている場合には、営業欄に「0」をセットする。そして、監視情報のデータをデータ番号の大きい順に参照し、識別データ異常の発生データを取得し、発生データの復帰データ対応番号欄に復帰データのデータ番号をセットして、復帰データの復帰データ対応番号欄には発生データのデータ番号をセットする(S77)。そして、営業フラグが「ON」であれば(S78:YES)、島コンピュータ100及びホールコンピュータ300へ異常情報を送信して(S79)、処理を終了する。
次いで、図23を参照して、R/Wユニット56が各センサや主制御基板41から遊技情報を収集する遊技情報収集処理をフローチャートを用いて説明する。R/Wユニット56は、R/Wユニット56の遊技情報送信処理より、遊技情報収集処理プログラムの起動指示を受け(図20、S44参照)、遊技情報のカウントを開始する。図23に示すように、まず、遊技情報送信処理から終了の指示が与えられてないかを確認し(S21)、与えられていない場合には(S21:NO)排出球センサ22からの信号受信であるか否かを判断し、そうであれば排出球数に「1」を足し(S23:YES、S24)、S21へ戻る。排出球センサ22からの信号受信でない場合には(S23:NO)、次いで賞品球センサ22からの信号受信であるか否かを判断し(S25)、そうであれば賞品球数に「1」を足し(S25:YES、S26)、S21へ戻る。賞品球センサ20からの信号受信でない場合には(S25:NO)、次いで貸出球センサ21からの信号受信であるか否かを判断し(S27)、そうであれば貸出球数に「1」を足し(S27:YES、S28)、S21へ戻る。貸出球センサ21からの信号受信でない場合には(S27:NO)、次いで図柄始動口センサ23からの信号受信であるか否かを判断し(S29)、そうであれば図柄始動回数に「1」を足し(S29:YES、S30)、S21へ戻る。図柄始動口センサ23からの信号受信でない場合には(S29:NO)、次いで大当たり状態開始であるか否かを判断し(S31)、そうであれば大当たり回数に「1」を足し(S31:YES、S32)、大当たりフラグをONにして(S33)、S21へ戻る。大当たり状態開始でない場合には(S31:NO)、大当たり状態終了であるか否かを判断し(S34)、そうであれば大当たりフラグをOFFにして(S35)、S21へ戻る。大当たり状態終了でない場合には(S35:NO)、次いで確率変動状態開始であるか否かを判断し(S36)、そうであれば確率変動状態回数に「1」を足し(S36:YES、S37)、確率変動フラグをONにして(S38)、S21へ戻る。確率変動状態開始でもない場合には(S36:NO)、確率変動状態終了であるか否かを判断し(S39)、そうであれば、確率変動フラグをOFFにして(S39:YES、S40)、S21へ戻る。確率変動状態終了でもない場合には(S39:NO)、そのままS21へ戻る。ここで遊技情報の送信処理から終了の指示が与えられていない場合には(S21:NO)引き続き、遊技情報の収集処理を続ける。遊技情報の送信処理からの終了の指示が与えられた場合には(S21:YES)、本処理を終了する。
次いで、図24を参照して島コンピュータ100の処理について説明する。島コンピュータ100は、営業開始時に前回の営業終了時から営業開始時までの監視情報を遊技場のすべてのパチンコ機1から収集し、その後異常発生の都度パチンコ機1から送信されてくる監視情報を受信して、表示器107及び警告ランプ108で報知する。まず、パチンコ機カウンタmに初期値の「0」をセットする(S81)。次いで、パチンコ機カウンタmの値が遊技場の全パチンコ機数よりも大きいか否かにより、全パチンコ機から監視情報を受信したか否かを確認する(S82)。mの値が全パチンコ機数よりも大きくない場合には(S82:NO)、監視情報を受信するまで、監視情報の受信を確認する(S83:NO、S83)。監視情報を受信したら(S83:YES)、監視情報記憶エリア1041へ受信した監視情報を記憶する(S84)。送信されてきた監視情報が「データなし」であれば、なにも記憶しない。次いで、パチンコ機カウンタmに「1」を足し(S85)、S82へ戻る。
全てのパチンコ機1の監視情報を受信し、mの値が全パチンコ機数よりも大きくなったら(S82:YES)、パチンコ機カウンタmの値を「0」に初期化し(S86)、表示器107に監視情報を表示する(S87)。ここで、前回の営業終了時から営業開始時までの間にいずれのパチンコ機1にも異常が発生していなかった場合には、「全パチンコ機異常なし」の表示がされ、いずれかのパチンコ機1に異常が発生していた場合には、報知が行われる(図10参照)。次いで、営業時間中の監視処理に入る。ここでは、パチンコ機1に異常が発生すると直ちに監視情報が送信されてくる。また、営業終了時には、ホールコンピュータ300から営業終了指示電文を受信したパチンコ機1が終了指示電文を送信してくるので(図20、S53参照)、全パチンコ機1から終了指示電文を受信したら、処理を終了する。まず、パチンコ機カウンタmの値が全パチンコ機数よりも大きいか否かで、全パチンコ機からの終了指示電文を受信したかを確認する(S88)。全パチンコ機から終了指示を受けていない場合には(S88:NO)、終了指示電文を受信したかを確認する(S89)。終了指示電文を受信していない場合には(S89:NO)、監視情報受信であるか否かを確認する(S90)。監視情報受信である場合には(S90:YES)、監視情報記憶エリア322へ受信した監視情報を記憶し(S94)、表示器107にエラー表示をし、警告ランプ108を点灯させて異常発生を報知する(S95)。そして、S88へ戻る。また、監視情報受信でない場合には(S90:NO)、クリアボタン110が押下されたか否かを確認する(S91)。押下された場合には(S91:YES)、表示器107のエラー表示を消し、警告ランプ108を消灯させて(S92)、S88へ戻る。
また、終了指示電文受信であった場合には(S89:YES)、パチンコ機カウンタmに「1」を足し(S93)、S88へ戻る。S88にてパチンコ機カウンタmの値が全パチンコ機数よりも大きくなった場合には(S88:YES)、全てのパチンコ機1から終了指示電文を受信したことになるので、本処理を終了する。
次に、パチンコ機1のガラス枠13の内側の開閉軸側上部に備えられた管理用ICタグ24(図2参照)と通信し、R/Wユニット56に記憶されている遊技機情報を取得するHT400について、図25乃至29を用いて説明する。図25は、HT400の斜視図である。図26は、HT400の電気的構成のブロック図である。図27は、HT400の表示パネル403に表示されるメインメニュー画面のイメージ図である。図28は、遊技情報画面のイメージ図である。図29は、監視情報画面のイメージ図である。
まず、図25を参照してHT400の形状を説明する。図25に示すように、HT400は、周知の携帯型情報端末であるPDA(Personal Digital Assistants)であり、上部にSDメモリカード(Secure Digital Memory Card)やMMC(Multi Media Card)等のメモリーカード、あるいは小型フラッシュメモリカードやPCカード型のPHSアダプタ等を挿入するためのカードスロットを備え、カードスロットには、アンテナ402とRF回路410を備えた読取ユニット401が挿入されている。読取ユニット401は、アンテナ402を管理用ICタグ24に適切な角度で向けられるように、回転軸414を中心に90度の範囲で屈折可能な構成となっている。また、HT400の正面にはメニューや受信した稼働球数データ等を表示する表示パネル403、表示パネル403に表示されるカーソルや表示内容を上下左右に移動させるための方向キー405、表示パネル403の画面を操作するためのメニューキー404を備えている。さらに、HT400の側面には赤外線通信用の赤外線通信ポート406(図示せず)が、底面には入出力回路407(図示せず)からクレードル等を介してパーソナルコンピュータ等の外部機器に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられている。
次に、図26を参照してHT400の電気的構成を説明する。図26に示すように、HT400には、HT400の制御を司るCPU411が設けられ、CPU411には、各種のデータを一時的に記憶するRAM413と、CPU411で実行される制御プログラム等を記憶したROM412と、不揮発性メモリの一種であり遊技機情報を記憶するフラッシュメモリ414と、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインターフェース409とが接続されている。読取ユニット401には、管理用ICタグ24と通信するアンテナ402と、送信回路及び受信回路であるRF回路410を備えており、アンテナ402はRF回路410に接続し、RF回路410はI/Oインターフェース409に接続している。また、表示パネル403と、外部装置とデータのやり取りを行う入出力回路407、赤外線通信回路408と、入力キー404及び405と、管理用ICタグ24と通信するための読取ユニット401とがI/Oインターフェース409に接続している。
次に、図27を参照して、HT400の表示パネル403に表示されるメインメニュー画面について説明する。これは、HT400を起動させ、パチンコ機監視メニューを選択した際に表示されるメインメニュー画面であり、「取得」ボタン、「遊技情報」ボタン、「監視情報」ボタン、「設定」ボタン、「終了」ボタンが表示されており、画面に触れる、又は方向キー405により選択してメニューキー404により決定することによりいずれかのボタンを選択することができる。読取ユニット401のアンテナ402をパチンコ機1の管理用ICタグ24に近づけ、「取得」ボタンを選択すると、HT400は管理用ICタグ24にポーリングをかけ、遊技機情報の取得要求をする。パチンコ機1の管理用ICタグ24はR/Wユニット56から遊技機情報を取得し、自身の識別データと共にアンテナ402へ返送する。HT400では、所定時間内に遊技機情報及び識別データが返送されてくるかを確認し、返送されてこない場合には「管理用ICタグを読み取ることができません!!」のエラー文言を表示パネル403に表示する。ただし、通信障害により、管理用ICタグ24がHT400からのポーリングを認識できなかったり、HT400が管理用ICタグ24から返送された情報を認識できなかったりしている場合もあるので、このエラー文言が表示されたときには、再取得を試みる必要がある。さらに、返送されてきた識別データを確認し、その識別データが登録されていない場合には「この管理用ICタグは登録されていません!!」のエラー文言を表示パネル403に表示する。識別データが登録されているものの内の一つと合致した場合には、遊技機情報をフラッシュメモリ414の遊技情報記憶エリア421及び監視情報記憶エリア422に記憶する。
また、「遊技情報」ボタンを選択すると、遊技情報記憶エリア421に記憶されている遊技情報を表示する遊技情報画面(図28参照)に画面が移行する。また、「監視情報」ボタンを選択すると、監視情報記憶エリア422に記憶されている監視情報を表示する監視情報画面(図29参照)に画面が移行する。また、「設定」ボタンを選択すると、本HT400のID番号登録や、利用者ID及びパスワード設定、各管理用ICタグのID変更などの各種設定を行う画面に移行する。「終了」ボタンを選択すると、メインメニュー画面が終了する。
次に、図28を参照して遊技情報画面について説明する。図28に示すように、画面上部には表示する遊技情報の項目を指定するための「稼働」ボタン、「賞品」ボタン、「貸出」ボタン、「図柄」ボタン、「大当」ボタン、「確変」ボタンが設けられている。項目ボタンの下の行には、台番号、データ取得日時が表示されている。その下には、選択された項目ボタンの項目の1週間分のデータが表示される。また、画面下部には「戻る」ボタンが設けられ、このボタンを選択すると図27のメインメニューに戻る。図28に示す例では、「稼働」ボタンが選択されており、1番台の2002年8月8日の18:03現在の稼働情報が表示されている。8月2日は36780球であり、3日は2130球であり、4日は54200球であり、5日は25116球であり、6日は0球であり、7日は14609球であり、8日は43148球である。ここで、2日から7日までの稼働球数は1日の合計稼働球数であり、8日の稼働球数は営業開始から18:03現在までの稼働球数である。
次に、図29を参照して監視情報画面について説明する。図29に示すように、1行目には台番号、2行目にはデータ取得日時が表示されており、3行目から9行目の7行に渡り監視情報が表示されている。監視情報の下部には上ボタンが及び下ボタンが設けられ、監視情報の行送りができるようになっている。また、画面下部には「戻る」ボタンが設けられ、このボタンを選択すると図27のメインメニューに戻る。図29に示す例では、1番台の2002年8月8日の18:03現在の監視情報が表示されており、監視情報の1行目には2002年8月1日の11:38に大入賞口16が不正に開かれた異常が発生したことを示す「入賞口開異常」が表示されており、2行目には2002年8月1日の11:39に大入賞口16が不正に開かれた異常が復帰したことを示す「入賞口開復帰」が表開かれたことを示す「基板開異常」が表示されており、4行目には2002年8月2日の2:25に基板ボックス80のICタグの識別データが正しいものでないことを示す「基板ID異常」が表示されており、5行目には2002年8月2日の9:55に基板ボックス80のICタグの識別データが正しいものになったことを示す「基板ID復帰」が表示されており、6行目には2002年8月2日の9:55に基板ボックス80が開かれた異常が復帰したことを示す「基板開復帰」が表示されており、7行目には2002年8月5日の17:38に大入賞口16が不正に開かれた異常が発生したことを示す「入賞口開異常」が表示されている。
以上説明したように、上記の実施の形態の遊技機監視システムでは、パチンコ機1は、基板ボックス80及び大入賞口16にそれぞれICタグ26及び25を設置し、R/Wユニット56がアンテナ36及び35を介して通信して識別データを取得することにより、基板ボックス80及び大入賞口16を監視し、監視情報を収集している。また、R/Wユニット56はパチンコ機1の主制御基板41及び各センサから遊技情報を収集している。R/Wユニット56に収集された遊技情報及び監視情報は、無線ネットワークを介して遊技場に設置されたホールコンピュータ300に送信される。また、営業時間中にICタグに異常が発生する都度、そのパチンコ機1が設置されている遊技機設置島に設置された島コンピュータ100へ監視情報が送信され、島コンピュータ100は近くの遊技場係員に報知する。さらに、パチンコ機1には管理用ICタグ24が備えられている。携帯型のHT400は、アンテナ402を介して管理用ICタグ24と通信し、R/Wユニット56に記憶されている遊技情報及び監視情報を取得することができる。
したがって、ホールコンピュータ300では、従来の遊技情報の管理だけでなく、不正が行われやすい大入賞口16や基板ボックス80の監視を一括で行うことができる。営業時間中に不正を検知した場合には、監視情報がすぐにホールコンピュータ300に送信されて、CRT312に警告画面が表示されるため、遊技場係員はすぐに不正を知ることができる。また、営業時間外に不正が行われた場合においても、R/Wユニット56にその間の監視情報が記憶されており、営業開始時にホールコンピュータ300へ送信されるため、図16に示すような遊技機情報画面により、遊技場全体の異常の発生を1つの画面で知ることができる。さらに、遊技機情報画面において異常が発生しているとされる領域をクリックすることにより、図18に示すような詳細画面が表示されるので、異常の発生だけでなく、異常の内容も知ることができる。よって、夜間に発生した異常を、全て図17に示すような警告画面で表示するよりもわかりやすく、操作性も高まる。特に、夜間にパチンコ機1の作業を行い監視情報が多数存在するような場合には、警告画面が多数表示されてしまう場合と比べると、より分かりやすく、操作性も高まる。また、警告画面が多数表示される場合には、同時に複数の警告画面が表示されるのではなく、次々と継続して警告画面が表示されてゆくことになる。この場合、警告画面が次々と表示されている間には、マウスやキーボードで何らか画面の入力を行ったり、アイコンやウィンドウを選択したりしようとしても、次々に表示される警告画面が選択されてしまい、ユーザの行いたい操作が行えない。しかしながら、多数の警告画面が次々に表示されることなく、遊技場全体の異常の発生が1つの遊技機情報画面(図16参照)に表示されるので、ユーザの操作を邪魔することがない。
また、遊技機設置島毎に島コンピュータ100が設置されており、遊技機設置島に設置されたパチンコ機1のR/Wユニット56から監視情報を受信しているので、遊技場の営業スペースに配置された係員が、通常業務を行いながら異常の発生を知ることができる。さらに、遊技場の係員は、HT400を用いてパチンコ機1の遊技情報及び監視情報を閲覧することができるため、パチンコ機1の面前でそのパチンコ機1の遊技情報及び監視情報を確認することができる。
なお、上記実施の形態のICタグ25,26が「ICタグ」に該当し、アンテナ35,36が「アンテナ」に該当し、R/Wユニット56が「ICタグ監視装置」に該当し、島コンピュータ100及びホールコンピュータ300が「管理端末装置」に該当する。そして、営業時間中の状態が「監視状態」に該当し、営業時間外の状態が「非監視状態」に該当する。ICタグを呼び出す呼出波を送信するRF回路37が「呼出波送信手段」に相当し、ICタグから返送される反射波を受信するRF回路37が「反射波受信手段」に相当し、呼出波送信手段が呼出波を送信してから所定時間内に受信手段が反射波を受信せず通信不能状態となった場合、又は、反射波に含まれる識別データが予め登録されている登録データと異なっている場合に異常と判定する図21に示すICタグ監視メイン処理を行うCPU31が「判定手段」に相当し、判定手段による判定結果に基づく監視情報及び遊技機の遊技状態に関する遊技情報の内の少なくとも1つを遊技機情報として収集する図22に示すICタグ監視処理及び図23に示す遊技情報収集処理を行うCPU31が「遊技機情報収集手段」に相当する。遊技機情報収集手段が収集した遊技機情報を記憶するR/Wユニット56のEEPROM32の監視情報記憶エリア32b及び遊技情報記憶エリア32aが「遊技機情報記憶手段」に該当する。
そして、ホールコンピュータ300のハードディスク装置320の遊技情報記憶エリア321、監視情報記憶エリア322が「第1記憶手段」に該当し、図17に示す警告画面が「異常発生表示手段」に該当し、図18に示す詳細画面が「監視情報表示手段」に該当し、図16に示す遊技機情報画面が「異常有無表示手段」に該当する。図19に示す遊技機情報収集処理のS6,S13の処理を行うCPU301が「第1受信手段」に相当し、S2〜S6の処理を行うCPU301が「受信開始制御手段」に相当し、S2〜S8の処理を行うCPU301が「異常発生表示制御手段」に相当し、S7の処理を行うCPU301が「監視情報記憶制御手段」に相当し、S1〜S5の処理を行うCPU301が「営業開始指示手段」に相当する。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。以下に、本発明を適用する実施の形態の変形例について、以下に説明する。まず、本実施形態では遊技機としてパチンコ機を例に挙げているが、遊技機はパチンコ機に限られず、パチコン機、パチスロ台等の各種の遊技機に適用可能である。
尚、上記実施の形態では、管理用ICタグ24は、遊技情報および監視情報を記憶しておらず、HT400から情報送信の依頼があった場合には、R/Wユニット56に記憶されている情報を送信しているが、これは、管理用ICタグ24自身に遊技情報及び監視情報を記憶させてもよい。また、パチンコ機1は、島コンピュータ100へ監視情報のみを送信しているが、監視情報だけでなく、遊技情報も送信し、島コンピュータ100へ記憶させて、遊技場係員へ報知してもよい。
尚、上記実施の形態の遊技機管理システムでは、島コンピュータ100及びホールコンピュータ300を管理端末装置として扱い、島コンピュータ100及びホールコンピュータ300はパチンコ機1へ直接接続しており、島コンピュータ100は監視情報を、ホールコンピュータ300は遊技情報及び監視情報をパチンコ機1から受信している。しかし、遊技機情報の管理形態はこれに限らず、島コンピュータ100をパチンコ機1へ直接接続して遊技情報及び監視情報を受信し、ホールコンピュータ300をパチンコ機1へは直接接続せずに、島コンピュータ100へ接続して遊技情報及び監視情報を受信するようにしてもよい。また、パチンコ機1と島コンピュータ100、パチンコ機1とホールコンピュータ300の通信は電波により無線で行われているが、これは電波に限られず赤外線等や有線を用いても良い。
また、上記実施の形態の遊技機管理システムでは、HT400で取得した遊技情報及び監視情報は、遊技場係員がHT400の表示パネル403で閲覧するにとどまっているが、入出力回路407や赤外線通信回路408を用いて島コンピュータ100やホールコンピュータ300に接続し、これらの情報を出力し、島コンピュータ100やホールコンピュータ300で活用するようにしてもよい。また、プリンタに接続して遊技機情報を印刷してもよい。
また、上記実施の形態では、HT400はPDAを用いてるが、これはPDAに限らず、管理用ICタグ24と通信可能なRF回410路及びアンテナ402を備えていればよい。さらには、必ずしも表示パネル403を備えている必要も無く、例えば、表示パネル403を備えておらず、操作ボタンのみを備えたHT400aがあり、HT400aがアンテナ402を介して、管理用ICタグ24へ遊技機情報表示要求をすると、管理用ICタグは、R/Wユニット56へその要求を伝えることにより、R/Wユニット56が遊技機情報をパチンコ機1に送信して、パチンコ機1の特別図柄表示装置8等へ表示するようにしてもよい。さらに、このHT400aは必ずしも携帯型である必要は無く、パチンコ機1の上皿5や下皿6等パチンコ機1の前面で、係員が簡単に操作できる場所に備えられていてもよい。また、その場合には、管理用ICタグ24とアンテナ402は通信可能な位置に配置される。
また、上記実施の形態では、基板ボックス80及び大入賞口16に監視用のICタグを設置したが、ICタグを設置する場所はこれに限らず、ガラス枠13、他の入賞口や普通図柄始動ゲート、パチンコ機1を設置する木枠、各種基板に設置して、その状態を監視してもよい。尚、ガラス枠13や木枠には施錠装置が備えられている。そこで、パチンコ機1に設けられた錠にアンテナを配置し、鍵にICタグを設置して、遊技場係員が鍵を用いてガラス枠13を開閉した情報を記録し、不正にガラス枠13や木枠が開閉されたことと区別できるようにしてもよい。また、その場合には、図30に示すように、ホールコンピュータ300の遊技機情報画面の監視情報欄を縦線で塗りつぶして、係員による作業中であることを示してもよい。
また、上記実施の形態では、遊技情報としては、稼働球数、賞品球数、貸出球数、図柄始動回数、大当たり回数、大当たり情報、及び、確率変動回数を扱ったが、遊技情報はこれだけに限らず、貸出球数と賞品球数の差や比率、確率変動状態であるか否かの情報である確率変動情報など、遊技状態に関する他の情報を扱ってもよい。
また、島コンピュータ100およびホールコンピュータ300は、専用機である必要はなく、図9及び11に示した構成を有する、IC等の簡易的なコンピュータでもよい。
また、上記実施の形態では、ホールコンピュータ300からパチンコ機1へ稼働開始指示を行ったが(図19、S5)、パチンコ機1の稼働開始判断はホールコンピュータ300から受けるのではなく、R/Wユニット56の電源のONにより行い、ホールコンピュータ300からはS5にて監視情報送信要求を行うようにしてもよい。