JP4707803B2 - エラーレート判定方法と半導体集積回路装置 - Google Patents

エラーレート判定方法と半導体集積回路装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エラーレート判定方法と半導体集積回路装置に関し、主にダイナミック型メモリセルで構成されたメモリ回路におけるデータ保持技術に利用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明を成した後の調査によって、後で説明する本発明に関連すると思われるものとして、特開平11−213659号公報(以下、先行技術1という)、特開平7−262794号公報(以下、先行技術2という)のあることが判明した。先行技術1は、DRAMのリフレッシュサイクル間隔をスリープ状態において最適化するために、エラー訂正復合化回路によって検出された誤り行数を用いて、リフレッシュサイクルの頻度をCPUによるソフトウェアにより制御するというものであり、先行技術2はECC回路をDRAMに内蔵させて、エラー検出し、その訂正データをメモリセルに書き込むようにするものである。これらの先行技術1及び2には、後で説明する本願発明のように高い精度でリフレッシュ時のエラーレートをモニタし、メモリセルの持つ情報保持時間を最適化することを示唆するような記載は一切見当たらない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行技術1のようにエラー訂正復合化回路によって検出された誤り行数を用いてリフレッシュサイクルの頻度を制御する場合、誤り行数をどのように判定するかについて十分な検討がなされていない。例えば、リフレッシュの途中で誤り行数が許容数に到達したときに直ちにリフレッシュ周期を短くすると、その後に行なわれるメモリセルのリフレッシュにおいて誤りが行が無かったとき、上記リフレッシュ周期を短くした結果なのかあるいは上記の誤り行数がリフレッシュ開始時に集中しただけなのかが判らない。つまり、上記のようにリフレッシュ周期を短くしなくとも、誤り行が生じない場合もあることが考えられるので、上記のようにリフレッシュの途中でその周期を変更してしまうことは、その後に行なわれるメモリセルの誤り検出結果を無視するものであるので、メモリセルのデータ保持能力を正しく評価したものにはならない。
【0004】
そこで、全てのメモリセルのリフレッシュが終了するのを待って上記誤り行数の許容数の判定を行なうようにすることが考えられるが、全てのメモリセルのリフレッシュが終了するのを待った判定を行なうと、誤り行数が許容数をはかるに超えてしまう場合には対処することができなくなり、本来の誤り訂正の信頼性が保証できなくなってしまう。また、先行技術2には、エラー訂正復合化回路によって検出された誤り行数を用いてリフレッシュサイクルの頻度を制御するという発想は存在しない。
【0005】
上記先行技術1において、本来の目的である消費電力を削減するという観点で検討すると疑問が残る。つまり、上記のようなエラー訂正復合化回路によって検出された誤り行数を用いてリフレッシュサイクルの頻度を制御する。これは、主に中央処理装置でのソフトウェアにより実施される。この構成では、DRAMのデータ保持動作のためだけに、中央処理装置が関与してDRAMリフレッシュ動作のためにアドレス生成及びデータの入出力が行なわれる。したがって、DRAMでは、比較的大きな負荷容量を持つシステムバスにデータを出力させるために大きな消費電力を費やすこととなる上に、中央処理装置によるDRAMへのアドレス入力等にも上記同様に大きな負荷容量を持つアドレスバスを駆動するのに大きな消費電力が費やされるものである。したがって、DRAM自身によるロウ系の内部回路のみが動作するだけの従来のセルフリフレッシュでの消費電力と比べてみたとき、上記のようにDRAMが搭載されたシステム上でエラー訂正復合化回路による誤り行数を用いてリフレッシュサイクルの頻度を減少させることが格別有利であるとは考えにくい。
【0006】
この発明の目的は、信頼性の高いデータのエラーレートの判定方法とダイナミック型メモリセルを用いたメモリ回路での高い信頼性を確保しつつ情報保持動作の低消費電力化を実現した半導体集積回路装置を提供することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうちの代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。複数のデータとそれに対応した検査ビットにより誤りのないことの第1検出信号を積算し、誤りのあることの第2検出信号を上記第1検出信号よりも大きな所望のエラーレートに対応した重みを持って上記第1検出信号の積算を減ずるように積算して上記複数のデータのエラーレートを判定する。そして、エラーレートの判定に基づき、ダイナミック型メモリセルで構成されたメモリ回路のリフレッシュサイクルの頻度を制御する。
【0008】
本願において開示される発明のうち他の代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。ダイナミック型メモリセルを備えて情報保持モードを有するメモリ回路に対して、上記メモリ回路の情報保持モードのときに起動されて、上記メモリ回路に保持された複数のデータを読み出して誤り検出訂正用の検査ビットを生成して追加メモリ回路に記憶させ、一定のリフレッシュ周期で上記複数のデータとそれに対応した検査ビットを読み出して誤り検出と訂正を行なうECC回路と、上記ECC回路での誤りのないことの第1検出信号を第1方向に積算し、誤りのあることの第2検出信号を上記第1検出信号よりも大きな重みを持って、しかも第1積算を減ずる第2方向に積算させ、その積算量が上記第1方向において一定の幅を超えたときに上記リフレッシュ周期を所定の時間だけ長くし、上記積算量が上記第2方向において一定の幅を超えたときに上記リフレッシュ周期を所定時間だけ短くするエラーレート選定回路とを設ける。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1には、本願が適用されるシステムLSIの一実施例の概略ブロック図が示されている。同図の各回路ブロックは、公知の半導体集積回路の製造技術によって、単結晶シリコンのような1個の半導体基板上において形成される。この実施例では、内蔵されるメモリ回路として、通常DRAM(ダイナミック型ランダム・アクセス・メモリ)1及びDRAM2と、それに追加された追加DRAM1及び追加DRAM2と、ECC回路ECC1及びECC2が代表として例示的に示されている。本実施例では、DRAMと、追加DRAM、ECC(Error Checking and Correction;誤り検出訂正)がそれぞれ2個づつ搭載されているが、どちらか一方でも構わないし、例えばECCを共用してもよい。
【0010】
ECCは本システムLSIがスリープ状態に遷移したことをマイクロプロセッサCPU側から知らされた時に、通常DRAM1及びDRAM2に蓄えられた情報に対するECC1とECC2での検査符号をそれぞれ対応する追加DRAM1と追加DRAM2に書き込みスリープ状態に移行する。このスリープ状態は、メモリ回路に対して実質的な読み出しや書き込み動作を行なわない情報保持モードであり、この部分の動作については後で詳しく説明する。
【0011】
ダイナミック型メモリセルは、読み出しや書き込み動作のときでも、一定の周期で記憶電荷を読み出し、もとの電荷の状態に書き戻すというリフレッシュ動作が行なわれる。このような読み出しや書き込み動作の間に行なわれるリフレッシュ動作は、上記情報保持モードとは異なるものである。上記スリープ状態でのダイナミック型メモリセルでのリフレッシュ動作おいて、上記ECC1とECC2による検査符号を用いた誤り検出と訂正に加え、本発明に係るエラーレート判定方法に従い、リフレッシュサイクルがメモリセルのデータ保持時間に対応して最適化されるよう設定される。
【0012】
本システムLSIにおいては、それに要求れる機能に応じて複数の回路ブロック、すなわち、前記メモリ回路(DRAM1,DRAM2等)の他に入出力回路(以下、I/Oという)や他の回路が設けられる。他の回路の例としては、リードオンリメモリ(以下、ROMという)、D/A変換器(以下、DACという)、A/D変換器(以下、ADCという)、割り込み制御回路(以下、INCという)、クロック発生回路(以下、CKGという)、スタティックメモリ(以下、SRAMという)、DMAコントローラ(以下、DMACという)等がある。
【0013】
図示のシステムLSIは、いわゆるASIC(アプリケーション・スペシファイド・インテグレーテッド・サーキッツ)すなわち特定用途ICを構成するようにされる。すなわち、図示のほとんどの回路ブロックは、ASIC構成を容易ならしめるように、それぞれ独立的な回路機能単位としてのいわゆるモジュールないしはマクロセルをなすようにされる。各機能単位は、それぞれその規模、構成が変更可能にされる。ASICとしては、図示の回路ブロックの内、実現すべき電子システムが必要としない回路ブロックは、半導体基板上に搭載しないようにすることができる。逆に、図示されていない機能単位の回路ブロックを追加することもできる。
【0014】
マイクロプロセッサ(以下、CPUという)は、その詳細を図示しないけれども、その内部に命令レジスタ、命令レジスタに書込まれた命令をデコードし、各種のマイクロ命令ないしは制御信号を形成するマイクロ命令ROM、演算回路、汎用レジスタ、内部バスに結合するバスドライバ、バスレシーバなどの入出力回路を持つ。上記CPUは、ROMなどに格納されている命令を読み出し、その命令に対応する動作を行う。
【0015】
CPUは、I/Oを介して入力される外部データの取り込み、ROMからの命令や命令実行のために必要となる固定データのようなデータの読み出し、DACへのD/A変換すべきデータの供給、ADCによってA/D変換されたデータの読み出し、SRAM、DRAM1,DRAM2へのデータの読み出しと書き込み、DMACの動作制御等を行う。内部バスは、CPUによる図示の回路ブロックの動作制御のために利用される制御線を含み、またDMACなどの回路ブロックからの状態指示信号をCPUに伝えるために使用される。CPUは、またINCにおける指示レジスタなどにセットされた動作制御信号を内部バスを介して参照し、必要な処理を行う。CPUは、CKGから発生されるシステムクロック信号を受けそのシステムクロック信号によって決められる動作タイミング、周期をもって動作される。
【0016】
CPUは、その内部の主要部が、CMOS回路、すなわちPチャンネル型MOSFETとNチャンネル型MOSFETとからなる回路から構成される。特に制限されないが、CPUを構成するCMOS回路は、図示しないCMOSスタテック論理回路、CMOSスタティックフリップフロップのようなスタティック動作可能なCMOSスタティック回路と、信号出力ノードへの電荷のプリチャージと信号出力ノードへの信号出力とをシステムクロック信号に同期して行うようなCMOSダイナミック回路とを含む。
【0017】
CPUは、CKGからのシステムクロック信号の供給が停止されたなら、それに応じて動作停止状態にされる。停止状態において、ダイナミック回路の出力信号は、回路に生じる不所望なリーク電流によって不所望に変化されてしまう。スタテックフリップフロップ回路構成のレジスタ回路のような回路は、システムクロック信号の非供給期間であっても以前のデータを保持する。
【0018】
システムクロック信号の非供給期間においては、CPUの内部のスタテック回路における各種ノードでの信号レベル遷移が停止され、またダイナミック回路での出力ノードでのディスチャージないしプリチャージが停止される。この状態では、動作状態のCMOS回路が消費する動作電流のような比較的大きい消費電流、すなわち各種ノード及びそれぞれにつながる配線が持つ浮遊容量、寄生容量へ信号変位を与えるように電源線から与えられるチャージ、ディスチャージ電流は、実質的にゼロとなる。このことから中央処理部CPUは、CMOS回路のリーク電流に等しいような小さい電流しか流れず、低消費電力状態となる。このようなCPUの動作停止期間に対応して、DRAM1,DRAM2は情報保持モード(スリープモード)にされる。
【0019】
CKGは、外部端子を介して外部クロック信号を受け、その外部クロック信号に対応した周期のシステムクロック信号を形成する。CKGによるシステムクロック信号の発生は、INCからの動作制御信号に応答するモード信号やイニシャル動作指示信号制御信号及びCPUからの制御信号によって制御される。動作制御信号によってスタンバイ動作が指示されたなら、CPUによって、DRAM1、DRAM2にはスリープモードが指示される。DRAM1,DRAM2では、前記ECC1,ECC2を用いたスリープモードへの移行動作と後述するようなECC1とECC2を用いたセルフリフレッシュ動作が実施される。このようなスタンバイ動作への移行処理動作が行われ、次いで、CPUからCKGに対してシステムクロック発生動作停止のための制御信号が発生される。割り込み等の動作制御信号によって動作が指示された場合は上記スタンバイ動作と同様に、CPUによって動作へ移行するための必要な処理動作が行われる。
【0020】
I/Oは、外部端子の内の所望の外部端子を介して外部から供給される信号を受け、また外部端子の内の所望の端子に出力すべき信号を内部バスBUSを介して受ける。I/Oは、その内部にそれぞれCMOSスタテック回路からなるような制御レジスタを持つ。制御レジスタは、CPUによって選択され、かつCPUによって、当該I/Oのための制御データ、例えば、データ入力/出力指示や高出力インピーダンス状態指示などの制御データが与えられる。データレジスタは、外部端子と、内部バスとの間のデータの転送のために利用される。外部端子のビット幅すなわち端子数と、内部バスのビット幅が異なるような場合、データレジスタは、大きいビット幅に対応されるようなビット数を持つようにされ、CPUによる動作制御に従ってビット数変換を行う。
【0021】
例えば、外部端子の個数が64のような数であるのに対し、内部バスのビット幅が256ビットのような比較的大きい数であるような場合、64ビット単位をもって外部端子に次々に供給される直列データは、CPUによる直列−並列データ変換制御によってデータレジスタに順次に供給され、256ビットのデータに変換される。逆に、内部バスからデータレジスタにセットされた256ビットのデータは、CPUによる並列−直列データ変換制御によって、64ビット毎に分けられて外部端子に順次に供給される。I/Oの信号入力のための回路及び信号出力のための回路は、その入力及び出力動作がシステムクロック信号によって制御されるようにされる。それ故に、I/Oは、システムクロック信号が供給されなくなった時には、上記CPUと同様に低消費電力状態にされることになる。
【0022】
DRAM1,DRAM2及び追加DRAM1と追加DRAM2は、そのメモリセルすなわちダイナミック型メモリセルが、典型的には電荷の形態をもって情報を蓄積する情報蓄積用キャパシタと、選択用MOSFETとからなるような少ない数の素子からなり、比較的小さいメモリセルサイズにされ得る。それ故に、ダイナミック型メモリは、大記憶容量であってもその全体のサイズを比較的小さくすることができる。
【0023】
図2には、本願が適用されるシステムLSIの他の一実施例の概略ブロック図が示されている。この実施例では、前記図1の実施例におけるECC検査ビット用メモリ領域がSRAMに変更される。他の構成は、前記図1の実施例と同様である。このように検査ビット用メモリ領域としてSRAMを用いた場合には、検査ビット用メモリ領域に対するリフレッシュ動作が不要となり、制御が簡単となる。特に、DRAM部とECC部との2チップに分けて、同じパッケージに搭載した場合、DRAM部は汎用DRAMとし、ECC部に上記ECC検査ビット用メモリ領域としてSRAMが用いられるので、ECC部のでの制御動作が簡単となる。
【0024】
図3には、前記図1のメモリ回路(DRAM)の一実施例の詳細ブロック図が示されている。この実施例のメモリ回路は、基本的に3つの構成要素からなっている。一つ目はコアとなるDRAM部であり、DRAM、追加DRAM、Xデコ一ダ、Yデコーダと、データの入出力動作を行なうリード/ライト制御部から構成される。二つ目は、リフレッシュ制御部であり、リフレッシュアドレス発生回路、1/N分周器そして、温度依存タイマから構成される。三つ目はECC制御部であり、ECC起動タイマ、ECCアドレス発生回路、ECC制御回路、ECC符号復号器、ECC符号復号器による符号訂正率を監視するエラーレートモニタ、エラーレート比較器から構成される。上記の他に、メモリ回路としてのアドレス制御回路とI/O制御回路が設けられる。
【0025】
上記DRAM部のDRAM領域には通常の情報ビットが格納され、追加DRAM領域にはECC検査ビットが格納される。リフレッシュは、ワード線単位でDRAM領域と追加DRAM領域が同時に行われる。つまり、DRAM領域と追加DRAMは、ワード線WLが共通とされる。リード/ライト制御部は、読み出し信号を増幅するメインアンプと書き込み信号を形成するライトアンプやその制御回路の他に、ECC部とのインターフェイスを構成するパラ(パラレル)/シリ(シリアル)変換回路が設けられる。
【0026】
このパラ/シリ変換回路は、通常のリード/ライト時のデータ長、例えば64ビット単位でパラレルに読み出された情報ビットを8ビットに分割してシリアルにECC部のECC符号復号器に転送し、ECC部のECC符号復号器で生成された検査ビットを含むシリアルデータは、パラレル変換されて上記64ビットの単位で訂正された情報ビットを書き込む。追加DRAMに対する検査ビットも同様に読み出しあるいは書き込まれる。このようなDRAM部の構成は後に詳しく説明する。
【0027】
リフレッシュ制御部は、スリープ状態では温度依存タイマの出力周期を分周器でN倍した周期でDRAM部をリフレッシュする。リフレッシュアドレスはリフレッシュアドレス発生回路で作られる。また、この時の分周比Nの値はこの発明に係るエラーレート判定方法に従ったECC制御部の指示で変化され、最適なリフレッシュ周期が得られるようになっている,詳しい制御についてはECC制御部で説明する。
【0028】
ECC制御部は、主に3つの機能を備えている。第1の機能は、スリープモ―ドに遷移した直後、DRAM領域内の情報ビットに対するECC検査符号を追加DRAM領域に書き込む動作を行なう。第2の機能は、スリープモードから通常モードに復帰する時、DRAM領域内の情報ビットとそれに対応する追加DRAM嶺域内のECC検査情報を用いてチェックと訂正を全ての領域で行なう。第3の機能はスリープ状態において、ECC回路用発振器の発振パルスを用いて形成されたECC起動タイマから出される定期的な起動信号により、DRAM領域内の一部の情報ビットをそれに対応する追加DRAM領域内のECC検査情報を用いてエラーチェックと訂正とを行なう。起動信号が発せられる毎にエラーチェック訂正領域は移動する。
【0029】
上記起動信号が発生する周期と、一回の起動でエラーチェック訂正されるDRAM領域の大きさについては後で詳しく説明するが、ここでは例えば1秒間に全情報ビットの何分の1かがエラーチェック訂正されると理解してよい。エラーレートモニタは、全情報ビット中のエラー訂正ビットの割合をモニタするものである。例えば、全情報ビット領域の1/1000の領域をチェックした時に、実際に1ビットの訂正ビットがあったとすると、エラービットは0.1%存在することになる。なぜなら、データ保持時間の実力のアレー内配置分布はランダムであることが知られているからである。
【0030】
すなわち、DRAM領域内のどこを検査しても全体を代表していると考えてよい。もしもECCのエラー訂正能力が0.1%より高い場合は、リフレッシュ制御部の分周器の分周比Nを増やし、リフレッシュ周期を長くする。ECCのエラー訂正能力を基準エラーレートとすると、このようにECCエラーレートをモニタしながら徐々に分周比Nを増やし、基準エラーレートまでリフレッシュ周期を増やす。
【0031】
また逆に、上記ECCエラーレートが基準エラーレートより高い場合は、分周比Nを減らし、リフレッシュ周期を短くする。このようにECCエラーレートをモニタしながらリフレッシュ周期を微調整することでメモリセルのデータ保持時間の実力にあつた最適なリフレッシュ周期を得るようにする。このことから予想されるように、環境温度が変化し、データ保持時間の実力が変化した場合も、自動的に最適なリフレッシュ周期に調整される。さらに、温度依存タイマの温度依存特性は温度追従型リフレッシュ機能を搭載した従来製品より厳密でなくてもよい。
【0032】
図4には、前記図1の実施例に対応したDRAM部の一実施例の構成図が示されている。DRAM部の全ビット数は64M(メガ)ビットとされる。ワード線本数は4096本、データ線本数は16384本とされる。メモリアレイは16のメモリマットMAT0〜MAT15に分割される。各メモリマットMAT0〜MAT15の各々においては、4ビットのデータを同時にアクセスし、前記16マットにより合計64ビットのデータを同時(パラレル)にアクセスできるようにされる。
【0033】
この実施例のECC部は、特に制限されないが、BCH二重誤り訂正符号方式が採用され、2048ビットの情報ビットに対して24ビットの検査ビットが付加される。それ故、組織符号長は、2072ビットとなり、冗長度は、1.17%(=24/2072)となり、追加DRAMが全体に占める割合は、1.17%にすぎない。上記ECC検査ビットを記憶する追加DRAMは、16マットの内の6マットMAT0〜MAT5に分散して割り当てられている。各マットMAT0〜MAT5の内のECC検査ビット用データ線本数は32本づつ設けられ、全体で32×6=192本が設けられる。同図には、この検査ビット用のメインアンプ(ライトアンプも含む)MAは省略されている。この結果、1本のワード線には8組織符号が含まれている。ECC符号復号器とのデータのやり取りは8ビット単位であり、符号長は258(=2072/8)回に分割してシリアルに行なわれる。
【0034】
図5には、前記図2の実施例に対応したDRAMマクロ部及びSRAMマクロ部の一実施例の構成図が示されている。前記同様にDRAMマクロ部の全ビット数は64M(メガ)ビットとされる。ワード線本数は4096本、データ線本数は16384本とされる。メモリアレイは16のメモリマットMAT0〜MAT15に分割される。各メモリマットMAT0〜MAT15の各々においては、4ビットのデータを同時にアクセスし、前記16マットにより合計64ビットのデータを同時(パラレル)にアクセスできるようにされる。
【0035】
検査ビットを記憶するSRAMマクロ部は、データ線本数が192本とされ、ワード線の本数が4096本とされる。データ線デコーダにより192本のうちのデータ線が8本ずつが選択されてメインアンプ及びライトアンプを介して8ビット単位でのメモリアクセスが行なわれる。また、ワード線の選択信号を形成するデコーダが設けられる。上記ワード線デコーダ及びデータ線デコーダにアドレスが入力される。
【0036】
上記DRAMマクロ部とSRAMマクロ部に対して、ECC符号復号回路が設けられる。それぞれとのデータは、8ビット単位でシリアルに行なわれる。つまり、前記同様にECC符号復号回路は、前記情報保持モードに入るときに、DRAMマクロ部から2048ビットの記憶情報を読み出し、それに24ビットの検査ビットを付加して1つの組織符号を生成し、そのうちの検査ビットを上記SRAMマクロ部に書き込み、情報保持のための一定の周期でのリフレッシュにおいて、上記組織符号の単位で誤りの検出と訂正を行なう。
【0037】
図6には、この発明をダイナミック型RAMに適用した場合の一実施例のブロック図が示されている。つまり、前記図1のメモリ回路(DRAM)のようにシステムLSIに搭載されたものではなく、単体DRAMチップに本発明を適用した場合の一実施例の詳細ブロック図が示されている。この実施例のDRAMは、基本的には前記図3のメモリ回路(DRAM)と同様であり、一つ目のコアとなるDRAM部には、前記システムLSIのようなアドレスバス(ADDRESS BUS)、データバス(DATA BUS)及び制御バス(CNTL BUS)に代えて、アドレスバッファ、タイミング発生回路及び入出力バッファ回路が設けられる。
【0038】
上記アドレスバッファには、外部端子が設けられてアドレス信号が入力される。タイミング発生回路にも外部端子が設けられて、クロック信号CLK、ロウアドレスストローブ信号RAS/、カラムアドレスストローブ信号CAS/及びライトイネーブル信号WE/等が入力される。また、入出力バッファにも外部端子が設けられて、読み出し信号の出力と書き込み信号の入力とが行なわれる。
【0039】
特に制限されないが、この実施例はシンクロナスDRAMに向けられおり、クロック信号CLKに同期して、それぞれに対応した外部端子においてアドレス信号、制御信号及び書き込み動作なら書き込み信号が供給され、読み出し動作なら読み出し信号が出力される。この実施例では、モードデコーダが設けられており、かかるモードデコーダにより通常動作と情報保持モードが判定されて、情報保持モードのときにECCを活性化する制御信号が供給される。
【0040】
特に制限されないが、リフレッシュアドレス発生回路は、通常動作時と情報保持モードとでは、異なる周期でリフレッシュアドレス信号を生成する。つまり、通常の動作中でのリフレッシュ動作は、メモリセルでの記憶情報が失われないように十分な時間マージンをもって短い周期でリフレッシュ動作が行なわれる。これに対して、情報保持モードにおいては、前記説明したようにECCでのエラー訂正機能を利用し、エラーレート比較器の出力に対応した十分長い周期でリフレッシュ動作が行なわれる。
【0041】
図7には、上記ECC部を1つの半導体チップで構成した場合の一実施例のブロック図が示されている。つまり、コアとなるDRAM部を除いたECCと追加DRAMとが1つの半導体集積回路装置で構成される。このECC部を構成する半導体チップは、次に図8を用いて説明する汎用のDRAMチップと組み合わせて1つのパッケージに収納することにより、前記図6の実施例と同じ機能を持つ半導体記憶装置を実現することができる。
【0042】
このようにDRAM部に対してECC部を別チップで構成した場合、ECC部とDRAM部との間でのデータのやり取りを前記のように8ビット単位で行なうようにすると、専用の端子あるいはパッドが増加してしまい、それに伴い消費電流も増大する。そこで、この実施例では、1つのデータ用パッドDATAと、コントロール用パッドCNTLを用いてシリアルにデータの入出力を行なうようにするデータ線転送制御回路が設けられる。
【0043】
図8には、前記図7のECCチップと組み合わせられるDRAMチップの一実施例のブロック図が示されている。このDRAMチップは、汎用のDRAMチップに対して次の回路が追加される。前記のようなECCチップとのデータ転送を行なうためのパッドDATA、CNTLとデータ転送制御回路及びX及びYアドレスレジスタである。リフレッシュアドレス発生回路及び内部セルフリフレッシュタイマは、公知のDRAMと同様にメモリセルのワーストケースでのデータ保持特性を考慮して短い周期でのリフレッシュ動作を行なう。
【0044】
したがって、このDRAMチップは、それのみで半導体記憶装置を構成するものである。つまり、基本機能としては汎用DRAMと同一のものとして動作するものである。このDRAMチップは、前記図7とECCチップと組み合わせられると、前記図6に示したECC付きのDRAMと同一の機能を実現するものとして動作する。この構成では、汎用DARAMチップに上記ECCチップとのデータ転送を行なうためのパッドDATA、CNTLとデータ転送制御回路及びX及びYアドレスレジスタといった簡単な回路を追加して置くことにより、2通りの使い方ができるために量産性を高めることができ、その分コトスを低減させることが可能になる。
【0045】
情報保持モードでのDRAMのリフレッシュ動作は、それに内蔵された内部セルフリフレッシュタイマ及びリフレッシュアドレス発生回路による前記のような短い周期でのリフレッシュではなく、データ転送制御回路を介して前記ECCチップから送られた前記のような長い周期でのリフレッシュ動作とされる。ECCチップとDRAMチップとを別々に構成した場合に両者の温度がが必ずしも一致しないので、温度依存タイマをDRAMチップに搭載してメモリセルの温度依存性に対応したリフレッシュを行なう上で好都合となる。なお、この温度依存タイマは、前記内部セルフリフレッシュタイマに温度依存性を持たせるためにも活用することが望ましい。
【0046】
図9には、前記図7のECCチップと図8のDRAMチップとを組み合わせた場合の1つの半導体記憶装置のブロック図が示されている。つまり、本体DRAM(情報ビット)部と外装ECC(検査ビット)部とが前記のようなシリアルデータ転送を行なうデータ転送制御回路を介して接続されるものであり、前記図6の実施例での8ビット単位でのデータ転送を行なうことを除いて、他の基本的な機能は同一である。なお、この実施例では外装ECC部の検査ビットはSRAMメモリセルを用い記憶される。このように検査ビットは、前記図7のようにDRAMを用いてもよいしこの実施例のようにSRAMを用いてもよい。
【0047】
図17には、一般的なダイナミック型メモリセルのデータ保持時間の累積度数を示す特性図であり、図18には、図17の―定の累積度数におけるデータ保持時間の温度依存性を示す特性である。図18において、温度依存タイマの依存性はメモリセルと同じpn接合を用いるとして、50%付近の依存性と同じとした。ちなみに、これから分かるように温度依存タイマ周期のワーストビットの温度依存に対する追従性は良くない。一方、本実施例のECC訂正能力は、前記の実施例のように2072ビット中2ビット誤り訂正であるから、万一同―の組織符号中に3ビット以上のエラーが存在すると致命欠陥となりうる。
【0048】
ここで、総ビット数の0.0005%がエラー訂正ビットと仮定すると、およそ200K(キロ)ビットに1ビット、また64M(メガ)ビット中に約350ビットの訂正ビットが存在する割合である。このような0.0005%と極めて低いエラー率であっても、確率の上では3ビット以上のエラーが同一の組織符号中に存在する。訂正ビットが完全にランダムな分布であると仮定し、エラーレート0.0005%とした場合、3ビット以上のエラーが同一の組織符号中に存在する確立は約2E−7=0.2ppmとなる。これは半導体メモリの信頼度を考えると十分低い値である。
【0049】
エラーレートモニタの動作周期とリフレッシュ周期の関係を詳細に説明する。前記実施例のように64ビットDRAM(4Kワード線×16Kデータ線)を例にすると、エラーレート0.0005%とは、前記のように200Kビット中に1ビットの割合でエラーが存在することである。つまり、64Mビット中でみると、より正確には336ビットのエラーが存在することでもある。エラーレート0.001%なら、同様に100Kビット中に1ビット、64Mビット中に672ビットの割合でエラーが存在することである。
【0050】
図17において、周囲温度が35℃のときに、0.0005%のデータ保持不良ビット発生率を許容するデータ保持時間(リフレッシュ間隔)は約10秒である。また、0.0005%のエラーレートをキープすることとは、200Kビット中のエラービット数の平均を常に1ビットに保つことと言つてよい。リフレッシュ間隔が10秒の時、前記実施例の構成では、1ワード当たり約2.4ms(=10/4096)の周期でリフレッシュ動作を行っていることになる。また200Kビットとは、約12ワード線(=200K/16K)分であるから、平均すると約30ms(=2.4ms×12)に1ビットのエラーが発生することである。
【0051】
すなわち2.4msの間隔でリフレッシュを行いながら、リフレッシュしたワード線のデータを読み出し、12ワード線(30ms)単位でECCのエラーチェックと訂正を行うことで、一定のエラーレート(ここでは0.0005%)をモニタすることができる。また、急激な温度変化に対しても30msのモニタ間隔は十分な応答性を持つものである。ここでは、リフレッシュ動作と読み出し動作を分けて説明したが、実際には読み出し動作によって同時にリフレッシュがなされる。また、12ワード線(30ms)単位でECCのエラーチェックと訂正を行うとしたが、実際にはある時点から過去12ワード線(30ms)分のエラーを連続的にモニタしている。次にエラーレートモニタの構成及びエラーレート判定方法について具体的に説明する。
【0052】
エラーレート比較器と1/N分周器の働きについて説明すると次の通りである。前述のように0.0005%のエラーレートとは、200Kビット中のエラービット数の平均が1ビットであるということである。本実施例の組織符号長は、2072ビットである。200Kビットとは約100組織符合分である。すなわち、100組織符合当たり1組織符号にエラー符号が含まれる割合といってよい。なお、一つの組織符号は例えば8ビットづつ259回(2072/8)に分けてDRAM部から取り出すようにされる。
【0053】
図10には、エラーレート比較器の一実施例の回路図が示され、図11にその動作説明図が示されている。図10に示したエラーレート比較器は、基本的にバイナリ100進加減算器で構成される。1つの組織符号のパリティをチェックし、エラーでない時は、バイナリ100進加減算器を+1(プラス1)し、エラーであれば、−100(マイナス100)する。例えば、100組織符合中のエラー符号数が1符合であれば、バイナリ100進加減算器から出力されるキャリーとボロー信号の数は同じとなる。100組織符合中のエラー符号数が1符合より多ければ、キャリーの回数がボローのそれより多くなり、1符合より少なければ、ボローの回数がキャリーのそれより多くなる。
【0054】
図11の動作説明図において、ある時点での加減算器出力を0とし、そこからエラー無しに対応して加減算器出力値は+1ずつ増加する。ECCエラー有りが出力されると、−100のような減算が行なわれて加減算器出力はマイナス領域に入り、ボローが発生する。これにより、図10のアップダウンカウンタの計数値N値が−1とされてN−1となり、リフレッシュ周期が基本周波数に対して1/(N−1)のように分周されて短くなる。
【0055】
このようにリフレッシュ周期が短くなることの結果、エラー無しに対応して+1ずつの加算が行なわれて、計数出力0を超えるとキャリー信号が発生する。この結果、上記アップダウンカウンタは計数値(N−1)に+1が加算されるので、もとのN値に戻り、それに対応してリフレッシュ周期が基本周波数に対して1/Nのように分周されて長くなる。以後、エラー無しが100回続くと加減算器は再びキャリー信号を発生させる。これにより、上記アップダウンカウンタは計数値Nに+1が加算されてN+1のように大きくなる。この結果、リフレッシュ周期は基本周波数に対して1/(N+1)のように分周されて更に長くなる。
【0056】
そして、データ保持特性の劣るメモリセルによりエラーが検出されると、加減算器では−100の減算が行なわれて、ボロー信号を発生させて上記分周比を1/Nに戻し、更に短い時間内にエラーが検出されると、再び−100の減算が行なわれる結果、加減算器出力がマイナスの領域となることに応じてボロー信号を発生させる。この結果、リフレッシュ周期が基本周波数に対して1/(N−1)のように分周されて短くなるという動作を繰り返す。
【0057】
1つのワード線においては、前記の例では8組織符合に対応したデータが読み出され、それぞれにおいてパリティをチェックし、エラー有りとエラー無しが判定される。したがって、仮に上記8組織符号のうち1つにおいてエラー有りと判定されてアップダウンカンウタ値がN−1にされても、直ちにリフレッシュ周期が変わることはない。同様に、そのワード線において、加減算器からキャリー信号が出力されてアップダウンカウンタがN+1にされても、直ちにリフレッシュ周期が変わることはない。つまり、1つのワード線に対応した前記8組織符号のパリティチェッチが終了し、その結果に対応してアップダウンカウンタの計数値が変更され、それにより分周器で次のワード線の選択を行なうリフレッシュ要求信号に発生タイミングが上記分周器によって設定される。
【0058】
このように加減算器のキャリーとボロー信号は、アップダウンカウンタ(+1/−1計数器)に送られ、キャリーが発生した時はアップダウンカウンタを+1し、ボローが発生した時は−1する。したがって、1つのワード線の選択期間中にキャリーとボローが発生すると、分周比はもとのままとなり変化しない。このようにして、過去のエラー無しとエラー有りとが積算される。アップダウンカウンタの出力Nは、分周器(デバイダ)に送られて前記のように基本周期の分周比を設定するために用いられる。
【0059】
前記スリープモードに入る前のリフレッシュ周期、つまりは図10における基本周期発生器が形成するパルス信号を分周して形成されるリフレッシュ要求信号は、前記約64Mビットのメモリセルうち最もデータ保持時間の短いものでもデータ破壊が生じない短い周期に対応したものとされる。したがって、前記のように1つの半導体集積回路装置にDRAM部とECC部とを搭載し、温度タイマや分周器及びリフレッシュアドレス発生回路を上記通常動作時のリフレッシュとスリープモードでのリフレッシュに共用する場合、分周器は上記通常動作用と上記スリープモード用の2通りに設定される。特に、スリープモードに入るときには、前記のような1ワード線分での8組織符号によるパリティチェックに要する時間を確保するような周期が最も短い下限の周期として設定される。
【0060】
したがって、かかる下限の周期により設定された上記基本周期発生器で形成されたパルスがリフレッシュ信号としてリフレッシュアドレス発生回路に送られて最も短い周期でのリフレッシュ動作が開始される。前記図17図に示したようにメモリセルのデータ保持時間の大半は、上記のようなリフレッシュ周期に対して十分なデータ保持能力を持つために、スリープモードに入るとECCでのエラー無しが続くことになる。この結果、加減算器では計数出力が100を超えるごとにキャリー信号を出し続けるので、それに応じてアップダウンカウンタのN値が大きくなり、それに対応してメモリセルのリフレッシュ周期が長くされる。つまり、キャリー信号は、アップダウンカウンタの計数値Nに反映されて蓄積されてリフレッシュ周期がかかる蓄積結果に反映される。
【0061】
前記のようにメモリセルのデータ保持特性に合わせてリフレッシュ周期が設定されると、一定の時間内でみたときの前記キャリー信号とボロー信号との発生する数が同じになってそれに対応してアップダウンカンウタの計数値Nがほぼ一定に安定してリフレッシュ周期も安定となる。この状態にときに、例えば温度が急変してメモリセルのデータ保持特性が全体として短くなると、前記ボロー信号が連続して形成されて、上記アップダウンカンウタの計数値が−1ずつ減少させられてリフレッシュ周期が上記ボロー信号の発生数に対応して急激に短くなる。このようなボロー信号によるアップダウンカウンタに対する−1の計数動作もまたボロー信号の積算と見做される。
【0062】
この発明では、上記エラー有りとエラー無しの判定結果を積算させるものであるために、エラー有りあるいはエラー無しの判定結果(積算結果)に対応して、いわばリアルタイムでエラーレートを判定することができるので、その結果に対応してリフレッシュ周期を制御することにより、メモリセルのデータ保持特性の能力に正確に適合させてリフレッシュ周期を最適に設定することができる。つまり、前記のようにECCによるエラー訂正能力を最大限活用しつつ、約10秒といったような従来のDRAMのリフレッシュ動作では到底不可能な長時間にまで延ばすことができる。
【0063】
上記のように加減算器は、少なくとも+100と−100の範囲の演算結果を保持する機能を有するものであればよい。つまり、そのキャリー信号やボロー信号がアップダウンカウンタに保持されて蓄積されるものであるからである。図11の例では、少なくとも200までの出力値を保持する例が示されている。つまり、出力値が100を超えたときにキャリー信号が発生され、その後にアラー無しにより+1の演算が行なわれ、エラー有りにより−100の減算を行なっても出力値が0にならない。このように、加減算器でもキャリー信号あるいはボロー信号を積算させる機能を持たせるものであってもよい。
【0064】
図10の実施例において、バイナリ100進加減算器をバイナリ200進加減算器に変更しさらに、エラー有りの時に、−100を−200に変更すると、200組織符合当たり1組織符号にエラー符号が含まれる割合となるため、エラーレート0.00025%をモニタすることになる。ただしこの場合、温度など環境の変化に対する応答性はその分低下する。
【0065】
図10の実施例において、アップダウンカウンタのDOWN(−1)をDOWN(−2)に変更すると、同様にエラーレート0.00025%をモニタすることになるが、前記のバイナリ200進加減算器に変更して、エラー有りの時に、−200とするものより、温度が上昇してエラーレートが急激に高くなった場合などでの応答性が向上させることができる。
【0066】
図12には、この発明に係るDRAMの情報保持モード(スリープモード)での動作の一例を説明するためのタイミング図が示されている。リフレッシュ要求信号によりロウ系アドレス選択回路が動作し、ワード線が選択される。このワード線の選択動作によって、前記のような64MビットのDRAM部からは約16K個のメモリセルが選択されて、その記憶情報がセンスアンプによって増幅されて保持されている。この実施例では、特に制限されないが、低消費電力化や、メモリセルを構成するアドレス選択MOSFETのゲートに高電圧が印加されることによる素子劣化を防止する等のために、上記のようなセンスアンプの保持動作に入るとワード線が非選択レベルとされる。
【0067】
ECCアドレス発生回路は、Yアドレス(情報ビットYS)を発生させて64ビット分のメモリセルを選択して情報メインアンプによって出力される。前記のようにECC部をDRAM部と同じ半導体集積回路装置に形成した場合には、上記64ビットのデータが8ビットずつ8回に分けてシリアルにECC部に転送される。このような動作を全体で32回繰り返すことにより、1組織符号に対応した2048ビットのデータが読み出される。そして、検査ビットが8ビットずつ3回に分けて転送されて前記のような24ビットからなる検査ビットを用いたパリティチェックが行なわれてエラー有り、無しの判定が行なわれる。
【0068】
同図のようにエラー有りと判定されたなら、アップダウンカウンタが+1のアップ計数動作を行なう。これにより、分周器の分周比はN+1のように増加される。そして、訂正ビットを含む64ビットのデータが対応する情報ビットYSの64個のセンスアンプに書き込まれる。つまり、前記のようにワード線が非選択であるので、センスアンプに上記訂正データの書き込みが行なわれる。
【0069】
以下同様にして、1つのワード線には約16Kビット分のメモリセルが設けられ、1組織符号が約2Kビットで構成されるから、全体で8回に渡って繰り返して行なわれる。もしも、エラー無しが続いて加減算器からキャリー信号が形成されると、ダウン信号が発生されてアップダウンカウンタが−1のダウン計数動作を行なう。これにより、分周器の分周比はNのように減少される。
【0070】
例えば、上記ワード線の選択前において、加減算器において95等の計数値が積算されており、上記ワード線の選択動作によって最初に読み出された組織符号にアラー有りが検出されると、加減算器では95−100の減算が行なわれてその積算値が−5となるので、ボロー信号が発生してアップダンウカウンタがアップ計数動作を行う。上記同じワード線において、残りの7個の組織符号のパリティチェックにおいエラー無しが5回続くと、加減算器の積算値が0となってキャリー信号を発生してアップダンウカウンタがダウン計数動作を行う。この結果、分周比はもとのNに戻り結果として、リフレッシュ要求信号の周期は変わらない。つまり、100組織符号中に1つのエラーが存在した状態であり、前述のように0.0005%のエラーレートを確保することができる。
【0071】
上記のようなECC部による1ワード線分の8組織符号のパリティチェックが終了し、次のワード線の選択動作に切り替えられる直前までは、DRAMは何も動作しない。つまりは、センスアンプのみが動作状態となって上記1ワード線分のメモリセルの記憶情報を保持している。そして、次のワード線に切り替えられる直前に、上記センスアンプに保持された記憶情報に対応したメモリセルが接続されたワード線が再び選択状態にされて、上記センスアンプに保持された約16K分の記憶情報がメモリセルに再書き込みされる。このようにして、メモリセルの再書き込のタイミングを最大限遅らせることによりメモリセルの実効的なデータ保持時間を長くさせるものである。
【0072】
このような再書き込を終了させてから、リフレッシュ要求信号に対応して次のワード線の選択動作に切り替えられる。上記のようなワード線の再選択タイミングは、次のリフレッシュ要求信号が発生される直前に設定すればよいので、前記分周器での計数信号を利用して発生させることができる。つまり、リフレッシュ要求信号が発生させるタイミングに対して、基本周期パルスの数パルス前に正確に上記ワード線の再選択タイミングを発生させることができる。
【0073】
分周器は、特に制限されないが、カウンタとコンパレータから構成される。カウンタは、例えばアップカウンタから構成されて基本周期発生器のパルスを形成する。コンパレータは、上記カウンタの計数値と上記アップダウンカウンタのN値とを比較し、両者が一致したときリフレッシュ周期信号、つまりは前記リフレッシュ要求信号を発生しカウンタをリセットさせる。この構成で、N値が変更になると、次のリフレッシュ要求信号が発生される周期が変更される。このとき、M(N>M)を設定することによりコンパレータによって、数パルス(N−M)前に上記ワード線の再選択タイミングも簡単に発生させることができる。
【0074】
これに対して、ダウンカウンタを用いて上記アップダウンカウンタのN値を初期値としてセットし、リフレッシュ要求信号を発生した後から上記基本周期発生器のパルスによりダウン計数を行ない、計数値が0になったときに次のリフレッシュ要求信号を発生させるものであってもよい。この場合には、上記更新されたN値がダウンカンウタに初期値として取り込まれて、次のリフレッシュ要求信号の発生タイミングが制御される。
【0075】
図13には、エラーレート比較器の他の一実施例の回路図が示されている。この実施例では、バイナリ100進加減算器とアップダウンカウンタをセットとしてバイナリ2進カウンタに変更したものである。さらに実際の回路を簡単にするため、エラー有りの場合の減算を−128としたものである。つまり、バイナリー2進加減算器は、2進のアップダウンカウンタにより構成されて1〜64までの計数部(1〜6段分)が前記加減算器に対応し、エラー無しの信号は+1のアップ動作を行なう入力端子に供給され、エラー有りの信号は7段目に対してダウン動作(−128)を行なう入力端子に供給される。つまり、1ないし64の各ビット出力は無効とされ、128以降の計数出力が前記N値として分周器に出力される。つまり、前記128出力がN値を選定する複数ビットのうちの最下位ビットとされる。この場合には、128組織符合当たり1組織符号にエラー符号が含まれる割合となるため、エラーレート約0.0004%をモニタすることになる。
【0076】
図14には、図1又は図2の実施例に適用されるDRAM一例のブロック図が示されている。このDRAMは、システムLSIにおける一つのモジュールないしは機能ユニットを構成することになる。特に制限されないが、このDRAMは、大記憶容量化に適合するようにバンク構成をとる。メモリバンク数は、その個数が例えば、最大16をもって変更可能とされる。一つのメモリバンク、例えば第1番目のメモリバンクbank1は、メモリセルアレイMA1、センスアンプSA0、SA1及びセンスアンプと一体とされているような図示しないビット線プリチャージ回路、タイミング発生回路及びカラムセレクタTG1,CS1、ロウデコーダRD1、及びカラムスイッチ回路CS1からなる。
【0077】
それら複数のメモリバンクに対して、アドレス信号及び制御信号のためのアドレスバス/制御バスADCBが設定され、データ入出力のためのメモリ内部バス(I/O内部バス)IOBが設定されている。それらバスADCB、IOBに対して共通のメモリ入出力回路MIOが設けられている。メモリ入出力回路MIOは、図1の内部バスBUSに結合されるポートをその内部に持つ。DRAMは、また、配線群を介して内部電圧発生制御回路VGCから供給される基板電圧VBB、昇圧電圧VPP及び内部電圧VDL等の動作電圧が供給される。
【0078】
上記において、半導体集積回路装置を構成するためのデザインオートメーションにおける設計データの管理単位の都合などに応じて、より広い範囲の要素の集合をより少ない要素からなるとみなすこともできる。例えば、一つのメモリバンクにおけるメモリセルアレイ(MA1)、センスアンプ(SA1及びSA2)、ロウデコーダ(RD1)、及びカラムスイッチ(CS1)は、一つのメモリマットを構成するとみなすことができ、タイミング発生回路及びカラムセレクタ(TG1,CS1)はバンク制御回路を構成するとみなすことができる。この場合には、各メモリバンクは、より単純にメモリマットとバンク制御回路からなるとみなされることになる。
【0079】
図示のDRAMの概略を説明すると以下のようになる。MA1のようなメモリセルアレイは、マトリクス配置された複数のダイナミック型メモリセルと、それぞれ対応するメモリセルの選択端子が結合される複数のワード線と、それぞれ対応するメモリセルのデータ入出力端子が結合される複数のビット線とを含む。
【0080】
メモリセルを構成する選択MOSFETは、例えばP型単結晶シリコンからなるような半導体基板上に形成されたP型ウエル領域にそのN型ソース領域及びN型ドレイン領域が形成されたような構造をとる。メモリセルが形成されるP型ウエル領域は、DRAM内の上記内部電圧発生制御回路VGCにより形成された負電位の基板バイアス電圧VBBが与えられる。これによってメモリセルにおける選択用MOSFETのテーリング電流ないしはリーク電流が低減され、メモリセルにおける情報蓄積用容量の情報リークが軽減される。
【0081】
P型ウエル領域上には、酸化シリコン膜からなるような絶縁膜を介してメモリセルにおける情報蓄積用容量が形成される。情報蓄積用容量の一方の電極は、選択用MOSFETのソース領域とみなせる電極領域に電気的に結合される。複数のメモリセルのための複数の情報蓄積用容量のそれぞれの他方の電極は、いわゆるプレート電極と称される共通電極とされる。プレート電極は、容量電極として所定の電位が与えられる。
【0082】
情報蓄積用容量は、メモリセルアレイのサイズを小さいものとするよう比較的小さいサイズを持つことが望まれるとともに、それ自体で長い情報保持時間を持つように大きい容量値を持つことが望まれる。情報蓄積用容量は、大きい容量値を持つように、その電極間に挟まれる誘電体膜が、例えば酸化タンタルもしくは酸化シリコンのような比較的大きい誘電率を持つ材料から選択され、かつ単位面積当たりの容量を増大するように極めて薄い厚さとされる。複数の情報蓄積用容量のためのプレート電極電位は、内部電圧発生制御回路VGGによって形成されるところの回路の電源電圧VDLの半分に等しいような中間電位にされる。
【0083】
これによって、情報蓄積用容量の一方の電極に蓄積すべき情報に応じて電源電圧VDLレベルのようなハイレベルが供給された場合と、かかる一方の電極に回路の接地電位に等しいようなロウレベルが供給された場合とのどの場合であっても、プレート電極電位が電源電圧VDLのほぼ半分の電位にされる。すなわち、誘電体膜に加わる電圧は、電源電圧VDLのほぼ半分のような小さい値に制限される。これによって誘電体膜は、その耐圧の低下が可能となり、また印加電圧の減少に伴う不所望なリーク電流の減少も可能となるので、その厚さを限界的な薄さまで薄くすることが可能となる。
【0084】
タイミング発生及びカラムセレクタTG1,CS1のようなタイミング発生及びカラムセレクタは、メモリ制御回路MCC内のグローバル制御回路からの動作制御信号によって動作制御されるとともに、バスADCBを介して供給されるバンク選択信号によって活性化ないしは選択され、メモリセルアレイのビット線のためのビット線プリチャージ回路、ロウデコーダ、センスアンプ、それ自身の内部におけるカラムセレクタ等の各種回路の動作制御のための各種内部タイミング信号を形成する。タイミング発生及びカラムセレクタにおけるカラムセレクタは、内部タイミング信号によってその動作が制御され、バスADCBを介して供給されるカラムアドレス信号をデコードし、カラムスイッチ回路CS1のような当該バンクにおけるカラムスイッチ回路を動作させるためのデコード信号を形成する。
【0085】
ロウデコーダRD1のようなロウデコーダは、タイミング発生及びカラムセレクタから供給されるタイミング信号によってその動作タイミングが制御され、バスADCBを介して供給されるアドレス信号をデコードし、対応するメモリセルアレイにおけるワード線を選択する。
【0086】
図示しないビット線プリチャージ回路は、ロウデコーダが活性化される前のようなタイミングにおいてプリチャージタイミング信号によって動作され、対応するメモリセルアレイにおける各ビット線を電源電圧VDLのほぼ半分の電圧に等しいようなレベルにプリチャージする。
【0087】
センスアンプSA0、SA1のようなセンスアンプは、ロウデコーダが活性化された後にTG1のようなタイミング発生及びカラムセレクタ回路CS1から発生されるセンスアンプ用タイミング信号によって動作され、ロウデコーダによって選択されたメモリセルによってビット線に与えられた信号、すなわち読み出し信号を増幅する。センスアンプにおける各ビット線に対応される図示しない複数の単位センスアンプのそれぞれは、良く知られたCMOS構成のセンスアンプと実質的に同じ構成にされる。
【0088】
すなわち、単位センスアンプのそれぞれは、ゲート・ドレインが交差接続された一対のPチャンネル型MOSFETと、同様にゲート・ドレインが交差接続された一対のNチャンネル型MOSFETとをもつ。一対のPチャンネル型MOSFETのドレイン及び一対のNチャンネル型MOSFETのドレインは対応する対のビット線に結合される。一対のPチャンネル型MOSFETのソースは、共通接続され、センスアンプ用タイミング信号によって動作制御されるスイッチMOSFETを介して動作電位VDLが与えられる。同様に一対のNチャンネル型MOSFETのソースは、共通接続され、センスアンプ用タイミング信号によって動作制御されるスイッチMOSFETを介して回路の接地電位のような動作電位が与えられる。
【0089】
メモリセルアレイを挟んでの2つのセンスアンプ配置は、次のような構成を意味する。すなわち、メモリセルアレイの一方の側のセンスアンプには当該メモリセルアレイの複数のビット線の内の飛び飛びのビット線が結合され、メモリセルアレイの他方の側のセンスアンプには当該メモリセルアレイの複数のビット線の内の残りの飛び飛びのビット線が結合される。この構成は、センスアンプを構成する複数のMOSFETを必要とされるサイズに応じて比較的大きいピッチをもって配置せざるを得ないときにおいて、メモリセルアレイにおける複数のビット線のピッチを微細化する上で効果的である。
【0090】
カラムスイッチ回路CS1のようなカラムスイッチ回路は、対応するカラムセレクタから出力される選択信号によって動作される。カラムスイッチ回路によって、メモリセルアレイにおける複数のビット線の内のカラムセレクタによって指示されたビット線が選択され、メモリ内部バスIOBに結合される。
【0091】
メモリ入出力回路MIOは、半導体集積回路装置の内部バスBUSに結合され、かかる内部バスBUSからのアドレス信号及び制御信号を受け、それを内部のバスADCBに伝送する。メモリ入出力回路MIOは、また、バスBUSとメモリ内部バスIOBとの間のメモリデータの入出力を行う。
【0092】
メモリ制御回路MCCは、半導体集積回路装置のCPU等で形成された動作制御信号を受け、それらの信号に応じた制御動作を行う。メモリ制御回路MCCは、メモリ制御回路MCCの動作は、通常の動作モードでのリード/ライト動作及びリフレッシュ動作と、前記のようなスリープモード(情報保持モード)等の設定が行なわれる。また、通常動作時のリフレッシュ制御回路も含まれる。この場合、特に制限されないが、リフレッシュ動作は全バンク同時に行なうようにされる。
【0093】
内部電圧発生制御回路VGCは、DRAMの電源端子VDDと基準電位端子VSSとの間に供給される電源電圧を受け、前述のようなメモリセルアレイのための基板バイアス電圧VBB、VDL及びワード線の選択レベルに用いられる昇圧電圧VPPの他、前記プレート電圧のような内部電圧を形成する。特に制限されないが、メモリセルアレイのための基板バイアス電圧VBBは、その詳細を図示しないけれども、CMOS制御ゲート及び複数段のCMOSインバータ回路によって構成され電源電圧VDDによって動作されるリングオシレータのようなオッシレータと、容量とダイオード接続のMOSFETとによってかかるオシレータからの電源電圧レベルの振幅の発振信号を受け周期的に負電位レベルのパルスを出力するチャージポンプ回路と、かかるチャージポンプ回路から出力される負電位レベルのパルスを出力点に供給するダイオード接続のMOSFETのような整流回路とから構成される。該出力点には、それにおける寄生容量のような容量に出力VBBとしての出力が得られる。昇圧電圧VPPも、上記と類似のチャージポンプ回路によりVDL+Vth(アドレス選択MOSFETのしきい値電圧)のような昇圧電圧とされる。なお、VDLは、電源電圧VDDを降圧した電圧とされる。
【0094】
この実施例のDRAMは、特に制限されないが、コマンドとの組み合わせで外部バスを通してアドレス信号が取り込まれる。MIOは外部バスから信号をアドレス信号と判定したなら上記アドレスバス制御バスADBCに送出し、書き込みデータと判定したならI/O内部バスに伝える。前記のように64ビットの単位で外部バスにデータ入力出力を行なうときに、アドレス信号の伝送線も共用することにより外部バスの信号線数の増加を防ぐことができる。
【0095】
この実施例のDRAMは、前記のようなECCによってスリープモードでのリフレッシュ周期が長くされる。メモリセルのデータ保持特性が全体として非常に良いものでは、前記のような約10秒を超えて長くされる。しかしながら,この周期を極端に長くすると安定的なエラーレートの判定が行え無くなる。そこで、メモリセルのデータ保持特性の実力が分周器の分周比Nに反映されていることに着目し、かかる分周比N、言い換えるならばエラー有りとエラー無しの積算量に対応して、メモリセルに書き込む電圧VDLや基板電圧VBBを制御して消費電流を削減させるようにしてもよい。
【0096】
例えば、前記分周器の分周比Nが所定の値Pより大きいときは、メモリセルのデータ保持特性が良いと判定して電圧VDLを小さくする。あるいは基板電圧VBBを浅くする。上記電圧VDLやVBBの電圧値は、複数通りの制御が可能なように決めておき、それぞれに対応した判定値P1〜Pnと前記分周比Nの比較により、VDL1〜VDLnあるいはVBB1〜VBBnのような複数通りの制御を行なうようにすることもできる。この結果、メモリセルでのデータ保持を確保しつつ消費電流を削減することができる。
【0097】
前記のように約2.4msの間隔でリフレッシュを行いながら、リフレッシュしたワード線のデータを読み出し、平均すると12ワード線(30ms)単位でECCのエラーチェックを1回行なうという動作により情報保持モードが実施される。1ワード線分のリフレッシュでみるとECCへのデータ転送を8ビットずつ行なうときには、1組織符号では検査ビットを含めて8×32+3(=259)と、1回のエラーチェックが行なわれて、1ワード線当たり8組織符号のときには259×8(=2072)回のデータ転送と8回のエラーチェックを行なうこととなる。このような動作時間は、ワード線の選択動作及びセンスアンプの増幅時間を含めても0.4msには満たない時間で済む。
【0098】
この結果、前記約2.4msの間隔でのワード線の切り替えによるリフレッシュ動作において、その大半の2msの間は前記分周器による次のリフレッシュ要求信号を発生させる計数動作が行なわれるのみである。そこで、上記ECCによる内部電圧発生制御回路VGCの制御動作に、DRAMでの直流電流やリーク電流経路を遮断させるという機能を付加するものとしてもよい。例えば、DRAM側は前記センスアンプが1ワード線分の記憶情報を保持しており、そのワード線を選択するアドレスが保持されていればよい。そこで、前記1ワード線分のECC動作が終了した後から前記のワード線を選択して再書き込みを行なうまでの間の約2msの間、昇圧電圧VPPやVBB発生回路もチャージポンプ動作回数を減らなどによって低消費電力モードにするようにしてもよい。
【0099】
図15は、この発明に係る半導体集積回路装置の一実施例の構成図が示されている。この実施例では、前記図9の実施例に対応してECC制御部とECCメモリをDRAMチップとは別チップに構成したものである。DRAMチップとECCチップの間は、制御コマンド及びデータ通信を構成する数本、最低で2本によりデータのやり取りを行う。これにより、DRAMチップには、制御コマンド及びデータ通信回路とそのためのパッドだけの簡単な回路を付加して置くだけで、上記ECCチップと組み合わせて使用できるし、それ自体で使用できるものとなる。
【0100】
図16には、この発明に係る半導体集積回路装置の一実施例の構成図が示されている。同図には、前記図15の実施例に対応したマルチチップパッケージの形態が示されいる。(A)は、マルチチップパッケージ(MCP)であり、インナー配線(ボンディングワイヤとリードフレーム)を通してDRAMチップとECC制御チップとが接続される。(B)は、チップサイズパッケージ(CSP)であり、DRAMチップ上にECCチップが積層構造に組み立てられてワイヤボンディングによって上記インナー配線が形成される。このように、2つの半導体チチップを1つの半導体集積回路装置に組み込むには種々の形態が可能で応用範囲が広いことが特徴である。
【0101】
この実施例においては、DRAMのリフレッシュ周期をワーストビットのデータ保持時間に合わせる必要があるが、ECCとの組み合わせによりリフレッシュ周期を最小の時間より伸ばすことでリフレッシュ電流の低減を図ることができる。これにより破壊したメモリセルデータは、搭載したECCメモリとECC符号複合回路により訂正される。ECC制御回路と、DRAMの全記憶容量に比べて非常に小さなパリティビット領域を確保することでDRAMのリフレッシュ周期を大幅に伸ばすことができる。そして、ECCによる訂正率を監視することで、環境温度に追従した内部リフレッシュ周期を得ることが可能である。
【0102】
また、上記ECCによる訂正率の監視を利用してDRAMの基板電圧VBBや動作電圧VDLを制御することでメモリセルのpn接合リーク電流の低減と、情報電荷量を増加させることで、ワーストビットのデータ保持時間を長くし、上記ECCの効果によりリフレッシュ周期を伸ばすことも可能である。これとは逆に、ビット線に印加される電圧を低下させることで、さらにリフレッシュ動作電流を低減することも可能である。すなわち、本願における電源制御の目的は、基板電圧VBBを浅くすることにより、リーク電流を減らし、動作電圧VDL及び昇圧電圧VPPの低電圧化により、消費電流を減らすことにある。
【0103】
DRAMの全記憶容量に比べて少ないECC用メモリセルの追加で実現できるためチップ面積の増加を抑えることができる。ECC用メモリセルにDRAMメモリセルの追加ではなくSRAMを使用することができため応用範囲を広くできる。本体チップと本ECC制御チップを別チップ同士で組み含わせることができるため応用範囲を広くできる。ECCエラーレートをモニタし自動的にリフレッシュ周期を最適化するためにプローブ検査での厳密なリフレッシュタイマー周期のトリミングが不要でありコストダウンが可能となる。
【0104】
上記の実施例から得られる作用効果は、下記の通りである。
(1) 複数のデータとそれに対応した検査ビットを用いて誤り検出動作を行ない、誤りのないことの第1検出信号を第1方向に積算し、誤りのあることの第2検出信号を上記第1検出信号よりも大きな所望のエラーレートに対応した重みを持って上記第1検出信号の積算を減ずる第2方向に積算させ、かかる積算結果により、それまで処理されたデータに関してのエラーレートを正確に判定することができるという効果が得られる。
【0105】
(2) 上記に加えて、上記複数のデータと上記検査ビットとをメモリ回路から読み出されたものとすることにより、メモリ回路のデータ保持能力を判定することができるという効果が得られる。
【0106】
(3) 情報保持モードのときに起動されて、ダイナミック型メモリセルを有するメモリ回路に保持された複数のデータを読み出して誤り検出訂正用の検査ビットを生成して追加メモリ回路に記憶させ、ECC回路により一定のリフレッシュ周期で上記複数のデータとそれに対応した検査ビットを読み出して誤り検出と訂正を行ない、誤りのないことの第1検出信号を第1方向に積算し、誤りのあることの第2検出信号を上記第1検出信号よりも大きな重みを持って、しかも第1積算を減ずる第2方向に積算させ、その積算量が上記第1方向において一定の量を超えたときに上記リフレッシュ周期を所定の時間だけ長くし、上記積算量が上記第2方向において一定の量を超えたときに上記リフレッシュ周期を所定時間だけ短くするエラーレート選定回路を設けることにより、高い信頼性を確保しつつ情報保持動作の低消費電力化を実現することができるという効果が得られる。
【0107】
(4) 上記に加えて、上記追加メモリ回路を上記メモリ回路と同じダイナミック型メモリセルで構成し、X系のアドレス選択回路を共用することにより、高集積化を実現することができるという効果が得られる。
【0108】
(5) 上記に加えて、上記情報保持モードとメモリ回路のリード/ライト動作を含む通常モード時にリフレッシュアドレス発生回路を共用し、上記ECC回路に上記リフレッシュアドレスに指定されたワード線の中から上記データを選択するECCアドレス発生回路を設け、上記リフレッシュアドレス発生回路で形成されたX系アドレス信号と、上記ECCアドレス発生回路で形成されたY系アドレス信号とをアドレス制御回路に伝えて、上記情報保持モードと通常モード時に対応して上記メモリ回路に伝えることにより簡単な回路の追加により、合理的に高い信頼性を確保しつつ情報保持動作の低消費電力化を実現することができるという効果が得られる。
【0109】
(4) 上記に加えて、上記リフレッシュアドレス発生回路を温度依存タイマによ6周波数が制御される発振信号と、それを分周する可変分周回路で形成された起動信号を計数してリフレッシュアドレス信号を生成するものとし、上記可変分周回路の分周比を上記エラーレート選定回路により設定することにより上記リフレッシュ周期をエラーレートに対応して設定することができるという効果が得られる。
【0110】
(7) 上記に加えて、上記第1検出信号に対する第2検出信号の重みの比は、許容エラーレートに対応して設定することにより、かかるエラーレートに対応した所望の信頼性を確保することができるという効果が得られる。
【0111】
(6) 上記に加えて、上記許容エラーレートを複数ビットからなる2進数により8定し、上記第1検出信号を、上記複数ビットに対応した2進の第1カウンタ回路より計数して、そのキャリー信号を2進の第2カンウタ回路に伝えてアップ計数動作を行なわせ、上記第2検出信号を、上記第2カウンタ回路に対してダウン計数動作を行なわせることにより、簡単な構成により第2カウンタの計数値をそのまま前記可変分周回路の分周比を設定するものとして用いることができるという効果が得られる。
【0112】
(9) 上記に加えて、上記メモリ回路とデータ保持制御回路とを1つの半導体チップ上に形成することにより、高性能でデータ保持特性の良好なDRAMを備えた半導体集積回路装置を得ることができるという効果か得られる。
【0113】
(10) 上記に加えて、上記メモリ回路を第1半導体チップに形成し、上記データ保持制御回路を第2半導体チップに形成してマルチチップパッケージに搭載して1つの半導体集積回路装置を得ることにより、上記第1チップに汎用性を持たせられるので量産性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0114】
(11) 上記に加えて、上記第1半導体チップと第2半導体チップを制御コマンドとデータ通線線とにより相互に接続し、それぞれの半導体チップにかかる通信回路を設けることにより、ECC動作での消費電流を抑えることができるという効果が得られる。
【0115】
(12) 上記に加えて、上記第1半導体チップと第2半導体チップを積層構造として1つのパッケージに搭載することにより、両者の温度をほぼ同一にでき、温度制御が簡単になるという効果が得られる。
【0116】
(13) 上記に加えて、上記データ保持制御回路に上記エラーレートモニタ動作での積算量に対応して、メモリセルに書き込む電圧レベル又は基板電圧を制御する機能を付加することにより、いっそうの低消費電力化を図ることができるという効果が得られる。
【0117】
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、ECC回路は、前記実施例のような誤り訂正能力を持つものであれば何であってもよい。例えば、CRCを用いるものであってもよい。また、この発明に係るエラーレートを判定方法は、通信回線を通して伝送されたデータに適用し、エラーレートが所望のレート以下のときにはデータの再転送を要求する等にも用いることができる。また、フラッシュメモリや強誘電体メモリ等の不揮発性メモリ回路では前記のようなエラーレートの判定結果により、データ保持特性の劣化を検出して、データの再書き込みを実施することにも適用できる。このようにデータのエラーレートの判定に広く利用することができる。このエラーレート判定方法は、前記実施例のようなハードウェアにより実施することの他、コンピュータシステム等のソストウェアによっても同様に実施することができる。
【0118】
前記エラー無しの検出信号とエラー有りの検出信号の積算は、前記のようなデジタルカウンタ回路を用いるものに代えて、アナログ的に行なうようにするものであってもよい。例えば、チャージポンプ回路を利用して、前記キャリー信号により一定量の電荷をキャパシタに蓄積し、前記ボロー信号により前記エラーレートに対応した大きな電荷量を上記キャパシタから放出させるようにしたり、アロログ演算回路により前記キャリー信号に対応した単位電圧をキャパシタの保持電圧に加算して積算させ、前記ボロー信号に対応してエラーレート倍された電圧を減算させて積算結果とするものであってもよい。この発明が適用されるダイナミック型RAMにおいて、メモリアレイの構成は、相補のビット線を平行に延長させるいわゆる折り返しビット線(2交点)方式、あるいはセンスアンプを中心にして相補ビット線を両側に延長させるという、いわゆるオープンビット線(1交点)方式等何であってもよい。
【0119】
この発明は、各種データの転送や記憶を行なうシステムでのエラーレート判定方法及びこのエレーレート判定方法を用いたDRAM混載システムLSI、DRAMメモリモジュール、マルチチツプモジュールメモリ、積層CSPメモリ等DRAM及び各種メモリ回路やデータ転送回路を含む半導体集積回路装置に広く利用することができる。
【0120】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。複数のデータとそれに対応した検査ビットを用いて誤り検出動作を行ない、誤りのないことの第1検出信号を第1方向に積算し、誤りのあることの第2検出信号を上記第1検出信号よりも大きな所望のエラーレートに対応した重みを持って上記第1検出信号の積算を減ずる第2方向に積算させ、かかる積算結果により、それまで処理されたデータに関してのエラーレートを正確に判定することができる。
【0121】
情報保持モードのときに起動されて、ダイナミック型メモリセルを有するメモリ回路に保持された複数のデータを読み出して誤り検出訂正用の検査ビットを生成して追加メモリ回路に記憶させ、ECC回路により一定のリフレッシュ周期で上記複数のデータとそれに対応した検査ビットを読み出して誤り検出と訂正を行ない、誤りのないことの第1検出信号を第1方向に積算し、誤りのあることの第2検出信号を上記第1検出信号よりも大きな重みを持って、しかも第1積算を減ずる第2方向に積算させ、その積算量が上記第1方向において一定の量を超えたときに上記リフレッシュ周期を所定の時間だけ長くし、上記積算量が上記第2方向において一定の量を超えたときに上記リフレッシュ周期を所定時間だけ短くするエラーレート選定回路を設けることにより、高い信頼性を確保しつつ情報保持動作の低消費電力化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願が適用されるシステムLSIの一実施例を示す概略ブロック図である。
【図2】本願が適用されるシステムLSIの他の一実施例を示す概略ブロック図である。
【図3】図1のメモリ回路(DRAM)の一実施例を示す詳細ブロック図である。
【図4】図1の実施例に対応したDRAM部の一実施例を示す構成図である。
【図5】図2の実施例に対応したDRAMマクロ部及びSRAMマクロ部の一実施例を示す構成図である。
【図6】この発明をダイナミック型RAMに適用した場合の一実施例を示すブロック図である。
【図7】この発明に用いられるECC部を1つの半導体チップで構成した場合の一実施例を示すブロック図である。
【図8】図7のECCチップと組み合わせられるDRAMチップの一実施例を示すブロック図である。
【図9】図7のECCチップと図8のDRAMチップとを組み合わせた場合の1つの半導体記憶装置のブロック図である。
【図10】この発明に用いられるエラーレート比較器の一実施例を示す回路図である。
【図11】図10のエラーレート比較器の動作説明図である。
【図12】この発明に係るDRAMの情報保持モードでの動作の一例を説明するためのタイミング図である。
【図13】この発明に用いられるエラーレート比較器の他の一実施例を示す回路図である。
【図14】図1又は図2の実施例に適用されるDRAMの一実施例を示すブロック図である。
【図15】この発明に係る半導体集積回路装置の一実施例を示す構成図である。
【図16】この発明に係る半導体集積回路装置の一実施例を示す構成図である。
【図17】この発明を説明するための一般的なダイナミック型メモリセルのデータ保持時間の累積度数を示す特性図である。
【図18】図17の―定の累積度数におけるデータ保持持時間の温度依存性を示す特性図である。
【符号の説明】
MA…メインアンプ、WA…ライトアンプ、bank…バンク、MCC…メモリ制御回路、MIO…メモリ入出力回路、TG1…タイミング発生回路、CS1…カラムセレクタ、RD1…ロウデコーダ、SA1,SA2…センスアンプ、MA1…メモリセルアレイ、VGC…内部電圧発生制御回路。

Claims (13)

  1. 夫々が第1の数のビット数で構成される複数のデータと、前記複数の第1の数のビット数にそれぞれ対応した所定数のビット数で構成される複数の検査ビットを用いて、それぞれ誤り検出動作を行ない、
    前記第1の数のビット数で構成されるデータにそれぞれ誤りのないことの複数の第1検出信号を第1方向に積算し、
    前記第1の数のビット数で構成されるデータにそれぞれ誤りのあることの複数の第2検出信号を、上記第1検出信号よりも大きな所望のエラーレートに対応した重みを持って、それぞれ上記第1検出信号の積算を減ずる第2方向に積算させ、
    かかる前記複数の第1と第2の検出信号による積算結果を、基準エラーレートを示す所定の値と比較することにより上記複数のデータのエラーレートを判定し、
    前記エラーレートの判定に基づき、ダイナミック型メモリセルで構成されたメモリ回路のリフレッシュサイクルの頻度を制御する、ことを特徴とする半導体集積回路装置のECC制御回路のエラーレート判定方法。
  2. 請求項1において、
    上記複数のデータと上記検査ビットは、上記メモリ回路から読み出されたものである、ことを特徴とするエラーレート判定方法。
  3. 記憶キャパシタとアドレス選択MOSFETからなるダイナミック型メモリセルを含み、他の回路との間で読み出しと書き込み動作を行なわない情報保持モードを有するメモリ回路と、
    データ保持制御回路と、を備え、
    上記データ保持制御回路は、
    追加メモリ回路と、ECC回路及びエラーレート設定回路を含み、
    上記ECC回路は、
    上記メモリ回路の情報保持モードのときに起動され、上記メモリ回路に保持された夫々が第1の数のビット数で構成される複数のデータを読み出して、前記複数の第1の数のビット数にそれぞれ対応した所定数のビット数で構成される誤り検出訂正用の複数の検査ビットを生成して上記追加メモリ回路に記憶させる第1動作と、
    一定のリフレッシュ周期にそれぞれ対応して、上記複数のデータと前記複数の検査ビットを読み出してそれぞれ誤り検出と訂正からなる第2動作を行ない、
    上記エラーレート設定回路は、
    上記ECC回路での複数のデータとそれに対応した複数の検査ビットによるそれぞれの誤り検出において、前記第1の数のビット数で構成されるデータにそれぞれ誤りのないことの複数の第1検出信号を第1方向に積算し、前記第1の数のビット数で構成されるデータにそれぞれ誤りのあることの複数の第2検出信号を、上記第1検出信号よりも大きな重みを持って、しかも上記第1検出信号の積算を減ずる第2方向に積算させるエラーレートモニタ動作と、
    前記複数の検査ビットのすべてに関連する前記積算結果において、上記エラーレートモニタ動作での積算量が上記第1方向において一定量を超えたときに上記リフレッシュ周期を所定の時間だけ長くし、上記積算量が上記第2方向において一定量を超えたときに上記リフレッシュ周期を所定時間だけ短くするエラーレート設定動作と、
    を行なう、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  4. 請求項3において、
    上記追加メモリ回路は、上記メモリ回路と同じダイナミック型メモリセルで構成され、X系のアドレス選択回路が共用されるものである、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  5. 請求項3又は4において、
    上記情報保持モードとメモリ回路のリード/ライト動作を含む通常モード時に共用されるリフレッシュアドレス発生回路を備え、
    上記ECC回路は、上記リフレッシュアドレスに指定されたワード線の中から上記データを選択するECCアドレス発生回路を備え、
    上記リフレッシュアドレス発生回路で形成されたX系アドレス信号と、上記ECCアドレス発生回路で形成されたY系アドレス信号とはアドレス制御回路に伝えられて、上記情報保持モードと通常モード時に対応して上記メモリ回路に伝えられるものである、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  6. 請求項5において、
    上記リフレッシュアドレス発生回路は、前記情報保持モード時、温度依存タイマにより周波数が制御される発振信号を分周する可変分周回路で形成された起動信号によりリフレッシュアドレス信号を生成するものであり、
    上記可変分周回路は、その分周比が上記エラーレート設定回路により設定されることにより上記リフレッシュ周期がエラーレートに対応して切り替えられる、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  7. 請求項3ないし6のいずれかにおいて、
    上記第1検出信号に対する第2検出信号の重みの比は、許容エラーレートに対応して設定されるものである、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  8. 請求項において、
    上記第1検出信号に対する第2検出信号の重みの比は、許容エラーレートに対応して設定されるものであり、
    上記許容エラーレートは複数ビットからなる2進数により設定されるものであり、
    上記第1検出信号は、上記複数ビットに対応した2進の第1カウンタ回路より計数されて、そのキャリー信号が2進の第2カウンタ回路に伝えられてアップ計数動作を行なわせ、
    上記第2検出信号は、上記第2カウンタ回路に対してダウン計数動作を行うものであり、上記第2カウンタの計数値が前記可変分周回路の分周比を設定する、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  9. 請求項3ないし8のいずれかにおいて、
    上記メモリ回路とデータ保持制御回路とは1つの半導体チップ上に形成されてなる、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  10. 請求項3ないし8のいずれかにおいて、
    上記メモリ回路は第1半導体チップに形成され、
    上記データ保持制御回路は第2半導体チップに形成され、
    上記第1半導体チップと第2半導体チップは、マルチチップパッケージに搭載されるものである、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  11. 請求項10において、
    上記第1半導体チップと第2半導体チップは、制御コマンド及びデータ通信線により相互に接続され、それぞれの半導体チップにかかる通信回路が設けられるものである、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  12. 請求項10又は11において、
    上記第1半導体チップと第2半導体チップは、積層構造にされて1つのパッケージに搭載されるものである、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  13. 請求項3ないし12のいずれかにおいて、
    上記データ保持制御回路は、上記エラーレートモニタ動作での積算量に対応して、メモリセルに書き込む電圧レベル又は基板電圧を制御する機能も有する、ことを特徴とする半導体集積回路装置。
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