JP4707507B2 - 木部材接合構造 - Google Patents

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Description

本願発明は、木造建築物における柱や梁等の木部材と、同様の木部材又は基礎等の被接合部材とを接合する構造に係り、特に木部材に金属からなる埋め込み部材を埋め込んで固着し、この埋め込み部材と被接合部材とを接合金具を介して接合する構造に関する。
木造建築物において、柱と梁とをいわゆる剛結合、つまり曲げモーメントの伝達が生じる結合とし、軸組みをラーメン構造とする提案がなされている。このような構造では、柱と梁とを、又は柱と基礎とを曲げモーメントの伝達が可能に接合する必要が生じる。また、接合部に引張力が作用する場合もある。
上記にように曲げモーメントや引張力の伝達が可能に木部材を接合する構造としては、例えば、特許文献1に以下のような接合構造が提案されている。
この接合構造は、断面が長方形で長辺が短辺の3倍から5倍程度となっている部材を柱及び梁として用い、これらを接合するものである。柱は梁の上面は下面に当接して接合されるものであり、柱の下端又は上端における長辺方向の両端部に切り欠きが設けられ、この切り欠きから柱の軸方向に2本のスクリュー部材がねじ込まれている。スクリュー部材は、棒状の鋼部材の側面に螺旋状の張り出し部を備えたものであり、端面から軸線方向にボルト穴が穿設され、内周面には雌ねじが切削されている。上記切り欠き内にはそれぞれ接合金具が装着され、上記スクリュー部材の端面からボルト穴に螺合したボルトによって、このスクリュー部材と結合されている。一方、梁の対応する位置にも鉛直方向に2本のスクリュー部材がねじ込まれており、柱の上面又は下面は柱の端面と当接されるとともに接合金具に当接される。そして、梁にねじ込まれたスクリュー部材の端面に形成されたボルト穴に螺合されたボルトによって接合金具が、梁にねじ込まれたスクリュー部材とも強固に結合されている。
特開2004−143779号公報
しかしながら、上記のような接合構造では、次に示すような改良が望まれる課題がある。
地震等、大きな水平力が構造物に作用すると、ラーメン構造体の柱と梁との接合部又は柱の下端つまり柱と基礎との接合部に大きな曲げモーメントが作用する。接合部に大きな曲げモーメントが生じた場合、接合金具及びスクリュー部材と接合金具とを結合するボルトには引張力が作用し、上下方向に変形が生じる。接合金具は、終局耐力の大きなものが用いられ、一般に接合構造の終局状態はボルトの破断が生じたときとなる。そして、ボルトは、引張応力が生じている範囲がボルトの頭部からスクリュー部材に螺合されている部分までで、その長さが短く、終局時に伸びが生じる範囲が少ない。このため、終局状態でボルトに生じている変形量は少なくなる。
一般に構造物は、終局状態における変形量つまり塑性変形が大きいと、ねばりのある強靱な構造となることが知られている。特にラーメン構造のような不静定構造物は、構造物の各部が大きな塑性変形を許容するものであると、大きな荷重が作用して構造躯体の一部に塑性変形が生じたときに、曲げモーメントの再分配が生じ、終局破壊までの耐力が向上する。また、地震時のように繰り返し荷重(振動)が作用するときには、塑性変形が生じることによって運動エネルギーが吸収され、振動が減衰して終局破壊に対する安全性が向上する。
したがって、柱と梁との接合部等において終局破壊までの変形量を大きくし、構造物の終局耐力を向上させることが望まれている。
一方、小さな荷重つまり構造部材が十分に安全な範囲で荷重が作用しているときには、接合部分の変形量は小さく抑えることが望ましい。荷重載荷の初期状態における荷重と変形との関係では、できるだけ変形量を小さくし、剛性が大きい状態とすることが望まれている。剛性が小さいと構造躯体が変形し易くなり、小さな地震でも揺れやすくなってしまう。
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、木部材を被接合部材と接合する構造において、終局状態までの塑性変形量を大きくし、構造物の安全性を向上すること、又はこれに加えて接合部の初期剛性を高め、構造物に設計上考慮される荷重が作用している状態では変形量を小さく抑制することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 木部材と他の被接合部材との接合構造であって、 該木部材には、金属からなる棒状の埋め込み部材が、該埋め込み部材のほぼ全長にわたって埋め込んで固定されており、 該埋め込み部材の端面に当接して接合金具が固着されるともに、該接合金具が前記被接合部材に固着されており、 前記埋め込み部材には、前記接合金具が固着される端面から軸線方向に中空孔が設けられ、 該中空孔は該埋め込み部材の全長の中央部付近まで設けられて、該中空孔の底部に雌ねじが切削されており、 前記端面から該中空孔に挿入した長ボルトの先端部が前記雌ねじに螺合されて該埋め込み部材に係止されるとともに、該長ボルトの前記雌ねじとの螺合部から前記端面までは前記中空孔の内径より小径となって、前記中空孔の内周面との間が離隔しており、 該長ボルトの後端部に螺合した締付ナットを前記接合金具に係止し、締め付けて該接合金具が前記埋め込み部材に固着されている木部材接合構造を提供する。
この接合構造では、上記接合金具によって接合された木部材と被接合部材との間で引き離そうとする力が作用したときに、長ボルトに引張力が作用する。そして、この接合構造の終局状態を考えると、長ボルトの引張力がその終局強度より大きくなったときに長ボルトが破断し、接合構造が破壊されるように設定することができる。
長ボルトは、一端が接合金具に係止されるとともに、他端は埋め込み部材の中空孔に挿入して係止され、この長ボルトの中間部分は埋め込み部材の中空孔内で伸縮が許容される状態となっている。したがって、上記のように木部材と被接合部材との間に引き離す力が作用したときに、長ボルトにはほぼ全長にわたって引張力が作用する。そして、この長ボルトの引張応力が降伏点に達し、さらに塑性変形を生じて破断するときには、長さ方向の広い範囲で塑性変形が生じ、終局的な破断までの変形量が大きくなる。このように長ボルトの変形量が大きくなることによって接合構造も終局的な破壊が生じるまでの塑性変形量が大きくなる。したがって、このような接合構造が採用された構造物では、大きな荷重が作用して破壊に至るまでに、曲げモーメント等の断面力の再分配が生じ、終局耐力が向上する。また、地震時等の繰り返し荷重が作用したときには、塑性変形によって振動のエネルギーを吸収し、いわゆる制震作用によって構造物の振動が減衰され、揺れが大きくなるのが抑制される。
一方、長ボルトに作用する引張力は、埋め込み部材と係止された位置でこの埋め込み部材に伝達され、埋め込み部材を引き抜く方向の力となって作用する。この力は、図16に示すように、埋め込み部材の外周面から木部材へ伝達される。したがって、長ボルトが係止された位置より引き抜き側には、埋め込み部材に圧縮力が作用し、長ボルトが係止された位置より先端側には引張力が作用する。このように、長ボルトを中空孔に挿入して係止することにより、従来の接合構造で埋め込み部材の端部にボルトが螺合される構造に比べて、埋め込み部材に生じる引張力が著しく減少する。これにより、埋め込み部材に鋳造品等を用いることが可能となり、製造コストを低減することが可能となる。
なお、この接合構造では、終局状態における破壊は長ボルトで生じるように設計するのが望ましく、接合する部材の寸法、剛性、強度等に応じ、上記長ボルトの径、材質等を適切に選択することができる。これにより、終局状態における破壊パターンを制御することができ、より安全な設計が可能となる。
請求項2に係る発明は、 木部材と他の被接合部材との接合構造であって、 該木部材には、金属からなる棒状の埋め込み部材が、該埋め込み部材のほぼ全長にわたって埋め込んで固定されており、 該埋め込み部材の端面に当接して接合金具が固着されるともに、該接合金具が前記被接合部材に固着されており、 前記埋め込み部材には、前記接合金具が固着される端面から反対側の端面に貫通する軸線方向の中空孔が設けられ、 該埋め込み部材の前記反対側の端面付近には、前記中空孔の内周面に雌ねじが切削されており、 前記端面から該中空孔に挿入した長ボルトの先端部が前記雌ねじに螺合されて該埋め込み部材に係止されるとともに、該長ボルトの前記雌ねじとの螺合部から前記端面までは前記中空孔の内径より小径となって、前記中空孔の内周面との間が離隔しており、 該長ボルトの後端部に螺合した締付ナットを前記接合金具に係止し、締め付けて該接合金具が前記埋め込み部材に固着されている木部材接合構造を提供するものである。
この接合構造における埋め込み部材では、中空孔が軸線方向に貫通し、長ボルトの先端は接合金具が固着される端部と反対側の端部に螺合されるので、この長ボルトを螺合するための雌ねじは近くの端面から切削することができ、加工が容易となる。また、長ボルトに引張力が作用したときに、埋め込み部材のほぼ全長にわたって圧縮力が作用するものとなる。
請求項3に係る発明は、 木部材と他の被接合部材との接合構造であって、 該木部材には、金属からなる棒状の埋め込み部材が、該埋め込み部材のほぼ全長にわたって埋め込んで固定されており、 該埋め込み部材の端面に当接して接合金具が固着されるともに、該接合金具が前記被接合部材に固着されており、 前記埋め込み部材には、前記接合金具が固着される端面から反対側の端面に貫通する軸線方向の中空孔が設けられ、 前記端面から該中空孔に長ボルトが挿入されて貫通し、該長ボルトの先端部に螺合された定着ナットが該埋め込み部材の反対側の端面に当接して係止されるとともに、該長ボルトは前記中空孔の内径より小径となって、前記中空孔の内周面との間が離隔しており、 該長ボルトの後端部に螺合した締付ナットを前記接合金具に係止し、締め付けて該接合金具が前記埋め込み部材に固着されている木部材接合構造を提供するものである。
この接合構造では、長ボルトは先端に螺合されたナットによって埋め込み部材に係止されるので、埋め込み部材には雌ねじを切削する必要はなく、埋め込み部材の加工が容易となって製作費用を低減することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の木部材接合構造において、 前記埋め込み部材は、外周面に螺旋状の張り出し部を有するスクリュー部材であって、木部材にねじ込まれて前記張り出し部が木部材と係合して一体化されるものとする。
上記スクリュー部材は、木部材にあらかじめ穿設された孔にねじ込むことにより、外周面の張り出し部が木部材と係合されて強固に一体化される。したがって、接合金具及び長ボルトを介してこのスクリュー部材を引き抜く方向に力が作用しても強固に抵抗するものとなる。
請求項5に係る発明は、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の木部材接合構造において、 前記埋め込み部材は、木部材に穿設された孔に挿入され、該埋め込み部材の外周面と前記孔の内周面との間に充填された接着剤によって一体化されるものとする。
上記埋め込み部材は、接着剤によって木部材と強固に一体化され、木部材から引き抜く方向の力に対して十分に抵抗することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の木部材接合構造において、 前記長ボルトの前記接合金具に係止される側の端部には中間ナットが螺合され、該中間ナットが前記埋め込み部材の端面に当接されており、該中間ナットと前記締付ナットとの間に前記接合金具の一部を挟み込んで該接合金具が固着されているものとする。
上記木部材1と被接合部材2との間に引き離そうとする力が作用し、接合金具14から長ボルト13の引張方向に力が作用したときに、図17(a)に示すように伸びが生じた長ボルト13は埋め込み部材11の中空孔から引き出されるが、接合金具14の一部は中間ナット17と締付ナット16との間に挟み込まれた状態が維持される。そして、長ボルト13に塑性変形が生じた後、荷重の方向が反転して木部材1と被接合部材2との間に押し付けようとする力が作用すると、接合金具14が中間ナット17に係止され、長ボルト13に圧縮応力を生じさせる。これに対し、中間ナット17が用いられていないと、図17(b)に示すように長ボルト13の塑性変形は残留したまま接合金具14が元の位置に戻ることになる。
上記のように、長ボルト13に引張側への塑性変形が生じた後、荷重の方向が反転したときに圧縮側にも長ボルト13が塑性変形を生じることになり、地震荷重のように繰り返し方向が反転する荷重が作用したときに、力と変位との関係が大きな範囲を囲むような履歴曲線を描く。これにより、部材が運動エネルギーを吸収して振動を抑制する効果が生じる。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の木部材接合構造において、 前記長ボルトは、軸線方向の弾性的な伸びが生じた状態で両端がそれぞれ前記埋め込み部材又は前記接合金具に係止されており、該長ボルトからの反力によって該埋め込み部材に圧縮力が導入されているものとする。
この接合構造では、あらかじめ長ボルトに引張力が導入されており、接合金具を埋め込み部材に押し付けるように作用している。したがって、木部材と被接合部材との間に引き離そうとする力が作用し、接合金具から長ボルトの引張方向に力が作用したときに、その力が接合金具と埋め込み部材の端面との間に作用している圧縮力を上回るまで、埋め込み部材の中空孔から長ボルトが引き出されてこない。このため、接合された木部材と被接合部材との間の変位量は、載荷初期において小さく抑えられ、接合部の剛性は大きくなる。したがって、このように部材が接合された構造物の剛性も大きくなり、設計上考慮された荷重での変形量が少なく、揺れにくい構造とすることができる。
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の木部材接合構造において、 前記長ボルトの前記接合金具に係止される側の端部には中間ナットが螺合され、該長ボルトに軸線方向の弾性的な伸びが生じた状態で、前記中間ナットが前記埋め込み部材の端面に当接され、該中間ナットと前記締付ナットとの間に前記接合金具の一部を挟み込んで該接合金具が固着されているものとする。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の木部材接合構造において、 前記埋め込み部材は、前記長ボルトを前記中空孔に挿通して先端部を係止し、該長ボルトに軸線方向の弾性的な伸びが生じた状態で前記中間ナットが前記埋め込み部材の端面に当接された後に、前記木部材に埋め込まれたものとする。
この接合構造では、埋め込み部材と接合金具との間で長ボルトに中間ナットが螺合されているので、接合金具を埋め込み部材に装着する前に、中間ナットを締め付けて長ボルトに引張力を導入することができる。つまり、工場等において長ボルトの先端を埋め込み部材に定着するとともに引張力が導入され伸びが生じた状態で中間ナットを締め付け、中間ナットが埋め込み部材の端面に圧接された状態としておくことができる。そして、この状態で木部材に埋め込むことができる。
上記のように長ボルトが挿入された埋め込み部材が木部材に埋め込まれ、中間ナットに当接するように接合金具が固着されていると、接合金具を埋め込み部材から引き離す方向に力が作用したときに、その力が中間ナットと埋め込み部材との圧接力を上回るまで長ボルトは埋め込み部材の中空孔から引き出されない。したがって、接合金具と埋め込み部材との間の変位量が小さくなり、接合部の剛性が大きくなる。
また、接合部で木部材と被接合部材とを近づける方向の力つまり圧縮力が作用した場合、埋め込み部材の端面が接合金具に直接当接されるのに比べて、中間ナットが介挿されることによって当接面が大きくなるとともに、圧接面が平坦となって双方が密着する。したがって、埋め込み部材から接合金具に対して圧縮力が伝達されるときに、力が局部に集中することがなくなり、接合金具の破壊に対する安全性が向上する。
請求項10に係る発明は、 請求項1から請求項9までのいずれかに記載の木部材接合構造において、前記木部材は断面が長方形の柱であり、該木部材の端部における長辺方向の両端部にそれぞれ切り欠きが設けられ、 前記埋め込み部材は、該切り欠き内から該柱の軸線方向に埋め込まれ、 前記接合金具は該切り欠き内に固着され、 該柱の端面は、前記被接合部材の水平面に対向して接合されているものとする。
この接合構造では、柱の断面が扁平な長方形となっており、長辺方向の両端部が、上記埋め込み部材と接合金具とによって連結されているので、長辺方向に作用する曲げモーメントに対して有効に抵抗が可能な構造となる。また、両端部のみに接合金具を設ける構造となっているので、簡単な構造で柱の軸力と曲げモーメントとを有効に伝達する構造となる。
以上説明したように、本願発明に係る木部材接合構造は、木部材と被接合部材との間でこれらを引き離そうとする力が作用したときに、終局状態に至るまでの塑性変形量が大きくなり、接合された部材による構造物の靱性を高め、粘り強い構造とすることができる。特に柱部材の上端又は下端を梁又は基礎と接合するときに、柱の断面内の二点がこの接合構造によって結合されていると、柱の上端又は下端を曲げモーメントの伝達が可能に接合することができる。そして、この接合部の塑性変形量を増大させ、終局状態に対する安全性を向上させることができる。
また、埋め込み部材と接合金具とを結合する長ボルトに予め引張力を導入しておくことによって接合部の初期剛性を高め、通常の使用状態で構造物に作用する荷重に対する変形や揺れを小さく抑えることができる。
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の木部材接合構造が好適に用いられる木造建築物の構造躯体を示す概略斜視図である。
この構造躯体は、木製柱1と木製梁2とを曲げモーメントの伝達が可能に接合したラーメン架構体からなるものであり、コンクリート製の基礎3上で複数のラーメン架構体を組み合わせて形成されている。それぞれのラーメン架構体は、木製の柱1の上に木製の梁2を載置して接合するいわゆる梁勝ち構造となっており、それぞれのラーメン架構体を構成する柱1及び梁2は、これらの軸線を含む立面と平行な方向の断面寸法を大きく、これと直角方向の断面寸法を小さくして扁平な部材となっている。したがって、各ラーメン架構体の接合部は一方向の曲げに抵抗する構造となっている。
図2は、図1に示す構造躯体で用いられる基礎3と柱1との接合構造であって、本願に係る発明の一実施形態を示す分解斜視図である。また、図3は、同じ接合構造の断面図であり、ラーメン架構体の軸線と平行な断面を示すものである。
この接合構造では、柱1の下端面における長辺方向の両端部に切り欠き部1aが設けられており、切り欠き部1aからこの柱の軸線方向に2本の埋め込み部材すなわちスクリュー部材11がねじ込まれている。そして、この切り欠き部1aに接合金具14が装着され、スクリュー部材11の軸線方向に螺合された長ボルト13とこの長ボルトに螺合される締付ナット16とによって、上記接合金具14がスクリュー部材11に固着されている。
一方、基礎3には、柱のスクリュー部材11がねじ込まれた位置と対応する位置に、それぞれ鉛直方向のアンカーボルト12が埋め込まれ、頭部が基礎3の上面より突き出している。そして、このアンカーボルト12に螺合された締付ナット15によって接合金具14が基礎3に固着されている。これにより、基礎3と柱1とはアンカーボルト12,接合金具14、長ボルト13及びスクリュー部材11を介して接合されている。
上記スクリュー部材11は、図4に正面図及び断面図を示すように、棒状の鋼部材の側面に螺旋状の張り出し部11aを設けたものである。木部材にねじ込まれた状態で張り出し部11aが木部材と係合し、相互間でこのスクリュー部材11の軸線方向及び軸線と直角方向に力が伝達されるものとなっている。また、このスクリュー部材11の端面から軸線方向に中空孔11bが設けられており、中空孔11bの底部には雌ネジ11cが切削されている。この雌ねじ11cは、中空孔11bに挿入した長ボルト13の先端が螺合されるものである。
このスクリュー部材11は、棒状の鋼材を切削して螺旋状の張り出し部11aを形成して良いが、鋳造によって張り出し部を有するスクリュー部材を形成しても良い。
上記長ボルト13は、図2又は図3に示すように、両端部に雄ネジ13a、13bが切削されており、一端はスクリュー部材11の中空孔11bに挿入されて底部の雌ねじ11cに螺合されるものである。他端は締付ナット16が螺合され、接合金具14に係止される。そして、中間部13cの外径は、スクリュー部材の中空孔11bの内径より小さくなっており、スクリュー部材の中空孔11b内で変形が拘束されないようになっている。
この長ボルト13は、軟鋼等の破断までの塑性変形量が大きい材料で形成するのが望ましく、構造物の使用部位、構造物を構成する部材の寸法等によって材料や径等を適宜に選択することができる。
上記長ボルト13に係合した締付ナット16によって接合金具14をスクリュー部材11に固着するときには、接合金具14がスクリュー部材11の端面に密着するように締め付けるものであるが、さらに長ボルト13に大きな引張力が作用して弾性的な伸び変形が生じた状態で接合金具14を固着してもよい。このように締め付けた状態では、スクリュー部材11の端面と接合金具14の上面との間には大きな圧接力が予め作用している。
上記接合金具14は、図5及び図6に示すように、互いに対向する二つの水平板部31,32と、これらを連結する側板部33とを備え、側板部は、水平板部31,32の周縁に沿った一部でこれらの水平板部間を開放するように設けられている。二つの水平板部31,32は、柱1にねじ込まれたスクリュー部材11の端面及び基礎3にそれぞれ当接される。そして、上側の水平板部33にはボルト孔34が設けられ、長ボルトの下端が挿通されるものとなっている。下側の水平板部1cには、上記ボルト孔34より径が大きい円孔35が形成されている。この円孔35には内側から円形プレート36が係止され、厚さ方向の一部がこの円孔内に嵌め入れられて周方向の回転が可能となっている。そして、この円形押レート36には中心から半径方向に軸線を有する長孔37が設けられており、この長孔に基礎3から突き出したアンカーボルトが挿通されるものとなっている。
上記円形プレート36は、円孔35内に一部が嵌め入れられた状態で周方向に回転し、中心から半径方向に設けられた長孔37の方向を自由に調整することができる。したがって、アンカーボルト12の位置に誤差があっても、これに対応してアンカーボルト12を長孔37内に挿通することができ、これに螺合した締付ナット15により、円形プレート36を介して接合金具14を基礎3に固着することができる。
なお、接合構造の終局破壊時における変形量を制御するために、長ボルトの破断によって破壊が生じるように設定しておくのが望ましく、接合金具14が十分な強度と剛性を有するように、部材厚の設定及び材料の選択を行うのが望ましい。
図7は、上記のような接合構造によって基礎3上に立設された柱1に、水平方向の大きな力Hが作用したときの状態を示す概略図である。
例えば地震時のように柱1の上部に大きな水平力が作用すると柱1の下端には大きな曲げモーメントが発生し、柱の下端部における一方の側縁部には圧縮力が、他方には引張力が作用する。
引張力が生じた側では、柱1にねじ込まれたスクリュー部材11から長ボルト13を介して接合金具14に引張力が伝達される。そして、接合金具14はアンカーボルト12によって拘束され、柱1の側縁部に生じる引張力に抵抗する。このとき長ボルト13にはスクリュー部材11に螺合された一方の端部13aと締付ナット16が螺合された他方の端部13bとの間に引張力が作用し、伸び変形が生じる。そして、長ボルト13の引張力が増加するのにともなって、長ボルト13がスクリュー部材の中空孔11bから引き出され、柱1と基礎3との間に変形が生じる。長ボルト13の引張応力が降伏点を超えると長ボルト13の長さ方向における広い範囲で塑性変形が生じ、スクリュー部材11の端面は接合金具14の上面から離れて柱と基礎との間の変形量が増大する。しかし、柱1と基礎3とは塑性変形が生じた状態で曲げモーメントに抵抗しており、終局破壊が生じる状態まで大きな変形を生じるものとなる。
なお、長ボルト13が予め引張力が生じた状態で締め付けられていると、この反力によってスクリュー部材11と接合金具14との間に上記引張力の反力として圧接力が作用している。この状態で、柱1及びこれにねじ込まれたスクリュー部材11を上方へ引き離そうとする力が生じると、スクリュー部材11と接合金具14との間の圧接力が減少し、この圧接力が消滅した後に長ボルト13がスクリュー部材11の中空孔から引き出され、スクリュー部材11の端面が接合金具14から離れて変形が大きく増大する。したがって、作用する水平力が小さいときにはスクリュー部材11の端面と接合金具14とが密着した状態が維持され、変形量が小さくなって荷重が小さいときの剛性つまり初期剛性が増大する。つまり、初期荷重に対する変形量、揺れが小さくなる。
一方、柱1の下端面における圧縮力が生じた側では、圧縮力がスクリュー部材11からこれに当接する接合金具14に伝達され、接合金具14の側板部33を介して基礎3に支持される。
図8は、図1に示す構造躯体で用いることができる基礎3と柱1との接合構造であって、本願に係る発明の他の実施形態を示す断面図である。
この接合構造は、図3に示す接合構造と同様に加工された柱1と、同様にアンカーボルト42が埋め込まれた基礎3とを接合するものであり、同じ接合金具44を用いる。ただし、柱1にねじ込まれているスクリュー部材41は、中空孔が一方の端面から他方の端面まで貫通しており、一方の端面付近に雌ねじが形成されている。そして、使用される長ボルト43はスクリュー部材41とほぼ同じ長さもしくはスクリュー部材41より長いものが用いられている。
この長ボルト43は、木製の柱1にねじ込まれたスクリュー部材41の中空孔に、柱の端面側から挿入され、先端部がスクリュー部材41の反対側の端面付近に切削された雌ネジと螺合される。これにより、長ボルト43の先端部はスクリュー部材41に係止され、反対側の端部はスクリュー部材41から突出する。この長ボルト43には、図3に示す接合構造と同様にナット46が螺合され、接合金具44が固着される。また、この接合金具44は、図3に示す接合構造と同様にアンカーボルト42及び締め付けナット45によって基礎3に接合される。
このような接合構造でも、柱1の下端部に大きな曲げモーメントが生じて曲げ変形が生じたときに、長ボルト43のほぼ全長にわたって引張力が生じ、柱1と基礎3との接合部が終局破壊に至るときには、長ボルト43の広い範囲で塑性変形が生じ、柱1と基礎3との接合部が破壊されるまでの変形量が増大する。
また、スクリュー部材41に設けられた中空孔が一方の端面から反対側の端面まで貫通しており、長ボルト43を係止するための雌ねじを切削する加工を容易に行うことができる。
なお、スクリュー部材は、図9に示されるように、中空孔が一様な内径で貫通するものを用い、長ボルト53の先端部がワッシャー58を介して、長ボルト53に螺合された定着ナット57によって係止されるものであってもよい。このような構成とすることによって、スクリュー部材51の加工が容易となり、製作費用をさらに低減することができる。
図10は、図1に示す構造躯体で用いられる柱1と基礎3との接合部に用いることができる接合構造であって、本願発明の他の実施形態を示す断面図である。
この接合構造では、図9に示す接合構造で用いられているものと同じスクリュー部材51、長ボルト53、定着ナット57ワッシャー58及び接合金具54を使用するものであるが、スクリュー部材51と接合金具54と間に中間ナット59が用いられている。この中間ナット59は、スクリュー部材51の反対側にある定着ナット57との間で、長ボルト53に引張力が導入された状態でスクリュー部材51に係止されている。つまり長ボルト53に作用する引張力の反力として、定着ナット57及び中間ナット59はそれぞれスクリュー部材51の端面に押し付けられ、スクリュー部材51には全長にわたって圧縮力が導入されている。そして、接合金具54は中間ナット59に当接され、さらに重ねて螺合された締付ナット56によってスクリュー部材51に固着されている。
上記接合構造では、柱1と基礎3とは次のような工程で接合される。
スクリュー部材51は、木製の柱1にねじ込まれる前に予め長ボルト53が挿通され、両端に定着ナット57と中間ナット59が螺合される。そして、長ボルト53に引張力を導入し、弾性的な伸びが生じた状態で中間ナット59又は定着ナット57を締め付け、スクリュー部材51に圧縮力が生じた状態とする。このスクリュー部材51を長ボルト53が挿通されたまま木製の柱1に穿設した孔にねじ込み、中間ナット59から突き出した長ボルト53を柱の切り欠き1a内の表面から突出した状態とする。この突出した長ボルト53を接合金具54のボルト孔34に挿通し、締付ナット56によって接合金具54をスクリュー部材51に固着する。
接合金具54が固着された柱1は吊り上げて建て込む位置に搬送し、アンカーボルト52を接合金具54の長孔37に挿通して所定の位置に立設する。アンカーボルト52には、締付ナット55を螺合し、これを締め付けることによって接合金具54が基礎3に固着され、この接合金具54を介して基礎3と木製の柱1とが接合される。
上記のように基礎3と接合された柱1は、下端部に曲げモーメントが生じたときに、引張側ではスクリュー部材51及び長ボルト53の上端部とともに柱1を上方に引き揚げようとする力が作用する。一方、長ボルト53の下端部及び螺合されている中間ナット59は、接合金具54を介して基礎3に拘束されている。したがって、上方へ引き揚げようとする力によって長ボルト53には伸びが生じるが、中間ナット59とスクリュー部材51の端面との間に圧接力が作用しており、上記引き揚げ力によって圧接力が消滅するまでは、長ボルト53伸び量は極僅かであり、接合部の変形が小さくなる。そして、上記圧接力が消滅した後に長ボルト53の伸びが増大し、端部がスクリュー部材51の中空孔から引き出される。さらに大きな曲げモーメントが作用することによって長ボルト53の長さ方向における広い範囲に塑性変形が生じ、終局破壊までの大きな変形量が確保される。
したがって、上記のような接合構造では、初期剛性を大きくして初期荷重に対する変形を小さく抑制するとともに、終局破壊までの変形量を大きくして、破壊に対する安全性を向上させることができる。
なお上記中間ナット59は、図11及び図12に示すように、図3に示す接合構造、又は図8に示す接合構造と同様に、長ボルト16,46がスクリュー部材11,41に切削された雌ねじと螺合されている場合についても、スクリュー部材11,41と接合金具14,44との間に介挿して用いることができる。
また、図11及び図12に示す接合構造では、図10に示される接合構造と同様に、載荷初期の変形量を抑制する効果の他に、次のような効果を奏する。
地震時において、柱1の下端部に作用する大きな曲げモーメントによって長ボルト13,43に引張応力が生じ、塑性変形が生じた後に反対方向の曲げモーメントが生じると、図17(a)に示すように接合金具14は中間ナット17と締付ナット16との間に挟み込まれた状態が維持されており、長ボルト13に圧縮応力を生じさせる。つまり、雌ねじに螺合して先端が固定された長ボルト13を中空孔に押し込むように作用する。そして、圧縮方向に塑性変形が生じて接合金具14が元の位置まで戻り、さらに変形が生じて柱断面の反対側に使用されている長ボルト13に引張力が生じる。そして、この長ボルト13に作用する引張力が降伏点を超えると塑性変形が生じる。このような変形が地震時の震動によって繰り返されると、接合部の変形と曲げモーメントとの関係は、図18(a)に示すような履歴曲線を描くことになる。
これに対し、中間ナットが用いられていないと、図17 (b)に示すように塑性変形が生じた長ボルト13の塑性変形は残留したまま接合金具14が元の位置に戻ることになり、この範囲では反対方向への曲げモーメントに抵抗することなく変形が生じる。したがって、履歴曲線は図18(b)に示すとおりの形状となる。図18(a)に示される履歴曲線は、図18(b)に示される履歴曲線に比べてこれらの曲線で囲まれる範囲が大きくなっている。つまり、長ボルト13に中間ナット17が螺合されていることにより、長ボルト13の塑性変形によるエネルギーの吸収量が増大しており、地震時における震動のエネルギーを吸収して震動を減衰するものである。
なお、上記のような地震時の震動を抑制する効果は、中間ナット17,47が締付ナット16,46との間に接合金具14,44を挟み込むように螺合されていれば、長ボルト13,43は雌ねじに螺合された先端部と中間ナット17,47との間に伸びが生じた状態で係止されていなくてよい。
図13は、本願に係る接合構造を、図1に示すラーメン架構体の柱1と梁2との接合に用いた例を示す断面図であり、ラーメン架構体の軸線と平行な断面を示すものである。
この接合構造では、柱1の上端面における長辺方向の両端部に切り欠き部1bが設けられており、切り欠き部1bからこの柱1の軸線方向にスクリュー部材61がねじ込まれている。スクリュー部材61、長ボルト63、締付ナット66及び接合金具64は、図10に示す接合構造と同じものが用いられている。
梁2には、柱1にねじ込まれたスクリュー部材61と対応する位置に、梁用のスクリュー部材71がねじ込まれており、このスクリュー部材71には端面から軸線方向にネジ穴が穿設されている。そして、内周面に雌ねじが切削されており、この雌ねじに螺合されるボルト72によって接合金具64が梁2にねじ込まれたスクリュー部材71に固着されている。
このような接合構造でも、柱1と基礎3とを接合する場合と同様に、終局破壊までの塑性変形量を大きくすることができ、ラーメン架構体の安全性を向上させることができる。また、柱1と梁2との接合部に、図3、図8、図9、図11又は図12に示す接合構造で用いられるスクリュー部材11,41,51及び長ボルト13,43,53等を用いることもでき、同様に終局破壊までの塑性変形量を増大するともに、初期剛性を大きくすることもできる。また、これらのスクリュー部材11,41,51及び長ボルト13,43,53等を梁にねじ込んで用いることもできる。
以上に説明した接合構造は、埋め込み部材として、金属の棒状材の周面に螺旋状の張り出し部を有するスクリュー部材を用いるものであったが、いずれの接合構造においても、上記スクリュー部材に代えて、木部材と接着剤で一体化する埋め込み部材を用いることができる。
この埋め込み部材81、82は、例えば図14又は図15に示すように金属からなる円形断面の棒状部材であって、外周面には接着性を高くするために節状の凸部81a,82aが複数設けられたものである。この凸部は、節状に限らず、螺旋状、独立した山状に張り出したもの等、その目的に合致するものであれば様々な形状のものを採用することができる。また、凹部を設けるものであってもよい。
この埋め込み部材81,82を木製の柱1に穿設した孔に挿入し、注入口90から接着剤を注入して固化させる。これにより柱1と埋め込み部材81,82が一体に固着され、埋め込み部材81,82を引き抜こうとする力に抵抗するものとなる。
この埋め込み部材81,82には、前述のスクリュー部材で採用されているいずれのタイプの中空孔を採用することもでき、これに合わせて、同じ長ボルト83,84、締付ナット85、中間ナット86及び定着ナット87を用いて同様の接合金具88と結合することができる。
本願発明に係る接合構造が好適に用いられる木造建築物の構造躯体を示す概略斜視図である。 本願に係る発明の一実施形態である接合構造を示す分解斜視図である。 図2に示す接合構造を示す断面図であり、ラーメン架構体の軸線と平行な断面を示すものである。 図2及び図3に示す接合構造で用いられるスクリュー部材の正面図及び断面図である。 図2及び図3に示す接合構造で用いられる接合金具の斜視図である。 図5に示す接合金具の上面図、底面図及び断面図である。 図2及び図3に示す接合構造で基礎と接合された柱の変形状態を示す概略図である。 本願に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す断面図である。 本願に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す断面図である。 本願に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す断面図である。 本願に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す断面図である。 本願に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す断面図である。 本願に係る発明の他の実施形態であって、柱と梁との接合構造を示す断面図である。 本願に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す断面図である。 本願に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す断面図である。 柱にねじ込まれた埋め込み部材に作用する応力の状態を示す概略図である。 本願発明に係る接合構造に地震時の繰り返し荷重が作用したときの状態を示す概略断面図である。 本願発明に係る接合構造における断面力と変位との関係の履歴曲線を示す図である。
1:柱、 1a,1b:切り欠き部、 2:梁、 3:基礎、
11:スクリュー部材、 11a:張り出し部, 11b:中空孔, 11c:雌ねじ、 12:アンカーボルト、 13:長ボルト、 14:接合金具、 15,16:締付ナット、
31:上側の水平板部、 32:下側の水平板部、 33:側板部、 34:ボルト孔、 35:円孔、 36:円形プレート、 37:長孔、
41:スクリュー部材、 42:アンカーボルト、 43:長ボルト、 44:接合金具、 45,46:締付ナット、
51:スクリュー部材、 52:アンカーボルト、 53:長ボルト、 54:接合金具、 55,56:締付ナット、 57:定着ナット、 58:ワッシャー、 59:中間ナット、
61:スクリュー部材、 63:長ボルト、 64:接合金具、 66:締付ナット、 67:定着ナット、 68:中間ナット、
71:スクリュー部材、 72:ボルト、
81,82:埋め込み部材、 81a,82a:凸部、 83,84:長ボルト、 85:締付ナット、 86:中間ナット、 87:定着ナット、 88:接合金具


Claims (10)

  1. 木部材と他の被接合部材との接合構造であって、
    該木部材には、金属からなる棒状の埋め込み部材が、該埋め込み部材のほぼ全長にわたって埋め込んで固定されており、
    該埋め込み部材の端面に当接して接合金具が固着されるともに、該接合金具が前記被接合部材に固着されており、
    前記埋め込み部材には、前記接合金具が固着される端面から軸線方向に中空孔が設けられ、
    該中空孔は該埋め込み部材の全長の中央部付近まで設けられて、該中空孔の底部に雌ねじが切削されており、
    前記端面から該中空孔に挿入した長ボルトの先端部が前記雌ねじに螺合されて該埋め込み部材に係止されるとともに、該長ボルトの前記雌ねじとの螺合部から前記端面までは前記中空孔の内径より小径となって、前記中空孔の内周面との間が離隔しており、
    該長ボルトの後端部に螺合した締付ナットを前記接合金具に係止し、締め付けて該接合金具が前記埋め込み部材に固着されていることを特徴とする木部材接合構造。
  2. 木部材と他の被接合部材との接合構造であって、
    該木部材には、金属からなる棒状の埋め込み部材が、該埋め込み部材のほぼ全長にわたって埋め込んで固定されており、
    該埋め込み部材の端面に当接して接合金具が固着されるともに、該接合金具が前記被接合部材に固着されており、
    前記埋め込み部材には、前記接合金具が固着される端面から反対側の端面に貫通する軸線方向の中空孔が設けられ、
    該埋め込み部材の前記反対側の端面付近には、前記中空孔の内周面に雌ねじが切削されており、
    前記端面から該中空孔に挿入した長ボルトの先端部が前記雌ねじに螺合されて該埋め込み部材に係止されるとともに、該長ボルトの前記雌ねじとの螺合部から前記端面までは前記中空孔の内径より小径となって、前記中空孔の内周面との間が離隔しており、
    該長ボルトの後端部に螺合した締付ナットを前記接合金具に係止し、締め付けて該接合金具が前記埋め込み部材に固着されていることを特徴とする木部材接合構造。
  3. 木部材と他の被接合部材との接合構造であって、
    該木部材には、金属からなる棒状の埋め込み部材が、該埋め込み部材のほぼ全長にわたって埋め込んで固定されており、
    該埋め込み部材の端面に当接して接合金具が固着されるともに、該接合金具が前記被接合部材に固着されており、
    前記埋め込み部材には、前記接合金具が固着される端面から反対側の端面に貫通する軸線方向の中空孔が設けられ、
    前記端面から該中空孔に長ボルトが挿入されて貫通し、該長ボルトの先端部に螺合された定着ナットが該埋め込み部材の反対側の端面に当接して係止されるとともに、該長ボルトは前記中空孔の内径より小径となって、前記中空孔の内周面との間が離隔しており、
    該長ボルトの後端部に螺合した締付ナットを前記接合金具に係止し、締め付けて該接合金具が前記埋め込み部材に固着されていることを特徴とする木部材接合構造。
  4. 前記埋め込み部材は、外周面に螺旋状の張り出し部を有するスクリュー部材であって、木部材にねじ込まれて前記張り出し部が木部材と係合して一体化されるものであることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の木部材接合構造。
  5. 前記埋め込み部材は、木部材に穿設された孔に挿入され、該埋め込み部材の外周面と前記孔の内周面との間に充填された接着剤によって一体化されるものであることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の木部材接合構造。
  6. 前記長ボルトの前記接合金具に係止される側の端部には中間ナットが螺合され、該中間ナットが前記埋め込み部材の端面に当接されており、該中間ナットと前記締付ナットとの間に前記接合金具の一部を挟み込んで該接合金具が固着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木部材接合構造。
  7. 前記長ボルトは、軸線方向の弾性的な伸びが生じた状態で両端がそれぞれ前記埋め込み部材又は前記接合金具に係止されており、該長ボルトからの反力によって該埋め込み部材に圧縮力が導入されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の木部材接合構造。
  8. 前記長ボルトの前記接合金具に係止される側の端部には中間ナットが螺合され、該長ボルトに軸線方向の弾性的な伸びが生じた状態で、前記中間ナットが前記埋め込み部材の端面に当接され、該中間ナットと前記締付ナットとの間に前記接合金具の一部を挟み込んで該接合金具が固着されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の木部材接合構造。
  9. 前記埋め込み部材は、前記長ボルトを前記中空孔に挿通して先端部を係止し、該長ボルトに軸線方向の弾性的な伸びが生じた状態で前記中間ナットが前記埋め込み部材の端面に当接された後に、前記木部材に埋め込まれたものであることを特徴とする請求項8に記載の木部材接合構造。
  10. 前記木部材は断面が長方形の柱であり、該木部材の端部における長辺方向の両端部にそれぞれ切り欠きが設けられ、
    前記埋め込み部材は、該切り欠き内から該柱の軸線方向に埋め込まれ、
    前記接合金具は該切り欠き内に固着され、
    該柱の端面は、前記被接合部材の水平面に対向して接合されていることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の木部材接合構造。
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