JP6948754B2 - 柱脚部接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物や構造物等に用いられる柱の脚部をコンクリートからなる基礎に接合する構造に関するものである。
柱の脚部をコンクリートの基礎に接合する構造は、基礎のコンクリート中に下部を埋め込んだ複数のアンカーボルトを用いる構造が広く用いられている。複数の上記アンカーボルトは、例えば基礎の上面から突き出した上端部を、柱の下端部に固定されたベースプレートに係止し、ベースプレートを基礎に押し付けるように接合することができる。このような構造では、柱に水平方向の力が作用すると柱の下端部には曲げモーメントが発生する。そして地震時等においては水平力がその方向を反転して繰り返し作用し、これにともなって曲げモーメントも方向が反転して繰り返し作用する。
このように柱の下端部に曲げモーメントが作用すると引張側にあるアンカーボルトには引き抜き力が作用し、アンカーボルトに伸びが生じる。そして圧縮側ではベースプレートが基礎に押し付けられる。アンカーボルトの伸びは、曲げモーメントが増大して応力度が降伏点を超えると塑性変形となる。その後、曲げモーメントの方向が反転すると引張側であった領域に圧縮力が作用してベースプレートが基礎に強く押し付けられ、圧縮側であった部分にあるアンカーボルトに引張力が作用し、曲げモーメントが大きいときには塑性的な伸びが生じる。
このように曲げモーメントの方向が反転するときに、アンカーボルトの圧縮方向に該アンカーボルトとベースプレートとが拘束されていないと、アンカーボルトには伸びが生じたままベースプレートが基礎に押し付けられる位置に戻ることになり、いわゆるスリップ現象が生じる。
特許文献1及び特許文献2には、このようなスリップ現象を防止する構造が提案されている。これらの構造では、アンカーボルトに塑性的な伸びが生じた後、曲げモーメントの方向が反転したときにベースプレートからアンカーボルトに圧縮力が作用し、塑性的な伸びが生じたアンカーボルトに圧縮変形を生じさせる。これにより、アンカーボルトの応力−ひずみ履歴が大きなループを描くものとなり、震動のエネルギーを効率よく吸収して建築物や構造物等の震動を有効に減衰させるものとなる。
特開平4−80428号公報 特開平9−132941号公報
しかしながら、従来の技術には次のような解決が望まれる課題がある。
上記のように繰り返し反転する方向に曲げモーメントが作用するときに、アンカーボルトに塑性的な伸びと圧縮変形とを生じさせる構造であっても、地震動がおさまった後のアンカーボルトに塑性変形が残留することがある。建築物や構造物を地震動の負荷を受ける前の状態に修復するためにはアンカーボルトの残留変形を解消しておくことが望まれる。しかし、アンカーボルトに生じている残留変形を解消することは難しく、従来の構造ではアンカーボルトを交換して新しいものとすることもできない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンカーボルトの塑性変形によって震動等のネルギーを吸収するとともに、アンカーボルトの交換を可能とする柱脚部接合構造を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 コンクリートで主要部が形成された基礎と、 前記基礎上に立設される柱と、 前記柱の下端部に固定されたベースプレートと、 下部が前記基礎に埋め込まれ、上端部が前記基礎の上面より突出して、前記べースプレートと結合される複数のアンカー部材と、を有し、 前記アンカー部材は、 前記基礎を形成するコンクリート中に埋め込んで固定された定着部材と、 前記定着部材に設けられた雌ねじ部に下端部の雄ねじ部がねじ込まれ、前記雌ねじ部にねじ込まれた部分より上方は前記基礎を構成するコンクリート又はモルタルと非接触に維持され、上端部が前記基礎の上面により突出して前記ベースプレートに結合されるアンカーボルトと、を含むものであり、 前記定着部材は、上下方向に軸線を有する棒状体を含み、該棒状体の上端面から軸線方向に中心穴が形成され、該中心穴の底部に前記アンカーボルトの前記雄ねじ部がねじ込まれる雌ねじ部が形成され、 前記雌ねじ部より上方は、前記中心穴の内周面と前記アンカーボルトの外周面との間に環状の隙間が形成されており、 前記アンカーボルトは、前記基礎の上面より突出した部分に付与された軸線周りの回転力によって前記定着部材から抜き取りが可能に該定着部材とねじり合わされている柱脚部接合構造を提供する。
本発明において、上記定着部材は、アンカーボルトの下端部に設けられた雄ねじ部がねじり合わされ、アンカーボルトに作用する上方への引き抜き力に抵抗するものであれば、形状は限定されるものではない。例えばナットであってもよいし、ナットとこれに係止されるプレートとを含むものであってもよい。また、軸線方向にアンカーボルトを挿入することができるボルト挿入穴を有し、該ボルト挿入穴内にアンカーボルトの先端部がねじり合わされる雌ねじ部有する棒状の部材であってもよい。また、この棒状の部材は、基礎のコンクリートからの引き抜きに抵抗するための付加部材を有するものであってもよい。
この柱脚部接合構造では、柱からベースプレートを介して基礎に下方への圧縮力が伝達されるとともに、曲げモーメントが柱脚部に作用したときには、アンカー部材の引き抜き抵抗力によってベースプレートの上方への変位が制限される。また、アンカーボルトは、ベースプレートに結合される部分と定着部材にねじ込まれる下端部との間で基礎のコンクリート又はモルタルと非接触となって伸びが許容されるものとなっている。これにより、アンカーボルトに大きな引き抜き力が作用したときに伸びが許容される範囲で塑性変形が生じ、破断までの変形によって大きなエネルギーを吸収することができるものとなる。また、アンカーボルトに大きな負荷が作用して塑性変形が残留した場合等には、アンカーボルトの上部に軸線周りの回転力を付与することによってアンカーボルトを定着部材から引き抜くことができる。そして、変形が生じていない新たなアンカーボルトを基礎の上方から定着部材にねじ込むことができ、アンカーボルトを容易に交換することが可能となる。
さらに、この柱脚部接合構造では、棒状体の中心穴に挿入された部分では、アンカーボルトを基礎のコンクリート又はモルタルと非接触に維持することができ、アンカーボルトを軸線回りに回転することによって底部の雌ねじ部から抜き取り、容易にアンカーボルトを交換することができる。
また、この構造では棒状体の長さの設定によって棒状体を基礎のコンクリートに埋め込む長さを決定することができるとともに、棒状体の上端面から軸線方向に形成された中心穴の深さの設定によってアンカーボルトの長さを決定することができる。したがって、アンカー部材の基礎への埋め込み深さとアンカーボルトの長さとを、互いに独立して設定することができる。これにより、アンカーボルトに引張力が作用して降伏するまでのアンカーボルトの伸び量、及び降伏後破断するまでの伸び量を適切な値に設定することが可能であるとともに、棒状体の長さの設定によって十分な引き抜き抵抗力を有するように十分な深さまで該棒状体を基礎のコンクリート中に埋め込むことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の柱脚部接合構造において、 前記アンカーボルトは、前記ベースプレートから上方への引張力と下方への圧縮力とが伝達されるように該ベースプレートと結合されているものとする。
この柱脚部接合構造では、柱の上部に大きな水平力が作用し、柱脚部に大きな曲げモーメントが作用すると、引張側のアンカーボルトに大きな塑性変形が生じることがある。そして、地震時のように大きな水平力が方向を反転して繰り返し作用すると、引張側となって塑性的な伸びが生じたアンカーボルトには、その後に圧縮力が作用して圧縮変形が生じる。これにより、アンカーボルトの応力−ひずみ曲線は大きなループを描くものとなり、震動のエネルギーを有効に吸収して制震効果が得られる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の柱脚部接合構造において、 前記棒状体は、下端部に断面が拡大された拡大部を備えるか、又は外周面に形成された雄ねじにねじり合わされたナット、もしくは該ナットと該ナットに係止される定着プレートとが装着されているものとする。
上記棒状体は、拡大部、ナット又はナットに係止された定着プレートによって基礎のコンクリートから引き抜く力に対して大きな抵抗力を有するものとなる。
請求項4に係る発明は、 コンクリートで主要部が形成された基礎と、 前記基礎上に立設される柱と、 前記柱の下端部に固定されたベースプレートと、 下部が前記基礎に埋め込まれ、上端部が前記基礎の上面より突出して、前記べースプレートと結合される複数のアンカー部材と、を有し、 前記アンカー部材は、 前記基礎を形成するコンクリート中に埋め込んで固定された定着部材と、 前記定着部材に設けられた雌ねじ部に下端部の雄ねじ部がねじ込まれ、前記雌ねじ部にねじ込まれた部分より上方は前記基礎を構成するコンクリート又はモルタルと非接触に維持され、上端部が前記基礎の上面により突出して前記ベースプレートに結合されるアンカーボルトと、を含み、 前記ベースプレートは、上面から上方に立ち上げられた枠体を有し、 前記アンカーボルトの下部は、前記基礎の上面より突出した部分に付与された軸線周りの回転力によって前記定着部材から抜き取りが可能に該定着部材とねじり合わされており、 該アンカーボルトの上部は、前記ベースプレートの板状本体部を貫通して上端部が前記枠体の上部に結合されている柱脚部接合構造を提供するものである。
この柱脚部接合構造では、柱の下端が上方へ浮き上がるように変位しようとするときに、上記枠体を介してアンカーボルトが抵抗するものとなる。そして、基礎と密着するベースプレートの板状本体部より上方でアンカーボルトを枠体と結合することができる。これにより、大きな引張力が作用した後の塑性変形の残留状態を容易に観察することができ、交換の必要性を容易に判断することできる。また、アンカーボルトを交換する作業も容易となる。特に、アンカーボルトにベースプレートから引張力と圧縮力との双方が伝達されるように結合すること、及びこの結合を解除してアンカーボルトを交換することが容易となる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の柱脚部接合構造において、 前記アンカーボルトには、ベースプレートの板状本体部より上方で前記枠体に結合される部分より下方の少なくとも一部に、該アンカーボルトの外周面を囲むように金属の筒体が装着されているものとする。
この柱脚部接合構造では、アンカーボルトに塑性的な伸び変形が生じ、その後に圧縮力が作用したときに、ベースプレートの板状本体部より上方でアンカーボルトの曲げ変形を拘束し、座屈するのを防止することができる。
請求項6に係る発明は、 コンクリートで主要部が形成された基礎と、 前記基礎上に立設される柱と、 前記柱の下端部に固定されたベースプレートと、 下部が前記基礎に埋め込まれ、上端部が前記基礎の上面より突出して、前記べースプレートと結合される複数のアンカー部材と、を有し、 前記アンカー部材は、 前記基礎を形成するコンクリート中に埋め込んで固定された定着部材と、 前記定着部材に設けられた雌ねじ部に下端部の雄ねじ部がねじ込まれ、前記雌ねじ部にねじ込まれた部分より上方は前記基礎を構成するコンクリート又はモルタルと非接触に維持され、上端部が前記基礎の上面により突出して前記ベースプレートに結合されるアンカーボルトと、を含み、 前記アンカーボルトは、前記基礎の上面より突出した部分に付与された軸線周りの回転力によって前記定着部材から抜き取りが可能に該定着部材とねじり合わされており、 前記ベースプレートは、前記基礎のコンクリート又は該基礎と一体となったモルタルによって下面より高い位置まで埋め込まれ、 該ベースプレートの側面は、下方に向かって該ベースプレートの中央側に傾斜しており、 前記ベースプレートの側面及び下面には、前記基礎のコンクリートとの付着力又は該基礎と該ベースプレートとの間に介挿されるモルタルとの付着力を抑制する剥離層が形成されている柱脚部接合構造を提供するものである。
この柱脚部接合構造では、ベースプレートがコンクリート又はモルタルに埋め込まれていることにより、柱に水平方向の力が作用したときに、ベースプレートの側面に当接されているコンクリート又はモルタルによって水平方向の変位が拘束される。そして、柱の下端部に曲げモーメントが作用し、引張側でアンカーボルトに伸びが生じてベースプレートが浮き上がったときには、剥離層によってベースプレートがコンクリート又はモルタルと容易に分離し、隣接する部分のコンクリート又はモルタルが損傷するのを抑制することができる。そして、曲げモーメントの方向が反転して浮き上がったベースプレートが再び基礎に押し付けられる時には、傾斜する側面によってベースプレートは元の位置に正確に復元される。
以上、説明したように本発明に係る柱端部接合構造では、アンカーボルトの塑性変形によって震動等のネルギーを吸収することができるとともに、アンカーボルトの交換を容易に行うことができ、アンカーボルトに塑性変形が生じる前の状態に復元することが可能となる。
本発明の一実施形態である柱脚部接合構造の概略正面図及び概略側面図である。 図1中に示すA−A線での平断面図である。 図1及び図2中に示すB−B線での立断面図である。 図1に示す柱脚部接合構造で用いられているアンカー部材の断面図である。 図1に示す柱脚部接合構造によって柱を基礎上に接合する工程を示す概略図である。 図1に示す柱脚部接合構造によって柱を基礎上に接合する工程を示す概略図である。 図1に示す柱脚部接合構造によって柱を基礎上に接合する工程を示す概略図である。 図1に示す柱脚部接合構造によって柱を基礎上に接合する工程を示す概略図である。 本発明の他の実施形態である柱脚部接合構造におけるアンカー部材及びベースプレートの一部を示す断面図である。 本発明と関連する技術を用いた柱脚部接合構造の概略正面図である。 図10に示す柱脚部接合構造で用いられているアンカー部材を示す断面図である。 図10に示す柱脚部接合構造で用いられているアンカー部材に代えて用いることができるアンカー部材の他の例を示す断面図であって、このアンカー部材を用いることによって本発明の他の実施形態となるものである。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である柱脚部接合構造を示す概略正面図及び概略側面図である。また、図2は図1中のA−A線における平断面図である。
この柱脚部接合構造は、木質材からなる柱1の下端部を基礎2に接合するものである。柱1は、小断面の木材を張り合わせた集成材からなるものであり、下面に当接して鋼からなるベースプレート3が取り付けられている。基礎のコンクリート21には複数のアンカー部材4の下部が埋め込まれ、上部が基礎2の上面から突き出しており、これらのアンカー部材4によってベースプレート3が基礎2に結合されている。
上記柱1は、断面形状が矩形となっており、断面の一辺の長さが隣接する他の辺より長い扁平な形状となっている。そして、下端部で長辺方向に作用する曲げモーメントに対して大きな抵抗力を有するように基礎2に接合されるものである。
この柱1には中心部に軸線方向の孔が形成され、緊張材11が挿通されている。この緊張材11の下端部は基礎2のコンクリート21中に埋め込まれ、定着されている。そして、柱1の上部(図示しない)で緊張力が導入され、柱1にプレストレスが導入されるともに柱1を軸線方向の力で基礎2に押し付けるものとなっている。
上記ベースプレート3は、鋼の厚板からなる板状本体部31と、この板状本体部31の上面に立ち上げられた複数の枠体32とを有するものである。そして、板状本体部31の上面が柱1の下端面に当接され、強固に接合されている。この板状本体部31の下部は、基礎のコンクリート21の上に形成されたモルタル層22に埋め込まれており、柱1から伝達される鉛直方向の力がモルタル層22を介してコンクリート部分に伝達されるものとなっている。この板状本体部31の側面は、図1に示すようにモルタル層22に埋め込まれた部分が中心側に傾斜している。つまり、上面より下面の寸法が縮小されるように側面が傾斜するものである。
この板状本体部31の下面には剥離剤が塗布されており、板状本体部31の下部を埋め込むように形成されたモルタル層22との付着を遮断し、容易に剥離するものとなっている。
この板状本体部31の上面に立ち上げられた複数の枠体32は、アンカー部材4が結合される位置に設けられており、鋼からなるものでベースプレート3の板状本体部31に溶接等によって固定されている。これらの枠体32のそれぞれは、板状本体部31の上面より上方に立ち上げられた2つの縦部材32aと、これらの縦部材32aの上部を横方向に連結する横部材32bとを有する。板状本体部31の、上記2つの縦部材32aが立ち上げられた位置の間には貫通孔が形成されている。この貫通孔には、アンカー部材4の上部が挿通され、2つの縦部材32aの間を経て横部材32bにアンカー部材4の上端部が結合されている。
上記ベースプレート3は、図2及び図3に示すように、複数の接合ボルト33によって柱1と接合されている。接合ボルト33は全長にわたって雄ねじが形成されたものであり、ベースプレート3の板状本体部31に形成されたボルト孔の雌ねじに下端部がねじり合わされている。そして、上部は柱1に穿設された穴に挿入される。該穴の内周面と接合ボルト33の外周面との間隙には接着剤が充填され、硬化して柱1と接合ボルト33とを結合している。接着剤は例えばエポキシ樹脂を用いることができる。
基礎のコンクリート21は、上面に複数の高さ調整用ボルト23を備えている。これらの高さ調整用ボルト23は下部がコンクリート21に埋め込まれ、上面から突き出した上部に長ナット24がねじり合わされている。これらの長ナット24の上にベースプレート3を載置し、仮支持することができる。そして、長ナット24を高さ調整用ボルト23にねじり合わせる長さを調整することにより、ベースプレート3を正確な高さに仮支持することができものである。
基礎2のコンクリート上に形成されたモルタル層22は、高さ調整用ボルト23と長ナット24でベースプレート3が仮支持された状態で基礎のコンクリート21上に未硬化のモルタルを流し込み、硬化することによって形成されたものである。したがって、高さ調整用ボルト23、長ナット24及び板状本体部31の少なくとも下部を埋め込み、基礎のコンクリート21上でベースプレート3を支持するものとなっている。
図4は、基礎2とベースプレート3とを結合するアンカー部材4を示す断面図である。
上記アンカー部材4は、下部が基礎のコンクリート21に埋め込まれた棒状体である下部アンカー41と、該下部アンカー41の下端部に形成された雄ねじ部にねじり合わされた埋め込みナット42と、該埋め込みナット42に係止された定着板43と、上記下部アンカー41の上部に接合され、ベースプレート3と結合されるアンカーボルト44と、該アンカーボルト44にねじり合わされるナット45と、を有するものである。
上記下部アンカー41と、埋め込みナット42と、定着板43とが本件発明の定着部材を形成しており、下部アンカー41が所定の深さまで基礎のコンクリート21に埋め込まれる。定着板43は、中央部に貫通孔を有する鋼プレートであり、該貫通孔に下部アンカー41が挿通され、該定着板43が埋め込みナット42に係止されるものとなっている。したがって、下部アンカー41の雄ねじ部にねじり合わされた埋め込みナット42と、これに係止された定着板43とによって基礎のコンクリート21から抜け出すことがないようにしっかりと定着される。
上記下部アンカー41には、上端面から軸線方向に穴41aが形成されており、その底部にはアンカーボルト44とねじり合わせることができる雌ねじ部41bが形成されている。この穴の深さ、すなわち雌ねじ部41bが形成される位置は、上記柱1を含む構造物の設計において求められる柱下端の接合部における剛性、変形性能又は終局破壊が生じるまでに許容すべき変形量等によって適宜に定めることできるものである。
上記アンカーボルト44は、下端部が下部アンカー41に設けられた穴41aの底部で雌ねじ部41bにねじり合わせて該下部アンカー41と接続される。そして、上記雌ねじ部41bとねじり合わされた部分より上方は、下部アンカー41に形成された穴41aの内周面と該アンカーボルト44の外周面との間に環状の小さな隙間が形成されている。
このアンカーボルト44の上部は、ベースプレート3に設けられた枠体32の横部材32bに結合されている。横部材32bには鉛直方向の貫通孔32cが形成され、この貫通孔32cにアンカーボルト44が挿通され、頭部44aがワッシャー46を介して横部材32bの上面に当接される。そして横部材32bの下側でアンカーボルト44にねじり合わされたナット45が横部材32bの下面に締め付けられ、アンカーボルト44がベースプレート3に対して上方及び下方へ相対的に変位するが拘束されるものとなっている。
なお、下部アンカー41の上端面は、横部材32bに締め付けられた上記ナット45に押し付けられているのが望ましいが、アンカーボルト44の下端部が穴41aの底部に形成された雌ねじ部41bにねじり合わされた状態で下部アンカー41の上端面がナット45と離隔しているものであってもよい。
このような柱脚部接合構造では、柱1からベースプレート3を介して基礎2に下方への圧縮力が伝達されるとともに、柱1に上方への引き抜き力が作用したときには、柱1からベースプレート3、アンカーボルト44、下部アンカー41、埋め込みナット42及び定着板43を介して引き抜き力が基礎のコンクリート21に伝達され、引き抜きに抵抗するものとなる。また、柱脚部に曲げモーメントが作用したときには、圧縮側では柱1からベースプレート3及びモルタル層22を介して圧縮力が基礎のコンクリート21に伝達されるとともに、引張側では柱1に引き抜き力が作用したときと同様にアンカー部材4を介して基礎のコンクリート21に伝達され、引き抜きに抵抗するものとなる。
柱脚部に大きな曲げモーメントが作用して引張側のアンカーボルト44に降伏点応力度以上の応力度が発生すると、アンカーボルト44には先端の下部アンカー41にねじり合わされた部分から枠体32に係止された頭部までの広い範囲で塑性的な伸び変形が生じる。そして、地震時のように大きな水平力が方向を反転して繰り返し作用するときには、引張側であった領域が圧縮側となってベースプレート3が基礎に2押し付けられる。このとき、塑性的な伸びが生じたアンカーボルト44は、頭部44aとナット45によって横部材32bに結合されていることから、ベースプレート3から圧縮力が作用し、圧縮変形が生じる。これにより、繰り返し反転する曲げモーメントが作用したときに、アンカーボルト44の応力−ひずみ曲線は大きなループを描くものとなり、震動のエネルギーを有効に吸収して構造物の振動を減衰させる。なお、アンカーボルト44に圧縮方向の力が作用したときに、アンカーボルト44は下部アンカー41の軸線方向の穴41a内で、環状の間隙をおいて対向する内周面に曲げ変形が拘束され、アンカーボルト44の座屈が防止される。
上記のように構造物に大きな負荷が作用してアンカーボルト44に塑性変形が残留した場合等には、アンカーボルトの頭部44aに軸線周りの回転力を付与することによってアンカーボルト44を下部アンカー41の雌ねじ部41bから引き抜くことができる。そして、変形が生じていない新たなアンカーボルトをベースプレート3の上方から下部アンカー41にねじ込むことができ、アンカーボルト44を容易に交換して、塑性変形が生じる前の初期状態に復元することができる。
次に、上記構造によって木質材からなる柱1を基礎2に接合する工程について説明する。
柱1を立設する位置に基礎2を形成するための型枠及び必要な鉄筋を組み立て、未硬化のコンクリートを打ち込んで、図5(a)に示すように基礎のコンクリート部分21を形成する。このとき、アンカー部材を埋め込む位置には底を有する円筒状の箱抜き型枠を設置しておき、上面から所定の深さの穴25を形成する。また、柱1の中心となる位置には下端部に定着具12が装着された緊張材の下側部分11aを、その下部がコンクリートに埋め込まれるように配置しておく。
一方、木質材からなる柱1は、工場等において軸線方向を横にして支持し、鋼からなるベースプレート3を取り付ける。ベースプレート3は、例えば次のように取り付けることができる。
図5(b)に示すようにベースプレート3をビス等によって柱1の所定の位置に仮固定し、ベースプレート3に設けられたボルト孔31aの雌ねじに背面側から接合ボルト33をねじ込む。そして、軸線回りに回転させながら柱1に設けられた穴13に挿入してゆき、接合ボルト33の後端がベースプレート3の下面とほぼ一致する位置までねじ込む。このとき接合ボルト33はねじり合わされたベースプレート3によって支持され、柱1に形成された穴13の内周面との間には環状の隙間が形成された状態とすることができる。この隙間に接着剤を充填し、硬化させてベースプレート3と柱1とを接合ボルト33を介して接合する。
ベースプレート3が取り付けられた柱1は、図6(a)に示すように軸線を上下方向にして吊り上げる。なお、吊り上げる柱1には、中心部に形成された軸線方向の孔に緊張材の上側部分11bを挿入して上部の定着具14によって支持しておく。そして、柱1の下端部に取り付けられたベースプレート3には、図6(b)に示すようにアンカー部材4を装着するとともに、ベースプレート3の板状本体部31の下面及び側面には剥離剤を塗布する。アンカー部材4が装着された柱1は、打設されたコンクリート21上で降下させ、図7(a)に示すようにアンカー部材4をコンクリートに形成された穴25に挿入する。柱1は、基礎のコンクリート21の上面に設けられている高さ調整用ボルト23と、これにねじり合わされた長ナット24とを調整することによって、図7(b)に示すように正確な高さに仮支持する。
また、緊張材11は、基礎のコンクリート21に一部が埋め込まれている下側部分11aと、柱1に支持された上側部分11bとを、柱に設けられた開口1a内でカプラー15により接続する。
この状態で基礎のコンクリート21の上部にモルタル用の型枠26を設置し、未硬化のモルタル27を流し込む。モルタル27はアンカー部材4が挿入された穴25内にも流し込み、穴内でアンカー部材4が基礎のコンクリート21と一体となるように埋め込む。また、モルタル27は、ベースプレートの板状本体部31の少なくとも下部を埋め込む高さまで流し込む。このように流し込んだモルタル27の硬化後、柱1の上部で緊張材11に緊張力を導入する。これにより、図8に示すように柱1はベースプレート3、モルタル層22及びアンカー部材4を介して基礎のコンクリート21に固定される。
アンカー部材は、図4に示す例に限定されものではなく、例えば図4に示す下部アンカーは、上端面から雌ねじが形成された部分の上側の筒状部分を分離したものであってもよい。下部アンカーのアンカーボルトが接続される部分とアンカーボルトの周囲を囲む筒状部材とに分離することによって、穴の底部の雌ねじ部を浅い位置で形成することができ、加工が容易となる。また、筒状部材によってアンカーボルトの座屈を有効に防止することができる。
また、アンカー部材は図9に示すような構造のものを用いることもできる。
このアンカー部材5は、下部アンカー51、埋め込みナット52、定着板53及びアンカーボルト54を有するものであるが、アンカーボルト54にねじり合わされるナットを備えていない。このアンカー部材5が採用されるときには、ベースプレート6の板状本体部61から立ち上げられた枠体62の横部材62bに設けられた貫通孔には、内周面に雌ねじが形成されており、アンカーボルト54をねじ込むことができるものとなっている。これにより、アンカーボル54トにはベースプレート6の枠体62から引張方向の力と圧縮方向の力との双方が伝達されるものとなっている。
本例の枠体62の2つの縦部材62aは、アンカーボルト54の外周面と近接する位置に立設されており、望ましくは縦部材62aに断面が円弧状の溝を形成して該溝の内周面とアンカーボルト54の外周面とが近接して対向するものとする。これにより枠体62の縦部材62aがアンカーボルト54のすべての方向への曲げ変形を拘束して座屈を防止することができる。なお、枠体の縦部材は筒状となってアンカーボルト54の周りを囲むものであってもよい。
本例のアンカー部材5が有する下部アンカー51は、上端面がベースプレート6の板状本体部61の上面とほぼ同じ高さにあり、板状本体部61に形成された貫通孔内で枠体62との段差部で枠体62の縦部材62aに突き当てて保持されている。この下部アンカー51の上端面から軸線方向に形成された穴51aの内周面には上端面から雌ねじが形成され、アンカーボルト54の下端部がねじり合わされてアンカーボルト54と下部アンカー51とが接続されている。なお、下部アンカー51の上端面から軸線方向に形成された穴51aは、図9に示されるものより深く形成することもできる。この穴の底部に限定して雌ねじを形成し、この雌ねじ部より上方はアンカーボルトの外形よりやや大きい内径の穴とすることができる。
このようなアンカー部材5を用いたときにも、図4に示すアンカー部材4とほぼ同様に機能するとともに、アンカーボルト54は枠体62の上側で頭部を軸線回りに回転させることによって抜き取ることができ、塑性変形が残留したときにアンカーボルト54を交換することができる。
なお、図4に示すアンカー部材4及び図9に示すアンカー部材5は、いずれも下部アンカー41,51にナットをねじり合わせ、定着板を係止しているが、これに代えて下部アンカーの下端部を拡径するものであってもよい。また、溶接等の手段によって棒状又は板状の張り出し部を設けるもの等であってもよい。
図10は、本発明と関連する技術を用いた柱脚部接合構造の概略正面図であり、図11は、この柱脚部接合構造で用いることができるアンカー部材の例を示す断面図である。
この柱脚部接合構造では、ベースプレート8に枠体は設けられておらず、アンカー部材7が有するアンカーボルト74の頭部74aは、ベースプレート8の板状本体部81の上面に当接して結合されている。
また、このアンカー部材7は、上記アンカーボルト74の他に、該アンカーボルトにねじり合わされ、板状本体部81をアンカーボルトの頭部74aとの間に挟み込んで締め付けられるナット75と、アンカーボルト74の下部にねじり合われる埋め込みナット72と、該埋め込みナットに係止される定着板73と、上記ナット75と上記定着板73との間でアンカーボルト74を囲むように装着された筒状部材71とを有するものである。
上記埋め込みナット72は、アンカーボルト74の先端部にねじり合わされ、アンカーボルト74の先端面が該埋め込みナット72の軸線方向の寸法内にあって先端が埋め込みナット72から突出しないものとなっている。埋め込みナット72は、このようにねじり合わされた状態でアンカーボルト74が抜け出さないように保持することができる長さを有するものである。この埋め込みナット72の中空孔の下側には遮蔽部材76をはめ込む等の手段によって周囲に充填されるモルタル28と非接触とすることができる。これにより、アンカーボルト74をベースプレート8の上側で回転されることによって埋め込みナット72から抜き取ることを可能としている。
上記定着板73は、上記埋め込みナット72に係止され、アンカー部材7の引き抜きに対して抵抗するものである。
なお、上記埋め込みナット72は、軸線方向の一端が閉塞された袋ナットを用いるものであってもよい。
アンカーボルト74にねじり合わされ、板状本体部81の下面に締め付けられるナット75は、板状本体部81の下面に固定されたナットカバー82によって覆われており、板状本体部81の下面と基礎のコンクリート21との間に充填されるモルタル28と非接触となっている。これにより、ナット75はモルタル28に拘束されることなくアンカーボルト74の変位が許容される範囲内で該アンカーボルト74とともに水平方向に変位が可能となっている。ナット75の位置がモルタル28によって拘束されていると、柱の下端部に大きな曲げモーメント及び水平力が作用してベースプレート8に変位が生じたときに、ナット75とベースプレート8との間にアンカーボルト74が挟まれて抜き取りが困難となるおそれがあり、これを回避するものである。
上記筒状部材71は、内径がアンカーボルト74の外形よりやや大きいものであり、アンカーボルト74の周囲に環状の隙間が形成されている。この隙間は、アンカーボルト74に圧縮力が作用したときにアンカーボルトの曲げ変形を拘束して座屈を抑制する程度の大きさとなっている。この筒状部材71の上端面はナットカバー82の下面に当接され、下端面が定着板73の上面に当接されている。これにより、アンカー部材7を基礎のコンクリート21と一体に固定するために充填されたモルタル28とアンカーボルト74は非接触に維持されることになり、アンカーボルト74はベースプレート8の上方から軸線回りに回転させることによって抜き取ることが可能となっている。
図11に示すアンカー部材7で用いられる筒状部材71、アンカーボルト74にねじり合わされる埋め込みナット72及びこの埋め込みナット72に係止される定着板73は、これらに代えて、図12に示すような下部アンカー91、この下部アンカー91にねじり合わされる埋め込みナッ92ト及び定着板93を採用することができる。このようなアンカー部材9を用いた柱梁接合構造は本発明の他の実施形態となるものである。
上記下部アンカー91は、図4示す柱脚部接合構造で用いられている下部アンカー41と同様に上端面から軸線方向に形成された穴91a有するものであり、穴91aの底部にアンカーボルト94の先端部がねじり合わされる雌ねじ部91bを備えている。また、雌ねじ部91bより上方では穴91aの内周面がアンカーボルト94との外周面と環状の間隙をおいて対向するものとなっている。
この下部アンカー91の上端面は、ベースプレートの板状本体部81に取り付けられたナットカバー82の下面に当接されるとともに、下部の外周面には雄ねじが形成され、埋め込みナット92がねじり合わされて定着板93が係止されている。
一方、上記アンカーボルト94は、先端部が下部アンカー91の雌ねじ部91bにねじり合わせて下部アンカー91と接続されとともに、頭部94aとナット95との間にベースプレート81を挟み込んで結合される。
このようなアンカー部材9を用いても、図11に示すアンカー部材7とほぼ同様に機能するともにアンカーボルト94を容易に交換することができる。
以上に説明した実施の形態では、柱が木質材からなるものであるが、本発明は木質材からなる柱の脚部を接合するものに限定されず、柱の下端部にベースプレートを用いるものであれば、鋼製の柱、プレキャストコンクリートからなる柱の脚部の接合構造に適用することができる。また、本発明の柱脚部接合構造は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で形状、寸法等を変更して適用することができるものである。
1:柱, 1a:柱の開口, 2:基礎, 3:ベースプレート, 4:アンカー部材,
5:アンカー部材, 6:ベースプレート, 7:アンカー部材, 8:ベースプレート, 9:アンカー部材,
11:緊張材, 11a:緊張材の下側部分, 11b:緊張材の上側部分, 12:定着具, 13:柱に設けられた穴, 14:定着具, 15:カプラー,
21:基礎のコンクリート, 22:モルタル層, 23:高さ調整用ボルト, 24:長ナット, 25:基礎のコンクリートに形成された穴, 26:モルタル用の型枠,
27:未硬化のモルタル, 28:モルタル,
31:板状本体部, 31a:板状本体部に設けられたボルト孔, 32:枠体, 32a:枠体の縦部材, 32b:枠体の横部材, 32c:横部材に設けられた貫通孔,
33:接合ボルト,
41:下部アンカー, 41a:下部アンカーの端面から軸線方向の形成された穴, 41b:穴の底部の雌ねじ部, 42:埋め込みナット, 43:定着板, 44:アンカーボルト, 44a:アンカーボルトの頭部, 45:ナット, 46:ワッシャー,
51:下部アンカー, 51a:下部アンカーの端面から軸線方向に設けられた穴, 52:埋め込みナット, 53:定着板, 54:アンカーボルト,
61:ベースプレートの板状本体部, 62:枠体, 62a:枠体の縦部材, 62b:枠体の横部材,
71:筒状部材, 72:埋め込みナット, 73:定着板, 74:アンカーボルト,
74a:アンカーボルトの頭部, 75:ナット, 76:遮蔽部材,
81:ベースプレートの板状本体部, 82:ナットカバー,
91:下部アンカー, 91a:下部アンカーの端面から軸線方向に設けられた穴, 91b:穴の底部の雌ねじ部, 92:埋め込みナット, 93:定着板, 94:アンカーボルト, 94a:アンカーボルトの頭部, 95:ナット

Claims (6)

  1. コンクリートで主要部が形成された基礎と、
    前記基礎上に立設される柱と、
    前記柱の下端部に固定されたベースプレートと、
    下部が前記基礎に埋め込まれ、上端部が前記基礎の上面より突出して、前記べースプレートと結合される複数のアンカー部材と、を有し、
    前記アンカー部材は、
    前記基礎を形成するコンクリート中に埋め込んで固定された定着部材と、
    前記定着部材に設けられた雌ねじ部に下端部の雄ねじ部がねじ込まれ、前記雌ねじ部にねじ込まれた部分より上方は前記基礎を構成するコンクリート又はモルタルと非接触に維持され、上端部が前記基礎の上面により突出して前記ベースプレートに結合されるアンカーボルトと、を含むものであり、
    前記定着部材は、上下方向に軸線を有する棒状体を含み、該棒状体の上端面から軸線方向に中心穴が形成され、該中心穴の底部に前記アンカーボルトの前記雄ねじ部がねじ込まれる雌ねじ部が形成され、
    前記雌ねじ部より上方は、前記中心穴の内周面と前記アンカーボルトの外周面との間に環状の隙間が形成されており、
    前記アンカーボルトは、前記基礎の上面より突出した部分に付与された軸線周りの回転力によって前記定着部材から抜き取りが可能に該定着部材とねじり合わされていることを特徴とする柱脚部接合構造。
  2. 前記アンカーボルトは、前記ベースプレートから上方への引張力と下方への圧縮力とが伝達されるように該ベースプレートと結合されていることを特徴とする請求項1に記載の柱脚部接合構造。
  3. 前記棒状体は、下端部に断面が拡大された拡大部を備えるか、又は外周面に形成された雄ねじにねじり合わされたナット、もしくは該ナットと該ナットに係止される定着プレートとが装着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の柱脚部接合構造。
  4. コンクリートで主要部が形成された基礎と、
    前記基礎上に立設される柱と、
    前記柱の下端部に固定されたベースプレートと、
    下部が前記基礎に埋め込まれ、上端部が前記基礎の上面より突出して、前記べースプレートと結合される複数のアンカー部材と、を有し、
    前記アンカー部材は、
    前記基礎を形成するコンクリート中に埋め込んで固定された定着部材と、
    前記定着部材に設けられた雌ねじ部に下端部の雄ねじ部がねじ込まれ、前記雌ねじ部にねじ込まれた部分より上方は前記基礎を構成するコンクリート又はモルタルと非接触に維持され、上端部が前記基礎の上面により突出して前記ベースプレートに結合されるアンカーボルトと、を含み、
    前記ベースプレートは、上面から上方に立ち上げられた枠体を有し、
    前記アンカーボルトの下部は、前記基礎の上面より突出した部分に付与された軸線周りの回転力によって前記定着部材から抜き取りが可能に該定着部材とねじり合わされており、
    該アンカーボルトの上部は、前記ベースプレートの板状本体部を貫通して上端部が前記枠体の上部に結合されていることを特徴とする柱脚部接合構造。
  5. 前記アンカーボルトには、ベースプレートの板状本体部より上方で前記枠体に結合される部分より下方の少なくとも一部に、該アンカーボルトの外周面を囲むように金属の筒体が装着されていることを特徴とする請求項4に記載の柱脚部接合構造。
  6. コンクリートで主要部が形成された基礎と、
    前記基礎上に立設される柱と、
    前記柱の下端部に固定されたベースプレートと、
    下部が前記基礎に埋め込まれ、上端部が前記基礎の上面より突出して、前記べースプレートと結合される複数のアンカー部材と、を有し、
    前記アンカー部材は、
    前記基礎を形成するコンクリート中に埋め込んで固定された定着部材と、
    前記定着部材に設けられた雌ねじ部に下端部の雄ねじ部がねじ込まれ、前記雌ねじ部にねじ込まれた部分より上方は前記基礎を構成するコンクリート又はモルタルと非接触に維持され、上端部が前記基礎の上面により突出して前記ベースプレートに結合されるアンカーボルトと、を含み、
    前記アンカーボルトは、前記基礎の上面より突出した部分に付与された軸線周りの回転力によって前記定着部材から抜き取りが可能に該定着部材とねじり合わされており、
    前記ベースプレートは、前記基礎のコンクリート又は該基礎と一体となったモルタルによって下面より高い位置まで埋め込まれ、
    該ベースプレートの側面は、下方に向かって該ベースプレートの中央側に傾斜しており、
    前記ベースプレートの側面及び下面には、前記基礎のコンクリートとの付着力又は該基礎と該ベースプレートとの間に介挿されるモルタルとの付着力を抑制する剥離層が形成されていることを特徴とする柱脚部接合構造。
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