JP5002569B2 - 木造建物の門型フレーム構造 - Google Patents
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そのため、平成19年度の改正建築基準法の下では、合板耐力壁構造とラーメン架構とを併用した木造建物の実例は殆ど見られていない。
また、本発明は、塑性時〜終局時における基礎と柱部材と梁部材の接合耐力を評価することができる木造建物の門型フレーム構造を提供することを第2の課題とする。
かかる構成によれば、SNR鋼は、降伏した後も、所定の強度を保ちながら伸び続ける特性を有しているので、アンカーボルトが降伏して塑性状態となっても、所定の強度を見込むことができる。そのため、塑性域〜終局時においても、柱脚部の強度を評価することができる。
図1は、第1実施形態に係る門型フレーム構造の斜視図である。図2は、図1のA部を拡大して示した斜視図である。図3は、図2のI−I矢視断面図である。図4は、基礎柱接合金具を示す図面であり、(a)は斜め上方からみた斜視図、(b)は(a)のII−II矢視断面図である。図5は、図1のB部を拡大して示した斜視図である。図6は、図5のIII−III矢視断面図である。図7は、柱梁接合金具を示す図面であり、(a)は斜め上方からみた斜視図、(b)は(a)のIV−IV矢視断面図である。
木造建物の門型フレーム構造1は、図1に示すように、鉄筋コンクリート製の基礎2と、基礎2の上に互いに間隔を隔てて立設された一対の柱部材3,3と、この柱部材3,3の上端面32(図5参照)に架設された梁部材4と、を主に備えている。そして、門型フレーム構造1は、基礎2と各柱部材3,3との間に、両者を接合するための基礎柱接合金具5,5をそれぞれ備えると共に、各柱部材3,3と梁部材4との間に、両者を接合するための柱梁接合金具6,6をそれぞれ備えている。以下、各部材について説明する。
地中梁部21は、梁として機能するように配筋されており、曲げに強い構造となっている。また、短柱部22,22は、柱(短柱)として機能するように配筋されており、軸力に強い構造となっている。これにより、大スパンの開口部に対応することができる。
なお、基礎2の形状及び構造はこれに限定されるものではなく、門型フレーム構造1に作用する荷重を考慮して適宜設定することができる。
図2に示すように、柱部材3の下端面31には、後記するラグスクリューボルト7を埋設するための複数の埋設孔31a,31a…が形成されている。また、柱部材3の下端面31には、後記する基礎柱接合金具5のダボ57,57を挿入するためのダボ穴31b,31bが形成されている。
なお、柱部材3は、無垢材であってもよいし、合成材(エンジニアリングウッド)であってもよい。
基礎柱接合金具5は、図3、図4に示すように、基礎2の上面22aに当接する平板状の基礎当接部51と、柱部材3の下端面31に当接する平板状の柱下当接部52と、基礎当接部51と柱下当接部52とを連結する4つの基礎柱連結部53,53・・・と、を有している。
基礎当接部51及び柱下当接部52は、平面視で長方形状を呈している。4つの基礎柱連結部53,53・・・は、基礎当接部51及び柱下当接部52の長手方向に互いに離間して一対ずつ配置されている。
また、2つの隔壁55,55の間には、これらの隔壁55と直交する方向に沿って、補強壁56が垂直に立設されている。補強壁56の周囲は、基礎当接部51と柱下当接部52と一対の隔壁55,55とに当接している。
基礎柱接合金具5は、これらの隔壁55及び補強壁56によって、潰れにくくなっている。
また、柱部材3の上端面32には、後記する柱梁接合金具6のダボ67,67を挿入するための2つのダボ穴32b,32bが形成されている。
図5に示すように、梁部材4の両側の端部41には、後記する柱梁接合金具6のせん断プレート68を挿入するためのスリット42が、梁部材4の長手方向に沿って鉛直に形成されている。また、梁部材4のうち、スリット42が形成されている部分には、後記するドリフトピン8を挿入するための複数の挿入孔4a,4a…が、幅方向に貫通形成されている。複数の挿入孔4aは、略環状に配列されている。
柱上当接部61及び梁当接部62は、平面視で長方形状を呈している。4つの柱梁連結部63,63・・・は、柱上当接部61及び梁当接部62の長手方向に互いに離間して一対ずつ配置されている。
また、2つの隔壁65,65の間には、これらの隔壁65と直交する方向に沿って、補強壁66が垂直に立設されている。補強壁66の周囲は、柱上当接部61と梁当接部62と一対の隔壁65,65とに当接している。
柱梁接合金具6は、これらの隔壁65及び補強壁66によって、潰れにくくなっている。
せん断プレート68は、図6に示すように、梁部材4のスリット42に挿入された状態で、梁部材4の挿入孔4a及びせん断プレート68の係合孔68aにドリフトピン8を挿入することにより、ドリフトピン8を介して梁部材4に固定されている。
また、ドリフトピン8の降伏耐力及び最大耐力は、日本建築学会編「木質構造設計規準・同解説」に基づいて設定することができる。
また、ラグスクリューボルト7の最大耐力は、ラグスクリューボルト研究会編「LSB設計施工指針」に基づいて設定することができる。
図8は、門型フレーム構造の変形状態を段階的に示す模式図であり、(a)は弾性域、(b)はアンカーボルト降伏時、(c)はドリフトピンのヒンジ変形時、(d)はドリフトピンの塑性変形時、(e)は荷重−変位関係を表すグラフ、である。
図1に示す構造の実物大試験体を三体作製し、水平荷重を繰り返し作用させて、層間変形角を測定する実験を行った。
柱部材3の高さを2.7mとし、スパンを8mとした。また、オウシュウアカマツ集成材(E105−F300)で、柱部材3及び梁部材4を構成した。
ドリフトピン8は、直径16mm、長さ145mmとし、材質は一般構造用圧延鋼材のSS400を使用した。
ラグスクリューボルト7は、柱脚及び柱頭共に直径25mm、長さ400mmとし、材質は機械構造用炭素鋼鋼材のS45Cを使用した。
アンカーボルト23は、直径14mm、長さ520mmとし、材質はSNR鋼(SNR490B)を使用した。
柱部材3の高さを5.6mとし、スパンを6mとした。また、オウシュウアカマツ集成材(E105−F300)で、柱部材3及び梁部材4を構成した。
ドリフトピン8は、直径12mm、長さ145mmとし、材質は一般構造用圧延鋼材のSS400を使用した。
ラグスクリューボルト7は、柱脚及び柱頭共に直径25mm、長さ400mmとし、材質は機械構造用炭素鋼鋼材のS45Cを使用した。
アンカーボルト23は、直径18mm、長さ520mmとし、材質はSNR鋼(SNR490B)を使用した。
柱部材3の高さを5.6mとし、スパンを8mとした。また、オウシュウアカマツ集成材(E105−F300)で、柱部材3及び梁部材4を構成した。
ドリフトピン8は、直径16mm、長さ145mmとし、材質は一般構造用圧延鋼材のSS400を使用した。
ラグスクリューボルト7は、柱脚及び柱頭共に直径25mm、長さ460mmとし、材質は機械構造用炭素鋼鋼材のS45Cを使用した。
アンカーボルト23は、直径16mm、長さ520mmとし、材質はSNR鋼(SNR490B)を使用した。
図9(a)に示すように、第1実施例では、荷重が約200kNに達したときに、層間変形角が実験限界である1/15rad(≒66×10−3rad)を超えていることを確認したため、実験を終了した。
2 基礎
23 アンカーボルト
3 柱部材
4 梁部材
5 基礎柱接合金具
6 柱梁接合金具
7 ラグスクリューボルト
8 ドリフトピン
Claims (2)
- 複数のアンカーボルトが埋設された基礎と、
前記基礎の上に互いに間隔を隔てて立設されるとともに、上端面及び下端面に複数のラグスクリューボルトがそれぞれ埋設された一対の柱部材と、
前記一対の柱部材の上端面に梁勝ちとなるように架け渡された梁部材と、
前記基礎と前記柱部材との間にそれぞれ設置された基礎柱接合金具と、
前記柱部材と前記梁部材との間にそれぞれ設置された柱梁接合金具と、を備える木造建物の門型フレーム構造であって、
前記基礎柱接合金具は、前記複数のアンカーボルトを介して前記基礎に固定されるとともに、前記複数のラグスクリューボルトを介して前記柱部材の下端面に固定され、
前記柱梁接合金具は、前記複数のラグスクリューボルトを介して前記柱部材の上端面に固定されるとともに、複数のドリフトピンを介して前記梁部材に連結され、
前記複数のアンカーボルトの降伏耐力よりも、前記複数のドリフトピンの降伏耐力の方が大きく、かつ、前記複数のアンカーボルトの最大耐力よりも前記複数のラグスクリューボルトの最大耐力の方が大きく、かつ、前記複数のドリフトピンの最大耐力よりも前記複数のラグスクリューボルトの最大耐力の方が大きいことを特徴とする木造建物の門型フレーム構造。 - 前記アンカーボルトは、SNR鋼で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の木造建物の門型フレーム構造。
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