JP5430497B2 - 締結具 - Google Patents

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Description

本発明は、柱などの棒材を基礎や他の部材に据え付ける際に用いる締結具に関する。
木造建築において、柱や梁などの棒材を締結する際は、強度を確保するためホゾや仕口を加工することが多い。ただしホゾは、棒材の断面欠損が比較的大きいことや、現地での作業時間が長くなるなどの課題があり、その代替として各種金物を使用することもある。また近年は集成材の製造技術が向上したため、部材の大断面化が容易になり、集成材を組み合わせた門形フレームを骨格とする建築も普及し始めている。この場合、締結部の剛性を十分に確保する必要があり、各種金物を使用することが一般的である。
国内の建築物は、耐震性の確保が必要不可欠であり、木造建築ではホールダウン金物を用いて柱と基礎を一体化するなどの対策を講じている。さらに柱と梁などを基礎や他の部材に締結する際は、金属などの弾塑性変形を利用して地震の際の衝撃を緩和して、締結部の破壊を回避する技術も開発されている。この技術は、制震構造や免震構造と呼ばれる高度な構成から、費用の抑制を重視した簡素な構成まで様々だが、比較的簡素な構成の例として、以下の特許文献が挙げられる。
特許文献1は、柱を基礎に据え付ける箇所や、柱と梁を接合する箇所などに使用する木部材接合構造であり、柱などにねじ込むスクリュー部材と、このスクリュー部材に接触する接合金具と、スクリュー部材と接合金具を一体化する長ボルトなどで構成される。長ボルトを使用することで、地震に遭遇した際、破断に至るまでの塑性変形量を増大でき、接合された部材による構造物の靱性を高め、粘り強い構造とすることができる。また特許文献2も同様の技術であり、主幹部材と結合部材を一体化するボルトをできるだけ長くして、その弾塑性変形を利用して衝撃を緩和できることを特徴とする。
特開2007−77611号公報 特開2010−7428号公報
特許文献1および特許文献2で開示されている技術は、いずれもボルトの全長をできるだけ増大させて、その弾塑性変形を利用して衝撃を緩和して、締結部の粘り強さを確保するものである。このような構成において、ボルトに引張荷重が作用した際、その弾性変形の領域で対応できれば何らの問題もないが、仮に塑性変形を引き起こすと、以降はボルトが緩んでしまい、締結部の剛性が低下する。具体的には特許文献1の場合、締付ナットと接合金具に隙間が生じて、スクリュー部材と接合金具を密着させることができない。同様に特許文献2でも、柱と梁などの二部材を密着させることができず、いずれも締結部の強度を維持できなくなる。したがって地震の際、初期段階でボルトに塑性変形が生じてしまうと、以降は建物の揺れを抑制できず、本来の機能を発揮できない。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、棒材の締結部において、地震などによる引張荷重でボルト類が塑性変形した後も、締結部の強度を維持可能な締結具の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、棒材を基礎または他の部材に据え付けるための締結具であり、棒材の端面から軸線方向に延びる軸穴に埋め込まれ且つ棒材と一体化可能な埋設軸と、基礎または他の部材と締結可能で且つ前記埋設軸の後端面に接触する金具と、前記埋設軸と前記金具とを一体化する締結ボルトと、からなり、前記埋設軸の後端面には、軸線方向に延びる中穴を形成して、該中穴の奥には前記締結ボルトに螺合する中ネジを形成してあり、前記金具には、前記締結ボルトの軸部を挿通させるための丸孔を設け、また締結ボルトの頭部に接触してその突出を拘束する押圧具を設けたことを特徴とする締結具である。
本発明は、建築物の骨格を構成する柱や梁などの棒材を据え付ける際に用いる締結具であり、基礎と柱との締結部のほか、柱と梁との締結部など、様々な箇所に使用できる。なお棒材は、集成材を含む木製であることを前提とする。そして締結具は、大別して埋設軸と金具と締結ボルトで構成される。
埋設軸は、棒材の端面から軸線方向に埋め込まれる金属製の棒状のもので、棒材には埋設軸と同等の直径の軸穴をあらかじめ加工しておく必要がある。なお軸穴は、埋設軸のほぼ全体を収容できる延長とする。さらに埋設軸は、単に軸穴に埋め込むだけでは機能を発揮できず、棒材と一体化する必要がある。その具体例としては、埋設軸の側周面に螺旋状の凸条を設ける構成が挙げられる。他にも、埋設軸の側周面にドリフトピンを挿通可能なピン孔を設ける構成や、埋設軸の側周面に異形棒鋼のような凹凸を設けて、接着剤で棒材と一体化する構成も可能である。なお埋設軸は、軸穴に埋め込む際、先頭になる方を先端面と称して、その反対の軸穴から外部に露出する方を後端面と称するものとする。
金具は、埋設軸を基礎や他の部材と一体化するためのもので、埋設軸の後端面に接触する。なお金具は、埋設軸の後端面に接触できるならば形状は自在であり、箱状や筒状のほか、棒状とすることもできる。また金具は、土台などの中に埋め込まれる場合もあるが、棒材と基礎などとの間に介在して外部に露出する場合もある。そのほか、金具を基礎や他の部材と一体化する具体的な構成については、何らの限定もなく自在に決定できる。
締結ボルトは、埋設軸と金具を一体化するためのもので、六角形や円形の頭部を有し、金具から埋設軸に向けて差し込まれる。そのため金具には、締結ボルトの軸部を挿通可能な丸孔を設けてあり、また埋設軸には、後端面から軸線方向に延びる中穴を形成して、その奥に締結ボルトと螺合する中ネジを形成する。当然ながら中穴は、締結ボルトを余裕で挿通できる内径とする。
本発明は、前記の特許文献と同様の効果を発揮できるよう、締結ボルトの全長をできるだけ引き延ばす必要があり、構造上可能な範囲で中穴を深くすることが好ましい。このように構成することで、地震などによる引張荷重に対して締結ボルトの弾塑性変形量を増大でき、より多くのエネルギーを吸収可能になる。なお締結ボルトの材質に低降伏点鋼を使用して、塑性変形を発生しやすくすることもできる。
押圧具は、締結ボルトの頭部を押圧するためのものである。地震などによる衝撃荷重で、金具と埋設軸が引き離されて、締結ボルトの軸部に塑性変形が生じた場合、その後、荷重の方向が変化して金具と埋設軸が再び接触すると、締結ボルトの頭部は、軸部が塑性変形した分だけ丸孔から突出して緩みが生じる。しかし本発明では、押圧具によって締結ボルトの頭部の突出を防止しており、締結ボルトの軸部が塑性変形した場合でも、その後、金具と埋設軸を接触させる方向に荷重が作用すると、軸部に圧縮荷重が作用して、全体が屈曲するように塑性変形して緩みを防止できる。そのため締結ボルトが塑性変形した後も、締結部の剛性が極端に低下することはない。
押圧具は、締結ボルトの頭部の端面(軸部の反対面)に接触して、その突出を防止できればどのような構成でもよい。具体例としては、押圧具を棒状として、その中央で締結ボルトの頭部を押圧する形態や、液体容器などで広く普及しているスクリューキャップと同様の形状として、その内周面で頭部を覆い隠す形態など、自在に選択できる。なお特殊な例としては、二個の締結ボルトを背中合わせに配置して、双方の締結ボルトの頭部同士を接触させる構成も可能である。この場合、頭部が押圧具の機能を兼ね備えることになる。
請求項2記載の発明は、棒材を基礎または他の部材に据え付けるための締結具であり、棒材の端面から軸線方向に延びる軸穴に埋め込まれ且つ棒材と一体化可能な埋設軸と、基礎または他の部材と締結可能で且つ前記埋設軸の後端面に接触する金具と、前記埋設軸と前記金具とを一体化するスタッドボルトと、からなり、前記埋設軸の後端面には、軸線方向に延びる中穴を形成して、該中穴の奥には前記スタッドボルトに螺合する中ネジを形成してあり、前記スタッドボルトは、一端側に左ネジを形成してあり他端側に右ネジを形成してあり、前記金具には、前記スタッドボルトに螺合するネジ孔を形成してあり、該ネジ孔または前記中ネジのいずれか一方には左ネジを形成してあり、他方には右ネジを形成してあることを特徴とする締結具である。
請求項1記載の発明において、金具と埋設軸との一体化には、頭部を有する締結ボルトを使用しているが、この発明では、頭部のないスタッドボルトを使用していることを特徴としている。そのため、埋設軸に中穴を形成して、その奥に中ネジを形成している点などは、請求項1の場合と何ら変わりがない。ただしスタッドボルトを使用しているため、金具には、丸孔ではなくネジ孔を形成している。さらにスタッドボルトは、全域にネジが形成してある訳ではなく、一端側には左ネジが形成してあり、他端側には右ネジが形成してある。これに対応して、金具のネジ孔または埋設軸の中ネジのいずれか一方には左ネジを形成して、他方には右ネジを形成する。
スタッドボルトを介して埋設軸と金具を一体化して、さらにスタッドボルトを締め上げると、埋設軸と金具が引き寄せ合うように密着する。この構成では、締結部に過大な引張荷重が作用してスタッドボルトが塑性変形した場合でも、スタッドボルトは、埋設軸および金具と一体化しており、締結部の剛性が大幅に低下することはない。さらにスタッドボルトを圧縮する方向に荷重が作用すると、スタッドボルトが屈曲するように塑性変形して、埋設軸と金具との密着を維持でき、締結部の剛性の低下を抑制できる。
請求項1記載の発明のように、埋設軸と金具を長尺の締結ボルトで一体化して、さらに締結ボルトの頭部を拘束する押圧具を設けることで、締結ボルトが引張荷重で塑性変形した後、荷重の作用方向が変化して埋設軸と金具が接近すると、締結ボルトに圧縮荷重が作用して、軸部が屈曲するように塑性変形して、締結部の緩みを防止できる。そのため地震が収束するまで、締結部の強度を維持でき、しかも締結ボルトが弾塑性変形を繰り返すことでエネルギーを吸収でき、被害の軽減にも貢献する。また応急修理をすることなく、余震の際にも同様の効果を期待できる。
請求項2記載の発明のように、埋設軸と金具を一体化するため、左ネジと右ネジが形成されたスタッドボルトを使用した場合も、スタッドボルトが引張荷重で塑性変形した後、圧縮荷重が作用すると全体が押し縮められ、締結部の緩みを防止でき、請求項1記載の発明と同様の効果を発揮する。
本発明による締結具の形状例を示す斜視図である。 図1に示す締結具を用いて、棒材を基礎に据え付ける途中段階の斜視図である。 図1に示す締結具を用いて、棒材を基礎に据え付けた際の縦断面図である。 棒材にドリフトピンを打ち込んで埋設軸を固定する方式の締結具の形状例を示す斜視図である。 図4に示す締結具を用いて、棒材を基礎に据え付ける途中段階の斜視図と、据え付けた際の縦断面図である。 図1と同様の形状の金具と埋設軸を使用した上、金具と埋設軸をスタッドボルトで一体化した締結具を示す斜視図である。 柱と梁を締結する際に使用する締結具の形状例を示す斜視図である。 図7に示す締結具を用いて、部材(柱)と棒材(梁)を締結した状態の斜視図と縦断面図である。 図8に示す締結部に外力が作用して、締結ボルトが塑性変形した状態の縦断面図である。 押圧具の形状例を示す斜視図と縦断面図である。
図1は、本発明による締結具の形状例を示している。この図に示す締結具は、建物の柱となる棒材61をコンクリート製の基礎71に据え付けるために使用しており、金具11と埋設軸31と締結ボルト51のほか、複数の付属品で構成されている。そのうち埋設軸31は、金属製の円柱状であり、棒材61の下面に加工された軸穴64の中に埋め込まれる。さらに埋設軸31が棒材61と一体化できるよう、埋設軸31の側周面を螺旋状に取り巻く凸条38が形成してあり、汎用のラグスクリューと同様の外観となっている。また金具11は、中空の箱状であり、基礎71と棒材61の間に介在する。金具11を基礎71と一体化するため、基礎71中にはアンカーボルト72が埋め込まれており、このアンカーボルト72を挿通できるよう、金具11の下面には底孔18を設けている。
棒材61に加工された軸穴64は、埋設軸31と同じ直径(凸条38は除く)としてある。したがって棒材61に埋設軸31をねじ込むと、凸条38が棒材61の中に食い込んで、双方が強固に一体化する。なお埋設軸31は、棒材61にねじ込む際に先頭となる側を先端面36、この反対側を後端面37と称するものとする。先端面36は、やや先細りに形成してあり、また後端面37は、ねじ込みの際に工具を取り付けるため六角部41を設けている。
締結ボルト51は、金具11から埋設軸31に向けて差し込み、双方を一体化する。そのため埋設軸31には、締結ボルト51の軸部を挿通できるよう、後端面37から軸線方向に延びる中穴39を形成してあり、さらに中穴39の奥には締結ボルト51と螺合する雌ネジ状の中ネジ40を形成してある。なお金具11と埋設軸31を一体化する際は、金具11の下面から締結ボルト51を差し込む。そのため金具11の上面には、締結ボルト51の軸部を挿通させるための丸孔19を形成してあり、また底孔18は、締結ボルト51の頭部52が余裕で通過できる内径としている。
金具11と埋設軸31を締結ボルト51で一体化した後、締結ボルト51の頭部52が下方に突出しないよう、金具11の内部に押圧具54を取り付ける。押圧具54は、金属製の厚板を切り出したもので、頭部52を収容するための凹部56を中央に設けてあり、固定ボルト27を介して金具11に取り付けられる。なお固定ボルト27を挿通できるよう、押圧具54の両端に差込孔55を設けてあり、さらに固定ボルト27を螺合できるよう、丸孔19を挟むように雌ネジ状の固定孔20を形成してある。
金具11を基礎71に据え付ける際は、アンカーボルト72の先端を底孔18に差し込んだ後、これにナット75を螺合して締め上げる。底孔18は、金具11の据え付け位置の調整や締結ボルト51の挿通を考慮して内径を大きくしてある。そのため金具11を据え付ける際は、ナット75の下にワッシャ76を挟み込んでいる。そのほか基礎71には、棒材61のほか土台73も据え付けられる。
図2は、図1に示す締結具を用いて、棒材61を基礎71に据え付ける途中段階を示している。金具11と埋設軸31は、当初から一体化している訳ではなく、まずは埋設軸31だけを棒材61の軸穴64にねじ込み、埋設軸31と棒材61を一体化する。次に棒材61の下面に金具11を接触させて、底孔18から締結ボルト51を差し込んで締め上げ、金具11と棒材61を一体化して、さらに金具11の内部に押圧具54を取り付ける。その後、アンカーボルト72の先端を底孔18に差し込んで、基礎71の上面に金具11を載置して、さらにワッシャ76を組み込んでナット75を締め上げると、棒材61の据え付けが完了する。
実際の施工では、棒材61の製材段階で埋設軸31をねじ込み、さらに金具11の取り付けも同時に実施する。そのため棒材61と金具11が一体化した状態で製材所から出荷され、現地では、金具11の据え付け作業だけを実施すればよく、施工性は従来と変わらない。そのほか押圧具54は、全体が金具11の内部に収容されるため、隣接する土台73などと干渉することはない。
図3は、図1に示す締結具を用いて、棒材61を基礎71に据え付けた際の縦断面である。このように、基礎71から突出するアンカーボルト72が金具11の底孔18を貫通しており、さらにアンカーボルト72にナット75を螺合して、金具11を据え付けている。また棒材61には埋設軸31がねじ込まれており、その凸条38が棒材61の中に食い込むことで、埋設軸31と棒材61が強固に一体化している。埋設軸31には、後端面37から軸線方向に延びる中穴39が形成してあり、その奥には中ネジ40が形成してある。このように中穴39を設けることで、締結ボルト51の全長が増大して、弾塑性変形が生じやすくなっている。
締結ボルト51の頭部52は、押圧具54の凹部56に接触しており、これより下方に突出することができない。なお押圧具54は、左右両側の固定ボルト27を介して金具11に取り付けられている。また、埋設軸31の後端面37は、棒材61の下面と段差が生じないよう調整してあり、埋設軸31と棒材61のいずれも、金具11の上面に接触する。そのため棒材61に作用する垂直荷重の一部は、埋設軸31を介して金具11に伝達していくため、棒材61の下面付近に作用する荷重が緩和され、経年変形を抑制している。
このような構成で棒材61を基礎71に据え付けた後、地震などで基礎71から棒材61を引き離すような荷重が作用した場合、左下の図のように、締結ボルト51が引き延ばされて塑性変形する恐れがある。このように締結ボルト51が塑性変形してしまうと、従来は締結ボルト51の頭部52に緩みが生じて、金具11と棒材61を密着できなくなり、締結部の剛性の低下が避けられなかった。
しかし本願発明では、締結ボルト51の頭部52が押圧具54によって拘束されており、外力の作用方向が変化して、右下の図のように、棒材61が金具11に押し戻された際、締結ボルト51の軸部が屈曲するように再度塑性変形を生じる。そのため金具11と棒材61との隙間がほぼ消滅して、締結部は、地震が収束するまで一定の強度を維持できる。
図4は、棒材61にドリフトピン66を打ち込んで埋設軸32を固定する方式の締結具の形状例を示している。この図の埋設軸32は単純な円柱状であり、その側周面にドリフトピン66を挿通させるためのピン孔42を複数を形成してあり、さらに棒材61の側面には、ドリフトピン66を打ち込むための横孔65を加工している。横孔65は、埋設軸32を棒材61に差し込んだ際、ピン孔42と同心になるよう加工位置を調整する。また金具12は、土台73の中に埋め込むことを想定して円筒状としている。なお金具12と埋設軸32を長尺の締結ボルト51で一体化する点や、締結ボルト51の頭部52を押圧具54で拘束する点や、ナット75とワッシャ76で金具12を基礎71に据え付ける点は、図1と同様である。
図5は、図4に示す締結具を用いて、棒材61を基礎71に据え付ける途中段階と、据え付けた際の縦断面を示している。締結具はあらかじめ、金具12と埋設軸32を締結ボルト51で一体化してあり、さらに押圧具54も組み込んでいる。施工の際は、まずアンカーボルト72の先端を底孔18に差し込んでから、ワッシャ76を組み込んでナット75を締め上げて、締結具全体を基礎71に固定する。次に土台73を基礎71の上面に敷設する。土台73には、金具12を収容するための抜き孔77をあらかじめ加工しておく。その後、埋設軸32に棒材61を差し込んで横孔65からドリフトピン66を打ち込むと、棒材61の据え付けが完了する。
ドリフトピン66の打ち込みを終えると、縦断面図のように、棒材61は金具12を介して基礎71と一体化する。埋設軸32は、後端面37から中穴39が形成され、その奥に締結ボルト51と螺合する中ネジ40が形成してあり、必然的に締結ボルト51の全長が延びており、弾塑性変形を生じやすくなっている。なお中穴39や中ネジ40は、ピン孔42と干渉しないよう配慮を要する。この図のように、ドリフトピン66を用いて棒材61を固定する場合、締結具の製造段階で金具12と埋設軸32を締結ボルト51で一体化でき、施工手順は、従来から普及している同種の物と何ら変わりがない。
図6は、図1と同様の形状の金具13と埋設軸31を使用した上、金具13と埋設軸31をスタッドボルト58で一体化した締結具を示している。スタッドボルト58は、上端側には一般的な右ネジが形成してあり、下端側には左ネジが形成してある。また金具13の上面には、左ネジを形成したネジ孔21を設けている。そのため、スタッドボルト58の先端をネジ孔21と中ネジ40の両方に螺合して、その後、スタッドボルト58を回転させていくと、次第に金具13と埋設軸31が接近していき、最終的には、金具13と埋設軸31が押し合う状態で一体化する。なおスタッドボルト58の下端面には、六角穴59を形成してあり、ここに六角棒レンチを差し込むことで、回転を与えることができる。
この図の埋設軸31は、図1と同様、側周面に凸条38を形成したラグスクリュー状だが、図4のようなドリフトピン66を挿通する方式の埋設軸32についても、右ネジと左ネジが形成されたスタッドボルト58で金具と一体化することもできる。そのほか、この図の締結具は、箱状の金具13とラグスクリュー状の埋設軸31を使用しており、基礎71や棒材61などは図1と同様に配置されるため、作図を省略している。
図7は、柱と梁を締結する際に使用する締結具の形状例を示している。この形態は、水平に架設され梁として機能する棒材62と、垂直に敷設され柱として機能する部材68と、をL字状に締結しており、棒材62と部材68の両方に埋設軸33をねじ込んでおり、さらに棒材62と部材68のそれぞれに金具15、14を取り付けて、双方の金具15、14を組み合わせて棒材62と部材68を締結している。埋設軸33は、図中の四個とも同一形状で、側周面に凸条38を形成したラグスクリュー状で、さらに後端面37に六角部41を設けており、そこから軸線方向に延びる中穴39を形成して、その奥に中ネジ40を形成している。なお中ネジ40は、図1などに示すものとは異なり、先端面36に露出している。
対になる二個の金具14、15は、いずれも上下に延びる角棒状で、棒材62側の金具15の下端と部材68側の金具14の上端には、先細り状のクサビ部24が形成され、対して、棒材62側の金具15の上端と部材68側の金具14の下端には、環状の帯板23が接合してある。したがってそれぞれの帯板23に相手方のクサビ部24を組み合わせることで、双方の金具14、15は、向かい合う側面同士が密着した状態で一体化する。
金具14、15と埋設軸33は、締結ボルト51で一体化するが、これに螺合する中ネジ40は、金具14、15に対して反対側に位置しており、必然的に締結ボルト51の全長が増大する。なお各金具14、15には、締結ボルト51の軸部を差し込むための丸孔19と、頭部53を収容するための座グリ穴25を形成してある。本発明では、頭部53の高さと座グリ穴25の深さを同一にしており、締結ボルト51を締め上げた際、頭部53の端面と金具14、15の側面に段差が生じない。さらに金具14、15を組み合わせた際、座グリ穴25は、上下とも同心に揃うよう位置を調整している。そのため背中合わせとなる二個の締結ボルト51の頭部53同士が密着して、押圧具としての機能を兼ね備え、締結ボルト51の軸線方向への移動を拘束する。
図8は、図7に示す締結具を用いて、部材68(柱)と棒材62(梁)を締結した状態である。埋設軸33は、部材68や棒材62の中に完全に埋め込まれており、金具14、15も縦溝67の中に収容されるため、側面から見て、部材68と棒材62は密着している。また縦断面図に示すように、埋設軸33の中ネジ40は、締結ボルト51の頭部53に対して反対側に位置しており、さらに上下とも、頭部53同士は、背中合わせに接触しており、押圧具としての機能を兼ね備えている。
図9は、図8に示す締結部に外力が作用して、締結ボルト51が塑性変形した状態である。過大な引張荷重によって締結ボルト51が引き延ばされた後、荷重の作用方向が変化して、部材68と棒材62が接近した際、締結ボルト51の頭部53は、不動状態で拘束されている。そのため下方の図のように、締結ボルト51の軸部が屈曲するように塑性変形して、締結部の緩みを防止して、締結部の剛性の低下を抑制する。
図10は、押圧具の形状例を示している。押圧具は、これまでの各図に示したものに限定される訳ではなく、必要に応じて自在に決めることができる。押圧具の形状例1は、図4と同様、円筒状の金具12を使用しているが、丸孔19の周囲に環状体26を設けており、その外周面にネジを形成している。また押圧具54は、環状体26に螺合するスクリューキャップのような形状としている。なお金具12は、図4に対して上下を反転して描いている。
押圧具の形状例2は、図7と同様、角棒状の金具14、15を組み合わせた構成だが、締結ボルト51の差し込み高さを個々に変えている。また締結ボルト51の頭部52は、座グリ穴25に収容されるが、頭部52の高さと座グリ穴25の深さを同一にしており、頭部52は金具14、15の側面に接触する。このように金具14、15を押圧具として機能させることもできる。
11 金具(箱状)
12 金具(円筒状)
13 金具(箱状・スタッドボルトをねじ込み)
14 金具(角棒状・受け側)
15 金具(角棒状・掛け側)
18 底孔
19 丸孔
20 固定孔
21 ネジ孔
23 帯板
24 クサビ部
25 座グリ穴
26 環状体
27 固定ボルト
31 埋設軸(ラグスクリュー状)
32 埋設軸(丸棒状)
33 埋設軸(ラグスクリュー状・中ネジが先端面に貫通)
36 先端面
37 後端面
38 凸条
39 中穴
40 中ネジ
41 六角部
42 ピン孔
51 締結ボルト
52 頭部
53 頭部(押圧具としての機能を兼ね備える)
54 押圧具
55 差込孔
56 凹部
58 スタッドボルト
59 六角穴
61 棒材(柱)
62 棒材(梁)
64 軸穴
65 横孔
66 ドリフトピン
67 縦溝
68 部材(柱)
71 基礎
72 アンカーボルト
73 土台
75 ナット
76 ワッシャ
77 抜き孔

Claims (2)

  1. 棒材(61、62)を基礎(71)または他の部材(68)に据え付けるための締結具であり、
    棒材(61、62)の端面から軸線方向に延びる軸穴(64)に埋め込まれ且つ棒材(61、62)と一体化可能な埋設軸(31、32、33)と、
    基礎(71)または他の部材(68)と締結可能で且つ前記埋設軸(31、32、33)の後端面(37)に接触する金具(11、12、14、15)と、
    前記埋設軸(31、32、33)と前記金具(11、12、14、15)とを一体化する締結ボルト(51)と、
    からなり、
    前記埋設軸(31、32、33)の後端面(37)には、軸線方向に延びる中穴(39)を形成して、該中穴(39)の奥には前記締結ボルト(51)に螺合する中ネジ(40)を形成してあり、
    前記金具(11、12、14、15)には、前記締結ボルト(51)の軸部を挿通させるための丸孔(19)を設け、また締結ボルト(51)の頭部(52、53)に接触してその突出を拘束する押圧具(54、53)を設けたことを特徴とする締結具。
  2. 棒材(61、62)を基礎(71)または他の部材(68)に据え付けるための締結具であり、
    棒材(61、62)の端面から軸線方向に延びる軸穴(64)に埋め込まれ且つ棒材(61、62)と一体化可能な埋設軸(31、32、33)と、
    基礎(71)または他の部材(68)と締結可能で且つ前記埋設軸(31、32、33)の後端面(37)に接触する金具(13)と、
    前記埋設軸(31、32、33)と前記金具(13)とを一体化するスタッドボルト(58)と、
    からなり、
    前記埋設軸(31、32、33)の後端面(37)には、軸線方向に延びる中穴(39)を形成して、該中穴(39)の奥には前記スタッドボルト(58)に螺合する中ネジ(40)を形成してあり、
    前記スタッドボルト(58)は、一端側に左ネジを形成してあり他端側に右ネジを形成してあり、
    前記金具(13)には、前記スタッドボルト(58)に螺合するネジ孔(21)を形成してあり、該ネジ孔(21)または前記中ネジ(40)のいずれか一方には左ネジを形成してあり、他方には右ネジを形成してあることを特徴とする締結具。
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