JP7433086B2 - 建築用接合金物 - Google Patents

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本発明は、柱やCLTやLVLなどの壁パネル等の構造材を基礎コンクリートに固定するために用いる建築用接合金物に関するものである。
基板上にアンカーボルトのボルト挿通孔を介して一対の側板を相対して立設し、その一対の側板上に柱やCLTやLVLなどの壁パネル等の構造材を載置して固定する受板を架設して構成し、ボルト挿通孔に基礎コンクリートから突出したアンカーボルトを貫通させて該ボルトにナットを螺合締付けることにより基板を基礎コンクリートに固定すると共に、受板上に構造材を載置して固定するようにした構造のものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2002-167868号公報 特許第5323622号公報
しかし、上述の特許文献1に記載の建築用接合金物では、基板上に座金の位置を固定する座金位置固定部を設けていないため、建築用接合金物をアンカーボルトで基礎コンクリートに固定する際、圧縮、引張、せん断などの外力がかかった場合、座金位置が強固に固定されていないため建築用接合金物と座金などが変形しやすく、耐力に影響し易いという問題がある。
また、上述の特許文献2に記載の建築用接合金物では、基板上に座金位置固定部を設けているものの、基板を裏打ち等して基板上面から突出させるために強い力が必要になり、座金位置固定部を設けることが困難であるという問題がある。
特に、特許文献2に記載の建築用接合金物では、基板を裏打ちして設けたダボを座金位置固定部とするため、基板の厚さが厚過ぎると裏打ちによって基板が変形したり、ダボが設けることができなかったり、ダボを確実に設けるため基板を薄くすると基板の強度が劣化するという問題もある。
そこで、本発明はこのような課題に着目してなされたもので、基板の強度を劣化させずに座金位置固定部を設けることができる建築用接合金物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る建築用接合金物は、基礎コンクリートから突出したアンカーボルトを挿通するボルト挿通孔を設けた基板上に、前記アンカーボルトに螺合するナットの操作間隙を存して対向する一対の側板を立設し、該側板上に構造材を載置して固定する受板を設け、前記ボルト挿通孔を挿通する前記アンカーボルトの先端部を座金を介してナットによって締結するように構成した建築用接合金物であって、前記一対の側板それぞれの下端部には、それぞれの下端部から前記基板の中心に向かって延び、前記座金の位置を固定する座金位置固定部が設けられ、前記座金位置固定部は、それぞれ、前記一対の側板それぞれの下端部に切り込みを入れ、その下端部の一部を折り曲げることによって前記基板の中心に向かって延びるように構成したことを特徴とする。尚、本発明における構造材とは、柱だけでなく、CLTやLVLなどの壁パネル等も含むものである。
また、本発明に係る建築用接合金物では、前記座金位置固定部は、それぞれ、前記一対の側板それぞれの一部を前記基板の上面から浮かせて折り曲げられていると共に、前記座金位置固定部の上面は、前記基板上に置かれた前記座金の上面と面一もしくはそれよりも高いことも特徴とする。
また、本発明に係る建築用接合金物では、前記座金位置固定部は、それぞれ、前記座金の円周の形状に湾曲した座金固定用湾曲面部を有し、当該座金固定用湾曲面部によって前記座金の位置を固定することも特徴とする。
また、本発明に係る建築用接合金物では、前記座金を第1座金とし、その第1座金の上に当該第1座金の外径よりも小さい外径の第2座金を設けたことも特徴とする。
本発明に係る建築用接合金物では、一対の側板それぞれの下端部には、それぞれの下端部から基板の中心に向かって延び、座金の位置を固定する座金位置固定部を設けているため、基板の強度を劣化させずに座金位置固定部を設けることができる。
本発明に係る実施形態の建築用接合金物の斜視図である。 本発明に係る実施形態の建築用接合金物の正面図である。 本発明に係る実施形態の建築用接合金物の側面図である。 図2におけるA-A線断面図である。 第1座金を取り外した後の図2におけるA-A線断面図である。 (a),(b)それぞれ第1座金を取り外した後の座金位置固定部における溶接箇所を示す平面図、座金位置固定部における溶接個所を示す要部正面図である。 (a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の建築用接合金物を構成する側板(下端部を曲げて座金位置固定部を形成する前で、かつ、湾曲させる以前の鋼板からカットした状態)の部品を示す平面図、鋼板からカットした側板下端部を曲げて座金位置固定部を形成した状態を示す側板の側面図である。 本発明に係る実施形態の建築用接合金物で使用する第1座金の平面図である。 本発明に係る実施形態の建築用接合金物の使用例を示す図である。 本発明に係る建築用接合金物の他の構成例(座金位置固定部を2つに分割した構成例)の特徴を示す図である。 本発明に係る建築用接合金物の他の構成例(側板を平面状にした構成例)の特徴を示す図である。 本発明に係る建築用接合金物の他の構成例(側板を平面状にし、かつ、座金位置固定部を2つに分割した構成例)の特徴を示す図である。 本発明に係る建築用接合金物の他の構成例(座金を2枚にした構成例)の斜視図である。 本発明に係る建築用接合金物の他の構成例(座金を2枚にした構成例)の正面図である。 本発明に係る建築用接合金物の他の構成例(座金を2枚にした構成例)における新たに追加した第2座金を示す平面図である。 図14におけるB-B線断面図である。 図14においてアンカーボルトを挿入した状態のB-B線断面図である。 本発明に係る建築用接合金物の他の構成例(座金を2枚にした構成例)の使用例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態の建築用接合金物について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施形態は、あくまで、本発明の一例であり、本発明は、下記に説明する実施形態に限定されるものではない。
<実施形態の建築用接合金物1の構成>
本発明に係る実施形態の建築用接合金物1は、例えば、後述する図9に示すように、基礎コンクリート2上に柱3を立設するために使用する金物であって、図1に示すように基板11と、一対の側板12,12と、受板13とを備えており、基板11上には基礎コンクリート2の上面から突出したアンカーボルト4に螺合するナット5を受ける第1座金6が載置されるように構成されている。
(基板11)
基板11は、下面側が後述する図9に示すように基礎コンクリート2上に載置される一方、上面側に一対の側板12,12下端部が溶接等によって接合されると共に、図1~図4に示すように第1座金6が載置されるもので、図5や図6(a),(b)等に示すようにアンカーボルト4が通るボルト挿通孔11aが形成されている。
アンカーボルト4は基礎コンクリート2上面の設計した突出予定位置からずれて突出した場合でも、必ず基板11のボルト挿通孔11aを通るようにするため、基板11のボルト挿通孔11aの内径αは、例えば、アンカーボルト4の外径よりも2倍前後大きく、かつ、第1座金6がボルト挿通孔11aから落下しないよう第1座金6の外径β(図8参照。)よりも小さく形成している。
(側板12,12)
側板12,12は、基板11上にアンカーボルト4に螺合するナット5の操作間隙を開けて対向するようにその下端部を基板11上に溶接等によって接合されるもので、図1~図5等に示すように平面視、側板12,12それぞれの中央が基板11の中心に向かって近付くように湾曲して形成されており、側板12,12それぞれの下端部には、それぞれの下端部が折り曲げられて基板11の中心に向かって延び、第1座金6の位置を固定する座金位置固定部12a,12aを設けている。
座金位置固定部12a,12aは、図1~図3、図6(b)等に示すように、側板12,12それぞれの下端部中央を基板11の中心に向けて90度折り曲げて、座金位置固定部12a,12a下面が基板11上面に接触しないよう座金位置固定部12a,12a下面を基板11上面から2mm~6mm程度の数mmだけ浮かせ(離間させ)、座金位置固定部12a,12a上面が基板11上に置かれた第1座金6上面と面一もしくはそれよりも高くなるように構成している。
ここで、座金位置固定部12a,12a上面を基板11上に置かれた第1座金6上面と面一もしくはそれよりも高くする理由は、第1座金6を介しアンカーボルト4をナット5で締結する際、1座金6を座金位置固定部12a,12aにて固定させるためである。
また、座金位置固定部12a,12a下面を基板11上面から浮かせる理由は、本実施形態で使用する第1座金6の厚さは、側板12,12の厚さよりも2mm~6mm程度の数mm大きく、座金位置固定部12a,12a下面を基板11上面から浮かせ(離間させ)ない場合には、座金位置固定部12a,12a上面が基板11上に置かれた第1座金6上面と面一の高さにならないからである。また、座金位置固定部12a,12a下面を基板11上面から浮かせ(離間させ)ると、建築用接合金物1をドブ漬け等でメッキ処理等を行った際、メッキ液が確実かつ容易に側板12,12下端部の表側および裏側に行き渡るからである。
ただし、座金位置固定部12a,12a下面を基板11上面から浮かせているものの、それぞれの両側面部12a2,12a2は、図6(a),(b)に示すように基板11上面まで溶接している。図6(a),(b)において符号の12a3が座金位置固定部12a,12aの両側面部12a2,12a2と基板11上面との溶接部を示している。つまり、座金位置固定部12a,12aは、その両側面部12a2,12a2においてそれぞれ溶接部12a3,12a3によって基板11上面と接合されていることになる。尚、溶接部12a3は両側面部12a2,12a2上面に届くまで溶接することは必須ではなく、両側面部12a2,12a2上面に届かない場合でも座金位置固定部12a,12aの両側面部12a2,12a2が基板11に溶接できれば十分である。
これにより、座金位置固定部12a,12a下面を基板11上面から浮かせ両側面部12a2,12a2を基板11上面と溶接しない場合と比較して、建築用接合金物1全体の強度を向上させることができる。
また、座金位置固定部12a,12aには、第1座金6の中心が基板11の中心に位置して、かつ、水平方向にズレないように固定するため、図4および図5、図6(a)に示すように平面視、第1座金6の円周の形状に湾曲した座金固定用湾曲面部12a1,12a1を備えている。
座金固定用湾曲面部12a1,12a1は、図7(a)に示すような一対の側板12,12それぞれの下端部の両側に切り込みを入れ、その切込みで挟まれた座金位置固定部形成用突出部12dをその両側の座金位置固定部接合用脚部12c,12cよりも長くし、かつ、座金位置固定部形成用突出部12dに第1座金6の円周の形状に湾曲した座金固定用湾曲面部12a1,12a1を設けた形状に鋼板からカットした後、図7(b)に示すように座金位置固定部形成用突出部12dを基板11の中心に向け90度折り曲げると、座金位置固定部12a,12aとなる。
尚、側板12,12は、上述したように平面視、湾曲しているため、鋼板から図7(a)に示す形状にカット後、側板12,12全体を湾曲させ、その後、切込みを入れ、切込みで挟まれた部分を基板11の中心に向け90度折り曲げて座金位置固定部12a,12aを設けても良いし、図7(b)に示すように切込みで挟まれた部分を90度折り曲げて座金位置固定部12a,12aを設けた後、側板12,12全体を湾曲させるようにしてもいずれでも良い。
尚、一対の座金位置固定部接合用脚部12c,12cと基板11上面との接触箇所は溶接等によって接合している、図示は省略する。
(受板13)
受板13は、基板11に対向して側板12,12上端部に溶接等によって接合して設けられ、後述する図9に示すように柱3下端部が載置されるもので、図1~図3等に示すように受板13の中心には、受板13と柱3下端部とを固定する固定金具を通す固定金具用通し孔13aが設けられている。
ここで、図9に示す使用例の場合、柱3下端部には、軸部外周面に雄ネジ部を有する一方、軸端部内に雌ネジ部を有するラグスクリューボルト71を内蔵しているため、ラグスクリューボルト71の雌ネジ部に螺合するボルト72等が固定金具となる。
尚、上述したように受板13下面と一対の側板12,12上端部との接触箇所は溶接等によって接合するが、図示は省略する。
(第1座金6)
第1座金6は、図8に示すように、直径(外径)βの円盤で構成されており、中央には、第1座金6の中心6aから偏心した俵形状のボルト挿通孔61が形成されている。
俵形状のボルト挿通孔61の長径γ(図8参照。)は、図4に示すようにボルト挿通孔11aの内径α(図5参照。)のほぼ1/2としており、ボルト挿通孔11aのどの位置からアンカーボルト4が突出していても、座金位置固定部12a,12aによって横ズレを防止しながら回転する座金によって第1座金6のボルト挿通孔61を通すことができるように構成されている。
<実施形態の建築用接合金物1の使用例>
次に以上のように構成された実施形態の建築用接合金物1の使用例について説明する。
図9は、実施形態の建築用接合金物1の使用例を示している。
図9に示すように、基礎コンクリート2上に柱3を立設する場合、まず、基礎コンクリート2上面に建築用接合金物1を固定し、その後、建築用接合金物1の受板13上に柱3下端部を固定する。
基礎コンクリート2上面への建築用接合金物1の固定は、図9に示すように基礎コンクリート2から延びるアンカーボルト4の上端部を、建築用接合金物1の基板11のボルト挿通孔11aに通し、第1座金6を介して2個のナット5で締結して固定する。尚、ナット5と第1座金6との間にワッシャを介在させても良いし、ナット5を1個で締結するようにしても勿論良い。
一方、建築用接合金物1の受板13への柱3下端部の固定は、柱3下端部に雌ネジ部を有するラグスクリューボルト71が内蔵されているため、図9に示すようにラグスクリューボルト71の雌ネジ部にボルト72を螺合して固定する。尚、ラグスクリューボルト71とボルト72との間にワッシャを介在させても良い。また、ラグスクリューボルト以外の方法で柱や壁パネルとを接合しても勿論良い。
このようにして基礎コンクリート2上に実施形態の建築用接合金物1を介して柱3を立設することができる。
<本発明に係る実施形態の建築用接合金物1の主要な効果>
以上説明したように、本発明に係る実施形態の建築用接合金物では、一対の側板12,12それぞれの下端部には、それぞれの下端部から基板11の中心に向かって延び、第1座金6の位置を固定する座金位置固定部12a,12aを設けたため、基板11の強度を劣化させずに座金位置固定部12a,12aを設けることができる。
そのため、上述の特許文献2に開示された基板を裏打ち等して基板上面から突出させたダボを座金位置固定部とした場合、地震等によってダボに過大な圧縮力やせん断力等の外力がかかった際にダボが飛んで無くなったり潰れたりする場合があったが、側板12,12下端部を折り曲げた座金位置固定部12a,12aの場合、座金位置固定部12a,12aの面積を大きく確保することができるので、地震等によって第1座金6から座金位置固定部12a,12aに過大な圧縮力やせん断力等の外力がかかった場合でも、座金位置固定部12a,12aの変形を抑制することが可能となり、安定した状態で柱3を基礎コンクリート2に固定することができる。
また、実施形態の建築用接合金物1では、上述の特許文献2に開示されたダボとは異なり、基板11の板厚に影響なく座金位置固定部12a,12aを設けることができるので、基板11の板厚を厚くして建築用接合金物1全体の強度を向上させることができる。
また、実施形態の建築用接合金物1では、座金位置固定部12a,12aは、それぞれ、一対の側板12,12それぞれの下端部に切込みを入れ、その切込みによって挟まれた下端部を折り曲げることによって基板11の中心に向かって延びるように構成したため、簡単かつ確実に座金位置固定部を設けることができる。
また、実施形態の建築用接合金物1では、座金位置固定部12a,12aは、それぞれ、一対の側板12,12それぞれの一部を基板11の上面から浮かせて折り曲げられていると共に、座金位置固定部12a,12aの上面は、基板11上に置かれた第1座金6の上面と面一もしくはそれよりも高くしたため、建築用接合金物1をドブ漬け等でメッキ処理等を行った際、座金位置固定部12a,12a下面と基板11上面との間の空間を通ってメッキ液が側板12,12下端部の表側および裏側に行き渡るので、建築用接合金物1のメッキ処理を確実かつ迅速に行うことができる。
また、実施形態の建築用接合金物1では、基板11に対し一対の側板12,12を単に溶接して接合する場合とは異なり、側板12,12それぞれの下端部に折り曲げて設けた座金位置固定部12a,12aの両側面部12a2,12a2も溶接によって接合すると共に、座金位置固定部12a,12aそれぞれに対し切込みを入れ、切込み両側の座金位置固定部接合用脚部12c,12cも溶接等によって接合するため、側板12,12の湾曲を無視すると、座金位置固定部12a,12aの両側面部12a2,12a2の溶接部12a3,12a3と座金位置固定部接合用脚部12c,12cの溶接部とがほぼ直交することになる。
そのため、側板12,12それぞれの下端部に折り曲げて設けた座金位置固定部12a,12aを設けない上述の特許文献1,2の建築用接合金物のように基板11に対し一対の側板12,12下端部の周囲を溶接する際に、通常内側の中央部は溶接をすることが難しかったり、座金等を入れる際に溶接と干渉することを避けるため、敢えて溶接しない場所を設ける場合があるが、実施形態の建築用接合金物1では、基板11上面に対する側板12,12下端部の溶接部が直交しかつ溶接長が長くなるので、この点でも上述の特許文献1,2の建築用接合金物の場合と比べ、建築用接合金物1全体が強固になり、耐震性能等を向上させることができる。
また、実施形態の建築用接合金物1では、側板12,12それぞれの下端部を折り曲げて形成した座金位置固定部12a,12aを基板11上面から浮かせ、座金位置固定部接合用脚部12c,12cと座金位置固定部12a,12aの両側面部12a2,12a2を溶接によって接合しているため、材や金物にかかる負担をコントロールできる。
また、実施形態の建築用接合金物1では、側板12,12の座金位置固定部12a,12aは、それぞれ、第1座金6の円周の形状に湾曲した座金固定用湾曲面部12a1,12a1を有し、当該座金固定用湾曲面部12a1,12a1によって第1座金6の回転を許容しながら第1座金6の位置を固定するようにしたので、上述の特許文献2に開示された基板を裏打ち等して基板上面から突出させたダボの場合よりも、第1座金6との接触面積が増大することになり、この点でも地震等によって第1座金6から座金位置固定部12a,12aに過大な圧縮力やせん断力等の外力がかかった場合、座金位置固定部12a,12aや基板11の変形を抑制することが可能となり、安定した状態で柱3を基礎コンクリート2に固定することができる。また、圧縮、引張、せん断など建築用接合金物1に外力がかかった際に座金位置固定部12a,12aが第1座金6を掴むもしくは挟み込むようになり、基板11や第1座金6が変形するスペースがないため、外力に対しての変形抑制効果につながり、また基板11の中央部が第1座金6と一体となって変形するようになるため、断面積が増え、この点でも変形を抑制し、建築用接合金物1の耐力が向上する。
尚、上記実施形態の説明では、座金位置固定部12a,12aは、それぞれ、一対の側板12,12それぞれの下端部に切込みを2箇所入れ、その2箇所の切込みで囲まれた座金位置固定部形成用突出部12dを折り曲げることによって形成して説明したが、本発明では、これに限らず、例えば、側板12,12それぞれの下端部に3箇所以上の切り込みを入れて、その3箇所以上の切込みで囲まれた座金位置固定部形成用突出部を折り曲げるように構成しても勿論良い。
図10は、側板12,12それぞれの下端部に4箇所の切り込みを入れ、その4箇所の切込みによって形成された2つの座金位置固定部形成用突出部を折り曲げることによって、側板12毎に2つの座金位置固定部12a’,12a’を設けた例を示している。
図10に示すように側板12毎に2つの座金位置固定部12a’,12a’を設ける場合は、上述した実施形態の側板12毎に1つの座金位置固定部12aを設ける場合と比較して平面視の座金位置固定部の面積は減少するものの、2つの座金位置固定部12a’,12a’毎に左右両側面部を基板11上面に溶接することになるため、左右両側面部の方向、すなわち図10では左右方向の溶接長が増大するので、この点で建築用接合金物1全体の強度が向上させることができる。
また、本発明に係る建築用接合金物1では、一対の側板12,12は、それぞれ、図1~図10に示すように平面視、基板11の中心に向かって近付くように湾曲して形成して説明したが、本発明ではこれに限らず、図11に示すように、側板12’,12’それぞれを湾曲させずに平面のまま構成し、側板12’,12’それぞれの下端部に2箇所の切込みを入れ、その2箇所の切込みで挟まれた座金位置固定部形成用突出部を折り曲げて側板12’毎に1つの座金位置固定部12aを設けても良いし、図12に示すように、側板12’,12’それぞれを湾曲させずに平面のまま構成し、側板12’,12’それぞれの下端部に4箇所の切込みを入れて2つの座金位置固定部形成用突出部を折り曲げて側板12’毎に2つの座金位置固定部12a’,12a’を設けても勿論良い。
特に、図11および図12に示す場合は、側板12’,12’それぞれを湾曲させる必要がないため、その分、製造を容易にすることができると共に、側板12’,12’が湾曲していない分、建築用接合金物1全体の強度は若干低下するものの、側板12’毎の1つの座金位置固定部12a(図11の場合)または2つの座金位置固定部12a’,12a’(図12の場合)の存在と、その左右両側面部と基板11上面との溶接によって金物1全体としての強度は従来の特許文献1の側板を湾曲させたものと同等以上にすることができる。
また、上記の説明では、図8に示すように偏心した俵形状のボルト挿通孔61が形成された第1座金6を使用して説明したが、本発明では、図13や図14等に示すように第1座金6の上に、図15に示すような外径ηが第1座金6の外径β(図8参照。)よりも小さい第2座金8を載せて使用するようにしても良い。
第2座金8には、図15や図16等に示すようにアンカーボルト4を通すためにアンカーボルト4の外径とほぼ同じか僅に大きい内径で、正円形状のボルト挿通孔81が形成されており、第1座金6のボルト挿通孔61やその第1座金6の上に載せた第2座金8のボルト挿通孔81に通り、図18に示すように第1座金6および第2座金8を介し例えば2つのナット5により締結することになる。このようにすると、第1座金6は俵形状の長孔になっているため、外力がかかった場合にボルト挿通孔81の片方(長孔の穴があいている方)へ傾くが、第1座金6の上に第2座金8を一枚追加することで第1座金6への傾きを抑制することができる。
尚、上記実施形態の建築用接合金物1では、柱3と固定するラグスクリューボルト71等の固定金具を受板13上に固定せずに説明したが、本発明ではこれに限らず、予めドリフトピン(図示せず。)等が挿入されるピン孔が設けられた固定金具を受板13上に溶接等によって設けるようにしても勿論良い。
また、上記実施形態の建築用接合金物1では、座金位置固定部12a,12a下面を基板11上面から2mm~6mm程度の数mmだけ浮かせ(離間させ)て説明したが、これは上述したように第1座金6の厚さが側板12,12の厚さよりも2mm~6mm程度の数mm大きいからであり、第1座金6の厚さが側板12,12の厚さと同じ場合には、座金位置固定部12a,12a下面を基板11上面から浮かせ(離間させ)ずに設けるようにしても良い。
1 建築用接合金物
11 基板
11a ボルト挿通孔
α ボルト挿通孔の内径
12 側板
12a 座金位置固定部
12a1 座金固定用湾曲面部
12a2 両側面部
12a3 溶接部
12c 座金位置固定部接合用脚部
12d 座金位置固定部形成用突出部
13 受板
13a 固定金具用通し孔
2 基礎コンクリート
3 柱
4 アンカーボルト
5 ナット
6 第1座金(座金)
6a 第1座金の中心
β 第1座金6の外径
61 ボルト挿通孔
γ ボルト挿通孔の長径
71 ラグスクリューボルト
72 ボルト
8 第2座金(座金)
81 ボルト挿通孔
η 第2座金の外径

Claims (4)

  1. 基礎コンクリートから突出したアンカーボルトを挿通するボルト挿通孔を設けた基板上に、前記アンカーボルトに螺合するナットの操作間隙を存して対向する一対の側板を立設し、該側板上に構造材を載置して固定する受板を設け、前記ボルト挿通孔を挿通する前記アンカーボルトの先端部を座金を介してナットによって締結するように構成した建築用接合金物であって、
    前記一対の側板それぞれの下端部には、それぞれの下端部から前記基板の中心に向かって延び、前記座金の位置を固定する座金位置固定部が設けられ
    前記座金位置固定部は、それぞれ、前記一対の側板それぞれの下端部に切り込みを入れ、その下端部の一部を折り曲げることによって前記基板の中心に向かって延びるように構成したことを特徴とする建築用接合金物。
  2. 請求項に記載の建築用接合金物において、
    前記座金位置固定部は、それぞれ、前記一対の側板それぞれの一部を前記基板の上面から浮かせて折り曲げられていると共に、前記座金位置固定部の上面は、前記基板上に置かれた前記座金の上面と面一もしくはそれよりも高いことを特徴とする建築用接合金物。
  3. 請求項1または請求項に記載の建築用接合金物において、
    前記座金位置固定部は、それぞれ、前記座金の円周の形状に湾曲した座金固定用湾曲面部を有し、当該座金固定用湾曲面部によって前記座金の位置を固定することを特徴とする建築用接合金物。
  4. 請求項1~請求項のいずれか一の請求項に記載の建築用接合金物において、
    前記座金を第1座金とし、その第1座金の上に当該第1座金の外径よりも小さい外径の第2座金を設けたことを特徴とする建築用接合金物。
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