JP4741386B2 - 木質構造材の接合工法および接合構造 - Google Patents

木質構造材の接合工法および接合構造 Download PDF

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この発明は、製材又は集成材若しくは単板積層材(LVL)等による木質構造材である柱や梁で構築する木造構造物に好適に実施される接合工法の技術分野に属する。更に云えば、木質構造の意匠性を損なわずに、比較的簡単な施工で実施でき、しかも地震時等のエネルギーを吸収して制震作用を期待できる接合工法の技術分野に属する。
柱や梁に木質構造材を使用して木造構造物を構築する場合に、重要なことは接合部の構成である。木造構造物の場合、接合部の設計の良否が、施工性および構造物の安全性と耐久性およびデザインの評価に直接影響するからである。
規模が大きい木造構造物の断面が大きい木質構造材の接合工法ないし接合構造に関する従来技術として、例えば下記の特許文献1には、木質構造材(柱材)の梁接合位置に、雌ネジ管を貫通させて設置し、前記雌ネジ管へねじ込むボルトにより同柱の梁接合位置に継ぎ手金具の片側半分を固定する。その一方、梁材の端部にも材軸方向に雌ネジ管を埋め込み、この雌ネジ管へねじ込むボルトによって前記継ぎ手金具の他側半分を固定する。そして、前記一対の継ぎ手金具部材を突き合わせ、接合プレートを重ね合わせボルト止めにより柱と梁を接合する構成が開示されている。しかし、接合部に前記の継ぎ手金具が大きく武骨に露出して木質構造材の意匠性を損なうし、重い構造になる。
特許文献2に開示された接合方法は、木質柱の梁接合位置に貫通させた孔へターンバックル等の接合金物を通し、一方、木質梁の接合部には材軸方向に穴を設け、この穴へ前記接合金物の端部を差し込み、垂直孔から前記接合金物の端部に用意したコッタ孔へ楔(コッタ)を打ち込んで結合すると記載されている。この接合方法によれば、柱梁接合部に接合金物が露出しないし、楔効果で強い耐力を持続できる。しかし、接合金物の構造が複雑で、製作が面倒で高価なものとなる。また、柱、梁への加工度が高く、断面欠損が大きい欠点が認められる。
更に、特許文献3および4に開示された接合構造は、梁における柱接合位置に、ほぞ用接合金物を垂直に貫通させ、これを水平に通した複数のボルトで固定する。前記接合金物の上下に突き出たプレートは、柱の接合仕口に形成したスリットへ差し込み、水平方向に複数のピンを差して固定する構成である。この接合構造の場合にも、柱梁接合部に金物は露出しないが、多数のボルトやピンを通すので、その頭が出現する。また、金物を通す孔空け加工やスリットの形成加工などに手数が掛かるし、接合金物の組み立てや固定に熟練した技術が必要と認められる。
特開平8−120791号公報 特開2000−265554号公報 特開2002−356917号公報 特開2003−328437号公報
上述した従来の木質構造材の接合工法や接合構造は、それぞれ固有の作用効果を奏するものと認められる。しかし、例えば特許文献1の技術は比較的高い強度と剛性が得られるものの、接合部に前記の継ぎ手金具が大きく武骨に露出して木質構造としての意匠性を損なうし、重い構造になる欠点が認められる。また、接合部の破壊性状は、主に木質構造材へねじ込まれた大径ボルトの引き抜き破壊に支配され、脆性的でエネルギー吸収能力が低いから、耐震安全性の面で大いに問題がある。
特許文献2の技術は、接合部の引き抜き反力を楔に期待する構成であるが、木質構造における楔は木材の収縮や振動により緩むので、定期的に「緩み」の検査が不可欠である。しかし、実際問題として、一度完成した木造構造物の柱梁架構の接合部を定期的に検査することは至難である。
特許文献3の接合構造は、通し柱の柱梁架構の接合には適用できないという問題点がある。また、梁と柱の接合部に曲げモーメントの伝達を期待できない構成である。
一方、特許文献4の接合構造は、逆に、梁と柱の接合部に曲げモーメントの伝達性能向上を試みた技術である。しかし、梁内のボルトは木材にとって強度的に最も弱い繊維と直交方向に配置された構成であるから、十分大きな曲げモーメントの伝達を望み難い。通し柱の接合に適用できないという問題点も認められる。
本発明の目的は、連結用ボルトに普通鋼又は低降伏点鋼材を使用して接合することにより、木質構造材の接合部における応力を制御可能とすること、特に低降伏点鋼材を先行して引張り降伏させる設計により、接合部の応力をそれ以上とはならせず、ひいては木質構造材に加えられる応力を制限し、地震等による接合部の損傷を制御する降伏型の接合工法および接合構造を提供することである。
本発明の次の目的は、施工性の向上と、工期の短縮、及びコスト面での利点が大きい上に、木質構造としての意匠性に優れ、木造デザインの設計の自由度が高く、しかも靱性が大で、エネルギー吸収能力を有し耐震性能が大きい、木質構造材の接合工法および接合構造を提供することである。
上述した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る木質構造材の接合工法は、
木質構造材1の木口1aから材軸方向へ複数の下穴を掘り、該下穴の内周面に雌ねじ2を形成する工程と、
中空円筒形状をなし、外周面に前記木質構造材1の雌ねじ2と共通仕様の雄ねじ3を形成し、中空部4の奥端近傍に中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴5を形成して成るアンカー部材6を木質構造材1の前記雌ねじ2へねじ込んで固定する工程と、
先端部に前記アンカー部材6の雌ねじ穴5と共通仕様の雄ねじ部7を有し、該雄ねじ部7を前記雌ねじ穴5へネジ接合すると木質構造材1の木口1aから後端部が突き出す長さとした連結用ボルト8の前記雄ねじ部7をアンカー部材6の前記雌ねじ穴5へネジ接合して連結用ボルト8を木質構造材1へ設置する工程と、
木質構造材1の木口1aから突き出た連結用ボルト8の後端部を鉄骨造又はコンクリート造の接合ブロック10又は15と接合する工程とからなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係る木質構造材の接合工法は、
木質構造材1の木口1aから材軸方向へ複数の下穴を掘り、該下穴の内周面に雌ねじ2を形成すると共に当該雌ねじ2の面および下穴の奥端に接着剤を塗布ないし充填する工程と、
中空円筒形状をなし、外周面に前記木質構造材1の雌ねじ2と共通仕様の雄ねじ3を形成し、中空部4の奥端近傍に中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴5を形成して成るアンカー部材6を木質構造材1の前記雌ねじ2へねじ込んで接着し固定する工程と、
先端部に前記アンカー部材6の雌ねじ穴5と共通仕様の雄ねじ部7を有し、該雄ねじ部7を前記雌ねじ穴5へネジ接合すると木質構造材1の木口1aから後端部が突き出す長さとした連結用ボルト8の前記雄ねじ部7をアンカー部材6の前記雌ねじ穴5へネジ接合して連結用ボルト8を木質構造材1へ設置する工程と、
木質構造材1の木口1aから突き出た連結用ボルト8の後端部を鉄骨造又はコンクリート造の接合ブロック10又は15と接合する工程とからなることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した木質構造材の接合工法において、
一つの木質構造材1の木口1aに複数設置されるアンカー部材6および連結用ボルト8の組みのうち一組みないし複数組みは、連結用ボルト8の少なくとも首部分8aの軸径をアンカー部材6の中空部口径に近接する大きさとしてせん断力に抵抗する構成とすることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項2に記載した木質構造材の接合工法において、
アンカー部材6は、中空部4の奥端部を貫通させた穴に中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴5を形成し、更に雌ねじ穴5の先端部を接着剤が浸透しないように止め栓21で塞いだ構成とすることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した木質構造材の接合工法において、
連結用ボルト8は、普通鋼、又は低降伏点鋼で製作されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜3又は5のいずれか一に記載した木質構造材の接合工法において、
接合ブロックが鉄骨造10の場合は、連結用ボルト8において木質構造材1の木口1aから突き出る後端部に雄ねじ12を形成し、前記雄ねじ部12を接合ブロック10のボルト孔11へ通しナット13を締め込み接合することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜3又は5のいずれか一に記載した木質構造材の接合工法において、
接合ブロックがコンクリート造15の場合は、連結用ボルト8において木質構造材1の木口1aから突き出る後端部に同連結用ボルト8の軸径よりも大径のコブを形成し、前記のコブを接合ブロック15の型枠16内へ一定のコンクリート被りとなる位置まで差し込み、同型枠16内へ現場打ちコンクリートを打設して接合することを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項1〜3又は5若しくは7のいずれか一に記載した木質構造材の接合工法において、
コンクリート造の接合ブロック用型枠16内に鉄筋を配筋して現場打ちコンクリートを打設し、又は鉄筋を配筋することなく繊維補強コンクリートを打設して連結用ボルト8と接合することを特徴とする。
請求項9に記載した発明に係る木質構造材の接合構造は、
木質構造材1の木口1aから材軸方向へ複数の雌ねじ穴2が形成されており、
中空円筒形状をなし、外周面には木質構造材1の前記雌ねじ穴2と共通仕様の雄ねじ3が形成され、中空部4の奥端近傍に中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴5が形成されて成るアンカー部材6が木質構造材1の前記雌ねじ穴2へねじ込まれ固定されており、
先端部に前記アンカー部材6の雌ねじ穴5と共通仕様の雄ねじ部7を有し、該雄ねじ部7を前記雌ねじ穴5へネジ接合すると木質構造材1の木口1aから後端部が突き出す長さとされた連結用ボルト8がその雄ねじ部7を前記アンカー部材6の雌ねじ穴5へネジ接合して木質構造材1へ設置されており、
木質構造材1の木口1aから突き出た前記連結用ボルト8の後端部が鉄骨造又はコンクリート造の接合ブロック10又は15と接合されていることを特徴とする。
請求項1〜8に係る発明の係る接合工法、および請求項9に係る発明の接合構造は、木質構造材1の材軸方向に必要数の下穴を必要な深さまで掘り、該下穴の内周面に雌ねじ2を形成し、一方、中空円筒形状をなし、その外周面に前記雌ねじ穴2と共通仕様の雄ねじ3を形成し、中空部4の奥端近傍に同中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴5を形成して成るアンカー部材6を前記雌ねじ穴2の中へねじ込んで固定するか、又は接着剤を使用して接着し固定し、先端部に前記アンカー部材6の雌ねじ穴5と共通仕様の雄ねじ部7を有し、該雄ねじ部7を前記雌ねじ穴5へネジ接合すると木質構造材1の木口1aから突き出す長さの連結用ボルト8の前記雄ねじ部7を前記雌ねじ穴5へネジ接合して連結用ボルト8を木質構造材1へ設置し、前記連結用ボルト8を鉄骨造又はコンクリート造の接合ブロック10又は15と接合する工程により実施するので、現場作業が簡単、確実で、施工性に優れ、それでいて必要十分に大きな接合強度を実現できる。即ち、木質構造材1へアンカー部材6を固定し、同アンカー部材6へネジ接合により連結用ボルト8を設置するまでの工程は、予め工場加工等として高品質に準備しておくことができる。現場では連結用ボルト8を接合ブロック10又は15と接合する工程だけで簡単、確実に短工期で実施できるのであり、従前のように多数のドリフトピンや接合金物は無用である。
現場における連結用ボルト8と接合ブロック10又は15との接合作業も、接合ブロックが鉄骨造10の場合は、連結用ボルト8の雄ねじ12を、接合ブロック10に予め加工しておいたボルト孔11へ通しナット13を締め込む作業により確実に強固に接合することができる。接合ブロックがコンクリート造15の場合は、連結用ボルト8の後端部のコブ13を接合ブロック15の型枠16内へ一定のコンクリート被りとなる位置まで差し込み、同型枠16内に現場打ちコンクリートを打設する作業により、簡単、容易に接合することができる。前記コンクリート造15の場合には、接合ブロック用型枠16内に鉄筋を配筋して現場打ちコンクリートを打設するか、又は鉄筋を配筋することなく繊維補強コンクリートを打設して接合することが可能であり、現場作業を選択する自由度が有る。
次に、連結用ボルト8の材質は、普通鋼、又は低降伏点鋼のいずれで製作しても良い。連結用ボルト8が低降伏点鋼の場合は、接合部に作用する応力を低減化できる上に、塑性エネルギー吸収効果が大きく、制震作用、或いは接合部に作用する応力の制御が可能となる。即ち、低降伏点鋼材を先行して引張り降伏させる設計により、接合部の応力をそれ以上とはならせず、ひいては木質構造材1に加えられる応力を制限できるのである。
木質構造材1の木口1aから材軸方向へ複数の下穴を掘り、該下穴の内周面に雌ねじ2を形成する。一方、中空円筒形状をなし、外周面に前記木質構造材1の雌ねじ穴2と共通仕様の雄ねじ3を形成し、中空部4の奥端近傍に同中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴5を形成して成るアンカー部材6を前記雌ねじ穴2の中へねじ込みで固定するか、又は接着剤を使用して接着し固定する。
先端部に前記アンカー部材6の雌ねじ穴5と共通仕様の雄ねじ部7を有し、該雄ねじ部7を前記雌ねじ穴5へネジ接合すると後端部が木質構造材1の木口1aから突き出す長さとした連結用ボルト8の前記雄ねじ部7をアンカー部材6の前記雌ねじ穴5へネジ接合して木質構造材1へ設置し、木質構造材1の木口1aから突き出た連結用ボルト8の後端部を鉄骨造又はコンクリート造の接合ブロック10又は15と接合する。
一つの木質構造材1の木口1aに複数設置されるアンカー部材6および連結用ボルト8の組みのうち一組みないし複数組みは、連結用ボルト8の少なくとも首部分の軸径をアンカー部材6の中空部口径に近接する大きさとしてせん断力に抵抗する構成とする。
アンカー部材6は、中空部4の奥端部を貫通させた穴に中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴5を形成し、更に雌ねじ穴5の先端部を接着剤が浸透しないように止め栓で塞いだ構成とする。
連結用ボルト8は、普通鋼、又は低降伏点鋼で製作する。
連結用ボルト8と鉄骨造の接合ブロック10とは、連結用ボルト8において木質構造材1の木口1aから突き出た後端部に雄ねじ12を形成し、該雄ねじ12を接合ブロック10のボルト孔11へ通しナット13を締め込んで接合する。
連結用ボルト8とコンクリート造の接合ブロック15は、連結用ボルト8において木質構造材1の木口1aから突き出た後端部に連結用ボルト8の軸径よりも大径のコブ13を形成し、前記のコブ13を接合ブロック15の型枠16内へ一定のコンクリート被りとなる位置まで差し込み、同型枠16内へ現場打ちコンクリートを打設して接合する。その場合に、コンクリート造の接合ブロック15の型枠16内に鉄筋を配筋して現場打ちコンクリートを打設するか、又は鉄筋を配筋することなく繊維補強コンクリートを打設して接合する。
図1と図2は、請求項1〜9に係る発明の木質構造材の接合工法および接合構造の実施例1を示している。
木製の梁材又は柱材の如き木質構造材1には、その接合端部の木口1aから材軸方向に向かって、図1と図2の場合には上下に2本の下穴が、後述する連結用ボルトが引っ張り応力に対して必要な耐力を発揮する上で必要とされる口径と奥行き深さ(通例口径は20〜30mm、奥行き深さ200mm〜300mm程度。但し、口径30mmで奥行き深さ500mm程度も実施される。)に掘られ、同下穴の内周面の全長にタップで雌ねじを形成するねじ切り加工が行なわれている。但し、下穴の本数や配置は、木質構造材1の断面や木口1aの大きさ、長さ、及び設計負荷の大きさなどに応じて適宜に設計し実施する。かくして木質構造材1の材軸方向に形成された雌ねじ穴を図面に符号2で示す。もっとも、下穴の穴あけと雌ねじ切り加工とを同時に行える機械による同時加工法による実施例も含むものとする。
次に、上記雌ねじ穴2の奥行き寸法とほぼ同じ長さで、ほぼ同径の中空円筒形状で、外周面の全長に前記雌ねじ穴2と共通仕様の雄ねじ3が形成され、中空部4の奥端近傍に同中空部4の口径よりもやや小径の雌ねじ穴5が奥行き長さにして例えば50mmから70mm程度形成されたアンカー部材6が用意され、該アンカー部材6は、図2に示したように前記雌ねじ穴2の中へ深くねじ込まれ強固に固定される。
更に、先端部に前記アンカー部材6の雌ねじ穴5と共通仕様の雄ねじ部7がほぼ同じ長さに形成され、この雄ねじ部7を図2のようにアンカー部材6の雌ねじ穴5へネジ接合した場合に後端部が木質構造材1の木口1aから後述する接合ブロックとの接合に必要な長さ突き出す長さ(全長)の連結用ボルト8が、前記の雄ねじ部7を前記アンカー部材6の雌ねじ穴5へ強固にネジ接合して木質構造材1に設置される。
その結果、図2に示したように、連結用ボルト8は、雄ねじ部7が雌ねじ穴5へネジ接合された部分を除いた長さ範囲Lが引っ張り応力で変形(歪み)可能な自由部分として構成される。よって、連結用ボルト8が普通鋼で製作された場合はもとより、特に低降伏点鋼で製作された場合には、一定大きさの負荷に応じて降伏して塑性エネルギーを吸収し制震作用を発揮するほか、接合部に作用する応力を一定大きさ(前記降伏応力)に制御する(制限する)ことが可能な接合を実現できる。勿論、地震等により降伏した連結用ボルト8は、交換することにより容易に修復することができる。
図3A、Bは、上記図1、2のようにして木質構造材1の接合端部の木口1aに用意した連結用ボルト8を利用して、2本の木質構造材1、1を鉄骨造の接合ブロック10を仲介として一連に接合した実施例を示している。
図3の場合、鉄骨造の接合ブロック10は、一例として、H形鋼を木質構造材1の幅寸と同じ長さに裁断したに等しい形状、構造とされ、各木質構造材1の木口1aが接合ブロック10のフランジ部10aの外面にぴったりと接触されている。
接合ブロック10のフランジ部10aには、木質構造材1の木口1aから突き出された上記連結用ボルト8の後端部と一致する位置に、予めボルト孔11が設けられている。また、木質構造材1の木口1aから突き出された上記連結用ボルト8の後端部には、一定の長さ範囲に予め雄ねじ12が形成されており、前記のようにフランジ部10aのボルト孔11へ通された雄ねじ12にナット13がねじ込まれ、強く締結されて接合の目的が達成されている。
もっとも、鉄骨造の接合ブロック10は、上記のH形鋼を裁断したような形状、構造の限りではない。木質構造材1の木口1aから突き出された上記連結用ボルト8の後端部を利用して接合可能な形状、構造であれば、その如何を問うものではない。例えば溶接組立品や鋳造品であっても良い。あるいはブロック品のかぎりではなく、必要、十分に長い鉄骨柱の類であっても良い。
図4は、上記図1、2のようにして木質構造材1の木口1aに設置した連結用ボルト8を利用して、直交する配置とされた4本の木質構造材1、1…を、コンクリート造の接合ブロック15を仲介として接合した実施例を示している。
因みに、図4を立面図として見る場合は、上下の柱および左右の梁を接合ブロック15で接合した柱梁接合部の実施例と理解することができる。また、図4を平面図として見る場合には、柱位置を中心として直交する4方向の梁−梁接合部の実施例と理解することができるであろう。
図4の実施例は、木質構造材1の木口1aから突き出た連結用ボルト8の後端部を利用して、コンクリート造の接合ブロック15と接合した実施例を示している。即ち、木質構造材1の木口1aから突き出た連結用ボルト8の後端部に、当該連結用ボルト8の軸径よりも大径のコブとしてナット13が取り付けられ、同ナット13を接合ブロック15の型枠16内へ必要とされるコンクリート被りとなる位置まで差し込み、同型枠16内へ現場打ちコンクリートを打設して接合した構成である。もっとも、連結用ボルト8のコブは前記ナットの構成であるほかに、いわゆる据え込み加工で形成するコブ、或いは溶接等で金属片等を接合した構成で実施することもできる。
本実施例の場合に、コンクリート造の接合ブロック15による接合構造は、型枠16内に、図示を省略した鉄筋を配筋して現場打ちコンクリートを打設して行う場合、又は鉄筋を配筋することなく、繊維補強コンクリートを打設して接合する場合などを選択的に実施することができる。
また、コンクリート造の接合ブロック15は、図示したサイコロ形状のブロックである場合の他、図4の紙面と垂直方向に長いコンクリート造柱の構成などで実施することもできる。
以上の各実施例1、2は、木質構造材1の木口1aに雌ねじ穴2を形成して、アンカー部材6を前記雌ねじ穴2へねじ込み単純にネジ止め固定する構成であったが、図5の実施例3では、木質構造材1の雌ねじ穴2の雌ねじ面および下穴の奥端に、刷毛塗り又は噴霧若しくは注入等の方法で接着剤20を塗布ないし充填し、もってアンカー部材6は木質構造材1の前記雌ねじ2へねじ込んで接着し固定する構成を特徴とする。アンカー部材6の取付耐力を高め、靱性効果をより一層高めるためである。下穴の奥端に充填した接着剤20はアンカー部材6の奥端との間に発生しやすい隙間を埋めて、いわゆる断面欠損を防ぐ効果も奏する。
なお、本実施例3でいう接着剤20は、アンカー部材6は木質構造材1の接着・固定に実効性があるものであれば足り、その種類を問うものではない。通例、合成樹脂製の接着剤(例えばエポキシ樹脂)などが好適である。
アンカー部材6の構造は、その先端部近傍に雌ねじ穴5を備え、この雌ねじ穴5へ連結用ボルト8の先端部の雄ねじ部7をネジ接合することで、図2に示す長さLを可及的に大きく確保して制震作用に寄与せしめる。しかし、図1のように奥端が閉鎖された中実構造の雌ねじ穴5を加工することは技術的に大変面倒で手数がかかる。そこで図6A、Bに示した実施例4では、先ずアンカー部材6の中空部4は貫通穴として形成され(又はパイプ材を裁断して利用する。)、同中空部4の先端部に必要な有効長さの雌ねじ穴5を加工する(図6A)。しかる後に、例えば鋼製のネジプラグのような止め栓21をねじ込み、少なくとも上記実施例3で説明した接着剤がアンカー部材6の中空部4へ浸入して、図2に示す長さLの有効性を毀損しない構成(図6B)で使用する。
もっとも、実施例1、2のように接着剤を使用しない場合には、図6Aのように中空部4の先端が開口した構成のまま使用して接合を行うこともできる。
最後に、図7A、Bに示した実施例5は、上記したように共通な一つの木質構造材1の木口1aに複数の下穴および雌ねじ穴2が設置され、アンカー部材6および連結用ボルト8の組みが複数設置される場合に、そのうちの一組みないし複数組みは、図7Aに示したように連結用ボルト8の少なくとも首部分8aの軸径が、アンカー部材6の中空部4の口径に近接する大きさで両者に殆ど隙間が発生せず、木質構造材1の接合部にせん断力が働いた場合に効果的に抵抗する構成で実施することが好ましい。
もっとも、図7の実施例は、A図に、長さは短いが、もっぱら接合部にせん断力が働いた場合に効果的に抵抗する連結用ボルト8の構成を示し、B図には引っ張り応力に対して塑性エネルギーの吸収に必要十分な長さを確保した連結用ボルト8の構成を示し、これら2種類のアンカー部材6および連結用ボルト8の組みを適宜に組み合わせて実施する場合を示している。また、図7Bは、例えば図1の実施例とは逆に、連結用ボルト8の軸径が先端の雄ねじ部7の有効外径よりも大径である実施例を示している。
以上に図示した実施例に基づいて本発明を説明してきたが、勿論、本発明は上記の各実施例に限定されるものではない。本発明の目的と要旨、及び思想を逸脱しない限り、いわゆる当業者が必要に応じて行う設計変更や変形、応用も含めて広く多様に実施されるものであることを、念のため申し添える。
本発明に係る木質構造材の接合工法の構成要素を分解状態で示した説明図である。 図1の構成要素を組み立てた木質構造材を示す断面図である。 A、Bは鉄骨造の接合ブロックによる接合構造を示す平面および正面方向の断面図である。 コンクリート造の接合ブロックによる接合構造を示す断面図である。 木質構造材とアンカー部材の固定に接着剤を使用した実施例の断面図である。 A、Bはアンカー部材の異なる実施例を示した断面図である。 A、Bは木質構造材とアンカー部材の固定構造が異なる実施例の断面図である。
符号の説明
1 木質構造材
1a 木口
2 雌ねじ穴
3 雄ねじ
4 中空部
5 雌ねじ穴
6 アンカー部材
7 雄ねじ部
8 連結用ボルト
10、15 接合ブロック
11 ボルト孔
12 雄ねじ
13 ナット
16 型枠
20 接着剤
21 止め栓

Claims (9)

  1. 木質構造材の木口から材軸方向へ複数の下穴を掘り、該下穴の内周面に雌ねじを形成する工程と、
    中空円筒形状をなし、外周面に前記木質構造材の雌ねじと共通仕様の雄ねじを形成し、中空部の奥端近傍に中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴を形成して成るアンカー部材を木質構造材の前記雌ねじへねじ込んで固定する工程と、
    先端部に前記アンカー部材の雌ねじ穴と共通仕様の雄ねじ部を有し、該雄ねじ部を前記雌ねじ穴へネジ接合すると木質構造材の木口から後端部が突き出す長さとした連結用ボルトの前記雄ねじ部をアンカー部材の前記雌ねじ穴へネジ接合して連結用ボルトを木質構造材へ設置する工程と、
    木質構造材の木口から突き出た連結用ボルトの後端部を鉄骨造又はコンクリート造の接合ブロックと接合する工程とからなることを特徴とする、木質構造材の接合工法。
  2. 木質構造材の木口から材軸方向へ複数の下穴を掘り、該下穴の内周面に雌ねじを形成すると共に当該雌ねじ面および下穴の奥端に接着剤を塗布ないし充填する工程と、
    中空円筒形状をなし、外周面に前記木質構造材の雌ねじと共通仕様の雄ねじを形成し、中空部の奥端近傍に中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴を形成して成るアンカー部材を木質構造材の前記雌ねじへねじ込んで接着し固定する工程と、
    先端部に前記アンカー部材の雌ねじ穴と共通仕様の雄ねじ部を有し、該雄ねじ部を前記雌ねじ穴へネジ接合すると木質構造材の木口から後端部が突き出す長さとした連結用ボルトの前記雄ねじ部をアンカー部材の前記雌ねじ穴へネジ接合して連結用ボルトを木質構造材へ設置する工程と、
    木質構造材の木口から突き出た連結用ボルトの後端部を鉄骨造又はコンクリート造の接合ブロックと接合する工程とからなることを特徴とする、木質構造材の接合工法。
  3. 一つの木質構造材の木口に複数設置されるアンカー部材および連結用ボルトの組みのうち一組みないし複数組みは、連結用ボルトの少なくとも首部分の軸径をアンカー部材の中空部口径に近接する大きさとしてせん断力に抵抗する構成とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載した木質構造材の接合工法。
  4. アンカー部材は、中空部の奥端部を貫通させた穴に中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴を形成し、更に雌ねじ穴の先端部を接着剤が浸透しないように止め栓で塞いだ構成とすることを特徴とする、請求項2に記載した木質構造材の接合工法。
  5. 連結用ボルトは、普通鋼、又は低降伏点鋼で製作することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した木質構造材の接合工法。
  6. 接合ブロックが鉄骨造の場合は、連結用ボルトにおいて木質構造材の木口から突き出る後端部に雄ねじを形成し、前記雄ねじ部を接合ブロックのボルト孔へ通しナットを締め込み接合することを特徴とする、請求項1〜3又は5のいずれか一に記載した木質構造材の接合工法。
  7. 接合ブロックがコンクリート造の場合は、連結用ボルトにおいて木質構造材の木口から突き出る後端部に同連結用ボルトの軸径よりも大径のコブを形成し、前記のコブを接合ブロックの型枠内へ一定のコンクリート被りとなる位置まで差し込み、同型枠内へ現場打ちコンクリートを打設して接合することを特徴とする、請求項1〜3又は5のいずれか一に記載した木質構造材の接合工法。
  8. コンクリート造の接合ブロック用型枠内に鉄筋を配筋して現場打ちコンクリートを打設し、又は鉄筋を配筋することなく繊維補強コンクリートを打設して連結用ボルトと接合することを特徴とする、請求項1〜3又は5若しくは7のいずれか一に記載した木質構造材の接合工法。
  9. 木質構造材の木口から材軸方向へ複数の雌ねじ穴が形成されており、
    中空円筒形状をなし、外周面には木質構造材の前記雌ねじ穴と共通仕様の雄ねじが形成され、中空部の奥端近傍に中空部口径よりもやや小径の雌ねじ穴が形成されて成るアンカー部材が木質構造材の前記雌ねじ穴へねじ込まれ固定されており、
    先端部に前記アンカー部材の雌ねじ穴と共通仕様の雄ねじ部を有し、該雄ねじ部を前記雌ねじ穴へネジ接合すると木質構造材の木口から後端部が突き出す長さとされた連結用ボルトがその雄ねじ部を前記アンカー部材の雌ねじ穴へネジ接合して木質構造材へ設置されており、
    木質構造材の木口から突き出た前記連結用ボルトの後端部が鉄骨造又はコンクリート造の接合ブロックと接合されていることを特徴とする、木質構造材の接合構造。



































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