JP4700737B2 - 鋳造品生産ライン装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は鋳造品を生産する鋳造品生産ライン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、閉じた円形ループ状をなす搬送路に沿って複数の鋳枠を直列に配置した鋳造方法および鋳造ラインが開示されている(特許文献1)。このものによれば、閉じた円形ループ状をなす搬送路の中央に造型装置が配置されている。更に、閉じた円形ループ状の搬送路に沿って注湯装置および鋳型ばらし装置が順に配置されている。そして、造型装置によって造型された砂型鋳型は、円形ループ状をなす搬送路に沿って、注湯装置側に搬送されて注湯装置により注湯され、その後、円形ループ状をなす搬送路に沿って鋳型ばらし装置側に搬送されて鋳型ばらし装置によりばらされる。
【0003】
また、横軸型に配置された長い円筒形状をなす回転ドラムをもつ鋳型ばらし装置と、鋳型ばらし装置の回転ドラムの入口開口に繋がる搬入コンベヤと、鋳型ばらし装置の回転ドラムの出口開口に繋がる搬出コンベヤとを備える回転ドラム型砂処理装置が開示されている(特許文献2)。このものによれば、鋳造品が埋設されている砂型鋳型が入口開口から回転ドラムの内部に装入された状態で、回転ドラムが回転する。そして、回転により鋳造品が回転ドラムの内部で転動し、鋳物砂と鋳造品との分離を促進させる。入口開口は回転ドラムの一端部に形成され、出口開口は回転ドラムの他端部に形成されているため、回転ドラムの全長にわたり、鋳造品は転動し、転動により鋳物砂と鋳造品との分離が促進される。
【0004】
更に、箱状の減圧器をもつ鋳型ばらし装置を有する砂回収装置が開示されている(特許文献3)。このものによれば、溶湯を注湯して形成した鋳造品をもつ砂型鋳型の全体を鋳型ばらし装置の箱状の減圧器の内部に収容する。その状態で、減圧器の内部を真空ポンプ等の真空源により減圧させ、砂型鋳型のうち鋳造品の近傍に存在する水分凝縮層の水分を沸騰させる。そして沸騰により発生する圧力を利用して砂型鋳型を崩壊させ、鋳物砂と鋳造品との分離を促進させる。
【先行技術文献】
【特許文献1】
特開2003−326358号公報
【特許文献2】
特開平9−225624号公報
【特許文献3】
特開2001−300718号公報
上記した従来技術によれば、砂型鋳型をばらす鋳型ばらし装置(型ばらし部)の小型化とばらし時間の短縮化とは要請されている。しかし必ずしも充分ではなかった。
【0005】
特許文献1では、搬送路が円形ループ状をなしているため、円形ループで包囲される空間にデッドスペースが発生し易く、小型化は必ずしも充分ではなかった。さらに、砂型鋳型のばらし時間は長い時間必要であった。
【0006】
特許文献2では、長い円筒形状をなす横軸型に配置された回転ドラムが用いられているため、回転ドラムの軸長方向の長さが長いほど、回転ドラムの内部において鋳造品を転動させる距離が長く確保され、鋳物砂を鋳造品から分離させることができる。従って、回転ドラムの軸長方向の長さが長くなりがちであり、鋳型ばらし装置が大型化しがちであった。さらに、砂型鋳型のばらし時間も長い時間必要であった。
【0007】
また、特許文献3では、砂型鋳型の全体を外側から包囲する箱状の減圧器、減圧器に繋がる真空ポンプ等の真空源が用いられているため、鋳型ばらし装置が大型化しがちであった。さらに、真空を得るため長い時間を必要とし、砂型鋳型のばらし時間は長い時間必要であった。
【0008】
更には、上記した特許文献1〜3によれば、ばらし時間は長い時間必要とされるため、ばらし直後の鋳造品の温度はかなり低温に冷却されていた。故に、ばらし後の鋳造品の冷却速度を早める制御冷却を実行できるものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、砂型鋳型に埋設されている鋳造品の少なくとも一部を鋳造品支持要素により支持した状態で砂型鋳型のうち熱影響が相対的に小さな外側部分を引き剥がすようにしており、大型化した鋳型ばらし装置を用いなくても、鋳造品と鋳物砂とを短時間のうちに迅速に分離することができ、従って、ばらし後の鋳造品の温度を高温状態に維持でき、ばらし後の鋳造品の冷却速度を早める制御冷却が可能となり、更に、型ばらし部の小型化を図ることができる鋳造品生産ライン装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)様相1に係る鋳造品生産ライン装置は、造型用鋳物砂を混練する混練部と、単数または複数の鋳造品を形成する成形キャビティを備える砂型鋳型を造型用鋳物砂から造型する造型部と、砂型鋳型の成形キャビティに溶湯を注湯する注湯部と、注湯された砂型鋳型をばらす型ばらし部とを併有した鋳造品生産ライン装置であって、砂型鋳型を型ばらし部でばらすにあたり、鋳造品の少なくとも一部を鋳造品支持要素により支持した状態で砂型鋳型を引き剥がしてばらすようにしており、
前記型ばらし部は、(i)注湯後の前記砂型鋳型に埋設されている前記鋳造品の少なくとも一部を拘束して支持する前記鋳造品支持要素と、(ii)前記鋳造品を埋設している注湯後の前記砂型鋳型のうち熱影響が相対的に小さな外側部分を、前記鋳造品から部分的に引き剥がす引き剥ぎ手段と、(iii)前記引き剥ぎ手段を引き剥ぎ方向に移動させる引き剥ぎ駆動源とを備えており、
前記引き剥ぎ手段は、互いに遠ざかる方向に移動可能な第1引き剥ぎ手段および第2引き剥ぎ手段とを備えており、前記引き剥ぎ駆動源は、前記第1引き剥ぎ手段を前記砂型鋳型の引き剥ぎ方向に移動させる第1引き剥ぎ駆動源と、前記第2引き剥ぎ手段を前記砂型鋳型の引き剥ぎ方向に移動させる第2引き剥ぎ駆動源とを備えていることを特徴とする。
【0011】
様相1に係る鋳造品生産ライン装置によれば、鋳造品の少なくとも一部を鋳造品支持要素により支持した状態で砂型鋳型のうち熱影響が相対的に小さな外側部分を引き剥がして砂型鋳型をばらす。このため、従来技術(特許文献2,3)に係る大型化した鋳型ばらし装置を用いなくても、砂型鋳型を引き剥がしによりばらして鋳造品と鋳物砂とを短時間に分離することができる。
【0012】
更に、本様相によれば、横軸型の回転ドラムや箱状の減圧器を設けずとも良いため、型ばらし部の小型化、ひいては鋳造品生産ライン装置の小型化を図ることができる。更に、鋳造品を鋳造品支持要素により支持した状態で砂型鋳型のうち熱影響が相対的に小さな外側部分を引き剥がして砂型鋳型をばらすようにしているため、砂型鋳型のばらし時間が短くなる。この場合、ばらし後の鋳造品の温度をできるだけ高温に維持できる。従って、ばらし後の鋳造品の冷却速度を早めることができ、金属組織の基地を調整する制御冷却を実行することができる。鋳造品が鉄−炭素系の鋳鉄である場合には、制御冷却によれば、鋳造品の基地におけるパーライト、フェライト、ベイナイト等の金属相の面積率が調整可能となる。具体的にはフェライトを減少させ、パーライトまたはベイナイト等の強化相の面積率を増加させることが可能となる。このように基地が強化されるため、鋳造品の強度を確保しつつ、マンガン、クロム、バナジウム等といった強化用の合金元素を低減させることを期待できる。ここで、ばらし後の鋳造品の温度は、塊状の砂型鋳型が崩壊したときにおける鋳造品の温度を意味する。
【0013】
本様相によれば、鋳造品が鉄−炭素系の鋳鉄である場合には、型ばらし開始時の鋳造品の温度としては、A1変態点を越える温度領域であっても良いし、A1変態点であっても良いし、A1変態点未満で450℃以上の温度領域であっても良い。A1変態点は降温時におけるA1変態点を意味する。なお、型ばらし開始時の鋳造品の温度は、あまり高温であると、鋳造品の変形が大きくなるおそれがあるため、1200℃以下、1000℃以下、900℃以下、800℃以下であることが好ましい。また、型ばらし開始時の鋳造品の温度があまり低温であると、制御冷却が期待されないため、450℃以上、500℃以上、550℃以上、600℃以上が好ましい。
【0014】
更に、鋳造品が鉄−炭素系の鋳鉄である場合には、ばらし後の鋳造品の温度としては、A1変態点を越える温度領域であっても良いし、A1変態点であっても良いし、A1変態点未満で450℃以上の温度領域であっても良い。同様に、ばらし後の鋳造品の温度があまり高温であると、鋳造品の変形が大きくなるおそれがあるため、1100℃以下、1000℃以下、900℃以下、800℃以下であることが好ましい。また、ばらし後の鋳造品の温度があまり低温であると、制御冷却が期待されないため、450℃以上、500℃以上、550℃以上、600℃以上が好ましい。なお、ばらし終了時点では、ショットで容易に除去できる程度の鋳物砂が鋳造品に付着していても良い。
【0015】
本様相によれば、鋳造品が鉄−炭素系の鋳鉄である場合には、制御冷却として次の(a)〜(c)の形態が考えられる。
(a)A1変態点よりも高い温度領域からA1変態点を通過する冷却速度を早めること
(b)A1変態点プラスマイナス15℃の温度領域から降温する冷却速度を早めること
(c)A1変態点未満で450℃以上の温度領域から降温する冷却速度を早めること
(2)様相1に係る鋳造品生産ライン装置によれば、型ばらし部は、(i)注湯後の砂型鋳型に埋設されている鋳造品の少なくとも一部を拘束して支持する鋳造品支持要素と、(ii)鋳造品を埋設している注湯後の砂型鋳型のうち熱影響が相対的に小さな外側部分を、鋳造品から部分的に引き剥がす引き剥ぎ手段と、(iii)引き剥ぎ手段を引き剥ぎ方向に移動させる引き剥ぎ駆動源とを備えている。この場合、引き剥ぎ手段は引き剥ぎ駆動源により駆動される。この結果、鋳造品を埋設している注湯後の砂型鋳型のうち熱影響が相対的に小さな外側部分は、鋳造品から短時間に引き剥がされる。このため本様相は、ばらし後の鋳造品の温度をできるだけ高温にできる。このため、ばらし後の鋳造品の冷却速度を早める制御冷却が可能となる。この場合、鋳造品の冷却速度が早まるため、金属組織の基地が調整可能となる。
【0016】
上記した引き剥ぎ駆動源としては、流体圧シリンダ装置(例えば油圧シリンダ装置、空気圧シリンダ装置)、モータ装置が例示される。ここで、引き剥ぎ手段は、互いに遠ざかる方向に移動可能な第1引き剥ぎ手段および第2引き剥ぎ手段とを備えている。更に、引き剥ぎ駆動源は、第1引き剥ぎ手段を砂型鋳型の引き剥ぎ方向に移動させる第1引き剥ぎ駆動源と、第2引き剥ぎ手段を砂型鋳型の引き剥ぎ方向に移動させる第2引き剥ぎ駆動源とを備えている。
【0017】
(3)様相2に係る鋳造品生産ライン装置は、上記様相において、型ばらし部の引き剥ぎ手段は、(i)砂型鋳型から鋳造品を取り出すと共に砂型鋳型のうち溶湯に起因する熱影響が相対的に大きな鋳物砂と溶湯に起因する熱影響が相対的に小さい鋳物砂とを分離
(ii)混練部は、(ii−a)引き剥ぎ手段で分離された熱影響が相対的に大きな鋳物砂に砂用添加材を配合して混練して鋳物砂を再生する第1混練部と、(ii−b)第1混練部で混練されて再生された鋳物砂と引き剥ぎ手段で分離された熱影響が相対的に小さい鋳物砂とを配合して混練し、造型部で造型される造型用鋳物砂を形成する第2混練部とを具備しており、
(iii)熱影響が相対的に大きな鋳物砂の単位質量あたりに配合される砂用添加材の配合量をWaとし、熱影響が相対的に小さい鋳物砂の単位質量あたりに配合される砂用添加材の配合量をWbとするとき、配合量Waは配合量Wbよりも大きく設定されており、
(iv)第2混練部で形成された造型用鋳物砂を造型部に搬送するようにしたことを特徴とする。
【0018】
この場合、型ばらし部の引き剥ぎ手段は、熱影響が相対的に大きな鋳物砂と、熱影響が相対的に小さい鋳物砂とを分別する。そして、熱影響が相対的に大きな鋳物砂(単位質量当たりの鋳物砂)に配合される砂用添加材の配合量をWaとし、熱影響が相対的に小さな鋳物砂(単位質量当たりの鋳物砂)に配合される砂用添加材の配合量をWbとすると、WaはWbよりも大きく設定されている。換言すると、熱影響が相対的に大きな鋳物砂の改善に重点が置かれ、熱影響が相対的に大きな鋳物砂に砂用添加材が重点的に配合される。また、熱影響が相対的に小さな鋳物砂には、砂用添加材があまり配合されないか、全く配合されない。このため、造型用鋳物砂の品質を維持しつつ、鋳物砂に配合される砂用添加剤の消費量をできるだけ低減させることができる。また、本様相は、第2混練部で形成された造型用鋳物砂を造型部に搬送するようにしている。このため、第2混練部で形成された造型用鋳物砂は、造型部に直接供給される。故に、造型用鋳物砂を保管する保管スペースが小さくされ、鋳造品生産ライン装置の小型化が図られる。
【0019】
(4)様相3に係る鋳造品生産ライン装置によれば、上記様相において、型ばらし部は、砂型鋳型のばらし前に、鋳造品を埋設している注湯後の砂型鋳型に押し込まれて砂型鋳型に亀裂を発生させる亀裂生成手段を有する。この場合、亀裂生成手段は砂型鋳型に亀裂を生成させるため、砂型鋳型は早期に引き剥ぎ可能となる。よって、砂型鋳型を引き剥ぐ操作が迅速化される。従って、型ばらし時において、鋳造品の温度の降下が抑制されつつ、鋳造品の回りの鋳物砂が早期に除去されるため、ばらし後の鋳造品の温度が高温に維持され、鋳造品の制御冷却は容易となる。
【0020】
(5)様相4に係る鋳造品生産ライン装置は、上記した様相において、(i)鋳造品を切削部で切削加工するときにおける切削抵抗を検知する切削抵抗検知手段と、(ii)切削抵抗検知手段で検知された切削抵抗に異状が認められるとき、溶解材料に添加する溶湯用添加材の量、溶湯用添加材の種類の少なくとも一つを調整する指令を出力する調整指令手段とを具備する。この場合、切削抵抗に異状が認められるとき、溶解材料に添加する溶湯用添加材の量、溶湯用添加材の種類の少なくとも一つが調整される。このため溶湯の性状が調整され、切削抵抗の異状が改善される。これにより鋳造品の切削加工を良好に行うことができる。
【0021】
(6)様相5に係る鋳造品生産ライン装置は、上記した様相において、(i)切削前および/または切削後の鋳造品の寸法精度を検知する寸法精度検知手段と、(ii)寸法精度検知手段で検知された寸法精度に異状が認められるとき、砂型鋳型の鋳型強度を調整する指令を造型部に出力する鋳型強度調整指令手段とを具備する。この場合、砂型鋳型の寸法精度に異状が認められるとき、砂型鋳型の鋳型強度が調整されるため、鋳造品の寸法精度の異状が改善される。
【0022】
(7)様相6に係る鋳造品生産ライン装置は、上記した様相において、(i)砂型鋳型から取り出した鋳造品にショットを投射して砂落としするショット投射装置と、(ii)鋳造品の性状に応じて投射するショットの投射時間および/または投射量を変更する指令をショット装置に出力するショット変更指令手段とを具備することを特徴とする。この場合、鋳造品の材質、種類等が変更されるときであっても、適切なショットが鋳造品に投射され、鋳造品に付着している鋳物砂の全部またはほとんどが除去される。
【0023】
また上記したようにばらし後の鋳造品の温度が高温であれば、高温の鋳造品にショットが投射されることになる。この場合、ショット投射直後における鋳造品の温度は高く維持されるため、鋳造品を冷却する速度が早くなる。このため金属組織の基地を調整する制御冷却が更に容易となる。
【0024】
(8)様相7に係る鋳造品生産ライン装置は、上記した様相において、(i)砂型鋳型から鋳造品を取り出した後に、砂型鋳型から取り出した鋳造品を一時的に保管する鋳造品保管部と、(ii)鋳造品保管部で冷却されている切削前の鋳造品の冷却を促進させる鋳造品冷却装置とを具備することを特徴とする。この場合、鋳造品保管部で保管されている切削加工前の鋳造品の数が増加しているとき、あるいは、鋳造品の温度が適温よりも高いときには、鋳造品冷却装置の冷却能力が高められるため、鋳造品の冷却が促進される。故に、中間在庫(ばらし後で切削加工前の鋳造品)の数の増加が抑制される。
【0025】
(9)様相8に係る鋳造品生産ライン装置は、上記様相において、鋳造品保管部で保管されている鋳造品の保管数および/または温度に応じて切削前の鋳造品の冷却速度を調整する指令を鋳造品冷却装置に出力する鋳造品冷却調整指令手段を具備している。この場合、鋳造品の保管数および/または温度に応じて切削前の鋳造品の冷却速度を調整することができる。即ち、鋳造品の保管数が増加したり、鋳造品の温度が所定温度よりも高かったりするとき、鋳造品の冷却速度が早められれば、制御冷却が一層容易となると共に、鋳造品保管部の保管スペースが低減される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、砂型鋳型を型ばらし部でばらすにあたり、上記したように砂型鋳型に埋設されている鋳造品を鋳造品支持要素により支持した状態で、砂型鋳型を、第1引き剥ぎ駆動源により駆動される第1引き剥ぎ手段と第2引き剥ぎ駆動源により駆動される第2引き剥ぎ手段とにより引き剥がしてばらす。これにより砂型鋳型に鋳造品が埋設されているときであっても、鋳造品と鋳物砂とを容易に且つ迅速に分離することができる。従って、ばらし後の鋳造品の温度をできるだけ高温状態に維持できる。故に、ばらし後の鋳造品の冷却速度を早める制御冷却が可能となり、鋳造品の金属組織の基地の強化に貢献できる。更に本発明によれば、砂型鋳型に埋設されている鋳造品を鋳造品支持要素により支持した状態で砂型鋳型のうち熱影響が相対的に小さい外側部分を引き剥がして砂型鋳型をばらすため、従来技術とは異なり、横軸型の回転ドラムや箱状の減圧器を設けずとも良いため、型ばらし部の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は実施例1に係り、鋳造品生産ライン装置を模式的に示す平面図である。
【図2】図2は砂型鋳型を模式的に示す平面図である。
【図3】図3は砂型鋳型を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は実施例1に係り、鋳造品を有する砂型鋳型を型ばらししている途中の状態を模式的に示す正面図である。
【図5】図5は実施例1に係り、鋳造品を有する砂型鋳型を型ばらし部により型ばらししている途中の状態を模式的に示す平面図である。
【図6】図6(A)(B)は実施例1に係り、図6(A)は鋳造品を有する砂型鋳型を型ばらし部により型ばらししている状態を模式的に示す平面図であり、図6(B)は鋳造品を有する砂型鋳型を型ばらし部により型ばらししている状態を模式的に示す断面図である。
【図7】図7は鋳造品生産ライン装置を模式的に示す平面図である。
【図8】図8は制御冷却した球状黒鉛鋳鉄の組織を示す図(倍率:100倍)である。
【図9】図9は制御冷却していない球状黒鉛鋳鉄の組織を示す図(倍率:100倍)である。
【図10】図10は片状黒鉛鋳鉄について制御冷却した場合と制御冷却していない場合との冷却曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
鋳造品生産ライン装置は、造型用鋳物砂を混練する混練部と、単数または複数の鋳造品を形成する成形キャビティを備える砂型鋳型を造型用鋳物砂から造型する造型部と、砂型鋳型の成形キャビティに溶湯を注湯する注湯部と、注湯された砂型鋳型をばらす型ばらし部とを有する。この鋳造品生産ライン装置は、更に、溶解材料を溶解して溶湯を形成する溶解部や、砂型鋳型からばらした(取り出した)鋳造品を切削加工する切削部を有することが好ましい。
【0029】
砂型鋳型を型ばらし部でばらすにあたり、鋳造品を鋳造品支持要素により支持した状態で砂型鋳型のうち熱影響が相対的に小さな外側部分を引き剥がして砂型鋳型をばらすようにしている。鋳造品支持要素としては、鋳造品のうちの少なくとも一部を型ばらし部において支持できるものであれば良い。鋳造品の一部としては、鋳造品のうち製品部分であっても良いし、製品部分以外の部分でも良い。製品部分以外の部分としては、砂型鋳型の湯口空洞の溶湯が凝固した湯口部分、砂型鋳型の湯道空洞の溶湯が凝固した湯道部分、砂型鋳型の堰空洞の溶湯が凝固した堰部分、砂型鋳型のガス抜き機能を有するベント空洞の溶湯が凝固したガス抜き部等の少なくとも一つが挙げられる。製品部分以外の部分を鋳造品支持要素で支持すれば、鋳造品の製品部分の損傷が抑制または回避される。鋳造品支持要素により鋳造品を支持する形態としては、鋳造品のうちの少なくとも一部に嵌合する形態、あるいは、鋳造品のうちの少なくとも一部に機械的に係合する形態、あるいは、鋳造品のうちの少なくとも一部を挟持して固定する形態が例示される。
【0030】
前記した溶解部としては、溶解材料を溶解して溶湯を形成するものであれば何でも良いが、酸素または酸素含有ガスを燃料に供給して溶解する方式が例示される。この方式以外に、キュポラや電気溶解炉等を用いても良い。燃料としては特に限定されず、固体燃料、液体燃料、気体燃料が例示される。溶湯としては、片状黒鉛鋳鉄の溶湯、球状黒鉛鋳鉄の溶湯、亜共晶鋳鉄の溶湯、過共晶鋳鉄の溶湯、共晶鋳鉄の溶湯、合金鋳鉄の溶湯、あるいは、他の鋳鉄溶湯でも良い。砂型鋳型としては、単数の鋳造品を鋳造する成形キャビティを有することが好ましい。この場合、鋳造品の位置が砂型鋳型において固定化するため、鋳造品の寸法精度、凝固速度、凝固後の冷却速度におけるバラツキが低減され、鋳造品の品質のバラツキが低減される。なお、造型部で造型される砂型鋳型としては、無枠式でも有枠式でも良い。
【0031】
本発明によれば、型ばらし部は引き剥ぎ手段をもつ。引き剥ぎ手段は、砂型鋳型のうち溶湯に起因する熱影響が相対的に大きな鋳物砂と、溶湯に起因する熱影響が相対的に小さい鋳物砂とを分離することができる。この場合、熱影響が相対的に大きな鋳物砂(熱劣化された鋳物砂)に重点的に砂用添加材を配合できる。熱影響が相対的に小さな鋳物砂には砂用添加材を全く配合しないか、配合したとしても少量とする。砂用添加材としては、ベントナイト等の粘結剤等の公知のものが例示される。上記した型ばらし部としては、砂型鋳型に埋設されている鋳造品を支持する鋳造品支持要素と、砂型鋳型のうち鋳造品に隣接および近接している部位(砂型鋳型のうち熱影響が相対的に大きな部位)とそれ以外の部位(鋳造品に隣接および近接していない部位,砂型鋳型のうち熱影響が相対的に小さな部位)とを分離させる引き剥ぎ手段とを有することができる。これにより引き剥ぎ手段は、溶湯による熱影響が相対的に大きな鋳物砂と、溶湯による熱影響が相対的に小さい鋳物砂とを簡便に分離することができる。
【0032】
従って、混練部としては第1混練部と第2混練部とを備えることができる。第1混練部は、引き剥手段で分離された熱影響が相対的に大きな鋳物砂に砂用添加材を配合して混練し、当該鋳物砂を再生する。これにより熱影響が相対的に大きな鋳物砂の性状が改善される。第2混練部は、第1混練部で混練されて再生された鋳物砂と、分離部で分離された熱影響が相対的に小さい鋳物砂とを配合して混練し、造型部で造型される造型用鋳物砂を形成する。この場合、第1混練部は、熱影響が相対的に大きな鋳物砂に砂用添加材を配合して混練する。第2混練部において添加する砂用添加材は少量または0にできる。このように熱影響が相対的に大きな鋳物砂に重点的に砂用添加材を配合して混練するため、造型用鋳物砂の品質の安定性を維持しつつ、砂用添加剤の消費量を少なめにでき、コスト低減に貢献できる。
【0033】
鋳造品が鉄−炭素系の鋳鉄である場合には、型ばらし部は、鋳造品の温度がA1変態点以上であるとき、砂型鋳型の型ばらしを開始および終了する形態が例示される。この場合、A1変態点を基準とする制御冷却を行うことができる。また型ばらし部は、鋳造品の温度がA1変態点未満であるとき、砂型鋳型の型ばらしを開始および終了する形態が例示される。この場合、A1変態点未満の温度領域からの鋳造品の制御冷却を行うことができる。鋳造品の温度がA1変態点未満であるときには、制御冷却のためには、できるだけ高温が好ましい。
【0034】
本発明によれば、砂型鋳型からばらした(取り出した)鋳造品を切削加工する切削部を有する形態が例示される。この場合、鋳造品生産ライン装置には切削部が組み込まれていることとなるため、砂型鋳型からばらした(取り出した)鋳造品を別の切削加工ラインに搬送しなくても、鋳造品生産ライン装置の切削部で鋳造品を切削加工することが可能となり、別の切削加工ラインに比して切削部の小型化、ひいては当該切削部を有する鋳造品生産ライン装置の小型化を図ることができる。また、本発明の鋳造品生産ライン装置が、溶解部と、混練部と、造型部と、注湯部と、型ばらし部と、切削部とを併有している場合には、溶解材料の溶解、砂型鋳型の造型、注湯後の型ばらし、型ばらし後の鋳造品の切削加工までを1つの生産ラインで連続的に行うことができる。
【0035】
本発明によれば、鋳造品を切削部で切削加工するときにおける切削抵抗を検知する切削抵抗検知手段と、切削抵抗検知手段で検知された切削抵抗に異状が認められるとき、溶解材料に添加する溶湯用添加材の量、溶湯用添加材の種類の少なくとも一つを調整する指令を出力する調整指令手段とを備えている形態が例示される。
【0036】
ここで、切削抵抗検知手段で検知された切削抵抗に異状が認められるときには、鋳造品の切削部分にチルが生成している場合が挙げられる。一般的には、チルは硬いため、鋳造品の切削抵抗が過大であるとき、チルが鋳造品に生成していると推定される。
【0037】
上記したように鋳造品を切削部で切削加工するときにおける切削抵抗に異状が認められるとき、調整指令手段は、溶解材料に添加する溶湯用添加材の量、溶湯用添加材の種類の少なくとも一つを調整する指令を出力する。これにより鋳造品におけるチルが抑制される。溶湯用添加材として、カーボン系材料、シリコン系材料等が挙げられる。カーボン系材料(例えば黒鉛等)、シリコン系材料(例えばフェロシリコン等)を増量すれば、溶湯の炭素当量が増加するため、チルが抑制される。
【0038】
本発明によれば、切削前および/または切削後の鋳造品の寸法精度を検知する寸法精度検知手段と、寸法精度検知手段で検知された寸法精度に異状が認められるとき、砂型鋳型の鋳型強度を調整する指令を造型部に出力する鋳型強度調整指令手段とを備える形態が例示される。これにより鋳造品の寸法精度が向上する。
【0039】
本発明によれば、砂型鋳型から取り出した鋳造品にショットを投射して砂落としするショット投射装置と、鋳造品の性状に応じて投射するショットのショット条件を変更する指令をショット装置に出力するショット変更指令手段とを備える形態が例示される。この場合、例えば、鋳造品が変更される毎に、ショットの投射時間および/または投射量を変更する形態とすることができる。これにより鋳造品の性状に応じて適したショットを鋳造品に投射できる。
【0040】
また本発明によれば、鋳造品を切削部で切削加工するときにおける切削抵抗を検知する切削抵抗検知手段と、切削抵抗検知手段で検知された切削抵抗に異状が認められるとき、鋳造品に投射するショットの研掃力を変更する指令をショット投射装置に出力する調整指令手段とを備えている形態が例示される。
【0041】
また本発明によれば、砂型鋳型から取り出した鋳造品を一時的に保管する鋳造品保管部と、鋳造品保管部で冷却されている切削前の鋳造品の冷却を促進させる鋳造品冷却装置とが設けられている形態が例示される。鋳造品冷却装置としては、冷却用空気、冷却用噴霧、冷却水のうちの少なくとも一つからなる冷却媒体を鋳造品に接触させる形態が例示される。更に、鋳造品保管部で保管されている鋳造品の保管数および/または温度に応じて切削前の鋳造品の冷却速度を調整する指令を鋳造品冷却装置に出力する鋳造品冷却調整指令手段を備えている形態が例示される。即ち、鋳造品保管部で保管されている鋳造品の保管数が増加したり、鋳造品の温度が所定温度より高かったりすると、鋳造品冷却調整指令手段は、鋳造品の冷却速度を早める指令を鋳造品冷却装置に出力することができる。
【実施例1】
【0042】
以下、本発明の実施例1について図1〜図6を参照して説明する。図1は本実施例に係る鋳造品生産ライン装置の平面図を示す。図1に示すように、鋳造品生産ライン装置は、溶解材料を溶解して鋳鉄系の溶湯を形成する溶解部1と、単数の鋳造品27を形成する成形キャビティ23(図2および図3参照)を備える砂型鋳型2を造型用鋳物砂から造型する造型部3と、砂型鋳型2の成形キャビティ23に溶湯を注湯する注湯部4と、注湯された砂型鋳型2をばらす型ばらし部5と、砂型鋳型2からばらした鋳造品27を切削加工する切削部6とを併有する。
【0043】
更に説明を加える。溶解部1は、酸素または酸素含有ガスを燃料に供給して溶解材料を溶解させる方式とされている。この方式のものは、キュポラに比して小型化できる。この溶解部1によれば、溶解効率が高く、燃料費の低減が可能となる。溶解部1における燃料としては、固体燃料、液体燃料、気体燃料のいずれでも良い。溶解部1に溶解材料を投入する材料投入機13が設けられている。
【0044】
造型部3は、単数の鋳造品27を形成する成形キャビティ23を備える無枠式の砂型鋳型2を造型用鋳物砂から造型する。なお、単数の鋳造品27を形成するための砂型鋳型2は、複数の鋳造品27を形成するための砂型鋳型よりも小さくできるため、鋳造品生産ライン装置の小型化を図ることができる。無枠式であれば、鋳枠が廃止されるため、有枠式と比較してコストを低減できると共に、造型部3(造型設備およびその付帯設備)の小型化を図ることができる。更に無枠式であれば、枠の離脱時間が廃止されるため、砂型鋳型2の型ばらし速度を高めることができ、制御冷却に貢献できる。図2および図3に示すように、砂型鋳型2は割り面2eが水平とされた水平割り型であり、第1砂型鋳型21(上型)と第2砂型鋳型22(下型)とで形成されている。単数の鋳造品27を形成する成形キャビティ23が砂型鋳型2の中央領域に形成されている。砂型鋳型2に埋設されている鋳造品27は、砂型鋳型2の湯口空洞の溶湯が凝固した部分である湯口27p(鋳造品27のうち製品以外の部位)をもつ。図2に示すように、湯口27pは鋳造品27の投影図において中央域に配置されている。このため湯口27pが鋳造品27に与える熱影響を均衡化でき、鋳造品27の品質および寸法精度のバラツキの低減に貢献できる。
【0045】
図3に示すように、第1砂型鋳型21において、成形キャビティ23を区画する第1鋳型部分24の厚みをA1とし、成形キャビティ23を区画しない第2鋳型部分25の厚みをA2とする。更に、図示しないものの、第1鋳型部分24の鋳物砂投入厚みをB1(図示せず)とし、第2鋳型部分25の鋳物砂投入厚みをB2(図示せず)とする。本実施例によれば、第1砂型鋳型21において、A1/B1をα1とし、A2/B2をα2とすると、α1/α2=0.8〜1.2の範囲内、0.9〜1.1の範囲内に設定されている。第2砂型鋳型22についても同様とする。
【0046】
この結果、造型の際、砂型鋳型2において各部分における鋳物砂圧縮率はほぼ均一とされている。ひいては、砂型鋳型2の各部分における鋳型強度のバラツキを低減できる。この場合、鋳造品27の寸法精度を均一化するのに貢献できる。仮に、砂型鋳型2の各部分において鋳型強度のバラツキが大きい場合には、鋳造品27のうち鋳型強度が低い部分に溶湯が局部的に膨出するため、鋳造品27の寸法精度が局部的に低下するおそれがある。
【0047】
図1に示すように、造型部3の近傍には、砂型鋳型2に取り付ける中子型を成形する中子型成形機35が設けられている。造型部3により造型された砂型鋳型2は、鋳型搬送ライン7にそってこれの上流側から下流側に向けて矢印Y1方向に移行する。鋳型搬送ライン7には、これの上流から下流にかけて、錘載せ位置71、注湯位置72、錘外し位置73が順に配置されている。鋳型搬送ライン7によって搬送される砂型鋳型2が錘載せ位置71に到達すると、錘が錘載せ装置71xにより砂型鋳型2の上面に載せられる。
【0048】
注湯部4は、溶湯を保持する取鍋40と、取鍋40を案内する案内レール41とをもつ。錘を載せた砂型鋳型2が注湯位置72に到達すると、取鍋40が傾動し、取鍋40から砂型鋳型2の成形キャビティ23に溶湯が注湯される。この場合、取鍋40は、単数の鋳造品27を形成する成形キャビティ23に注湯する分の溶湯を保持できれば良いため、取鍋40の小型化、ひいては注湯部4の小型化を図ることができる。
【0049】
前述したように砂型鋳型2は、単数の鋳造品27を鋳造するキャビティ23を有する。この場合、1個の砂型鋳型2における鋳造品27の位置が定位置となり、鋳造品27の位置が砂型鋳型2において固定化している。このため、砂型鋳型2における鋳造品27の位置変更に起因する鋳造品27の寸法のバラツキ、凝固速度のバラツキ、凝固後の冷却速度のバラツキが抑制される。鋳造品27は球状黒鉛鋳鉄、片状黒鉛鋳鉄、いも虫状黒鉛鋳鉄、場合によっては合金鋳鉄でも良い。
【0050】
仮に、複数の鋳造品27を1組の砂型鋳型2で鋳造する場合には、砂型鋳型2における各鋳造品27の位置が定位置とならない。従って、ある鋳造品27が砂型鋳型2の端部側に位置したり、別の鋳造品27が砂型鋳型2の中央側に位置したりする。この場合、各鋳造品27における寸法精度、凝固速度、凝固後の冷却速度などの均一性が低下するおそれがある。この場合、鋳造品27ごとの寸法精度、組織、強度におけるバラツキが増加する傾向がある。バラツキとしては、鋳造品27の基地におけるパーライト率、フェライト率、黒鉛サイズ、黒鉛形態等におけるバラツキが挙げられる。
【0051】
この点本実施例によれば、造型部3により造型される砂型鋳型2は、単数の鋳造品27を鋳造するキャビティ23を有する。即ち、図2および図3に示すように、単数の鋳造品27を鋳造するキャビティ23が砂型鋳型2の中央領域に常に配置されており、常に、鋳造品27は砂型鋳型2の中央領域に配置されることになる。このため、多数の鋳造品27が鋳造されるときであっても、砂型鋳型2における各鋳造品27の位置が定位置となる。よって、各鋳造品27における寸法精度、凝固速度、凝固後の冷却速度などの均一性が確保され、砂型鋳型2における位置変動に起因する鋳造品27間のバラツキが低減され、鋳造品27の品質を安定させるのに貢献できる。
【0052】
図1に示すように、型ばらし部5の上流の錘外し位置73には、錘外し装置73xが設けられている。注湯された砂型鋳型2が鋳型搬送ライン7の錘外し位置73に搬送されると、砂型鋳型2に載せられている錘は、錘外し装置73xにより外される。砂型鋳型2から外された錘は、錘返還装置76により矢印Y2方向に移動し、錘載せ装置71xに戻される。なお、錘返還装置76は鋳型搬送ライン7に沿って並設されている。
【0053】
図4〜図6は型ばらし部5を示す。図4に示すように、型ばらし部5は、横方向に延設された第1ガイド部50fおよび第2ガイド部50s(図4では一部が図略)をもつ可動フレーム50と、可動フレーム50を矢印Y1,Y2方向(高さ方向)に昇降させる主駆動シリンダ51(フレーム駆動源)と、可動フレーム50に設けられた鋳造品支持要素として機能する鋳造品拘束具52と、可動フレーム50の第1フレーム部50aに保持された第1駆動シリンダ53(第1引き剥ぎ駆動源)と、可動フレーム50の第2フレーム部50bに保持された第2駆動シリンダ54(第2引き剥ぎ駆動源)と、第1駆動シリンダ53により第1ガイド部50fに沿って矢印C1,C2方向(横方向)に移動される第1引き剥ぎ手段55(第1分離部)と、第2駆動シリンダ54により第2ガイド部50sに沿って矢印D1,D2方向(横方向)に移動される第2引き剥ぎ手段56(第2分離部)と、砂型鋳型2を載せる作業面57aをもつ作業台57とを備えている。
【0054】
図5に示すように、鋳造品拘束具52は高さ方向に沿って延設された多角形状の筒(円筒でも良い)をなしており、下端部に拘束開口52aを有する。拘束開口52aは、砂型鋳型2に埋設されている鋳造品27の湯口27pに嵌合することで、湯口27pひいては鋳造品27を拘束して支持する。図5に示すように、第1引き剥ぎ手段55は平面視でコの字の枠形状をなしており、互いに対向する複数の第1刃部551と、複数の第1刃部551間に設けられた第1中間刃部553とをもつ。第2引き剥ぎ手段56は、左右が逆であるものの第1引き剥ぎ手段55と基本的には同様の形状をなしている。図5に示すように、第2引き剥ぎ手段56は平面視でコの字の枠形状をなしており、互いに対向する複数の第2刃部561と、第1中間刃部553に対向するように複数の第2刃部561間に設けられた第2中間刃部563とをもつ。なお、第1刃部551、第2刃部561、第1中間刃部553および第2中間刃部563は、くさび機能を有しており、砂型鋳型2に食い込み可能であり、食い込みにより砂型鋳型2の内部に亀裂を生成させ得るものであり、亀裂生成手段として機能することができる。
【0055】
ここで、図4において、第1駆動シリンダ53が伸張駆動して第1駆動シリンダ53の第1シリンダロッド53kが矢印C1方向に前進すると、第1引き剥ぎ手段55は第1ガイド部50fに沿って矢印C1方向(閉じ方向)に作動する。また、第2駆動シリンダ54が伸張駆動して第2駆動シリンダ54の第2シリンダロッド54kが矢印D1方向に前進すると、第2引き剥ぎ手段56は矢印D1方向(閉じ方向)に第2ガイド部50sに沿って作動する。この結果、図5に示すように第1引き剥ぎ手段55および第2引き剥ぎ手段56が一体的に係合し、四角形状の分離用枠体58を形成する。この場合、第1引き剥ぎ手段55の第1刃部551と第2引き剥ぎ手段56の第2刃部561とが接合することで、第1中間刃部553および第2中間刃部563と同様の刃部を形成する(図5参照)。
【0056】
図4は、第1引き剥ぎ手段55および第2引き剥ぎ手段56が一体的に係合し、所定形状(四角形状)の分離用枠体58を形成していると共に、分離用枠体58を砂型鋳型2の上方に配置している状態を示す。
【0057】
ところで、砂型鋳型2を型ばらしするときには、図4に示す状態において、主駆動シリンダ51が駆動して主駆動シリンダ51の主シリンダロッド51kが矢印Y2方向(下方向)に移動すると、分離用枠体58が矢印Y2方向(下方向)に移動する。この結果、図5に示すように、砂型鋳型2に埋設されている鋳造品27の湯口27pに鋳造品拘束具52の拘束開口52aが嵌合する。この鋳造品拘束具52により湯口27pひいては鋳造品27がその位置に拘束されて支持された状態となる。また、分離用枠体58に砂型鋳型2の外周部が嵌まる。
【0058】
そして、分離用枠体58が矢印Y2方向(下方向)に移動するに伴い、図5に示すように、分離用枠体58の第1刃部551および第2刃部561が砂型鋳型2の内部に食い込み、砂型鋳型2に亀裂59aを生成させる。この場合、第1中間刃部553も砂型鋳型2の内部に食い込み、砂型鋳型2に亀裂59bを生成させると共に、第2中間刃部563も砂型鋳型2の内部に食い込み、砂型鋳型2に亀裂59cを生成させる。このように複数の亀裂59a,59b,59cを砂型鋳型2に所定の形状(例えば十文字状)で形成した後、第1駆動シリンダ53が収縮駆動して第1駆動シリンダ53の第1シリンダロッド53kが矢印C2方向(退避方向)に後退すると、図6(A)に示すように、第1引き剥ぎ手段55は矢印C2方向(引き剥ぎ方向)に作動する。また、第2駆動シリンダ54が収縮駆動して第2駆動シリンダ54の第2シリンダロッド54kが矢印D2方向(退避方向)に後退すると、第2引き剥ぎ手段56は矢印D2方向(引き剥ぎ方向)に作動する。この結果、図6(A)(B)に示すように、鋳造品27に隣接および近接している熱影響が相対的に多い部位2aを鋳造品27の周りに残存させたまま、鋳造品27に隣接および/または近接していない熱影響が相対的に少ない複数の部位2cが当該部位2aから引き剥がされる。この結果、砂型鋳型2は、鋳造品27周りの熱影響が相対的に多い部位2aと、鋳造品27から部位2aよりも外側の熱影響が相対的に少ない部位2cとに分離される。なお、図4〜図6では、図2および図3の鋳造品27等をより具体的に描いてある。
【0059】
換言すると、鋳造品27を埋設している注湯後の砂型鋳型2のうち熱影響が相対的に小さな外側部分は、鋳造品27から迅速に互いに反対方向に引き剥がされて分離される。このため、砂型鋳型2のばらしを短時間のうちに行うことができる。しかも砂型鋳型2は無枠式であるため、枠を砂型鋳型2から離脱させる時間が必要とされず、分離に要する時間が短縮される。更に、鋳造品拘束具52により拘束される湯口27pが鋳造品27の中央域に形成されているため、砂型鋳型2を第1引き剥ぎ手段55および第2引き剥ぎ手段56により互いに反対方向にバランスよく容易に引き剥がすことができる。上記のように断熱性をもつ砂型鋳型2は、早期にばらされる。従って、ばらし後(図6(A)(B)の状態)の鋳造品27の温度は、できるだけ高温に維持されている。このため、ばらし後の鋳造品27の冷却速度を早めることができ、金属組織の制御冷却が可能となる。よって鋳造品27の金属組織の鉄系の基地におけるパーライトおよび/またはベイナイトの面積率を高めることができる。故に、鋳造品27の機械的強度(硬さ、 引張強度等)を高めることができる。更に、高温の鋳造品27から鋳物砂ができるだけ早期に分離されるため、鋳物砂自体の熱劣化が抑制され、鋳物砂の長寿命化を図り得る利点が得られる。
【0060】
鋳造品27を埋設している注湯後の砂型鋳型2の内部には、水分凝縮層が生成されることがある。砂型鋳型2に溶湯が注湯されると、砂型鋳型2のうち溶湯に近い側に含まれている水分が蒸発し、蒸発した水分が凝縮して水分凝縮層が砂型鋳型2の内部に形成されると考えられる。水分凝縮層が形成されている場合には、水分凝縮層が境界となり、砂型鋳型2の外側部分が一層引き剥がれ易い。
【0061】
なお本実施例によれば、上記した型ばらし部5がばらし操作を開始するときの鋳造品27の温度はA1変態点を越える温度領域であっても良いし、A1変態点直上であっても良いし、A1変態点未満の温度領域であっても良い。また、上記した型ばらし部5がばらし操作を終了するときの鋳造品27の温度はA1変態点を越える温度領域であっても良いし、A1変態点直上であっても良いし、A1変態点未満の温度領域であっても良い。但し、ばらし後の鋳造品の温度がA1変態点未満の場合には、あまり低温であると、制御冷却が困難となるため、組成や要請される性質等にもよるが、450℃以上、500℃以上、550℃以上、600℃以上あるいは650℃以上であることが好ましい。ばらし操作の終了時は、図6(A)(B)に示す状態の時点をいう。鋳造品27の温度の基準となる部位としては、制御冷却が鋳造品の機械的性質に大きな影響を与える基準となる部位が好ましく、鋳造品の肉厚が100として相対表示されるとき、相対表示で、鋳造品の表面よりも深さ3〜30の範囲内の部位、あるいは、5〜10の範囲内の部位が例示される。
【0062】
本実施例によれば、熱影響が相対的に少ない部位2cの砂、すなわち、未劣化砂は、図1から理解できるように、未劣化砂回収装置80(第2回収装置)により回収されて未劣化砂貯蔵部81(第2貯蔵部)に供給される。劣化砂分離装置82は、鋳造品27から熱影響が相対的に多い部位2aの砂、すなわち劣化砂を脱落させて分離させる。鋳造品27から分離された劣化砂は、劣化砂回収装置88(第1回収装置)により回収されて劣化砂貯蔵部89(第1貯蔵部)に供給される。
【0063】
図1に示すように、劣化砂分離装置82の下流には第1ショット投射装置85が設けられている。第1ショット投射装置85は、劣化砂分離装置82を経た鋳造品27にショットを投射させるブラスト処理を行い、鋳造品27に密着して未だ残存している劣化砂を鋳造品27から脱落させる。このようにブラスト処理により鋳造品27から脱落した劣化砂は、劣化砂回収装置88に回収され、劣化砂貯蔵部89に供給される。ショットとしては、鉄系でも、砂系でも良く、球状、疑似球状、異形状でも良い。鋳造品27の種類によっては、ショット投射において、鋳造品の温度がA1変態点以上であるとき、ショット投射による砂落とし操作を開始することができる。この場合、ショット投射により鋳造品27から鋳物砂がほぼ完全に取り除かれるため、その後の鋳造品27の冷却速度を一層早めることができ、制御冷却の促進に一層貢献できる。鋳造品の温度がA1変態点以上であるとき、ショット投射による砂落とし操作を終了することにしても、同様に制御冷却の促進に貢献できる。
【0064】
造品27の種類によっては、鋳造品27の温度がA1変態点未満であるとき、ショット投射による砂落とし操作を開始および終了することにしてもよい。
【0065】
上記した劣化砂貯蔵部89と第2混練部96との間には、砂を搬送する第1搬送ベルト等をもつ第1搬送手段91が設けられている。第1搬送手段91は、劣化砂回収装置88により回収された劣化砂を劣化砂貯蔵部89から第1混練部95および熟成タンク97を介して第2混練部96に搬送する。未劣化砂貯蔵部81と第2混練部96との間には、未劣化砂を第2混練部96に搬送する第2搬送ベルト等をもつ第2搬送手段92が設けられている。
【0066】
換言すると、本実施例によれば、鋳物砂を混練する混練部94は、前記した第1混練部95および第2混練部96で形成されている。第1混練部95は、分離部50で分離された劣化砂の再生処理を図るべく、劣化砂に砂用添加材および水を配合して混練することにより劣化砂の性状を改善して鋳物砂を形成する。第2混練部96は、第1混練部95で混練された鋳物砂(劣化砂に再生処理をしたもの)と、分離部50で分離された未劣化砂と、水とを配合して混練する。これにより第2混練部96は、造型部3で造型される造型用鋳物砂を形成する。この場合、第2混練部96は、造型用鋳物砂を形成する鋳物砂全部に添加剤を配合するのではなく、熱影響が相対的に大きな劣化砂に重点を置き、劣化砂に重点的に砂用添加材を配合して混練する方式が採用されている。このため造型用鋳物砂の品質の安定性を確保しつつ、砂用添加剤の消費量をできるだけ少なくでき、コスト低減に貢献できる。第2混練部96で混練された造型用鋳物砂は、第3搬送ベルト等をもつ第3搬送手段93により第2混練部96から造型部3に向けて搬送される。
【0067】
切削部6は、砂型鋳型2からばらされた鋳造品27を切削工具6aにより切削加工する旋盤などの工作機械を有する。切削部6において切削工具6aにより切削された鋳造品27は、搬送シュート60aを介して完成品収容ケース60に収容される。
【0068】
本実施例によれば、切削部6の上流には鋳造品保管部67が設けられている。鋳造品保管部67は、砂型鋳型2から取り出した切削前の鋳造品27を一時的に保管する。鋳造品保管部67には、鋳造品保管部67で保管されている切削前の鋳造品27の冷却速度を調整する鋳造品冷却装置68が付設されている。鋳造品冷却装置68は、切削前の鋳造品27に冷却用空気(通常冷却媒体)を送風する空冷装置とされている。送風により鋳造品27の冷却速度が更に早まり、鋳造品27におけるパーライトの面積率を高めることができる。更に、鋳造品冷却装置68は、冷却用の水蒸気を含むミスト(冷却促進媒体)、または、液状の冷却水(高速冷却媒体)を鋳造品27に接触させる急冷部68cをもつ。冷却速度を更に早めることが好ましいときには、急冷部68cからミストまたは液状の冷却水を鋳造品27に吹き出す。
【0069】
本実施例によれば、図1から理解できるように、砂型鋳型2の造型工程、注湯工程、砂型鋳型2の型ばらし工程、ばらし後の鋳造品27に対する切削加工工程といった各工程は、閉じた円形ループ状のレイアウト配置ではなく、線状のレイアウト配置とされており、設置面積の増加が抑制されている。仮に、閉じループ状の配置であれば、砂型鋳型2のサイズが大きくなると、閉じループの径が増加するため、全体の設置面積が増加するおそれがある。
【0070】
以上説明したように本実施例によれば、鋳造品支持要素としての鋳造品拘束具52により鋳造品27の一部を支持した状態において、砂型鋳型2のうち熱影響が小さな外側部分を引き剥がして砂型鋳型2をばらすようにしている。このため従来技術(特許文献2,3)に係る大型化した鋳型ばらし装置を用いなくても、鋳造品27と鋳物砂とを良好に分離することができる。換言すると、型ばらし部5では、鋳造品拘束具52により鋳造品27を支持した状態で、砂型鋳型2のうち熱影響が小さな外側部分を引き剥がして砂型鋳型2をばらすようにしているため、回転ドラム式と異なり、型ばらしの際に鋳造品27の移動が抑えられる。更に、箱状の減圧器、減圧器に繋がる真空源を使用せずとも良い。故に、型ばらし部5の小型化、ひいては鋳造品生産ライン装置の小型化を図ることができる。
【0071】
更に、鋳造品支持要素としての鋳造品拘束具52により鋳造品27を支持した状態において、砂型鋳型2をばらすようにしている。従って、高温の鋳造品27は鋳物砂からできるだけ早期に分離されるため、ばらし後の鋳造品27の温度をできるだけ高温状態に維持できる。故に、ばらし後の鋳造品27の冷却速度を早める制御冷却が可能となり、鋳造品27の金属組織の基地の強化に貢献できる。具体的にはパーライトまたはベイナイトの割合を増加させることができる。その後に実施されるショット投射処理も、鋳造品27ができるだけ高温状態のときに行い得るため、制御冷却に一層貢献できる。
【0072】
本実施例によれば、前述したように、高温の鋳造品27は鋳物砂からできるだけ早期に分離されるため、鋳造品27を砂型鋳型2に埋設したまま放置する時間が短縮される。故に、注湯部4から型ばらし部5までの距離を短縮でき、装置全体の設置面積のコンパクト化を図ることができる。高温の鋳造品27は鋳物砂からできるだけ早期に分離されるため、鋳造品27と鋳物砂との接触時間が短縮される。故に、鋳物砂の熱劣化が抑制され、鋳物砂の長寿命化を図り得る。
【0073】
本実施例によれば、鋳造品27の製品部分以外の部位である湯口27pを鋳造品拘束具52により作業台57の作業面57aにおいて拘束して保持する。このため鋳造品27の製品部分の損傷が低減または回避される。殊に、作業台57の作業面57aにおいて砂型鋳型2をばらす際に、鋳造品27は鋳造品拘束具52により拘束されているため、作業台57上の鋳造品27が過剰に移動したり過剰に転動したりすることがない。故に、作業台57の小型化、ひいては型ばらし部5の小型化に貢献できる。
【0074】
更に本実施例によれば、溶解材料を溶解して溶湯を形成する溶解部1と、造型用鋳物砂を混練する混練部94と、単数(1個)の鋳造品27を形成する成形キャビティ23を備える砂型鋳型2を造型用鋳物砂から造型する造型部3と、砂型鋳型2の成形キャビティ23に溶湯を注湯する注湯部4と、注湯された砂型鋳型をばらす型ばらし部5と、砂型鋳型2からばらした鋳造品27を切削加工する切削部6とを併有している。このため、溶解材料の溶解、砂型鋳型2の造型、注湯、注湯後の砂型鋳型2の型ばらし、ばらし後の鋳造品27に対する切削加工までを連続的に行うことができる。即ち、一連の1つの生産ラインで鋳造品27を1個ずつ製造できる。従って、中間在庫等のロスを低減でき、生産コストを低減させることができる。
【0075】
上記したように本実施例によれば、鋳造工程と切削工程とを一体化させているため、鋳造工程を経た直後のまだ常温よりも温度が高い鋳造品27を速やかに切削加工することができる。従って、切削加工で獲得した鋳造品27に関する情報(例えば、鋳造品27におけるチル生成状況、砂付き状況)を、直ちに溶解部1、造型部3にフィードバックすることができる。このため、鋳造品27のチルが発生することを抑制したり、鋳造品27の寸法精度が低下することを抑制したりすることができ、鋳造品27の品質の向上を図ることができる。
【0076】
本実施例によれば、造型部3で造型される全ての砂型鋳型2は、1個込めの鋳型であり、単数の鋳造品27を鋳造する。従って、鋳造品27の種類、型式が変更されたときであっても、全ての砂型鋳型2は単数の鋳造品27を鋳造するものである。よって、砂型鋳型2において、単数の鋳造品27の位置は固定的である。このため多数個の鋳造品27を生産するときであっても、鋳造品27の凝固速度、凝固後の冷却速度等におけるバラツキを低減させることができ、鋳造品27の品質の均一化に貢献できる。
【0077】
また、本実施例に係る鋳造品生産ライン装置は、前述したように、1組の砂型鋳型2に単数(1個)の鋳造品27しか製造しない方式を採用している。このため鋳造品27に対する注湯条件、その鋳造品27を成形する砂型鋳型2の造型条件等は、その鋳造品27に固有のものとなる。即ち、鋳造品27を製造する際の製造履歴が各鋳造品27において1対1で対応できる生産システムを構築することができる。このため鋳造品27に対する注湯条件、その鋳造品27を成形する砂型鋳型2の造型条件等を、鋳造品27ごとに、制御装置のメモリ等の記憶媒体等に記録することができる。この場合、多数で且つ多数種類の鋳造品27を製造するときであっても、それぞれの鋳造品27の製造履歴を個別に追求することができるトレーサビリティーが可能となる。このことにより、万一、鋳造品27に不具合が発生したときであっても、その不具合の要因を追求して是正するフィードバックが迅速に対応可能となり、鋳造品27の高品質化に一層貢献できる。
【0078】
上記したように本実施例によれば、型ばらし部5により砂型鋳型2から取り出した鋳造品27に対して速やかに切削加工を施す方式が採用されている。このため、砂型鋳型2から取り出した鋳造品27を速やかに冷却させる必要がある。そこで、鋳造品保管部67で保管されている切削前の鋳造品27を鋳造品冷却装置68により強制的に冷却させることにしている。これにより制御冷却に貢献できると共に、砂型鋳型2から取り出した鋳造品27に対して速やかに切削加工を施すことができ、生産性を高めることができる。従って、鋳造品保管部67で保管されている切削前の鋳造品27を長時間にわたり放置させる作業が廃止され、鋳造品保管部67のスペースを節約できると共に生産性の向上に貢献できる。
【0079】
また本実施例によれば、前述したように、鋳造後における鋳物砂については、溶湯による熱影響が相対的に大きな劣化砂と、溶湯による熱影響が相対的に小さな未劣化砂とを分別して回収している。そして、鋳造後における鋳物砂の全部に添加剤を配合するのではなく、溶湯による熱影響が相対的に大きな劣化砂の改善に重点をおき、これに砂用添加材を重点的に配合して混練する方式が採用されている。そして、溶湯による熱影響が相対的に小さな未劣化砂については、砂用添加材を全く配合しないか、劣化砂に比較して配合するとしても少量としている。すなわち、熱影響が相対的に大きな劣化砂(単位質量当たりの劣化砂)に配合される砂用添加材の配合量をWaとし、熱影響が相対的に小さな未劣化砂(単位質量当たりの未劣化砂)に配合される砂用添加材の配合量をWbとすると、WaはWbよりも大きく設定されている。このため、造型用鋳物砂の安定性を確保しつつ、砂用添加剤の消費量をできるだけ少なくでき、コスト低減に貢献できる利点が得られる。
【0080】
換言すると、本実施例によれば、熱影響が相対的に大きな劣化砂に対して第1混練部95において重点的に砂用添加材を添加して性状を改善した鋳物砂と、熱影響が相対的に少ない未劣化砂とを一定の配合割合で第2混練部96においてブレンドすることにしている。このため、砂型鋳型2を形成する造型用鋳物砂の品質のバラツキを小さくすることができる。
【0081】
更に本実施例によれば、鋳造品保管部67で保管された鋳造品27は、搬送装置100により方案分離装置69に至る。そして、切削加工前において、方案分離装置69によりその鋳造品27から鋳造方案部27mが分離される。鋳造方案部27mとは、溶湯が凝固した凝固金属のうち製品となる鋳造品27以外の部位(湯口、湯道、堰、ガス抜き部等)を意味する。鋳造方案部27mが分離された後、鋳造品27は搬送装置101により切削部6に搬送される。搬送装置101により切削部6に搬送される途中において、切削前の鋳造品27に2次ショット装置103によりショットが投射される。鋳造品27から分離された鋳造方案部27mはまだ暖かい(例えば40〜100℃程度)。この鋳造方案部27mは、鋳造品27から分離された後に溶解部1に速やかに搬送されて溶解材料として使用される。このため、鋳造方案部27mに錆等が発生する時間を経過させることなく、鋳造方案部27mを溶解材料として溶解部1で速やかに溶解できる。このため溶解部1におけるエネルギコストを低減できるばかりか、溶湯の品質の安定化に貢献でき、ひいては鋳造品27の品質の安定性に貢献できる。
【実施例2】
【0082】
図7は実施例2を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。共通する部位には共通の符号を付する。以下、異なる部分を中心として説明する。本実施例によれば、切削部6で使用されている切削工具6aには、鋳造品27を切削工具6aで切削するときにおける切削抵抗を検知する切削抵抗検知手段202(例えばトルクセンサ)が設けられている。比較手段204は、切削抵抗検知手段202で検知された鋳造品27の切削抵抗Riと、メモリ等で形成された切削抵抗記憶手段206に格納されている基準切削抵抗Rcとを比較する。比較手段204は、切削抵抗Riと基準切削抵抗Rcとの間の差が大きく、鋳造品27を切削するときにおける切削抵抗に異状が認められると判定したとき、切削抵抗異状信号E1を調整指令手段208に出力する。ここで、切削抵抗が過大方向に異状であるとき、切削工具6aがチルを切削していると推定される。このことから、切削部6での切削を直ちに停止させる。
【0083】
上記したように鋳造品27の切削抵抗に異状が認められるとき、比較手段204からの切削抵抗異状信号E1に基づいて、調整指令手段208は、鋳造品27の表面にチルが発生していると判定し、溶解材料に添加する溶湯用添加材の量を増加するように調整する指令信号E2を材料投入機13に出力する。これにより材料投入機13から溶解材料に添加する溶湯用添加剤が増量され、鋳造品27におけるチルが抑制されるようになる。ここで、溶湯用添加材として、カーボン系材料および/またはシリコン系材料が挙げられる。カーボン系材料および/またはシリコン系材料を増量すれば、溶湯の炭素当量が増加するため、鋳造品27におけるチルが抑制される。
【0084】
更に本実施例によれば、完成品収容ケース60には、切削後の鋳造品27の寸法精度を検知する寸法精度検知手段302が付設されている。比較手段304は、寸法精度検知手段302で検知された寸法精度Kiと、メモリ等で形成された寸法精度記憶手段306に格納されている基準寸法精度Kcとを比較する。比較手段304は、両者がかなり相違しており寸法精度Kiに異状が認められると判定したとき、寸法精度異常信号E3を鋳型強度調整指令手段308に出力する。そして、寸法精度異常信号E3に基づいて、鋳型強度調整指令手段308は、造型部3における鋳型強度を調整する指令信号E4を造型部3に出力する。具体的には、鋳造品27の厚み方向の寸法が基準寸法よりも大きめであるときには、砂型鋳型2に注湯された溶湯の圧力に対して砂型鋳型2の鋳型強度が不足していると推定されるため、砂型鋳型2の鋳型強度を増加させる指令信号E4を造型部3に出力する。
【0085】
更に、第1ショット投射装置85はショット変更指令手段400を備えている。ショット変更指令手段400は、ショット投射前の鋳造品27の変更度が大きいとき、つまり、鋳造品27の種類および/または材質が大きく変更されているとき、鋳造品の性状に応じて、投射するショットの投射時間および/または投射量を変更する指令信号E6を第1ショット投射装置85に出力する。これにより鋳造品27の種類および/または材質に応じたショットが鋳造品27に投射される。これにより鋳造品27の種類および/または材質が変更されたときであっても、切削前の鋳造品27の性状に応じてショットが投射されるので、切削前の鋳造品27に対するショットブラスト処理が良好とされる。
【0086】
ところで、1組の砂型鋳型2で複数の鋳造品27を製造する方式が採用されているときには、砂型鋳型2における鋳造品27の配置位置が異なる確率が高くなる。即ち、砂型鋳型2の中央側で鋳造された鋳造品27が存在したり、砂型鋳型2の端側で鋳造された鋳造品27が存在したりする。この場合、砂型鋳型2に注湯された溶湯の冷却速度が変動したり、砂型鋳型2の成形キャビティ23の部位によって成形キャビティ23寸法が変動したりするおそれがある。この場合、鋳造品27毎にチル生成度合が変動したり、あるいは、鋳造品27毎に寸法精度が変動したりする確率が高くなる。
【0087】
この点本実施例によれば、前述したように、1組の砂型鋳型2の中央領域に単数の鋳造品27しか鋳造しない方式が採用されている。このため砂型鋳型2に注湯した溶湯の冷却速度の変動、砂型鋳型2の成形キャビティ23における寸法の変動が抑制される。このため切削抵抗検知手段202で検知される切削抵抗の鋳造品27毎の変動が低減される。よって、切削抵抗検知手段202で検知される切削抵抗に基づいて、調整指令手段208によりカーボン系材料および/またはシリコン系材料の投入量を調整すれば、各鋳造品27におけるチル生成を抑制する精度を高めることができ、鋳造品27の更なる高品質化に貢献できる。同様に、寸法精度検知手段302で検知される鋳造品27毎の寸法精度の変動が低減される。よって、寸法精度検知手段302で検知される鋳造品27の寸法精度に基づいて、鋳型強度調整指令手段308により砂型鋳型2の鋳型強度を調整すれば、各鋳造品27における寸法精度の変動を抑制する精度を高めることができ、鋳造品27の更なる高品質化に貢献できる。
【0088】
また本実施例によれば、鋳造品保管部67で保管されている鋳造品27の保管数が増加すると、鋳造品27が鋳造品保管部67を占めるスペースが増大する。そこで、鋳造品保管部67で保管されている鋳造品27の保管数が増加したり、鋳造品27の温度が切削加工には高かったりするときには、鋳造品冷却調整指令手段450は、鋳造品保管部67で保管されている切削前の鋳造品27の冷却速度を速める指令信号E7を鋳造品冷却装置68に出力する。これにより鋳造品保管部67で保管されている切削前の鋳造品27の冷却速度が速まるため、鋳造品保管部67で保管されている切削前の鋳造品27の保管数(中間在庫数)の増加を抑えることができる。そのため、鋳造品保管部67の小型化を図ることができる。
【実施例3】
【0089】
本実施例は実施例1,2と基本的には同様の構成および作用効果を有するため、図1,図7を準用する。以下、異なる部分を中心として説明する。一般的には、鉄−炭素系の鋳鉄が冷却するときにおいて、A1変態点よりも高温の温度領域からA1変態点を通過する冷却速度は、金属組織の結晶粒の微細化に影響を与える。しかし鋳造品27が大きなサイズであるときには、冷却速度には限界がある。そこで本実施例によれば、ばらし後の鋳造品の温度がA1変態点を越えている。ショット投射は短時間であるため、ショット投射後の鋳造品27の温度もこれに準じる。鋳造品27の温度がA1変態点を高速で通過するようにさせたいときには、鋳造品冷却調整指令手段450は、鋳造品保管部67で保管されている切削前の鋳造品27の冷却速度を速める指令信号E7を鋳造品冷却装置68に出力する。これにより鋳造品冷却装置68からの冷却用空気の送風量または送風力が高められる。あるいは、ミスト、場合によっては冷却水が鋳造品27に供給される。故に、鋳造品保管部67で保管されている鋳造品27の熱容量が大きい場合であっても、A1変態点を通過する鋳造品27の冷却速度を早めることができ、鋳造品27の金属組織の結晶粒の微細化が図られる。この場合、鋳造品27の機械的性質(硬度、引張強度等)を増加させ得る。
【実施例4】
【0090】
本実施例は実施例1,2と基本的には同様の構成および作用効果を有するため、図1,図7を準用する。以下、異なる部分を中心として説明する。本実施例によれば、ばらし後の鋳造品27の温度はA1変態点未満450℃以上である。ショット投射は短時間であるため、ショット投射後の鋳造品27の温度もこれに準じる。そして、鋳造品冷却調整指令手段450は、鋳造品保管部67で保管されている切削前の鋳造品27の冷却速度を速める指令信号E7を鋳造品冷却装置68に出力する。これにより鋳造品冷却装置68からの冷却用空気の送風量または送風力が高められる。場合によっては、鋳造品冷却装置68はミストまたは冷却水を鋳造品27に供給し、冷却を促進させる。故に、鋳造品保管部67で保管されている鋳造品27の熱容量が大きい場合であっても、A1変態点未満の温度領域における冷却速度を早めることができる。
【実施例5】
【0091】
本実施例は実施例1,2と基本的には同様の構成および作用効果を有するため、図1,図7を準用する。以下、異なる部分を中心として説明する。本実施例によれば、ばらし後の鋳造品27の温度は、A1変態点を基準としてプラスマイナス15℃の範囲である。ショット投射は短時間であるため、ショット投射後の鋳造品27の温度もこれに準じる。本実施例においても、鋳造品保管部67で保管されている切削前の鋳造品27に鋳造品冷却装置68から冷却用空気、ミストまたは冷却水を接触させ、鋳造品27の冷却速度を速める。
【実施例6】
【0092】
本実施例は実施例2と基本的には同様の構成および作用効果を有するため、図7を準用する。本実施例によれば、切削部6で使用されている切削工具6aには、鋳造品27を切削するときにおける切削抵抗を検知する切削抵抗検知手段202(例えばトルクセンサ)が設けられている。溶湯の組成はチルを生成しない組成(例えば過共晶組成)である。従って、鋳造品27の切削抵抗検知手段202で検知された切削抵抗が過大方向に異状であるとき、比較手段204からの切削抵抗異状信号E1に基づいて、調整指令手段208は、鋳造品27の被切削部分に鋳物砂が付着していると推定する。このため調整指令手段208は、鋳造品27の被切削部分に付着している鋳物砂を剥離すべく、研掃力が高いショットに変更するか、ショットの投射時間あるいはショットの投射力を増加させる指令信号をショット変更指令手段400に出力する。これにより第1ショット投射装置85で投射されるショット条件(投射時間および/または投射量)が変更される。これにより鋳造品27における砂落ち性が向上する。
【0093】
また、前述したように1組の砂型鋳型2の中央領域に単数の鋳造品27しか鋳造しない方式が採用されているため、仮に鋳造品27の被切削部分に鋳物砂が付着する場合であっても、鋳物砂の付着状況の鋳造品27毎の変動が抑制されるため、ショット投射による砂落ち性の変動が抑制され、鋳造品27の更なる高品質化に貢献できる。
【実施例7】
【0094】
(試験例1)上記した実施例に基づいて試験例1を実施した。この場合、鋳造品27は球状黒鉛鋳鉄で形成されている。この場合、マグネシウムを含む球状化剤により球状化処理した溶湯を砂型鋳型2のキャビティに注湯し(注湯温度:1430℃)、鋳造品27(球状黒鉛鋳鉄,最大肉厚:30ミリメートル、製品名:デフケース)を形成した。その後、鋳造品27が埋設されている砂型鋳型2に亀裂を生成させた後、砂型鋳型2の外側部分を第1引き剥ぎ手段55および第2引き剥ぎ手段56により鋳造品27から引き剥がした。引き剥がした直後の鋳造品27の温度はA1変態点以上である。その直後、ショットを鋳造品27に投射させ、砂落とし操作を行った。砂落とし操作の終了直後の鋳造品27の温度はA1変態点以上である。
【0095】
図8は、このような過程を経た試験例1に係る鋳造品27の金属組織(倍率:100倍,ナイタル腐食)を示す。図8に示すように、球状の黒鉛の回りにフェライト(白色領域)が生成されたブルスアイを持つ組織が形成されていた。組織の鉄系の基地は基本的にはパーライト(黒色領域)とされていた。このため基地の強度および硬度が高い。この場合、炭素3.85質量%、シリコン2.85質量%、マグネシウム0.04質量%とした。
【0096】
更に比較例1として、球状化処理した溶湯を砂型鋳型2に注湯し、砂型鋳型2の内部に鋳造品27を埋設させたまま放置し、鋳造品27を常温付近まで徐冷した。試験例1、比較例1において、鋳造条件、注湯温度、溶湯組成、マグネシウム含有量等は基本的に同一とした。図9は比較例1にかかる金属組織(倍率: 100倍、ナイタル腐食)を示す。比較例1によれば、図9に示すように、黒鉛粒の回りのほとんどの全部の基地はフェライト(白色領域)とされている。このため硬度および強度は試験例1よりも低い。球状黒鉛鋳鉄は黒鉛が球状であるため、黒鉛の切欠効果が少なく、基地が強化されれば、球状黒鉛鋳鉄自体の更なる強化が期待される。従って制御冷却による基地強化は、球状黒鉛鋳鉄の強度向上に有意義である。更に、制御冷却により基地の強化を図り得るため、基地強化用のマンガン等の合金元素を低減させることが期待でき、鋳造品の強度を高めつつコストを低減させるのに貢献できる。なお引き剥がした直後の鋳造品27の温度をA1変態点以上とし、ショットによる砂落とし操作の終了直後の鋳造品27の温度をA1変態点未満としても、同様の効果が期待される。
【0097】
(試験例2)また上記した実施例1に基づいて試験例2を実施した。この場合、鋳造品27は片状黒鉛鋳鉄で形成されている。この場合、溶湯を砂型鋳型2のキャビティに注湯し(注湯温度:1390℃)、鋳造品27(片状黒鉛鋳鉄,最大肉厚:30ミリメートル、製品名:ブレーキドラム)を形成した。この場合、炭素3.35質量%、シリコン2.1質量%とした。その後、鋳造品27が埋設されている砂型鋳型2に亀裂を生成させた後、砂型鋳型2の外側部分を第1引き剥ぎ手段55および第2引き剥ぎ手段56により鋳造品27から引き剥がした。その直後、ショットを鋳造品27に投射させることにより、鋳造品27に付着していた鋳物砂を鋳造品27から早期に分離させた。更に比較例2として、溶湯を砂型鋳型2に注湯し、砂型鋳型2の内部に鋳造品27を埋設させたまま長時間放置し、鋳造品27を常温付近までゆっくりと冷却した(徐冷)した。
【0098】
図10は、このような過程を経た鋳造品27の冷却曲線を示す。特性線X1は試験例2を示し、特性線X2は比較例2を示す。図10に示すように、特性線X1および特性線X2は740℃付近で温度停留域がみられる。A1変態点で発熱が発生することを考慮すると、これがA1変態点(約740℃)を示すと考えられる。比較例2では、温度停留域Scの時間が長く、A1変態点を通過する冷却速度は遅く、更に、温度停留域Sc以後の冷却速度も極めて遅く、制御冷却が行われていない。これに対して試験例2では、温度停留域Seの時間が短く、A1変態点を通過する冷却速度は早く、更に、温度停留域Se以後の冷却速度がかなり早く、制御冷却が行われている。同一部位の硬さを測定したところ、比較例2ではHv170〜178の範囲内であった。試験例2ではHv191〜211の範囲内であった。硬さおよび引張強度は相関するため、制御冷却が行われている試験例2では、鋳造品27の硬さおよび引張強度が優れている。このように片状黒鉛鋳鉄においても、制御冷却により基地の強化を図り得るため、片状黒鉛鋳鉄自体の更なる強化が期待される。
【0099】
(その他)本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。上記した実施例1においては、溶解部1、造型部3、注湯部4、型ばらし部5、切削部6が設けられているが、溶解部および/または切削部は設けられていなくても良い。溶解部が設けられていないときには、別の場所で溶解した溶湯が用いられる。前記した実施例1において、第1引き剥ぎ手段55および第2引き剥ぎ手段56は、砂型鋳型2を引き剥ぎできるものであれば、断面で、コの字形状に限定されず、C形状、V形状、Y形状等の他の形状でも良い。第1引き剥ぎ手段55において第1中間刃部553を廃止しても良い。また、第2引き剥ぎ手段56において第2中間刃部563を廃止しても良い。
【0100】
前記した実施例1において、切削部6および/または鋳造品冷却装置68を省略する構成としても良い。更に、前記した実施例2において、切削前の鋳造品27の寸法精度を検知する寸法精度検知手段を搬送装置101と切削部6との間に設けて、切削前の鋳造品27の場合にも、切削後の鋳造品27の場合と同様の制御を行うようにしても良い。鋳造品冷却装置68は、ミストまたは冷却水を鋳造品27に接触させる急冷部68cをもつが、急冷部68cをもたなくても良い。球状黒鉛鋳鉄および片状黒鉛鋳鉄に限定されず、いも虫状黒鉛鋳鉄、共晶状黒鉛鋳鉄でも良い。更には、亜共晶組成の鋳鉄、共晶組成の鋳鉄、過共晶組成の鋳鉄でも良く、合金鋳鉄に適用しても良い。この場合、基本組成としては、質量%で、炭素は 1.0〜4.5%、シリコンは0.3〜10%、マンガンは0.05〜1.5%が例示される。球状黒鉛鋳鉄ではマグネシウムは公知の含有量であれればよい。
【0101】
上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)
造型用鋳物砂を混練する混練部と、単数または複数の鋳造品を形成する成形キャビティを備える砂型鋳型を前記造型用鋳物砂から造型する造型部と、前記砂型鋳型の前記成形キャビティに溶湯を注湯する注湯部と、注湯された前記砂型鋳型をばらす型ばらし部と、前記砂型鋳型からばらした前記鋳造品を切削加工する切削部とを併有していることを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
(付記項2)
造型用鋳物砂を混練する混練部と、単数または複数の鋳造品を形成する成形キャビティを備える砂型鋳型を前記造型用鋳物砂から造型する造型部と、注湯された前記砂型鋳型をばらす型ばらし部とを併有しており、前記砂型鋳型を前記型ばらし部でばらすにあたり、前記鋳造品の少なくとも一部を鋳造品支持要素により支持した状態で前記砂型鋳型をばらすようにしたことを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
(付記項3)
造型用鋳物砂を混練する混練部と、単数または複数の鋳造品を形成する成形キャビティを備える砂型鋳型を前記造型用鋳物砂から造型する造型部と、前記砂型鋳型の前記成形キャビティに溶湯を注湯する注湯部と、注湯された前記砂型鋳型をばらす型ばらし部とを併有した鋳造品生産ライン装置であって、前記砂型鋳型を前記型ばらし部でばらすにあたり、前記鋳造品の少なくとも一部を鋳造品支持要素により支持した状態で前記砂型鋳型をばらすようにしたことを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は例えばブレーキ系部品、駆動系部品、内燃機関系部品等の鉄系の鋳造品を生産するライン装置に利用することができる。

Claims (15)

  1. 造型用鋳物砂を混練する混練部と、単数または複数の鋳造品を形成する成形キャビティを備える砂型鋳型を前記造型用鋳物砂から造型する造型部と、前記砂型鋳型の前記成形キャビティに溶湯を注湯する注湯部と、注湯された前記砂型鋳型をばらす型ばらし部とを併有した鋳造品生産ライン装置であって、
    前記砂型鋳型を前記型ばらし部でばらすにあたり、前記鋳造品の少なくとも一部を鋳造品支持要素により支持した状態で前記砂型鋳型を引き剥がしてばらすようにしており、
    前記型ばらし部は、(i)注湯後の前記砂型鋳型に埋設されている前記鋳造品の少なくとも一部を拘束して支持する前記鋳造品支持要素と、(ii)前記鋳造品を埋設している注湯後の前記砂型鋳型のうち熱影響が相対的に小さな外側部分を、前記鋳造品から部分的に引き剥がす引き剥ぎ手段と、(iii)前記引き剥ぎ手段を引き剥ぎ方向に移動させる引き剥ぎ駆動源とを備えており、
    前記引き剥ぎ手段は、互いに遠ざかる方向に移動可能な第1引き剥ぎ手段および第2引き剥ぎ手段とを備えており、
    前記引き剥ぎ駆動源は、前記第1引き剥ぎ手段を前記砂型鋳型の引き剥ぎ方向に移動させる第1引き剥ぎ駆動源と、前記第2引き剥ぎ手段を前記砂型鋳型の引き剥ぎ方向に移動させる第2引き剥ぎ駆動源とを備えていることを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  2. 請求項1において、前記型ばらし部の前記引き剥ぎ手段は、
    (i)前記砂型鋳型から前記鋳造品を取り出すと共に前記砂型鋳型のうち溶湯に起因する熱影響が相対的に大きな鋳物砂と溶湯に起因する熱影響が相対的に小さい鋳物砂とを分離
    (ii)前記混練部は、(ii−a)前記引き剥ぎ手段で分離された熱影響が相対的に大きな鋳物砂に砂用添加材を配合して混練して前記鋳物砂を再生する第1混練部と、(ii−b)前記第1混練部で混練されて再生された鋳物砂と前記引き剥ぎ手段で分離された熱影響が相対的に小さい鋳物砂とを配合して混練し、前記造型部で造型される造型用鋳物砂を形成する第2混練部とを具備しており、
    (iii)前記熱影響が相対的に大きな鋳物砂の単位質量あたりに配合される前記砂用添加材の配合量をWaとし、前記熱影響が相対的に小さい鋳物砂の単位質量あたりに配合される砂用添加材の配合量をWbとするとき、配合量Waは配合量Wbよりも大きく設定されており、
    (iv)前記第2混練部で形成された前記造型用鋳物砂を前記造型部に搬送するようにしたことを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  3. 請求項1または2において、前記鋳造品支持要素は、注湯後の前記砂型鋳型に埋設されている前記鋳造品の湯口、湯道、堰、ガス抜き部のうちの少なくとも一つを拘束して支持することを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  4. 請求項1〜3のうちの一項において、前記型ばらし部は、前記砂型鋳型のばらし前に、前記鋳造品を埋設している注湯後の前記砂型鋳型に押し込まれて前記砂型鋳型に亀裂を発生させる亀裂生成手段を有することを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  5. 請求項1〜4のうちの一項において、前記鋳造品はA1変態点を備える鉄−炭素系の鋳鉄で形成されており、前記型ばらし部は、前記鋳造品の温度がA1変態点以上であるとき、前記砂型鋳型の型ばらしを開始および終了することを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  6. 請求項1〜4のうちの一項において、前記鋳造品はA1変態点を備える鉄−炭素系の鋳鉄で形成されており、前記型ばらし部は、前記鋳造品の温度がA1変態点未満450℃以上であるとき、前記砂型鋳型の型ばらしを開始および終了することを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  7. 請求項1〜のうちの一項において、前記鋳造品はA1変態点を備える鉄−炭素系の鋳鉄で形成されており、前記鋳造品にショットを投射して砂落としするショット投射装置が設けられており、前記ショット投射装置は、前記鋳造品の温度がA1変態点以上であるとき、ショット投射による砂落とし操作を開始および終了することを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  8. 請求項1〜7のうちの一項において、更に、溶解材料を溶解して溶湯を形成する溶解部を併有していることを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  9. 請求項1〜8のうちの一項において、更に、前記砂型鋳型からばらした前記鋳造品を切削加工する切削部を併有していることを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  10. 請求項1〜7のうちの一項において、更に、溶解材料を溶解して溶湯を形成する溶解部と、前記砂型鋳型からばらした前記鋳造品を切削加工する切削部とを併有していることを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  11. 請求項10において、(i)前記鋳造品を前記切削部で切削加工するときにおける切削抵抗を検知する切削抵抗検知手段と、(ii)前記切削抵抗検知手段で検知された切削抵抗に異状が認められるとき、前記溶解材料に添加する溶湯用添加材の量、溶湯用添加材の種類の少なくとも一つを調整する指令を出力する調整指令手段とを具備することを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  12. 請求項9〜11のうちの一項において、(i)切削前および/または切削後の前記鋳造品の寸法精度を検知する寸法精度検知手段と、(ii)前記寸法精度検知手段で検知された寸法精度に異状が認められるとき、前記砂型鋳型の鋳型強度を調整する指令を前記造型部に出力する鋳型強度調整指令手段とを具備することを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  13. 請求項1〜のうちの一項において、(i)前記砂型鋳型から取り出した前記鋳造品にショットを投射して砂落としするショット投射装置と、(ii)前記鋳造品の性状に応じて投射する前記ショットの投射時間および/または投射量を変更する指令を前記ショット装置に出力するショット変更指令手段とを具備することを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  14. 請求項1〜13のうちの一項において、(i)前記砂型鋳型から前記鋳造品を取り出した後に、前記砂型鋳型から取り出した前記鋳造品を一時的に保管する鋳造品保管部と、(ii)前記鋳造品保管部で冷却されている切削前の鋳造品の冷却を促進させる鋳造品冷却装置とを具備することを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
  15. 請求項14において、前記鋳造品保管部で保管されている前記鋳造品の保管数および/または温度に応じて切削前の前記鋳造品の冷却速度を調整する指令を前記鋳造品冷却装置に出力する鋳造品冷却調整指令手段を具備していることを特徴とする鋳造品生産ライン装置。
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