JP2005193295A - ネオジウム系磁石用合金のストリップキャスティング法における鋳造薄片の冷却装置および冷却方法 - Google Patents

ネオジウム系磁石用合金のストリップキャスティング法における鋳造薄片の冷却装置および冷却方法 Download PDF

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Abstract

【目的】 ネオジウム系磁石用合金の組織を制御し製品磁石の特性を向上するため、冷却能が可変で、特に冷却時間にしたがって生産性に影響する低温域の冷却能を低めずに高温域の冷却能を低下させることができる冷却装置とそのような冷却装置を備えたストリップキャスティング装置ならびに冷却方法を実現することを目的とする。
【構成】 そのような目的で用いられる本発明の冷却装置において、前室と後室に分けた円筒状の回転体を用い、さらに鋳造薄片が最初に滞留通過する前室を薄板で覆い、冷却速度を遅くできるように構成した。回転体の回転方向を変えることにより、前室を覆う薄板に取り付けられた傾斜フィン等の作用で、鋳造薄片を前室から後室に移すことが可能となり、合金組織特に磁石特性に影響するネオジウムリッチ相の分布状態を制御できる。
【選択図】 図2

Description

本発明はネオジウム鉄ボロン系焼結磁石用の原料合金の製造法であるストリップキャスティング法における鋳造薄片の冷却装置および冷却方法に関わり、特に高温域の冷却速度を変化させることができる冷却装置および冷却方法に関わる。
近年、パーソナルコンピューターおよびその周辺機器を始めとするエレクトロニクス機器の高性能化小型化にともない、高性能のネオジウム鉄ボロン系焼結磁石(以下ネオジウム系磁石と呼ぶ)の需要が増加している。また、エアーコンディショナーや冷蔵庫等の家電の電力消費量の低減を目的とし、あるいはハイブリッドタイプ等の電気自動車も含め、より高効率のモーターが求められ、これらの分野でも確実にネオジウム系磁石の需要が増加している。
一方、ネオジウム系磁石の特性向上も進んでいる。特性向上のための技術は大きく分けて、二つに分けられる。その一つは原料合金の組織制御に関わるものである。他は、磁石の製造技術の向上に関わるものである。
磁石の特性向上のためには、単に磁石の製造工程の改善だけでなく、原料となる磁石合金の製造技術の改善も重要となる。
例えば、その特性と経済性から希土類磁石の中で最も生産量の多いネオジウム系磁石の場合、磁性の担い手となるNdFe14B相はNd−Fe−B三元系平衡状態図において、液相から包晶反応によって生成する。そのため、特により高性能のNdFe14B相の化学量論組成に近い磁石用合金ほど、溶解鋳造時に初晶のγFeが生成し易くなる。そして、このγFe相はデンドライト状に生成し、立体的に繋がっているため、インゴットの粉砕性を著しく害し、磁石の製造工程における粉砕時に得られる粉末の粒径分布が乱れたり組成ずれの原因になったりする。
(図13の簡単な説明を記載))
そのような問題を避けるため、最近は鋳造時の凝固速度を速められるストリップキャスティング法(以下SC法と呼ぶ)が採用されている(例えば、特許文献1参照)。例えば図13に示すように、SC法では、不活性雰囲気にした溶解室60内の誘導炉を使用したるつぼ61で溶解した溶湯をタンディッシュ71を介して水冷ロール72に導き、厚さ約0.3mm程度の鋳造薄片9(以下SC材と呼ぶ)を得る方法である。SC材9は破砕機53で細かく破砕された後収納容器73に入る。SC材9を入れた収納容器73は、搬送ロール74を使用して冷却室75に移送され、冷却される。
SC材の厚さは薄いため、凝固点近傍の冷却速度は1000℃/s程度あるいはそれ以上となり、初晶のγFeが生成することなく、磁性相のNdFe14B相が直接液相から生成し、αFe相の存在しないインゴットを得ることができる(γFe相は温度の低下とともにαFeに変態し冷却後の合金中ではαFeとして存在する)。さらに、合金中に含まれているNdFe14B相より過剰のNdがNdリッチ相として存在する。
SC材中に含まれるNdリッチ相は、従来の通常の金型を用いて鋳造する方式で得られる厚さ30mm程度のインゴットと比べて凝固速度が速いため微細に分布する。このNdリッチ相は磁石製造工程において焼結時には液相となり、いわゆる液相焼結により密度の増加を促進する。また焼結後の磁石において、NdFe14B磁性相を磁気的に遮断し、保磁力向上に寄与する。そのためNdリッチ相は、原料合金中により細かく均一に分離していると、磁石の製造工程で粉砕した微粉の状態でも分散分布状態が改善され、磁気特性の向上に役立つことが知られている。
ところで、一般的にネオジウム系磁石には耐熱性の向上や経済性の観点から希土類元素としてNd以外にDyやPrがNdの一部を置換する形で添加されている。また、Feの一部は多くの場合キュリー点の上昇と耐食性の改善に効果のあるCoあるいはその他の遷移金属元素で置換されている。そのため以下ではNdの代わりにRをFeの代わりにTを用いて、NdFe14B相はR14B相と、Ndリッチ相はRリッチ相と表現する。
Rリッチ相の鋳造時のSC材中における挙動についてさらに詳細に説明する。
Rリッチ相は水冷ロール上で冷却時に、主相のR14B相の成長とともに凝固界面から排出され、R14B相の結晶粒内にラメラー(lamellar)状に生成し、一部は粒界にも生成する。
Rリッチ相は例えばNd−Fe−B三元系平衡状態図ではその融点は660℃程度とされており、磁石組成合金の液相面温度と比べてかなり低い。一方、通常のSC法の鋳造条件では、SC材が水冷ロールから離脱する時の平均温度は700℃以上であり、Rリッチ相はまだ液相の状態である。
一般的に、液相中あるいは液相を介した原子の拡散は固相中の拡散現象に比べて桁違いに早い。そのため、水冷ロールから離脱後のSC材の冷却速度によって、SC材中のRリッチ相はその形態が大きく変化する。
冷却速度が遅い場合は、Rリッチ相は母相との界面エネルギーを低下しようとして、ラメラ(lamella)は収縮し丸味を帯びるようになる。また温度の低下とともにRリッチ相中のR濃度は増加し、Rリッチ相の体積比も低下する。一方、冷却速度が速い場合はロールから離脱した直後のより高温の状態がそのまま凍結される傾向が強まる。すなわち、凝固直後のラメラの状態がそのまま保たれ、SC材の断面組織には1次のラメラに加えて2次のラメラも鮮明に認められる。このような場合Rリッチ相の体積比も大きく、Rリッチ相中のR濃度は低くなる。
このような状態は、例えばSC材の断面組織を走査電子顕微鏡にて反射電子線像により観察する場合、得られた顕微鏡写真(組成像)に長さLの線分を引き、線分がNdリッチ相と交差する点数Nを数え、線分の長さLをNで除し、Rリッチ相の平均間隔L/Nを求めることによる方法、すなわち線分法で定量的に評価することができる。そして、この値はSC材が水冷ロールから離脱後の冷却速度が速いほど小さくなる。
このように、Rリッチ相の存在状態が変わると、以下に述べるように磁石製造工程の水素化、微粉砕工程にも影響し、得られる磁石の特性にも影響することになる。
焼結磁石を製造する際、一般的にはジェットミル等の粉砕機を用いて微粉砕する前に、水素化粉砕処理(HD処理)を行う。R14B系磁石用合金は水素を吸収、特にRリッチ相は水素を吸収しやすく水素化物を生成し、体積膨張するため、その時のくさび効果と水素化による脆化が相俟って、微細なクラックが合金内に発生する。そのため、もし水冷ロールから離脱後の冷却速度が速く、Rリッチ相の間隔が狭い場合は、より細かく割れやすくなる傾向となる。そして、粉砕した粉末粒子の平均粒径が小さくなりすぎると、粉末がより活性になり、大気中で燃えやすくなったり、あるいは得られる磁石の磁気特性に有害な酸素濃度が高くなりやすくなる。また微粉ほど磁場成型時の配向度が低下しやすく、磁石特性、特に磁化が低下してしまうといった問題を引き起こしやすくなる。
そのため、SC材が水冷ロールから離脱後、直ちに急冷したような合金は、概して磁石用の原料合金として好まれない傾向にある。特に、冷却速度が速すぎる場合、Rリッチ相中のR濃度が低すぎて、水素化反応が起こりにくくあるいは遅過ぎて生産工程で問題となる場合もありうる。
しかしながら、より細かい粒径分布の粉末を用いて、磁場成形さらに真空焼結した場合、より細かい粒径分布の磁石を得ることができ、より保磁力の大きな磁石を製造しやすくなる。そのため、例えばモーター用等に用いられる高保磁力の磁石用原料合金としては、Rリッチ相の間隔が小さめのSC材が適している。但し、その場合も前述したように、冷却速度が速すぎるのは適さず、水冷ロールから離脱後高温域を適度に遅い冷却速度で冷却することにより、Rリッチ相の2次のラメラが適度に消失した組織のSC材の方が適している。
反対に、水冷ロールから離脱後のSC材の冷却速度が遅い場合、Rリッチ相の間隔が広くなり、微粉砕処理後の粉砕粒子の平均粒径も大きくなる傾向となる。その場合、磁場配向の際、配向度を高めやすく、例えばハードディスクドライブ(HDD)用のヘッドアクチュエーターであるボイスコイルモーター(VCM)等に用いられる磁化の大きな磁石を製造する場合は、そのような組織の合金が好まれる傾向にある。
以上のように、SC法においては磁石特性に重要な影響を与えるRリッチ相の分布状態を制御する必要があり、そのためには、SC材が水冷ロールから離脱後の冷却条件の制御が重要となる。特にRリッチ相の融点以上での高温域での温度制御が重要となる。
SC材のロール離脱後の冷却条件の制御例としては、水冷ロール上の冷却を1次冷却、水冷ロールから離脱後のSC材の冷却を2次冷却と分けて、後者の2次冷却速度を制御するため、合金の固相線温度(凝固完了温度=三元共晶温度)以下に50℃/min〜2×103℃/minの冷却速度にて冷却する方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
上記に開示された技術における2次冷却は、「急冷ロールと鋳片収容箱間にてArガス等の不活性ガス冷却、あるいはコンベア又はベルトにて移送中にて冷却したり、更に鋳片収容箱内にて不活性ガス冷却して調節することができ、また、2対の回転するベルトによって、鋳片を挟んで冷却したり、液体Arに直接投入する方法などがあり、これらの方法の組合せでもよい。」とされている。しかしながら、高温域の冷却速度を制御した場合、同じ方法で低温域まで冷却しようとすると、温度差が小さくなるにつれて冷却が遅くなり、チャンバーからSC材を取り出しても酸化が問題なくなる温度まで低下するまでの時間が長くなってしまう。このような、問題点を解決するための具体的な手段については全く開示されていない。
一方、800〜600℃間の平均冷却速度を1.0℃/秒以下にしてRリッチ相の間隔を広げ、3〜15μmにする方法も開示されている(例えば特許文献3参照)。
そのような目的で、「希土類元素含有合金の溶湯を真空又は不活性ガス雰囲気中の室内にて、冷却された回転ロール上に流し、冷却して薄帯状に凝固させた直後、該凝固薄帯を片状に破砕し、該破砕合金片を前記室内に置かれた収納容器内に収め、冷却媒体により前記破砕合金片の冷却速度を制御することを特徴とする希土類元素含有合金の組織制御方法」が開示されており、具体的な方法として、収納容器の内部に冷却用仕切り板を設け、その中に冷却媒体として気体又は液体を流通させて破砕合金片の冷却速度を制御する希土類元素含有合金の組織制御方法が提案されている(例えば特許文献4参照)。
しかしながら、この方法では冷却媒体としてガスを用いた場合、ガスの体積当たりの熱容量は極めて小さいため、大量のガスを流す必要がある。ガスとして不活性ガスを用いる場合、堆積したSC材の間を直接流すことができるが、それにしても大口径の配管を巡らし加熱されたガスを回収し冷却し戻す十分広い伝熱面積を有した熱交換器が必要となり、設備的に大がかりになる。また、冷却に要する時間も長くなる。
ガスとして空気を用いる例も示されているが、その場合密閉構造の仕切板を設ける必要がある。しかしながら、空気の体積当たりの熱容量は小さく、冷却速度を増すためには、大量の空気を流せてかつ極めて大きな伝熱面積の仕切板が必要となり、その隙間部にSC材を収納することになる。そのため、特に量産規模の装置では、収納容器はかなり大きくなる。さらに、鋳造チャンバーへの出し入れあるいは水冷ロールから落下するSC材を容器に満遍なく収納するために移動可能な構造とする必要があり、そのような収納容器に大径の配管を巡らし、大量の空気を送り込むのは、設備的な信頼性の上で難点がある。特に、希土類含有合金は化学的に極めて活性であり、そのような活性な合金でしかも高温で大きな比表面積のSC材を扱う装置として安全性の上でも大きな問題を抱えることになる。
さらに、冷却媒体として水を用いる場合、鋳造後流すのでは、高温状態の仕切板内に水を直接流すことになり、急激な沸騰現象を招き安全性の点で問題がある。さらに、仕切板への熱衝撃が大き過ぎ、熱歪みによる割れや変形の原因となり、仕切板の耐久性の上でも難点がある。特に、もし破損した場合、漏れた水と高温のSC材が反応し、水素を発生し、安全上重大な問題を引き起こす。もし、そのような問題を避けるため、鋳造開始前から水を流していた場合、冷却能が大きすぎて、高温域で目的とする遅い冷却条件を達成することは困難である。
また、SC材を入れた収納容器を隣接する別室に移し、そこで不活性ガス等を用いて冷却する方法が開示されている(例えば特許文献5参照)。この方法では高温域の冷却は概して遅くなる。しかしながら、この冷却方法は合金の組織の制御を目的としたものではなく、冷却速度を調整することは不可能である。また、低温域の冷却も遅く、大気中に開放できるような温度まで低下するのに長時間を要し、そのため数多くの収納容器を必要とする。
特開昭63−317643号公報 特開平8−269643号公報 特開平10−36949号公報 特開2002−266006号公報 特開平9−155507号公報
以上述べてきたように、ネオジウム系磁石用合金のSC法においては水冷ロール上での冷却速度に加えて、SC材が水冷ロールから離脱後の特に離脱直後からのRリッチ相が溶けている温度域での冷却速度の制御が重要であり、この温度域を適度に遅く、しかも磁石の要求特性に合わせて合金の組織を制御するため、冷却速度を自由に調整でき、かつその後は生産性を高めるため、短時間で冷やせる装置と方法が必要とされる。しかも、極めて活性でかつ比表面積の大きな希土類合金を扱う装置であり、組織制御の観点だけでなく、安全性の観点からも装置材料の熱応力、歪み、腐食等に十分配慮した設備とする必要がある。
従来、このような信頼性の高い装置は開示されていないのが現状である。
本発明は、特に高性能用のネオジウム系焼結磁石の原料合金として最適な組織制御を行う際、冷却条件を自由に制御でき、かつ装置がコンパクトで安全性の高い冷却装置および冷却方法を提案することを目的とする。
本発明において、上記課題を達成するため、ネオジウム系磁石用合金のSC法におけるSC材の組織制御冷却装置として、以下に説明するような構成の装置とした。
正逆回転可能な駆動機構を備えた円筒状の回転体からなるSC材の組織制御冷却装置であり、該回転体は前室と後室の2部屋に分けられており、前記前室はSC材に接する内面が金属製の薄板で覆われており、かつ薄板と回転体との間に隙間が保たれている。
さらに該前室の端面にはSC材の装入口を有し、かつ回転体の後室側の端面には蓋が取り付けられたSC材の排出口が備えてあり、さらに前室の内面には、回転体が正回転している時には鋳造薄片を装入口側に移送し、逆回転時には鋳造薄片を反対方向の後室側の排出口側方向に移送するように作用する傾斜フィンが取り付けられており、後室の回転体内壁には冷却フィンが取り付けられている。
上記のように構成されているため、正回転状態でSC材が薄板で覆われた前室に止まり、その状態では、薄板の熱容量は小さく、しかも回転体とは隙間が保たれており、熱容量の大きな回転体には熱が逃げにくく冷却は遅い。逆回転時には、SC材は傾斜フィンの働きで後室に移送され、熱容量の大きな回転体に直接接触するため、冷却速度を高めることができる。
このように、回転体の回転方向の切換操作だけで、冷却条件を変えることができるようにした装置である。
さらに、前室の円筒状回転体本体と薄板との間には隙間が設けてあり、保温性を高めるとともに、薄板が高温のSC材により熱せられ膨張しても歪みを吸収することができる。また薄板は円筒状回転体より強度が小さく、熱歪みは緩和されやすい。
あるいは、前記に加えて、後室に2枚以上の冷却羽根を放射状に配置したボスをその中心軸が回転体の中心軸に一致するように取り付けた構造の冷却装置である。逆回転時には、SC材は後室に移送され、回転体と冷却フィンで冷却されるのに加えて、ボスに取り付けた冷却羽根で掻き上げられ、冷却羽根とボスに接触することにより冷却が加速される。
さらに、これらの装置の中で、回転体の中心軸と水平面との成す角度αを−5度〜10度の範囲内で変えることができるようにしたことを特徴とする冷却装置である。角度αが小さい状態では、確実に前室にSC材を留めることができる。一方、角度αをプラス側で大きくするほど、回転体を逆回転した時に、確実にかつ短時間でSC材を後室に移動させることができる。このように、角度をかえることにより、SC材の冷却速度の制御の自由度が増す。
特に、これらの冷却装置の中で、SC材に接する内面が金属製の薄板で覆われた内筒で構成され、かつ薄板と内筒との間に隙間が保たれており、該内筒が回転体の中に組み込まれた構成としたことを特徴とするSC材の冷却装置である。
薄板と回転体の間に内筒が介在するため、保温効果が一層高まり、また、薄板と回転体との温度差による熱歪みを緩和することができる。さらに、内筒ごと前室を回転体から取り外すことが可能となり、保守が容易となる利点がある。
特に、これらの冷却装置の中で、回転体あるいは内筒に内張りする薄板の厚さを1〜4mmとしたことを特徴とするSC材の冷却装置である。厚さをこのように限定することで、溶接加工も含めた施工性と強度ならびに熱容量の十分な小ささを兼ね備えた冷却装置とすることができる。
特に、これらの冷却装置の中で、少なくとも薄板の80%以上の面積において薄板と回転体との間にあるいは薄板と内筒の間に隙間を保つようにしたことを特徴とするSC材の冷却装置である。隙間を保つ面積を80%以上と広くすることで、保温性を高めることができ、SC材が前室に留まっている間の冷却速度を確実に小さくすることができる。
特に、これらの冷却装置の中でも、前室と後室との境界に、回転体を正回転しているときにはSC材を前室に押しとどめ逆回転させた時には切り込むようにして後室に移送するように作用するルーバーで覆った一個以上の開口部を有した隔壁を具備したことを特徴とする冷却装置である。
このような隔壁を設けることにより、鋳造量の多い中型、あるいは大型のストリップキャスティング装置(以下SC装置と呼ぶ)においても、回転体の内容積をそれほど大きくすることなく、SC材を確実に前室にとどめておき、さらに回転体を逆回転した時は確実に後室に移送することが可能となる。それにより、全てのSC材について、所定の熱履歴を与えることができるようになる。
あるいは、装入口側と反対側の前室の端部に、回転体を正回転しているときにはSC材を前室に押しとどめ逆回転させた時には切り込むようにして後室に移送するように作用するルーバーで覆った排出口を有したカバーを具備し、該排出口からは排出ノズルが伸びており、かつ後室には該排出ノズルの位置に合わせ装入口を開けたカバーを設け、回転体の逆転時に前室の排出ノズルを通して移送されるSC材が該後室の装入口を通って後室に落ち込むようにすることにより、前室と後室を分離できる構造にしたことを特徴とするSC材の冷却装置である。
前室と後室を分離することにより、例えば、溶解鋳造する合金組成が変わった場合等、回転体内部に残留するSC材を完全に清掃する必要が生じた場合にも、内部の点検が容易とる。特に、後室に取り付けるカバーは脱着可能な構造とすることにより、清掃作業が一層容易となる。
特に、これらの冷却装置の中でも、後室部分の回転体の重量と冷却フィンの合計重量をSC材の重量の5倍以上としたことを特徴とする冷却装置である。直接SC材に接触する回転体の後室部分のSC材の重量に対する比率を増すことにより、熱容量を増し、冷却効果を高めたものである。
あるいは、冷却羽根を放射状に配置したボスを後室に備えた冷却装置において、回転体の後室部分の回転体と冷却フィンの小計重量ならびに冷却羽根を含めたボスの重量との合計重量をSC材の重量の5倍以上としたことを特徴とする冷却装置である。伝熱面積を増やした構造で、さらに熱容量を増すことにより、冷却効果を高めたものである。
特に、これらの冷却装置の中で回転体の後室側の外側あるいは回転体の全体の外側を水冷構造としたことを特徴とするSC材の冷却装置である。
回転体の重量を増やすことなく、後室における冷却効果を高めることができる。また、回転体全体を冷却することにより、すなわち回転体の前室部分も含めて冷却することにより前室の回転体の温度上昇を抑制することができる。特に繰り返し使用する場合も温度上昇を抑制することができる利点がある。
あるいは、冷却羽根付きのボスを備えた冷却装置において、回転体の後室側の外側あるいは回転体の全体の外側に加えてボスの内側を水冷構造としたことを特徴とする冷却装置である。ボスの内側も水冷することにより、それに放射状に取り付けた複数の羽根も熱伝導を利用して冷やし、それらに接触するSC材の冷却をさらに強めることができる。それにより冷却時間の短縮を図ることができる。
さらに、これらの冷却装置を備えた、ネオジウム系磁石用合金のSC装置である。回転体の回転方向を変えるといった簡単な操作で、SC材を冷却が遅い前室から冷却の速い後室に移動させ冷却速度を制御することが可能なSC装置とすることができる。
さらに、このような冷却装置を用いたSC法において、回転体が正回転状態で鋳造を開始し、水冷ロールから落下するSC材を破砕機を用いて破砕し、破砕されたSC材を回転体の装入口より回転体の前室に受入れ、鋳造開始後1分以上経過後かつ鋳造終了後1時間以内で回転体の回転を停止し逆回転に切り替えることによりSC材を後室に移送し、冷却することを特徴とするネオジウム系磁石用合金のSC法である。
鋳造開始後回転体が正回転状態で1分以上保持することにより、冷却が遅い前室にSC材をとどめ、さらに傾斜フィンの働きで、SC材が散らばらないため、冷却速度を遅くすることができる。その間に落下した高温のSC材で、前室の内側を覆った薄板材を予熱するため、その後落下してくるSC材も含めて高温域の冷却速度を遅くすることができる。鋳造終了後1時間以内に、回転体の回転方向を変えて、冷却能力の大きな後室にSC材を移送し、冷却を速めることができるため、全体として冷却時間を短縮することができる。
あるいは、このような冷却装置を用いたSC法において、回転体が逆回転状態で鋳造を開始し、水冷ロールから落下するSC材を破砕機を用いて破砕し、破砕されたSC材を回転体の装入口より回転体の前室に受入れ、さらに、傾斜フィンの作用と回転体の傾斜の効果で、順次SC材を後室に移送し、冷却することを特徴とするネオジウム系磁石用合金のSC法である。
最初から、逆転状態として鋳造することにより、SC材が前室に止まる時間を短くし、より冷却速度の速い条件でのSC材の製造が可能となる。
本発明の冷却装置では、回転体の内部を前室と後室に分け、前室の内面は回転体と隙間を保って薄板で覆われているため、前室に留まっている間はSC材の冷却は遅い。その後、回転体の回転方向を正回転から逆回転に切り替えることにより、傾斜フィンの作用と、回転体本体の傾きの効果により、SC材は冷却能の大きな後室に移動し、そこで速く冷却される。このように、回転体の回転方向の切り換えといった簡単な操作で、冷却速度を制御することができる。さらに、回転方向の切り換えのタイミングを調整することにより、冷却条件を幅広く変えることができる。さらに、薄板は熱膨張により変形しても隙間があるため、歪みが吸収され、耐久性の点でも改善された装置とすることができる。
以下に、具体例を挙げて本発明を詳細に説明する。先ず、本発明のSC材の冷却装置について説明する。
なお、以下の各図面においては構造を判り易く説明するため、縮尺は必ずしも正確には描かれていない。
(第1の実施形態)
図1に本発明の第1の実施形態に係わる冷却装置の外観を斜視図で示し、図2に回転体の回転軸を通る断面図を示す。
本発明において、上記課題を達成するため、図1に示すように、正逆回転可能な1駆動機構10を備えた円筒状の回転体20からなる冷却装置1を用いる。駆動機構10は例えば、回転駆動装置11で回転される1本の駆動回転軸12とそれに平行となるように構成した非駆動回転軸13(回転体の陰で未表示)にそれぞれ2個の車輪14および車輪15(回転体の陰で未表示)を固定した方式のものを用いることができる。それぞれの回転軸は軸受16および軸受17(回転体の陰で未表示)で支えられる。
回転体20は、駆動機構10の車輪の位置に合わせて外周部の2箇所にリング状タイヤ22が巻かれており、駆動機構10の上に乗せて使用される。
回転体20の内部は図2に回転軸を含む断面図を示すように前室23と後室24の2室に分けられており、前室23は回転体端面にSC材の装入口25を有し、かつ金属製の薄板26により回転体の内壁と隙間を保った状態で覆われている。かつ回転体の後室側の端面に蓋27が取り付けられた製品排出口28が備えてある。さらに前室の薄板26には回転体が正回転している時には薄板近傍のSC材を装入口側に移動させ、逆回転時には反対方向の後室側の製品排出口側方向に移動させるように作用する傾斜フィン29が取り付けられている。後室の回転体内壁には冷却効果を高めるための冷却フィン30が溶接接合されている。
さらに、図2に示すように該回転体の中心軸と水平面との成す角度αは0〜10度の範囲とし装入口側が排出口側と同じか高くなるようにする。
なお、水冷ロールで生成したSC材は破砕機を通して破砕され、シュートを用いて装入口25から前室23に装入される。
このように構成することにより、回転体が正回転時にはSC材は前室23に止まり、逆回転時には後室24に移動する。そして、正回転状態で、薄板26で覆われた前室23にSC材が止まっている間は、薄板の熱容量は小さく、回転体とは隙間を保って覆われているため、回転体20には熱が逃げにくく、SC材の冷却速度は遅い。一方、逆回転時には、SC材は回転体の回転軸の傾斜と傾斜フィン29の働きで、後室24に移送され、熱容量の大きな回転体20に直接接触するため、冷却速度を速めることができる。鋳造中およびSC材を冷却する目的で回転体を回転している状態では、後室の端部に設けた排出口28には蓋27がしてあるため、SC材は後室24内にとどまる。
SC材の取り出し時には、SC材の冷却終了後、冷却装置が納められているチャンバーの扉を開放する。次に、回転体の回転を停止した状態で回転体の排出口に製品回収コンテナあるいは輸送のためのコンベヤー等の装置をセットした後に、蓋27を開けてさらに回転体を逆回転させることにより、全てのSC材を排出回収することができる。
回転体20の大きさは、バッチ毎のSC材の重量に合わせて設計する。前室の内容積がSC材の見掛体積に対する倍率は2〜5倍程度とするのが望ましい。2倍以下では、前室の大きさに対してSC材の量が多くなり、装入口からSC材がオーバーフローしないようにするためには、装入口の大きさを小さくする必要が生じる。そうすると、装入口にSC材を確実に導き入れるのが構造的に難しくなるからである。さらに望ましくはその倍率は3倍以上とする。
一方、5倍以下では、溶解鋳造量の割に冷却装置が大きくなり経済的でなくなる。
なお、回転体の内径は小さ過ぎると特に内側の製作が難しくなるため500mm以上とし、長さは前述の内容積を確保するように決めるのが望ましい。
回転体の水平とのなす角度αは、10度を越えると、SC材の後室側への移動傾向が高まりすぎ、また回転体のスラスト荷重も増すため10度以下とするのが望ましい。
また、水平すなわちαが0度でも、傾斜フインの働きでSC材を後室に移送することは可能なため、0度も含めた10度までとするのが望ましい。なお、さらに望ましくはα=1〜6度である。
回転体を構成する材料としては、例えばJIS G3101で定められる一般構造用圧延鋼材やJIS G3106の溶接構造用圧延鋼材等を用いることができる。
前室の内側を覆う薄板の板厚は1〜4mmとする。前室でのSC材の冷却速度を遅くするためには、板厚は薄くして熱容量を小さくする必要がある。しかしながら、1mm以下では特に溶接加工が難しくなる。また傾斜フィンを溶接で接合した場合、高温強度も不十分となる。そのため、1mm以上とした。より望ましくは1.2mm以上さらに望ましくは1.5mm以上である。一方、4mm以上では熱容量が大きすぎ冷却速度を十分小さくすることが難しくなる。より望ましくは、板厚は3.5mm以下、さらに望ましくは3mm以下である。
前室の内側を覆う薄板は高温に加熱されるため、材質としては耐熱性にも優れたSUS304あるいはSUS310等のオーステナイト系ステンレス鋼が入手性、経済性、成形加工や溶接加工のし易さ等も考慮して、最適な材料として選択される。
さらに、薄板は回転体を覆う際、適当な大きさに分割して、端部は直接、回転体に溶接接合して固定することができる。例えば図3には図2のAA’断面を示す図において、円周方向に6分割して薄板で覆った例を示した。分割した個々の薄板26の曲率半径を回転体の内面の半径より大きくすることにより、薄板材26はその端部26aで回転体20の内壁に溶接固定するようにして、回転体との間に隙間26bを開け、しかも加熱され膨張したときにも半径方向には無理がかからずかつ隙間が確保される。
端部26aでは熱が逃げやすいが、溶接接合されていない薄板の他の部分で、回転体に接触している部分も含めて、それらの合計面積が20%を越えないようにすれば、全体として、前室における冷却速度を十分低くすることができる。このように薄板は分割することにより、熱歪みによる変形量を小さくし、耐久性を高めることができる。さらに、薄板はあらかじめプレス加工等の方法により凹凸を付けたエンボス加工を施すのが望ましい。エンボス加工により、強度が増すとともに熱歪みを緩和する効果が高まる。
前室23の傾斜フィン29の形状は高さは、5mm以上50mm以下が望ましい。5mm未満では、SC材を回転体の長軸方向に移送する効果が不十分であり、50mm以上では、傾斜フィンの根本にかかる曲げモーメントが大きくなり、変形し易くなるためである。さらに望ましくは傾斜フィンの高さは10mm以上40mm以下とする。個々の傾斜フィンの長さは、例えば、30mm以上200mm以下とするのが望ましい。短いと、やはり移送効果が不十分となり、長すぎると、薄板との温度差が生じた時の熱歪みが大きくなり耐久性に問題が生じるためである。
傾斜フィン29の取付角度θは円筒内面を通り回転軸に平行な直線に対して30〜80度の角度となるように取り付けるのが望ましい。30度以下では移送効果が減り、80度以上では必要となる傾斜フィン29の数が増えるからである。
なお、傾斜フィン29の数は、回転体を逆回転させた時にSC材が前室に残留しないようにするのに最低限必要な数を取り付ける。特に、任意の半径方向の断面において、少なくとも1個以上の傾斜フィンの断面を含むように配置する。
傾斜フィンの厚さと材質については、薄板の材料を選択したのと同様な理由から当該材料と同じ厚さおよび材質が選択される。
なお、傾斜フィン29の高さが高く、個々の傾斜フインの長さが長くそして数が増えるほど、SC材を装入口側に移送する働きが強くなる。鋳造時間の経過とともに前室に貯まるSC材の量も増え、このような傾斜フィンの移送力が強すぎると、前室の容量が小さく、回転体の回転軸の水平とのなす角度αが小さい場合、装入口からSC材が溢れ出してしまうため、このような現象が起きないよう、傾斜フィンの高さ、取付角度θ、長さおよび個数等の詳細設計仕様は、前室の容量および角度α等も考慮して決める。
後室の冷却フィン30は回転体20の内面に溶接固定する。そのため、回転体と同質の材料を用いるのが好ましい。また、熱伝導を良好にするため、適度に厚くする必要があり、最低6mm以上、望ましくは8mm厚さ以上の板材を用いる。最大厚さは、溶接施工性や重量等を考慮して、30mm程度以下とする。また、高さは、冷却効果も増すには高い方が望ましく、一方製作時の溶接作業等のし易さ、使用時の点検し易さも考慮し、回転体内径の1/4以下とする。冷却フィン間の間隔も同様な観点から、高さの1倍以上とし、冷却効果の観点から2倍以内程度を目安として取り付ける。
なお、冷却フィン30の取付角度は傾斜フィン29と同じように回転体が正回転している時には薄板近傍のSC材を装入口側に移動させ、逆回転時には反対方向の後室側の製品排出口側方向に移動させる方向に取り付けるのが望ましい。そのような向きに取り付けることにより、逆回転時にSC材の前室から後室への移動を円滑に行うことができる。
回転体20の回転速度は速すぎると、遠心力がIGを越え、SC材が回転体と一緒に回転してしまう。また、薄板や傾斜フィンの高温強度等も考慮し、回転速度は回転体の内面における遠心力が0.6Gを越えない範囲に設定するのが望ましい。一方遅すぎると、攪拌効果が減り、SC材の組織の均一性も減じるため、0.1G以上とするのが望ましい。
ところで、回転方向の正回転は、傾斜フィンの傾斜方向との関係で相対的に決まり、傾斜フィンの傾斜方向が例えば前室の装入口側から見た時に右ネジに沿っていれば、同方向から見て時計回りが正回転方向になる。左ネジに沿っている場合は時計回りと反対方向が正回転方向になる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態における冷却装置2の、回転体の回転軸に平行方向の断面図を図4に示す。また、半径方向の断面図を図5に示す。これらの図に示すように冷却装置2は第1の実施形態の冷却装置1に加えて、後室には2枚以上の冷却羽根31を放射状に配置したボス32がその中心軸が回転体の中心軸に一致するように取り付けられた構造としたものである。回転体を逆回転にすることにより後室24に移送されたSC材は回転体とそれに溶接接合された冷却フィン30との接触による冷却に加えて、冷却羽根31で掻き上げられ、それらとさらにボス32との直接接触による冷却効果でより速く冷却される。
ボス32から放射状に伸びる冷却羽根31の先端は回転体の内壁から30mm以上離し、かつ冷却フィン30の取り付け位置とは重ならないようにすることにより、SC材が動き易いようにすることができる。また局部的に狭い部分がなくなり、回転体の中で、SC材がブリッジを組むのを防ぐことができる。
ボスと冷却羽根の材質については、経済性、溶接等の加工性を考慮して、回転体と同じ材料を選択することができる。あるいは、熱伝導性の良好な純銅あるいは銅合金を選択することもできる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態における冷却装置3は、図6に示すように、回転体20の中心軸と水平面との成す角度αを−5度〜10度の範囲内で運転中に変えることができるように、角度変更機構を組み込んだ冷却装置である。角度αが小さい状態では、確実にSC材を前室に留めることができる。特にαをマイナスとし装入口側を下げた状態では、鋳造開始初期のSC材の量が少ないときにもSC材が広がるのを防ぎ冷却を遅くする効果が高まる。
一方、角度αをプラス側で大きくするほど、回転体を逆回転した時に、確実にかつ短時間でSC材を後室に移動させることができる。このように、運転中に角度をかえることができる装置とすることにより、SC材の冷却速度の制御の自由度を増した装置とすることができる。
角度変更機構は例えば、回転体の回転駆動機構の下部にかつ装入口近傍に位置する角度変更用支点軸19を中心にして図6に示すような油圧駆動リフト33あるいはモータ駆動により角度αを調節する機構を設ければ良い。このように配置することで装入口の位置が移動するのを最小限に留めることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態における冷却装置4においては、図7に前室23の部分の断面図を示すように、SC材に接する内面が1〜4mm厚さの金属製の薄板26で覆われた内筒21で構成され、かつ少なくとも薄板26の80%以上の面積において薄板と内筒との間に隙間26bが保たれており、該内筒21が回転体の中に組み込まれた構成としたものである。
薄板26と回転体20の間に内筒21が介在するため、保温効果が一層高まる。また、薄板は鋳造高温のSC材との接触により高温に加熱され膨張するがその時の熱歪みが中間に内筒が介在することにより緩和することができる。さらに、前室を内筒ごと回転体から取り外しできるように構成することにより、保守点検や修理交換をし易くすることができる。
なお、該内筒の外径は回転体の内径より適度に小さくし、内筒の温度上昇により膨張しても、回転体に接触しないようにして保温性を高め、かつ脱着が容易となるように設計する。
内筒の材質としては内面を覆う薄板と同様な理由から、SUS304あるいはSUS310等のオーステナイト系ステンレス鋼を用いることができる。板厚は強度や加工性等も考慮し、4〜10mm、より望ましくは4〜8mmとする。
(第5の実施形態)
第5の実施形態における冷却装置5は、図8に回転体の長軸方向の断面図を示すように、前室23と後室24との境界に回転体を正回転しているときにはSC材を前室に押しとどめ逆回転させた時には切り込むようにして後室に移送するように作用するルーバー41で覆った一個以上の開口部42を有した隔壁43を具備したことを特徴とする冷却装置である。
図8に示した例は開口部を外周部の2箇所に設けた例を示した。そして、隔壁の中央部は窓44を開け、薄板を覆った脱着可能な隔壁窓カバー44aを取り付けた。このような構造とすることにより、装入口25を開け、さらに隔壁窓カバー44aを開けることにより、後室の内部の点検を容易に行うことができる。
ルーバー41で覆った開口部42としては、その他に、図9(a)に装入口側から隔壁43を眺めた図を示すように回転体の内面から隔壁に沿ってその中心部に伸びるルーバーを兼ねる樋45を形成し、それを中心部あるいは中心部近傍に開けた開口部42へと繋げた構造とすることもできる。図9の(b)、(c)、(d)にはそれぞれ図9(a)のBB’、CC’、DD’の断面図を示した。SC材は、回転体を正回転時(図9(a)で時計の針の回転方向と反対方向)にはルーバーの作用で押しのけられ、逆転した時には、掻込口46から樋45内に導かれ、さらに回転にともない持ち上げられ、開口部42へと運ばれ、後室へ落とし込まれる。なお掻込口46の開口面積は樋45の断面積より小さくすることにより、樋45の内部でSC材がブリッジを組むことに起因する閉塞トラブルを回避することができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態における冷却装置6は、図10に部分断面図で示すように、前室23と後室24を分離した冷却装置である。前室と後室には隔壁の代わりにそれぞれカバー47、カバー48が設置され、逆回転時にSC材を前室から後室に移すため前室のカバー47の内側に図9に示したルーバー形式の移送方法を採用し、中央部に開口部42が設けられている。さらに、該開口部には先端の方が広がったノズル49が取り付けられ、該ノズルの先端は、後室の装入口50に差し込まれている。そのため、SC材は、回転体を逆回転した時に、ノズル49を通って、後室の装入口50から後室に移送される。
このような構成とすることにより、前室と後室を分離することができるようにしたものである。そのため、後室部分のみを取り外すことが可能となり、品種切り換え時の清掃作業や点検作業が容易になる。
当該実施形態における冷却装置6では、図10に示した例のように、前室23と後室24の回転体それぞれにリング状タイヤ21および22を前後に2個取り付け、回転軸12、13に取り付ける車輪14、15もそれらの位置に合わせてそれぞれ二組取り付ける(回転軸13と車輪15は回転体の陰で未表示)。このように前室用と後室用の回転軸と駆動機構を共通にすることにより単純な装置とすることができる。
特に、本発明はこれらの冷却装置の中でも、回転体の後室部分の重量をSC材の重量の5倍以上とした冷却装置を包含する。このようにすることにより、水冷することなく冷却効果を高めることができる。
より望ましくは、回転体の後室部分の重量をSC材の重量の7倍以上、さらに望ましくは9倍以上とする。
ネオジウム系磁石用合金は特に高温では極めて活性であり、水と反応して水素ガスを発生する。そのため、もし水冷構造として水漏れトラブルが発生した場合、高温のSC材が水と反応してチャンバー内に水素ガスが貯まり、安全上重大な事態を招くことになる。水冷を行わない場合、このような事態への対策が不必要となり、設備的に安価となる利点がある。
一方、バッチ毎に空冷するか、あるいは冷却済みの別の回転体に取り替える必要がある。そのため、溶解鋳造量が比較的小規模のSC法に適した装置である。
あるいは、冷却羽根を放射状に配置したボスを後室に備えた冷却装置において、回転体の後室部分と冷却羽根を含めたボスの合計重量をSC材の重量の5倍以上とした冷却装置である。より望ましくは、回転体の後室部分と冷却羽根を含めたボスの合計重量をSC材の重量の7倍以上、さらに望ましくは9倍以上とする。伝熱面積を増やしかつ熱容量も増やすことにより一層冷却効果を高めることができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態における冷却装置7は、回転体の後室側の外側あるいは回転体の全体の外側を水冷構造とした冷却装置である。あるいは、図11に部分断面図を示すように後室に冷却羽根付きのボス32を備えた冷却装置において、回転体の後室側の外側あるいは回転体の前室部も含む全体の外側に加え、ボスの内側を水冷構造とした装置である。ボスの内側も水冷することにより、それに放射状に取り付けた複数の冷却羽根31も熱伝導を利用して冷やし、それらに接触するSC材の冷却をさらに強めることができる。このような方法により冷却時間の短縮を図ることができる。
なお図11に示した冷却装置では、前室は第4の実施形態に示した回転体の内側に薄板で覆った内筒21を装入した方式を採用し、さらに、第5の実施形態に示した方式、すなわち前室と後室の間にルーバー41で覆った開口部42を有した隔壁43を具備した方式を採用した。
回転体の冷却は図11に示した例のように、回転体20の外側に外筒51を被せ、所謂ジャケット構造として、回転体20と外筒51の間の隙間56に水を流せば良い。水を確実に回転体の全面により均一に流すためには、例えば隙間幅より外径が若干小さめのパイプを長軸方向に奥までほぼ等間隔で複数本差込、これらのパイプから冷却水を供給し、これらのパイプ間に配置した同数のノズルから排水すれば良い。
水冷用の水は、例えば、後室側の回転体の回転軸の延長線上に、ロータリジョイント52を取り付け、それを介して供給排出する。
ボスの内側についても、回転体の外側を水冷する場合と同様、ロータリジョイント52から分岐させることにより冷却用の水を供給排出することができる。
回転体等の熱容量でSC材を冷却しようとする場合、SC材の重量に対して回転体の重量を十分大きくする必要があり、特に大型のSC装置では、装置の重量がかなり重くなってしまう。そのため、回転体の取り外し作業が大変となり、メンテナンス作業に支障を来す可能性がある。
水冷構造とすることにより、装置の合計重量を十分軽くすることができる。また、SC材の冷却が終了したときは、回転体の温度が下がっており、SC材を回収後、直ぐに次の溶解に入ることが可能となり、生産性も向上する。
なお、水冷構造の別の方式としては、パイプを回転体の外周部に溶接あるいはロウ付け等の方法で接合配置し、パイプの中に水を通す方式を採用することができる。その場合は、隣接する水冷パイプ間の間隔は、回転体の板厚の10倍以内とするのが望ましい。
冷却水の流量は溶解鋳造量に比例させて増やす必要がある。例えば、SC材を後室に移送後1〜2時間以内で、合金の酸化が心配なくなる約150℃以下まで下げようとする場合、必要とされる冷却水の流量は溶解量100kgのSC法の冷却装置で、15L/分程度である。
次に、これらの冷却装置を備えた、ネオジウム系磁石用合金のSC装置について説明する。
本発明のネオジウム系磁石用合金のSC装置は、例えば第3の実施形態に示した冷却装置3を使用したはSC装置において、図12に示すように水冷ロール72から落下する高温のSC材9を破砕機53を用いて破砕し、それを例えばシュート54を介して、冷却装置3の装入口から前室に落とし込む。破砕機53は例えば、2ローター型の破砕機を用いることができ、破砕機通過後のSC材の最大辺が40mm以下、望ましくは30mm以下程度まで破砕できる能力をもった破砕機の使用が望ましい。その理由は第1に、大きすぎるとSC材の見掛密度が小さくなり、全体の容量が増え、回転体の内容積も大きくする必要があるからである。第2に、特に前室から後室に移すのに、ルーバーを取り付けた開口部を通す場合、ブリッジを組み閉塞してしまうといったトラブルの発生が懸念されるからである。
なお、図12に示すように、溶解室60と鋳造室70は別にして、ゲートバルブ55を用いて、両室を遮断できる方式とするのが望ましい。そのようにすることで、鋳造後、溶解室を大気に曝すことなく直ぐに次の溶解に入ることができるようになり、生産性を高めることができる。さらに、チャンバー内の不活性雰囲気をより良好な状態に保つことができ、合金の品質向上の上でも効果がある。
なお、溶解室60に設置されたルツボ61で溶解された溶湯は所定の温度に調節された後、傾動機構を用いて出湯される。溶湯は、鋳造室からゲートバルブ55を貫通して差し込まれた溶湯樋62により、タンディッシュ71に導かれ、そこで水冷ロール72に巻き取られるようにして冷却され、薄片状の鋳片すなわちSC材9が生成する。
本発明の冷却装置では、SC材が後室に移送後は熱容量の大きな、あるいは水冷された回転体と直接接触し冷却されるため、しかも攪拌されているため、冷却速度は十分速い。そのため、特に、鋳造室と冷却室を分離する必要は無くなり、一つの部屋に納めることが可能となる。
本発明の冷却装置は、回転体の回転方向を変えるといった簡単な操作で、SC材を冷却が遅い前室から冷却の速い後室に移動させ冷却速度を制御することが可能となる。さらに、回転体の回転方向を変えるタイミング、回転速度、あるいは回転体の角度αを変えることができる装置にあっては角度αを変えることにより、冷却条件を幅広く変えることが可能となり、合金組織の制御の自由度が大幅に増す。
本発明の冷却装置では、SC材は常に攪拌混合されている。そのため、個々のSC材間についても冷却条件が均一化されるといった特長がある。例えば、鋳造初期に前室に落下したSC材は、温度が低い薄板と接触し、一時的に温度が低下する。その後、鋳造時間の経過とともにSC材の量も増し、また薄板の温度も上昇するため、最初に温度が低下したSC材も温度が上昇し、他のSC材と同じ熱履歴が与えられることになる。
一方、落下したSC材が静止状態で冷却される従来の冷却装置においては、冷却媒体に接した部分あるいは近い部分は速く冷却され、その後再加熱されることはない。一方、冷却媒体から離れた部分は冷却が遅くなり、個々の薄片間には冷却条件にバラツキが生じ、組織も異なる。
さらに、従来の静止型の冷却装置では、SC材は部分的に互いに融着しあい、固まってしまう傾向があり、そのため、鋳造終了後、冷却装置からSC材の取り出し作業が煩雑になるといった問題点があった。このような現象は、SC法において、ロールから離脱し落下した直後のSC材はネオジウム系磁石用合金の三元共晶温度以上であり、Rリッチ相が液相状態で存在し、それが一部SC材の表面からにじみ出し、それによりSC材同志が融着しあい、そのまま凝固してしまうため起こる。本発明の冷却装置では、三元共晶温度を通過する温度域においても、SC材は攪拌されており、融着がしにくくなる。そのため、鋳造終了後のSC材の取り出し作業も容易となるといった利点がある。
なお、従来の静止型の冷却装置では、堆積した低密度のSC材間の冷却が律速となり特に雰囲気の不活性ガス圧力が低い場合は、ガスの対流伝熱や伝導伝熱の効果が弱く、冷温側の冷却が遅くなり、そのままではSC材を大気に取り出せる時間がかかりすぎるため、雰囲気圧力を高める必要があった。そのため、高価なArガス等の不活性ガスの使用量も増え経済性が悪いといった問題点が存在した。それに対して、本発明の冷却装置は、後室に移送後のSC材は、熱容量の大きな回転体や冷却フィンに直接接触し、あるいはボスと羽根を備えた装置にあってはこれらの部材に直接接触し冷却される。水冷構造の冷却装置の場合は、さらに水冷されたこれらの部材に直接接触して冷却されるため、雰囲気ガスの圧力は特に高めなくても短時間での冷却が可能となり、不活性ガスの消費量を大幅に減らせる効果もある。
次に、本発明の冷却装置を用いた冷却方法について説明する。
このような冷却装置を用いたSC法において、回転体が正回転状態で鋳造を開始し、水冷ロールから落下するSC材を破砕機を用いて破砕し、破砕されたSC材を回転体の装入口より回転体の前室に受入れ、鋳造開始後1分以上経過後かつ鋳造終了後1時間以内で回転体の回転を停止し逆回転に切り替えることによりSC材を後室に移送し、冷却する方法である。
鋳造開始後回転体が正回転状態で1分以上保持することにより、冷却が遅い前室にSC材をとどめ、さらに傾斜フィンの働きで、SC材が散らばらないため、冷却速度を遅くすることができる。その間に落下した高温のSC材で、前室の内側を覆った薄板は予熱されるため、その後落下してくるSC材も含めて高温域の冷却速度を遅くすることができる。Rリッチ相が液相を保っている高温域の冷却速度を遅くすることにより、Rリッチ相の体積比が減少し、Rリッチ相内のR濃度が高まる。正回転状態を保つ時間をさらに長くすることにより、Rリッチ相はマトリックスの主相(R14B相)との境界の界面エネルギーを下げようとして、さらにラメラーの面方向に収縮し、丸味を帯び、Rリッチ相間の平均間隔も長くなる。
このような組織変化をより顕著に具現するためには、鋳造終了後1分以上正回転状態を保つのが望ましい。一方、SC材の温度は時間の経過とともに下がり、拡散は起こりにくくなる。そのため、1時間以上に長くしても、組織はほとんど変化しなくなるため、1時間以内に回転方向を切り換えSC材を前室から後室に移し替える。
このように、回転体の回転方向を変えて、冷却能力の大きな後室にSC材を移送し、冷却を速めることができるため、全体として冷却時間を短縮することができる。
あるいは、このような冷却装置を用いたSC法において、回転体が逆回転状態で鋳造を開始し、水冷ロールから落下するSC材を破砕機を用いて破砕し、破砕されたSC材を回転体の装入口より回転体の前室に受入れ、さらに、傾斜フィンの作用と回転体の傾斜の効果で、順次SC材を後室に移送し、冷却する方法である。
最初から、逆回転状態として鋳造することにより、SC材が前室に止まる時間を短くし、より冷却速度の速い条件でのSC材の製造が可能となる。なお最初から逆回転状態で鋳造を開始しても、SC材は冷却速度の遅い前室を経由するため、適度にRリッチ相の体積比が減少し、Rリッチ相内のR濃度が高まった組織のSC材を得ることができる。
このように、同じ装置を用いて、正回転から逆回転に切り替えるタイミングを変えるだけで、高温域の冷却条件を幅広く変えることが可能となる。
なお、回転体の中心軸が水平となす角度αを変えることができる装置を用いる場合は、正回転から逆回転に切り替えるタイミングに加えて、角度αを変えることによってもさらに幅広く冷却条件を制御することが可能となる。さらに、回転速度を変えることによっても、SC材の前室での滞留時間を制御できる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示すような冷却装置1を作製した。回転体の外径、内径および長さはそれぞれ800mm、720mm、1400mmとし、溶接構造用炭素鋼を用いて作製した。内部を長手方向に2分割し、前室部分は図2と同様に1.5mm厚さのSUS304製の薄板を6分割して覆った。装入口の周囲の鏡部の内面もほぼ全面、所謂”ミカン割り”の手法で1.2mm厚さのSUS304製薄板で覆った。前室には、内面に、1.5mm厚さのSUS304製の高さ15mm長さ50mmの傾斜フィンを回転体の中心軸に平行方向に対して傾斜角θが60度となるように、6分割した薄板の幅方向のほぼ中央に長手方向に各10個、TIG溶接で取り付けた。後室部分には厚さ25mmの溶接構造用炭素鋼で作製した高さ150mm長さ約200mmの冷却フィンを、傾斜角が45度となるように円周方向に8箇所、長手方向に各列4個、溶接で固定した。回転体は装入口側が高くなるように回転軸が水平線となす角度αが3度となるように設定した。後室部分回転体と冷却フィンを合わせた重量は、約710kgであった。
このような冷却装置1を、図12に示すような100kg真空高周波誘導溶解炉を備えたSC装置に設置した。
溶解重量を80kgとし、配合組成でネオジウムが31.5wt%、ボロンが1.0wt%、残部が鉄となるように工業用純鉄、金属ネオジウム、フェロボロンを配合し、通常の溶解方法にて、アルゴン0.3気圧の雰囲気中で溶解した。ストリップキャスティング時の鋳造幅は、300mm、水冷ロール周速度は1.0m/sとした。
鋳造開始前に回転体を回転速度30rpmで正回転状態とし、鋳造開始した。ロールからSC材が落ち始めてから、約2分で鋳造が終了し、さらに10分経過後、回転体の回転方向を変えた。
鋳造終了後、1.5時間後に、チャンバーを開けて、SC材の中にシース熱電対の測定端子を差し込み温度を測定した。その結果、最高温度を示す部分でも、120℃以下と十分低く、酸化による変色は全く起こらなかった。
SC材の平均厚さは0.31mmであった。SC材の面に垂直方向の断面を観察できるように樹脂に埋め込み、研磨し、走査電子顕微鏡を用いて、反射電子線像にて組織観察を行った。そのようにして得た組織写真を用いて、断面10カ所、SC材の厚さ方向ほぼ中央部について、線分法でRリッチ相の間隔を測定した。その結果、Rリッチ相の間隔は5.7μmであり、二次のラメラー状のRリッチ相がほとんど消えた、高温域の冷却速度が十分遅い場合の組織を示しており、高磁化型の磁石用原料として最適な組織であると判断された。
(実施例2)
実施例1で用いた冷却装置の回転体の後室に、構造用炭素鋼製の外径、内径、長さがそれぞれ300mm、200mm、600mmのボスに、溶接構造用炭素鋼製の厚さ、幅、長さがそれぞれ20mm、150、600mmの放射状フィン4枚を90度間隔で溶接固定した部品を組み込んだ冷却装置を準備した。後室部分の重量は、回転体本体、冷却フィンも含めた後室部分の重量は約960kgであった。
このような冷却装置を用いて、溶解重量80kgとして、配合組成で、ネオジウムが27.0wt%、ディスプロシウムが5wt%、ボロンが1.0wt%残部が鉄となるように工業用純鉄、金属ネオジウム、金属ディスプロシウム、フェロボロンを配合し、溶解した。その他のストリップキャスティング条件は実施例1に合わせた。
鋳造開始前から回転体を回転速度30rpmで逆回転状態とし、鋳造開始した。
鋳造終了後、1.5時間後チャンバーを開けて、SC材の中にシース熱電対の測定端子を差し込み温度を測定した。その結果、最高温度を示す部分でも、100℃以下と十分低く、酸化による変色は全く起こらなかった。
SC材の平均厚さは0.28mmであった。実施例1と同様にしてSC材の断面の組織観察を行った。その結果、Rリッチ相の間隔は3.3μmであり、二次のRリッチ相が適度に消失した高保磁力型の磁石の製造原料として最適と考えられる合金組織を示していた。
(比較例1)
図13に示すような最大溶解量100kgのSC装置を用いた。SC装置ロールから離脱後のSC材を収納するため、厚さ5mmの構造用圧延鋼材で製作した、内寸法:幅350mm×長さ800mm×高さ620mmの箱形の収納容器63を準備した。鋳造中は搬送ロール64を用いて収納容器を長さ方向に往復運動させ、SC材が容器内に均一に入るようにした。
このような装置を用いて、実施例1と同じ配合組成の合金を溶解量も同じ条件にして溶解鋳造した。
鋳造終了後、24時間経過後、チャンバーを開けて、SC材の中にシース熱電対の測定端子を差し込み温度を測定した。その結果、250℃以上の温度を示す部分が残っており、収納容器からドラム缶に移す際に、SC材が酸化し、かなりの部分が変色してしまった。
SC材の平均厚さは0.30mmであった。実施例1と同様にしてSC材の断面の組織観察を行った。その結果、Rリッチ相の間隔は7.3μmであり、実施例1よりさらに広いRリッチ相の間隔を示していた。組織的には、高磁化型の磁石用原料として利用できる組織であると考えられた。しかしながら、酸化を防ぐには24時間以上チャンバー内に保持する必要があり、生産性が悪く、量産設備として採用はできないと判断された。
(比較例2)
比較例1と同じSC材収納容器に、幅50×長さ780×高さ600mmの矩形の水冷ボックスを3列50mm間隔で幅方向の中央にセットした冷却装置を準備した。
そして、比較例1と同じSC装置を用いて、実施例1と同じ配合組成の合金を溶解鋳造した。溶解重量も実施例1と同じく80kgとした。
鋳造終了後、2時間後にチャンバーを開けて、SC材の中にシース熱電対の測定端子を差し込み温度を測定した。その結果、最高温度を示す部分でも、90℃以下と十分低く、酸化による変色は全く起こらなかった。
SC材の平均厚さは0.31mmであった。実施例1と同様にしてSC材の断面の組織観察を行った。その結果、Rリッチ相の間隔は3μm以上の部分も認められたが、3μm未満の部分も多く認められ、概してRリッチ相の間隔は狭く、かつバラツキも大きく、高性能ネオジウム系磁石用の原料合金としては適さない組織を示していた。
(実施例3)
図11に示すような水冷構造の冷却装置7を作製した。回転体の外径、内径および長さはそれぞれ7600mm、720mm、1400mmとし、その外側全体を外径、内径および長さがそれぞれ836mm、820mm、1400mmの外筒で覆い、ロータリジョイントを用いて冷却水を流せるようにした。回転体と外筒を構成する材料は全て溶接構造用炭素鋼を用いた。
内部を長手方向に2分割し、前室部分は厚さ4mmのSUS304製の内筒を装入し、内筒の内面は実施例と同様にSUS304製の薄板を6分割して覆い、さらに実施例1と全く同様に傾斜フィンを取り付けた。
回転体の後室部分は、実施例2と同様な放射状フィンとボスを組込、ボスの内面にはロータリージョイントから分岐した配管を用いて冷却水を流せるようにした。
さらに、回転体の傾斜角は図6に示す機構を用いて、−5度〜+10度の範囲で変更できるようにした。
鋳造開始前に冷却水を100L/分の流量で流し始め、回転体を回転速度30rpmで正回転状態とし、回転体の設定角度αを−3度にして鋳造開始した。ロールからSC材が落ち始めてから、1分後に角度αを0度に変更、約2分で鋳造が終了し、さらに10分経過後、回転体の回転方向を変えると同時に角度αを+5度に変更した。
鋳造終了後、1.5時間後に、チャンバーを開けて、SC材の中にシース熱電対の測定端子を差し込み温度を測定した。その結果、最高温度を示す部分でも、100℃以下と十分低く、酸化による変色は全く起こらなかった。
SC材の平均厚さは0.31mmであった。実施例1と同様にしてSC材の断面の組織観察を行った。その結果、Rリッチ相の間隔は5.7μmであり、二次のラメラー状のRリッチ相がほとんど消えた、高温域の冷却速度が十分遅い場合の組織を示しており、高磁化型の磁石用原料として最適な組織であると判断された。
(実施例4)
実施例3で用いた冷却装置を組み込んだSC装置を用いた。
このようなSC装置を用いて、実施例2と同じ配合組成の合金を溶解量も同じ条件にして溶解鋳造した。
鋳造開始前に冷却水を100L/分の流量で流し始め、回転体を回転速度30rpmで逆回転状態とし、回転体の設定角度αを+5度にして鋳造開始した。ロールからSC材が落ち始めてから、約2分で鋳造が終了した。
鋳造終了後、1.5時間後に、チャンバーを開けて、SC材の中にシース熱電対の測定端子を差し込み温度を測定した。その結果、最高温度を示す部分でも、100℃以下と十分低く、酸化による変色は全く起こらなかった。
SC材の平均厚さは0.29mmであった。実施例1と同様にしてSC材の断面の組織観察を行った。その結果、Rリッチ相の間隔は3.5μmであり、高保磁力型の磁石の製造原料として最適と考えられる合金組織を示していた。
本発明の冷却装置と方法を用いればネオジウム系磁石用合金のSC法において、SC材がロールから離脱した直後の高温域の冷却速度を遅くすることができ、合金組織特に磁石特性に影響するNdリッチ相の分布状態を幅広く制御できる。そのため、高性能のネオジウム系磁石に適した合金の製造が可能となる。かつ、低温域の冷却速度を速めることができるため、冷却時間を短縮した生産性の良好な装置、方法とすることができ、産業上の利用可能性は高い。
第1の実施形態に係わる冷却装置の外観の斜視図 第1の実施形態に係わる冷却装置の断面図 図2のAA’断面を示す図 第2の実施形態に係わる冷却装置の断面図 図3のAA’断面を示す図 第3の実施形態に係わる冷却装置の外観側面図 第4の実施形態に係わる冷却装置の前室部分の断面図 第5の実施形態に係わる冷却装置の断面図 第5の実施形態に係わる冷却装置の前室から後室へSC材を移送する別の方式を説明する図 第6の実施形態に係わる冷却装置の部分断面図 第7の実施形態に係わる冷却装置の部分断面図 本発明の冷却装置を用いたSC装置を説明する模式図 比較例1および比較例2で用いたSC装置を説明する模式図
符号の説明
1、2、3、4、5、6、7 冷却装置
9 SC材
10 駆動機構
11 駆動回転装置
12 駆動回転軸
13 非駆動回転軸
14 駆動車輪
15 非駆動車輪
16、17 軸受
19 角度変更用回転支軸
20 回転体
21 内筒
22 リング状タイヤ
23 前室
24 後室
25 装入口
26 薄板
26a 接合点
26b 隙間
27 蓋
28 製品排出口
29 傾斜フィン
30 冷却フィン
31 冷却羽根
32 ボス
33 油圧リフト
41 ルーバー
42 開口部
43 隔壁
44 隔壁窓
44a 隔壁窓カバー
45 樋
46 掻込口
47、48 カバー
49 ノズル
50 後室装入口
51 外筒
52 ロータリジョイント
53 破砕機
54 シュート
55 ゲートバルブ
56 隙間
60 溶解室
61 ルツボ
62 溶湯樋
70 鋳造室
71 タンディッシュ
72 水冷ロール
73 SC材収納容器
74 搬送ロール
75 冷却室

Claims (13)

  1. 正逆回転可能な駆動機構を備えた円筒状の回転体からなるネオジウム鉄ボロン系焼結磁石用合金のストリップキャスティング法における鋳造薄片の冷却装置であり、
    a.該回転体は前室と後室の2部屋に分けられており、
    b.前記前室は鋳造薄片に接する内面が金属製の薄板で覆われており、
    c.かつ該薄板と回転体との間に隙間が保たれており、
    d.さらに該前室の端面には鋳造薄片の装入口を有し、
    e.かつ回転体の後室側の端面には蓋が取り付けられた鋳造薄片の排出口が備えてあり、
    f.さらに前室の内面には、回転体が正回転している時には鋳造薄片を装入口側に移送し、逆回転時には鋳造薄片を反対方向の後室側の排出口側方向に移送するように作用する傾斜フィンが取り付けられており、
    g.後室の回転体内壁には冷却フィンが取り付けられていることを特徴とする鋳造薄片の冷却装置。
  2. 前記後室に2枚以上の冷却羽根を放射状に配置したボスが、その中心軸が回転体の中心軸に一致するように取り付けてある請求項1に記載の鋳造薄片の冷却装置。
  3. 前記回転体の中心軸と水平面との成す角度αを鋳造中も含めて−5〜10度の範囲内で変えることができるように構成したことを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の請鋳造薄片の冷却装置。
  4. 前記前室に、鋳造薄片に接する内面が金属製の薄板で覆われた内筒で構成され、かつ薄板と内筒との間に隙間が保たれており、該内筒が回転体の中に組み込まれた構成としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鋳造薄片の冷却装置。
  5. 前記薄板の厚さが1〜4mmであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の鋳造薄片の冷却装置。
  6. 80%以上の面積において前記薄板と回転体との間にあるいは内筒との間に隙間を保つようにしたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の鋳造薄片の冷却装置。
  7. 前室と後室の境界に、回転体を正回転しているときには鋳造薄片を前室に押しとどめ逆回転させた時には切り込むようにして後室に移送するように作用するルーバーで覆った一個以上の開口部を有した隔壁を具備したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の鋳造薄片の冷却装置。
  8. 装入口側と反対側の前室の端部に、回転体を正回転しているときには鋳造薄片を前室に押しとどめ逆回転させた時には切り込むようにして後室に移送するように作用するルーバーで覆った排出口を有したカバーを具備し、該排出口からは排出ノズルが伸びており、かつ後室にはノズルの位置に合わせ装入口を開けたカバーを設け、回転体の逆転時に前室の排出ノズルを通して移送される鋳造薄片が該後室の装入口を通って後室に落ち込むようにすることにより、前室と後室を分離できる構造にしたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の鋳造薄片の冷却装置。
  9. 前記回転体の後室部分と冷却フィンの合計重量もしくは前記回転体の後室部分と冷却フィンと冷却羽根及びボスの合計重量を鋳造薄片の重量の5倍以上としたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の鋳造薄片の冷却装置。
  10. 回転体の後室側の外側あるいは回転体の全体の外側またはボスの内側も含めた回転体の全体の外側を水冷構造としたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の鋳造薄片の冷却装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の鋳造薄片の冷却装置を具備したことを特徴とするネオジウム鉄ボロン系焼結磁石用合金のストリップキャスティング装置。
  12. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の鋳造薄片の冷却装置を用いて、回転体を正回転させて鋳造を開始し、水冷ロールから落下する鋳造薄片を破砕機を用いて破砕し、破砕された鋳造薄片を回転体の装入口より回転体の前室に受入れ、鋳造開始後1分以上経過後かつ鋳造終了後1時間以内で回転体の回転を停止し逆回転に切り替えることにより、鋳造薄片を後室に移送し、冷却することを特徴とするネオジウム鉄ボロン系焼結磁石用合金のストリップキャスティング方法。
  13. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の鋳造薄片の冷却装置を用いて回転体を逆回転させて鋳造を開始し、水冷ロールから落下する鋳造薄片を破砕機を用いて破砕し、破砕された鋳造薄片を回転体の装入口より回転体の前室に受入れ、さらに、順次鋳造薄片を後室に移送し、冷却することを特徴とするネオジウム鉄ボロン系焼結磁石用合金のストリップキャスティング方法。
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