JP2015166493A - 合金片製造装置およびそれを用いた希土類系磁石原料用合金片の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合金片の結晶組織を所望の状態に制御する結晶制御手段2と、結晶制御手段2から排出された合金片を冷却する冷却手段3と、これらを減圧または不活性ガス雰囲気に維持するチャンバーとを備えた合金片製造装置1であって、結晶制御手段2が、円筒形であって供給される合金片を加熱する回転式加熱用ドラム21と、加熱用ドラム21の内壁側に供給された合金片を貯留するか、または排出するかを切り換える切換手段23とを有することにより、インゴットを破砕した直後の合金片に長時間にわたる熱処理を均一に施すことができる。加熱用ドラム21は、その回転に伴って内壁側に供給された合金片を掻き上げる掻き上げ羽根板22を有する。
【選択図】図1
Description
(a)ストリップキャスト法等により、R−T−B系合金溶湯から厚さ0.01〜2mmである薄帯状のインゴットを鋳造する。
(b)鋳造された薄帯状のインゴットを破砕して合金片とする。
(c)この合金片を冷却する。
ここで、R−T−B系合金の酸化を防止するため、上記(a)〜(c)の手順は、通常、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行われる。
(A)ルツボに原料を装入して加熱することにより融解してR−T−B系合金溶湯とする。
(B)この溶湯を、タンディッシュを介して内部に冷媒が流通する構造を有する銅製ロール上に流す。
(C)銅製ロール上に流された溶湯が急冷されて凝固し、薄帯状のインゴットが鋳造される。
図1は、本発明の合金片製造装置の構成例を説明する模式図である。同図に示す合金片製造装置1は、供給される合金片の合金結晶組織を所望の状態に制御する結晶制御手段2と、結晶制御手段2から排出された合金片を冷却する冷却手段3と、結晶制御手段2および冷却手段3を収容し、減圧または不活性ガス雰囲気に維持するチャンバー4とを備える。結晶制御手段2および冷却手段3はベッド5に回転可能に支持されている。チャンバー4は合金片を供給および排出するために供給口4aおよび排出口4bを有する。
本発明の希土類系磁石原料用合金片の製造方法は、減圧下または不活性ガス雰囲気下で、ストリップキャスト法によりR−T−B系合金溶湯からインゴットを鋳造し、当該インゴットを破砕した合金片を所定温度に加熱して所定時間保持した後で冷却して希土類系磁石原料用合金片を製造する方法であって、合金片を所定温度に加熱して所定時間保持した後で冷却する際、合金片を800℃以上1100℃未満に加熱して20分間以上保持、または、1100℃以上に加熱して8分間以上保持した後で冷却することを特徴とする。
本試験では、前述したストリップキャスト法によるインゴットの鋳造手順により、1600℃に加熱されたR−T−B系合金溶湯から薄帯状のインゴットを鋳造し、当該インゴットを破砕して合金片とした。鋳造した薄帯状のインゴットは、幅250mm、厚さ0.3mmであり、鋳造条件は、注湯量35kg/分、水冷ロール周速度70m/分であった。R−T−B系合金溶湯は、金属ネオジウム、電解鉄およびフェロボロンを配合し、その代表組成はFe:65.5質量%、Nd:20.9質量%およびB:0.96質量%であった。
各条件により熱処理が施された合金片について主相粒径を測定した。主相粒径の測定は、以下の手順により行った。
(1)得られた合金片を5個採取し、厚さ方向の断面が観察できるように樹脂に埋め込んで研磨した後、走査型電子顕微鏡で合金片について、反射電子像を150倍で撮影した。
(2)撮影した反射電子像写真を画像解析装置に取り込み、輝度を基準にR−リッチ相と主相の2値化処理を行った。
(3)合金片の厚さ方向の中央位置で急冷ロールと接触した面と平行な直線を引き、直線上で主相の幅(隣接するR−リッチ相同士の間隔)を各合金片でそれぞれ10点測定し、その平均値を算出する。
表1に、実施例1〜3の各条件における鋳造されたインゴットを破砕して合金片とした直後に施した処理、本発明の合金片製造装置により施した熱処理条件および測定された主相粒径をそれぞれ示す。
21a:ヒーター、 22:掻き上げ羽根板、 23:スクリュー、
3:冷却手段、 31:回転式冷却用ドラム、 31a:ドラム側冷却フィン、
31b:冷却用シャフト、 31c:シャフト側冷却フィン、 32:冷却体、
32a:冷却室、 33:スペーサー、 4:チャンバー、
4a:合金片供給口、 4b:合金片排出口、 5:ベッド、 6:入側ガイド、
7:中間ガイド、 8:出側ガイド、 9:ホッパー
Claims (8)
- 供給される合金片の合金結晶組織を所望の状態に制御する結晶制御手段と、前記結晶制御手段から排出された合金片を冷却する冷却手段と、これらを減圧または不活性ガス雰囲気に維持するチャンバーとを備えた合金片製造装置であって、
前記結晶制御手段が、円筒形であって供給される合金片を加熱する回転式加熱用ドラムと、前記加熱用ドラムの内壁側に供給された合金片を貯留するか、または排出するかを切り換える切換手段とを有し、
前記加熱用ドラムが、その回転に伴って内壁側に供給された合金片を掻き上げる掻き上げ羽根板を少なくとも1つ以上有し、
前記掻き上げ羽根板が、前記加熱用ドラムの内壁に設けられ、前記加熱用ドラムの回転に伴って前記合金片を持ち上げて落下させることを特徴とする合金片製造装置。 - 前記切換手段が、一方向に回転させた場合に合金片を貯留し、かつ、前記一方向と逆方向である他方向に回転させた場合に合金片を排出するスクリューであることを特徴とする請求項1に記載の合金片製造装置。
- 前記切換手段が、前記加熱用ドラムの排出側に設けられた開閉機構を有する蓋であることを特徴とする請求項1に記載の合金片製造装置。
- 前記冷却手段が、円筒形であって回転式である冷却用ドラムを有し、当該冷却用ドラムが内部に冷媒が流通する構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合金片製造装置。
- 前記冷却用ドラムが、供給された合金片を冷却するフィンを内壁に有するとともに、回転軸の位置に内部に冷媒が流通する構造である冷却用シャフトが設けられ、さらに前記冷却用シャフトの外壁に供給された合金片を冷却するフィンを有することを特徴とする請求項4に記載の合金片製造装置。
- 減圧下または不活性ガス雰囲気下で、ストリップキャスト法によりR−T−B系合金溶湯からインゴットを鋳造し、当該インゴットを破砕した合金片を、常温まで冷却することなく、所定温度に加熱して所定時間保持した後で冷却して希土類系磁石原料用合金片を製造する方法であって、
前記合金片を、常温まで冷却することなく、所定温度に加熱して所定時間保持した後で冷却する際、合金片を800℃以上1100℃未満に加熱して20分間以上保持、または、1100℃以上に加熱して8分間以上保持した後で冷却することを特徴とする希土類系磁石原料用合金片の製造方法。 - 減圧下または不活性ガス雰囲気下で、ストリップキャスト法によりR−T−B系合金溶湯からインゴットを鋳造し、当該インゴットを破砕した合金片を、常温まで冷却することなく、所定温度に加熱して所定時間保持した後で冷却して希土類系磁石原料用合金片を製造する方法であって、前記合金片を、常温まで冷却することなく、所定温度に加熱して所定時間保持した後で冷却する際、請求項1〜5のいずれかに記載の合金片製造装置を用いることを特徴とする希土類系磁石原料用合金片の製造方法。
- 前記合金片を800℃以上1100℃未満に加熱して20分間以上保持、または、1100℃以上に加熱して8分間以上保持した後で冷却する際に、請求項1〜5のいずれかに記載の合金片製造装置を用いることを特徴とする請求項6に記載の希土類系磁石原料用合金片の製造方法。
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