JP4696332B2 - 半導体レーザ発光装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ発光装置の製造方法に関し、詳しくは異なる波長のレーザ光を発振する第1の半導体レーザ発光素子と第2の半導体レーザ発光素子とを形成する半導体レーザ発光装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の2波長(発振波長が650nmと780nm)のレーザ光を発振する半導体レーザ発光装置の製造方法の一例を、特にレーザ発振に係わる結晶成長層の製造方法を以下に説明する。
【0003】
有機金属気相エピタキシャル成長〔MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxial growth )〕法によって、GaAsからなるn型基板上に、例えばGaAsからなるn型バッファ層、AlGaAsからなるn型クラッド層、発振波長が780nmとなる多重量子井戸構造の活性層、AlGaAsからなるp型クラッド層、GaAsからなるp型キャップ層を順に積層する。
【0004】
次に、レジスト塗布、リソグラフィー技術によるエッチングマスクの形成を行った後、ウエットエッチングによって、上記積層膜をパターニングし、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域上に上記n型クラッド層からp型キャップ層までを堆積してなる第1の積層体を形成する。
【0005】
次いで、MOVPE法によって、上記GaAsからなるn型バッファ層上に上記第1の積層体を覆うように、InGaPからなるn型バッファ層、AlGaInPからなるn型クラッド層、発振波長が650nmとなる多重量子井戸構造の活性層、AlGaInPからなるp型クラッド層、GaAsからなるp型キャップ層を順に積層する。
【0006】
次に、レジスト塗布、リソグラフィー技術によるエッチングマスクの形成を行った後、ウエットエッチングによって、上記InGaPのn型バッファ層からGaAsのp型キャップ層までの積層膜をパターニングし、第2の半導体レーザ発光素子の形成領域上に上記AlGaInPのn型クラッド層からAlGaInPのp型キャップ層までを堆積してなる第2の積層体を形成する。その結果、第1の積層体と第2の積層体とに分離形成される。
【0007】
次に、第1、第2の積層体上層に、電流注入領域を形成するための電流狭窄領域を形成し、ゲインガイド型の電流狭窄構造となるストライプ構造を形成する。
【0008】
その後、上記第1、第2の積層体に形成されている各p型キャップ層に接続するp型電極を形成するとともに、n型基板に接続するn型電極を形成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第2の積層体を形成する際に、図6の(1)に示すように、AlGaAs系半導体材料からなる第1の積層体211のレーザ光が発振される方向に沿った側面211Sに{111}A面が存在する場合、図6の(2)に示すように、{111}A面となっている第1の積層体211の側面211Sにおいて、AlGaInP系半導体材料の第2の積層体221が良好に成長せず、第2の積層体221は異常成長を起こして、ヒロックが発生するという問題が生じていた。これは、異常成長によって、異常成長領域付近の成長速度が異なることによって、均一な膜厚が得られず、レーザ特性に影響を与えることになる。
【0010】
特に2波長レーザ発光装置においては、半導体レーザ発光素子間隔を狭くすることが要求されている。ところが、第1、第2の積層体間において異常成長が起こるとその異常成長した部分を除去する必要があるために半導体レーザ発光素子間隔を広げて設計する必要が生じる。このことは、2波長のレーザ光を発振する半導体レーザ発光装置の製造上、好ましいことではない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた半導体レーザ発光装置の製造方法である。
【0012】
本発明の半導体レーザ発光装置の製造方法は、基板に、異なる波長のレーザ光を発振する第1の半導体レーザ発光素子と第2の半導体レーザ発光素子とを形成する半導体レーザ発光装置の製造方法であって、基板上に前記第1の半導体レーザ発光素子を構成する化合物半導体層を積層して第1の積層体を形成する工程と、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域に前記第1の積層体を残して、その他の領域に形成されている前記第1の積層体を除去する工程と、前記基板上に前記第2の半導体レーザ発光素子を構成する化合物半導体層を積層して第2の積層体を形成する工程と、第2の半導体レーザ発光素子の形成領域に前記第2の積層体を残して、その他の領域に形成されている前記第2の積層体を除去する工程と、前記第1の積層体と前記第2の積層体とに電流注入領域を形成するための電流狭窄領域を形成する工程とを備えた半導体レーザ発光装置の製造方法において、前記第1の半導体レーザ発光素子の形成領域に前記第1の積層体を残す工程を行った後でかつ前記第2の積層体を形成する前に、残した前記第1の積層体のレーザ光発振方向に沿った側面を{111}A面より緩やかな傾斜面に形成する工程を備えている製造方法である。
【0013】
上記半導体レーザ発光装置の製造方法では、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域に前記第1の積層体を残す工程を行った後でかつ前記第2の積層体を形成する前に、残した前記第1の積層体のレーザ光発振方向に沿った側面を{111}A面より緩やかな傾斜面に形成する工程を備えていることから、第1の積層体の側面は4元系化合物半導体が異常成長を起こしやすい{111}A面にならないため、エピタキシャル成長によって第1の積層体上に4元系化合物半導体を堆積しても、4元系化合物半導体は異常成長を起こすことなく堆積される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体レーザ発光装置の製造方法に係る第1の実施の形態を、図1および図2の製造工程断面図によって説明する。
【0015】
図1の(1)に示すように、有機金属気相エピタキシャル成長〔MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxial growth )〕法に代表されるエピタキシャル成長法によって、n型基板10上に、n型バッファ層11、第1導電型(ここではn型とする)クラッド層12、発振波長が780nmの多重量子井戸構造の活性層13、第2導電型(ここではp型とする)クラッド層14、p型キャップ層15を順に積層する。上記n型基板10は例えばn型GaAs基板を用い、上記n型バッファ層11は例えばn型GaAs層で形成し、上記n型クラッド層12は例えばn型AlGaAs層で形成し、上記p型クラッド層14は例えばp型AlGaAs層で形成し、p型キャップ層15は例えばp型GaAs層で形成する。なお、活性層13と各クラッド層12,14との間にガイド層を設けてもよい。
【0016】
次に、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域2上を覆うレジスト膜(図示せず)を形成し、そのレジスト膜をマスクに用いた硫酸系の無選択エッチングおよびフッ酸(HF)系のAlGaAs選択エッチングなどのウエットエッチングによって、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域2を除く部分の上記p型キャップ層15から上記n型クラッド層12までを除去する。その結果、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域2上に、n型バッファ層11、n型クラッド層12、活性層13、p型クラッド層14、p型キャップ層15を順に積層した第1の積層体16が残される。
【0017】
次に、図1の(2)に示すように、レジスト塗布およびリソグラフィー技術によって、残した前記第1の積層体16のレーザ光発振方向となる方向に沿った側面16S上を開口するマスク31を形成する。
【0018】
次に、図1の(3)に示すように、上記マスク31を用いたエッチングによって、残した前記第1の積層体16のレーザ光発振方向となる方向に沿った側面16Sを{111}A面より緩やかな傾斜面に形成する。すなわち、n型基板10の表面に対して54.7°未満の傾斜角となるように側面16Sをエッチングする。このエッチングでは、例えば硫酸系のウエットエッチングを用いる。詳しくは、一例として、H2 SO4 とH2 O2とH2 Oとを3:2:1の割合で混合したエッチング液を用い、エッチング時間を例えば10秒に設定して、上記エッチングを行った。
【0019】
次いで、図1の(4)に示すように、例えばMOVPE法などのエピタキシャル成長法によって、例えばn型バッファ層11上に、n型バッファ層21、第1導電型(n型)クラッド層22、発振波長が650nmの多重量子井戸構造の活性層23、第2導電型(p型)クラッド層24、p型キャップ層25を順に積層する。上記n型バッファ層21は例えばn型InGaP層で形成し、上記n型クラッド層22は例えばn型AlGaInP層で形成し、上記p型クラッド層24は例えばp型AlGaInP層で形成し、p型バッファ層25は例えばp型GaAs層で形成する。
【0020】
次に、図2の(5)に示すように、第2の半導体レーザ発光素子の形成領域4上を覆うレジスト膜(図示せず)を形成する。そのレジスト膜をマスクに用いた硫酸系のキャップ層エッチングおよびリン酸塩酸系の4元系化合物半導体の選択エッチング、塩酸系の分離エッチングなどのウエットエッチングによって、第2の半導体レーザ発光素子の形成領域4を除く部分の上記p型キャップ層25から上記n型クラッド層22までを除去して、第2の半導体レーザ発光素子の形成領域4上に、n型バッファ層21、n型クラッド層22、活性層23、p型クラッド層24、p型キャップ層25を順に積層した第2の積層体26を残す。したがって、第1の積層体16と第2の積層体26とに分離される。
【0021】
次に、図2の(6)に示すように、第1、第2の積層体16、26上に、電流注入領域17,27となる部分を覆うマスク(図示せず)を形成した後、そのマスクに用いたエッチングによって、p型キャップ層15、25の表面からp型クラッド層14、24の途中の深さまで不純物を導入して電流狭窄領域18、28を形成し、ゲインガイド型の電流狭窄構造となるストライプ構造を形成する。
【0022】
その後、上記マスクを除去する。次いで、図2の(7)に示すように、上記p型キャップ層14、24に接続するp型電極19、29をTi/Pt/Auの積層体で形成するとともに、n型基板10に接続するn型電極51を例えばAuGe/Ni/Auの積層体で形成する。
【0023】
上記説明したようにして、第1の積層体16を主要構成とした第1の半導体レーザ発光素子3と、第2の積層体26を主要構成とした第2の半導体レーザ発光素子5とを同一チップに搭載した半導体レーザ発光装置1が完成する。
【0024】
上記半導体レーザ発光装置1の製造方法では、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域2に前記第1の積層体16を残す工程を行った後でかつ第2の積層体26を形成する前に、残した前記第1の積層体16のレーザ光発振方向となる方向に沿った側面16Sをn型基板10の表面に対して{111}A面より緩やかな傾斜面に形成する工程を備えていることから、第1の積層体16の側面16Sは4元系化合物半導体が異常成長を起こしやすい{111}A面にならないため、エピタキシャル成長によって第1の積層体16上に4元系化合物半導体であるn型クラッド層22、活性層23、p型クラッド層24、p型キャップ層25等を堆積しても、4元系化合物半導体は異常成長を起こすことなく堆積される。
【0025】
上記製造方法によって形成された上記半導体レーザ発光装置1における第1の半導体レーザ発光素子3は、それを構成する第1の積層体16の側面が基板表面に対して{111}A面より緩やかな傾斜を有する面になっている。それによって、第2の半導体レーザ発光素子5を構成する第2の積層体26は、正常なエピタキシャル成長層によって構成されたものとなっている。そして、この半導体レーザ発光装置1は、第1の半導体レーザ発光素子3のレーザ光射出部と、第2の半導体レーザ発光素子5のレーザ光射出部との間隔が例えば100μm〜200μm程度の範囲に設定されている。各レーザ光射出部からは、例えば780nm帯の波長のレーザ光L1および650nm帯の波長のレーザ光L2とがn型基板10表面と平行であってほぼ同一方向(ほぼ平行)に射出される。
【0026】
また、上記構造の半導体レーザ発光装置1は、コンパクトディスク(CD)、デジタルヴァーサタイルディスク(DVD)などの波長の異なる光ディスクシステムの光学系ピックアップ装置などを構成するのに好適な、発光波長が異なる2種類の半導体レーザ発光素子を1チップ上に搭載する、モノリシック半導体レーザ発光装置になる。
【0027】
図3に示すように、上記半導体レーザ発光装置(モノリシック半導体レーザ発光装置)1は、p型電極19、29側から半導体ブロック61上に形成された電極62、63に、はんだなどを用いて接続、固定されて使用される。この場合、例えば第1の半導体レーザ発光素子3のp型電極19を接続させる電極62にはリード64により、例えば第2の半導体レーザ発光素子5のp型電極28を接続させる電極63にはリード65により、また、第1、第2の半導体レーザ発光素子3、5に共通のn型電極51にはリード66により、それぞれ電圧が印加される。
【0028】
上記半導体レーザ発光装置を用いて、CD、DVDなどの波長の異なる光学記録媒体に対して光照射によって記録、再生を行う光学ピックアップ装置に好適なレーザカプラを構成することも可能であり、その構成例の一例を図4によって説明する。
【0029】
図4の(1)に示すように、レーザカプラ7は、第1のパッケージ部材71の凹部72に装填され、ガラス等の透明な第2のパッケージ部材73によって封止されている。その要部を図4の(2)の概略構成斜視図によって説明する。
【0030】
図4の(2)に示すように、例えば、シリコンの単結晶を切り出して形成した基板である集積回路基板81上に、モニター用の光検出素子としてPINダイオード82が形成された半導体ブロック83が配置され、さらにこの半導体ブロック83上に、発光素子として第1の半導体レーザ発光素子3および第2の半導体レーザ発光素子5を1チップに搭載した半導体レーザ発光装置(モノリシック半導体レーザ発光装置)1が配置されている。
【0031】
また、集積回路基板81には、例えば第1のフォトダイオード(86、87)および第2のフォトダイオード(88,89)が形成されており、この第1、第2のフォトダイオード86〜89上に、第1、第2の半導体レーザ発光素子3、5と所定間隔をおいて、プリズム90が搭載されている。
【0032】
上記レーザカプラ7では、第1の半導体レーザ発光素子3から射出されたレーザ光L1は、プリズム90の分光面90Sで一部反射して進行方向を屈曲し、第2のパッケージ部材73に形成された射出窓から射出方向に射出し、図示をしていない反射鏡や対物レンズ等を介して光ディスク(CD)などの被照射対象物に照射される。
【0033】
上記被照射対象物からの反射光は、被照射対象物への入射方向と反対方向に進み、レーザカプラ7からの射出方向からプリズム90の分光面90Sに入射する。このプリズム90の上面で焦点を結びながら、プリズム90の下面となる集積回路基板81に形成された前部第1のフォトダイオード86および後部第2のフォトダイオード87に入射する。
【0034】
一方、第2の半導体レーザ発光素子5から射出されたレーザ光L2は、上記第1の半導体レーザ発光素子3から射出されたレーザ光L1と同様に、プリズム90の分光面90Sで一部反射して進行方向を屈曲し、第2のパッケージ部材73に形成された射出窓から射出方向に射出し、図示をしていない反射鏡や対物レンズ等を介して光ディスク(DVD)などの被照射対象物に照射される。
【0035】
上記被照射対象物からの反射光は、被照射対象物への入射方向と反対方向に進み、レーザカプラ7からの射出方向からプリズム90の分光面90Sに入射する。このプリズム90の上面で焦点を結びながら、プリズム90の下面となる集積回路基板81に形成された前部第2のフォトダイオード88および後部第2のフォトダイオード89に入射する。
【0036】
また、半導体ブロック83上に形成されたPINダイオード82は、例えば二つに分割された領域を有し、第1および第2の半導体レーザ発光素子3、5それぞれについて、リア側に射出されてレーザ光を感知し、レーザ光の強度を測定して、レーザ光の強度が一定となるように第1、第2の半導体レーザ発光素子3、5の駆動電流を制御するAPC制御が行なわれる。
【0037】
よって、本発明の製造方法によって製造された半導体レーザ発光装置1を用いることによって、CD、DVDなどの波長の異なる光学記録媒体に対して光照射によって記録、再生を行う光学ピックアップ装置において信号の検出を安定的して行うことが可能となり、記録、再生の信頼性の向上が図れる。
【0038】
次に、上記説明した本発明の半導体レーザ発光装置の製造方法を応用して、窓構造の半導体レーザ発光装置を形成する一例を、第2の実施の形態として、図5によって説明する。
【0039】
先ず、図5の(1)に示すように、前記図1の(1)によって説明したプロセスを行って、n型基板10上にバッファ層(図示せず)を介して第1の積層体16を形成する。この第1の積層体16の側面16Sは、{111}A面となっている。
【0040】
次いで、図5の(2)に示すように、前記図1の(2)によって説明したプロセスと同様に、n型基板10上に第1の積層体16を被覆するマスク31を形成する。その際、前記第1の実施の形態とは異なって、マスク31には、上記第1の積層体16の側面16S上の一部に開口部31Wを形成する。
【0041】
そして上記マスク31を用いたウエットエッチングによって、開口部31Wに露出した側面16Sをエッチングして、その側面16Sを基板表面に対して{111}A面よりも緩やかな傾斜面に形成する。その結果、開口部31Wより臨む領域の側面16S(16SA)は基板表面に対して{111}A面よりも緩やかな傾斜面になり、マスク31に被覆されていた部分の側面16S(16SB)は{111}A面となる。
【0042】
その後、マスク31を除去した後、図5の(3)に示すように、前記図1の(4)によって説明したのと同様に、MOVPE法によって、n型基板10上にバッファ層(図示せず)を介して第1の積層体16を被覆するようにAlGaInP系化合物半導体層を積層して第2の積層体26を形成する。その際、基板表面に対して{111}A面よりも緩やかな傾斜面に形成された側面16SA上では正常にAlGaInP系化合物半導体層がエピタキシャル成長し、{111}A面となっている側面16SBではAlGaInP系化合物半導体層が異常成長を起こす。このように異常成長があると異常成長領域に成膜原料が消費されるため、成長速度が低下する。それによって、異常成長領域では膜厚が薄くなる。そして、上記積層したAlGaInP系化合物半導体層からなる第2の積層体26に形成される活性層に量子井戸を形成すれば、異常成長長部分で量子準位が高くなるため、窓構造を有する半導体レーザ発光素子を形成することが可能になる。
【0043】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の半導体レーザ発光装置の製造方法によれば、第1の半導体レーザ発光素子の形成領域に前記第1の積層体を残す工程を行った後でかつ第2の積層体を形成する前に、残した第1の積層体のレーザ光発振方向に沿った側面を{111}A面より緩やかな傾斜面に形成する工程を備えているので、第1の積層体の側面は4元系化合物半導体が異常成長を起こしやすい{111}A面にならないため、エピタキシャル成長によって第1の積層体上に4元系化合物半導体を堆積しても、4元系化合物半導体は異常成長を起こすことなく均一な膜厚に堆積することができる。よって、レーザ特性の向上が図れる。特に2波長レーザ発光装置においては、異常成長部分を除去するために半導体レーザ発光素子間隔を広くする必要がなくなるので、高集積化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザ発光装置の製造方法に係る第1の実施の形態を示す製造工程断面図である。
【図2】本発明の半導体レーザ発光装置の製造方法に係る第1の実施の形態を示す製造工程断面図である。
【図3】本発明の半導体レーザ発光装置の使用例を示す概略構成断面図である。
【図4】本発明の半導体レーザ発光装置をレーザカプラに搭載した一例を示す概略構成斜視図である。
【図5】本発明の半導体レーザ発光装置の製造方法に係る第2の実施の形態を示す製造工程平面図である。
【図6】従来の4元系化合物半導体の結晶成長に係わる課題を説明する概略構成断面図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザ発光装置、3…第1の半導体レーザ発光素子、5…第2の半導体レーザ発光素子、10…基板、11…第1の半導体レーザ発光素子の形成領域、16…第1の積層体、16S…側面、21…第2の半導体レーザ発光素子の形成領域、26…第2の積層体、17,27…電流注入領域、18,28…電流狭窄領域
Claims (1)
- 基板に、異なる波長のレーザ光を発振する第1の半導体レーザ発光素子と第2の半導体レーザ発光素子とを形成する半導体レーザ発光装置の製造に当たって、
前記基板の表面上にエピタキシャル成長法によって前記第1の半導体レーザ発光素子を構成するAlGaAs系化合物半導体層を積層して第1の積層体を形成する工程と、
第1の半導体レーザ発光素子の形成領域に前記第1の積層体を残して、その他の領域に形成されている前記第1の積層体を除去する工程と、
前記基板の表面上にエピタキシャル成長法によって前記第2の半導体レーザ発光素子を構成するAlGaInP系化合物半導体層を積層して第2の積層体を形成する工程と、
第2の半導体レーザ発光素子の形成領域に前記第2の積層体を残して、その他の領域に形成されている前記第2の積層体を除去する工程と、
前記第1の積層体と前記第2の積層体とに電流注入領域を形成するための電流狭窄領域を形成する工程と
を備えた半導体レーザ発光装置の製造方法において、
前記第1の半導体レーザ発光素子の形成領域に前記第1の積層体を残す工程を行った後でかつ前記第2の積層体を形成する前に、
残した前記第1の積層体のレーザ光発振方向に沿った側面を、前記基板の{100}面である表面に対して{111}A面より緩やかな傾斜面にする
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