JP2001244573A - 半導体発光装置の製造方法 - Google Patents

半導体発光装置の製造方法

Info

Publication number
JP2001244573A
JP2001244573A JP2000102865A JP2000102865A JP2001244573A JP 2001244573 A JP2001244573 A JP 2001244573A JP 2000102865 A JP2000102865 A JP 2000102865A JP 2000102865 A JP2000102865 A JP 2000102865A JP 2001244573 A JP2001244573 A JP 2001244573A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light emitting
semiconductor light
layer
laser diode
stacked body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000102865A
Other languages
English (en)
Inventor
Jugo Otomo
重吾 御友
Nobumasa Okano
展賢 岡野
Hironobu Narui
啓修 成井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2000102865A priority Critical patent/JP2001244573A/ja
Publication of JP2001244573A publication Critical patent/JP2001244573A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Head (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高い信頼性を有する、複数個の半導体発光素子
を有する半導体発光装置の製造方法を提供する。 【解決手段】基板30上に、第1半導体発光素子形成領
域を開口し、第2半導体発光素子形成領域を保護するマ
スク層MSを形成し、マスク層をマスクとするエピタキ
シャル成長法により第1半導体発光素子形成領域におい
て選択的に少なくとも第1クラッド層32、第1活性層
33および第2クラッド層34を積層させた第1積層体
を形成し、マスク層を除去する。次に、エピタキシャル
成長法により少なくとも第3クラッド層37、第2活性
層38および第4クラッド層39を積層させた第2積層
体を形成する。次に、第2半導体発光素子形成領域の第
2積層体を残して、他の領域の第2積層体を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数個の半導体発
光素子を有する半導体発光装置の製造方法に関し、特に
波長の異なる複数の光を出射する複数個の半導体発光素
子を有する半導体発光装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、CD(コンパクトディスク)、
DVD(デジタルビデオディスク)あるいはMD(ミニ
ディスク)などの光学的に情報を記録する光学記録媒体
(以下、光ディスクとも称する)に記録された情報の読
み取り(再生)、あるいはこれらに情報の書き込み(記
録)を行う装置(以下、光ディスク装置とも称する)に
は、光学ピックアップ装置が内蔵されている。
【0003】上記の光ディスク装置や光学ピックアップ
装置においては、一般に、光ディスクの種類(光ディス
クシステム)が異なる場合には、波長の異なるレーザ光
を用いる。例えば、CDの再生などには780nm帯の
波長のレーザ光を、DVDの再生などには650nm帯
の波長のレーザ光を用いる。
【0004】上記のように光ディスクの種類によってレ
ーザ光の波長の異なる状況において、例えばDVD用の
光ディスク装置でCDの再生を可能にするコンパチブル
光学ピックアップ装置が望まれている。上記のCDとD
VDの再生を可能にするコンパチブル光学ピックアップ
装置を構成するのに好適なCD用のレーザダイオード
(発光波長780nm)とDVD用のレーザダイオード
(発光波長650nm)を1チップ上に搭載するモノリ
シックレーザダイオードが開発されている。
【0005】図13は、上記のモノリシックレーザダイ
オード114aの断面図である。第1レーザダイオード
LD1として、例えばGaAsからなるn型基板30上
に、例えばGaAsからなるn型バッファ層31、例え
ばAlGaAsからなるn型クラッド層32、活性層3
3、例えばAlGaAsからなるp型クラッド層34、
例えばGaAsからなるp型キャップ層35が積層し
て、第1積層体ST1を形成している。p型キャップ層
35表面からp型クラッド層34の途中の深さまで絶縁
化された領域41となって、ゲインガイド型の電流狭窄
構造となるストライプを形成している。
【0006】一方、第2レーザダイオードLD2とし
て、n型基板30上に、例えばGaAsからなるn型バ
ッファ層31、例えばInGaPからなるn型バッファ
層36、例えばAlGaInPからなるn型クラッド層
37、活性層38、例えばAlGaInPからなるp型
クラッド層39、例えばGaAsからなるp型キャップ
層40が積層して、第2積層体ST2を形成している。
p型キャップ層40表面からp型クラッド層39の途中
の深さまで絶縁化された領域41となって、ゲインガイ
ド型の電流狭窄構造となるストライプを形成している。
【0007】上記の第1レーザダイオードLD1および
第2レーザダイオードLD2においては、p型キャップ
層(35,40)にはp電極42が、n型基板30には
n電極43が接続して形成されている。
【0008】上記の構造のモノリシックレーザダイオー
ド114aは、第1レーザダイオードLD1のレーザ光
出射部と第2レーザダイオードLD2のレーザ光出射部
の間隔は例えば200μm以下程度の範囲(100μm
程度)に設定される。各レーザ光出射部からは、例えば
780nm帯の波長のレーザ光および650nm帯の波
長のレーザ光が基板と平行であってほぼ同一の方向(ほ
ぼ平行)に出射される。
【0009】上記のモノリシックレーザダイオード11
4aは、例えば図14に示すように、p電極42側か
ら、半導体ブロック13上に形成された電極13aにハ
ンダなどにより接続および固定されて使用される。この
場合、例えば、第1レーザダイオードLD1のp型電極
42を接続させる電極13aにはリード13bにより、
第2レーザダイオードLD2のp型電極42を接続させ
る電極13aにはリード13cにより、また、両レーザ
ダイオード(LD1,LD2)に共通のn型電極43に
はリード43aにより、それぞれ電圧を印加する。
【0010】上記の第1レーザダイオードLD1と第2
レーザダイオードLD2を1チップ上に搭載するモノリ
シックレーザダイオード114aの形成方法について説
明する。まず、図15(a)に示すように、例えば有機
金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE)などのエ
ピタキシャル成長法により、例えばGaAsからなるn
型基板30上に、例えばGaAsからなるn型バッファ
層31、例えばAlGaAsからなるn型クラッド層3
2、活性層(発振波長780nmの多重量子井戸構造)
33、例えばAlGaAsからなるp型クラッド層3
4、例えばGaAsからなるp型キャップ層35を順に
積層させる。
【0011】次に、図15(b)に示すように、第1レ
ーザダイオードLD1として残す領域を不図示のレジス
ト膜で保護して、硫酸系の無選択エッチング、および、
フッ酸系のAlGaAs選択エッチングなどのウェット
エッチング(EC4)により、第1レーザダイオードL
D1領域以外の領域でn型クラッド層32までの上記の
積層体を除去する。
【0012】次に、図16(c)に示すように、例えば
有機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE)など
のエピタキシャル成長法により、n型バッファ層31上
に、例えばInGaPからなるn型バッファ層36、例
えばAlGaInPからなるn型クラッド層37、活性
層(発振波長650nmの多重量子井戸構造)38、例
えばAlGaInPからなるp型クラッド層39、例え
ばGaAsからなるp型キャップ層40を順に積層させ
る。
【0013】次に、図16(d)に示すように、第2レ
ーザダイオードLD2として残す領域を不図示のレジス
ト膜で保護して、硫酸系のキャップエッチング、リン酸
塩酸系の4元選択エッチング、塩酸系の分離エッチング
などのウェットエッチング(EC5)により、第2レー
ザダイオードLD2領域以外の領域でn型バッファ層3
6までの上記の積層体を除去し、第1レーザダイオード
LD1と第2レーザダイオードLD2を分離する。
【0014】次に、図17(e)に示すように、レジス
ト膜により電流注入領域となる部分を保護して、不純物
D2をイオン注入などにより導入し、p型キャップ層
(35,40)表面からp型クラッド層(34,39)
の途中の深さまで絶縁化された領域41を形成し、ゲイ
ンガイド型の電流狭窄構造となるストライプとする。
【0015】次に、図17(f)に示すように、p型キ
ャップ層(35,40)に接続するように、Ti/Pt
/Auなどのp型電極42を形成し、一方、n型基板3
0に接続するように、AuGe/Ni/Auなどのn型
電極43を形成する。
【0016】以降は、ペレタイズ工程を経て、図13に
示すような所望の第1レーザダイオードLD1と第2レ
ーザダイオードLD2を1チップ上に搭載するモノリシ
ックレーザダイオード114aとすることができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のモノリシックレーザダイオードの製造方法におい
ては、n型バッファ層31からp型キャップ層35まで
を積層させた後、第1レーザダイオードLD1として残
す領域をレジスト膜で保護して、硫酸系の無選択エッチ
ングおよびフッ酸系のAlGaAs選択エッチングなど
のウェットエッチングにより、第1レーザダイオードL
D1領域以外の領域でn型クラッド層32までの上記の
積層体を除去する工程において、n型クラッド層32を
完全に除去することが困難となっている。
【0018】第2レーザダイオードLD2は上記積層体
を除去した領域に形成するので、上記のようにn型クラ
ッド層32を完全に除去しきれていない場合、第2レー
ザダイオードLD2のクオリティが著しく悪化する。
【0019】フッ酸系のAlGaAs選択エッチングの
後に、再度無選択エッチングを行うことにより、n型ク
ラッド層32を完全に除去する方法があるが、この場合
には上記積層体を除去した領域表面の平坦性が悪化する
ので、第2レーザダイオードLD2の性能や信頼性が悪
化してしまう。
【0020】さらに、エッチングレートの結晶面方位依
存性により、例えば傾斜基板を用いた場合には、上記積
層体を除去した領域表面のステップバンチングが顕著に
なり、上記積層体を除去した領域に積層される第2レー
ザダイオードがオーダリング構造を有する結晶となると
いった問題がある。上記のオーダリング結晶を含む可視
光半導体レーザダイオードは、以下のような不利な点が
生じる。
【0021】第1に、GaInP活性層やAlGaIn
Pクラッド層は、オーダリングにより低エネルギー化す
るため、発振波長の短波長化が困難となる。特に、DV
D用レーザの発振波長650nmを得るためには、多重
量子井戸構造のウェルを薄くするか、Alを添加する必
要があるが、どちらも性能や信頼性の面で不利となる。
【0022】第2に、多重量子井戸構造において、Ga
InPウェルの異なる秩序に起因する発光スペクトルの
拡大により、利得の減少が生じ、十分な性能が得られな
くなる。
【0023】本発明は上述の状況に鑑みてなされたもの
であり、従って本発明は、高い信頼性を有する、複数個
の半導体発光素子を有する半導体発光装置を製造する方
法を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の半導体発光装置の製造方法は、基板に少な
くとも第1半導体発光素子と第2半導体発光素子を有す
る半導体発光装置の製造方法であって、基板上に、第1
半導体発光素子形成領域を開口し、第2半導体発光素子
形成領域を保護するマスク層を形成する工程と、前記マ
スク層をマスクとするエピタキシャル成長法により、前
記第1半導体発光素子形成領域において選択的に、前記
基板上に、少なくとも第1導電型第1クラッド層、第1
活性層および第2導電型第2クラッド層を積層させた第
1積層体を形成する工程と、前記マスク層を除去する工
程と、エピタキシャル成長法により、前記基板上に、少
なくとも第1導電型第3クラッド層、第2活性層および
第2導電型第4クラッド層を積層させた第2積層体を形
成する工程と、第2半導体発光素子形成領域の前記第2
積層体を残して、他の領域の前記第2積層体を除去する
工程とを有する。
【0025】上記の本発明の半導体発光装置の製造方法
は、基板上に、第1半導体発光素子形成領域を開口し、
第2半導体発光素子形成領域を保護するマスク層を形成
する。次に、マスク層をマスクとするエピタキシャル成
長法により、第1半導体発光素子形成領域において選択
的に、基板上に、少なくとも第1導電型第1クラッド
層、第1活性層および第2導電型第2クラッド層を積層
させた第1積層体を形成する。次に、マスク層を除去す
る。次に、エピタキシャル成長法により、基板上に、少
なくとも第1導電型第3クラッド層、第2活性層および
第2導電型第4クラッド層を積層させた第2積層体を形
成する。次に、第2半導体発光素子形成領域の第2積層
体を残して、他の領域の第2積層体を除去する。
【0026】上記の本発明の半導体発光装置の製造方法
によれば、第1半導体発光素子形成領域を開口し、第2
半導体発光素子形成領域を保護するマスク層をマスクと
するエピタキシャル成長法により、第1半導体発光素子
形成領域において選択的に第1積層体を積層させて形成
するので、第2半導体発光素子形成領域はマスク層によ
り保護されており、当該マスク層を除去した後の第2半
導体発光素子形成領域表面は高い平坦性および高いクオ
リティを維持している。従って、第2半導体発光素子を
上記高い平坦性および高いクオリティを有する第2半導
体発光素子形成領域表面上に形成することができるの
で、高い性能と高い信頼性を有する半導体発光装置を製
造することができる。
【0027】上記の本発明の半導体発光装置の製造方法
は、好適には、前記基板として、オフオリエンテーショ
ン基板を用い、前記第2積層体を形成する工程において
は、少なくとも1つの自発的にオーダリングして結晶成
長する層を含む積層体を形成する。基板として、オフオ
リエンテーション基板を用い、第2積層体が少なくとも
1つの自発的にオーダリングして結晶成長する層を含む
場合でも、本発明においては第2積層体のオーダリング
を防止することができるので、高い性能と高い信頼性を
有する半導体発光装置を製造することができる。
【0028】上記の本発明の半導体発光装置の製造方法
は、好適には、前記第1積層体と前記第2積層体を、少
なくともその一部の組成または構造が異なるように形成
し、前記第1半導体発光素子と前記第2半導体発光素子
の素子特性を異ならせて形成する。これにより、活性層
の膜厚や組成を変えることなどで第1半導体発光素子と
第2半導体発光素子の発光強度を異ならせるなど、素子
特性の異なる複数の半導体発光素子を有する半導体発光
装置を形成することができる。
【0029】上記の本発明の半導体発光装置の製造方法
は、好適には、前記第1積層体と前記第2積層体を、少
なくともその一部の組成が異なるように形成し、前記第
1半導体発光素子と前記第2半導体発光素子の発光波長
を異ならせて形成する。これにより、発光波長の異なる
複数の半導体発光素子を有する半導体発光装置を形成す
ることができる。
【0030】上記の本発明の半導体発光装置の製造方法
は、好適には、前記第1活性層と第2活性層を、それぞ
れ組成比を異ならせて形成する。あるいは好適には、前
記第1活性層と第2活性層を、互いに異なる組成元素に
より形成する。あるいは好適には、前記第1導電型第1
クラッド層、第1活性層および第2導電型第2クラッド
層の組成と、前記第1導電型第3クラッド層、第2活性
層および第2導電型第4クラッド層の組成とを異ならせ
て形成する。これにより、各活性層から出射される光の
波長をそれぞれ異ならせることが可能となる。
【0031】上記の本発明の半導体発光装置の製造方法
は、好適には、前記基板として、GaAs、GaAs
P、GaPおよびInPからなる化合物群から選択され
る化合物を含む基板を用いる。また、好適には、前記第
1積層体を形成する工程および前記第2積層体を形成す
る工程においては、Al、Ga、In、PおよびAsか
らなる元素群から選択される元素によって構成される層
を少なくとも1層含む積層体を形成する。本発明の半導
体発光装置の製造方法においては、複数個の半導体発光
素子を分離して形成するので、それぞれの半導体発光素
子に適した元素を選択して構成することができ、それら
複数個の半導体発光素子を搭載する基板を上記から適宜
選択することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の半導体発光装置お
よびこれを用いた光学ピックアップ装置の実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。
【0033】第1実施形態 本実施形態に係る半導体発光装置は、CD用のレーザダ
イオードLD1(発光波長780nm)とDVD用のレ
ーザダイオードLD2(発光波長650nm)を1チッ
プ上に搭載するモノリシックレーザダイオードであり、
CDとDVDの再生を可能にするコンパチブル光学ピッ
クアップ装置を構成するのに好適な半導体発光装置であ
る。その断面図を図1に示す。
【0034】上記のモノリシックレーザダイオード14
aについて説明する。第1レーザダイオードLD1とし
て、例えばGaAsからなるn型基板30上に、例えば
GaAsからなるn型バッファ層31、例えばAlGa
Asからなるn型クラッド層32、活性層(発振波長7
80nmの多重量子井戸構造)33、例えばAlGaA
sからなるp型クラッド層34、例えばGaAsからな
るp型キャップ層35が積層して、第1積層体ST1を
形成している。p型キャップ層35表面からp型クラッ
ド層34の途中の深さまで絶縁化された領域41となっ
て、ゲインガイド型の電流狭窄構造となるストライプを
形成している。
【0035】一方、第2レーザダイオードLD2とし
て、n型基板30上に、例えばInGaPからなるn型
バッファ層36、例えばAlGaInPからなるn型ク
ラッド層37、活性層(発振波長650nmの多重量子
井戸構造)38、例えばAlGaInPからなるp型ク
ラッド層39、例えばGaAsからなるp型キャップ層
40が積層して、第2積層体ST2を形成している。p
型キャップ層40表面からp型クラッド層39の途中の
深さまで絶縁化された領域41となって、ゲインガイド
型の電流狭窄構造となるストライプを形成している。上
記のn型バッファ層36としては、例えばGaAs層と
InGaP層とを積層させた積層構造としてもよい。
【0036】上記の第1レーザダイオードLD1および
第2レーザダイオードLD2においては、p型キャップ
層(35,40)にはp電極42が、n型基板30には
n電極43が接続して形成されている。
【0037】上記の構造のモノリシックレーザダイオー
ド14aは、第1レーザダイオードLD1のレーザ光出
射部と第2レーザダイオードLD2のレーザ光出射部の
間隔は例えば200μm以下程度の範囲(100μm程
度)に設定される。各レーザ光出射部からは、例えば7
80nm帯の波長のレーザ光L1および650nm帯の
波長のレーザ光L2が基板と平行であってほぼ同一の方
向(ほぼ平行)に出射される。上記の構造のレーザダイ
オード14aは、CDやDVDなどの波長の異なる光デ
ィスクシステムの光学系ピックアップ装置などを構成す
るのに好適な、発光波長の異なる2種類のレーザダイオ
ードを1チップ上に搭載するモノリシックレーザダイオ
ードである。
【0038】上記のモノリシックレーザダイオード14
aは、例えば図2に示すように、p電極42側から、半
導体ブロック13上に形成された電極13aにハンダな
どにより接続および固定されて使用される。この場合、
例えば、第1レーザダイオードLD1のp型電極42を
接続させる電極13aにはリード13bにより、第2レ
ーザダイオードLD2のp型電極42を接続させる電極
13aにはリード13cにより、また、両レーザダイオ
ード(LD1,LD2)に共通のn型電極43にはリー
ド43aにより、それぞれ電圧を印加する。
【0039】図3(a)は上記のモノリシックレーザダ
イオード14aをCANパッケージに搭載する場合の構
成例を示す斜視図である。例えば、円盤状の基台21に
設けられた突起部21a上にモニター用の光検出素子と
してのPINダイオード12が形成された半導体ブロッ
ク13が固着され、その上部に、第1および第2レーザ
ダイオード(LD1,LD2)を1チップ上に搭載する
モノリシックレーザダイオード14aが配置されてい
る。また、基台21を貫通して端子22が設けられてお
り、リード23により上記の第1および第2レーザダイ
オード(LD1,LD2)、あるいはPINダイオード
12に接続されて、それぞれのダイオードの駆動電源が
供給される。
【0040】図3(b)は上記のCANパッケージ化さ
れたレーザダイオードのレーザ光の出射方向と垂直な方
向からの要部平面図である。PINダイオード12が形
成された半導体ブロック13の上部に第1レーザダイオ
ードLD1と第2レーザダイオードLD2を1チップ上
に有するレーザダイオード14aが配置されている。P
INダイオード12においては、第1および第2レーザ
ダイオード(LD1,LD2)のリア側に出射されたレ
ーザ光を感知し、その強度を測定して、レーザ光の強度
が一定となるように第1および第2レーザダイオード
(LD1,LD2)の駆動電流を制御するAPC(Au
tomatic Power Control)制御が
行われるように構成されている。
【0041】図4は、上記の第1レーザダイオードLD
1および第2レーザダイオードLD2を1チップ上に搭
載するモノリシックレーザダイオードをCANパッケー
ジ化したレーザダイオードLDを用いて、CDやDVD
などの波長の異なる光ディスクシステムの光学系ピック
アップ装置を構成したときの構成を示す模式図である。
【0042】光学ピックアップ装置1aは、それぞれ個
々に、すなわちディスクリートに構成された光学系を有
し、例えば780nm帯の波長のレーザ光を出射する第
1レーザダイオードLD1と650nm帯の波長のレー
ザ光を出射する第2レーザダイオードLD2を1チップ
上に搭載するモノリシックレーザダイオードLD、78
0nm帯用であって650nm帯に対しては素通しとな
るグレーティングG、ビームスプリッタBS、コリメー
タC、ミラーM、CD用開口制限アパーチャR、対物レ
ンズOL、マルチレンズML、および、フォトダイオー
ドPDがそれぞれ所定の位置に配設されている。フォト
ダイオードPDには、例えば、780nm帯の光を受光
する第1フォトダイオードと、650nm帯の光を受光
する第2フォトダイオードが互いに隣接して並列に形成
されている。
【0043】上記構成の光学ピックアップ装置1aにお
いて、第1レーザダイオードLD1からの第1レーザ光
L1は、グレーティングGを通過し、ビームスプリッタ
BSによって一部反射され、コリメータC、ミラーMお
よびCD用開口制限アパーチャRをそれぞれ通過あるい
は反射して、対物レンズOLにより光ディスクD上に集
光される。光ディスクDからの反射光は、対物レンズO
L、CD用開口制限アパーチャR、ミラーM、コリメー
タCおよびビームスプリッタBSを介して、マルチレン
ズMLを通過し、フォトダイオードPD(第1フォトダ
イオード)上に投光され、この反射光の変化によりCD
などの光ディスクDの記録面上に記録された情報の読み
出しがなされる。
【0044】上記構成の光学ピックアップ装置1aにお
いて、第2レーザダイオードLD2からの第2レーザ光
L2も、上記と同じ経路を辿って光ディスクD上に集光
され、その反射光はフォトダイオードPD(第2フォト
ダイオード)上に投光され、この反射光の変化によりD
VDなどの光ディスクDの記録面上に記録された情報の
読み出しがなされる。
【0045】上記の光学ピックアップ装置1aによれ
ば、CD用のレーザダイオードとDVD用のレーザダイ
オードを搭載し、共通の光学系によりその反射光をCD
用のフォトダイオードとDVD用のフォトダイオードに
結合させ、CDとDVDの再生を可能にしている。
【0046】また、本実施形態に係る第1レーザダイオ
ードLD1および第2レーザダイオードLD2を1チッ
プ上に搭載するモノリシックレーザダイオードを用い
て、CDおよびDVDなどの光学記録媒体に対して光照
射により記録、再生を行う光学ピックアップ装置に好適
なレーザカプラを構成することも可能である。図5
(a)は、上記のレーザカプラ1bの概略構成を示す説
明図である。レーザカプラ1bは、第1パッケージ部材
2の凹部に装填され、ガラスなどの透明な第2パッケー
ジ部材3により封止されている。
【0047】図5(b)は上記のレーザカプラ1bの要
部斜視図である。例えば、シリコンの単結晶を切り出し
た基板である集積回路基板11上に、モニター用の光検
出素子としてのPINダイオード12が形成された半導
体ブロック13が配置され、さらに、この半導体ブロッ
ク13上に、発光素子として第1レーザダイオードLD
1および第2レーザダイオードLD2を1チップ上に搭
載するモノリシックレーザダイオード14aが配置され
ている。
【0048】一方、集積回路基板11には、例えば第1
フォトダイオード(16,17)および第2フォトダイ
オード(18,19)が形成され、この第1および第2
フォトダイオード(16,17,18,19)上に、第
1および第2レーザダイオード(LD1,LD2)と所
定間隔をおいて、プリズム20が搭載されている。
【0049】第1レーザダイオードLD1から出射され
たレーザ光L1は、プリズム20の分光面20aで一部
反射して進行方向を屈曲し、第2パッケージ部材3に形
成された出射窓から出射方向に出射し、不図示の反射ミ
ラーや対物レンズなどを介して光ディスク(CD)など
の被照射対象物に照射される。上記の被照射対象物から
の反射光は、被照射対象物への入射方向と反対方向に進
み、レーザカプラ1bからの出射方向からプリズム20
の分光面20aに入射する。このプリズム20の上面で
焦点を結びながら、プリズム20の下面となる集積回路
基板11上に形成された前部第1フォトダイオード16
および後部第1フォトダイオード17に入射する。
【0050】一方、第2レーザダイオードLD2から出
射されたレーザ光L2は、上記と同様に、プリズム20
の分光面20aで一部反射して進行方向を屈曲し、第2
パッケージに形成された出射窓から出射方向に出射し、
不図示の反射ミラーや対物レンズなどを介して光ディス
ク(DVD)などの被照射対象物に照射される。上記の
被照射対象物からの反射光は、被照射対象物への入射方
向と反対方向に進み、レーザカプラ1bからの出射方向
からプリズム20の分光面20aに入射する。このプリ
ズム20の上面で焦点を結びながら、プリズム20の下
面となる集積回路基板11上に形成された前部第2フォ
トダイオード18および後部第2フォトダイオード19
に入射する。
【0051】また、半導体ブロック13上に形成された
PINダイオード12は、例えば2つに分割された領域
を有し、第1および第2レーザダイオード(LD1,L
D2)のそれぞれについて、リア側に出射されたレーザ
光を感知し、レーザ光の強度を測定して、レーザ光の強
度が一定となるように第1および第2レーザダイオード
(LD1,LD2)の駆動電流を制御するAPC制御が
行われる。
【0052】上記の第1レーザダイオードLD1のレー
ザ光出射部と第2レーザダイオードLD2のレーザ光出
射部の間隔は例えば200μm以下程度の範囲(100
μm程度)に設定される。各レーザ光出射部(活性層)
からは、例えば780nm帯の波長のレーザ光L1およ
び650nm帯の波長のレーザ光L2がほぼ同一の方向
(ほぼ平行)に出射される。
【0053】上記のレーザカプラを用いて光学ピックア
ップ装置を構成した時の例を図6に示す。レーザカプラ
1bに内蔵される第1および第2レーザダイオードから
の出射レーザ光(L1,L2)をコリメータC、ミラー
M、CD用開口制限アパーチャRおよび対物レンズOL
を介して、CDあるいはDVDなどの光ディスクDに入
射する。光ディスクDからの反射光は、入射光と同一の
経路をたどってレーザカプラに戻り、レーザカプラに内
蔵される第1および第2フォトダイオードにより受光さ
れる。上記のように、本実施形態のモノリシックレーザ
ダイオードを用いることにより、CDやDVDなどの波
長の異なる光ディスクシステムの光学系ピックアップ装
置を、部品点数を減らして光学系の構成を簡素化し、容
易に組み立て可能で小型化および低コストで構成するこ
とができる。
【0054】上記の第1レーザダイオードLD1と第2
レーザダイオードLD2を1チップ上に搭載するモノリ
シックレーザダイオード14aの形成方法について説明
する。 まず、図7(a)に示すように、例えばn型の
GaAsからなり、(100)面から<011>方向に
10〜15°程度傾けられたオフオリエンテーション基
板(以下、オフ基板という)30上に、例えばCVD
(Chemical Vapor Depositio
n)法により酸化シリコンあるいは窒化シリコンなどの
絶縁膜を堆積させ、フォトリソグラフィー工程により不
図示のレジスト膜をパターン形成し、RIE(反応性イ
オンエッチング)などのエッチングを施して、第1レー
ザダイオード形成領域を開口し、第2レーザダイオード
形成領域を保護するマスク層MSを形成する。
【0055】次に、図7(b)に示すように、例えば有
機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE)などの
エピタキシャル成長法により、マスク層MSを形成した
オフ基板30上に、例えばGaAsからなるn型バッフ
ァ層31、例えばAlGaAsからなるn型クラッド層
32、活性層(発振波長780nmの多重量子井戸構
造)33、例えばAlGaAsからなるp型クラッド層
34、例えばGaAsからなるp型キャップ層35を順
に積層させる。ここで、マスク層MSがエピタキシャル
成長の選択マスクとなり、n型バッファ層31からp型
キャップ層35までの積層体は第1レーザダイオード形
成領域に選択的に成長させることができる。
【0056】次に、図7(c)に示すように、例えばフ
ッ酸系のウェットエッチング(EC1)により、マスク
層MSを除去する。ここで、ウェットエッチング(EC
1)に用いるエッチャントが、第1レーザダイオード形
成領域におけるn型バッファ層31からp型キャップ層
35までの積層体に悪影響を与える恐れがある場合に
は、第1レーザダイオード形成領域を保護するレジスト
膜を形成してから、上記のウェットエッチング(EC
1)を行うことができる。
【0057】次に、図8(d)に示すように、例えば有
機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE)などの
エピタキシャル成長法により、第2レーザダイオード形
成領域におけるオフ基板30上に、例えばInGaPか
らなるn型バッファ層36、例えばAlGaInPから
なるn型クラッド層37、活性層(発振波長650nm
の多重量子井戸構造)38、例えばAlGaInPから
なるp型クラッド層39、例えばGaAsからなるp型
キャップ層40を順に積層させる。ここで、上記のn型
バッファ層36からp型キャップ層40までの積層体は
基板上の全面に成長するので、第1レーザダイオード形
成領域におけるn型バッファ層31からp型キャップ層
35までの積層体の上層にも形成される。
【0058】上記において、基板としてオフ基板を用
い、n型バッファ層36からp型キャップ層40までの
積層体が少なくとも1つの自発的にオーダリングして結
晶成長する層を含む場合でも、本実施形態においてはオ
ーダリングを防止して積層することができるので、第2
レーザダイオードとして、高い性能と高い信頼性を確保
することができる。
【0059】次に、図8(e)に示すように、第2レー
ザダイオードLD2として残す領域を不図示のレジスト
膜で保護して、硫酸系のキャップエッチング、リン酸塩
酸系の4元選択エッチング、塩酸系の分離エッチングな
どのウェットエッチング(EC2)により、第2レーザ
ダイオードLD2領域以外の領域におけるn型バッファ
層36までの上記の積層体を除去し、第1レーザダイオ
ード用の第1積層体ST1と第2レーザダイオード用の
第2積層体ST2を分離する。
【0060】次に、図9(f)に示すように、レジスト
膜により電流注入領域となる部分を保護して、不純物D
1をイオン注入などにより導入し、p型キャップ層(3
5,40)表面からp型クラッド層(34,39)の途
中の深さまで絶縁化された領域41を形成し、ゲインガ
イド型の電流狭窄構造となるストライプとする。
【0061】次に、図9(g)に示すように、p型キャ
ップ層(35,40)に接続するように、Ti/Pt/
Auなどのp型電極42を形成し、一方、n型基板30
に接続するように、AuGe/Ni/Auなどのn型電
極43を形成する。
【0062】以降は、ペレタイズ工程を経て、図1に示
すような所望の第1レーザダイオードLD1と第2レー
ザダイオードLD2を1チップ上に搭載するモノリシッ
クレーザダイオード14aとすることができる。
【0063】上記の本実施形態のモノリシックレーザダ
イオードの製造方法によれば、第1レーザダイオード形
成領域を開口し、第2レーザダイオード形成領域を保護
するマスク層をマスクとするエピタキシャル成長法によ
り、第1レーザダイオード形成領域において選択的にn
型バッファ層31からp型キャップ層35までの積層体
を積層させて形成しており、第2レーザダイオード形成
領域はマスク層により保護されているので、当該マスク
層を除去した後の第2レーザダイオード形成領域表面は
高い平坦性および高いクオリティを維持している。従っ
て、第2レーザダイオードを上記高い平坦性および高い
クオリティを有する第2レーザダイオード形成領域表面
上に形成することができるので、高い性能と高い信頼性
を有する第1レーザダイオードLD1と第2レーザダイ
オードLD2を1チップ上に搭載するモノリシックレー
ザダイオードを製造することができる。
【0064】第2実施形態 本実施形態に係る半導体発光装置は、第1実施形態に係
るモノリシックレーザダイオードと同様であり、CD用
のレーザダイオードLD1(発光波長780nm)とD
VD用のレーザダイオードLD2(発光波長650n
m)を1チップ上に搭載し、CDとDVDの再生を可能
にするコンパチブル光学ピックアップ装置を構成するの
に好適な半導体発光装置である。その断面図を図10に
示す。
【0065】上記のモノリシックレーザダイオード14
bについて説明する。第1レーザダイオードLD1とし
て、例えばGaAsからなるn型基板30上に、例えば
GaAsからなるn型バッファ層31、例えばAlGa
Asからなるn型クラッド層32、活性層(発振波長7
80nmの多重量子井戸構造)33、例えばAlGaA
sからなるp型クラッド層34、例えばGaAsからな
るp型キャップ層35が積層して、第1積層体ST1を
形成している。p型キャップ層35表面からp型クラッ
ド層34の途中の深さまでリッジ状(凸状)に加工され
ており、ゲインガイド型の電流狭窄構造となるストライ
プを形成している。また、リッジ深さや形状などの制御
によって、インデックスガイドやセルフパルセーション
タイプなどを作製することも容易に可能である。
【0066】一方、第2レーザダイオードLD2とし
て、n型基板30上に、例えばInGaPからなるn型
バッファ層36、例えばAlGaInPからなるn型ク
ラッド層37、活性層(発振波長650nmの多重量子
井戸構造)38、例えばAlGaInPからなるp型ク
ラッド層39、例えばGaAsからなるp型キャップ層
40が積層して、第2積層体ST2を形成している。p
型キャップ層40表面からp型クラッド層39の途中の
深さまでリッジ状(凸状)に加工されており、ゲインガ
イド型の電流狭窄構造となるストライプを形成してい
る。第1レーザダイオードLD1と同様に、リッジ深さ
や形状などの制御によって、インデックスガイドやセル
フパルセーションタイプなどを作製することも容易に可
能である。上記のn型バッファ層36としては、例えば
GaAs層とInGaP層とを積層させた積層構造とし
てもよい。
【0067】さらに、上記の第1レーザダイオードLD
1および第2レーザダイオードLD2を被覆して、酸化
シリコンなどの絶縁膜44が形成されている。絶縁膜4
4には、p型キャップ層(35,40)を露出させるよ
うにコンタクト開口されており、さらにp型キャップ層
(35,40)にはp電極42が、n型基板30にはn
電極43が接続して形成されている。また、この場合、
ストライプ以外の部分でオーミックコンタクトがとれな
い構造になってさえいれば、絶縁膜44は必ずしも必要
ではない。
【0068】上記の構造のモノリシックレーザダイオー
ド14bにおいて、各レーザ光出射部から、例えば78
0nm帯の波長のレーザ光L1および650nm帯の波
長のレーザ光L2が基板と平行であってほぼ同一の方向
(ほぼ平行)に出射される。上記の構造のレーザダイオ
ード14bは、CDやDVDなどの波長の異なる光ディ
スクシステムの光学系ピックアップ装置などを構成する
のに好適な、発光波長の異なる2種類のレーザダイオー
ドを1チップ上に搭載するモノリシックレーザダイオー
ドである。
【0069】上記のモノリシックレーザダイオード14
bの形成方法について説明する。まず、図11(a)の
第1レーザダイオード用の第1積層体ST1と第2レー
ザダイオード用の第2積層体ST2を形成する工程まで
は、第1実施形態において、図8(e)に示す工程まで
と同様にして形成される。
【0070】次に、図11(b)に示すように、絶縁膜
などにより電流注入領域となる部分を保護して、エッチ
ング処理EC3を行い、ゲインガイド型の電流狭窄構造
となるストライプを形成するために、p型キャップ層
(35,40)の表面からp型クラッド層(34,3
9)の途中の深さまでリッジ状(凸状)に加工する。
【0071】次に、図12(c)に示すように、例えば
CVD(Chemical Vapor Deposi
tion)法により全面に酸化シリコンを堆積させ、絶
縁膜44を形成し、p型キャップ層(35,40)を露
出させるようにコンタクト開口する。
【0072】次に、図12(d)に示すように、p型キ
ャップ層(35,40)に接続するように、Ti/Pt
/Auなどのp型電極42を形成し、一方、n型基板3
0に接続するように、AuGe/Ni/Auなどのn型
電極43を形成する。
【0073】以降は、ペレタイズ工程を経て、図10に
示すような所望の第1レーザダイオードLD1と第2レ
ーザダイオードLD2を1チップ上に搭載するモノリシ
ックレーザダイオード14bとすることができる。
【0074】上記の本実施形態のモノリシックレーザダ
イオードの製造方法によれば、第1実施形態と同様に、
第2レーザダイオードを上記高い平坦性および高いクオ
リティを有する第2レーザダイオード形成領域表面上に
形成することができるので、高い性能と高い信頼性を有
する第1レーザダイオードLD1と第2レーザダイオー
ドLD2を1チップ上に搭載するモノリシックレーザダ
イオードを製造することができる。
【0075】以上、本発明を2形態の実施形態により説
明したが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定される
ものではない。例えば、本発明に用いる発光素子として
は、レーザダイオードに限定されず、発光ダイオード
(LED)とすることも可能である。また、本発明にお
いて搭載される複数個の発光素子としては、発光波長が
異なる発光素子の他、発光波長が同じでも発光強度が異
なるなどの素子特性の異なる発光素子でもよく、さらに
複数個の発光素子を有していれば素子特性が同一の発光
素子にも適用可能である。また、第1および第2レーザ
ダイオードの発光波長は、780nm帯と650nm帯
に限定されるものではなく、その他の光ディスクシステ
ムに採用されている波長とすることができる。すなわ
ち、CDとDVDの他の組み合わせの光ディスクシステ
ムを採用することができる。また、ゲインガイド型の電
流狭窄構造の他、インデックスガイド型、パルセーショ
ンレーザなど、様々な特性の他のレーザに適用すること
も可能である。また、上記の実施形態ではCD用の第1
レーザダイオードとDVD用の第2レーザダイオードと
で、ストライプ構造が同じ場合について示しているが、
例えば第1レーザダイオードが第1実施形態と同様のイ
オン注入タイプであり、一方第2レーザダイオードが第
2実施形態と同様のリッジタイプであるというように、
2つのレーザダイオードでそれぞれ別のストライプ構造
をとることも可能である。その他、本発明の要旨を逸脱
しない範囲で種々の変更を行うことが可能である。
【0076】また、本発明により製造可能な半導体発光
装置としては、複数個の半導体発光素子を有していれば
よく、3個以上の半導体発光素子を有する半導体発光装
置も製造可能である。この場合においては、最初に半導
体発光素子となる積層体を形成する領域を開口し、他の
領域を保護するマスク層を形成した後、当該マスク層を
マスクとして開口領域に選択的にエピタキシャル成長法
により第1積層体を形成する。次に、上記マスク層をパ
ターン加工して、次に半導体発光素子となる積層体を形
成する領域を開口する。次に、マスク層をマスクとし
て、開口領域に選択的にエピタキシャル成長法により第
2積層体を形成し、新たに開口した領域に積層した第2
積層体を残して他の領域の第2積層体を除去する。その
後、次に半導体発光素子となる積層体を形成する領域を
開口する上記マスク層のパターン加工工程、当該マスク
層をマスクとしたエピタキシャル成長法により次の積層
体を形成する工程、新たに開口した領域に積層した積層
体を残して他の領域の積層体を除去する工程の各工程を
繰り返すなどの方法により、3個以上の半導体発光素子
を有する半導体発光装置も製造可能であり、本発明の効
果を享受することができる。
【0077】
【発明の効果】本発明の半導体発光装置の製造方法によ
れば、第1半導体発光素子形成領域を開口し、第2半導
体発光素子形成領域を保護するマスク層をマスクとする
エピタキシャル成長法により、第1半導体発光素子形成
領域において選択的に第1積層体を積層させて形成する
ので、第2半導体発光素子形成領域はマスク層により保
護されており、当該マスク層を除去した後の第2半導体
発光素子形成領域表面は高い平坦性および高いクオリテ
ィを維持している。従って、第2半導体発光素子を上記
高い平坦性および高いクオリティを有する第2半導体発
光素子形成領域表面上に形成することができるので、高
い性能と高い信頼性を有する半導体発光装置を製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態に係るレーザダイオードの
断面図である。
【図2】図2は第1実施形態に係るレーザダイオードの
使用例を示す断面図である。
【図3】図3(a)は第1実施形態に係るレーザダイオ
ードをCANパッケージに搭載する場合の構成を示す斜
視図であり、図3(b)はその要部平面図である。
【図4】図4は、図3のCANパッケージ化されたレー
ザダイオードを用いた光学ピックアップ装置の構成を示
す模式図である。
【図5】図5(a)は第1実施形態に係るレーザダイオ
ードをレーザカプラに搭載する場合の構成を示す斜視図
であり、図5(b)はその要部斜視図である。
【図6】図6は、図5のレーザカプラ化されたレーザダ
イオードを用いた光学ピックアップ装置の構成を示す模
式図である。
【図7】図7は第1実施形態に係るレーザダイオードの
製造方法の製造工程を示す断面図であり、(a)はマス
ク層を形成する工程まで、(b)は第1レーザダイオー
ドとなる第1積層体の形成工程まで、(c)はマスク層
を除去する工程までを示す。
【図8】図8は図7の続きの工程を示し、(d)は第2
レーザダイオードとなる第2積層体の形成工程まで、
(e)は第2レーザダイオード領域を残して上記第2積
層体をエッチング除去する工程までを示す。
【図9】図9は図8の続きの工程を示し、(f)は電流
狭窄構造となるストライプの形成工程まで、(g)はn
電極およびp電極の形成工程までを示す。
【図10】図10は第2実施形態に係るレーザダイオー
ドの断面図である。
【図11】図11は第2実施形態に係るレーザダイオー
ドの製造方法の製造工程を示す断面図であり、(a)は
第1積層体と第2積層体を形成する工程まで、(b)は
電流狭窄構造となるリッジ構造の形成工程までを示す。
【図12】図12は図11の続きの工程を示し、(c)
は絶縁膜の形成工程まで、(d)はn電極およびp電極
の形成工程までを示す。
【図13】図13は従来例に係るレーザダイオードの断
面図である。
【図14】図14は従来例に係るレーザダイオードの使
用例を示す断面図である。
【図15】図15は従来例に係るレーザダイオードの製
造方法の製造工程を示す断面図であり、(a)は第1レ
ーザダイオードとなる積層体の形成工程まで、(b)は
第1レーザダイオード領域を残して上記積層体をエッチ
ング除去する工程までを示す。
【図16】図16は図15の続きの工程を示し、(c)
は第2レーザダイオードとなる積層体の形成工程まで、
(d)は第2レーザダイオード領域を残して上記積層体
をエッチング除去する工程までを示す。
【図17】図17は図16の続きの工程を示し、(e)
は電流狭窄構造となるストライプの形成工程まで、
(f)はn電極およびp電極の形成工程までを示す。
【符号の説明】
1a…光学ピックアップ装置、1b……レーザカプラ、
2…第1パッケージ部材、3…第2パッケージ部材、1
1…集積回路基板、12…PINダイオード、13…半
導体ブロック、14a,14b,114a…モノリシッ
クレーザダイオード、LD1…第1レーザダイオード、
LD2…第2レーザダイオード、16…前部第1フォト
ダイオード、17…後部第1フォトダイオード、18…
前部第2フォトダイオード、19…後部第2フォトダイ
オード、20…プリズム、20a…分光面、21…基
台、21a…突起部、22…端子、23,13b,13
c,43a…リード、30…n型基板、31,36…n
型バッファ層、32,37…n型クラッド層、33,3
8…活性層、34,39…p型クラッド層、35,40
…p型キャップ層、41…絶縁化領域、42…p電極、
43…n電極、44…絶縁膜、MS…マスク層、ST
1,ST2…積層体、BS…ビームスプリッタ、C…コ
リメータ、R…CD用開口制限アパーチャ、ML…マル
チレンズ、PD…フォトダイオード、EC…エッチング
液、G…グレーティング、M…ミラー、OL…対物レン
ズ、D…光ディスク、L1…第1レーザ光、L2…第2
レーザ光。
フロントページの続き (72)発明者 成井 啓修 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D119 AA41 BA01 BB01 BB04 EC47 FA05 FA08 NA01 NA04 5F041 AA12 CA04 CA05 CA34 CA35 CA36 CA37 CA38 CA65 CA74 CA82 CA92 CB04 CB27 FF16 5F073 AA13 AA74 AB04 AB12 AB27 BA04 CA05 CA14 CB02 DA05 DA22 DA25 EA04 EA28 FA02 FA11 GA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に少なくとも第1半導体発光素子と第
    2半導体発光素子を有する半導体発光装置の製造方法で
    あって、 基板上に、第1半導体発光素子形成領域を開口し、第2
    半導体発光素子形成領域を保護するマスク層を形成する
    工程と、 前記マスク層をマスクとするエピタキシャル成長法によ
    り、前記第1半導体発光素子形成領域において選択的
    に、前記基板上に、少なくとも第1導電型第1クラッド
    層、第1活性層および第2導電型第2クラッド層を積層
    させた第1積層体を形成する工程と、 前記マスク層を除去する工程と、 エピタキシャル成長法により、前記基板上に、少なくと
    も第1導電型第3クラッド層、第2活性層および第2導
    電型第4クラッド層を積層させた第2積層体を形成する
    工程と、 第2半導体発光素子形成領域の前記第2積層体を残し
    て、他の領域の前記第2積層体を除去する工程とを有す
    る半導体発光装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記基板として、オフオリエンテーション
    基板を用い、 前記第2積層体を形成する工程においては、少なくとも
    1つの自発的にオーダリングして結晶成長する層を含む
    積層体を形成する請求項1記載の半導体発光装置の製造
    方法。
  3. 【請求項3】前記第1積層体と前記第2積層体を、少な
    くともその一部の組成または構造が異なるように形成
    し、 前記第1半導体発光素子と前記第2半導体発光素子の素
    子特性を異ならせて形成する請求項1記載の半導体発光
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記第1積層体と前記第2積層体を、少な
    くともその一部の組成が異なるように形成し、 前記第1半導体発光素子と前記第2半導体発光素子の発
    光波長を異ならせて形成する請求項3記載の半導体発光
    装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1活性層と第2活性層を、それぞれ
    組成比を異ならせて形成する請求項1記載の半導体発光
    装置の製造方法。
  6. 【請求項6】前記第1活性層と第2活性層を、互いに異
    なる組成元素により形成する請求項1記載の半導体発光
    装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記第1導電型第1クラッド層、第1活性
    層および第2導電型第2クラッド層の組成と、前記第1
    導電型第3クラッド層、第2活性層および第2導電型第
    4クラッド層の組成とを異ならせて形成する請求項1記
    載の半導体発光装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記基板として、GaAs、GaAsP、
    GaPおよびInPからなる化合物群から選択される化
    合物を含む基板を用いる請求項1記載の半導体発光装置
    の製造方法。
  9. 【請求項9】前記第1積層体を形成する工程および前記
    第2積層体を形成する工程においては、Al、Ga、I
    n、PおよびAsからなる元素群から選択される元素に
    よって構成される層を少なくとも1層含む積層体を形成
    する請求項1記載の半導体発光装置の製造方法。
JP2000102865A 2000-02-29 2000-02-29 半導体発光装置の製造方法 Pending JP2001244573A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000102865A JP2001244573A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 半導体発光装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000102865A JP2001244573A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 半導体発光装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001244573A true JP2001244573A (ja) 2001-09-07

Family

ID=18616661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000102865A Pending JP2001244573A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 半導体発光装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001244573A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006303052A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Nec Electronics Corp 半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006303052A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Nec Electronics Corp 半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3486900B2 (ja) 発光装置およびそれを用いた光装置
US7376166B2 (en) Semiconductor laser apparatus and optical pickup apparatus
JP5240156B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
US7927896B2 (en) Method of production of semiconductor light emission device and method of production of light emission apparatus
JP2000011417A (ja) 半導体レーザアレイ及びその製造方法、光集積ユニット、光ピックアップ並びに光ディスク駆動装置
KR100624058B1 (ko) 반도체 발광 장치 및 그의 제조 방법
US6661824B2 (en) Semiconductor laser device and method for fabricating the same
JP2002057404A (ja) レーザダイオード、半導体発光装置および製造方法
JP2001244570A (ja) 半導体レーザ、レーザカプラおよびデータ再生装置、データ記録装置ならびに半導体レーザの製造方法
JP2004022717A (ja) 多波長レーザ装置
JP3928583B2 (ja) 発光装置の製造方法
US6358764B1 (en) Semiconductor light emitting device and method of producing same
JP4844791B2 (ja) 半導体発光装置およびそれを用いた光装置
JP5633670B2 (ja) 発光装置およびそれを用いた光装置
JP2006080307A (ja) 半導体レーザアレイ及びその製造方法、多波長半導体レーザ装置
JP2002232077A (ja) 半導体発光装置およびその製造方法
JP2001244573A (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP4561381B2 (ja) 発光装置の製造方法
JP4281209B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP4770002B2 (ja) 半導体発光装置およびその製造方法
JP4821829B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP4985100B2 (ja) 多波長レーザ、光ピックアップ装置および光ディスク装置
JP2001352129A (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法
JP2001250255A (ja) 光学装置及び光ディスク装置
JP4595929B2 (ja) 発光装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090623