JP4696113B2 - レジスト材料および電子線記録用レジスト材料 - Google Patents
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Description
1´ …金属基板
2… レジスト膜
3… 記録部
4… 未記録部
5… 蓄熱層
6… 電子線記録用レジスト膜
7… 電子線減速層
まず、本発明のレジスト材料について説明する。本発明のレジスト材料は、化学量論的に不完全な金属化合物を有するレジスト材料である。本発明において「化学量論的に不完全な金属化合物」とは、金属元素と、上記金属元素に結合する非金属元素との組成割合が化学量論的に一致していない化合物と定義する。逆に、金属元素と非金属元素との組成割合が化学量論的に一致する金属化合物を「化学量論的に完全な金属化合物」と定義する。
まず、本発明の第一態様のレジスト材料について説明する。本態様のレジスト材料は、金属化合物を有するレジスト材料であって、上記金属化合物を構成する金属元素が、第14族または第15族の金属元素であり、かつ、上記金属化合物が化学量論的に不完全な化合物であることを特徴とするものである。
次に、本発明の第二態様のレジスト材料について説明する。本態様のレジスト材料は、金属化合物を有するレジスト材料であって、上記金属化合物が金属窒化物であり、かつ、上記金属化合物が化学量論的に不完全な化合物であることを特徴とするものである。
次に、本発明のレジスト基板について説明する。本発明のレジスト基板は、基板と、上記基板上に形成され、上述したレジスト材料を用いてなるレジスト膜と、を有することを特徴とするものである。
次に、本発明の電子線記録用レジスト材料について説明する。本発明の電子線記録用レジスト材料は、電子線記録用に用いられるものであって、金属化合物の種類によって以下の二態様に大別することができる。すなわち、上記金属化合物を構成する金属元素が、第14族または第15族の金属元素であることを特徴とする態様(第三態様)、および上記金属化合物が金属窒化物であることを特徴とする態様(第四態様)である。以下、上記の二態様について詳細に説明する。
まず、本発明の第三態様の電子線記録用レジスト材料について説明する。本態様の電子線記録用レジスト材料は、金属化合物を有する電子線記録用レジスト材料であって、上記金属化合物を構成する金属元素が、第14族または第15族の金属元素であることを特徴とするものである。
次に、本発明の第四態様の電子線記録レジスト材料について説明する。本態様の電子線記録用レジスト材料は、金属化合物を有する電子線記録用レジスト材料であって、上記金属化合物が、金属窒化物であることを特徴とするものである。
次に、本発明の電子線記録用レジスト基板について説明する。基板と、上記基板上に形成され、上述した電子線記録用レジスト材料を用いてなる電子線記録用レジスト膜と、を有することを特徴とするものである。
次に、本発明のパターン形成体の製造方法について説明する。本発明のパターン形成体の製造方法は、上述したレジスト材料を用いてなるレジスト膜、または上述した電子線記録用レジスト材料を用いてなる電子線記録用レジスト膜を基板上に成膜した後、上記レジスト膜または上記電子線記録用レジスト膜に電子線照射を行うことを特徴とするものである。
本発明のパターン形成体の製造方法の第五態様について説明する。本態様のパターン形成体の製造方法は、上述した電子線記録用レジスト材料を用いてなる電子線記録用レジスト膜を基板上に成膜した後、上記電子線記録用レジスト膜に電子線照射を行うことを特徴とするものである。
本工程は、基板上に上記電子線記録用レジスト材料からなる電子線記録用レジスト膜を形成する工程である。
本工程において、基板上に電子線記録用レジスト膜を設ける方法としては、特に限定されるものではないが、例えば反応スパッタリング法、蒸着法等を挙げることができる。
本工程は、上記電子線記録用レジスト膜に電子線照射を行い、潜像パターンを形成する工程である。本工程においては、上記電子線記録用レジスト材料からなる電子線記録用レジスト膜が電子線照射された際に、所定の閾値以上の温度に加熱された部分のみが状態変化を起こす。そのため、電子線のスポット径よりも小さな微細パターンを形成することができる。
本工程は、上記潜像パターンから凹凸パターンを形成する工程である。本工程においては、上記「A.レジスト材料」に記載したように、所定の閾値以上の温度に加熱された部分(潜像パターン)の結晶構造等は、その他の部分の結晶構造等と異なるものであり、現像液に対する溶解度等が変化する。そのため、潜像パターンに応じた凹凸パターンを形成することができる。
本発明のパターン形成体の製造方法の第六態様について説明する。本態様のパターン形成体の製造方法は、上述したレジスト材料を用いてなるレジスト膜を基板上に成膜した後、上記レジスト膜に電子線照射を行うことを特徴とするものである。
本工程は、基板上に上記レジスト材料からなるレジスト膜を形成する工程である。
本工程において、基板上にレジスト膜を設ける方法としては、特に限定されるものではないが、例えば反応スパッタリング法、蒸着法等を挙げることができる。このような方法については、「A.レジスト材料」に記載した方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様における、露光工程および現像工程については、上記「E.パターン形成体の製造方法 1.第五態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
厚さ1.1mm、直径12cmのポリカーボネート樹脂の基板を使用して、基板の上に厚さ60nmのBi−Ge−Nレジスト膜を、Bi−GeターゲットをArガス70sccmに対してN2ガス20sccmの雰囲気中で反応スパッタリング法によって窒素導入成膜した。レジスト膜についてX線電子分光器:X−ray Photoelectron Spectroscopy(XPS)にて分析を行った結果、原子比率はBi:10atomic%、Bi−N:62atomic%、Ge−N:28atomic%であった。
実施例1におけるアルカリ現像の代わりに、酸現像を行った。Bi−Ge−Nは酸に溶解するので、0.05%の酢酸水溶液を酸現像液として、ウェットエッチング現像を行った。具体的には、エッチングの加速とエッチングが全面で均一に行われるように現像液に浸したまま超音波をかけて19分間エッチングを行った。エッチング後は純水で十分に洗浄し、エアブローにて乾燥させてサンプルを得た。その結果、酸による現像においても図7に示すようにマーク部分が選択的にエッチングされて、レジストとして機能している事が確認された。
厚さ0.38mm、直径3インチのシリコン基板を使用して、基板の上に厚さ20nmのZnS−SiO2膜を蓄熱層としてスパッタリング法によって成膜した後、その上に厚さ400nmのBi−Ge−Nレジスト膜を、Bi−GeターゲットをArガス70sccmに対してN2ガス20sccmの雰囲気中で反応スパッタリング法によって窒素導入成膜した。
厚さ0.38mm、直径3インチのシリコン基板を使用して、基板の上に厚さ400nmのZnS−SiO2膜を蓄熱層としてスパッタリング法によって成膜した後、その上に厚さ200nmのBi−Oレジスト膜を、BiターゲットをArガス80sccmに対してO2ガス10sccmの雰囲気中で反応スパッタリング法によって酸素導入成膜した。
実施例4と同様のレジスト基板に対して、上記レジスト膜側から、加速電圧50keV、ビーム電流900nA、ビーム径が約100nmの電子線を用いて、線速度1.0m/sで、ピッチ幅0.32μmのラインパターンを記録した。
Claims (3)
- 基板と、前記基板上に形成され、レジスト材料を用いてなるレジスト膜と、を有するレジスト基板であって、
前記レジスト材料が、金属化合物を有し、前記金属化合物を構成する金属元素が、第14族または第15族の金属元素であり、前記金属化合物が金属酸化物であり、前記金属化合物が化学量論的に不完全な化合物であり、前記金属化合物をM1−XOX(Mは金属元素、Oは酸素元素、Xは金属化合物中のOの組成割合)とし、化学量論組成比となるXを100%とした場合に、前記金属化合物でのXが75%〜95%の範囲内であり、
前記基板が金属基板であり、かつ、前記金属基板および前記レジスト膜の間に、蓄熱層が形成され、
前記レジスト膜上に電子線減速層が形成されていることを特徴とするレジスト基板。 - 前記金属化合物を構成する金属元素がBiであることを特徴とする請求項1に記載のレジスト基板。
- 金属化合物を有し、前記金属化合物を構成する金属元素が、第14族または第15族の金属元素であり、前記金属化合物が金属酸化物であり、前記金属化合物が化学量論的に不完全な化合物であり、前記金属化合物をM1−XOX(Mは金属元素、Oは酸素元素、Xは金属化合物中のOの組成割合)とし、化学量論組成比となるXを100%とした場合に、前記金属化合物でのXが75%〜95%の範囲内であるレジスト材料を用いてなるレジスト膜を、基板上に形成された蓄熱層上に成膜した後、前記レジスト膜に電子線照射を行うことを特徴とするパターン形成体の製造方法。
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