JP2007172724A - スタンパの製造方法 - Google Patents

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Toyohito Asanuma
豊人 浅沼
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Abstract

【課題】精度の良い矩形状の凹凸部を有するスタンパの製造方法を提供する。
【解決手段】基板1上に自己組織化単分子膜2、熱感応性無機物質膜3を順次積層した後、露光及びアルカリ溶液を用いて現像を行って熱感応性無機物質膜3に開口部4を形成し、次に、熱感応性無機物質膜3上から真空紫外線を照射した後、現像を行って開口部4から露出した自己組織化単分子膜2に凹部5を形成し、次に、電鋳法によりニッケルを電鋳してスタンパ6を作製する際、熱感応性無機物質膜3は、酸化テルルと酸化モリブデンの混合物からなり、酸化テルルと酸化モリブデンの合計量に対する酸化モリブデンの割合は20〜30%、アルカリ溶液中の水素イオン濃度は、8〜9かつ真空紫外線の照射エネルギーは500mJ〜800mJである。
【選択図】図1

Description

本発明は、精度の良いスタンパを作製するスタンパの製造方法に関する。
一般に、オーディオやコンピュータ等の記録媒体として用いられる光ディスクは、レンズの高開口度、レーザ光の短波長化等により高密度化が行われている。
高密度化された光ディスクは、例えば、直径が12cmで、厚さ1.1mmの基板上にトラックピッチが0.32μm、最短記録ピット0.16μmで22GB〜27GBの記録容量を有している。このような光ディスクを得るためには、精度の良く作製されたスタンパが必要である。
このようなスタンパの製造方法が特許文献1に記載されている。
即ち、特許文献1には、基板上にMoO3の不完全酸化物を含むフォトレジストを塗布した後、レーザ光を用いた露光及びアルカリ溶液を用いた現像を行って所定の凹凸パターンを形成してガラス原盤を作製する。次に、電鋳法によって、凹凸パターン上に金属ニッケル膜を析出させた後、フォトレジストパターンから剥離して凹凸パターンが形成されたスタンパを作製する。
特開2004−152465号公報
しかしながら、不完全酸化物を含むフォトレジストは、露光する際のレーザ光に対する感度が悪く、またアルカリ溶液に溶けにくいため精度良い矩形状の凹凸パターンを得ることができなかった。この対策として、基板とフォトレジストとの間に熱伝導率の小さい中間層或いは選択エッチング性を有する中間層を設けることが考えれるが、レーザ光に対する感度を改良することができるものの、現像時に凹凸パターンの形が崩れるといった問題を生じる。
そこで、本発明は、前述の課題に鑑みて提案されるものであって、精度の良い矩形状の凹凸部を有するスタンパの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基板上に自己組織化単分子膜、熱感応性無機物質膜を順次積層した後、露光及びアルカリ溶液を用いて現像を行って前記熱感応性無機物質膜に開口部を形成し、次に、前記熱感応性無機物質膜上から真空紫外線を照射した後、現像を行って前記開口部から露出した前記自己組織化単分子膜に凹部を形成し、次に、電鋳法によりニッケルを電鋳して作製するスタンパの製造方法において、前記熱感応性無機物質膜は、酸化テルルと酸化モリブデンの混合物からなり、前記酸化テルルと前記酸化モリブデンの合計量に対する前記酸化モリブデンのモル比は百分率で20〜30%、前記アルカリ溶液中の水素イオン濃度は、8〜9かつ前記真空紫外線の照射エネルギーは500mJ〜800mJであることを特徴とするスタンパの製造方法を提供する。
本発明によれば、熱感応性無機物質膜は、酸化テルルと酸化モリブデンの混合物からなり、酸化テルルと酸化モリブデンの合計モルに対する酸化モリブデンのモル比は百分率で20〜30%、前記アルカリ溶液中の水素イオン濃度は、8〜9かつ前記真空紫外線の照射エネルギーは500mJ〜800mJであるので、精度の良い矩形状の凹凸部を有するスタンパを作製することができる。
以下、本発明に係るスタンパの製造方法の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るスタンパの製造方法を示し、(A)は、(積層工程)を示す断面図、(B)は、(第1露光現像工程)を示す断面図、(C)は、(第2露光現像工程)を示す断面図、(D)は、(スタンパ作製工程)を示す断面図である。図2は、酸化モリブデン/(酸化テルル+酸化モリブデン)との関係を示す図である。図3は、エッチング率とアルカリ溶液中の水素イオン濃度との関係を示す図である。図4は、エッチング率と真空紫外線の照射エネルギーとの関係を示す図である。
(積層工程)
図1(A)に示すように、スピンコート法により、光学研磨を施したガラス基板1上にシラン系化合物(Tetoramethylsilane)を塗布し、70〜80℃の温度で30分間乾燥させて、厚さ2nmの自己組織化単分子膜2を形成する。この際、ガラス基板1の回転数は、500rpmである。
次に、この自己組織化単分子膜2上に酸化テルルと酸化モリブデンが所定割合いで混合された熱感応性無機物質膜3を積層する。
(第1露光現像工程)
次に、図1(B)に示すように、線速3.0m/s、単一周波数3.8MHz、波長405nmのレーザ光を用いて露光を行った後、所定濃度の水素イオン濃度のアルカリ溶液を用いて、60秒間の現像を行って熱感応性無機物質膜3に開口部4を形成する。
(第2露光現像工程)
次に、図1(C)に示すように、所定照射エネルギーの真空紫外線を熱感応性無機物資膜3上から照射して露光を行った後、水を用いて現像を行って自己組織化単分子膜2に凹部5を形成する。
(スタンパ作製工程)
次に、図1(D)に示すように、熱感応性無機物質3上に導電化処理を施した後、電鋳法によりニッケル電鋳を行って、凹凸部6A、6Bを有するスタンパ6を作製する。
ここで、熱感応性無機物質膜3を露光現像した部分の膜残りがあると、スタンパ6の凹凸部6A、6Bが精度良く矩形状に形成されないので、酸化テルルに対する酸化モリブデンの比、アルカリ溶液の水素イオン濃度及び真空紫外線の照射エネルギーを変化させて、熱感応性無機物質膜3を露光現像した部分の膜残りとの関係について調べた。
図2〜図4中、エッチング率とは、(現像前の熱感応性無機物質の厚さ−現像されないで残った熱感応性無機物質の厚さ)/(現像前の熱感応性無機物質)×100%の厚さを言う。
熱感応性無機物質膜3全体の厚さ及び残存した熱感応性無機物質膜3の厚さは、原子間力顕微鏡を用いて測定した。
(エッチング率と酸化モリブデン/(酸化テルル+酸化モリブデン)との関係)
この際、アルカリ溶液中の水素イオン濃度は、8〜9であり、真空紫外線の照射エネルギーは、500〜800mJである。
図2に示すように、酸化モリブデン/(酸化テルル+酸化モリブデン)のモル比が20〜30%の時、エッチング率は、100%となり、それ以外では0である。即ち、熱感応性無機物質膜3は、酸化テルルと酸化モリブデンの合計モルに対する酸化モリブデンのモル比が百分率で20〜30%の時、現像残りがなく最適であり、それ以外では現像されずにそのままの厚さで残るので不適であることがわかる。
(エッチング率とアルカリ溶液中の水素イオン濃度との関係)
この際、酸化テルルに対する酸化モリブデンの比は20〜30%であり、真空紫外線の照射エネルギーは、500〜800mJである。
図3に示すように、水素イオン濃度が8〜11の時、エッチング率は、100%となるが、10以上の時は露光しない熱感応性無機物質膜3も溶解してしまうので、8〜9が最適である。
(エッチング率と真空紫外線の照射エネルギーとの関係)
この際、酸化テルルに対する酸化モリブデンの比は20〜30%であり、アルカリ溶液中の水素イオン濃度は、8〜9である。
図4に示すように、真空紫外線の照射エネルギーが500mJ以上では、100%となる。しかし、800mJを超えると熱感応性無機物質膜3が剥がれるといった問題を生じる。
このため、真空紫外線の照射エネルギーは、500mJ〜800mJが最適である。
以上のように、酸化テルルと酸化モリブデンの合計モルに対する酸化モリブデンのモル比が百分率で20〜30%の熱感応性無機物質膜3に対して、現像する際のアルカリ溶液中の水素イオン濃度を8〜9、熱感応性無機物質膜3の開口部4から露出した自己組織化単分子膜2を500mJ〜800mJの照射エネルギーの真空紫外線を用いて照射することにより、精度の良い矩形状の凹凸部6A、6Bを有するスタンパ6を作製することができる。
本発明に係るスタンパの製造方法を示す図である。 エッチング率と酸化モリブデン/(酸化テルル+酸化モリブデン)との関係を示す図である。 エッチング率とアルカリ溶液中の水素イオン濃度との関係を示す図である。 エッチング率と真空紫外線の照射エネルギーとの関係を示す図である。
符号の説明
1…ガラス基板、2…自己組織化単分子膜、3…熱感応性無機物質膜、4…開口部、5…凹部、6…スタンパ、6A、6B…凹凸部

Claims (1)

  1. 基板上に自己組織化単分子膜、熱感応性無機物質膜を順次積層した後、露光及びアルカリ溶液を用いて現像を行って前記熱感応性無機物質膜に開口部を形成し、次に、前記熱感応性無機物質膜上から真空紫外線を照射した後、現像を行って前記開口部から露出した前記自己組織化単分子膜に凹部を形成し、次に、電鋳法によりニッケルを電鋳して作製するスタンパの製造方法において、
    前記熱感応性無機物質膜は、酸化テルルと酸化モリブデンの混合物からなり、前記酸化テルルと前記酸化モリブデンの合計モルに対する前記酸化モリブデンのモル比は百分率表示で20〜30%、前記アルカリ溶液中の水素イオン濃度は、8〜9かつ前記真空紫外線の照射エネルギーは500mJ〜800mJであることを特徴とするスタンパの製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016522979A (ja) * 2013-03-14 2016-08-04 東京エレクトロン株式会社 誘導自己組織化用途における中立層オーバーコートのトポグラフィの最小化

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