本実施の形態においては、基材11は、消衰係数Xが波長300nm以上700nm以下の範囲において0.5以上10以下であれば、平板形状でもスリーブ形状でも構わない。
また、本実施の形態に係る積層構造体においては、光吸収層12の効果を十分に発揮する観点から、基材11の消衰係数Xが0.5以上10以下である。基材11のXが0.5より大きくなると、レジスト層14、エッチング層13、光吸収層12を順に通過してきた光が基材11表面で反射し始めるため光吸収層12の効果が奏するようになる。基材11の消衰係数Xは、1以上10以下がより光吸収層12の効果を奏することができ、更に基材11の消衰係数Xが、2以上10以下がより光吸収層12の効果を奏しやすい。
具体的な基材11の材料としてはAl、Fe、Cr、Ti、Niなどの金属単独又はこれら金属を主とする合金が好適である。主とするとは30wt.%以上、上記金属のうち少なくとも1つが含まれることを意味する。またPMMA(ポリメタクリル酸メチル)やPC(ポリカーボネート)などの樹脂やガラスの上に金属又は合金をメッキ法、スパッタ法などにより形成した基材11も含まれる。
光吸収層12は消衰係数Yを有しており、消衰係数Yは0よりも大きく、基材11の消衰係数Xよりも小さいことが好ましい。消衰係数Yが0の場合、光を全く吸収できないため光吸収層12としての機能は発現しない。また消衰係数Yが消衰係数Xよりも大きい場合、エッチング層13と光吸収層12の界面での反射が大きくなり、光吸収層12としての機能は発現しない。このように、光吸収層12の消衰係数Yを0より大きく、消衰係数Xより小さい範囲にすることにより、さらに、積層構造体の内部からのレジスト層14への反射光を低減できるので、レジスト層14の熱分布をより一定に近くすることができる。
光吸収層12は、膜厚5nm以上100nm以下の薄膜であることが好ましい。光吸収層12膜厚が薄すぎる場合、レジスト層14を透過した光をほとんど吸収することができず反射率バラツキを小さくできない。また厚すぎた場合、光吸収層12での反射が大きくなりこの場合も反射率バラツキが大きくなる。光吸収層12の成膜は、スパッタリング、蒸着、CVDなどの各種気相成膜方法が膜厚の正確な制御および均一性のために好ましい。
また、光吸収層12として用いることが可能な材料としては、化学量論組成からずれたAl、Bi、Cr、Cu、Fe、Mg、Ni、Sb、Si、Sn、Ta、Ti、Vの不完全酸化物を挙げることができる。これらの不完全酸化物の酸化度は20%以上80%以下でなければあることが好ましく、完全酸化物の酸化度は25%以上75%以下がより好ましく、不完全酸化物の酸化度は30%以上70%以下が更に好ましい。材料としては特にAl、Niの不完全酸化物が好ましく、酸化度は35%以上65%以下が更に好ましい。
さらに、光吸収層12としては、Alの不完全窒化物を含んだ光吸収層12も使用することが可能である。Alの不完全窒化物の窒化度は20%以上80%以下であることが好ましく、不完全窒化物の窒化度は30%以上70%以下がより好ましく、不完全窒化物の窒化度は40%以上60%以下が更に好ましい。
また、Znの不完全硫化物を含んだ光吸収層12も使用することが可能である。Znの不完全硫化物の硫化度は20%以上80%以下であることが好ましく不完全硫化物の硫化度は30%以上70%以下がより好ましく、不完全硫化物の硫化度は40%以上60%以下が更に好ましい。
さらに、光吸収層12としては、ZnS中に、Pt、Pd、Mo、CrまたはWの直径1nm以上1μm以下の微粒子が添加された混合物を含んだものを用いることが好ましい。これらの一例としては、体積分率で、Pt微粒子を10%以上25%以下含んだ材料、Pd微粒子を10%以上20%以下含んだ材料、Mo微粒子を25%以上40%以下含んだ材料、Cr微粒子を10%以上20%以下含んだ材料、W微粒子を30%以上55%以下含んだ材料などを挙げることができる。
光吸収層12に用いられる微粒子が添加された材料としては、金属微粒子の大きさは1nm以上1μm以下が好ましい。金属微粒子の大きさが1μmより大きい場合、光と相互作用することができず適切な消衰係数Yの材料は得られない。金属微粒子の大きさは1nm以上500nm以下がより好ましい。更に1nm以上100nm以下がより好ましい。
エッチング層13の膜厚は、作製する形状、特に微細構造体の高さに応じて調整することができる。エッチング層13の膜厚は50nm以上500nm以下の範囲が特に好ましい。エッチング層13においても成膜はスパッタリング、蒸着、CVDなどの各種気相成膜方法が膜厚の正確な制御および均一性のために好ましい。
本実施の形態に係る積層構造体に用いられるエッチング層13は、フロン系ガスのドライエッチングで容易にエッチングされる材料であれば特に制限はなく、例えばSi、Ge、Te、P及びそれらの酸化物、窒化物、硫化物等が挙げられ、特に成膜の容易性、経時安定性、強度、コスト等の観点から、SiO2、Si、Si3N4が好ましく、さらに好ましくはSiO2である。
本発明に用いられるレジスト層14は、熱反応型レジストを含んだレジスト層14であることが好ましい。一般に使用される光反応型レジストは、レーザー光のスポットサイズの大きさより小さな領域を露光することができないのに対して、熱反応型レジストはレーザー光のスポットサイズよりも小さな微細パターンを露光することが可能である。
レジスト層14の膜厚は、10nm以上100nm以下の薄膜であることが好ましい。薄すぎた場合十分なドライエッチング耐性を付与することができない。また厚すぎると露光に非常に高いレーザーパワーの投入が必要となり実用的でない。レジスト層14としては無機レジスト材料を用いることが好ましく、成膜方法はスパッタリング、蒸着、CVDなどの各種気相成膜方法が膜厚の正確な制御および均一性のために好ましい。
このように、本実施の一実施の形態に係る積層構造体は、波長300nm以上700nm以下の範囲における消衰係数Xが0.5以上10以下である基材11と、その上に光吸収層12、エッチング層13、レジスト層14が順に積層された積層構造体である。この積層構造体を用いることにより、レジスト層14を通過した後、消衰係数Xを有する基材11からの反射光の影響を光吸収層12で緩和し、レジスト層14で吸収される光を均一にすることができる。
次に、上述した積層構造体にレーザーを連続発光させて連続した線状に露光を行う場合について説明する。まず、上述した積層構造体に、光吸収層12がない場合について説明する。この場合、レーザー光を集光し焦点をレジスト層14に合わせた状態で入射された光は、レジスト層14を通過する過程でレジスト層14の光学定数により決定される吸収率分光を吸収する。レジスト層14を通過した光はエッチング層13を通過し、消衰係数Xを有する基材11表面で反射される。反射された光は、再度エッチング層13を通過した後レジスト層14に到達する。このときエッチング層13の膜厚がレーザー光の波長に対して数分の一から数十倍の場合、エッチング層13表面で反射した光と、基材11表面で反射した光とが干渉を起こし、僅かなエッチング層13の膜厚ムラで大きく光学的特性が変化する。光学的特性の大きな変化はレジスト層14に再入射する光の強度に強く影響し、レジスト層14での光の吸収量を著しく変化させる。この結果、エッチング層13の膜厚の僅かな変化によりレジスト層14の露光幅が大きく変化することになり、微細な形状の露光は不可能となる。
このように、光吸収層12を用いない場合、具体的には金属基材11、透明なエッチング層13、レジスト層14を記載した順に積層した構造体において、エッチング層13の膜厚のバラツキがレジスト層14の吸収率に大きく影響し、エッチング層14の膜厚分布に応じたレジスト層14の吸収率分布と成り、その結果、溝幅が大きくバラつくことになる。このように、本実施の形態に係る積層構造体においては、吸収率と反射率とは非常に良い負の相関を持っており、反射率が高い時は吸収率が低く、逆に反射率が低い時は吸収率が高い。従って吸収率の不均一性は反射率の不均一性を観察することで確認できる。吸収率が場所によって大きく変化している場合、位置により温度上昇が変化してしまうため作製する溝などの形状のバラツキ要因となる。
これに対し、本実施の形態に係る積層構造体においては、消衰係数Xを有する基材11とエッチング層13との間に適切な光吸収層12を設けることでエッチング層13を通過してきた光は、基材11の消衰係数Xに応じて基材11に吸収されると共に、光吸収層12内を往復する間に光吸収層12にも吸収される。このため、積層構造体内からの反射光がほぼ吸収され、エッチング層13での反射光と干渉することはない。従ってエッチング層13の膜厚が多少ばらついたとしても、レジスト層14で吸収される光の量は一定になり、その結果、均一で微細な露光幅を達成することが可能となる。
このように、本実施の形態に係る積層構造体においては、例えば、特定の消衰係数Xを有する金属などの基材11を用いると共に、透明なエッチング層13との間に適切な光学定数(消衰係数Y)を有する材料からなる光吸収層12を挿入することにより、レジスト層14を透過した光のほとんどが光吸収層12に吸収される。このため、レジスト層14での光吸収率は、初めに入射された光の吸収分だけになり、エッチング層13の膜厚分布のレジスト層14の吸収率に対する影響は、非常に小さくすることができる。このため作製する溝などの形状を位置に依らず均一にすることができる。
次に、本実施の形態に係る微細パターン積層構造体の製造方法について説明する。本実施の形態に係る微細パターン積層構造体の製造方法は、基材11、光吸収層12、エッチング層13、レジスト層14を順に積層して得られる積層構造体に対して、レジスト層14をレンズにより集光したレーザー照射することで露光する工程と、レジスト層14の露光部と未露光部の溶解性の差により現像を行う工程と、現像によりパターン化された熱反応型レジスト層14をマスクとしてエッチング層13をエッチングして微細パターン積層構造体をえる工程と、を含む製造工程により製造される。また必要に応じてエッチング工程後にレジスト層14を除去する工程を行っても良い。エッチング工程後にレジスト層14を除去することにより、転写時にレジスト層の剥離がなくなり、安定した転写を行なうことができる。
本実施の形態に係る微細パターン積層構造体は、例えば、図2に示す装置を用いて製造方法できる。図2に示す装置は、円柱形状のスリーブ及びスリーブの両端面に取り付けられる円柱形のシャフトを備えるロール形状スリーブ21と、ロール形状スリーブ21のシャフトの一端に接続され、スリーブ21を円周方向に回転させるスピンドルモーター22と、を備える。図2に示す例では、ロール形状モールドのシャフトの片側をスピンドルモーター22に固定しているが、片側を固定するのではなく両端を2台のスピンドルモーター22に固定しても構わない。この場合、2台のスピンドルモーター22が回転する機構を有している必要はなく、片側のみ駆動することも可能である。また円柱状のスリーブ21とスピンドルモーター22は円柱状のシャフトで結合されている必要はなく、スピンドルモーター22に備えられたセンターピンで円柱状のスリーブ21を固定しても良い。
この装置を用いて微細パターン積層構造体を製造する場合、露光を行う必要がある。スピンドルモーター22によりスリーブ21を回転させながら、レーザーダイオード24から出射された光を対物レンズ25により集光したレーザー光26を、本実施の形態に係る積層構造体23表面に焦点を合わせて照射する。
レーザー光26は固体レーザー、ガスレーザー、半導体レーザーなどから自由に選択することができる。特に半導体レーザーは非常に小型であるため、装置の小型化を図ることができ好適である。対物レンズ25での集光は、光ディスクドライブと同様に反射光の強度分布から自動的に対物レンズ25の位置を前後させてフォーカスをかけることで達成可能である。レーザー光26を照射されたレジスト層14はその光を吸収して昇温し、形状や結晶性、組成などの化学的、物理的な変化を生じる。
現像には、酸及び又はアルカリ溶液を用いることができる。酸溶液として、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、酢酸、シュウ酸、フッ酸などを、アルカリ溶液として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)などの一般的な溶液を単独又は混合溶液として用いることができる。また、現像液中に過酸化水素や過酸化マンガンなどの電位調整剤などを加えることも可能である。さらに、現像液中に界面活性剤などを添加して現像性を向上させることも可能である。また、レジスト材料によっては、まず酸現像液で現像した後に、アルカリ現像液で現像して目的の現像を達成するなどの方法を採用してもよい。
エッチングはウェットエッチングよりもドライエッチングの方が好ましい。一般にウェットエッチングは等方的にエッチングするのに対して、ドライエッチングは異方的なエッチングが可能であり、レジストによって形成された微細パターンをエッチング層13に忠実に反映させることが可能である。
ドライエッチング処理する工程に用いられる装置は、真空中でフロン系ガスが導入でき、プラズマが形成でき、エッチング処理ができるものであれば特に制限はないが、市販のドライエッチング装置、RIE装置、ICP装置などを用いることができる。ドライエッチング処理を行うガス種、時間、電力などは、レジスト材料の種類、エッチング層13の種類、エッチング層13の厚み、エッチング層13のエッチングレートなどによって適宜決定しうる。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明者らは、以下の実施例1〜実施例27において、基材11の材料として、各種金属、光吸収層12の材料として、各種金属酸化物、窒化物、硫化物、SiO2−金属微粒子添加物、ZnS−金属微粒子添加物を用いて積層構造体を形成し、それぞれの反射率最大値(%)、反射率最小値(%)及び反射率差(%)を調べた。各材料の物性値及び反射率測定値を表1に示す。また、実施例28〜実施例30では、実施例1〜実施例3で形成した積層構造体に対し、露光、現像して微細パターン積層構造体を作製し、その微細パターンの溝幅を測定した。結果を表2に示す。
また、本発明者らは、以下の比較例1〜比較例3において、光吸収層12を形成しない場合(比較例1)、光吸収層12に非酸化物を用いた場合(比較例2)、完全酸化物(NiO)を用いた場合(比較例3)の積層構造体について、実施例1〜実施例27と同様に、反射率最大値(%)、反射率最小値(%)及び反射率差(%)を調べた。各条件での物性値及び反射率測定値を表1に示す。また、比較例4〜比較例6では、比較例1〜比較例3で形成した積層構造体に対し、露光、現像した微細パターン積層構造体を作製し、その微細パターンの溝幅を測定した。結果を表2に示す。
本発明者らが上述した実施例1〜実施例30及び比較例1〜比較例6について調べた結果、実施例1〜実施例27に係る積層構造体は、比較例1〜比較例3で作製した積層構造体と比較して大幅に反射率差を低減できることが分かった。また、実施例1〜実施例3に係る積層構造体を現像した実施例28〜実施例30に係る微細パターン積層構造体は、比較例1〜比較例3で作製した積層構造体を現像した比較例4〜比較例6に係る積層構造体と比較して精度が高い微細パターンを形成できることが分かった。以下、本発明者らが調べた内容について詳細に説明する。
[実施例1]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてCuOを40nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズはN.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が20.3%、最大値が28.4%とその差は8.1%と非常に小さいことが確認された。
[実施例2]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてCu2Oを25nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が21.5%、最大値が27.0%とその差は5.5%と非常に小さいことが確認された。
[実施例3]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてFe2O3を30nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が20.0%、最大値が28.9%とその差は8.9%と非常に小さいことが確認された。
[実施例4]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてFe3O4を40nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が20.0%、最大値が28.9%とその差は8.9%と非常に小さいことが確認された。
[実施例5]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてAlの不完全酸化物(酸化度50%)を80nm狙いで成膜した。成膜はAlターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が30.6%、最大値が37.2%とその差は6.6%と非常に小さいことが確認された。
[実施例6]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてBiの不完全酸化物(酸化度50%)を80nm狙いで成膜した。成膜はBiターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が22.3%、最大値が26.2%とその差は3.9%と非常に小さいことが確認された。
[実施例7]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてCrの不完全酸化物(酸化度50%)を40nm狙いで成膜した。成膜はCrターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が32.3%、最大値が35.5%とその差は3.2%と非常に小さいことが確認された。
[実施例8]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてCuの不完全酸化物(酸化度60%)を45nm狙いで成膜した。成膜はCuターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が20.9%、最大値が27.7%とその差は6.8%と非常に小さいことが確認された。
[実施例9]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてFeの不完全酸化物(酸化度40%)を28nm狙いで成膜した。成膜はFeターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が19.8%、最大値が29.1%とその差は9.3%と非常に小さいことが確認された。
[実施例10]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてMgの不完全酸化物(酸化度50%)を80nm狙いで成膜した。成膜はMgターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が22.6%、最大値が25.8%とその差は3.2%と非常に小さいことが確認された。
[実施例11]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてNiの不完全酸化物(酸化度50%)を40nm狙いで成膜した。成膜はNiターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が29.8%、最大値が38.1%とその差は8.3%と非常に小さいことが確認された。
[実施例12]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてSiの不完全酸化物(酸化度60%)を80nm狙いで成膜した。成膜はSiターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が20.0%、最大値が28.8%とその差は8.8%と非常に小さいことが確認された。
[実施例13]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてSnの不完全酸化物(酸化度50%)を45nm狙いで成膜した。成膜はSnターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が21.7%、最大値が26.8%とその差は5.1%と非常に小さいことが確認された。
[実施例14]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてTaの不完全酸化物(酸化度50%)を45nm狙いで成膜した。成膜はTaターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が20.1%、最大値が29.8%とその差は9.7%と非常に小さいことが確認された。
[実施例15]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてTiの不完全酸化物(酸化度50%)を40nm狙いで成膜した。成膜はTiターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が21.7%、最大値が26.9%とその差は5.2%と非常に小さいことが確認された。
[実施例16]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてVの不完全酸化物(酸化度50%)を40nm狙いで成膜した。成膜はVターゲットを用いスパッタ中に酸素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が21.3%、最大値が27.3%とその差は6.0%と非常に小さいことが確認された。
[実施例17]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてAlの不完全窒化物(窒化度50%)を60nm狙いで成膜した。成膜はAlターゲットを用いスパッタ中に窒素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が32.2%、最大値が35.5%とその差は3.3%と非常に小さいことが確認された。
[実施例18]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてZnの不完全硫化物(硫化度50%)を50nm狙いで成膜した。成膜はZnSとZnの混合ターゲットを用いスパッタした。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が30.1%、最大値が37.7%とその差は7.6%と非常に小さいことが確認された。
[実施例19]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてSiO2中にPtを体積分率で32vol.%添加した薄膜を40nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光はロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が29.8%、最大値が38.1%とその差は8.3%と非常に小さいことが確認された。
[実施例20]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてSiO2中にPdを体積分率で28vol.%添加した薄膜を40nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が31.2%、最大値が38.3%とその差は7.1%と非常に小さいことが確認された。
[実施例21]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてZnS中にPtを体積分率で18vol.%添加した薄膜を35nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が23.7%、最大値が24.6%とその差は0.9%と非常に小さいことが確認された。
[実施例22]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてZnS中にPdを体積分率で15vol.%添加した薄膜を40nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が20.8%、最大値が27.8%とその差は7.0%と非常に小さいことが確認された。
[実施例23]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてZnS中にMoを体積分率で32vol.%添加した薄膜を25nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が23.0%、最大値が25.5%とその差は2.5%と非常に小さいことが確認された。
[実施例24]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてZnS中にCrを体積分率で15vol.%添加した薄膜を30nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が22.1%、最大値が26.4%とその差は4.3%と非常に小さいことが確認された。
[実施例25]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてZnS中にWを体積分率で40vol.%添加した薄膜を25nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時はモーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が20.8%、最大値が27.8%とその差は7.0%と非常に小さいことが確認された。
[実施例26]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmの銀の円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてCuOを25nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が22.3%、最大値が26.2%とその差は3.9%と非常に小さいことが確認された。
[実施例27]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのチタニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてAlの不完全窒化物(窒化度50%)を70nm狙いで成膜した。成膜はAlターゲットを用いスパッタ中に窒素をごく微量添加した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザーとしては、波長405nmの半導体レーザーを用い測定を行った。高精度Xステージはロールと平行に設置される。半導体レーザー加工ヘッドは、高精度Xステージ上に固定される。半導体レーザー加工ヘッドの対物レンズは、N.A.=0.85でスポットサイズはおよそ430nmである。ロールに照射されたレーザー光は、ロール表面で反射された後受光部で電圧値として測定される。測定された電圧値は換算表を用い反射率に換算することができる。
ロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が23.0%、最大値が25.4%とその差は2.4%と非常に小さいことが確認された。
[実施例28]
実施例1の積層構造を有するロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロールへの露光を試みた。レーザー光の波長などは実施例1と同じである。
熱反応型レジストへの露光時は、ロールの回転数を1670r.p.m.(線速度7m/sec.)とした。またロールが1周する間にXステージは500nm移動し連続的にピッチ500nmの線が露光される。
光吸収層12、エッチング層13、熱反応型レジスト層14を形成したロールに500nmピッチの連続的な線の露光を実施した。連続発光で露光パワーは8.0mWで行った。その後シュウ酸アンモニウム0.3wt.%溶液に5分程度浸し現像を行った。最後に蒸留水で十分に洗浄し熱反応型レジスト層14に溝を形成した。原子間力顕微鏡(AFM)で形成された溝幅を測定したところ150nm±4%とばらつきが非常に小さく均一な露光が行われていることが確認された。
[実施例29]
実施例2の積層構造を有するロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロールへの露光を試みた。レーザー光の波長などは実施例1と同じである。
熱反応型レジストへの露光時は、ロールの回転数を1670r.p.m.(線速度7m/sec.)とした。またロールが1周する間にXステージは500nm移動し連続的にピッチ500nmの線が露光される。
光吸収層12、エッチング層13、熱反応型レジスト層14を形成したロールに500nmピッチの連続的な線の露光を実施した。連続発光で露光パワーは8.0mWで行った。その後シュウ酸アンモニウム0.3wt.%溶液に5分程度浸し現像を行った。最後に蒸留水で十分に洗浄し熱反応型レジスト層14に溝を形成した。原子間力顕微鏡(AFM)で形成された溝幅を測定したところ150nm±4.5%とばらつきが非常に小さく均一な露光が行われていることが確認された。
[実施例30]
実施例3の積層構造を有するロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロールへの露光を試みた。レーザー光の波長などは実施例1と同じである。
熱反応型レジストへの露光時は、ロールの回転数を1670r.p.m.(線速度7m/sec.)とした。またロールが1周する間にXステージは500nm移動し連続的にピッチ500nmの線が露光される。
光吸収層12、エッチング層13、熱反応型レジスト層14を形成したロールに500nmピッチの連続的な線の露光を実施した。連続発光で露光パワーは8.0mWで行った。その後シュウ酸アンモニウム0.3wt.%溶液に5分程度浸し現像を行った。最後に蒸留水で十分に洗浄し熱反応型レジスト層14に溝を形成した。原子間力顕微鏡(AFM)で形成された溝幅を測定したところ150nm±4.5%とばらつきが非常に小さく均一な露光が行われていることが確認された。
[比較例1]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用いエッチング層13としてSiO2を300nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は300nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザー光の波長等は実施例1と同じである。
300nm±25%のエッチング層13膜厚分布を有したロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が6.1%、最大値が79.3%とその差は73.2%と非常に大きいことが確認された。
[比較例2]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてCを40nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザー光の波長等は実施例1と同じである。
275nm±25%のエッチング層13膜厚分布を有したロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が13.8%、最大値が37.5%とその差は23.7%と非常に大きいことが確認された。
[比較例3]
長さ50mm、70mmφのSUS304のスリーブに、厚さ5mmのアルミニウムの円筒を、はめ込み固定した。スリーブの片端面にはスリーブの中心線と一致するように長さ50mm、30mmφのシャフトが取り付けられている。
上記のスリーブとシャフトからなるロールに、スパッタ法を用い光吸収層12としてNiOを40nm狙いで成膜した。次にエッチング層13としてSiO2を275nm狙いで成膜した。このときロールを回転するモーターの中心軸とロールの中心軸を傾けてセッティングし膜厚ムラを意図的につけた。この結果、膜厚は275nm±30%の分布を持たせることができた。更にその上をCuOからなる熱反応型レジスト層14を20nm成膜した。光吸収層12および熱反応型レジスト層14の成膜時は、モーターの中心軸とロールの中心軸を一致させ狙い通りの膜厚で均一に成膜した。
ロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロール1周内の反射率分布を測定した。レーザー光の波長等は実施例1と同じである。
275nm±25%のエッチング層13膜厚分布を有したロールの1周内の反射率を測定したところ、最小値が14.0%、最大値が37.2%とその差は23.2%と非常に大きいことが確認された。
[比較例4]
比較例1の積層構造を有するロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロールへの露光を試みた。レーザー光の波長などは実施例1と同じである。
熱反応型レジストへの露光時はロールの回転数を1670r.p.m.(線速度7m/sec.)とした。またロールが1周する間にXステージは500nm移動し連続的にピッチ500nmの線が露光される。
光吸収層12、エッチング層13、熱反応型レジスト層14を形成したロールに500nmピッチの連続的な線の露光を実施した。連続発光で露光パワーは、8.0mWで行った。その後シュウ酸アンモニウム0.3wt.%溶液に5分程度浸し現像を行った。最後に蒸留水で十分に洗浄し熱反応型レジスト層14に溝を形成した。原子間力顕微鏡(AFM)で形成された溝幅を測定したところ全く溝がないところから溝幅250nmのところまで連続的に変化しておりばらつきが非常に大きいことが確認された。
[比較例5]
比較例2の積層構造を有するロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロールへの露光を試みた。レーザー光の波長などは実施例1と同じである。
熱反応型レジストへの露光時はロールの回転数を1670r.p.m.(線速度7m/sec.)とした。またロールが1周する間にXステージは500nm移動し連続的にピッチ500nmの線が露光される。
光吸収層12、エッチング層13、熱反応型レジスト層14を形成したロールに500nmピッチの連続的な線の露光を実施した。連続発光で露光パワーは8.0mWで行った。その後シュウ酸アンモニウム0.3wt.%溶液に5分程度浸し現像を行った。最後に蒸留水で十分に洗浄し熱反応型レジスト層14に溝を形成した。原子間力顕微鏡(AFM)で形成された溝幅を測定したところ150nm±11.8%とばらつきが非常に大きく不均一な露光が行われていることが確認された。
[比較例6]
比較例3の積層構造を有するロールを図2に示す様な露光装置を用いて回転させながら、ロール表面にフォーカスを合わせ、レーザー光を照射し、ロールへの露光を試みた。レーザー光の波長などは実施例1と同じである。
熱反応型レジストへの露光時はロールの回転数を1670r.p.m.(線速度7m/sec.)とした。またロールが1周する間にXステージは500nm移動し連続的にピッチ500nmの線が露光される。
光吸収層12、エッチング層13、熱反応型レジスト層14を形成したロールに500nmピッチの連続的な線の露光を実施した。連続発光で露光パワーは8.0mWで行った。その後シュウ酸アンモニウム0.3wt.%溶液に5分程度浸し現像を行った。最後に蒸留水で十分に洗浄し熱反応型レジスト層14に溝を形成した。原子間力顕微鏡(AFM)で形成された溝幅を測定したところ150nm±16.5%とばらつきが非常に大きく不均一な露光が行われていることが確認された。
表1に示すように、光吸収層12の材料としてCuO(実施例1)、Cu2O(実施例2)Fe2O3(実施例3)及びFe3O4(実施例4)を用いた場合、金属不完全酸化物、不完全窒化物及び硫化物(実施例5〜実施例18)及びSiO2またはZnSに金属微粒子を添加した場合(実施例19〜実施例25)については、反射率差が小さかった。また、実施例26、実施例27に示すように、基材11として、アルミニウム以外の銀(実施例26)、チタニウム(実施例27)を用いた場合にも反射率差が小さいことが分かる。一方、光吸収層12を用いない場合(比較例1)は、は反射率最大値と反射率最小値との差が、73.2%と特に大きかった。この結果から、光吸収層12を用いることにより、反射率差を低減できることが分かる。また、光吸収層12としてCを用いた場合(比較例2)及びNiOを用いた場合(比較例3)については、光吸収層12を用いない場合と比較し、約50%反射率差が低減されるが、依然として反射率差は大きかった。これらの結果から、本実施の形態に係る積層構造体においては、光吸収層12を用いることにより反射率差が大幅に低減し、さらに、光吸収層12として本実施の形態に係る光吸収層12の材料を用いることにより、特に反射率差を低減できることが分かる。このように、本実施例に係る積層構造体は、反射率差を低減できるので、露光幅のバラつき及び光吸収率のバラつきを低減することができ、レーザーによる精密露光が可能となる。
表2に示すように、光吸収層12の材料として、CuO(実施例28)、Cu2O(実施例29)及びFe3O4(実施例30)、を用いた場合、現像後においても溝幅のばらつきの少ない熱反応レジスト層が得られることが分かる。一方、光吸収層12を用いない場合、溝の形成が不均一になる上、溝幅のばらつきが大きく、露光を行っても微細パターンが形成されないことが分かる(比較例4)。また、光吸収層12としてCを用いた場合(比較例5)及びNiOを用いた場合(比較例6)については、溝幅のばらつきが大きくなることが分かる。これらの結果から、本実施の形態に係る積層構造体においては、光吸収層12を用いることにより、微細パターンを形成することができ、さらに、本実施の形態に係る光吸収層12の材料を用いることにより、特に微細パターンを均一に形成できることが分かる。