JP2012068453A - 積層体及び積層体の製造方法並びに積層体を用いたモールドの製造方法 - Google Patents

積層体及び積層体の製造方法並びに積層体を用いたモールドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面が曲面形状または凹凸 形状を有する基板上に、平滑性の高い被エッチング層と熱反応型レジスト材料を積層した積層体を設けることを目的の一つとする。
【解決手段】曲面形状または凹凸形状の基板上に、フロン系ガスを用いたドライエッチング処理に用いられ、且つ元素群Ta、Mo、Nbから少なくとも1種類を含む元素及びその酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、セレン化物、シリサイドのいずれかから選択されるドライエッチング材を含むドライエッチング層と、前記ドライエッチング層の上に熱反応型レジスト層とを積層する。
【選択図】なし

Description

本発明は、曲面状基板、凹凸状基板等に堆積し且つ、表面平滑性に優れ且つ、フロン系ガスを用いたドライエッチング処理に対して好適なドライエッチング層とその上に積層された熱反応型レジスト層との積層体及び、それを用いたモールドの製造方法に関する。
近年、半導体、光学・磁気記録等の分野において高密度化、高集積化等の要求が高まるにつれ、数百〜数十nm程度以下の微細パターン加工技術が必須となっている。そこで、これら微細パターン加工を実現するためにマスク・ステッパー、露光、レジスト材料等の各工程の要素技術が盛んに研究されている。
例えば、マスク・ステッパーの工程においては、位相シフトマスクと呼ばれる特殊なマスクを用い、光に位相差を与え、干渉の効果により微細パターン加工精度を高める技術や、ステッパー用レンズとウエハーとの間に液体を充填し、レンズを通過した光を大きく屈折させることにより、微細パターン加工を可能にする液浸技術などが検討されている。しかしながら、前者ではマスク開発に莫大なコストが必要なことや、後者では高価な装置が必要になることなど製造コストの削減は非常に困難である。
一方、レジスト材料においても多くの検討が進められている。現在、最も一般的なレジスト材料は、紫外光、電子線、X線などの露光光源に反応する光反応型有機レジスト(以下、フォトレジストともいう。)である(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照のこと)。
露光に用いられるレーザー光において、通常レンズで絞り込まれたレーザー光の強度は、図1に示すようなガウス分布形状を示す。このときスポット径は1/eで定義される。一般的にフォトレジストの反応は、E=hν(E:エネルギー、h:プランク定数、ν:波長)で表されるエネルギーを吸収することよって反応が開始される。したがって、その反応は、光の強度には強く依存せず、むしろ光の波長に依存するため、光の照射された部分(露光部分)は、ほぼ全て反応が生じることになる。このため、フォトレジストを使った場合は、スポット径に対して忠実に露光されることになる。
光反応型有機レジストを用いる方法は、数百nm程度の微細なパターンを形成するには非常に有効な方法ではあるが、光反応を用いたフォトレジストを用いるため、さらに微細なパターンを形成するには、 原理的に必要とされるパターンより小さなスポットで露光する必要がある。したがって、露光光源として波長が短いKrFやArFレーザー、電子線、X線等を使用する必要がある。これらの光源装置は非常に大型で高価なものや、真空チェンバーを必要とするものなどがあり、用途によっては不向きである。
一方、図1で示すような分布を持つレーザー光を物体に照射すると、物体の温度もレーザー光の強度分布と同じガウス分布を示す(図2参照)。このときある温度以上で反応するレジストである熱反応型レジストを使うと、図2に示すように、所定温度以上になった部分のみ反応が進むため、スポット径より小さな範囲を露光することが可能となる。すなわち、露光光源を短波長化することなく、スポット径よりも微細なパターンを形成することが可能となるので、熱反応型レジストを使うことにより、露光光源波長の影響を小さくすることができる。例えば安価な半導体レーザーを熱反応型レジスト材料に適用することで、光学限界を超えた微細パターンサイズを安価で形成できることから、微細パターン用途に好適である。
これまでに、光記録の分野において、レジスト材料としてWOx、MoOxその他カルコゲナイドガラス(Ag−As−S系)などを熱反応型レジストとして用い、半導体レーザーや476nmレーザーで露光して微細パターンを形成する技術が報告されている(例えば、特許文献2、非特許文献2を参照のこと)。しかしながら、これら熱反応型レジストを用いた研究は、膜面方向にパターンのピッチを狭める(情報の記録密度向上)要望に対応したもので、膜厚方向へ深く溝を形成する要望がなかった。
近年、溝深さの深いパターン形状を用いるアプリケーションの要望が他分野で増えてきている。膜厚方向の溝の深さは、熱反応型レジストの膜の厚さがそのまま深さ方向の溝の深さになるため、深く溝を形成するためには、熱反応型レジストを厚くする必要がある。しかしながら、熱反応型レジストでは、膜厚が厚くなることにより、露光による膜厚方向への均一性が失われてしまい、結果として、深さ方向だけでなく、膜面方向の微細パターンの加工精度も低下してしまうという問題があった。
そこで、これらの熱反応型レジスト膜の下方に形成したい溝深さ分の厚みの膜(以下、「被エッチング層」ともいう。)を予め成膜しておき、露光・現像しパターン形状を付与した熱反応型レジストをマスクとして、下層の膜に深い溝を形成する手法が考えられる。通常、深さ方向に均一にエッチングする方法としてドライエッチングによる加工が用いられる。従って、ドライエッチング層(被エッチング層)にはドライエッチング処理に対して容易にドライエッチングされる材料が求められる。これまでに、ドライエッチング材料に Siの酸化物を用いて、熱反応型レジスト材料との組み合わせにより、膜厚方向に深い溝を形成する検討が報告されている(特許文献3)。近年、要求されるパターンが微細化するに従い、ドライエッチング層の表面の凹凸形状が 微細パターン形状に影響を与えるため、ドライエッチング層自身の平滑性も要求される。特に、表面が曲面形状又は凹凸形状を有する基板上に、熱反応型レジストをマスクとして用いて高アスペクト比を有する微細パターンを形成するためには、被エッチング層の平滑性が重要となる。
特開2007−144995号公報 特開2007−315988号公報 国際公開第2009/093700号
(株)情報機構 発刊 「最新レジスト材料」 P.59−P.76 SPIE Vol.3424 (1998) P.20
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、表面が曲面形状または凹凸形状を有する基板上に、平滑性の高い被エッチング層と熱反応型レジスト材料を積層した積層体を設けることを目的の一つとする。
本発明者らは、かかる課題を解決すべき鋭意検討し実験を重ねた結果、Ta、Mo、Nbの一群から選ばれる元素、及びその酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、セレン化物、シリサイドがフロン系ガスのドライエッチングに対してドライエッチングされやすく、且つ曲面基板上、凹凸基板上に堆積した場合でも平滑性が確保できることを発見し、本発明を完成するに至った。本発明は、具体的には、以下のとおりである。
本発明の積層体は、曲面形状または凹凸形状の基板上に、フロン系ガスを用いたドライエッチング処理に用いられ、且つ元素群Ta、Mo、Nbから少なくとも1種類を含む元素及びその酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、セレン化物、シリサイドのいずれかから選択されるドライエッチング材を60at%含むドライエッチング層と、ドライエッチング層の上に熱反応型レジスト層とを積層して構成することを特徴とする。
本発明の積層体において、ドライエッチング材が、元素群Ta、Mo、Nbから選択された元素の酸化物、窒化物、シリサイドのいずれかから選択されることが好ましい。
本発明の積層体において、基板がレンズ形状、スリーブ形状であることが好ましい。
本発明の積層体の製造方法は、曲面形状または凹凸形状の基板上に、元素群Ta、Mo、Nbから少なくとも1種類を含む元素及びその酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、セレン化物、シリサイドのいずれかから選択されるドライエッチング材をターゲットとしてスパッタ圧0.06Pa以上1Pa以下でドライエッチング層を形成する工程と、ドライエッチング層上に、熱反応型レジスト層をスパッタ法で形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明のモールドの製造方法は、上記積層体の熱反応型レジスト層をレーザーで露光した後に現像してレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンをマスクとして、フロン系ガスを用いてドライエッチング層をエッチングする工程とを有することを特徴とする。
本発明のモールドの製造方法において、モールドに1nm以上1μm以下の微細パターンを形成することを特徴とする。
本発明により、表面が曲面形状または凹凸形状を有する基板上に、平滑性が高い被エッチング層と熱反応型レジスト材料が順に積層された積層体を設けることが可能となる。
レーザー光の強度分布を示した図である。 レーザー光を照射された部分の温度分布を示した図である。 レンズ形状の基板にドライエッチング材料粒子が飛来する様子を示した図である。 表面平滑性と成膜圧力との関係を示した図である。
本発明のドライエッチング層と熱反応型レジスト層からなる積層体の一例に関して、まず、ドライエッチング層から説明する。
本発明のドライエッチング層は、曲面状の基板または凹凸形状の基板に堆積し、フロン系ガスを用いたドライエッチング処理に用いられるドライエッチング層であって、該ドライエッチング層を構成するドライエッチング材料が、Ta、Mo、Nbの一群から少なくとも1種類含む元素、及びその酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、セレン化物、シリサイドのいずれかから 選択される材料を用いて製造されることを特徴とする。
ここで、フロン系ガスによるドライエッチングのメカニズムを考えた場合、ドライエッチング装置の真空チェンバー内で活性化したフッ素は、ドライエッチング材料に用いられている元素と結合して、フッ化物を形成する。そのフッ化物の蒸気圧が比較的高い場合(すなわち、そのフッ化物の沸点が比較的低い場合)には、そのフッ化物は気化してドライエッチング材料中から消失するため、結果としてエッチングされたことになる。一方、フッ化物の蒸気圧が比較的低い場合(すなわち、そのフッ化物の沸点が比較的高い場合)には、気化し難いためエッチング速度が遅くなるか又は エッチングされない。この蒸気圧の高低は、そのフッ化物の沸点と関係が深い。
今般、本発明者らは、実験を重ねた結果、ドライエッチング材料に選択する元素の中で、その元素のフッ化物の沸点が250℃未満となる元素をドライエッチング材料として選択することで、該ドライエッチング材料が、フロン系ガスを用いたドライエッチング処理で容易にドライエッチングできることを発見し、その効果を確認した。なおフッ化物の沸点とは、元素が多価のフッ化物を形成する場合は、金属の主たる価数のフッ化物の沸点(=主要フッ化物の沸点)のことをいう。例えば、Moを例にとると、Moは0価、2価、3価、4価、5価、6価の価数をとり得る。このため、Moのフッ化物は、MoF、MoF、MoF、MoF、MoFが形成可能であるが、Moの主たる価数は6価であることから、Moの主要フッ化物とは、MoFを指し、主要フッ化物の沸点とは、MoFの沸点のことを指す。
以上のことから、主要フッ化物の 沸点が250℃未満の元素をドライエッチング材料に選択することができることを発見しており、本発明のドライエッチング材料に用いられる元素群Ta、Mo、Nbも主要フッ化物の沸点が250℃未満であることからドライエッチング材料として最適であることを見出している。
さらに、本発明のドライエッチング層は、平板基板上は勿論のこと、曲面基板上、凹凸基板上に堆積した場合でも平滑性が高いことが特徴である。
ここで、前述の通り、要求されるパターンが微細化するに従い、ドライエッチング層の表面の凹凸形状が微細パターン形状に大きく影響を与えることが本発明者らにより明らかになり、ドライエッチング層には、微細パターンの均一性維持のため、表面平滑性が高いことが求められる。また、ドライエッチング層の上方に積層される熱反応型レジスト材料に関しても表面平滑性が高いことが求められるが、熱反応型レジスト層は、下層のドライエッチング層の凹凸形状の影響を大きく受けるために、熱反応型レジスト層の表面平滑性を達成するためには、ドライエッチング層の表面平滑性が非常に重要であることを見出した。従って、熱反応型レジスト材料として用いられているTaやNbの不完全酸化物(上記特許文献3)や、剥離防止層(中間層)として用いられているWやMoの不完全酸化物(特開2006−179140号公報)では着眼されてこなかった表面平滑性が非常に重要になる。スパッタ法による平滑性に優れた膜を形成する方法として、スパッタ圧を下げることが一般的に述べられている。これは、スパッタ圧を下げることにより、ターゲットから放出された材料が 基板に到着するまでに、雰囲気中のガス(例えば、Ar等)に衝突する回数が減少し、(1)エネルギーを失うことなく、基板上に到着して安定なサイトまで到達できること、(2)衝突散乱によるシャドーイング効果が少なくなること、などによる。
基板に平板状の基板を用いる場合は、スパッタ圧を下げることにより(1)、(2)の因子が低減できるが、基板に曲面状や凹凸状の基板を用いた場合、図3の通り、曲面状の基板1に飛来するドライエッチング材料2は必ず斜め成分を伴うことになり、平滑性に優れた膜を形成し難くなる。このような斜め成分をターゲットと基板の間に設けたコリメーターによりカットし、垂直成分部分のみを用いて成膜することは可能であるが、複雑な凹凸状の基板には対応が困難になるだけでなく、成膜速度が低下し生産性が低下する、コリメーターに付着した膜が剥がれることによりダスト発生し、ピンホール生成するなどの悪影響が生じ好ましくない。
そこで、我々が鋭意検討を重ねた結果、元素群Ta、Mo、Nbは、スパッタ圧力を下げる必要がなく、斜め成分があっても、平滑性に優れた膜を形成することが可能であることを突き止め、且つ前述の主要フッ化物の沸点が250℃未満である材料であることから、ドライエッチング材料として非常にすぐれることを見出した。一方、上記特許文献3に記載のドライエッチング層に用いられているSiの酸化物に関しては、主要フッ化物の沸点が250℃未満である材料であることから、ドライエッチング材料としては好適であるが、図4に示すとおり、非常に高い表面平滑性(表面粗さが非常に良いこと)を達成するためにはスパッタ成膜時スパッタ圧を下げる必要があり、成膜時のプラズマの安定性等から製造上好適ではない。本発明のドライエッチング層を構成するドライエッチング材料は、好ましくはTa、Mo、から少なくとも1種類を含む元素及びその酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、セレン化物、シリサイドのいずれかであり、さらに好ましくはTa、Mo、から少なくとも1種類を含む元素及びその酸化物、窒化物、シリサイドのいずれかであり、最も好ましくはTa、Moの酸化物、窒化物である。Ta、Moをドライエッチング材料に選択することで、より平滑性が高いドライエッチング材料として用いることができる。さらにこれらの酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、セレン 化物、シリサイドも同様の平滑性が確保できることを確認している。
なお、本発明の元素群から選択して製造されるドライエッチング層は、かなり高い表面平滑性を有するために、上層に設ける熱反応型レジスト層との相性(熱反応型レジスト材料とドライエッチング材料との反応性等)を考慮して、ドライエッチング層と熱反応型レジストの材料を選択することもできる。
本発明に用いられる成膜圧力の範囲は好ましくは0.06Pa以上1Pa以下で、好ましくは0.1Pa以上1Pa以下、さらに好ましくは0.1Pa以上0.5Pa以下である。成膜圧力が0.1Paを下回るとプラズマの安定性が低下するため、製造上の生産効率の観点からは0.1Pa以上とすることが好ましい。
本発明に用いられるドライエッチング層の膜厚は20nm以上5μm以下であり、好ましくは50nm以上2μm以下であり、さらに好ましくは50nm以上1μm以下である。ドライエッチング層の膜厚は所望のアスペクト比から決まることから自由に選択することができるが、ドライエッチング層の膜厚が20nm未満の場合、すなわちアスペクト比が非常に小さい場合は、ドライエッチング層との積層形態をとる必要がなく、レジスト材料自身の膜厚で目的のアスペクト比を十分に達成することができるため、本発明のドライエッチング層には最適な範囲がある。
なお、本発明のドライエッチング層を構成するドライエッチング材料に用いられる元素の含有量は、60at%以上であり、好ましくは70at%以上、より好ましくは80at%以上、さらに好ましくは90at%以上、最も好ましくは95at%以上である。主要フッ化物の沸点が250℃以上の元素が多く含まれるとドライエッチングのされやすさ、すなわちドライエッチングレートが遅い材料が多く含まれることになり、それらの元素の影響で、ドライエッチングが不均一(例えばピラー状の形状)になり目的の形状を得ることができない。従って、本発明のドライエッチング材料に用いられる元素は、前述の範囲が好ましい。
本発明のドライエッチング層は、曲 面形状の基板や凹凸形状の基板に用いることが特徴であるが、例えば、スリーブ(ドラム、円筒)形状、レンズ形状、ランダムンな凹凸形状、うねりがある基板などに最適である。なお基材の素材はガラス、石英、アルミ、銅、SUS、ニッケル、シリコン等の金属、樹脂などに用いることができる。中でも基板の表面平滑性の観点から、ガラス、石英、アルミ、シリコンなどが好ましく、さらにはガラス、石英が最も好ましい。
なおスリーブ形状の基板は、例えば後述のナノインプリント用のモールドとして利用することができ、レンズ形状の基板は、例えば、取り出し効率や集光率を高めることが可能な腑形が付与されたレンズとして利用することができる。
次に、本発明の熱反応型レジスト層について説明する。
微細パターンが付与されたモールドの製造において、上記したように、微細パターン形状とともに溝の深さも所望の深さに深くしたパターンを形成したい場合は、レジスト材料を単独で使用するだけでは困難であり、レジスト材料の下層にエッチング層を形成した積層構造が必要になる。この場合、マスクとして機能しているレジスト材料のパターンをドライエッチング層に 転写するため、ドライエッチング層を形成するドライエッチング材料には、ドライエッチング処理に対して容易にドライエッチングされることが求められる。一方、熱反応型レジスト材料はドライエッチング耐性が高いことが求められる。
一般に、光学材料やフィルムなどでは、微細パターンのアスペクト比(溝の深さを溝の開口幅で除した値)が大きい値が求められる。アスペクト比を自由に選択できることで、光学設計の自由度が広がる。このことからも、本発明に係る熱反応型のレジスト材料は、ドライエッチングの耐性が高いことが必須となる。
本発明の熱反応型レジスト層は、前述の通り、ドライエッチング処理に対するドライエッチングレートや、基板選択時に生じる平滑性に加えて、レジスト材料との反応性(レジスト材料とドライエッチング材料が反応しないもの)などの観点からも選択することが好ましい。レジスト材料とドライエッチング材料の反応性は、金属データブック、Metallurgy and Metallugical Engineering Seriesから容易に知ることが出来る。
本発明の積層体において、該熱反応型レジスト材料は、前述の主要フッ化物の沸点が250℃以上の元素を選択することで、ドライエッチング耐性が高いレジストを選択することができることから、Cから構成される有機レジストに比べ無機レジストの方が選択肢の幅が大きく、本発明のレジスト材料において好適である。熱反応型レジスト材料の種類は目的や用途によって選択することができる。さらに、熱反応型レジスト材料は、小型でかつ安価で特殊な付帯設備が不要である半導体レーザーを使って露光を行うことができるため、微細パターンの形成には好適である。
本発明の積層体は、スパッタリング法を用いて行なわれて製造されることを特徴とする。成膜方法においては、ドライエッチング材料、レジスト材料の種類により、また基板の種類・サイズ等によって蒸着法やCVD法などの手法を用いることも可能であるが、微細パターンを形成する場合などには、高度に膜厚等を制御することや表面の凹凸の制御が求められるため、製造条件の微調整が可能なスパッタリング法が好適である。
次に、本発明に係る積層体を用いたモールドの製造方法の各工程について、以下に説明する。
光ディスクの原盤やナノインプリントなどで用いられるモールドの多くは小型で平板形状であるため、簡単な装置により転写することが可能である。大面積に転写する場合、大型のモールドを作製する必要があるが、大型のモールド全面に均一にパターンを付与すること、転写時にモールド全面に均一にプレス圧力をかけること、大型のモールドをきれいに離型することなどの問題がある。一方、曲面形状であるスリーブ形状は、大面積にパターンを転写できる特徴があるが、レーザー加工や機械加工法を使ってサブミクロン(1μm以下)のサイズのパターンを形成することは非常に 困難であった(例えば、(株)情報機構 発刊 「ナノインプリント応用実例集」P.611−P.612を参照)。
工程(1)平板又はスリーブ形状等の基材の上にドライエッチング材料からなるエッチング層を配し、さらにエッチング層上にレジスト層を形成して積層体を形成し、レジスト層を露光し、露光部分(又は未露光部分)を現像する。
工程(2)現像後のレジストパターンをマスクとして、フロン系ガスを用いてエッチング層をドライエッチング処理して、微細パターンを形成する。
工程(3)レジストを除去して、モールドを製造する。
本発明におけるモールドの製造方法に使用されるドライエッチング材料からなるドライエッチング層の厚みは、必要なモールドのパターン深さや、露光や現像が容易な膜厚を選択すればよく、特に制限はない。
本発明におけるモールドの製造方法に使用されるレジスト材料は、単層であってもよく、幾つかのレジスト層を組み合わせた多層構造であってもよい。
本発明において露光に用いられるレーザーは、KrFやArFレーザーなどのエキシマレーザーや半導体レーザー、電子線、X線等を挙げることができる。然るにKrFやArFレーザーなどのエキシマレーザーは装置が非常に大型で高価なこと、電子線、X線などは真空チェンバーを使用する必要があることからコストや大型化の観点からかなりの制限がある。従って、光源装置が 非常に小型化でき、安価である半導体レーザーを用いることが好ましい。これらは、用途等によっても選択することができる。
現像には、酸及び又はアルカリ溶液及び又は錯形成剤および有機溶剤などを用いることができる。酸溶液として、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、酢酸、シュウ酸、フッ酸、硝酸アンモニウムなどを、アルカリ溶液として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、錯形成剤として、シュウ酸、エチレンジアミン4酢酸及びその塩などの溶液などの一般的な溶液を単独又は混合溶液として用いることができる。また、現像液中に過酸化水素や過酸化マンガンなどの電位調整剤などを加えることも可能である。さらに、現像液中に界面活性剤などを添加して現像性を向上させることも可能である。また、レジスト材料によっては、まず酸現像液で 現像した後に、アルカリ現像液で現像して目的の現像を達成するなどの方法を採用してもよい。
本発明において、ドライエッチング 処理する工程に用いられる装置は、真空中でフロン系ガスが導入でき、プラズマが形成でき、エッチング処理ができるものであれば特に制限はないが、市販のドライエッチング装置、RIE装置、ICP装置などを用いることができる。ドライエッチング処理を行うガス種、時間、電力などは、レジスト材料の種類、エッチング層の種類、エッチング層の厚み、エッチング層のエッチングレートなどによって適宜決定しうる。
本発明のエッチング層をエッチングする際にドライエッチングに用いるフロン系ガスは、特に制限はないが、CF、CHF、CH、C、C、C、C、C10、C10、SF、CClなどのフルオロカーボンなどが挙げられ、単独で用いても、複数のガスを混合して用いても構わない。さらにこれらのガスにO、H、Ar、N、COなどを混合したガス、またHBr、NF、SF、CFBr、HCl、HI、BBr、BCl、Cl、SiClの混合ガスやこれらにAr、O、H、N、COなどのガスを混合したガスも本発明におけるフロン系ガスの範囲とする。
さらに、本発明では、上記のエッチングガスの種類、組成、およびエッチング温度といった条件を最適化することによってレジストマスクの耐性や、エッチング層のエッチング方向を制御することができる。例えば、 使用するフロンガスのFとCとのモル比を制御することで、熱反応型レジスト層にフロロカーボン膜を形成(レジストの保護層として機能)させて、レジストのマスクの耐性を向上させる方法や、Ar添加することで、フロン系ガスの解離度を制御して、エッチング層と熱反応型レジスト層のエッチングレート増減させる方法などがある。
最終的に、本発明に係るモールドを得る場合、熱反応型レジスト材料を必要に応じて除去できる。熱反応型レジスト材料の除去方法は、エッチング層に影響がなければ特に制限はなく、例えば、ウエットエッチング、ドライエッチングなどを用いることができる。
本発明においては、これらのモールドの製造方法を用いることにより、1nm以上1μm以下の範囲の微細パターンを有するモールドを製造することが可能となる。
以上、本発明を詳説した。本発明は、ドライエッチング層の材料として、表面平滑性が優れ、且つ、生産効率も優れた材料を見出したものである。具体的には、ドライエッチング層をスパッタ法で形成する際のスパッタ圧力が0.06Pa以上1.0Pa以下と広範囲であっても、表面平滑性が確保でき、特に、スパッタ圧力が0.1Pa以上0.5Pa以下であっても表面平滑性が表面粗さ(Ra)で0.8〜1.4を確保できる。
これによって、従来、表面平滑性を確保するためにはスパッタ圧力を下げ、生産効率を犠牲にしていたが、本発明によって生産効率と表面平滑性の両立を達成できることができる。また、本発明によって、スパッタ圧力の制御範囲も広範囲の圧力範囲に緩和できたことによる生産効率の向上も達成することができる。したがって、上記エッチング層の上に積層するレジスト層の表面平滑性も維持されることとなり、結果的にアスペクト比の高いモールドの製造が可能となる。
以下、本発明の効果を明確にするために実施した実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
基板にスリーブ形状を選択し、ドライエッチング材料にTa、Mo、Nbの酸化物、Taの窒化物、Taのシリサイドを選択し、表1の条件でスパッタ法を用いてスパッタ圧0.5Paで、膜厚250nmを成膜した。その際のドライエッチングレート及びAFMから算出した表面粗さを表2に記載する。得られた結果から、ドライエッチングレートが非常に高くまた、表面粗さが高く優れたドライエッチング材料として使用することができる。
(実施例2)
スパッタ圧を0.1Paにした以外は全て実施例1と同じ条件で成膜を実施した。その際のドライエッチングレート及びAFMから算出した表面粗さを表2に記載する。得られた結果から、ドライエッチングレートが非常に高くまた、表面粗さが高く優れたドライエッチング材料として使用することができる。
(比較例1)
基板にスリーブ形状を選択し、ドライエッチング材料に主要フッ化物の沸点はそれぞれ、950℃、1400℃、1100℃であるCu、Co、Crの酸化物を選択し、表1の条件でスパッタ法を用いて250nm成膜した。その際のドライエッチングレートを表2に記載する。得られた結果から、ドライエッチングレートが低く、ドライエッチング材料として好適に使用することができない。
(比較例2)
基板にスリーブ形状を選択し、ドライエッチング材料にTaの酸化物とZnの硫化物がそれぞれ50at%含まれる材料を選択し、表1の条件でスパッタ法を用いて250nm成膜した。その際のドライエッチングレート及びAFMから算出した表面粗さを表2に記載する。得られた結果から、表面粗さが非常に悪かった。ZnSがドライエッチングしにくいことにより、均一なドライエッチングができなかったことによると考えられる。
(比較例3)
基板にスリーブ形状を選択し、ドライエッチング材料にSiの酸化物を選択し、表1の条件でスパッタ法を用いて250nm性膜した。その際ドライエッチングレート及びAFMから算出した表面粗さを表2に記載する。得られた結果から、高い表面粗さを得るためには、スパッタ圧を下げる必要がる。
(実施例3)
基板にφ80mmのスリーブ形状を選択し、ドライエッチング材料にTaの酸化物を選択し、熱反応型レジスト材料にCuの酸化物を選択して、表1の条件でスパッタ法を用いてそれぞれ、250nm、20nm成膜した。
以上のように成膜した積層体を以下の条件で露光した。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:1mW〜10mW
送りピッチ:150nm〜350nm
露光中にレーザーの強度を変調させることで、さまざまな形状やパターンを作製できるが、実験では露光精度を確かめるために、パターンとして連続の溝形状を使用した。形成する形状は目的とする用途によっては孤立した円形、楕円形状等でも構わず、本発明は露光形状によって何ら制限を受けるものではない。
続いて、上記露光機によって露光された熱 反応型レジストの現像を行った。現像にはウエット工程による現像を適用した。現像液には0.3%のシュウ酸アンモニウム水溶液を用いた。
次に得られた熱反応型レジストをマスクとしてドライエッチングによるTaのエッチングを行った。ドライエッチングは、エッチングガスとしてSFを用い、処理ガス圧を5Pa、処理電力を400W、処理時間8分の条件で行った。
これらパターンが付与された基板から熱 反応型レジストのみをpH1の塩酸で6分間の条件で剥離したものをモールドとして用いて、UV硬化樹脂を使って表面形状をフィルムに転写させたところ、熱反応型レジストのパターン溝幅を転写しかつ、250nmのドライエッチング層の深さを有するモールドが形成されていることを確認された。
Figure 2012068453
Figure 2012068453

Claims (6)

  1. 曲面形状または凹凸形状の基板上に、フロン系ガスを用いたドライエッチング処理に用いられ、且つ元素群Ta、Mo、Nbから少なくとも1種類を含む元素及びその酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、セレン化物、シリサイドのいずれかから選択されるドライエッチング材を60at%以上含むドライエッチング層と、前記ドライエッチング層の上に熱反応型レジスト層と、を積層してなる積層体。
  2. 前記ドライエッチング材が、元素群Ta、Mo、Nbから選択された元素の酸化物、窒化物、シリサイドのいずれかから選択されることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記基板がレンズ形状、スリーブ形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
  4. 曲面形状または凹凸形状の基板上に、元素群Ta、Mo、Nbから少なくとも1種類を含む元素及びその酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、セレン化物、シリサイドのいずれかから選択されるドライエッチング材を ターゲットとしてスパッタ圧0.06Pa以上1Pa以下でドライエッチング層を形成する工程と、
    前記ドライエッチング層上に、熱反応型レジスト層をスパッタ法で形成する工程と、を有することを特徴とする積層体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の積層体を用いたモールドの製造方法であって、
    前記熱反応型レジスト層をレーザーで露光した後に現像してレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして、フロン系ガスを用いて前記ドライエッチング層をエッチングする工程と、を有することを特徴とするモールドの製造方法。
  6. 前記モールドに1nm以上1μm 以下の微細パターンを形成することを特徴とする請求項5に記載のモールドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014045121A (ja) * 2012-08-28 2014-03-13 Asahi Kasei E-Materials Corp 微細パターン形成用ロール
CN103744266A (zh) * 2014-01-06 2014-04-23 苏州华维纳纳米科技有限公司 一种用于光刻技术的硫化物半导体热阻膜

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