JP4694660B2 - 記録媒体制御方法、記録媒体対応装置 - Google Patents

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  • Management Or Editing Of Information On Record Carriers (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばデータストレージ用途などに用いるテープカセットなどであって、特に内部に非接触型のメモリを備えた記録媒体に対応する装置及び制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルデータを磁気テープに記録/再生することのできるドライブ装置として、いわゆるテープストリーマドライブが知られている。このようなテープストリーマドライブは、メディアであるテープカセットのテープ長にもよるが、例えば数十〜数百ギガバイト程度の膨大な記録容量を有することが可能であり、このため、コンピュータ本体のハードディスク等のメディアに記録されたデータをバックアップするなどの用途に広く利用されている。また、データサイズの大きい画像データ等の保存に利用する場合にも好適とされている。
そして、上述のようなテープストリーマドライブとして、例えば、8ミリVTRのテープカセットを記録媒体として、回転ヘッドによるヘリカルスキャン方式を採用してデータの記録/再生を行うようにされたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えばこのような磁気テープカセットでは、テープ媒体のみがデータを記録する媒体であるため、管理上のデータやシステム設定上のデータなどのデータ(ストレージ対象の主データ以外の各種データ)などについてもテープ上に記録するようにしていた。
【0004】
ところが、実際の運用上では、テープカセットをローディングしていない状態などにおいてテープカセットのデータを読み込みたい場合が多々ある。
例えば多数のテープカセットをマガジン形式で収納して選択的にテープストリーマドライブに供給するようなライブラリ装置(チェンジャー装置)などにおいては、搬送すべきカセットの識別などのためにカセット外筐から何らかのデータが読み取れることが好ましい。
このために例えばカセット筐体上にバーコードラベルを貼付し、ライブラリ装置等がバーコードラベルを光学的リーダーなどにより読み取ることによって識別のための情報(例えばカセットのナンバ)などを判別できるようにすることなどが考えられていた。
しかしながらバーコードは書換不能であり、かつ情報量が少ないものであるため、比較的高度な処理を行うシステムには不向きであった。
【0005】
一方、上述のテープストリーマシステムでは、カセット内に不揮発性メモリを収納したテープカセットが開発されている。
これは、磁気テープに対するデータ記録/再生の管理情報や、そのカセットの製造情報、使用履歴情報などを不揮発性メモリに記録しておくようにするものである。このようにすることで、これら管理情報等を磁気テープ上に記録することに比べて非常に動作効率が向上する。
即ちこれらの管理情報等は、磁気テープ上での記録再生を行う毎に読み込んで確認したり、記録再生動作後に更新していくことが要求されるが、磁気テープ上の特定位置(例えばテープトップ)に管理情報等が記録されている場合、記録再生動作の前後に毎回特定位置までテープを走行させなければならない。またこれによってテープローディング/アンローディングなどの動作を行うテープ上の位置も規定されてしまう。ところが不揮発性メモリに管理情報等を記録するようにすれば、これらの必要はなくなることになる。
【0006】
この不揮発性メモリに対しては、テープストリーマドライブが対応するコネクタ端子を備えるようにしてアクセスを行うようにしている。
また近年、不揮発性メモリとともにアンテナ及び無線通信系回路をテープカセット内に配し、不揮発性メモリに対するアクセスを非接触状態で実行するものも開発されている。即ちテープストリーマドライブ等にも無線通信系回路を配することで、テープカセットに接触していない状態で、不揮発性メモリに対するデータの記録再生を実行できるようにするものである。
【0007】
このような非接触型のインターフェース方式とされた不揮発性メモリを有するテープカセットを考えた場合、上記バーコードで実行したようなデータ読取を、不揮発性メモリを利用して実行することが考えられる。
例えばライブラリ装置が多数のテープカセットが収納されたマガジンから特定のテープカセットを選択したいときに、無線通信により各テープカセットの固有のデータを読み取るようにすればよい。
しかしながら、無線通信であることにより近接して収納されているテープカセットからの混信等も生じやすく、実用上は困難であった。
従ってより高度な処理、例えばライブラリ装置等が管理上の情報を書き込んだりするような動作も、実現が困難であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような事情に応じて、例えばライブラリ装置などの記録媒体対応装置が、非接触型のインターフェース方式とされたメモリを有する記録媒体に対して良好に高度な制御が実行できるようにすることを目的とする。
【0009】
このために、記録媒体固有の識別情報を記憶するメモリ手段、該メモリ手段についてのデータ転送を非接触で実行するための通信手段、を有する記録媒体に対して、前記通信手段との間で無線通信を実行できることで前記メモリ手段との間のデータ転送を非接触で行うことができるインターフェース手段を有する記録媒体対応装置が実行する記録媒体制御方法として、記録媒体のメモリ手段から前記識別情報を読み込むことで記録媒体を確認する確認手順と、前記確認手順で確認された記録媒体に対応し、かつ前記識別情報よりも短いデータ長で構成される識別子を設定し、その記録媒体のメモリ手段に対して前記識別子を付与する識別子付与手順と、前記識別子を含むコマンドにより、記録媒体を特定して、その記録媒体のメモリ手段に対する動作制御を行う制御手順と、が行われ前記識別子付与手順において、識別情報とそれに対応させて設定した識別子とを含むコマンドを、前記インターフェース手段から出力させることで、そのコマンドに含まれる識別情報を有する記録媒体のメモリ手段に、そのコマンドに含まれる識別子が記憶されるようにする識別子設定手順、が行われ、前記制御手順では、前記識別子を含む書込/読出コマンドにより、記録媒体を特定して、その記録媒体のメモリ手段に対するデータの書込又は読出としてのデータ転送を行い、前記確認手順、前記識別子付与手順、前記制御手順において前記記録媒体対応装置と前記記録媒体の間で行われる通信は、前記記録媒体対応装置からのコマンドと、コマンドに対応する記録媒体からのアクナレッジにより実行されるとともに、コマンドと、そのコマンドに対応するアクナレッジは、異なるコードで構成されるようにする。
また、このような記録媒体制御方法を実現する記録媒体対応装置としては、前記通信手段との間で無線通信を実行することで前記メモリ手段との間のデータ転送を非接触で行うことができるインターフェース手段と、前記インターフェース手段により記録媒体のメモリ手段から前記識別情報を読み込ませて記録媒体を確認するとともに、確認された記録媒体に対応し、かつ前記識別情報よりも短いデータ長で構成される識別子を設定し、その識別子を前記インターフェース手段により記録媒体のメモリ手段に供給して書き込ませる識別子設定手段と、前記識別子を含むコマンドを前記インターフェース手段から出力させることで、記録媒体を特定して、その記録媒体のメモリ手段に対する動作制御を行う制御手段と、を備え、前記識別子設定手段は、識別情報とそれに対応させて設定した識別子とを含むコマンドを、前記インターフェース手段から出力させることで、そのコマンドに含まれる識別情報を有する記録媒体のメモリ手段に、そのコマンドに含まれる識別子が記憶されるようにし、前記制御手段は、前記識別子を含む書込/読出コマンドを前記インターフェース手段から出力させることで、記録媒体を特定して、その記録媒体のメモリ手段に対するデータの書込又は読出としてのデータ転送を実行させ、前記識別子設定手段は、前記インターフェース手段から前記識別情報の読出指示コマンドを出力させるとともに、その読出指示コマンドに対応する記録媒体からのアクナレッジを前記インターフェース手段で受信することで、記録媒体の確認処理を行うとともに、コマンドと、そのコマンドに対応するアクナレッジは、異なるコードで構成されるようにする。
【0010】
つまり本発明では、記録媒体対応装置は、個々の記録媒体を識別情報(例えばシリアル番号等の固有の情報)により判別して制御を行うようにする。このとき、識別番号に対応する識別子を設定/付与し、制御実行時のコマンドには識別子を含ませることで、制御すべき特定の記録媒体のみがコマンドに応じた対応動作を実行するようにする。つまり無線インターフェース上の混信等により目的でない記録媒体がコマンドによって制御されることが無いようにする。
このようにすることで、記録媒体の判別はもとより、記録媒体内のメモリに対してより多様かつ高度なの記録再生動作が実行できるようにする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態では、不揮発性メモリが設けられたテープカセット、このメモリ付きテープカセットに対応してデジタルデータの記録/再生が可能とされるテープドライブ装置(テープストリーマドライブ)、多数のテープカセットを収納し選択的にテープストリーマドライブに装填できるライブラリ装置、及びホストコンピュータ等からなるデータストレージシステムを例にあげる。
そしてテープストリーマドライブやライブラリ装置は、テープカセット内に設けられた不揮発メモリに対しては、無線データ通信により情報の書込/読出が実行できるものである。
説明は次の順序で行う。
1.テープカセットの構成
2.リモートメモリチップの構成及び記録されるデータ
3.テープストリーマドライブの構成
4.ライブラリ装置の構成
5.リモートメモリチップの状態遷移
6.リモートメモリチップに対するコマンド
7.セッション識別子割当処理
8.データ転送処理
【0012】
1.テープカセットの構成
先ず、本例のテープストリーマドライブやライブラリ装置に対応するテープカセットについて図3及び図4を参照して説明する。
図3は、テープカセットの内部構造を概念的に示すものとされ、この図に示すテープカセット1の内部にはリール2A及び2Bが設けられ、このリール2A及び2B間にテープ幅8mmの磁気テープ3が巻装される。
そして、このテープカセット1には不揮発性メモリ及びその制御回路系等を内蔵したリモートメモリチップ4が設けられている。またこのリモートメモリチップ4は後述するテープストリーマドライブやライブラリ装置におけるリモートメモリインターフェース30と無線通信によりデータ伝送を行うことができるものとされ、このためのアンテナ5が設けられている。
詳しくは後述するが、リモートメモリチップ4には、テープカセットごとの製造情報やシリアル番号情報、テープの厚さや長さ、材質、各パーティションごとの記録データの使用履歴等に関連する情報、ユーザ情報等が記憶される。
なお、本明細書では上記リモートメモリチップ4に格納される各種情報は、主として磁気テープ3に対する記録/再生の各種管理のために用いられることから、これらを一括して『管理情報』とも言うことにする。
【0013】
このようにテープカセット筐体内に不揮発性メモリを設け、その不揮発性メモリに管理情報を記憶させ、またこのテープカセットに対応するテープストリーマドライブでは、不揮発性メモリに対する書込/読出のためのインターフェースを備えるようにし、不揮発性メモリに対して磁気テープに対するデータ記録再生に関する管理情報の読出や書込を行うことで、磁気テープ3に対する記録再生動作を効率的に行うことができる。
例えばローディング/アンローディングの際に磁気テープを例えばテープトップまで巻き戻す必要はなく、即ち途中の位置でも、ローディング、及びアンローディング可能とすることができる。またデータの編集なども不揮発性メモリ上での管理情報の書換で実行できる。さらにテープ上でより多数のパーティションを設定し、かつ適切に管理することも容易となる。
【0014】
図4は、テープカセット1の外観例を示すものとされ、筺体全体は上側ケース6a、下側ケース6b、及びガードパネル8からなり、通常の8ミリVTRに用いられるテープカセットの構成と基本的には同様となっている。
なお、このテープカセット1の側面のラベル面9には、端子部6cが設けられているが、これは本例では説明しない接触型のメモリを内蔵したタイプのテープカセットにおいて電極端子が配される部位とされていたもので、本例のように非接触のリモートメモリチップ4を内蔵するタイプでは用いられない。単に装置に対するテープカセット形状の互換性を保つために設けられているのみである。
【0015】
筐体両側面部には、凹部7が形成されている。これは例えば後述するライブラリ装置50が搬送時にテープカセットを保持する部位とされる。
【0016】
2.リモートメモリチップの構成及び記録されるデータ
リモートメモリチップ4の内部構成を図5に示す。
例えばリモートメモリチップ4は半導体ICとして図5に示すようにパワー回路4a、RF処理部4b、コントローラ4c、EEP−ROM4dを有するものとされる。そして例えばこのようなリモートメモリチップ4がテープカセット1の内部に固定されたプリント基板上にマウントとされ、プリント基板上の銅箔部分でアンテナ5を形成する。
【0017】
このリモートメモリチップ4は非接触にて外部から電力供給を受ける構成とされる。後述するテープストリーマドライブ10やライブラリ装置50との間の通信は、例えば13MHz帯の搬送波を用いるが、テープストリーマドライブ10やライブラリ装置50からの電波をアンテナ5で受信することで、パワー回路4aが13MHz帯の搬送波を直流電力に変換する。そしてその直流電力を動作電源としてRF処理部4b、コントローラ4c、EEP−ROM4dに供給する。
【0018】
RF処理部4bは受信された情報の復調及び送信する情報の変調を行う。
コントローラ4cはRF処理部4bからの受信信号のデコード、及びデコードされた情報(コマンド)に応じた処理、例えばEEP−ROM4dに対する書込・読出処理などを実行制御する。
即ちリモートメモリチップ4はテープストリーマドライブ10やライブラリ装置50からの電波が受信されることでパワーオン状態となり、コントローラ4cが搬送波に重畳されたコマンドによって指示された処理を実行して不揮発性メモリであるEEP−ROM4dのデータを管理する。
【0019】
各テープカセット1のEEP−ROM4dに記憶される管理情報内容(コンテンツ)の例を図6に示す。なお(1)〜(33)は説明の便宜上付した数値であり、これがEEP−ROM4d内のデータ配置フォーマット等に対応するものではない。また、ここに一覧で示したコンテンツは一例であり、ここに例示していないコンテンツが記憶される場合もある。
各コンテンツについて簡単に説明していく。
【0020】
(1)メモリー形式
テープカセット1内に配されるメモリが接触式か非接触式かなどの種別を示すものとなる。本例のリモートメモリチップ4では非接触式を示す値が記憶される。
(2)制御フラグ
工場出荷時の各種ステータスが記述される。
【0021】
(3)製造業者識別子
そのテープカセット1の製造業者のコードナンバが記述される。例えば図7(a)のように製造メーカーに応じた1バイトのコード値が設定され、それが記憶されることになる。
(4)二次識別子
テープの属性情報が記述される。即ちテープカセット1のタイプ情報である。例えば図7(b)のようにテープカセット1のタイプに応じてそれぞれ1バイトのコード値が設定される。
(5)シリアル番号
32文字(32バイト)で構成されるリモートメモリチップの固有番号である。個々のテープカセット1につきそれぞれ独自のコードが割り当てられる。
(6)シリアル番号のCRCコード
上記32バイトのシリアル番号に対して2バイトのCRCが記録される。
【0022】
なお、この(3)〜(6)の製造業者識別子、二次識別子、シリアル番号、シリアル番号のCRCコードとしての合計36バイトの情報は、出荷時に記述されるデータとしてテープカセット個体毎に固有の情報となるものであり、後述するセッション識別子割当処理の際のカセット認証に用いられることになる。
【0023】
(7)メモリー製造年月日
(8)メモリー製造ライン名称
(9)メモリー製造工場名称
(10)メモリー製造業者名称
(11)メモリーの型名
(12)カセット製造ライン名称
(13)カセット製造年月日
(14)カセット製造工場名称
(15)カセット製造業者名称
(16)カセット名称
以上、それぞれのコンテンツに相当するデータが記述される。
【0024】
(17)OEM顧客名
OEM顧客名が記述されるが、一般向けの時は「GENERIC」と記述される。
(18)テープの特性仕様情報
磁気テープ3のテープ厚、長さ、電気的特性、磁性特性などが記述される。
(19)最大通信速度
メモリの情報転送レートが記述される。
(20)ブロックサイズ
たとえば「16バイト」等、メモリのブロックサイズが記録される。
(21)メモリー容量
たとえば「8KByte」等、メモリ容量が記述される。
【0025】
(22)読み出し専用領域の開始アドレス
たとえば0000h。
(23)読み出し専用領域の終了アドレス
たとえば00FFh。
これらによってメモリ内の読出専用領域が規定される。
【0026】
(24)各種ポインター
メモリ上の各種データタイプへのポインター。リスト構造のデータタイプについてはそのルートになる。
(25)メモリ管理情報
メモリに関する管理情報が記録される。
【0027】
(26)ボリューム属性
磁気テープ3の書き込み禁止、読み出し禁止、処理継続中、などの情報が記述される。
(27)ボリューム情報
磁気テープ3のパーティション数や初期化回数などボリューム履歴にかかわる情報が記述される。
(28)ボリューム使用履歴情報
磁気テープ3上の各パーティションの使用履歴を精算しカセット全体の使用履歴とした情報。これにはテープのローディング回数のみならずカセットのローディング回数などボリュームにかかわる固有情報が含まれる。
【0028】
(29)高速サーチ支援マップ情報
磁気テープ3からリアルタイムにID情報を得ることなしにリールモーターの性能を最大限に利用した高速サーチ機能を実現するために必要なデータマップ情報。
その高速サーチ機能は次のような動作となる。例えば磁気テープ3上にデータを記録している過程で、テープ走行10m毎に論理的な位置情報を高速サーチ支援マップへ書き込む。そして磁気テープ3上のしかるべきファイル位置をサーチして探しに行く際には、まずこのマップを確認して最も近傍でかつ手前の10m単位位置を十分なマージンを含んで選択する。テープ厚とリール径は分かっているため、割り出した位置までリールFGのパルスを勘定する事でテープのIDを全く読まずにテープを送ることができる。つまり磁気テープからのID読出が不能となる高速でテープ走行できる。このような高速走行で割り出した位置まで到達したら、そこで磁気テープ3からIDデータを読める速度まで減速して、通常の高速サーチをやって最終的にホストコンピュータから指示されたファイル位置をサーチする。
【0029】
(30)アンロード位置情報
メモリ(リモートメモリチップ)を利用することにより、磁気テープの先頭から昇べき順に番号付けしたマルチパーティションを効率的に管理できる。マルチパーティション仕様では、各パーティションに単位でロード/アンロードを行うことができるが、任意のパーティションにてアンロードする場合、次回ローディングした際に前回アンロードした場所に再びロードされたのかどうかを確認する必要がある。その為にアンロードした位置の情報をメモリーに記憶しておく。こうすることにより誤って別の場所へロードされたとしてもそれを検出し、予期せぬ位置への書き込みや、予期せぬ位置からの読み出しを未然に防ぐことができる。
【0030】
(31)ユーザーフリー領域
ユーザーがホストインターフェース(SCSI)経由およびシリアルインターフェースにて自由に読み書きできるメモリー領域。シリアルインタフェースはドライブ装置に備わるインターフェースでありメンテナンスおよびライブラリのコントローラーが利用するインターフェースである。
(32)予約領域
将来拡張のためのメモリー空き領域。
【0031】
(33)セッション識別子
詳しくは後述するが、リモートメモリチップ4に対するデータ転送の際にテープカセット(リモートメモリチップ)を特定するために対応装置(ライブラリ装置50)が付与する1バイトの識別子である。なお本例ではリモートメモリチップ4のEEP−ROM4dにセッション識別子が記憶されるものとするが、EEP−ROM4dには記憶せずにコントローラ4cが内部レジスタに記憶する(つまり動作継続中のみ記憶保持されるデータとする)ことも考えられる。
【0032】
3.テープストリーマドライブの構成
次に、図1により本例のテープストリーマドライブ10の構成について説明する。このテープストリーマドライブ10は、上記テープカセット1の磁気テープ3に対して、ヘリカルスキャン方式により記録/再生を行うようにされている。
この図において回転ドラム11には、例えば2つの記録ヘッド12A、12B及び3つの再生ヘッド13A、13B、13Cが設けられる。
記録ヘッド12A、12Bは互いにアジマス角の異なる2つのギャップが究めて近接して配置される構造となっている。再生ヘッド13A、13Bも互いにアジマス角の異なるヘッドとされるが、例えば90度離れた状態で配置される。再生ヘッド13Cは、記録直後の読出(いわゆるリードアフターライト)に用いられるヘッドとなる。
【0033】
回転ドラム11はドラムモータ14Aにより回転されると共に、テープカセット1から引き出された磁気テープ3が巻き付けられる。また、磁気テープ3は、キャプスタンモータ14B及び図示しないピンチローラにより送られる。また磁気テープ3は上述したようにリール2A,2Bに巻装されているが、リール2A,2Bはそれぞれリールモータ14C、14Dによりそれぞれ順方向及び逆方向に回転される。
【0034】
ドラムモータ14A、キャプスタンモータ14B、リールモータ14C、14Dはそれぞれメカドライバ17からの電力印加により回転駆動される。メカドライバ17はサーボコントローラ16からの制御に基づいて各モータを駆動する。サーボコントローラ16は各モータの回転速度制御を行って通常の記録再生時の走行や高速再生時のテープ走行、早送り、巻き戻し時のテープ走行などを実行させる。
なおEEP−ROM18にはサーボコントローラ16が各モータのサーボ制御に用いる定数等が格納されている。
サーボコントローラ16はインターフェースコントローラ/ECCフォーマター22(以下、IF/ECCコントローラという)を介してシステム全体の制御処理を実行するシステムコントローラ15と双方向に接続されている。
【0035】
このテープストリーマドライブ10においては、データの入出力にSCSIインターフェイス20が用いられている。例えばデータ記録時にはホストコンピュータ40から、固定長のレコード(record)という伝送データ単位によりSCSIインターフェイス20を介して逐次データが入力され、圧縮/伸長回路21に供給される。なお、このようなテープストリーマドライブシステムにおいては、可変長のデータの集合単位によってホストコンピュータ40よりデータが伝送されるモードも存在する。
【0036】
圧縮/伸長回路21では、入力されたデータについて必要があれば、所定方式によって圧縮処理を施すようにされる。圧縮方式の一例として、例えばLZ符号による圧縮方式を採用するのであれば、この方式では過去に処理した文字列に対して専用のコードが割り与えられて辞書の形で格納される。そして、以降に入力される文字列と辞書の内容とが比較されて、入力データの文字列が辞書のコードと一致すればこの文字列データを辞書のコードに置き換えるようにしていく。辞書と一致しなかった入力文字列のデータは逐次新たなコードが与えられて辞書に登録されていく。このようにして入力文字列のデータを辞書に登録し、文字列データを辞書のコードに置き換えていくことによりデータ圧縮が行われるようにされる。
【0037】
圧縮/伸長回路21の出力は、IF/ECCコントローラ22に供給されるが、IF/ECCコントローラ22においてはその制御動作によって圧縮/伸長回路21の出力をバッファメモリ23に一旦蓄積する。このバッファメモリ23に蓄積されたデータはIF/ECCコントローラ22の制御によって、最終的にグループ(Group)という磁気テープの40トラック分に相当する固定長の単位としてデータを扱うようにされ、このデータに対してECCフォーマット処理が行われる。
【0038】
ECCフォーマット処理としては、記録データについて誤り訂正コードを付加すると共に、磁気記録に適合するようにデータについて変調処理を行ってRF処理部19に供給する。
RF処理部19では供給された記録データに対して増幅、記録イコライジング等の処理を施して記録信号を生成し、記録ヘッド12A、12Bに供給する。これにより記録ヘッド12A、12Bから磁気テープ3に対するデータの記録が行われることになる。
【0039】
また、データ再生動作について簡単に説明すると、磁気テープ3の記録データが再生ヘッド13A、13BによりRF再生信号として読み出され、その再生出力はRF処理部19で再生イコライジング、再生クロック生成、2値化、デコード(例えばビタビ復号)などが行われる。
このようにして読み出された信号はIF/ECCコントローラ22に供給されて、まず誤り訂正処理等が施される。そしてバッファメモリ23に一時蓄積され、所定の時点で読み出されて圧縮/伸長回路21に供給される。
圧縮/伸長回路21では、システムコントローラ15の判断に基づいて、記録時に圧縮/伸長回路21により圧縮が施されたデータであればここでデータ伸長処理を行い、非圧縮データであればデータ伸長処理を行わずにそのままパスして出力される。
圧縮/伸長回路21の出力データはSCSIインターフェイス20を介して再生データとしてホストコンピュータ25に出力される。
【0040】
また、この図にはテープカセット1内のリモートメモリチップ4が示されている。このリモートメモリチップ4に対しては、テープカセット1本体がテープストリーマドライブに装填されることで、リモートメモリインターフェース30を介して非接触状態でシステムコントローラ15とデータの入出力が可能な状態となる。
リモートメモリインターフェース30としてはデータインターフェース31、RFインターフェース32、アンテナ33が設けられる。
【0041】
このリモートメモリインターフェース30の構成を図2に示す。
データインターフェース31は、システムコントローラ15との間のデータのやりとりを行う。後述するように、リモートメモリチップ4に対するデータ転送は、機器側からのコマンドとそれに対応するリモートメモリチップ4からのアクナレッジという形態で行われるが、システムコントローラ15がリモートメモリチップ4にコマンドを発行する際には、データインターフェース31がコマンドデータを受け取り、RFインターフェース32に供給する。またデータインターフェース31はRFインターフェース32に対して搬送波周波数CR(13MHz)を供給する。
【0042】
RFインターフェース32には図2に示すようにコマンド(送信データ)WSを振幅変調(100KHz)して搬送波周波数CRに重畳するとともに、その変調信号を増幅してアンテナ33に印加するRF変調/増幅回路32aが形成されている。
このRF変調/増幅回路32aにより、コマンドデータがアンテナ33からテープカセット1内のアンテナ5に対して無線送信される。テープカセット1側では、図5で説明した構成により、コマンドデータをアンテナ5で受信することでパワーオン状態となり、コマンドで指示された内容に応じてコントローラ4cが動作を行う。例えば書込コマンドとともに送信されてきたデータをEEP−ROM4dに書き込む。
【0043】
また、このようにリモートメモリインターフェース30からコマンドが発せられた際には、リモートメモリチップ4はそれに対応したアクナレッジを発することになる。即ちリモートメモリチップ4のコントローラ4cはアクナレッジとしてのデータをRF4bで変調・増幅させ、アンテナ5から送信出力する。
このようなアクナレッジが送信されてアンテナ33で受信された場合は、その受信信号はRFインターフェース32の整流回路32bで整流された後、コンパレータ32cでデータとして復調される。そしてデータインターフェース31からシステムコントローラ15に供給される。例えばシステムコントローラ15からリモートメモリチップ4に対して読出コマンドを発した場合は、リモートメモリチップ4はそれに応じたアクナレッジとしてのコードとともにEEP−ROM4dから読み出したデータを送信してくる。するとそのアクナレッジコード及び読み出したデータが、リモートメモリインターフェース30で受信復調され、システムコントローラ15に供給される。
【0044】
以上のようにテープストリーマドライブ10は、リモートメモリインターフェース30を有することで、テープカセット1内のリモートメモリチップ4に対してアクセスできることになる。
なお、このような非接触でのデータ交換は、データを13MHz帯の搬送波に100KHzの振幅変調で重畳するが、元のデータはパケット化されたデータとなる。
即ちコマンドやアクナレッジとしてのデータに対してヘッダやパリティ、その他必要な情報を付加してパケット化を行い、そのパケットをコード変換してから変調することで、安定したRF信号として送受信できるようにしている。
なお、このような非接触インターフェースを実現する技術は本出願人が先に出願し特許登録された技術として紹介されている(特許第2550931号)。
【0045】
S−RAM24,フラッシュROM25は、システムコントローラ15が各種処理に用いるデータが記憶される。
例えばフラッシュROM25には制御に用いる定数等が記憶される。またS−RAM24はワークメモリとして用いられたり、リモートメモリチップ4から読み出されたデータ、リモートメモリチップ4に書き込むデータ、テープカセット単位で設定されるモードデータ、各種フラグデータなどの記憶や演算処理などに用いるメモリとされる。
なお、S−RAM24,フラッシュROM25は、システムコントローラ15を構成するマイクロコンピュータの内部メモリとして構成してもよく、またバッファメモリ23の領域の一部をワークメモリ24として用いる構成としてもよい。
【0046】
テープストリーマドライブ10とホストコンピュータ25間は上記のようにSCSIインターフェース20を用いて情報の相互伝送が行われるが、システムコントローラ15に対してはホストコンピュータ40がSCSIコマンドを用いて各種の通信を行うことになる。
【0047】
4.ライブラリ装置の構成
続いてライブラリ装置50について説明していく。
図9はライブラリ装置50の外筐ボックスの外観、図8は外筐ボックス内に配されるライブラリ装置50としての機構を示している。
まず図8でライブラリ装置50としての機構を説明する。
【0048】
図示するようにライブラリ装置50としては、コントローラボックス53上に、例えば15巻程度のテープカセット1を収納できるマガジン52が、例えば4単位取り付けられたカルーセル51が回転可能に配置されている。カルーセル51の回転によりマガジン52が選択される。
またマガジン52に対してテープカセット1の収納/取出を行うハンドユニット60がZ軸54にそって上下方向(Z方向)に移動可能に設けられる。即ちZ軸54にがギア溝が形成されており、またハンドユニット60は軸受部62がギア溝に係合した状態となっていることにより、Zモータ73によりZ軸54が回転されることで、ハンドユニット60が上下に移動される。
【0049】
ハンドユニット60は、基台61に対してハンドテーブル63がY方向に移動可能に取り付けられており、またハンドテーブル63の先端には一対のハンド64が形成されている。この一対のハンド64はX方向に開閉することでテープカセット1を保持したり離したりすることができる。
さらにカルーセル51の下部には、複数台のテープストリーマドライブ10が配置される。各テープストリーマドライブ10は上述した図1の構成を持つものである。
【0050】
このような機構により、ハンドユニットはカルーセル51上の所望のマガジン51からテープカセット1を取り出し、所望のテープストリーマドライブ10に搬送して装填させることができる。また逆に或るテープストリーマドライブ10から取り出したテープカセット1を所望のマガジンの所望の位置に収納することができる。
【0051】
この機構を収納する外筐ボックスは、図9に示すように、前面のほぼ全体が前とびら55とされ、とっ手58により開閉することができる。またカギ59により前とびら55を施錠することができる。さらに前とびら55には透明パネル55aとしての部位が設けられ、内部を視認できるようにされている。
前とびら55の上部側には操作パネル57やポスト56が形成される。ポスト56は前とびら55を閉めたままテープカセット1の追加や取り出しを行うために形成されており、図8には示していないが、ポスト56から挿入されたテープカセット1は、ハンドユニット60によってマガジン52内の所要の位置へ搬送することができるようにされている。またハンドユニット60は搬送しているテープカセット1をポスト56から排出することも可能とされる。
【0052】
操作パネル57には、ユーザーが操作するための各種キーが配されている。この操作パネル57のキー操作情報は後述するライブラリコントローラ80に入力され、ライブラリコントローラ80の制御によって操作に応じた動作が実行される。この操作パネル57によるユーザーの操作としては、ポスト56からのテープカセット1の挿入/排出や、ライブラリ装置50の調整動作の指示等となる。
【0053】
マガジン52の構造を図10に示す。
各マガジン52は、それぞれ15単位程度の収納部52aが形成されており、各収納部52aにテープカセット1を収納できる。
収納部52aは、テープカセット1を入れやすく、しかもカルーセル51の回転の際などにテープカセット1が脱落しないように或る程度抑える力があるようにサイズが設定されている。しかもハンド64によって取り出しやすいものとされる。
例えば各収納部52aの高さサイズaは、テープカセット1の厚みが約15mmであることからa=16mm程度とされる。
また収納部52aの仕切りサイズbは、なるべく薄くして多数の収納部52aを形成できるようにすることと、或る程度厚みを持って強度を稼ぐことを勘案して、例えばb=3mm程度とされる。
【0054】
またテープカセット1が収納部52aに収納された状態においては、テープカセット1の背面側が多少突出した状態となるように奥行サイズを設定している。
即ち図11には平面方向にみたマガジン52内のテープカセット1を示しているが、図中dの部分としてテープカセット1の背面側が突出した状態で収納されるようにする。このとき例えばd=20mm程度とする。
このようにすることで、テープカセット1の両側面の凹部7,7に対してハンド64の先端が容易にはまり込むことができる。
【0055】
図11、図12、図13でハンドユニット60の構造及び動作を説明する。
図11はハンドユニット60が或るテープカセット1に相対した位置で離れている状態、図12はハンドユニット60がテープカセット1を握持している状態を示し、また図13は図12の状態を側面方向から見た状態を示している。
【0056】
ハンドユニット60は上述したように基台61に対してハンドテーブル63が移動可能に取り付けられ、さらにハンドテーブル63にハンド64、64が取り付けられるものとなる。
まず基台61に設けられた軸受部62がZ軸54と係合した状態で、ハンドユニット60の全体がZ軸54によって保持されることで、Z軸54の回転によりハンドユニット60は上下方向に移動し、その時点でマガジン52の或る収納部52a、もしくは或るテープストリーマドライブ10に対向する位置に位置決めされる。
なお軸受部62は、前とびら55の方向から見てマガジン52よりずれた位置に形成されることで、前とびら55を開けてマガジン52にテープカセット1を収納したり取り出したりする際に、Z軸54がじゃまにならないようにされている。
【0057】
ハンドテーブル63は基台61上のガイドレール68に沿って移動可能とされる。即ちギア溝を有するY軸71がハンドテーブル63に係合しており、Yモータ69によってY軸71が正逆回転されることで、ハンドテーブル63がマガジン52に接近する方向及び離れていく方向に移動される。
【0058】
ハンドテーブル63には、それぞれ支持軸67を回動支点とする一対のハンド64、64が取り付けられている。各ハンドは後端部側がプランジャ65によって牽引される状態とされているとともに、先端部に近い位置がハンドテーブル63からスプリング66によって引っ張られる状態となる。従って、プランジャ65がオフとされている期間は、図12のようにスプリング66の付勢によって両ハンド64が閉じる状態とされており、プランジャ65がオンとハンド後端部が牽引されることで、図11の状態、即ち両ハンド64がスプリング66の付勢に逆らって開いた状態となる。
【0059】
マガジン52から或るテープカセット1を取り出す動作を実行する際には、まずZ軸54が駆動されることで、ハンドユニット60が、その目的とするテープカセット1が収納されている収納部52aの高さ位置まで移動される。
続いてプランジャ65によって図11のように両ハンド64、64が開いた状態とされ、その状態でYモータ69によりハンドテーブル63がマガジン52に接近する方向に移動されていく。
図12の状態までハンドテーブル63が移動されたら、その時点でプランジャ65がオフとされ、従って両ハンド64はスプリング66の付勢によって閉じる方向に移動する。これによって図12に示すようにハンド64、64がテープカセット1の両側部(凹部7)を掴む状態となる。
そしてその状態のままYモータ69によりハンドユニット64がマガジン52から離れていく方向に移動されることで、テープカセット1が取り出される。
取り出されたテープカセット1は、ハンドユニット60によって所定のテープストリーマドライブ10や、或いはポスト56、或いはマガジンの他の収納部52a等に搬送される。
マガジン52にテープカセット1を収納する際には、以上の逆の手順の動作が行われることになる。
【0060】
ところで、上述したようにテープカセット1内部には、リモートメモリチップ4が搭載されているが、このライブラリ装置50も、テープストリーマドライブ10と同様にそのリモートメモリチップ4に対するアクセスを行うことができる。
このために図11、図12、図13に示すようにハンドテーブル63にはリモートメモリドライブボックス70が配置され、ここにはリモートメモリインターフェース30としての回路部(図1におけるリモートメモリインターフェース30と同様の回路部)が内蔵される。
そしてテープカセット1の背面であってリモートメモリチップ4の配された位置に対向する位置にアンテナ33が設けられている。
【0061】
例えば図12の状態では、アンテナ33とテープカセット1内のリモートメモリチップ4はかなり近接ずる状態となり、この状態においてリモートメモリチップ4に対して無線通信によるアクセスを実行することができる。
また図11の状態ではアンテナ33とリモートメモリチップ4が距離e程度離れた状態となるが、距離eが数センチ程度ならアクセス可能である。
【0062】
なお図11、図12、図13には基台61の下部にバーコードリーダー72を設けた状態を示している。
例えばこのようにバーコードリーダー72を設けることで、バーコードラベルが貼付されたテープカセット1が収納されていた場合に、そのバーコード情報を読み取れることになる。なお、バーコードリーダー72を設ける場合に、そのバーコードリーダー72の配置位置とアンテナ33の配置位置関係は特に限定されるものではなく、例えばハンドテーブル上にバーコードリーダー72を配置してもよい。
【0063】
以上のような機構を持つライブラリ装置50の内部構成を図14に示す。
ライブラリコントローラ80はライブラリ装置50の全体を制御する部位とされる。そしてライブラリコントローラ80はSCSIインターフェース87を介して、テープストリーマドライブ10やホストコンピュータ40と通信可能とされる。
従ってホストコンピュータ40からのSCSIコマンドに従って、マガジン52、テープストリーマドライブ10、ポスト56の間でのテープカセット1の搬送や、収納されているテープカセット1に対する管理動作(例えばテープカセット1内のリモートメモリチップ4に対するアクセス)を実行する。
メモリ81はライブラリコントローラ80が処理に用いるワークメモリとなる。また上述したように操作パネル57からの操作情報はライブラリコントローラ80に供給され、ライブラリコントローラ80は操作に応じた必要な動作制御を実行する。
【0064】
カルーセルコントローラ83は、ライブラリコントローラ83の指示に応じて回転制御モータ84を駆動し、カルーセル51を回転させる動作を行う。つまりハンドユニット64に対向させるマガジン52の選択動作を実行させる。カルーセル位置センサ85は、カルーセル51の回転位置、つまりどのマガジン52が選択(ハンドユニット64に対向)されている状態であるかを検出する。カルーセルコントローラ83はカルーセル位置センサ85からの情報を取り込みながらカルーセル51を回転駆動することで、目的のマガジン52が選択されるようにする。
【0065】
ハンドユニットコントローラ82は、ライブラリコントローラ80の指示に基づいてハンドユニット60を駆動する。
即ち、Zモータ73を駆動してハンドユニット60をZ方向に移動させる。このときハンドユニット60のZ方向の位置はハンド位置検出部86によって検出されるため、ハンドユニットコントローラ82は、ハンド位置検出部86からの位置検出情報を確認しながらZモータ73を駆動することで、ハンドユニット60を、ライブラリコントローラ80に指示された所定の高さ位置に位置決めすることができる。
またハンドユニットコントローラ82は、Yモータ69及びプランジャ65をそれぞれ所定タイミングで駆動することで、上述したようなハンド64によるテープカセット1の取り出し、収納動作を実行させる。
【0066】
上記したようにハンドユニット60に設けられるリモートメモリドライブボックス70には、リモートメモリインターフェース30としての回路部が収納されている。
このリモートメモリインターフェース30は、上記図1で説明したテープストリーマドライブ1内のリモートメモリインターフェース30と同様に、データインターフェース31、RFインターフェース32、及びアンテナ33からなるもので、図2のような構成を持つものである。
このリモートメモリインターフェース30はライブラリコントローラ80に接続される。
従って、図2の説明からわかるように、このリモートメモリインターフェース30を介することでライブラリコントローラ80は、マガジン52内でアンテナ33に接近しているテープカセット1、もしくはハンドユニット60が保持しているテープカセット1内のリモートメモリチップ4に対してコマンドを発して書込/読出アクセスを行うことができる。
もちろんこの場合も、アクセスはライブラリコントローラ80側からのコマンドと、リモートメモリチップ4からのアクナレッジにより成立するものとされる。
【0067】
なお図示していないが、上述のようにバーコードリーダー72を設ける場合には、バーコードリーダー72の駆動回路系が設けられるとともに、読み取られた情報がライブラリコントローラ80に供給される構成をとる。
【0068】
5.リモートメモリチップの状態遷移
以上のようなライブラリ装置50や、上述したテープストリーマドライブ10によれば、テープカセット1内のリモートメモリチップ4に対してアクセスを行うことができる。
そして上述したようにリモートメモリチップ4はアクセスの際の受信電波から電源を生成して電源オンとなるものである。
【0069】
このリモートメモリチップ4の内部での論理的な状態遷移を図15に示す。
図示するようにリセット状態、アイドリング状態、発行状態、認証状態、データ転送状態の5つの論理的モードが、それぞれ矢印に示すように遷移する場合が存在する。各状態について説明する。
【0070】
リセット状態とは、リモートメモリチップ4に電力が供給され安定した状態をいう。即ちリモートメモリチップ4に対するアクセスが発生した時点で、リモートメモリチップ4はリセット状態になる。
アイドリング状態とは、リモートメモリチップ4が内部リセット完了することで移行する状態である。このアイドリング状態では全てのコマンドを受け付ける状態で待機する。
【0071】
データ転送状態とは、リモートメモリチップ4がデータ転送系のコマンドを実行している状態をいう。なお、詳しくは後述するが、ライブラリ装置50からのデータ転送命令としてのコマンドパケットにはセッション識別子が含まれているものとされ、セッション識別子が含まれていないパケットは無効とされる。
【0072】
発行状態とは、リモートメモリチップ4の読出専用領域(図6に示した(22)読み出し専用領域の開始アドレス、(23)読み出し専用領域の終了アドレスで規定される領域)に対して書込ができる特殊な状態である。
これは、例えばシリアル番号の書込や論理フォーマット等、製造者サイドのみで行われる書込/読出動作に係るものであり、専用のコマンドにより、この発行状態に移行することになる。
【0073】
認証状態とは、シリアル番号等を頼りとしてリモートメモリチップ4を特定し、特定したリモートメモリチップ4にセッション識別子を付与する処理を行う際の状態である。本例ではライブラリ装置50がセッション識別子は付与することになり、そのセッション識別子はリモートメモリチップ4内のEEP−ROM4dに記憶される。
リモートメモリチップ4を認証状態としてライブラリ装置50が実行する処理については、セッション識別子割当処理として後述する。
【0074】
6.リモートメモリチップに対するコマンド
上述したようにリモートメモリチップ4との通信はコマンドとそれに対応するアクナレッジにより成立する。或るコマンドと、それに対応するアクナレッジは異なるコードとされている。
これは例えばライブラリコントローラ80が、マガジン52に並んで収納された多数のテープカセット1のうちで或る特定のテープカセット1に対してコマンドを発する場合などに不都合が生じないようにするためのものである。
例えばコマンドを受けた特定のテープカセット1内のリモートメモリチップ4は、それに応じてアクナレッジを返すことになるが、コマンドと、それに対応するアクナレッジのコードが同一とされると、隣接する他のテープカセット1のリモートメモリチップが、それをコマンドと受け取ってしまうおそれがあり、このような誤動作の発生を防止するためである。
【0075】
また、例えばライブラリコントローラ80が隣接して収納されている多数のテープカセット1の中で、特定のテープカセットのリモートメモリチップ4のみと通信するために、セッション識別子を利用する。
これは後述するセッション識別子割当処理によりライブラリコントローラ80が各テープカセットのリモートメモリチップ4に対して1バイトコードとしてのセッション識別子を付与するものである。そして付与した後は、コマンドにセッション識別子を含むようにすることで、特定のテープカセットのリモートメモリチップ4に対するコマンドと認識させるようにするものである。
【0076】
なお、元々各リモートメモリチップ4内に記憶されているシリアル番号等を利用すれば(つまりコマンドパケットにシリアル番号を含むようにすれば)、セッション識別子を利用しなくとも特定のリモートメモリチップ4に対するコマンドとして認識させることはできるが、シリアル番号等の各テープカセット固有のコードは、例えば32バイトなどデータ長の長いものである。コマンドパケットにこのような長い識別情報を含むことは伝送効率や装置構成を考えた場合不利なものとなり、従って本例のように1バイトのセッション識別子を利用する方式は、コマンド伝送方式として非常に有効なものとなる。
【0077】
本例ではセッション識別子をライブラリコントローラ80が設定しリモートメモリチップ4に付与することになるが、本例で用いる1バイトのセッション識別子の定義は図31のようになる。
1バイトとしての「00000000」〜「11111111」を「0」〜「255」の数値で示すと、「0」はセッション識別子が未割当であることを示す。即ち後述するセッション識別子割当処理が実行されていないテープカセットのリモートメモリチップでは、そのEEP−ROM4dにおいてセッション識別子に相当する値が「00h」(hを付した数値は16進表記)とされていることになる。
「255」とは全てのリモートメモリチップ4を指定する数値とされる。
そして「1」〜「254」が実際の個別のセッション識別子として機能する数値となる。セッション識別子割当処理では、その対象となったリモートメモリチップ4に対して「1」〜「254」のうちのいずれかの値が選択されて(例えばライブラリ装置50内のテープカセット同志で重複しないように選択されて)付与されることになる。
【0078】
リモートメモリチップ4に対する装置側(ライブラリ装置50又はテープストリーマドライブ10)からのコマンド、及び各コマンドに対応するリモートメモリチップ4からのアクナレッジの一覧を図16に示す。
この図16に挙げた各コマンド及びアクナレッジを伝送するパケットを、図17〜図30で説明していく。なお、説明中の「装置側」とはライブラリ装置50のライブラリコントローラ80又はテープストリーマドライブ1のシステムコントローラ15のことを指す。
なお、図17〜図30においては、パケット内を1バイト毎に区切って表記している(一ます=1バイト)
【0079】
[ATTENTION REQ / ATTENTION ACK]
リモートメモリチップ4に対してアイドリング状態にあることを確認するコマンドがATTENTION REQ、それを受けたリモートメモリチップ4がアイドリング状態であることを知らせるアクナレッジがATTENTION ACKとなる。
このコマンド及びアクナレッジのパケットを図17に示す。
図17(a)はATTENTION REQパケットであり、4バイトで構成される。即ちATTENTION REQコマンドとしての1バイトコードと、00h、00h、セッション識別子Nとしての1バイトコードでパケットが構成される。
この場合、セッション識別子Nが「1」〜「254」のいずれかの値であれば、その値で示される特定のリモートメモリチップ4に対するコマンドとなり、一方セッション識別子N=「255」であれば、不特定多数のリモートメモリチップ4に対するコマンドとなる。例えばライブラリコントローラ80がマガジン52内で不特定のテープカセットのリモートメモリチップ4にコマンドを発する場合や、セッション識別子割当を行っていないテープカセットのリモートメモリチップ4にコマンドを発する場合はセッション識別子N=「255」とされる。
このようなATTENTION REQパケットを受け取った特定又は不特定のリモートメモリチップ4は図17(b)のような4バイトのATTENTION ACKパケットを出力する。即ちATTENTION ACKとしての1バイトコードと、00h、00h、セッション識別子Nとしての1バイトコードでパケットが構成される。この場合セッション識別子Nとしては、既にそのリモートメモリチップ4にセッション識別子が割り当てられていればそのセッション識別子の値となり、まだ割り当てられていなければセッション識別子N=「0」となる。
【0080】
[REPORT NUM H REQ , REPORT NUM L REQ / REPORT NUM H ACK , REPORT NUM L ACK]
リモートメモリチップ4に対して32バイトのシリアル番号(図6参照)の上位16バイトを知らせることを要求するコマンドがREPORT NUM H REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがREPORT NUM H ACKとなる。
またリモートメモリチップ4に対して32バイトのシリアル番号の下位16バイトを知らせることを要求するコマンドがREPORT NUM L REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがREPORT NUM L ACKとなる。
図18(a)にREPORT NUM H REQパケットを示す。このパケットはREPORT NUM H REQコマンドとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの3バイトによる計4バイトで構成される。
図18(b)にREPORT NUM H ACKパケットを示す。このパケットはREPORT NUM H ACKとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの4バイトに加え、シリアル番号上位16バイトが付加され、計20バイトのパケットとなる。
図18(c)にREPORT NUM L REQパケットを示す。このパケットはREPORT NUM L REQコマンドとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの3バイトによる計4バイトで構成される。
図18(d)にREPORT NUM L ACKパケットを示す。このパケットはREPORT NUM L ACKとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの4バイトに加え、シリアル番号下位16バイトが付加され、計20バイトのパケットとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側はセッション識別子を割り当てていないリモートメモリチップ4から32バイトのシリアル番号を得ることができる。
【0081】
[REPORT NUM CRC REQ / REPORT NUM CRC ACK]
リモートメモリチップ4に対してシリアル番号についての2バイトのCRC、1バイトの製造業者識別子、及び1バイトの2次識別子(図6参照)を知らせることを要求するコマンドがREPORT NUM CRC REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがREPORT NUM CRC ACKとなる。
図19(a)にREPORT NUM CRC REQパケットを示す。このパケットはREPORT NUM CRC REQコマンドとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの3バイトで計4バイトとして構成される。
図19(b)にREPORT NUM CRC ACKパケットを示す。このパケットはREPORT NUM CRC ACKとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの3バイトに加え、1バイトの製造業者識別子X、1バイトの2次識別子Y、2バイトのCRC、及び12バイトのオールゼロが付加され、計20バイトのパケットとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側はセッション識別子を割り当てていないリモートメモリチップ4からシリアル番号のCRC、製造業者識別子、2次識別子をそれぞれ得ることができる。
【0082】
[ASSERT NUM H REQ , ASSERT NUM L REQ / ASSERT NUM H ACK , ASSERT NUM L ACK]
リモートメモリチップ4に対して32バイトのシリアル番号(図6参照)の上位16バイトを指定するコマンドがASSERT NUM H REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがASSERT NUM H ACKとなる。
またリモートメモリチップ4に対して32バイトのシリアル番号の下位16バイトを指定するコマンドがASSERT NUM L REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがASSERT NUM L ACKとなる。
図20(a)にASSERT NUM H REQパケットを示す。このパケットはASSERT NUM H REQコマンドとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの3バイトと、シリアル番号上位16バイトで、計20バイトのパケットとして構成される。
図20(b)にASSERT NUM H ACKパケットを示す。このパケットはASSERT NUM H ACKとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの3バイトで計4バイトのパケットとなる。
図20(c)にASSERT NUM L REQパケットを示す。このパケットはASSERT NUM L REQコマンドとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの3バイトと、シリアル番号下位16バイトで、計20バイトのパケットとして構成される。
図20(d)にASSERT NUM L ACKパケットを示す。このパケットはASSERT NUM L ACKとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの3バイトの計4バイトのパケットとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側はシリアル番号を指定することで特定のテープカセット1(リモートメモリチップ4)を指定できる。
【0083】
[ASSERT NUM CRC REQ / ASSERT NUM CRC ACK]
リモートメモリチップ4に対してシリアル番号についての2バイトのCRC、1バイトの製造業者識別子、及び1バイトの2次識別子(図6参照)を指定するコマンドがASSERT NUM CRC REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがASSERT NUM CRC ACKとなる。
図21(a)にASSERT NUM CRC REQパケットを示す。このパケットはASSERT NUM CRC REQコマンドとしての1バイトコード、00h、00h、00hの3バイト、1バイトの製造業者識別子X、1バイトの2次識別子Y、2バイトのCRC、及び12バイトのオールゼロが付加され、計20バイトのパケットとなる。
図21(b)にASSERT NUM CRC ACKパケットを示す。このパケットはASSERT NUM CRC ACKとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの3バイトで計4バイトとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側は上述したシリアル番号とともに、シリアル番号のCRC、製造業者識別子、2次識別子をそれぞれ指定することができる。
【0084】
[ASSIGN SID REQ / ASSIGN SID ACK]
リモートメモリチップ4に対してセッション識別子を割り当てるコマンドがASSIGN SID REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがASSIGN SID ACKとなる
図22(a)にASSIGN SID REQパケットを示す。このパケットはASSIGN SID REQコマンドとしての1バイトコード、00h、00hの2バイト、割り当てるセッション識別子Nとしての1バイトで計4バイトのパケットとなる。
図22(b)にASSIGN SID ACKパケットを示す。このパケットはASSIGN SID ACKとしての1バイトコードと、00h、00hの2バイト、割り当てられたセッション識別子Nの1バイトで計4バイトとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側はリモートメモリチップ4に対してセッション識別子を割り当てることができる。
【0085】
[REPORT SID REQ / REPORT SID ACK]
特定又は不特定のリモートメモリチップ4に対してセッション識別子を報告させるコマンドがREPORT SID REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがREPORT SID ACKとなる
図23(a)にREPORT SID REQパケットを示す。このパケットはREPORT SID REQコマンドとしての1バイトコード、00h、00hの2バイト、セッション識別子Nとしての1バイトで計4バイトのパケットとなる。特定のリモートメモリチップ4に対するコマンドの場合はセッション識別子Nとしてそのリモートメモリチップ4のセッション識別子の値が挿入され、また不特定のリモートメモリチップ4に対するコマンドの場合はセッション識別子N=「255」とされる。
図23(b)にREPORT SID ACKパケットを示す。このパケットはREPORT SID ACKとしての1バイトコードと、00h、00hの2バイト、報告するセッション識別子Nの1バイトで計4バイトとなる。セッション識別子が割り当てられていないリモートメモリチップ4の場合は、報告するセッション識別子N=「0」とされる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側はリモートメモリチップ4に対してセッション識別子を報告させることができる。
【0086】
[STAT REQ / STAT ACK]
特定又は不特定のリモートメモリチップ4に対してステイタス(状態)を報告させるコマンドがSTAT REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがSTAT ACKとなる
図24(a)にSTAT REQパケットを示す。このパケットはSTAT REQコマンドとしての1バイトコード、00h、00hの2バイト、セッション識別子Nとしての1バイトで計4バイトのパケットとなる。特定のリモートメモリチップ4に対するコマンドの場合はセッション識別子Nとしてそのリモートメモリチップ4のセッション識別子の値が挿入され、また不特定のリモートメモリチップ4に対するコマンドの場合はセッション識別子N=「255」とされる。
図24(b)にSTAT ACKパケットを示す。このパケットはSTAT ACKとしての1バイトコードと、00h、00h、00hの3バイト、報告するステイタス情報としての16バイトで計20バイトとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側はリモートメモリチップ4に対してリモートメモリチップ4のステイタスを報告させることができる。
【0087】
[WR BLK REQ / WR BLK ACK]
特定のリモートメモリチップ4に対してデータの書込を指示するコマンドがWR BLK REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがWR BLK ACKとなる。
図25(a)にWR BLK REQパケットを示す。このパケットはWR BLK REQコマンドとしての1バイトコード、書込位置を指定するブロックアドレスの2バイト、特定のリモートメモリチップ4を指定するためのセッション識別子Nとしての1バイト、実際の書込データとしての16バイトで計20バイトのパケットとなる。
図25(b)にWR BLK ACKパケットを示す。このパケットはWR BLK ACKとしての1バイトコードと、指定された書込位置としてのブロックアドレスの2バイト、セッション識別子Nの1バイトで計4バイトとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側はセッション識別子で特定のリモートメモリチップ4を指定して書込アドレス及び書込データを送信し、そのリモートメモリチップ4のEEP−ROM4dに書き込ませることができる。
【0088】
[RD BLK REQ / RD BLK ACK]
特定のリモートメモリチップ4に対してデータの読出を指示するコマンドがRD BLK REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがRD BLK ACKとなる。
図26(a)にRD BLK REQパケットを示す。このパケットはRD BLK REQコマンドとしての1バイトコード、読出位置を指定するブロックアドレスの2バイト、特定のリモートメモリチップ4を指定するためのセッション識別子Nとしての1バイトで計4バイトのパケットとなる。
図26(b)にRD BLK ACKパケットを示す。このパケットはRD BLK ACKとしての1バイトコードと、指定された読出位置としてのブロックアドレスの2バイト、セッション識別子Nの1バイト、読み出したデータとしての16バイトで計20バイトとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側はセッション識別子で特定のリモートメモリチップ4及び読出アドレスを指定し、そのリモートメモリチップ4のEEP−ROM4dから所要のデータを読み出させることができる。
【0089】
[SOFT RESET REQ / SOFT RESET ACK]
特定のリモートメモリチップ4に対してソフトリセット、即ち強制的にリセット状態に移行させるコマンドがSOFT RESET REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがSOFT RESET ACKとなる。
図27(a)にSOFT RESET REQパケットを示す。このパケットはSOFT RESET REQコマンドとしての1バイトコード、00h、00hの2バイト、特定のリモートメモリチップ4を指定するためのセッション識別子Nとしての1バイトで計4バイトのパケットとなる。
図27(b)にSOFT RESET ACKパケットを示す。このパケットはSOFT RESET ACKとしての1バイトコード、00h、00hの2バイト、セッション識別子Nの1バイトで計4バイトとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側は特定のリモートメモリチップ4においてパワーを与えた状態のままリセット状態に移行させることができる。
【0090】
[MAINTENANCE REQ / MAINTENANCE ACK]
リモートメモリチップ4を発行状態に移行させるコマンドがMAINTENANCE REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがMAINTENANCE ACKとなる。
図28(a)にMAINTENANCE REQパケットを示す。このパケットはMAINTENANCE REQコマンドとしての1バイトコード、00h、00hの2バイト、セッション識別子Nとしての1バイト、所定データ16バイトで計20バイトのパケットとなる。
図28(b)にMAINTENANCE ACKパケットを示す。このパケットはMAINTENANCE ACKとしての1バイトコード、00h、00hの2バイト、セッション識別子Nの1バイト、所定データ16バイトで計20バイトのパケットとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側は特定のリモートメモリチップ4を発行状態に移行させることができる。
【0091】
[RAW WR BLK REQ / RAW WR BLK ACK]
上記MAINTENANCE REQコマンドで発行状態とされたリモートメモリチップ4に対してデータの書込を指示するコマンドがRAW WR BLK REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがRAW WR BLK ACKとなる。
図29(a)にRAW WR BLK REQパケットを示す。このパケットはRAW WR BLK REQコマンドとしての1バイトコード、書込位置を指定するブロックアドレスの2バイト、セッション識別子Nとしての1バイト、実際の書込データとしての16バイトで計20バイトのパケットとなる。
図29(b)にRAW WR BLK ACKパケットを示す。このパケットはRAW WR BLK ACKとしての1バイトコード、指定された書込位置としてのブロックアドレスの2バイト、セッション識別子Nの1バイトで計4バイトとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側は発行状態にあるリモートメモリチップ4に対して書込アドレス及び書込データを送信し、そのリモートメモリチップ4のEEP−ROM4dに書き込ませることができる。これは、通常は書込不能とされている領域に対する書込動作となり、例えばシリアル番号の書込や論理フォーマットの際などに用いられることになる。
なお、このような発行状態にある場合の処理では、通常はセッション識別子N=「255」とされる。
【0092】
[RAW RD BLK REQ / RAW RD BLK ACK]
上記MAINTENANCE REQコマンドで発行状態とされたリモートメモリチップ4に対してデータの書込を指示するコマンドがRAW RD BLK REQ、それに対するリモートメモリチップ4のアクナレッジがRAW RD BLK ACKとなる。
図30(a)にRAW RD BLK REQパケットを示す。このパケットはRAW RD BLK REQコマンドとしての1バイトコード、読出位置を指定するブロックアドレスの2バイト、セッション識別子Nとしての1バイトで計4バイトのパケットとなる。
図30(b)にRAW RD BLK ACKパケットを示す。このパケットはRAW RD BLK ACKとしての1バイトコード、指定された読出位置としてのブロックアドレスの2バイト、セッション識別子Nの1バイト、読み出したデータとしての16バイトで計20バイトとなる。
以上のコマンド及びアクナレッジにより、装置側は発行状態にあるリモートメモリチップ4に対してアドレスを指定し、そのリモートメモリチップ4のEEP−ROM4dからデータを読み出させることができる。この場合も、通常はセッション識別子N=「255」とされる。
【0093】
以上各コマンド及びアクナレッジについて説明してきたが、ライブラリ装置50やテープストリーマドライブ10は、リモートメモリインターフェース30からこれらのコマンドをリモートメモリチップ4に対して出力すること、及びアクナレッジを受け取ることで、各種のアクセスを行うことができる。
【0094】
7.セッション識別子割当処理
上述したようにライブラリ装置50のライブラリコントローラ80は、マガジン52内で隣接して収納されている多数のテープカセット1の中で、特定のテープカセットのリモートメモリチップ4のみと通信するために、セッション識別子を利用する。
これには予め各テープカセット1にセッション識別子を割り当てておかなければならないが、そのセッション識別子割当処理を図32、図33で説明する。図32、図33はライブラリコントローラ80によってリモートメモリインターフェース30を介してあるテープカセット1内のリモートメモリチップ4に対して実行されるセッション識別子割当処理のフローチャートである。
【0095】
ステップF101はセッション識別子を付与しようとするテープカセット1に対するハンドユニット60の位置決め処理である。即ち目的とするテープカセット1が収納されている高さ位置にハンドユニット60が移動されるようにZモータ73を制御する処理となる。なお、もちろん必要に応じて、カルーセル51の回転動作制御も行うことになる。
【0096】
ハンドユニット60が目的のテープカセット1に対向する位置に位置決めされたら、ステップF102で、不特定のテープカセット1に対して注目命令を行う。これは、上記ATTENTION REQコマンドを出力する処理となる。このときは、まだセッション識別子割当前であるため、ATTENTION REQパケット内のセッション識別子N=「255」とされる。このためコマンドは不特定のテープカセット1が対象となってしまうことになり、場合によっては目的とするテープカセット1内のリモートメモリチップ4以外の、マガジン52内で隣接して収納されているテープカセット1内のリモートメモリチップ4もコマンドに反応してしまうことがある。
【0097】
ATTENTION REQパケットを出力したら、ステップF103でそれに対応するATTENTION ACKパケットを待機することになる。ATTENTION ACKパケットとしてアクナレッジが良好に受信されたらステップF105に進むが、複数のリモートメモリチップ4からのATTENTION ACKパケットの混信やその他の事情でアクナレッジが良好に受信できなかった場合は、ハンドユニット60の位置が適切でないことが考えられるためステップF101から処理をやり直す。
【0098】
ATTENTION REQコマンドに対するアクナレッジが良好に得られたら、目的とするテープカセット1との間で良好な通信状態が保たれていることが確認できたため、ステップF105以降で、シリアル番号その他の報告を要求し、テープカセット(リモートメモリチップ4)を認証する処理を行う。
まずステップF105では上記したREPORT NUM H REQパケットを出力して、シリアル番号上位16ビットを要求する。
これに応じたREPORT NUM H ACKパケットにより、シリアル番号上位16ビットが得られたら、ステップF106からF108に進み、REPORT NUM L REQパケットを出力して、シリアル番号下位16ビットを要求する。
これに応じたREPORT NUM H ACKパケットにより、シリアル番号下位16ビットが得られたら、ステップF109からF111に進み、受信した32ビットのシリアル番号からCRCデータを生成する。
【0099】
シリアル番号についてのCRCデータを生成したら、続いてステップF112で、リモートメモリチップ4に記録されているCRCを要求する。即ちREPORT NUM CRC REQパケットを出力する。上記図19からわかるように、これに対するアクナレッジにより、リモートメモリチップ4からCRC、製造業者識別子、2次識別子を取り込むことができる。
そこでアクナレッジ(REPORT NUM CRC ACK)を受信したら、ステップF113からF115に進み、受信したCRCとステップF111で生成したCRCを比較する。ここでCRCが一致したら、或る特定のテープカセット1に対して継続して良好な通信状態が保たれ、かつそのテープカセット1に与えられているシリアル番号、製造業者識別子、2次識別子が正確に取り込めたと判断する。
【0100】
ところで、ステップF105,F108,F113でそれぞれコマンドを出力した際において、アクナレッジが正確に受信できない場合がある。例えば複数のリモートメモリチップ4からのアクナレッジが混信したり何らかの事情でコマンドもしくはアクナレッジが良好に相手側に受信されなかった場合等であるが、これらの場合は、認証NGとし、それぞれステップF107,F110,F114からステップF101に戻って位置決めからやり直すことになる。
【0101】
ステップF116で一致が確認された場合とは、特定のテープカセット1との間で適正に通信が継続され、かつシリアル番号等が正確に取り込めた場合であるので、これはそのテープカセット1(リモートメモリチップ4)に対するセッション識別子を付与する条件が整ったことを意味する(認証OK)。
この場合処理は▲1▼として示すように図33のステップF117に進み、以降実際のセッション識別子の割当を実行することになる。
まず、ステップF117でシリアル番号上位16ビットを用いて、その特定のリモートメモリチップ4に対して呼びかけを行う。即ちASSERT NUM H REQコマンドを出力する。これに対してその特定のリモートメモリチップ4からアクナレッジ(ASSERT NUM H ACK)が受信される(ステップF118)。
またステップF120でシリアル番号下位16ビットを用いて、その特定のリモートメモリチップ4に対して呼びかけを行う。即ちASSERT NUM L REQコマンドを出力する。これに対してその特定のリモートメモリチップ4からアクナレッジ(ASSERT NUM L ACK)が受信される(ステップF121)。
【0102】
この処理により、特定のシリアル番号のリモートメモリチップ4が呼びかけに応答し、他のテープカセット1のリモートメモリチップ4は応答していないことが確認できる。そこでステップF123でその特定のシリアル番号のリモートメモリチップ4に対してセッション識別子の割当を行う。即ちシリアル番号、CRC、製造業者識別子、2次識別子の計36バイトとして得られたテープカセット固有のコードナンバに対応させて、あるセッション識別子N(1〜254のうちのいずれかの値)を設定し、ASSIGN SID REQパケットとして設定したセッション識別子Nを送信して、リモートメモリチップ4のEEP−ROM4dに記憶させる。
そしてそのコマンドに対応してステップF124でアクナレッジ(ASSIGN SID ACK)が受信されたら、セッション識別子割当処理が適正に完了したとして処理を終了する。
【0103】
なお、ステップF117又はF120でのコマンドに対して適正なアクナレッジが受信されなかった場合や、ステップF123での割当コマンドに対して適正なアクナレッジが受信されなかった場合は、▲2▼として示すようにステップF101に戻って処理をやり直すか、もしくはエラー処理として何らかの処理を行ってセッション識別子割当不能として終了する。
【0104】
以上図32、図33に示したようにライブラリコントローラ80はマガジン52内のテープカセット1のリモートメモリチップ4に対してセッション識別子を割り当てることができる。そしてこのようにセッション識別子を割り当てることで、その後はコマンドにセッション識別子を含むようにすれば、シリアル番号を用いずに特定のリモートメモリチップ4に対して所望のアクセス処理を行うことができる。
また以上の処理例からわかるようにセッション識別子の割当処理は、シリアル番号やCRCのチェック過程を経ることで、特定のリモートメモリチップ4との間での良好な通信が保たれていること及びテープカセットを特定する認証が厳重に行われた上で実行されるため、或るセッション識別子を、他のリモートメモリチップ4(例えば認証されたテープカセットと隣接するテープカセットのリモートメモリチップ)に付与してしまうということもない。
【0105】
8.データ転送処理
続いてセッション識別子を用いたアクセス処理例を図34で説明する。
図34(a)は特定のリモートメモリチップ4のEEP−ROM4dに対してデータ書込を行う場合である。なお、この処理はハンドユニット60が目的とするテープカセット1の高さ位置に位置決めされ、そのリモートメモリチップ4と通信可能な状態とされて行われることはいうまでもない。
この場合ステップF201としてリモートメモリチップ4に対してデータ書込のコマンドを出力する。即ちWR BLK REQパケットとして、セッション識別子でリモートメモリチップ4を特定するとともに書込アドレス、書込データを送信し、リモートメモリチップ4においてデータ書込を実行させる。
リモートメモリチップ4では書込動作に応じてアクナレッジを返信してくるが、ライブラリコントローラ80は適正なアクナレッジ(WR BLK ACK)を確認したらステップF202から処理を終える。
なお、適正にアクナレッジが受信できなかった場合は、ステップF203から書込エラーとする。この場合、例えばハンドユニット60の位置を調整してリトライを行うことなどが考えられる。
【0106】
図34(b)は特定のリモートメモリチップ4のEEP−ROM4dに対してデータ読出を要求する場合である。この処理もハンドユニット60が目的とするテープカセット1の高さ位置に位置決めされて行われる。
この場合ステップF211としてリモートメモリチップ4に対してデータ読出コマンドを出力する。即ちRD BLK REQパケットとして、セッション識別子でリモートメモリチップ4を特定するとともに読出アドレスを送信し、そのリモートメモリチップ4にデータ読出を実行させる。
リモートメモリチップ4では読出動作に応じてアクナレッジ(RD BLK ACKパケット)を返信してくるが、これによりライブラリコントローラ80は読出データを受け取ることができる。つまりライブラリコントローラ80は適正なアクナレッジを確認しデータを取り込んだらステップF212から処理を終える。
なお、適正にアクナレッジが受信できなかった場合は、ステップF213から読出エラーとする。この場合、例えばハンドユニット60の位置を調整してリトライを行うことなどが考えられる。
【0107】
以上、リモートメモリチップ4に対する書込動作、読出動作の処理例を述べたが、これ以外にも上記各種コマンドで説明したように特定のリモートメモリチップ4からステイタス報告を要求する場合や、リセット状態への移行を指示する場合など、セッション識別子を用いることで、目的とするリモートメモリチップ4に対して正確に制御を行うことができる。
【0108】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、これまで説明してきた各図に示す構成や動作に限定されるものではなく、テープカセット、テープストリーマドライブ、及びリモートメモリチップに格納されるべきデータのフォーマットや処理動作等は、実際の使用条件等に応じて適宜変更が可能とされる。もちろんリモートメモリチップ内の不揮発性メモリはEEP−ROMに限られるものではない。
また、これまで説明してきた実施の形態としては、デジタル信号の記録/再生が行われる不揮発性メモリ付きの8mmVTR用テープカセットと、このテープカセットに対応するテープストリーマドライブ、ライブラリ装置を有するシステムについて説明してきたが、これに限定されるものではなく、例えば映像信号や音声信号の情報をデジタル信号として記録/再生可能な記録/再生システムにおいても適用が可能である。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、例えばライブラリ装置などの記録媒体対応装置は、個々の記録媒体を識別情報(例えばシリアル番号)により判別して無線通信によるコマンドで制御を行うようにする。このとき識別番号に対応する識別子(セッション識別子)を設定/付与し、制御実行時のコマンドには識別子を含ませることで、制御すべき特定の記録媒体のみがコマンドに応じた対応動作を実行するようにしている。これにより、目的とする記録媒体に対して適切に制御が実行できるようになり、記録媒体におけるメモリ手段からのデータの読み取りや、メモリ手段に対するデータの書込を正確に実行できるようになる。従って非接触型のメモリ手段を有する記録媒体に対して多様かつ高度な制御が実現できるという効果がある。
また識別子を1バイト程度の短いデータとすることで、パケットに含ませるデータとして好適なものとなり、パケット通信の効率化がはかられる。
【0110】
また記録媒体対応装置と前記記録媒体の間で行われる通信は、記録媒体対応装置からのコマンドと、コマンドに対応する記録媒体からのアクナレッジにより実行されるとともに、コマンドと、そのコマンドに対応するアクナレッジは、異なるコードで構成されるようにしていることから、例えば記録媒体からのアクナレッジが他の記録媒体に対するコマンドとして認識されてしまうようなこともなく、不適切な動作が実行されてしまうこともない。
【0111】
また記録媒体対応装置の制御手段は、識別子を含む書込/読出コマンドをインターフェース手段から出力させることで、記録媒体を特定して、その記録媒体のメモリ手段に対するデータの書込又は読出としてのデータ転送を実行させることで、正確かつ多様な書込/読出制御が可能となる。
【0112】
また記録媒体対応装置の識別子設定手段は、インターフェース手段から前記識別情報の読出指示コマンドを出力させるとともに、その読出指示コマンドに対応する記録媒体からのアクナレッジをインターフェース手段で受信することで、記録媒体の確認処理を行うようにしている。これにより記録媒体を良好に特定できたうえでの識別子設定が可能となる。
また識別子設定手段は、識別情報とそれに対応させて設定した識別子とを含むコマンドを、インターフェース手段から出力させることで、そのコマンドに含まれる識別情報を有する記録媒体のメモリ手段に、そのコマンドに含まれる識別子が書き込まれるようにしている。即ち設定した識別子を記録媒体に付与する制御を、その記録媒体が有する識別情報も含むコマンドにより実行することで、隣接配置されている他の記録媒体に識別子が書き込まれてしまうといったようなことも防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のテープストリーマドライブのブロック図である。
【図2】実施の形態のテープストリーマドライブ及びライブラリ装置に配されるリモートメモリインターフェースのブロック図である。
【図3】実施の形態のテープカセットの内部構造を概略的に示す説明図である。
【図4】実施の形態のテープカセットの外観を示す斜視図である。
【図5】実施の形態のテープカセットに設けられるリモートメモリチップのブロック図である。
【図6】実施の形態のリモートメモリチップ内のデータの説明図である。
【図7】実施の形態のリモートメモリチップ内の製造業者識別子及び二次識別子の例の説明図である。
【図8】実施の形態のライブラリ装置の構造の説明図である。
【図9】実施の形態のライブラリ装置の外筐構造の説明図である。
【図10】実施の形態のライブラリ装置のマガジンの説明図である。
【図11】実施の形態のライブラリ装置のハンドユニットの説明図である。
【図12】実施の形態のライブラリ装置のハンドユニットの説明図である。
【図13】実施の形態のライブラリ装置のハンドユニットの説明図である。
【図14】実施の形態のライブラリ装置のブロック図である。
【図15】実施の形態のリモートメモリチップの状態遷移の説明図である。
【図16】実施の形態のリモートメモリチップに対するコマンドの説明図である。
【図17】実施の形態のアテンション制御に関するパケットの説明図である。
【図18】実施の形態のシリアル番号要求に関するパケットの説明図である。
【図19】実施の形態のシリアル番号のCRC要求に関するパケットの説明図である。
【図20】実施の形態のシリアル番号指定に関するパケットの説明図である。
【図21】実施の形態のシリアル番号のCRC指定に関するパケットの説明図である。
【図22】実施の形態のセッション識別子割当に関するパケットの説明図である。
【図23】実施の形態のセッション識別子要求に関するパケットの説明図である。
【図24】実施の形態のステイタス報告要求に関するパケットの説明図である。
【図25】実施の形態のデータ書込要求に関するパケットの説明図である。
【図26】実施の形態のデータ読出要求に関するパケットの説明図である。
【図27】実施の形態のリセット指示に関するパケットの説明図である。
【図28】実施の形態の発行状態指示に関するパケットの説明図である。
【図29】実施の形態の発行状態での書込指示に関するパケットの説明図である。
【図30】実施の形態の発行状態での読出指示に関するパケットの説明図である。
【図31】実施の形態のセッション識別子の説明図である。
【図32】実施の形態のセッション識別子の割当処理のフローチャートである。
【図33】実施の形態のセッション識別子の割当処理のフローチャートである。
【図34】実施の形態のデータ転送処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 テープカセット、3 磁気テープ、4 リモートメモリチップ、5 アンテナ、10 テープストリーマドライブ、11 回転ドラム、12A,12B 記録ヘッド、13A,13B,13C 再生ヘッド、15 システムコントローラ、16 サーボコントローラ、17 メカドライバ、19 RF処理部、20SCSIインターフェイス、21 圧縮/伸長回路、22 IFコントローラ/ECCフォーマター、23 バッファメモリ、30 リモートメモリインターフェース、33 アンテナ、40 ホストコンピュータ、50 ライブラリ装置、51 カルーセル、52 マガジン、60 ハンドユニット、64 ハンド、80 ライブラリコントローラ、82 ハンドユニットコントローラ、83 カルーセルコントローラ

Claims (2)

  1. 記録媒体固有の識別情報を記憶するメモリ手段、該メモリ手段についてのデータ転送を非接触で実行するための通信手段、を有する記録媒体に対して、
    前記通信手段との間で無線通信を実行できることで前記メモリ手段との間のデータ転送を非接触で行うことができるインターフェース手段を有する記録媒体対応装置が実行する記録媒体制御方法として、
    記録媒体のメモリ手段から前記識別情報を読み込むことで記録媒体を確認する確認手順と、
    前記確認手順で確認された記録媒体に対応し、かつ前記識別情報よりも短いデータ長で構成される識別子を設定し、その記録媒体のメモリ手段に対して前記識別子を付与する識別子付与手順と、
    前記識別子を含むコマンドにより、記録媒体を特定して、その記録媒体のメモリ手段に対する動作制御を行う制御手順と、が行われ
    前記識別子付与手順において、識別情報とそれに対応させて設定した識別子とを含むコマンドを、前記インターフェース手段から出力させることで、そのコマンドに含まれる識別情報を有する記録媒体のメモリ手段に、そのコマンドに含まれる識別子が記憶されるようにする識別子設定手順、が行われ、
    前記制御手順では、前記識別子を含む書込/読出コマンドにより、記録媒体を特定して、その記録媒体のメモリ手段に対するデータの書込又は読出としてのデータ転送を行い、
    前記確認手順、前記識別子付与手順、前記制御手順において前記記録媒体対応装置と前記記録媒体の間で行われる通信は、前記記録媒体対応装置からのコマンドと、コマンドに対応する記録媒体からのアクナレッジにより実行されるとともに、
    コマンドと、そのコマンドに対応するアクナレッジは、異なるコードで構成される
    記録媒体制御方法。
  2. 記録媒体固有の識別情報を記憶するメモリ手段と、該メモリ手段についてのデータ転送を非接触で実行するための通信手段とを有する記録媒体に対応する記録媒体対応装置として、
    前記通信手段との間で無線通信を実行することで前記メモリ手段との間のデータ転送を非接触で行うことができるインターフェース手段と、
    前記インターフェース手段により記録媒体のメモリ手段から前記識別情報を読み込ませて記録媒体を確認するとともに、確認された記録媒体に対応し、かつ前記識別情報よりも短いデータ長で構成される識別子を設定し、その識別子を前記インターフェース手段により記録媒体のメモリ手段に供給して書き込ませる識別子設定手段と、
    前記識別子を含むコマンドを前記インターフェース手段から出力させることで、記録媒体を特定して、その記録媒体のメモリ手段に対する動作制御を行う制御手段と、を備え、
    前記識別子設定手段は、識別情報とそれに対応させて設定した識別子とを含むコマンドを、前記インターフェース手段から出力させることで、そのコマンドに含まれる識別情報を有する記録媒体のメモリ手段に、そのコマンドに含まれる識別子が記憶されるようにし、
    前記制御手段は、前記識別子を含む書込/読出コマンドを前記インターフェース手段から出力させることで、記録媒体を特定して、その記録媒体のメモリ手段に対するデータの書込又は読出としてのデータ転送を実行させ、
    前記識別子設定手段は、前記インターフェース手段から前記識別情報の読出指示コマンドを出力させるとともに、その読出指示コマンドに対応する記録媒体からのアクナレッジを前記インターフェース手段で受信することで、記録媒体の確認処理を行うとともに、
    コマンドと、そのコマンドに対応するアクナレッジは、異なるコードで構成される
    記録媒体対応装置。
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