JP2002008342A - 磁気テープカートリッジ - Google Patents

磁気テープカートリッジ

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JP2002008342A
JP2002008342A JP2000190788A JP2000190788A JP2002008342A JP 2002008342 A JP2002008342 A JP 2002008342A JP 2000190788 A JP2000190788 A JP 2000190788A JP 2000190788 A JP2000190788 A JP 2000190788A JP 2002008342 A JP2002008342 A JP 2002008342A
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Shozo Omori
昭三 御守
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  • Packaging Of Annular Or Rod-Shaped Articles, Wearing Apparel, Cassettes, Or The Like (AREA)
  • Management Or Editing Of Information On Record Carriers (AREA)
  • Storage Of Web-Like Or Filamentary Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】保管、搬送および装填・脱着時に外力によって
非接触式メモリ素子がダメージを受け難く、装着・脱着
時の障害になることもなく、また、不用意に離脱するお
それがなく、さらに特別な作業を要せず、従来の組立工
程中で簡便に製造することができる磁気テープカートリ
ッジの提供。 【解決手段】カートリッジ本体に磁気テープを巻回した
テープリールが収容された磁気テープカートリッジであ
って、テープリールの上フランジおよび下フランジの少
なくとも一方のリール内に非接触式メモリ素子を配設し
たことを特徴とする磁気テープカートリッジ。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気テープカートリ
ッジに関し、特に、非接触で情報の読取および書込がで
きる非接触式メモリ素子が取り付けられた磁気テープカ
ートリッジに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、家庭用または業務用のビデオテー
プレコーダまたはビデオカメラに用いられる録画・再生
用テープカートリッジ、あるいはコンピュータ等の外部
記憶装置におけるデータバックアップ用の大容量記録媒
体として、上ハーフと下ハーフとからなるカートリッジ
本体に、磁気テープを巻回した一対の巻取りハブ、また
は磁気テープを巻回した単一のテープリールを回転自在
に収容した方式の磁気テープカートリッジが知られてい
る。例えば、ＪＩＳ Ｘ６１２７、Ｘ６１２９、Ｘ６１
３０、またはＥＣＭＡ−２８８等にその構造、寸法諸元
が規定されている磁気テープカートリッジが知られてい
る。これらの磁気テープカートリッジ、特に、コンピュ
ータ等のデータ保存用記録媒体として用いられる磁気テ
ープカートリッジには、バックアップデータ等の重要な
情報が記録されている。
【０００３】これらの磁気テープカートリッジにおい
て、磁気テープから情報を読み出さなくても、記録され
ている情報の内容や磁気テープの種類等を特定できれ
ば、磁気テープカートリッジの保管・ 管理、記録情報の
検索等の点で、有効である。特に、コンピュータ等のデ
ータ保存用記録媒体として用いられる磁気テープカート
リッジにおいては、記録されている情報の概略内容のみ
を、 磁気テープにアクセスせずに、簡便に認識できれ
ば、好都合である。そこで、非接触で情報の書き込みお
よび読み出しが可能なＩＣメモリを備える非接触式メモ
リ素子（ＣＭ）をカートリッジ本体に取り付けることが
考えられている。この非接触式メモリ素子は、それ自体
は電源を持たず、記録再生装置（デッキ）側に設けられ
たデータ読取・書込装置の電磁誘導作用によって生起さ
れる誘導電流により動作し、情報の記録および読取が行
われるものである。
【０００４】この非接触式メモリ素子をカートリッジ本
体に取り付ける場合、磁気テープ記録再生装置の設計の
自由度を拡大し、また、非接触式メモリ素子自体へのゴ
ミの付着や外部からの衝撃に対する保護の観点から、通
常、カートリッジ本体内部に配置される。例えば、特開
平１１−３１７０５０号公報には、図４に示すように、
非接触式メモリ素子をカートリッジ本体の内部に組み込
んだ磁気テープカートリッジが記載されている。この磁
気テープカートリッジ１６０は、記録再生装置（デッ
キ、図示せず）に矢印Ａの向きで挿入される。
【０００５】この例で用いられる非接触式メモリ素子１
６２は、データ送受信アンテナ１６４とメモリ・デバイ
ス１６６とを有する。メモリ・デバイス１６６は、例え
ば、従来のメモリチップ等の、電子的に情報を取り出す
ことができる記憶装置であり、磁気テープカートリッジ
１６０またはその内容に関連した情報が記憶される。デ
ータ送受信アンテナ１６４は、デッキ側内部に設けられ
ているデータ読取・書込装置のアンテナから放出される
磁場を変換して、データ送受信アンテナ１６４自身およ
びメモリ・デバイス１６６に電力を供給するとともに、
メモリ・デバイス１６６からのデジタル・データをデッ
キ側のデータ読取・書込装置のアンテナに送信する役割
を有するコイルアンテナである。このデータ送受信アン
テナ１６４は、磁気テープカートリッジ１６０内部の底
面１６８と背面１７０の近くに取り付けられ、図６に示
す例では、磁気テープカートリッジ１６０の底面１６８
と背面１７０の両方に対して約４５°の角度となる向き
に取り付けられている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カート
リッジ本体のテープリール、磁気テープ等の主要部品が
収納される本体内部に非接触式メモリ素子を配置する場
合、カートリッジ本体内の各種部材の配置スペースおよ
び磁気テープの巻取りスペース等により大きな制約を受
け、非接触式メモリ素子の配置位置の設計上の自由度が
制約を受けるとともに、外部記憶装置側に設ける非接触
式メモリ素子のデータ読取・書込装置の配置位置の設計
の自由度も制約を受けることとなる。
【０００７】一方、磁気テープカートリッジの外側に非
接触式メモリ素子を取り付けた場合には、磁気テープカ
ートリッジの保管、搬送および外部記憶装置への装着・
脱着に際して、外力によりダメージを受け易く、デッキ
への装着・脱着時の障害になる可能性が高く、また、不
用意に離脱するおそれもある。
【０００８】また、従来の非接触式メモリ素子を取り付
けた磁気テープカートリッジの製造においては、非接触
式メモリ素子の固定部材や取り付け手段を要するため、
非接触式メモリ素子の取り付けのための作業を特に設け
る必要があり、磁気テープカートリッジの製造工程が煩
雑となるおそれがあった。
【０００９】そこで、本発明は、非接触式メモリ素子
が、磁気テープカートリッジの保管、搬送および装填・
脱着時に外力によってダメージを受け難く、装着・脱着
時の障害になることもなく、また、不用意に離脱するお
それがなく、磁気テープカートリッジの設計の自由度な
らびに外部記憶装置側におけるデータ読取・書込装置の
設計の自由度も確保することができ、さらに特別な作業
を要せず、従来の組立工程中で簡便に製造することがで
きる磁気テープカートリッジを提供することを目的とす
る。
【００１０】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、カートリッジ本体に磁気テープを巻回し
たテープリールが収容された磁気テープカートリッジで
あって、テープリールの上フランジおよび下フランジの
少なくとも一方のリール内に非接触式メモリ素子を配設
したことを特徴とする磁気テープカートリッジを提供す
る。
【００１１】本発明において、テープリールとは、２リ
ール方式の磁気テープカートリッジにおいては、供給側
または巻取側の巻取りハブをいい、１リール方式の磁気
テープカートリッジにおいては、巻取りおよび供給を兼
ねてカートリッジ本体内に設けられるテープリールをい
う。また、テープリールの上フランジおよび下フランジ
の少なくとも一方のリール内の非接触式メモリ素子を設
ける位置は、２リール方式の磁気テープカートリッジの
巻取りハブにおいては、巻取りハブの形状・構造に対し
て、テープ巻取り位置、および磁気テープカートリッジ
使用時において記録再生装置（デッキ）からカートリッ
ジ本体内に挿入されるリール駆動軸と干渉せず、またリ
ール駆動軸、巻取りハブの回転を阻害しない位置を指
す。さらに、１リール方式の磁気テープカートリッジの
テープリール内における非接触式メモリ素子の取り付け
位置についても、２リール方式の磁気テープカートリッ
ジにおけると同様な位置を指す。
【００１２】本発明は、後記の実施態様に限定されず、
カートリッジ本体内に磁気テープを巻回するテープリー
ルを収容する磁気テープカートリッジであれば、何ら制
限なく適用できる。例えば、前記の図４に示す１リール
方式の磁気テープカートリッジ、あるいはビデオテープ
レコーダ用の磁気テープカートリッジ等に、特に制限な
く適用できる。
【００１３】また、本発明で使用される非接触式メモリ
素子は、磁気テープカートリッジのテープリール等の形
態、例えば、フランジを有するテープリール、あるいは
フランジを有しないテープリール等の構造・形態、１リ
ール方式あるいは２リール方式等のテープリールの巻取
り方式、各部材の配置態様等に応じて、その形状、各部
寸法等を適宜決定することができる。
【００１４】また、本発明において、テープリール内に
配設される非接触式メモリ素子は、接着剤等を用いる２
次的な手段でテープリール内の所定位置に取り付けても
よいし、部品成形時にインサート成形等によって所定位
置に固定してもよい。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気テープカ
ートリッジについて、図１の斜視分解図に概略構成を示
す２リール方式の磁気テープカートリッジの実施態様に
基づいて、詳細に説明する。図１に示す磁気テープカー
トリッジは、上ハーフ１０と下ハーフ１２とから構成さ
れるカートリッジ本体１４、および下ハーフ１２の外側
下部に摺動可能に嵌装されるスライダ１６を主要部材と
するものである。
【００１６】この磁気テープカートリッジには、上ハー
フ１０と下ハーフ１２の間に、供給側の巻取ハブ１８ａ
と巻取側の巻取ハブ１８ｂとの間に巻回された磁気テー
プ２０が収容される。また、上ハーフ１０の前面側に
は、磁気テープカートリッジの非使用時に磁気テープ２
０を覆って保護する前蓋（リッド）２２が支軸２２ａに
回動可能に取り付けられている。
【００１７】上ハーフ１０には、磁気テープカートリッ
ジの非使用時に、巻取ハブ１８ａおよび１８ｂに巻回さ
れた磁気テープ２０がたるむのを防止するために、ブレ
ーキ部材２４が付設される。このブレーキ部材２４は、
上ハーフ１０に設けられた突起２６に係止されたブレー
キばね２８によって付勢され、制動片２８ａおよび２８
ｂを、供給側および巻取側の巻取ハブ１８ａおよび１８
ｂの上部に設けられた歯車３０ａおよび３０ｂに係合さ
せることにより、巻取ハブ１８ａ，１８ｂの回転を禁止
し、磁気テープ２０のたるみを防止する。
【００１８】下ハーフ１２は、長方形状の底面１２ａ
に、磁気テープカートリッジ使用時においてカートリッ
ジ本体１４内に、巻取ハブ１８ａおよび１８ｂを駆動す
るためのリール軸（図示せず）が挿入されるリール軸挿
入孔３２ａ，３２ｂを有し、底面１２ａの左右両端から
上ハーフ１０の前蓋２２に向けて前方に伸びる張出部３
４ａ，３４ｂを有する。左右の張出部３４ａ，３４ｂに
は、磁気テープ２０をガイドするための円柱状のリブ３
６ａ，３６ｂが設けられている。この左右の張出部３４
ａと３４ｂの間の空間３８は、磁気テープカートリッジ
が装填されるデッキ側に設けられている、いわゆるテー
プローディング装置が進入するための空間である。
【００１９】この磁気テープカートリッジにおいて、下
ハーフ１２の外側下部に嵌装されるスライダ１６は、下
ハーフ１２の底面１２ａに接して磁気テープカートリッ
ジの前後方向に摺動し、磁気テープカートリッジの非使
用時には、前方に位置し、下ハーフ１２の左右の張出部
３４ａおよび３４ｂの間の空間３８、ならびにリール軸
挿入孔３２ａおよび３２ｂを閉塞する。また、スライダ
１６が後方に位置するときは、前記左右の張出部３４ａ
および３４ｂの間の空間３８を解放するとともに、スラ
イダ１６の底面１２ａに設けられた２つの孔４０ａおよ
び４０ｂが前記リール軸挿入孔３２ａおよび３２ｂとそ
れぞれ一致し、巻取ハブ１８ａおよび１８ｂを駆動する
ためのリール軸（図示せず）が挿入される開口が形成さ
れる。スライダ１６は、磁気テープカートリッジがデッ
キに装填されたときには、デッキ内の装置の作用により
自動的に後方に位置されるが、磁気テープカートリッジ
の非使用時には、下ハーフ１２に設けられた板ばね４２
により付勢され、前方に位置される。
【００２０】この磁気テープカートリッジにおいて、磁
気テープを巻回する供給側の巻取ハブ１８ａまたは巻取
側の巻取ハブ１８ｂのリール内に配設される。非接触式
メモリ素子は、例えば、図２に示すように、供給側また
は巻取側の巻取りハブ１９の下フランジ４４ａの中央部
４８に配設されていてもよいし、また、供給側または巻
取側の巻取りハブ１９の内周面１９ａに沿って配設され
ていてもよい。さらには、図示しないが、供給側または
巻取側の巻取りハブ１９ａの上フランジの中央部に配設
されていてもよい。
【００２１】非接触式メモリ素子５０の配設位置は、記
録再生装置側に設けられるデータ読取・書込装置の配置
位置等に応じて、上フランジまたは下フランジのリール
内、すなわち、上下フランジの中央部または巻取りハブ
の内周部のいずれかの位置が適宜選択される。非接触式
メモリ素子５０の配設は、上フランジまたは下フランジ
のリール内の選択された箇所に超音波溶着、あるいは上
下フランジを固定する他の手段で上下フランジの間に挟
持し、固定することによって行うことができる。
【００２２】非接触式メモリ素子５０は、図３に示すよ
うに、矩形の板状部材からなり、その外周にアンテナ５
２が設けられ、内部にＩＣチップ５４が配置され、全体
が樹脂封止されている。アンテナ５２は、図示しないデ
ッキ側の非接触式メモリ素子５０へのデータ読取・書込
装置のアンテナから放出される磁場によって電磁誘導さ
れた誘導電流をＩＣチップ５４に供給するコイルアンテ
ナである。なお、非接触式メモリ素子５０の内の部分５
６は、特に作用をしていない。
【００２３】この図１に斜視分解図、図２に巻取りハブ
を示す磁気テープカートリッジにおいて、テープリール
の上フランジまたは下フランジのリール内、すなわちテ
ープリールである巻取りハブ内に非接触式メモリ素子を
配設することにより、磁気テープカートリッジの保管、
搬送および装填・脱着時に外力によって非接触式メモリ
素子が、ダメージを受け難い。また、非接触式メモリ素
子は、巻取りハブ内に配置されるため、装着・脱着時の
障害になることもなく、不用意に離脱するおそれがな
い。さらに、磁気テープカートリッジの構成部材の設計
変更等を必要とせず、また、他の部材および部位に干渉
することがないため、磁気テープカートリッジの設計の
自由度ならびに外部記憶装置側におけるデータ読取・書
込装置の設計の自由度も確保することができる。さらに
また、特別な作業を要せず、超音波溶着、一般的な取り
付け作業によって、従来の組立工程中で簡便に巻取りハ
ブ内に取り付けることができ、製造が容易である等の利
点がある。
【００２４】また、図４は、本発明の磁気テープカート
リッジの一実施例の２リール方式の磁気テープカートリ
ッジにおいて、一方のテープリール内に非接触式メモリ
素子を配置した例を示す。図４に示すテープリール５８
は、円盤状の上フランジ６０と下フランジ６２との間に
巻取りハブ６４を挟装した構造を有する。巻取りハブ６
４は、一部に切り欠き部６６を有する割り円筒状のハブ
本体６８と、該ハブ本体６８の中心軸から放射状に架設
された支持架７０を有する。ハブ本体６８の外周の切り
欠き部６６に対応する外側には、巻取りハブ６４に巻回
される磁気テープの始端が係止されるように、切り欠き
部６６と対向して円弧柱状片７２が配設されている。
【００２５】上フランジ６０は、ハブ本体６８内の支持
架７０の中央上部に装着された固着部材７４の上面に植
設された凸片７６ａ，７６ｂおよび７６ｃと、上フラン
ジ６０に凸片７６ａ，７６ｂおよび７６ｃに対応して設
けられた凹部７８ａ，７８ｂおよび７８ｃに嵌合して、
ハブ本体６８に装着される。また、下フランジ６２も同
様にして、ハブ本体６８に装着される。
【００２６】このテープリール５８において、中央にＩ
Ｃチップ８０、および両端にアンテナ部８２ａ，８２ｂ
を有する略円弧状の非接触式メモリ素子８４が、巻取り
ハブ６４のハブ本体６８の内周面８６に取り付けられ
る。非接触式メモリ素子８４は、ハブ本体６８の内周面
８６に超音波溶着等の公知の手段で取り付けられる。
【００２７】この図４に示すテープリールを有する磁気
テープカートリッジにおいては、テープリールの上フラ
ンジまたは下フランジのリール内に、すなわち、テープ
リールの巻取りハブ６４のハブ本体６８内に非接触式メ
モリ素子が配設されるため、磁気テープカートリッジの
保管、搬送および装填・脱着時に外力によって非接触式
メモリ素子が、ダメージを受け難い。また、非接触式メ
モリ素子は、ハブ本体内に配置されるため、装着・脱着
時の障害になることもなく、不用意に離脱するおそれが
ない。さらに、磁気テープカートリッジの構成部材の設
計変更等を必要とせず、また、非接触式メモリ素子が他
の部材および部位に干渉することがないため、磁気テー
プカートリッジの設計の自由度ならびに外部記憶装置側
におけるデータ読取・書込装置の設計の自由度も確保す
ることができる。さらにまた、特別な作業を要せず、超
音波溶着、一般的な取り付け作業によって、従来の組立
工程中で簡便に非接触式メモリ素子をハブ本体内に取り
付けることができ、製造が容易であるなどの利点があ
る。
【００２８】また、図５は、本発明の別の実施態様に係
る１リール方式の磁気テープカートリッジの斜視分解図
を示す。この図５に示す磁気テープカートリッジは、上
ハーフ９０と下ハーフ９２とを組み付け、ビス９４に締
付け固定されて構成されるカートリッジ本体内に、磁気
テープ（図示せず）が巻回されたテープリール９８が収
納されているものである。
【００２９】テープリール９８は、円盤状の上フランジ
１００および下フランジ１０２とを有し、上フランジ１
００に一体的に装着され、外周に磁気テープが巻回され
る円筒状のハブ１０４とからなる。上フランジ１００の
中央部には、ハブ１０４の内凹部１０６に臨んで円形状
の開口１０７が設けられ、ハブ１０４の内凹部１０６の
中心には、テープリール回転時の軸受として円盤状軸受
部材１０８が嵌装されている。円盤状軸受部材１０８に
は、テープリール９８の回転を支持する回転支持軸部材
１１０が回転自在に保持される。
【００３０】また、テープリール９８は、回転支持軸部
材１１０に装着されるコイルバネ１１２によって、下ハ
ーフ９２に向けて常時付勢されている。上ハーフ９０に
は、磁気テープカートリッジの非使用時にテープリール
９８の回転を阻止するための、第１のブレーキ部材１１
４と第２のブレーキ部材１１６とが、上ハーフ９０の内
面に設けられたブレーキ支持軸（図示せず）に回転自在
に取り付けられている。
【００３１】第１のブレーキ部材１１４は、上フランジ
１００の外周縁に刻設された歯車部１１８と噛み合う櫛
歯形状を有する噛合部１２０を有し、噛合部１２０が上
フランジの歯車部１１８と噛み合う方向に、ねじりコイ
ルバネ１２２によって常時付勢されている。第２のブレ
ーキ部材１１６は、上フランジ１００の外周面に刻設さ
れた歯車部１１８と噛み合う櫛歯形状を有する噛合部１
２４を有し、噛合部１２４が上フランジの歯車部１１８
と噛み合う方向に、ねじりコイルばね１２６によって常
時付勢されている。
【００３２】上ハーフ９０には、磁気テープをカートリ
ッジ本体内から外側に引き出す際のテープ出入り口を開
閉する開閉扉１２８が取り付けられている。開閉扉１２
８は、開閉スプリング１３０によってテープ出入り口
を、常に閉扉する方向に付勢されている。
【００３３】下ハーフ９２の底面中央には、円形状の開
口部１３２が開口され、該開口部１３２に磁気テープカ
ートリッジ使用時において記録再生装置（デッキ）側か
ら回転軸が挿入され、下フランジ１０２に開口された嵌
合孔１３４に嵌合されたハブ１０４の下方に突出した下
端部（図示せず）と連結して、これを押し上げ、カート
リッジ本体の上下中央位置にテープリール９８が配位さ
れる。
【００３４】また、カートリッジ本体の側面には、上ハ
ーフ９０および下ハーフ９２を切り欠いて形成される窓
部１３６から、外側に露出される誤消去防止片１３８を
有する板状の摺動部１４０と、該摺動部１４０の両摺動
端の記録可能位置または記録不可能位置に固定するため
の位置決め部材１４２とを有する誤消去防止部材１４４
が配設される。
【００３５】この本発明の実施例に係る１リール方式の
磁気テープカートリッジにおいて、矢印Ｂで示すよう
に、中央にＩＣチップ１４６、および両端にアンテナ部
１４８ａ，１４８ｂを有する略円弧状の非接触式メモリ
素子１５０が、ハブ１０４の内凹部１０６の内周面１５
２に取り付けられる。非接触式メモリ素子１５０は、該
内周面１５２に超音波溶着等の公知の手段で取り付けら
れる。
【００３６】この図５に示す１リール方式の磁気テープ
カートリッジにおいては、ハブの内凹部の内周面に非接
触式メモリ素子が配設されるため、磁気テープカートリ
ッジの保管、搬送および装填・脱着時に外力によって非
接触式メモリ素子が、ダメージを受け難い。また、ハブ
内に配置されるため、装着・脱着時の障害になることも
なく、不用意に離脱するおそれがない。さらに、磁気テ
ープカートリッジの構成部材の設計変更等を必要とせ
ず、また、他の部材および部位に干渉することがないた
め、磁気テープカートリッジの設計の自由度ならびに外
部記憶装置側におけるデータ読取・書込装置の設計の自
由度も確保することができる。さらにまた、特別な作業
を要せず、超音波溶着、一般的な取り付け作業によっ
て、従来の組立工程中で簡便にテープリール内に取り付
けることができ、製造が容易であるなどの利点がある。
【００３７】
【発明の効果】本発明の磁気テープカートリッジにおい
ては、非接触式メモリ素子は、外部に露出されることな
く、誤消去防止部内に収容され、誤消去防止部材によっ
て保護されるため、磁気テープカートリッジの保管、搬
送および装填・脱着時に外力によってダメージを受け難
く、デッキへの装着・脱着時の障害にならず、また、不
用意に離脱することもない。
【００３８】さらに、非接触式メモリ素子をカートリッ
ジ本体内の巻取りハブ、磁気テープ等の各種部材が配設
される本体内部に取り付ける場合と比べて、磁気テープ
カートリッジの設計の自由度ならびに外部記憶装置側に
おけるデータ読取・書込装置の設計の自由度も確保する
ことができる。
【００３９】さらにまた、本発明の磁気テープカートリ
ッジにおいて、非接触式メモリ素子をテープリールの上
フランジまたは下フランジの中央部に配設することは、
組立作業に簡単な変更を施すことで対応できるため、現
行品に非接触式メモリ素子を追加して取り付けることが
極めて容易にできるという製造上の利点がある。
【００４０】さらに、本発明の磁気テープカートリッジ
は、非接触式メモリ素子の固定部材や取り付け手段を特
に必要とせず、非接触式メモリ素子の取り付けのための
作業が不要で、従来の組立工程によって製造することが
できる。
【００４１】さらにまた、本発明の磁気テープカートリ
ッジは、磁気テープカートリッジの製造工程において、
リールへの磁気テープの巻取り時に磁気テープや巻取り
機の情報を非接触式メモリ素子にその場ですぐに書き込
めるため、製造工程内における製品毎のトレーサビリテ
ィの管理が確実かつ容易になり、工程管理および品質管
理に有効となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の磁気テープカートリッジの実施例の
概略構成を示す斜視分解図である。
【図２】 図１の磁気テープカートリッジの巻取りハブ
の底面側から見た斜視図である。
【図３】 図１の磁気テープカートリッジに取り付けら
れる非接触式メモリ素子の例を示す平面図である。
【図４】 本発明に係る２リール方式の磁気テープカー
トリッジにおけるテープリールの別の実施例を示す斜視
分解図である。
【図５】 本発明に係る１リール方式の磁気テープカー
トリッジの実施例の概略構成を示す斜視分解図である。
【図６】 従来の磁気テープカートリッジの１例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
１ 磁気テープカートリッジ １０ 上ハーフ １２ 下ハーフ １４ カートリッジ本体 １６ スライダ １８ａ 供給側の巻取ハブ １８ｂ 巻取側の巻取ハブ ２０ 磁気テープ ２２ 前蓋 ２２ａ 支軸 ２４ ブレーキ部材 ２６ 突起 ２８ ブレーキばね ２８ａ，２８ｂ 制動片 ３０ａ，３０ｂ 歯車 ３２ａ，３２ｂ リール軸挿入孔 ３４ａ，３４ｂ 張出部 ３６ａ，３６ｂ リブ ３８ 空間 ４０ａ，４０ｂ 孔 ４２ 板ばね ４４ａ，４４ｂ 上フランジ ４６ａ，４６ｂ 下フランジ ４８ 中央部 ５０ 非接触式メモリ素子 ５２ アンテナ ５４ ＩＣチップ ５６ 部分 ５８ テープリール ６０ 上フランジ ６２ 下フランジ ６４ 巻取りハブ ６６ 切り欠き部 ６８ ハブ本体 ７０ 支持架 ７２ 円弧柱状片 ７４ 固着部材 ７６ａ，７６ｂ，７６ｃ 凸片 ７８ａ，７８ｂ，７８ｃ 凹部 ８０ ＩＣチップ ８２ａ，８２ｂ アンテナ部 ８４ 非接触式メモリ素子 ８６ ハブ本体の内周面 ９０ 上ハーフ ９２ 下ハーフ ９４ ビス ９８ テープリール １００ 上フランジ １０２ 下フランジ １０４ ハブ １０６ ハブの内凹部 １０７ 開口 １０８ 円盤状軸受部材 １１０ 回転支持軸部材 １１２ コイルバネ １１４ 第１のブレーキ部材 １１６ 第２のブレーキ部材 １１８ 歯車部 １２０ 噛合部 １２２ ねじりコイルバネ １２４ 噛合部 １２６ ねじりコイルばね １２８ 開閉扉 １３０ 開閉スプリング １３２ 開口部 １３４ 嵌合孔 １３６ 窓部 １３８ 誤消去防止片 １４０ 摺動部 １４２ 位置決め部材 １４４ 誤消去防止部材 １４６ ＩＣチップ １４８ａ，１４８ｂ アンテナ部 １５０ 非接触式メモリ素子 １５２ 内周面 １６０ 磁気テープカートリッジ １６２ 非接触式メモリ素子 １６４ データ送受信アンテナ １６６ メモリ・デバイス １６８ 磁気テープカートリッジ内部の底面 １７０ 背面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】カートリッジ本体に磁気テープを巻回した
    テープリールが収容された磁気テープカートリッジであ
    って、テープリールの上フランジおよび下フランジの少
    なくとも一方のリール内に非接触式メモリ素子を配設し
    たことを特徴とする磁気テープカートリッジ。
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