JPH07334837A - 磁気ディスクとその製法 - Google Patents

磁気ディスクとその製法

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JPH07334837A
JPH07334837A JP14392194A JP14392194A JPH07334837A JP H07334837 A JPH07334837 A JP H07334837A JP 14392194 A JP14392194 A JP 14392194A JP 14392194 A JP14392194 A JP 14392194A JP H07334837 A JPH07334837 A JP H07334837A
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protective film
magnetic
disk
css
magnetic disk
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JP14392194A
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English (en)
Inventor
Toshio Ishii
敏夫 石井
Shogo Takahashi
省吾 高橋
Atsushi Aoyanagi
淳 青柳
Kohei Ito
康平 伊藤
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CSS特性に優れた、カ-ホ゛ン保護膜を用いた
磁気テ゛ィスクを提供する。 【構成】 原子間力顕微鏡を用いて測定した時の面粗さ
Raが0.5nm以上から2.0nm以下の保護膜を磁気記
録媒体表面上に形成した磁気ディスク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は録画、録音、電算機等に
用いられる水平磁気記録あるいは垂直磁気記録用磁気デ
ィスクに関するものである。特に、磁気ディスク表面の
保護膜の表面形状とその形成方法の改良によるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コンピュ−タ用磁気ディスクは、近年そ
の小径・高密度記録・大容量化が求められている。この
ため、磁気記録装置使用時に於ける、磁気ディスクに対
する磁気ヘッドの浮上量は年々低くなっており、0.0
75μmから0.05μm以下になろうとする勢いであ
る。この様な磁気ディスクの小径化と磁気ヘッドの低浮
上量化に伴い、磁気ディスクに対して高いCSS特性が
要求されている。CSS特性とはコンタクト・スタ−ト
・ストップ特性の事であり、磁気ヘッドに対する磁気デ
ィスクの摺動特性を表すものであり、例えば、磁気ヘッ
ドを磁気ディスク上で一万回CSS駆動したときの磁気
ディスクに作用する摩擦力(フリクション)で表す。
【0003】従来は、このCSS特性を満足するため
に、例えばアルミ基板上にNi-Pメッキを施した非磁性基板(Ni
-P/Al基板)表面をテクスチャ-加工する事により基板表面を
粗化した後、Cr下地、Co磁性膜、カ-ホ゛ン保護膜を順に形
成した後、潤滑剤を塗布する事により、薄膜磁気テ゛ィスク
を作製している。他の例としては、非磁性基板にカ゛ラス基
板を用い、保護膜に酸化珪素系塗布膜を用いる事も行わ
れている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】上述のように、ヘット゛の
浮上量は近年になって急激に低下し、0.075μmか
ら0.05μm以下になろうとする勢いである。このた
め、CSS特性は、常温、常湿雰囲気下と共に、例えば35
℃、80%RHと云うような高温高湿の雰囲気下でも良好な
CSS特性が要求されている。近年のヘット゛の低浮上化に伴
い、従来の磁気テ゛ィスクでは特に高温高湿雰囲気下におい
てヘット゛が磁気テ゛ィスクに吸着する事(スティクション)が問題になっ
てきた。CSS時にヘット゛が吸着すると、テ゛ィスクの回転開始時
に測定するヘット゛とテ゛ィスク間の初期摩擦係数が大きくなり、
1.0を越えるようなことが生じる。
【0005】また、従来のカ-ホ゛ン保護膜を用いた磁気テ゛ィ
スクは磁気ヘッドの摺動による摩耗傷が磁気ディスク表面
上に比較的早いCSSテスト回数に於いて現れ易く、信
頼性に劣る欠点があった。本発明の目的は、これらの欠
点を改善し、CSS特性に優れた、新たな磁気ディスク
を提供する事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気記録媒体
表面に面粗さRaが0.5nm以上から2.0nm以下の保
護膜を形成した磁気ディスクである。また、表面の面粗
さRaを1nmから10nmにテクスチャ-加工した非磁性基板に
形成した磁気記録媒体表面上に上記面粗さの保護膜を形
成した磁気ディスクである。この場合、保護膜自体の面
粗さは基板に施されたテクスチャ-加工溝等による面粗さの影
響を取り除いて、保護膜自体の面粗さを測定したもので
ある。
【0007】また、上記条件の保護膜を作製するため
に、磁気記録媒体表面に基板温度が150℃以上250℃以下
の条件下でスハ゜ッタ法によりカ-ホ゛ン保護膜を作製したこと、
また/あるいは、磁気記録媒体表面にカ-ホ゛ン保護膜を形
成した後、種々の方法で保護膜表面を粗化処理する磁気
テ゛ィスクを提供する。粗化処理としては保護膜を形成した
後に、不活性カ゛ス中に於いてフ゜ラス゛マ処理を行う、あるい
は、不活性カ゛ス中に於いてUV(紫外線照射)あるいはUV/
オソ゛ン処理を行うことを特徴とするものである。粗化処理
は単独あるいは複数個の組合せを用いることが可能であ
る。
【0008】
【作用】磁気テ゛ィスクの保護膜自体の表面の面粗さRaを
0.5nm以上、2.0nm以下にする事により、CSS駆動
時に生じるヘット゛、テ゛ィスク間の吸着強さと摩擦係数の両者
を小さくすることが出来る。面粗さを0.5nm以下にす
るとヘット゛、テ゛ィスク間の接触面積が大きくなると共に、摩
擦係数が大きく成り、CSSテストの初期段階でテ゛ィスク表面に
摩耗傷が発生する。また、高温高湿雰囲気下でヘット゛とテ゛
ィスク間に吸着した水分の接触面積が大きくなり、CSS駆動
時にテ゛ィスクを回転するために大きなトルクを必要とし、著し
くは、テ゛ィスクの回転を阻害する事になる欠点がある。面
粗さRaが2.0nmを越えると、保護膜自体を形成する膜
の粒度が大きくなり、粒間の結合力が弱く、膜の強度が
小さくなるために、CSSテストの早い段階でテ゛ィスク表面にヘット
゛の摩耗傷が発生する欠点が生じる。また、巨大粒子が
発生し易くなり、テ゛ィスクのク゛ライト゛特性を悪くする欠点が
ある。
【0009】Raが1nmから20nmにテクスチャ-加工した非磁性
基板上に形成した保護膜自体の面粗さは原子間力顕微鏡
(AFM)を用い、テクスチャ-の尾根部分の面粗さを測定する事
により保護膜自体の表面粗さを測定する事が出来る。テク
スチャ-加工による表面粗さは、主に、ヘット゛、テ゛ィスク間のマクロ
な摺動特性に影響し、テクス-チャ-加工面の面粗さが粗い
程、CSS時に生じるヘット゛、テ゛ィスク間の摩擦力と吸着力とは
小さく成り、単に、CSS特性を良くする為にはテクスチャ-加
工を粗くする事により達成される。しかし、テクスチャ-加工
の面粗さを粗くする事により基板表面に不要な突起が付
随的に発生し、磁気テ゛ィスクのク゛ライト゛特性を悪くする欠点
が生じる。例えば、0.1μmの突起が生じ、このテ゛ィスクを
用いたハ-ト゛テ゛ィスクト゛ライフ゛を駆動した時に、ヘット゛が磁気テ゛ィ
スクの突起に衝突する不良が発生する。
【0010】磁気記録密度を向上させるために、ヘット゛の
浮上量を0.075μmから0.05μmへと低浮上化させてい
る現在、ク゛ライト゛特性が悪くなる事は致命的である。上述
のように、表面をRa:1nmから10nmにテクスチャ-加工し
た非磁性基板に形成した磁気記録媒体表面上に面粗さRa
が0.5nmから2.0nmの保護膜を形成する事により、厳しい
CSS特性とク゛ライト゛特性の両者を満足する磁気テ゛ィスクを実現
する事が出来る。上記の効果は保護膜の材質によらず、
カ-ホ゛ン保護膜やSiO2保護膜あるいはAg合金保護膜等いず
れの保護膜でも有効である。
【0011】カ-ホ゛ン保護膜のスハ゜ッタ時に基板の温度を150
℃から250℃に管理する事によりカ-ホ゛ン保護膜自体の面粗
さは0.5nmから2.0nmに制御する事が出来る。250℃以上
ではカ-ホ゛ン膜の粒径が大きくなり、保護膜表面の面粗さ
が2.0nm以上になる。150℃未満では、カ-ホ゛ン保護膜とそ
の下地である磁性膜との密着強度が低下するとともに、
カ-ホ゛ン保護膜自体の密度も小さくなり、膜強度が低く、C
SSテスト時にヘット゛による摩耗傷がテ゛ィスク表面に発生し易くな
る欠点が生じる。また、磁気記録媒体は、良好な磁気記
録特性を得るために、250℃以上でスハ゜ッタ法により成膜す
る必要があるが、カ-ホ゛ン保護膜を150℃以下で成膜するた
めには、磁性膜を成膜後に基板を冷却するために過大な
冷却時間を必要とし、経済的に効率が悪くなる欠点が生
じる。
【0012】カ-ホ゛ン保護膜を形成した後、不活性カ゛ス中で
フ゜ラス゛マ処理する事によりカ-ホ゛ン保護膜表面の結合の弱いカ
-ホ゛ンを選択的にエッチンク゛し、保護膜表面を粗化する事が可
能である。UVあるいはUV/オソ゛ン処理も同様の効果が得ら
れる。本発明によって、磁気記録媒体表面に面粗さRa
が0.5nm以上から2.0nm以下の保護膜を形成する事により
CSS駆動時に発生するヘット゛、テ゛ィスク間の摩擦係数が低く、
同時に、吸着力の低い磁気ディスクを作製する事が出来
る。特に、ヘット゛、テ゛ィスク間に水分の吸着が発生し易い高
温高湿雰囲気の環境下で本発明品は顕著な効果を発揮す
る。
【0013】
【実施例】以下実施例を上げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例1アルミ 基板上にNi-Pメッキを施した直径95mm,厚さ1.2
7mmの非磁性基板両表面上に粒径2μmのアルミナ砥粒を
用いてテクスチャ-加工を施し基板表面の面粗さRaを10nmに加
工し、基板表面を洗浄した後、基板温度280℃でCr膜を7
0nm厚さ及びCoCrTa磁性膜を60nm厚さだけをスハ゜ッタ法で連
続して成膜した後に、基板温度200℃でカ-ホ゛ン保護膜を25
nm厚さだけスパッタ法により成膜した。この後、潤滑剤
ハ゜-フロロホ゜リエ-テルを3nm塗布し薄膜磁気テ゛ィスクを作製した。
【0014】本発明品に於けるカ-ホ゛ン保護膜表面の粗さ
をAFM装置(Digital Instruments, Inc. 社製Nano Scope
II)により評価した結果、図1左下段にに見られるよう
なカ-ホ゛ン保護膜が形成された。この保護膜の表面粗さを
図中のXX線間で測定した結果、図1上段に示した粗さ
曲線図と同曲線図中の▽▽間の測定データー(図1中段)
を得た。この保護膜のRa値は0.95nmである。作製した磁
気ディスクを浮上量0.075μmのコンポジットヘッドを
用いて、テ゛ィスクの回転数3600rpm、半径20mm
の評価位置に於いてCSS特性を評価した。
【0015】テ゛ィスクを停止状態である0rpmから36
00rpmに回転数を立ち上げたとき、ヘット゛とテ゛ィスク間
の摩擦係数は図2のように変化する。図中(a)と示した
摩擦係数のヒ゜-ク値はテ゛ィスクが回転し始め、ヘット゛が摺動し
始める時のヘット゛とテ゛ィスク間の吸着力の大きさを表してい
る(以下、吸着係数μsと呼ぶ)。摩擦係数はその後急
激に減少した後再び増加し、ヒ゜-ク値(b)を示した後再度
減少、ヘット゛が完全に浮上した時点で0になる。このヒ゜-ク
値(b)は従来から測定されている物であり、以下、CSS時
の摩擦係数μfと呼ぶ。
【0016】本発明品のCSS特性を25℃,60%RHおよび35
℃,80%RHの雰囲気下に於いて評価したCSSテストの結果を図
3、4と図5、6中の(a)に示す。図3の(a)に示す
ように、本発明品はCSSテスト開始時に於いてヘッド
の摩擦係数μfは0.21であり、その後CSS回数が5
k,10k,15k,20k,25kおよび30k回に
増加すると共に摩擦係数μfが徐々に増加するものの、
それぞれ、0.22,0.22,0.23,0.23,0.24,0.24に留まり、
CSS特性が優れている事がわかる。CSSテスト後に
磁気ディスク表面を光学顕微鏡で観察した結果ヘッドに
よる摩耗傷は見られなかった。
【0017】また、図4の(a)に示すように、35℃、
80%RHのような高温高湿の雰囲気下に於いてもヘッド
の摩擦係数はそれぞれ0.42,0.42,0.42,0.43,0.43,0.44,
0.44と良好であった。図5(a)には図3と同時に測定
したヘット゛/テ゛ィスク間の吸着係数μsの測定結果を示す。図
5(a)に示すように常温常湿の雰囲気下に於いてμs
は0.36,0.36,0.37,0.37,0.37,0.38,0.38と良好であっ
た。図6(a)には35℃、80%RHの高温高湿雰囲気下
に於ける吸着係数μsの評価、結果を示す。μsは0.61,
0.61,0.62,0.62,0.63,0.63,0.64と小さく、また、CS
Sテスト後に磁気ディスク表面を光学顕微鏡で観察した
結果ヘッドによる摩耗傷も見られなかった。本発明品は
高温高湿雰囲気下に於いても、ヘット゛、テ゛ィスク間の吸着力
が小さくCSS特性が良好である事を示している。
【0018】(比較例1)実施例1と同一条件で磁性膜
迄を作製した後、膜厚25nmのカ-ホ゛ン保護膜を基板温度280
℃でスハ゜ッタし作製した後、実施例1と同一条件で潤滑剤
を塗布し磁気テ゛ィスクを作製した。本テ゛ィスクのカ-ホ゛ン保護膜
表面の粗さを実施例1と同様にAFMにより評価した結
果、図7に見られるようにカ-ホ゛ン粒子の粒径が大きくな
り保護膜表面の面粗さRaは2.04nmであった。
【0019】作製した比較例1のディスクを実施例1と
同一条件でCSS特性を評価した結果を図3、4と図
5、6の各図中の(b)に示す。図3の(b)に示すよ
うに、比較用ディスクでは、25℃、60%RHの常温常湿の
雰囲気下に於いて、CSSテスト開始時にヘッドの摩擦
係数μfは0.18であり、その後CSS回数が5k,10
k,15k回に増加すると共に摩擦係数μfは、それぞ
れ、0.20,0.21,0.22と増加すると共に、CSS回数が20
k回に達すると突然テ゛ィスク表面上に摩耗傷が発生し磁気
記録用テ゛ィスクとして使用できない状態になった。 また、
図4の(b)に示すように、35℃、80%RHのよう
な高温高湿の雰囲気下に於いて、CSS回数が0回から5
k,10k,15k回へと増加するにつれて、ヘッドの摩
擦係数μfはそれぞれ0.36,0.39,0.40,0.41と増加し、2
0k回に於いてテ゛ィスク表面上にヘット゛による摩耗傷が発生
した。発明品に比べてCSS特性が劣っている事がわか
る。
【0020】図5(b)には実施例1と同様に、比較用
ディスクを用いて図3(b)と同時に測定したヘット゛/テ゛ィ
スク間の吸着係数μsの変化結果を示す。図5(b)に示
すように常温常湿の雰囲気下に於いてμsは0.32,0.32,
0.33,0.35であったが、テ゛ィスク表面にヘット゛による摩耗傷が
発生した。図6(b)に35℃、80%RHの高温高湿
雰囲気下に於ける吸着係数μsの評価結果を示す。μs
は0.58,0.59,0.60,0.61であったが、テ゛ィスク表面にヘッド
による深い摩耗傷がテ゛ィスク表面に発生した。比較用テ゛ィスク
は本発明品に比べてCSS特性が劣る事が明らかに分かる
【0021】(実施例2)実施例1と同様に作製した直
径95mm,厚さ1.27mmのAl製非磁性基板上にRa
が1nmのテクスチャ-加工を行い洗浄した後、基板温度280℃で
厚さ70nmのCr下地膜と厚さ70nmのCo−Ni−Cr磁
性膜を順にスパッタ法により成膜した後,基板温度150
℃でカ-ホ゛ン保護膜を30nm厚さだけスハ゜ッタ法により作製した
後、窒素カ゛ス雰囲気中に於いて5分間フ゜ラス゛マ処理を行っ
た。この後、潤滑剤ハ゜-フロロホ゜リエ-テルを2.5nm塗布し薄膜磁
気テ゛ィスクを作製した。
【0022】本発明品に於けるカ-ホ゛ン保護膜表面の粗さ
をAFMにより評価した結果、図8に見られるようにRaは
0.57nmであた。作製した磁気ディスクを浮上量0.05μm
のコンポジットヘッドを用いて、回転数3600rp
m、半径20mmの評価位置に於いて実施例1と同様の
方法でCSS特性を評価した。本発明品のCSS特性を25℃,6
0%RHおよび35℃,80%RHの雰囲気下に於いて評価したCSSテ
ストの結果を図9、10と図11、12の各図中の(a)に
示す。図9の(a)に示すように、本発明品はCSSテ
スト開始時に於いてヘッドの摩擦係数μfは0.27であ
り、その後CSS回数が5k,10k,15k,20
k,25kおよび30k回に増加すると共に摩擦係数μ
fが徐々に増加するものの、それぞれ、0.28,0.28,0.29,
0.29,0.30,0.30に留まり、CSS特性が優れている事が
わかる。CSSテスト後に磁気ディスク表面を光学顕微
鏡により観察した結果ヘッドによる摩耗傷は見られなか
った。
【0023】また、図10の(a)に示すように、35
℃、80%RHのような高温高湿の雰囲気下に於いても
ヘッドの摩擦係数μfはそれぞれ0.46,0.46,0.46,0.47,
0.47,0.48,0.48と良好であった。図11(a)には図9
(a)と同時に測定したヘット゛/テ゛ィスク間の吸着係数μsの
測定結果を示す。図11(a)に示すように常温常湿の
雰囲気下に於いてμsは0.32,0.35,0.41,0.41,0.42,0.4
2,0.43と良好であった。図12(a)には図10と同時
に測定した35℃、80%RHの高温高湿雰囲気下に於
ける吸着係数μsの評価結果を示す。μsは0.59,0.59,
0.61,0.61,0.62,0.63,0.64と小さく、テ゛ィスク表面に摩耗
傷は見られなかった。本発明品は高温高湿雰囲気下に於
いても、ヘット゛、テ゛ィスク間の吸着力が小さくCSS特性が良好
である事が分かる。
【0024】(比較例2)実施例2と同一条件で磁性膜
迄とカ-ホ゛ン保護膜を作製した後、フ゜ラス゛マ処理を行う事な
く、直接、実施例2と同じ潤滑剤を2.5nm厚だけ塗布し
磁気テ゛ィスクを完成した。 本テ゛ィスクのカ-ホ゛ン保護膜表面の
粗さを実施例2と同様にAFMにより評価した結果、図1
3に見られるようにRaは0.48nmであった。作製した比較
例2のディスクを実施例2と同一条件でCSS特性を評
価した結果を図9、10と図11、12の各図中の
(b)に示す。
【0025】図9の(b)に示すように、比較用ディス
クでは、25℃、60%RHの常温常湿の雰囲気下に於いて、
CSSテスト開始時にヘッドの摩擦係数μfは0.23であ
り、その後CSS回数が5k,10k,15k,20
k,25kおよび30k回に増加すると共に摩擦係数μ
fが徐々に増加し、それぞれ、0.25,0.26,0.27,0.28,0.2
9,0.29に, また、図10の(b)に示すように、35
℃、80%RHのような高温高湿の雰囲気下に於いて、
ヘッドの摩擦係数μfはそれぞれ0.51,0.56,0.56,0.57,
0.58,0.59,0.60となり発明品に比べてCSS特性が劣っ
ている事がわかる。
【0026】図11(b)には実施例2と同様に、比較
用ディスクを用いて図9(b)と同時に測定したヘット゛/テ
゛ィスク間の吸着係数μsの変化結果を示す。図11(b)
に示すように常温常湿の雰囲気下に於いてμsは0.79,0.
80,0.82,0.82,0.83,0.84,0.85と吸着係数μsが大きく、
比較用ディスクは本発明品に比べてCSS特性が劣る事
が判る。図12(b)に35℃、80%RHの高温高湿
雰囲気下に於ける吸着係数μsの評価結果を示す。μs
は1.15,1.16,1.17,1.18,1.18,1.19,1.19と吸着係数μs
が1.0よりも大きくなり、ヘット゛、テ゛ィスク間の吸着力が非常
に大きく、本発明品に比べて劣る事が判る。吸着係数μ
sが1.0を越えるテ゛ィスクはト゛ライフ゛に実装出来ないのが現状
である。
【0027】(実施例3)実施例1と同様に作製した直
径95mm,厚さ1.27mmのAl製非磁性基板上にRa
が7nmのテクスチャ-加工を行い洗浄した後、基板温度280℃で
70nmのCr下地膜と70nmのCo−Cr−Ta磁性膜を順
にスパッタ法により成膜した後,基板温度250℃でカ-ホ゛ン
保護膜を30nm厚さだけスハ゜ッタ法により作製した後、窒素カ
゛ス雰囲気中に於いて5分間UV処理を行った。この後、潤
滑剤ハ゜-フロロホ゜リエ-テルを2.5nm塗布し薄膜磁気テ゛ィスクを作製
した。
【0028】本発明品に於けるカ-ホ゛ン保護膜表面の粗さ
をAFMにより評価した結果、図14に見られるようにRa
は1.95nmであった。作製した磁気ディスクを浮上量0.07
5μmのコンポジットヘッドを用いて、回転数3600
rpm、半径20mmの評価位置に於いて実施例1と同
様の方法でCSS特性を評価した。本発明品のCSS特性を25
℃,60%RHおよび35℃,80%RHの雰囲気下に於いて測定した
CSSテスト時のヘット゛の摩擦係数の評価結果を図15に示す。
【0029】図15に示すように、本発明品は25℃、60
%RHの雰囲気下に於いてCSSテスト開始時に於いてヘ
ッドの摩擦係数μfは0.20であり、その後CSS回数が
5k,10k,15k,20k,25kおよび30k回
に増加すると共に摩擦係数μfが徐々に増加するもの
の、それぞれ、0.22,0.23,0.24,0.25,0.26,0.26に留ま
った。また、35℃、80%RHの高温高湿雰囲気下に於いて
もヘッドの摩擦係数μfはそれぞれ0.38,0.39,0.40,0.4
1,0.41,0.42,0.42と良好であり、CSS特性が優れてい
る事がわかる。CSSテスト後に磁気ディスク表面を光
学顕微鏡により観察した結果、常温常湿、高温高湿雰囲
気下共に、ヘッドによる摩耗傷は見られなかった。
【0030】図16に図15と同時に測定したヘット゛/テ゛ィ
スク間の吸着係数μsの測定結果を示す。図16に示すよ
うに常温常湿の雰囲気下に於いてμsは0.33,0.33,0.34,
0.35,0.36,0.36,0.36と良好であった。また、35℃、
80%RHの高温高湿雰囲気下に於いても吸着係数μs
は0.59,0.60,0.61,0.62,0.63,0.64,0.64と小さく良好で
あり、光学顕微鏡による観察によってもテ゛ィスク表面にヘット
゛による摩耗傷は見られなかった。本発明品は高温高湿
雰囲気下に於いても、ヘット゛、テ゛ィスク間の吸着力が小さくC
SS特性が良好である事が分かる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、従来不十分であった磁
気ディスクの信頼性特性、特にCSS特性が大幅に向上
し、この磁気ディスクを組み込んだハ−ドディスクドラ
イブに於いて、CSS駆動時にヘッドによる磁気ディス
ク表面に対する摩擦力が低く、しかも、高温高湿雰囲気
下に於ける吸着力が小さく、ディスク表面の損傷の発生
が少なく、信頼性の高い薄膜磁気テ゛ィスクを作製すること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる磁気テ゛ィスクの第一の実施例のカ-ホ
゛ン保護膜表面の薄膜写真。
【図2】本発明品の評価に用いたCSS特性の評価例を示
した図である。
【図3】本発明品の第一の実施例と比較例1の磁気テ゛ィス
クの常温常湿に於けるCSSテスト時の摩擦係数の評価結果
を示す図である。
【図4】本発明品の第一の実施例と比較例1の磁気テ゛ィス
クの高温高湿に於けるCSSテスト時の摩擦係数の評価結果
を示す図である。
【図5】本発明品の第一の実施例と比較例1の磁気テ゛ィス
クの常温常湿に於けるCSSテスト時の吸着係数の評価結果
を示す図である。
【図6】本発明品の第一の実施例と比較例1の磁気テ゛ィス
クの高温高湿に於けるCSSテスト時の吸着係数の評価結果
を示す図である。
【図7】本発明に係わる磁気テ゛ィスクの比較例1のカ-ホ゛ン保
護膜表面の薄膜写真。
【図8】本発明に係わる磁気テ゛ィスクの第二の実施例のカ-ホ
゛ン保護膜表面の薄膜写真。
【図9】本発明品の第二の実施例と比較例2の磁気テ゛ィス
クの常温常湿に於けるCSSテスト時の摩擦係数の評価結果
を示す図である。
【図10】本発明品の第二の実施例と比較例2の磁気テ゛
ィスクの高温高湿に於けるCSSテスト時の摩擦係数の評価結
果を示す図である。
【図11】本発明品の第二の実施例と比較例2の磁気テ゛
ィスクの常温常湿に於けるCSSテスト時の吸着係数の評価結
果を示す図である。
【図12】本発明品の第二の実施例と比較例2の磁気テ゛
ィスクの高温高湿に於けるCSSテスト時の吸着係数の評価結
果を示す図である。
【図13】本発明に係わる磁気テ゛ィスクの比較例2のカ-ホ゛ン
保護膜表面の薄膜写真。
【図14】本発明に係わる磁気テ゛ィスクの第三の実施例のカ
-ホ゛ン保護膜表面の薄膜写真。
【図15】本発明品の第三の実施例の磁気テ゛ィスクの常温
常湿、及び、高温高湿雰囲気下に於けるCSSテスト時の
摩擦係数の評価結果を示す図である。
【図16】本発明品の第三の実施例の磁気テ゛ィスクの常温
常湿、及び、高温高湿雰囲気下に於けるCSSテスト時の
吸着係数の評価結果を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 康平 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地日立金属株式 会社磁性材料研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子間力顕微鏡を用いて測定した時の面
    粗さRaが0.5nm以上から2.0nm以下の保護膜を磁
    気記録媒体表面上に形成した事を特徴とする磁気ディス
    ク。
  2. 【請求項2】 表面を面粗さRaが1nmから10nmにテク
    スチャ-加工した非磁性基板に形成した磁気記録媒体表面上
    に保護膜を形成した請求項1の磁気ディスク。
  3. 【請求項3】 保護膜が磁気記録媒体表面に基板温度が
    150℃以上250℃以下の条件下でスハ゜ッタ法により作製したカ
    -ホ゛ン保護膜である請求項1の磁気ディスク。
  4. 【請求項4】 磁気記録媒体表面上にカ-ホ゛ン保護膜を形
    成した後、フ゜ラス゛マ処理を行ったものである請求項1の磁
    気ディスク。
  5. 【請求項5】 磁気記録媒体表面にカ-ホ゛ン保護膜を形成
    した後、紫外線照射あるいは紫外線/オソ゛ン処理を行った
    ものである請求項1の磁気ディスク。
JP14392194A 1994-06-02 1994-06-02 磁気ディスクとその製法 Pending JPH07334837A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7471487B2 (en) 2000-06-26 2008-12-30 Fujifilm Corporation Recording medium cartridge
JP2009289332A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Fujitsu Ltd 基準ディスク及びヘッド検査方法

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US7471487B2 (en) 2000-06-26 2008-12-30 Fujifilm Corporation Recording medium cartridge
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