JP4690606B2 - 脱硝制御方法及び脱硝制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明はガスタービン若しくはボイラの燃焼装置排ガス中の、窒素酸化物を処理する脱硝装置に注入するアンモニア量の制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービン発電機若しくは蒸気タービン発電機では、燃焼装置を備えたタービン若しくはボイラ等から窒素酸化物を含有する排ガスを排出し、該排ガスを通常廃熱回収してから大気に放出するが、放出排ガスの含有窒素酸化物による大気汚染防止を図るため、触媒を含む脱硝装置に導き、別に供給されるアンモニアと反応させ、有害窒素酸化物を無害な窒素ガスと水蒸気に変換した後、大気に放出している。
【0003】
図6はこのようなシステムの脱硝制御系全体を表す構成図である。図6において、ボイラまたはガスタービン64の燃焼装置から排出する酸化窒素を含んだ排ガスは脱硝装置62に導入され、アンモニアと反応し、未反応残存酸化窒素を含んだ(出口NOx)放出ガスを放出する。通常この出口NOx濃度を公害防止関係法規の排出規制値濃度以下に制御する。排ガス中の酸化窒素濃度(入り口NOx)及び排ガス量の信号は脱硝制御装置61に入力される。ボイラまたはガスタービン64の燃料流量などの信号が脱硝制御装置61に入力される。当該システムは発電機を含むボイラまたはガスタービンを制御するプラント制御装置63を更に有し、該制御装置とプラント機器との間で制御信号のやり取りをしている。プラント制御装置63からは、発電機負荷微分値信号などの情報が脱硝制御装置に入力される。脱硝制御装置はこれら入力信号により注入アンモニア量を決定して、脱硝装置に注入アンモニアを注入する。
【0004】
脱硝装置に供給する注入アンモニア量は脱硝装置に滞留する排ガス中の窒素酸化物量と化学量論的当量であることが望ましいが、排ガス中の窒素酸化物量は燃焼装置を取り巻く各種要因で変動するのが常である。そこで、変動する窒素酸化物を検出して、該検出量に基づいて何らかのアクションが行われるが、検出そのものに分析時間に伴う時間遅れが発生する。更に脱硝装置内での反応時間に基づく遅れ等が加わり、反応ゾーンでのアンモニアと窒素酸化物との化学量的当量のミスマッチによる、未反応窒素酸化物の残存若しくは過剰アンモニアの残存が時間軸上で発生し、排出ガス規制値をクリアできない時点が発生する。
【0005】
従来、このように、要因変動に対応するアクションが結果遅れになることに対して、各種対策が工夫されている。例えば図7はこのような工夫をほどこされた従来の脱硝装置の制御系を表したブロックダイヤグラムである。図7において、脱硝装置へのアンモニア注入量はプロセスからの排ガス量に排ガス規制値その他から予め設定した脱硝装置出口窒素酸化物濃度と脱硝装置入口窒素酸化物濃度現在値との偏差から計算される窒素酸化物量に対応する基本アンモニア量に、出口NOx濃度をフィードバックした補正を加える他、負荷変動によって先行注入アンモア量を設定して更に補正することが行われている。
【0006】
しかし、かかる工夫も装置入口の窒素酸化物濃度の急変に対する追随は満足されるものではなく、更なる改善が求められていた。即ち前記した従来の方法は要因として制御に利用する信号はすべて、プロセスの現在値であるため、該要因として利用する信号の発生する時点が早期であっても限界があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ガスタービン若しくはボイラ等の燃焼装置排ガス中の窒素酸化物をアンモニアで脱硝する脱硝装置の制御方法若しくは装置において、窒素酸化物量の変動に遅れなく脱硝装置にアンモニアを注入して、脱硝装置出口の酸化物濃度を低位安定化させる方法及び装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の脱硝制御方法は、ガスタービン若しくはボイラ等の燃焼装置排ガス中の、窒素酸化物を処理する脱硝装置に注入するアンモニア量の制御方法において、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度を設定し、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と、該設定値との差に、燃料流量より推定した排ガス量を乗じて算出した窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って得られた基本アンモニア量に、当該ガスタービン若しくはボイラによって稼動される発電機の負荷微分値より、先行注入アンモニア量を算出した値と、脱硝装置出口の窒素酸化物設定濃度と検出濃度よりフィードバックアンモニア量を算出した値とを補正値として加算してなるアンモニア量信号により、注入アンモニア量を制御する脱硝制御方法であって、前記脱硝装置入口の窒素酸化物濃度を入口窒素酸化物濃度推定モデルで算出することを特徴とする。
【0009】
ここで本発明の明確なる特徴は、基本アンモニア量を算出するときに、すでに先行予測思想が入っているところにある。即ち、脱硝装置における原料系の一方である酸化窒素量の決定要因としての脱硝装置入口の窒素酸化物濃度を、入り口窒素酸化物濃度推定モデルによって計算された予測値を用いるところによる。即ち、詳しくは後述するが、入り口窒素酸化物濃度若しくは、その至近要因のプロセス現在値よりも遥かに早期に発生する変動要因を変数として予測をするので、格段の先行性があり、しかも前記各種の遅れの入る余地がない。そして該基本アンモニア量にフィードバック量と負荷変動要因を加味して補正しているので、注入アンモニア量は、窒素酸化物の変動に反応位置において時間遅れなく正しく追随し、結果としての放出ガスの窒素酸化物濃度は低位安定化する。
【0010】
更に本発明の脱硝制御方法は、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度を設定し、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と、該設定値との差に、燃料流量より推定した排ガス量を乗じて算出した窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って得られた基本アンモニア量に、当該ガスタービン若しくはボイラによって稼動される発電機の負荷微分値より、先行注入アンモニア量を算出した値と、脱硝装置出口の窒素酸化物設定濃度と検出濃度よりフィードバックアンモニア量を算出した値と、前記脱硝装置入口の窒素酸化物濃度及び二酸化窒素濃度を窒素酸化物濃度推定モデルで算出して得られた入口窒素酸化物濃度及び二酸化窒素濃度予測値により二酸化窒素に対する補償アンモニア量を算出した値との三つの値を補正値として加算してなるアンモニア量信号により、注入アンモニア量を制御することを特徴とする。
【0011】
ここでの発明は、新しく注入アンモニア量の補正手段を設け、該注入アンモニア量の補正値の決定の方に前記推定モデルを使ってNOxと共に、難反応性であるNOを分離して予測し、該NOに対応するアンモニア補正を行うところにある。これに前記同様フィードバック量による補正と負荷変動要因を加味した補正を加えているので、前記第一の発明と同等の効果、若しくは応答面で第一の発明とは異なった特色のある制御法が得られる。
【0012】
更に本発明の脱硝制御方法は、前記基本アンモニア量を算出するときに用いる脱硝装置入口の窒素酸化物濃度が窒素酸化物検出手段で検出された値であることを特徴とする。即ち、基本アンモニア量の算出には脱硝装置入口の窒素酸化物濃度のプロセス現在値を用い、本発明の改善はもっぱら、補正側から難反応性のNOを強調して行うというものである。
【0013】
更に本発明の脱硝制御方法は、前記基本アンモニア量を算出するときに用いる脱硝装置入口の窒素酸化物濃度を入口窒素酸化物濃度推定モデルで算出することを特徴とする。これは、基本アンモニア量の決定、補正アンモニアの決定共に入口窒素酸化物濃度推定モデルによる予測値を用いるところに特徴がある。
【0014】
更に本発明の脱硝制御方法は、前記入口窒素酸化物濃度推定モデルが火炎温度推定モデルを有することを特徴とする。入口窒素酸化物濃度の変動要因として、窒素酸化物生成の根元的要素であり且つ最も早期に発生する変動要因である燃焼装置の火炎温度を先ず予測する。そして、その予測火炎温度に基づいて、入口窒素酸化物濃度を予測することを特徴とする。
【0015】
そして、本発明の脱硝制御装置は、前記本発明の脱硝制御方法を実施するための装置であり、ガスタービン若しくはボイラ等の燃焼装置排ガス中の、窒素酸化物を処理する脱硝装置に注入するアンモニア量を制御する制御装置において、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度の設定をする設定部と、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と前記設定部の設定値との偏差を生成する減算器と、燃料流量を入力信号として排ガス推定量信号を出力する排ガス量推定手段と、該推定した排ガス量と前記偏差との積により窒素酸化物量を算出する乗算器と、該窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って基本アンモニア量信号を生成する単位変換器と、当該ガスタービン若しくはボイラ等によって稼動される発電機の負荷微分値を入力信号として、先行注入アンモニア量信号を出力する先行注入アンモニア量信号生成手段と、出口窒素酸化物濃度の前記設定部の設定値と前記脱硝装置出口に備えられた出口窒素酸化物濃度検出手段の検出値よりフィードバックアンモニア量信号を出力するフィードバックアンモニア量生成手段と、前記基本アンモニア量信号に、前記先行注入アンモニア量信号とフィードバックアンモニア量信号をそれぞれ補正値として加算してアンモニア量信号を生成する加算器とを備えてなり、当該アンモニア量信号により、注入アンモニア量を制御する脱硝制御装置であって、更に入口窒素酸化物濃度推定手段を有し、前記脱硝装置入口の窒素酸化物濃度信号を入口窒素酸化物濃度推定手段にて算出・出力させることを特徴とする。
【0016】
更に本発明の脱硝制御装置は、ガスタービン若しくはボイラ等の燃焼装置排ガス中の、窒素酸化物を処理する脱硝装置に注入するアンモニア量の制御手段において、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度の設定をする設定部と、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と前記設定部の設定値との偏差を生成する減算器と、燃料流量を入力信号として排ガス推定量信号を出力する排ガス量推定手段と、該推定した排ガス量と前記偏差との積により窒素酸化物量を算出する乗算器と、該窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って基本アンモニア量信号を生成する単位変換器と、当該ガスタービン若しくはボイラ等によって稼動される発電機の負荷微分値を入力信号として、先行注入アンモニア量信号を出力する先行注入アンモニア量信号生成手段と、出口窒素酸化物濃度の前記設定部の設定値と前記脱硝装置出口に備えられた出口窒素酸化物濃度検出手段の検出値よりフィードバックアンモニア量信号を出力するフィードバックアンモニア量生成手段と、前記脱硝装置入口の窒素酸化物濃度及び二酸化窒素濃度信号を算出・出力する窒素酸化物濃度推定手段と、該入口窒素酸化物濃度及び二酸化窒素濃度予測値信号より二酸化窒素に対する補償アンモニア量信号を出力する二酸化窒素補償アンモニア量生成手段と、前記先行注入アンモニア量信号、前記フィードバックアンモニア量信号及び前記補償アンモニア量信号の三つの補正値を基本アンモニア量信号に加算してアンモニア量信号を生成するそれぞれの加算器とを備えてなり、当該アンモニア量信号により、注入アンモニア量を制御することを特徴とする。
【0017】
更に本発明の脱硝制御装置は、脱硝装置入口に窒素酸化物検出手段を備え、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と前記設定部の設定値との偏差を生成する減算器に入力する脱硝装置入口の窒素酸化物濃度信号を当該窒素酸化物検出手段の検出信号とすることを特徴とする。
【0018】
更に本発明の脱硝制御装置は、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度信号を算出・出力する入口窒素酸化物濃度推定手段を備え、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と前記設定部の設定値との偏差を生成する減算器に入力する脱硝装置入口の窒素酸化物濃度信号を当該入口窒素酸化物濃度推定手段の出力信号とすることを特徴とする。
【0019】
更に本発明の脱硝制御装置は、前記入口窒素酸化物濃度推定手段が火炎温度推定手段を有することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を例示的に詳述する。但し本実施の形態に記載される製品の寸法、形状、材質、その相対配置等は特に特定的な記載がない限りは本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0021】
(実施例1)
図1は本発明の第一の例における制御系を表したブロック図である。図1において、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度は、入口窒素酸化物濃度推定手段11にタービン負荷、燃料流量、CSO、タービンバイパス弁開度、大気温度などの要因を入力して、入口窒素酸化物濃度推定モデルで計算し出力する入口窒素酸化物予測値を用いる。該窒素酸化物濃度と、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度を不図示の設定部にて設定した濃度の信号との偏差を減算器16で採り、排ガス量推定値と前記偏差との積を乗算器17で作り、窒素酸化物量とし、窒素酸化物量信号は単位変換器15によって、該窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って基本アンモニア量とする。前記排ガス量推定値は燃焼装置の燃料流量より排ガス量推定手段12によって算出出力する。
【0022】
別に補正系統として先行補正とフィードバック補正を設ける。即ち先行補正は、ガスタービンによって稼動される発電機の負荷微分値を入力として先行注入アンモニア量を出力する先行注入アンモニア量信号生成手段13を用いて補正量信号を得、フィードバック補正は出口窒素酸化物濃度の前記設定部による設定値と不図示の出口窒素酸化物濃度検出手段による検出値とを入力して、フィードバックアンモニア量を出力するフィードバックアンモニア量生成手段14を用いて補正量信号を得、各々の補正信号を加算器18により、前記基本アンモニア量に加算し、アンモニア流量信号を得る。該信号を用いて、図示はしてないが、例えばPID操作により、流量調節弁開度などの操作量に変換して弁開度を操作する。
【0023】
前記入口窒素酸化物濃度推定モデルは、火炎温度の関数として推定するモデルを設定し、更に火炎温度は火炎温度推定モデルによって推定する。火炎温度推定モデルは、タービン周辺の条件の関数として推定するモデルを設定する。
【0024】
(実施例2)
図2は本発明の第一の例における制御系を表したブロック図である。図2において、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度は、不図示の入口窒素酸化物検出手段により検出された検出信号を用いる。該窒素酸化物濃度と、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度を不図示の設定部にて設定した濃度の信号との偏差を減算器16で採り、排ガス量推定値と前記偏差との積を乗算器17で作り、窒素酸化物量とし、窒素酸化物量信号は単位変換器15によって、該窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って基本アンモニア量とする。前記排ガス量推定値は燃焼装置の燃料流量より排ガス量推定手段12によって算出出力する。
【0025】
別に補正系統として先行補正とフィードバック補正と二酸化窒素補償量補正とを設ける。即ち先行補正は、ガスタービンによって稼動される発電機の負荷微分値を入力として先行注入アンモニア量を出力する先行注入アンモニア量信号生成手段13を用いて補正量信号を得る。フィードバック補正は出口窒素酸化物濃度の前記設定部による設定値と不図示の出口窒素酸化物濃度検出手段による検出値とを入力して、フィードバックアンモニア量を出力するフィードバックアンモニア量生成手段14を用いて補正量信号を得る。
二酸化窒素補償量補正は、入口窒素酸化物濃度推定手段11にタービン負荷、燃料流量、CSO、タービンバイパス弁開度、大気温度、などの要因を入力して、入口窒素酸化物濃度推定モデルで計算し出力する入口窒素酸化物予測値及び入口二酸化窒素予測値を用い、該予測値を二酸化窒素補償アンモニア量生成手段21に入力して補正量信号を得る。各々の補正信号を加算器18により、前記基本アンモニア量に加算し、アンモニア流量信号を得る。
【0026】
前記入口窒素酸化物濃度推定モデルは、火炎温度の関数として入口窒素酸化物予測値及び入口二酸化窒素予測値を推定するモデルを設定する。これを図4に示す。FX1が火炎温度を変数とした窒素酸化物の関数モデルであり、FX2が火炎温度を変数とした二酸化窒素の関数モデルである。火炎温度推定モデルは実施例1同様である。
【0027】
前記により得られた二つの信号を入力して、NO補償NH注入補正量を出力する二酸化窒素補償アンモニア生成手段を図5に示した。図5において前記入口窒素酸化物予測値及び入口二酸化窒素予測値を当該手段の入力とするが、窒素酸化物中二酸化窒素は前記したように反応が遅いので、二種の要因を分別して、取り扱う。即ち、パラメタkを設定して窒素酸化物中の二酸化窒素分率がkまでは完全に二酸化窒素は反応するが、それを越えると酸化物×k/(1−k)までしか反応できず、未反応で残存するとすると、未反応二酸化窒素は、NO×1/(1−k)−NOx×k/(1−k)となる。この信号をリミタに通し正の場合のみに制御ゲインを乗じてNO補償NH注入量を得る。
【0028】
(実施例3)
図3は本発明の第三の例における制御系を表したブロック図である。図3において、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度は、入口窒素酸化物濃度推定手段11にタービン負荷、燃料流量、CSO、タービンバイパス弁開度、大気温度、などの要因を入力して、入口窒素酸化物濃度推定モデルで計算し出力する入口窒素酸化物予測値を用いる。該窒素酸化物濃度と、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度を不図示の設定部にて設定した濃度の信号との偏差を減算器16で採り、排ガス量推定値と前記偏差との積を乗算器17で作り、窒素酸化物量とし、窒素酸化物量信号は単位変換器15によって、該窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って基本アンモニア量とする。前記排ガス量推定値は燃焼装置の燃料流量より排ガス量推定手段12によって算出出力する。
【0029】
別に補正系統として先行補正とフィードバック補正と二酸化窒素補償量補正とを設ける。即ち先行補正は、ガスタービンによって稼動される発電機の負荷微分値を入力として先行注入アンモニア量を出力する先行注入アンモニア量信号生成手段13を用いて補正量信号を得る。フィードバック補正は出口窒素酸化物濃度の前記設定部による設定値と不図示の出口窒素酸化物濃度検出手段による検出値とを入力して、フィードバックアンモニア量を出力するフィードバックアンモニア量生成手段14を用いて補正量信号を得る。
二酸化窒素補償量補正は、入口窒素酸化物濃度推定手段11にタービン負荷、燃料流量、CSO、タービンバイパス弁開度、大気温度、などの要因を入力して、入口窒素酸化物濃度推定モデルで計算し出力する入口窒素酸化物予測値及び入口二酸化窒素予測値を用い、該予測値を二酸化窒素補償アンモニア量生成手段21に入力して補正量信号を得る。各々の補正信号を加算器18により、前記基本アンモニア量に加算し、アンモニア流量信号を得る。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、ガスタービン若しくはボイラ等の燃焼装置排ガス中の窒素酸化物をアンモニアで脱硝する脱硝装置の制御方法若しくは装置において、窒素酸化物量の変動に遅れなく脱硝装置にアンモニアを注入して、脱硝装置出口の酸化物濃度を低位安定化させる方法及び装置の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の例における制御系を表したブロック図である。
【図2】 本発明の第二の例における制御系を表したブロック図である。
【図3】 本発明の第三の例における制御系を表したブロック図である。
【図4】 本発明の入口NOx、NO推定モデルのブロック図である。
【図5】 本発明のNO補償NH注入量計算回路のブロック図である。
【図6】 本発明の関わる脱硝制御系全体構成図である。
【図7】 本発明の関わる従来の脱硝装置の制御系を表したブロック図である。
【符号の説明】
11 入口窒素酸化物濃度推定手段
12 排ガス量推定手段
13 先行注入アンモニア量信号生成手段
14 フィードバックアンモニア量生成手段
15 単位変換器
16 減算器
17 乗算器
18 加算器
21 二酸化窒素補償アンモニア量生成手段
61 脱硝制御装置
62 脱硝装置
63 プラント制御装置
64 ボイラまたはガスタービン

Claims (10)

  1. ガスタービン若しくはボイラ等の燃焼装置排ガス中の、窒素酸化物を処理する脱硝装置に注入するアンモニア量の制御方法において、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度を設定し、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と、該設定値との差に、燃料流量より推定した排ガス量を乗じて算出した窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って得られた基本アンモニア量に、当該ガスタービン若しくはボイラによって稼動される発電機の負荷微分値より、先行注入アンモニア量を算出した値と、脱硝装置出口の窒素酸化物設定濃度と検出濃度よりフィードバックアンモニア量を算出した値とを補正値として加算してなるアンモニア量信号により、注入アンモニア量を制御する脱硝制御方法であって、前記脱硝装置入口の窒素酸化物濃度を入口窒素酸化物濃度推定モデルで算出することを特徴とする脱硝制御方法。
  2. ガスタービン若しくはボイラ等の燃焼装置排ガス中の、窒素酸化物を処理する脱硝装置に注入するアンモニア量の制御方法において、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度を設定し、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と、該設定値との差に、燃料流量より推定した排ガス量を乗じて算出した窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って得られた基本アンモニア量に、当該ガスタービン若しくはボイラによって稼動される発電機の負荷微分値より、先行注入アンモニア量を算出した値と、脱硝装置出口の窒素酸化物設定濃度と検出濃度よりフィードバックアンモニア量を算出した値と、前記脱硝装置入口の窒素酸化物濃度及び二酸化窒素濃度を窒素酸化物濃度推定モデルで算出して得られた入口窒素酸化物濃度及び二酸化窒素濃度予測値により二酸化窒素に対する補償アンモニア量を算出した値との三つの値を補正値として加算してなるアンモニア量信号により、注入アンモニア量を制御することを特徴とする脱硝制御方法。
  3. 前記基本アンモニア量を算出するときに用いる脱硝装置入口の窒素酸化物濃度が窒素酸化物検出手段で検出された値であることを特徴とする請求項2記載の脱硝制御方法。
  4. 前記基本アンモニア量を算出するときに用いる脱硝装置入口の窒素酸化物濃度を入口窒素酸化物濃度推定モデルで算出することを特徴とする請求項2記載の脱硝制御方法。
  5. 前記入口窒素酸化物濃度推定モデルが火炎温度推定モデルを有することを特徴とする請求項1、2、若しくは4いずれかの項記載の脱硝制御方法。
  6. ガスタービン若しくはボイラ等の燃焼装置排ガス中の、窒素酸化物を処理する脱硝装置に注入するアンモニア量を制御する制御装置において、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度の設定をする設定部と、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と前記設定部の設定値との偏差を生成する減算器と、燃料流量を入力信号として排ガス推定量信号を出力する排ガス量推定手段と、該推定した排ガス量と前記偏差との積により窒素酸化物量を算出する乗算器と、該窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って基本アンモニア量信号を生成する単位変換器と、当該ガスタービン若しくはボイラ等によって稼動される発電機の負荷微分値を入力信号として、先行注入アンモニア量信号を出力する先行注入アンモニア量信号生成手段と、出口窒素酸化物濃度の前記設定部の設定値と前記脱硝装置出口に備えられた出口窒素酸化物濃度検出手段の検出値よりフィードバックアンモニア量信号を出力するフィードバックアンモニア量生成手段と、前記基本アンモニア量信号に、前記先行注入アンモニア量信号とフィードバックアンモニア量信号をそれぞれ補正値として加算してアンモニア量信号を生成する加算器とを備えてなり、当該アンモニア量信号により、注入アンモニア量を制御する脱硝制御装置であって、更に入口窒素酸化物濃度推定手段を有し、前記脱硝装置入口の窒素酸化物濃度信号を入口窒素酸化物濃度推定手段にて算出・出力させることを特徴とする脱硝制御装置。
  7. ガスタービン若しくはボイラ等の燃焼装置排ガス中の、窒素酸化物を処理する脱硝装置に注入するアンモニア量の制御手段において、脱硝装置出口の窒素酸化物濃度の設定をする設定部と、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と前記設定部の設定値との偏差を生成する減算器と、燃料流量を入力信号として排ガス推定量信号を出力する排ガス量推定手段と、該推定した排ガス量と前記偏差との積により窒素酸化物量を算出する乗算器と、該窒素酸化物量に対して化学量論的変換を行って基本アンモニア量信号を生成する単位変換器と、当該ガスタービン若しくはボイラ等によって稼動される発電機の負荷微分値を入力信号として、先行注入アンモニア量信号を出力する先行注入アンモニア量信号生成手段と、出口窒素酸化物濃度の前記設定部の設定値と前記脱硝装置出口に備えられた出口窒素酸化物濃度検出手段の検出値よりフィードバックアンモニア量信号を出力するフィードバックアンモニア量生成手段と、前記脱硝装置入口の窒素酸化物濃度及び二酸化窒素濃度信号を算出・出力する窒素酸化物濃度推定手段と、該入口窒素酸化物濃度及び二酸化窒素濃度予測値信号より二酸化窒素に対する補償アンモニア量信号を出力する二酸化窒素補償アンモニア量生成手段と、前記先行注入アンモニア量信号、前記フィードバックアンモニア量信号及び前記補償アンモニア量信号の三つの補正値を基本アンモニア量信号に加算してアンモニア量信号を生成するそれぞれの加算器とを備えてなり、当該アンモニア量信号により、注入アンモニア量を制御することを特徴とする脱硝制御装置。
  8. 脱硝装置入口に窒素酸化物検出手段を備え、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と前記設定部の設定値との偏差を生成する減算器に入力する脱硝装置入口の窒素酸化物濃度信号を当該窒素酸化物検出手段の検出信号とすることを特徴とする請求項7記載の脱硝制御装置。
  9. 脱硝装置入口の窒素酸化物濃度信号を算出・出力する入口窒素酸化物濃度推定手段を備え、脱硝装置入口の窒素酸化物濃度と前記設定部の設定値との偏差を生成する減算器に入力する脱硝装置入口の窒素酸化物濃度信号を当該入口窒素酸化物濃度推定手段の出力信号とすることを特徴とする請求項7記載の脱硝制御装置。
  10. 前記入口窒素酸化物濃度推定手段が火炎温度推定手段を有することを特徴とする請求項6、7、若しくは9いずれかの項記載の脱硝制御装置
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