JP3574889B2 - 脱硝装置のアンモニア注入量制御方法 - Google Patents

脱硝装置のアンモニア注入量制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスタービンの出口に設けられて排ガス中のNOxを除去する脱硝装置において、還元剤であるアンモニアを先行注入するに際し、アンモニア注入量の適正値を確保するための制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンから排出されるNOx量は、起動・停止の過程や負荷変動によって過渡的に大きく変動するものであり、他方、脱硝装置は、脱硝・吸着反応という化学反応特有の非線形性・動特性をもっている。また、NOx量を計測するNOx濃度分析計は、検出遅れ・サンプリングによるむだ時間を有している。そのため、脱硝出口NOx濃度計測値のフィードバックによる制御は技術的に困難である。
【0003】
したがって、従来の脱硝装置のアンモニア注入量制御方法としては、ガスタービン出口の予測NOx流量と脱硝出口の目標NOx流量とから計算される脱硝率に基づいて、予め設定されたアンモニアモル比(アンモニア量/NOx量)をテーブルから取り出し、アンモニアモル比と予測NOx流量との積により必要なアンモニア注入量を求め、その信号を負荷変化信号などで補正するフィードフォワード制御を主体とし、これとフィードバック制御との組み合わせにより、アンモニア注入量を求めるというものが一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の脱硝装置のアンモニア注入量制御方法は、脱硝・吸着反応という化学反応特有の非線形性・動特性を考慮しないものであり、起動・停止の過程や負荷変動によってガスタービンから排出されるNOx量が過渡的に大きく変動する場合、たとえば起動時において排ガス温度が低温(250℃以下)となる場合には、脱硝装置の時定数(アンモニア注入ステップ応答送れ時間)が大きいために、脱硝出口濃度を常に所要値(数ppm)以下に保つことが難しいという問題があった。また、脱硝出口濃度を所要値以下に保とうとすることにより、反応せずに棄てられるリークアンモニア量が多くなるという問題もあった。しかも、フィードフォワード制御により求められたアンモニア注入量が適正でないため、フィードバック制御がハンチングを起こすという問題もあった。
【0005】
この発明の目的は、適正なアンモニア注入量を求めることにより、脱硝出口NOx濃度を常に所要値以下に保つことができるとともに、リークアンモニア量はほとんど0とすることができる脱硝装置のアンモニア注入量制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
の発明による脱硝装置のアンモニア注入量制御方法は、脱硝装置における脱硝・吸着反応の非線形・動特性に基づく分布定数形システムの(A)NH の層流境膜拡散マスバランス(触媒表面付近の気相NH 濃度)、(B)NOxの層流境膜拡散マスバランス(触媒表面付近の気相NOx濃度)、(C)気相NH マスバランス(微小な触媒の表面積における気相NH 濃度の変化)、(D)気相NOxマスバランス(微小な触媒の表面積における気相NOx濃度の変化)、前記(A)を示す式と前記(B)を示す式それぞれの平均値を用いて集中定数化した(E)アンモニア吸着量マスバランス(微小時間におけるNH 吸着量の変化)、(A)から(E)それぞれを示す式により導き出した脱硝入口アンモニア濃度を求める式に、同装置の排ガス流量、排ガス温度、入口NOx濃度および出口NOx濃度目標値を代入して脱硝入口アンモニア濃度を求め、脱硝入口アンモニア濃度に排ガス流量を乗じて必要なアンモニア注入量を求めてフィードフォワード制御により脱硝装置のアンモニア注入量制御を行うことを特徴とするものである。
【0007】
この発明による脱硝装置のアンモニア注入量制御方法において、前記(B)を示す式と前記(D)を示す式から、(a)λ(単位排ガス流量における触媒表面積)における気相NOx濃度(NB(λ))を求める式と、脱硝入口NOx濃度(NB(0))および脱硝出口NOx濃度(NB(λ end )=NBref)をパラメータとする(b)NH 吸着量(A*)を求める式を導き、前記(E)の微小時間におけるNH 吸着量dA*/dtは、今回求めたA* と前回求めたA* t−1 から求めることが好ましい
【0008】
また、(c)前記触媒表面付近の気相NOx濃度の平均値(Nav)は、前記(B)を示す式と前記(a)を示す式から導き、NB(0)およびA*の値を代入して求め、(d)前記触媒表面付近の気相NH 濃度はλの関数として前記(A)を示す式と前記(C)を示す式から導き(AB(λ))、前記触媒表面付近の気相NH 濃度の平均値(Aav)は、前記(E)を示す式にNav,A*およびdA*/dtを代入して求めるとともに、(e)前記(A)を示す式と前記(d)を示す式により導き、この2つのAavから脱硝装置入口におけるアンモニア濃度(AB(0))を求めることがより好ましい
【0009】
さらにまた、前記(E)を示す式は、以下の式であることがより好ましい。
dA*/dt=A*(−K1・N av −K3・A av )+P・K3・A av
ただし、A*:NH 吸着量(cc/m )、t:時間のパラメータ、N av :触媒表面付近の気相NOx濃度の平均値(ppm)、A av :触媒表面付近の気相NH 濃度の平均値(ppm)、P:複合サイト量=触媒に吸着され得るNH の最大値(cc/m )、K1,K3:比例定数(速度定数)。
さらにまた、前記(A)(B)(C)(D)を示す式は、以下の式であることがより好ましい。
(A)NH の層流境膜拡散マスバランス
AS=(AK・AB)/{K3(P−A*)+K4・εA+AK}
(B)NOxの層流境膜拡散マスバランス
NS=(NK・NB+K4・εN・AS)/(K1・A*+NK)
(C)気相NH マスバランス
dAB/dS=AS{−K3(P−A*)−K4・εA}/F
(D)気相NOxマスバランス
dNB/dS=(−K1・NS・A*+K4・εN・AS)/F
ただし、AB:気相NH 濃度(ppm)、NB:気相NOx濃度(ppm)、AS:触媒表面付近の気相NH 濃度(ppm)、NS:触媒表面付近の気相NOx濃度(ppm)、A av :ASの平均値、N av :NSの平均値、A*:NH 吸着量(cc/m )、P:複合サイト量=触媒に吸着され得るNH の最大値(cc/m )、K1,K3,K4:各種比例定数(速度定数)、εA,εN:NH 3 燃焼速度補正係数、F:排ガス流量、AK,NK:境膜物質移動係数(m /m h)、t:時間のパラメータ、S:触媒表面積のパラメータ。なお、AB、NB、ASおよびNSは、それぞれS(すなわちλ)の関数である
【0010】
この発明による脱硝装置のアンモニア注入量制御方法は、例えば、初期値などが設定されて計算が開始されるステップと、出口NOx濃度目標値NB ref と入口NOx濃度値NB(0)とが取り込まれるステップと、脱硝装置からの排ガス温度Tおよび排ガス流量Fが取り込まれるステップと、触媒表面積S total と前記排ガス流量Fとからλ end が求められ、さらに、FとTの関数であるNKおよびAKと、Tの関数であるK1、K3およびPとが求められ、K re =K1・NK・A*/(K1・A*+NK)およびK ad =K3(P−A*)・AK/{K3(P−A*)+AK}が計算されるステップと、下記の式(8)(=(b)を示す式)を用いて、必要なアンモニア吸着量A*が計算されるステップと、下記の式(9)(=(c)を示す式)を用いて、触媒表面付近の気相NOx濃度平均値N av が計算されるステップと、下記の式( 10 )を用いて、触媒表面付近の気相NH 3 濃度平均値A av が計算されるステップと、下記の式 (11) (=(e)を示す式)と式(10)で求めたAavを用いて、入口アンモニア濃度AB(0)が計算されるステップと、入口アンモニア濃度と排ガス流量との積AB(0)・Fによりアンモニア注入量が計算されるステップとによって実施される。
Figure 0003574889
ただし、脱硝出口でのλをλ end (=S total /F,S total は触媒表面積を表す定数)、脱硝出口でのNBをNB ref とする
【0011】
の発明による脱硝装置のアンモニア注入量制御方法において前記排ガス流量、排ガス温度、入口NOx濃度および求めたアンモニア注入量を用いて出口NOx濃度予測値をシミュレーション計算し、得られた出口NOx濃度予測値と出口NOx濃度目標値とを比較して求めた補正値により補正アンモニア注入量を求め、この補正アンモニア注入量によってアンモニア注入量を補正することが好ましい。ここで、求められた補正アンモニア注入量は、アンモニア注入量フィードフォワード信号として制御装置に向けて出力されるとともに、次のステップのシミュレーション計算のための「計算されたアンモニア注入量」として使用される。
【0012】
脱硝装置の入口NOx濃度としては、ガスタービンのプロセス量から計算される入口NOx濃度予測値、脱硝装置入口に設けられたNOx濃度分析計による入口NOx濃度計測値または入口NOx濃度予測値および入口NOx濃度計測値の両方を用いて求めた入口NOx濃度補正値が、脱硝装置の仕様に応じて適宜使用される。
【0013】
記の発明において、ガスタービンの出口に脱硝装置が設けられ、ガスタービンの定常運転時には、アンモニア注入量を出口NOx濃度計測値と出口NOx濃度目標値との偏差で補正するフィードバック制御を合わせて行うことが好ましい。
【0014】
この発明による脱硝入口アンモニア濃度演算方法は、脱硝装置における脱硝・吸着反応の非線形・動特性に基づく分布定数形システムの(A)NH の層流境膜拡散マスバランス(触媒表面付近の気相NH 濃度)、(B)NOxの層流境膜拡散マスバランス(触媒表面付近の気相NOx濃度)、(C)気相NH マスバランス(微小な触媒の表面積における気相NH 濃度の変化)、(D)気相NOxマスバランス(微小な触媒の表面積における気相NOx濃度の変化)、前記(A)を示す式と前記(B)を示す式それぞれの平均値を用いて集中定数化した(E)アンモニア吸着量マスバランス(微小時間におけるNH 吸着量の変化)、(A)から(E)それぞれを示す式により導き出した脱硝入口アンモニア濃度を求める式に、同装置の排ガス流量、排ガス温度、入口NOx濃度および出口NOx濃度目標値を代入して脱硝入口アンモニア濃度を求めることを特徴とするものである
【0015】
この発明による脱硝装置のアンモニア注入量制御装置は、排ガス流量、排ガス温度、入口NOx濃度および出口NOx濃度目標値を入力値としてアンモニア注入量を求めるアンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック (22) 、出口NOx濃度目標値および出口NOx濃度予測値を入力値としてアンモニア注入量補正値を求める出口NOx濃度補正ブロック (23) 、ならびにNH の層流境膜拡散マスバランス、NOxの層流境膜拡散マスバランス、気相NH マスバランス、気相NOxマスバランスおよびアンモニア吸着量マスバランスからなる式をリアルタイムでシミュレーションし出口NOx濃度予測値を求めるシミュレーションブロック (24) を備え、タービンの起動時、停止時および定常運転時のアンモニア注入量を脱硝プロセスモデルに基づいたフィードフォワード演算で決定するアンモニア注入量制御系フィードフォワード部と、出口NOx濃度計測値と出口NOx濃度目標値とを比較する出口NOx濃度比較ブロック (25) を備え、タービンの定常運転時に、脱硝出口NOx濃度をフィードバックしてフィードフォワード制御を補正するとともに、ガスタービン (1) の起動時および停止時には実施されないアンモニア注入量制御系フィードバック部とから構成されていることを特徴とするものである
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、この発明のアンモニア注入量制御方法が使用される脱硝プロセスのフローを示している。同図において、圧縮機(2) および燃焼器(3) によって駆動されるガスタービン(1) の出口に、排熱回収ボイラ用排ガス脱硝装置(4) が設けられている。この排ガス脱硝装置(4) においては、ガスタービン(1) の排ガス中に含まれるNOxとアンモニア注入グリッド(5) から注入されたアンモニアとが、脱硝触媒(6) の存在下で反応して窒素と水とになって煙突(7) から排出されるとともに、これらに未反応のNOxとアンモニアとが随伴する。脱硝装置(4) 入口および出口には、それぞれNOx濃度分析計(8)(9)が設けられている。アンモニアは、後述する制御方法に基づいた制御を行う制御装置(10)によりコントロールされており、アンモニア発生装置(11)で得られたものが圧力調整弁(12)および流量調整弁(13)などによりその流量を制御されて混合器(14)に至り、ここでファン(15)および流量調整弁(16)を介して導入された希釈用空気と混合されて、アンモニア注入グリッド(5) に送られている。
【0018】
図2は、アンモニア注入量制御系のブロック図を示している。アンモニア注入量制御系は、入口NOx濃度計測値および入口NOx濃度予測値に基づいて入口NOx濃度予測値を補正する入口NOx濃度演算部(21)と、アンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック(22)、出口NOx濃度補正ブロック(23)およびシミュレーションブロック(24)を備えたアンモニア注入量制御系フィードフォワード部(以下FF部という。)と、出口NOx濃度比較ブロック(25)を備えたアンモニア注入量制御系フィードバック部(以下FB部という。)とから構成されている。
【0019】
入口NOx濃度演算部(21)は、フィードフォワード制御で使用される入口NOx濃度の予測値を実際の入口NOx濃度に近い値として求める部分である。FF部は、タービンの起動時、停止時および定常運転時のアンモニア注入量を脱硝プロセスモデルに基づいたフィードフォワード演算で決定するものである。また、FB部は、タービンの定常運転時に、脱硝出口NOx濃度をフィードバックしてフィードフォワード制御を補正するものであり、ガスタービン(1) の起動時および停止時には、フィードバック制御は実施されないようになっている。
【0020】
まず、図3を参照して、入口NOx濃度演算部(21)の詳細を説明する。
【0021】
入口NOx濃度演算部(21)は、入口NOx濃度予測値qを修正する修正信号nを出力する予測濃度修正ブロック(31)と、入口NOx濃度演算部(21)で得られた入口NOx濃度補正信号pをNOx濃度分析計(8) の特性に基づいて処理して出力信号rを出力する計測系特性ブロック(32)と、入口NOx濃度分析計(8) の入口NOx濃度計測値mと計測系特性ブロック(32)からの出力信号rとの差を求めてこれを誤差信号として予測濃度修正ブロック(31)に出力する減算器(33)と、予測濃度修正ブロック(31)からの修正信号nと入口NOx濃度予測値qとの和を求めてこれを補正信号pとして出力する加算器(34)とを備えたフィードバック回路である。
【0022】
入口NOx濃度分析計(8) は、時間遅れおよびむだ時間を有しており、その特性は、伝達関数G(s)=e−L・s/(1+T・s)によって表すことができる。ここで、Lは計測システムのむだ時間で、Tは計測システムの遅れ時間である。
【0023】
これに対応して、計測系特性ブロック(32)は、伝達関数
G(s)=e−L′・s/(1+T′・s)の特性をもつものとされている。ここで、むだ時間係数L′および遅れ時間係数T′は、実システムの係数の推測値である。NOx濃度分析計(8) の特性は、たとえばそのメーカーによって異なるものであるが、どのメーカーのNOx濃度分析計(8) を用いても、その特性に計測系特性ブロック(32)を合わせることで、柔軟な対応が可能である。
【0024】
予測濃度修正ブロック(31)は、たとえば、その伝達関数がKpである単純な比例ゲインで表される。このKpを十分大きくすることによって、誤差信号を0にすることができれば、入口実NOx濃度kと入口NOx濃度補正信号pとが等しくなり、この原理で入口実NOx濃度kを推定することができる。すなわち、比例ゲインKpが十分大きければ、入口NOx濃度予測値qは、修正信号nに比べて小さいので無視することができるから、システム全体の伝達関数は、分析計(8) の入力をラプラス変換したものをk(s)、補正信号pをラプラス変換したものをp(s)として、
Figure 0003574889
で表すことができる。したがって、LとL′とがほぼ等しくかつTとT′とがほぼ等しい場合、システム全体としては、近似的に、伝達関数
Figure 0003574889
で表される特性をもつこととなる。なお、Kpを大きくすればするほど、入口実NOx濃度kと入口NOx濃度補正信号pとがよく一致する。
【0025】
こうして、入口NOx濃度分析計(8) の計測値mと計測系特性ブロック(32)からの出力信号rとの差である誤差信号をほぼ0とすることにより、入口実NOx濃度kに等しくなった入口NOx濃度補正信号pは、FF部に出力される。なお、定常運転時には、入口NOx濃度分析計(8) の計測値mを入口NOx濃度補正信号pとして使用してもよい。
【0026】
なお、予測濃度修正ブロック(31)においては、伝達関数をKpとした比例処理に代えて、比例処理と積分処理とを合わせて行うようにしてもよい。
【0027】
次いで、FF部について詳述する。
【0028】
同部のアンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック(22)は、排ガス流量・排ガス温度、入口NOx濃度および出口NOx濃度目標値を入力値として、アンモニア吸着量およびアンモニア注入量を求める部分である。また、同部の出口NOx濃度補正ブロック(23)は、出口NOx濃度目標値および出口NOx濃度予測値を入力値として、アンモニア注入量補正値を求める部分である。アンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック(22)で得られたアンモニア注入量計算値と出口NOx濃度補正ブロック(23)で得られたアンモニア注入量補正値とが加算器(26)で足し合わされ、得られたアンモニア注入量がアンモニア注入量FF信号として出力される。また、同部のシミュレーションブロック(24)は、排ガス流量・排ガス温度およびアンモニア注入量FF信号を入力値として、出口NOx濃度補正ブロック(23)に入力される出口NOx濃度予測値を出力する部分である。
【0029】
FF部における演算は、脱硝プロセスがもっている脱硝・吸着反応という化学反応特有の非線形性・動特性に基づいて行われている。すなわち、脱硝プロセスは、NHの層流境膜拡散マスバランス(AS)、NOxの層流境膜拡散マスバランス(NS)、気相NHマスバランス、気相NOxマスバランスおよびアンモニア吸着量マスバランスからなる複雑な分布定数系システムであるが、その特性を以下のように集中定数化して考える。
【0030】
(1)NHの層流境膜拡散マスバランス
AS=(AK・AB)/{K3(P−A*)+K4・εA+AK} …(1)
(2)NOxの層流境膜拡散マスバランス
NS=(NK・NB+K4・εN・AS)/(K1・A*+NK) …(2)
(3)気相NHマスバランス
dAB/dS=AS{−K3(P−A*)−K4・εA}/F …(3)
(4)気相NOxマスバランス
dNB/dS=(−K1・NS・A*+K4・εN・AS)/F …(4)
(5)アンモニア吸着量マスバランス
dA*/dt=A*(−K1・Nav−K3・Aav)+P・K3・Aav…(5)
上記(1)から(5)までの式において、AB:気相NH濃度(ppm)、NB:気相NOx濃度(ppm)、AS:触媒表面付近の気相NH濃度(ppm)、NS:触媒表面付近の気相NOx濃度(ppm)、Aav:ASの平均値、Nav:NSの平均値、A*:NH吸着量(cc/m)、P:複合サイト量=触媒に吸着され得るNHの最大値(cc/m)、K1,K3,K4:各種比例定数(速度定数)、εA,εN:NH3 燃焼速度補正係数、F:排ガス流量、AK,NK:境膜物質移動係数(m/mh)、t:時間のパラメータ、S:触媒表面積のパラメータをそれぞれ表している。なお、AB、NB、ASおよびNSは、それぞれS(したがって後述のλ)の関数である。
【0031】
そして、アンモニア吸着量・アンモニア注入量計算を行うときには、アンモニア燃焼項の影響を無視することとし、K4=0とする。このとき、式(4)および式(2)より、
Figure 0003574889
が得られ、この微分方程式を解くことにより、
NB(λ)=NB(0)・exp(−Kre・λ) …(6)
が得られる。
【0032】
同様に、式(3)および式(1)より、
λ=S/F、Kad=K3(P−A*)・AK/{K3(P−A*)+AK}として、dAB(λ)/dλ=−Kad・AB(λ)が得られ、この微分方程式を解くことにより、
AB(λ)=AB(0)・exp(−Kad・λ) …(7)
が得られる。
【0033】
脱硝出口でのλをλend (=Stotal /F,Stotal は触媒表面積を表す定数)、脱硝出口でのNBをNBref とすると、A*は、式(6)とKre=K1・NK・A*/(K1・A*+NK)より、アンモニア吸着量A*は、
Figure 0003574889
と求まる。
【0034】
式(2)は、
Figure 0003574889
これと式(6)より、NSの平均値Navは、
Figure 0003574889
となる。また、式(5)より、ASの平均値Aavは、
Aav=(K1・Nav・A*+dA*/dt)/{K3(P−A*)}…(10)
と計算できる。ここで、前回のA*=A*t−1 と今回のA*=A*により、
dA*/dt=(A*−A*t−1 )/Δtが求められる。
【0035】
一方、式(1)より得られる
AS(λ)=(AK・AB(λ))/{K3(P−A*)}
と式(7)より、Aav=(1/λend )∫λend AS(λ)dλは、
Figure 0003574889
となる。式(11)と式(10)より、AB(0)、すなわち、脱硝入口アンモニア濃度が求まる。必要なアンモニア注入量は、AB(0)・Fにより求まる。上記式に基づいた計算がアンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック(22)において行われることにより、必要なアンモニア吸着量およびアンモニア注入量が求められる。
【0036】
シミュレーションブロック(24)は、(1)から(5)までの式、または、NHの層流境膜拡散マスバランス(AS)、NOxの層流境膜拡散マスバランス(NS)、気相NHマスバランス、気相NOxマスバランスおよびアンモニア吸着量マスバランスからなる分布定数による微分方程式をリアルタイムに制御装置(10)内部でシミュレーションを実施するものであり、出口NOx濃度補正ブロック(23)は、シミュレーション結果と出口NOx濃度目標値との偏差を計算し、比例処理もしくは比例および積分処理を行い、アンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック(22)で得られたアンモニア注入量計算値を補正するものである。
【0037】
次いで、図4を参照して、上記計算のフローチャートを説明する。
【0038】
まず、A*の初期値などが設定されて計算が開始される(ステップ1)。次いで、出口NOx濃度目標値NBref と入口NOx濃度値NB(0)とが取り込まれる(ステップ2)。ここで、入口NOx濃度値NB(0)は、入口NOx濃度演算部(21)において補正信号pとして求められた入口NOx濃度補正値である。次いで、脱硝装置(4) からの排ガス温度Tおよび排ガス流量Fが取り込まれる(ステップ3)。次いで、触媒表面積Stotal と前記排ガス流量Fとからλend が求められ、さらに、FとTの関数であるNKおよびAKと、Tの関数であるK1、K3およびPとが求められ、KreおよびKadが計算される(ステップ4)。次いで、式(8)を用いて、必要なアンモニア吸着量A*が計算される(ステップ5)。A*は、このステップ5でのみ更新される。次いで、式(9)を用いて、触媒表面付近の気相NOx濃度平均値Navが計算される(ステップ6)。次いで、式(10)を用いて、触媒表面付近の気相NH3 濃度平均値Aavが計算される(ステップ7)。次いで、式(11)を用いて、入口アンモニア濃度AB(0)が計算される(ステップ8)。次いで、入口アンモニア濃度と排ガス流量との積AB(0)・Fによりアンモニア注入量が計算される(ステップ9)。こうして、アンモニア注入量設定値を決めるためのアンモニア注入量FF信号が得られる(ステップ10)。
【0039】
FF部で得られたアンモニア注入量FF信号は、FB部から出力されたアンモニア注入量FB信号と加算器(27)により加算され、アンモニア注入量設定値として出力される。制御装置(10)のアンモニア流量制御部では、このアンモニア注入量設定値と実際のアンモニア流量の偏差をとり、PID制御を行い、バルブの開度を制御する。
【0040】
FB部の出口NOx濃度比較ブロック(25)は、定常運転時に、出口NOx濃度目標値と脱硝装置(4) 出口のNOx濃度分析計(9) による出口NOx濃度計測値とを比較し、その偏差に基づいた補正信号をアンモニア注入量FB信号として出力する部分であり、これにより、アンモニア注入量がより一層適切に制御される。FB部の制御方式としては、PID制御、I−PD制御、サンプル値PI制御またはスミスむだ時間補償によるフィードバック制御などの適宜な方式が採用される。
【0041】
図5は、この発明の制御方法による制御結果(シミュレーション)を示している。同図において、脱硝入口NOx濃度は、110分を経過したところあたりから増加し、150分経過までに2回のピークをもっているが、これに対して、脱硝入口NH濃度は、脱硝入口NOx濃度増加開始以前の100分経過時に1次ピークを示し、さらに、脱硝入口NOx濃度1次ピーク以前の120分経過時に2次ピークを示し、また、脱硝入口NOx濃度2次ピークとほぼ同時期に、3次ピークを示している。そして、脱硝入口NOx濃度が減少してほぼ一定値で推移する時には、脱硝入口NH濃度もほぼ一定値で推移する。この結果、脱硝入口NOx濃度の大幅な変動にかかわらず、脱硝出口NOx濃度は低濃度で安定しており、また、脱硝出口NH濃度はほぼ0で安定している。すなわち、この発明のアンモニア注入量制御方法に基づいて、脱硝プロセスのもつ脱硝・吸着反応という化学反応特有の非線形性・動特性を補償することにより、起動・停止の過程や負荷変動によってガスタービンから排出されるNOx量が過渡的に大きく変動する場合(たとえば、排ガス温度が250℃以下の低温となる起動時)であっても、脱硝出口NOx濃度を常に数ppm以下に保つことができる。なお、排ガス温度が350℃程度になれば、少量のアンモニアで十分に脱硝することができるようになる。そして、いずれの場合でも、アンモニアの注入量は適正値に保たれ、リークアンモニア量をほとんど0とすることができる。
【0042】
なお、上記において、入口NOx濃度演算部(21)は、必須のものではなく、これを省略して、FF部に入力される入口NOx濃度として、入口NOx濃度分析計(8) により求めた入口濃度計測値または予測NOx流量と排ガス流量の割り算で求めた入口NOx濃度予測値を用いてもよい。この場合に、起動・停止時は、入口NOx濃度予測値、定常運転時は、入口濃度計測値とする切換えが適宜行われる。
【0043】
また、FF部は、アンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック(22)だけまたは出口NOx濃度補正ブロック(23)およびシミュレーションブロック(24)だけの構成とすることもできる。アンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック(22)単独の場合は、アンモニア注入量補正値は0となり、アンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック(22)で得られたアンモニア注入量計算値がそのままアンモニア注入量FF信号となる。また、出口NOx濃度補正ブロック(23)およびシミュレーションブロック(24)だけの構成の場合は、アンモニア注入量計算値が0となり、出口NOx濃度補正ブロック(23)で得られたアンモニア注入量補正値がアンモニア注入量FF信号となる。いずれの場合でも、脱硝プロセスの特性に合わせたアンモニアの流量制御が行われるので、脱硝出口NOx濃度を常に数ppm以下に保つことができ、しかも、アンモニアの注入量が適正値に保たれるので、リークアンモニア量をほとんど0とすることができる。
【0044】
【発明の効果】
第1〜第3の発明の脱硝装置のアンモニア注入量制御方法によると、脱硝プロセスの特性に合わせたアンモニアの流量制御を行われるので、脱硝出口NOx濃度を常に所要値以下に保つことができ、しかも、アンモニアの注入量が適正値に保たれるので、リークアンモニア量をほとんど0とすることができる。
【0045】
また、ガスタービンの定常運転時には、アンモニア注入量を出口NOx濃度計測値と出口NOx濃度目標値との偏差で補正するフィードバック制御を合わせて行うことにより、より精度の良いアンモニア注入量制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のアンモニア注入量制御方法が使用される脱硝プロセスを示すフロー図である。
【図2】この発明のアンモニア注入量制御方法を示すブロック図である。
【図3】入口NOx濃度演算部を示すブロック図である。
【図4】アンモニア注入量制御系フィードフォワード部における演算ステップを示すフローチャートである。
【図5】この発明の制御方法による制御結果を示すシミュレーションのグラフである。
【符号の説明】
(4) 脱硝装置
(9) 出口NOx濃度分析計
(10) アンモニア注入量制御装置
(22) アンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック
(23) 出口NOx濃度補正ブロック
(24) シミュレーションブロック
(25) 出口NOx濃度比較ブロック

Claims (10)

  1. 脱硝装置における脱硝・吸着反応の非線形・動特性に基づく分布定数形システムの(A)NH の層流境膜拡散マスバランス(触媒表面付近の気相NH 濃度)、(B)NOxの層流境膜拡散マスバランス(触媒表面付近の気相NOx濃度)、(C)気相NH マスバランス(微小な触媒の表面積における気相NH 濃度の変化)、(D)気相NOxマスバランス(微小な触媒の表面積における気相NOx濃度の変化)、前記(A)を示す式と前記(B)を示す式それぞれの平均値を用いて集中定数化した(E)アンモニア吸着量マスバランス(微小時間におけるNH 吸着量の変化)、(A)から(E)それぞれを示す式により導き出した脱硝入口アンモニア濃度を求める式に、同装置の排ガス流量、排ガス温度、入口NOx濃度および出口NOx濃度目標値を代入して脱硝入口アンモニア濃度を求め、脱硝入口アンモニア濃度に排ガス流量を乗じて必要なアンモニア注入量を求めてフィードフォワード制御により脱硝装置のアンモニア注入量制御を行うことを特徴とする脱硝装置のアンモニア注入量制御方法。
  2. 前記(B)を示す式と前記(D)を示す式から、(a)λ(単位排ガス流量における触媒表面積)における気相NOx濃度(NB(λ))を求める式と、脱硝入口NOx濃度(NB(0))および脱硝出口NOx濃度(NB(λ end )=NBref)をパラメータとする(b)NH 吸着量(A*)を求める式を導き、前記(E)の微小時間におけるNH 吸着量dA*/dtは、今回求めたA* と前回求めたA* t−1 から求めることを特徴とする請求項1に記載の脱硝装置のアンモニア注入量制御方法。
  3. (c)前記触媒表面付近の気相NOx濃度の平均値(Nav)は、前記(B)を示す式と前記(a)を示す式から導き、NB(0)およびA*の値を代入して求め、
    (d)前記触媒表面付近の気相NH 濃度はλの関数として前記(A)を示す式と前記(C)を示す式から導き(AB(λ))、
    前記触媒表面付近の気相NH 濃度の平均値(Aav)は、前記(E)を示す式にNav,A*およびdA*/dtを代入して求めるとともに、(e)前記(A)を示す式と前記(d)を示す式により導き、この2つのAavから脱硝装置入口におけるアンモニア濃度(AB(0))を求めることを特徴とする請求項2に記載の脱硝装置のアンモニア注入量制御方法。
  4. 前記(E)を示す式は、以下の式であることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の脱硝装置のアンモニア注入量制御方法。
    dA*/dt=A*(−K1・N av −K3・A av )+P・K3・A av
    ただし、A*:NH 吸着量(cc/m )、t:時間のパラメータ、N av :触媒表面付近の気相NOx濃度の平均値(ppm)、A av :触媒表面付近の気相NH 濃度の平均値(ppm)、P:複合サイト量=触媒に吸着され得るNH の最大値(cc/m )、K1,K3:比例定数(速度定数)。
  5. 前記(A)(B)(C)(D)を示す式は、以下の式であることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の脱硝装置のアンモニア注入量制御方法。
    (A)NH の層流境膜拡散マスバランス
    AS=(AK・AB)/{K3(P−A*)+K4・εA+AK}
    (B)NOxの層流境膜拡散マスバランス
    NS=(NK・NB+K4・εN・AS)/(K1・A*+NK)
    (C)気相NH マスバランス
    dAB/dS=AS{−K3(P−A*)−K4・εA}/F
    (D)気相NOxマスバランス
    dNB/dS=(−K1・NS・A*+K4・εN・AS)/F
    ただし、AB:気相NH 濃度(ppm)、NB:気相NOx濃度(ppm)、AS:触媒表面付近の気相NH 濃度(ppm)、NS:触媒表面付近の気相NOx濃度(ppm)、A av :ASの平均値、N av :NSの平均値、A*:NH 吸着量(cc/m )、P:複合サイト量=触媒に吸着され得るNH の最大値(cc/m )、K1,K3,K4:各種比例定数(速度定数)、εA,εN:NH 3 燃焼速度補正係数、F:排ガス流量、AK,NK:境膜物質移動係数(m /m h)、t:時間のパラメータ、S:触媒表面積のパラメータ。なお、AB、NB、ASおよびNSは、それぞれS(すなわちλ)の関数である。
  6. 初期値などが設定されて計算が開始されるステップと、出口NOx濃度目標値NB ref と入口NOx濃度値NB(0)とが取り込まれるステップと、脱硝装置からの排ガス温度Tおよび排ガス流量Fが取り込まれるステップと、触媒表面積S total と前記排ガス流量Fとからλ end が求められ、さらに、FとTの関数であるNKおよびAKと、Tの関数であるK1、K3およびPとが求められ、K re =K1・NK・A*/(K1・A*+NK)およびK ad =K3(P−A*)・AK/{K3(P−A*)+AK}が計算されるステップと、下記の式(8)(=(b)を示す式)を用いて、必要なアンモニア吸着量A*が計算されるステップと、下記の式(9)(=(c)を示す式)を用いて、触媒表面付近の気相NOx濃度平均値N av が計算されるステップと、下記の式( 10 )を用いて、触媒表面付近の気相NH 3 濃度平均値A av が計算されるステップと、下記の式 (11) (=(e)を示す式)と式(10)で求めたAavを用いて、入口アンモニア濃度AB(0)が計算されるステップと、入口アンモニア濃度と排ガス流量との積AB(0)・Fによりアンモニア注入量が計算されるステップとを備えている請求項3記載の脱硝装置のアンモニア注入量制御方法。
    Figure 0003574889
    ただし、脱硝出口でのλをλ end (=S total /F,S total は触媒表面積を表す定数)、脱硝出口でのNBをNB ref とする。
  7. 前記排ガス流量、排ガス温度、入口NOx濃度および求めたアンモニア注入量を用いて出口NOx濃度予測値をシミュレーション計算し、得られた出口NOx濃度予測値と出口NOx濃度目標値とを比較して求めた補正値により補正アンモニア注入量を求め、この補正アンモニア注入量によってアンモニア注入量を補正することを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の脱硝装置のアンモニア注入量制御方法。
  8. ガスタービンの出口に脱硝装置が設けられ、ガスタービンの定常運転時には、アンモニア注入量を出口NOx濃度計測値と出口NOx濃度目標値との偏差で補正するフィードバック制御を合わせて行うことを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の脱硝装置のアンモニア注入量制御方法。
  9. 脱硝装置における脱硝・吸着反応の非線形・動特性に基づく分布定数形システムの(A)NH の層流境膜拡散マスバランス(触媒表面付近の気相NH 濃度)、(B)NOxの層流境膜拡散マスバランス(触媒表面付近の気相NOx濃度)、(C)気相NH マスバランス(微小な触媒の表面積における気相NH 濃度の変化)、(D)気相NOxマスバランス(微小な触媒の表面積における気相NOx濃度の変化)、前記(A)を示す式と前記(B)を示す式それぞれの平均値を用いて集中定数化した(E)アンモニア吸着量マスバランス(微小時間におけるNH 吸着量の変化)、(A)から(E)それぞれを示す式により導き出した脱硝入口アンモニア濃度を求める式に、同装置の排ガス流量、排ガス温度、入口NOx濃度および出口NOx濃度目標値を代入して脱硝入口アンモニア濃度を求めることを特徴とする脱硝入口アンモニア濃度演算方法。
  10. 排ガス流量、排ガス温度、入口NOx濃度および出口NOx濃度目標値を入力値としてアンモニア注入量を求めるアンモニア吸着量・アンモニア注入量計算ブロック (22) 、出口NOx濃度目標値および出口NOx濃度予測値を入力値としてアンモニア注入量補正値を求める出口NOx濃度補正ブロック (23) 、ならびにNH の層流境膜拡散マスバランス、NOxの層流境膜拡散マスバランス、気相NH マスバランス、気相NOxマスバランスおよびアンモニア吸着量マスバランスからなる式をリアルタイムでシミュレーションし出口NOx濃度予測値を求めるシミュレーションブロック (24) を備え、タービンの起動時、停止時および定常運転時のアンモニア注入量を脱硝プロセスモデルに基づいたフィードフォワード演算で決定するアンモニア注入量制御系フィードフォワード部と、
    出口NOx濃度計測値と出口NOx濃度目標値とを比較する出口NOx濃度比較ブロック (25) を備え、タービンの定常運転時に、脱硝出口NOx濃度をフィードバックしてフィードフォワード制御を補正するとともに、ガスタービン (1) の起動時および停止時には実施されないアンモニア注入量制御系フィードバック部とから構成されている脱硝装置のアンモニア注入量制御装置。
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