JP3500208B2 - 脱硝制御装置 - Google Patents

脱硝制御装置

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JP3500208B2
JP3500208B2 JP29860594A JP29860594A JP3500208B2 JP 3500208 B2 JP3500208 B2 JP 3500208B2 JP 29860594 A JP29860594 A JP 29860594A JP 29860594 A JP29860594 A JP 29860594A JP 3500208 B2 JP3500208 B2 JP 3500208B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素酸化物(NO
を含む発電プラントの燃焼排ガスにアンモニア(N
)を注入し触媒の作用下で窒素ガス(N)および水
蒸気(HO)に分解する脱硝プロセス部に対してアン
モニア注入量指令値を与える脱硝制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明を適用するプラントの一例として
コンバインドサイクル発電プラントを図11に示し、ま
ずこれについて説明する。
【0003】燃焼器1には燃料調節弁2を介して調節さ
れた燃料が供給されると共に圧縮機3を介して圧縮空気
が供給され、燃焼器1内で燃料が燃焼することによりガ
スタービン4が駆動される。ガスタービン4は蒸気ター
ビン5と共に発電機6に連結されており、これらの機器
によりコンバインドサイクル発電プラントが構成されて
いる。蒸気タービン5には復水器7が付属している。
【0004】ガスタービン4の排ガスは排熱回収ボイラ
8に導入され、排ガスに含まれている熱エネルギーが熱
交換器9および10を介して回収され、熱回収後の排ガ
スは煙突11を介して系外(例えば大気中)に排出され
る。なお、熱交換器は排熱回収ボイラ8内に多数配設さ
れているが、図には代表的に入口部および出口部に配設
された熱交換器9および10だけが示されている。
【0005】この種の発電プラントにおいてガスタービ
ン4の排ガスには燃焼によって発生する有害な窒素酸化
物(NO)が含まれており、このNOの除去は重要
な技術的課題となっている。排ガス中に含まれるNO
を除去する最も一般的な方法は、排ガス中にNHを吹
きかけてNOと混合し、触媒上で反応させて無害な窒
素ガス(N)と水蒸気(HO)に分解する方法であ
る。そこで排熱回収ボイラ8には脱硝プロセス装置とし
て排ガス通路内にアンモニアスプレー部12および触媒
部13が設けられている。アンモニアスプレー部12は
調節弁14を介して供給されたアンモニア(NH)を
触媒部13に至る排ガスに吹き付ける。触媒部13の前
後にはNO濃度分析計15および16が配置され、そ
れぞれNO濃度を分析・測定して脱硝制御装置20に
送出する。脱硝制御装置20は入力されたNO濃度に
基づいて適切なNH注入量を演算し、それを達成する
ように調節弁14の開度を調節する。
【0006】脱硝反応プロセスの特徴 (1)NHとNOとの反応は次式に示す化学反応が
主であり、NO以外のNO(NO等)は触媒上にて
NOに分解した後、次式の反応を起こす。 4NO+4NH+O → 6HO+4N (1)
【0007】触媒部13上では反応が100%起こるわ
けではなく、NOやNHの未反応分が残留したまま
系外へと排出される。一般的にNH注入量を増やせば
未反応残留NO量が減少し、また未反応NH量も増
加する。この化学反応の反応量は排ガスの温度・流量・
圧力・湿度やNHおよびNOの濃度等の変動によっ
て変化する。すなわち、この種のプロセスは一般的に非
線形性が非常に強い反応系である。
【0008】脱硝反応により分解されるNOの割合を
η(0≦η≦1)とすると、ηは次式で表すことができ
る。 η=f(x1 ,x2 ,x3 ,x4 ,x5 ,x6 ) (2) x1 :排ガスの温度 x2 :排ガスの流量 x3 :排ガスの圧力 x4 :排ガス中の湿度 x5 :排ガス中の触媒部入口のNHの流量 X6 :排ガス中の触媒部入口のNOの流量
【0009】これらのパラメータx1 〜x2 のうち支配
的なものは排ガス中の触媒部入口におけるNHおよび
NOの流量であるため、(2)式は近似的に(3)式
のように表現することができる。なお、近似式であるに
もかかわらず、ここでは便宜上等号を用いることにす
る。 η=f(x5 ,x6 ) (3)
【0010】反応率はパラメータx5 とx6 の分子の数
の比すなわちモル比によって支配的に決定される場合
は、(4)式のように表すことができる。 η=f(x5 /x6 ) (4)
【0011】脱硝反応により分解されるNO量x
7 は、(5)式のように表される。 x7 =η×x6 (5)
【0012】よって未反応残留NO量x8 は(6)式
の通りに表すことができる。 x8 =(1−η)×x6 ={1−f(x5 /x6 )}×x6 (6)
【0013】別の見方をして、未反応残留NOの割合
は(1−η)であり、(7)式のように表すことができ
る。 (1−η)=g(x5 /x6 )=1−f(x5 /x6 ) (7)
【0014】よって未反応残留NO量x8 は(8)式
の通りに表すことができる。 x8 =(1−η)×x6 =g(x5 /x6 )×x6 (8)
【0015】(2)反応せずに排出されるNO濃度お
よびNH濃度は必要に応じて両方ないしは片方が計測
されるが、検出器の技術上の制約のために検出時間遅れ
が非常に大きい(数十秒から数百秒)のが実状である。
【0016】従来の制御方法 従来の脱硝制御方法は特公平3−42930号公報に記
載されているようにして行われている。以下、NO
よびNHの量について、その流量、つまり、単位時間
当たりに流れる量について説明するが、その濃度につい
て検討しても同様の説明が成り立つものである。
【0017】従来の制御技術の主流であるPID制御装
置すなわち比例(P)動作要素、積分(I)動作要素お
よび微分(D)動作要素を備え、それらの組み合わせで
操作信号を作成する制御装置では、無駄時間の大きいプ
ラントを安定かつ応答性良く制御することは難しい。こ
のため、フィードフォワード制御を活用する方法が試み
られてきた。以下に従来技術として述べるのは、かかる
フィードフォワード制御を活用する従来の実用化されて
きた方法である。この方法を実施する脱硝制御装置20
0を図12に示す。
【0018】燃焼器1での燃料燃焼によって発生するN
発生量Q20はガスタービン4の燃料流量Q10や
空気流量Q11などからある程度予測することができ
る。そこでまずこれらの物理量Q10,Q11に基づき
NO発生量計算部201においてNO発生量計算値
Q21を予測計算し、この結果を利用しゲインK1 のゲ
イン回路202を介して第1のNH注入量指令値に相
当するフィードフォワード信号(FF信号)Q22を作
って加算器203の第1の入力端に入力する。
【0019】他方、触媒部13に代表される脱硝プロセ
ス部18の出口側で検出した単位排ガス流量当たりのN
量をNO濃度Q31として、これと排ガス流量Q
32との積を乗算器204で得て未反応残留NO量Q
33を得る。この未反応残留NO量Q33とNO
出量設定値Q34との差を減算器205で得てNO
差Q35とし、それをPID型制御器206によりPI
D動作処理して第2のNH注入量指令値に相当するフ
ィードバック信号(FB信号)Q36を作り、加算器2
03の第2の入力端に入力する。
【0020】加算器203から出力されるFF信号Q2
2とFB信号Q36との和に相当する信号がNH注入
量指令値Q30として脱硝プロセス部18に対して送出
される。
【0021】図12の脱硝制御装置20においては、N
発生量Q20の変化時にFF信号Q22によりNH
注入量指令値Q30を先行的に変化させることにより
脱硝制御性能の向上を図っている。また、代表的には燃
焼器1に対する空気供給系統に設けられているIGV
(入口空気調節板)の開度変化に伴って生ずる排ガス流
量Q32の変化によりNO発生量Q20が変化した場
合は、NO発生量計算値Q21が変化し、その結果F
F信号Q22が変化するため、その影響(排ガス流量Q
32の変化によりNO発生量Q20が変化する場合の
影響)を抑制することができる。
【0022】この種の制御装置においてFF制御のみで
は制御偏差が生じた場合にそれを打ち消すことができな
いので、従来はPID型制御器206を用いてFB制御
を行っている訳である。すなわちNO排出量設定値Q
34と未反応残留NO量Q33との偏差を解消するべ
く、そのNO偏差Q35をPID型制御器206に入
力し、その偏差を解消するような信号をFB信号Q36
として制御に用いている。
【0023】以上が従来の脱硝制御装置であり、未反応
残留NO量Q33の瞬間値が減少すれば自動的に移動
時間平均値も減少する。なお、従来はNHの排出量に
ついては特に規制が設けられていなかったため、未反応
NHの排出量については特に考慮されていなかった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】図13に従来の制御装
置によるNO発生量Q20変化時の制御応答を示す。
従来の制御装置においては、NOとNHの分解反応
が常に一定の割合で起こり、NO発生量Q20とNO
発生量計算値Q21について誤差を生ずることなく計
算できるような場合には良好に作用する。しかしながら
NO発生量計算値Q21には誤差が無くても、実際に
は脱硝プロセス部18のプロセス挙動の非線形性によ
り、どれだけ有効に反応を生ずるかはその都度の運転状
態に依存して大きく変動するため、ゲイン回路202の
一定のFFゲインK1 だけではこの特性変動による未反
応残留NO量の増減を抑制することができない。抑制
しきれない分についてはPID型制御器206によるF
B信号Q36によって補償するしかないが、分析計1
5,16によるNO量についての分析時間遅れが大き
いため、PID型制御器206による性能の良いFB制
御は難しい。
【0025】例えば図13(横軸は時間、縦軸はそれぞ
れ流量[Nm3 /h])において、(a)NO発生量
Q20の変化により(b)FF信号Q22が変化し、
(c)NH注入量指令値Q30が変化し、(d)未反
応残留NO量Q33の変動を抑制しようとする。しか
し、脱硝反応特性がNO発生量Q20とNH注入量
Q12に対して非線形に変化するため、図13において
前半T1 ではFF信号Q22が大きすぎて未反応残留N
量Q33が減りすぎてFB制御が働き、後半T2
はFF信号Q22が小さいのとFB信号Q36との相乗
効果によって未反応残留NO量Q33が増えすぎ、全
体として振動的な応答特性になっていることが分かる。
【0026】排ガス流量Q32の変化時には、FF信号
Q22にその影響が反映される。しかし、未反応残留N
量Q33を得るためのNO濃度分析計15には分
析時間遅れがあるため、排ガス流量Q32の変化時に、
たとえ真の未反応残留NO量が変化していなくても、
制御装置内で得られる未反応残留NO量Q33は変動
する。真の未反応残留NO量に変動を生じていなけれ
ばNH注入量指令値Q30を変化させる必要はない
が、排ガス流量Q32の変化時には見かけ上、未反応残
留NO量Q33が変動するためにFB信号Q36が変
動し、この結果NH注入量指令値Q30も変動する。
このようにしてNH注入量指令値Q30が不必要に変
動するために未反応残留NO量Q33がさらに変動し
てしまい、応答が振動的になってしまい、制御性が低下
する。
【0027】このように何らかの要因でFF信号Q22
による制御性が十分でないとき、NO排出量設定値Q
33と未反応残留NO量Q33との間には偏差が生ず
る。これを解消するために従来技術ではPID型制御器
206を用いていたが、PID型制御器206では設定
値追従特性と外乱補償特性の両方を同時に精度良く制御
する機能を持つことはできない。すなわち、PID型制
御器206を用いた場合は、設定値追従特性または外乱
補償特性のどちらかの性能をあきらめることにならざる
を得ない。実際のプラント運用時には設定値が変動し且
つ未知の外乱による偏差の発生があるので、PID型制
御器206のみで全ての偏差をすばやく且つ良好に解消
することはできない。
【0028】排ガス流量変化時の影響 排ガス流量Q32の変化時に未反応残留NO量Q33
が変動するメカニズムについて説明する。ここではNO
制御を行っておらず、NO発生量Q20およびNH
注入量Q12が変化しないとき、すなわち、排ガス流
量Q32だけが変化したときの、NO濃度Q31およ
び未反応残留NO量Q33の変化について図14を参
照して説明する。
【0029】真のNO濃度Q37は、 (真のNO濃度Q37)=(真の未反応残留NO量Q38) ÷(排ガス流量Q32) (9) であるから、(a)排ガス流量Q32がステップ状に増
加したとすると、(b)真のNO濃度Q37は一点鎖
線で示すように排ガス流量Q32の増加と同時に減少す
る。ところがNO濃度分析計15,16には分析時間
遅れがあるので分析計15,16の出力するNO濃度
Q31は実線で示すように遅れ時間τをもって変化す
る。制御装置内部で演算に用いる未反応残留NO量Q
33はNO濃度Q31と排ガス流量Q32の積である
ので、同図(c)に示すグラフのように変動する。真の
未反応残留NO量すなわち排ガス流量Q32と真のN
濃度Q37との積は変化しないのに、NO濃度分
析計の遅れによって未反応残留NO量Q33は一時的
に増加して元に戻ることが図14から明らかである。
【0030】次に、NO制御を行っている状態で排ガ
ス流量Q32のみが変化し、NO発生量Q20は一定
であるときの応答を図15に示す。この場合はNO
御を行っているので、排ガス流量Q32の変化後はNH
注入量Q12は制御信号により変動する。
【0031】図15(a)に示すように排ガス流量Q3
2がステップ状に増加すると、同図(b)に一点鎖線で
示すように同時に真のNO濃度Q37は減少する。そ
れに対してNO濃度Q31は、濃度分析計15,16
の遅れにより真のNO濃度Q37の変化よりも遅れて
変動する。かくして(c)未反応残留NO量Q33は
実線で示すように最初増加する。未反応残留NO量Q
33が増加しNO排出量設定値Q34との間に偏差を
生じるので、FB信号Q36によりNH注入量指令値
Q30が変化し、(d)NH注入量Q12が実線で示
すように変化する。NH注入量Q12が変化すると、
それに伴って真のNO濃度Q37が変化し、NO
度Q31および未反応残留NO量Q33も変動する。
このため未反応残留NO量Q33は同図(c)に実線
で示すように振動的に変動することになる。
【0032】このとき、NO発生量Q20に変動がな
ければNH注入量Q12を変化させなくても最終的に
は未反応残留NO量Q33とNO排出量設定値Q3
4とは一致してその偏差は解消するはずであるが、濃度
分析計15,16の分析時間遅れを考慮しない制御構成
によってNH注入量12が必要以上に変動し、その結
果、未反応残留NO量Q33が振動的な応答を示し、
制御特性劣化の原因になっている。
【0033】このような問題は、脱硝反応プロセスの非
線形特性および動特性を考慮にいれずに制御系を構成す
ることによって起こるものである。すなわち、従来装置
においては反応の非線形性による影響を抑制することが
できない。
【0034】また排ガス流量Q32の変化時に、NH
注入量指令値Q30が不必要に変化して未反応残留NO
量Q33を変化させてしまうのは濃度分析計の分析時
間遅れを考慮に入れていないからである。
【0035】ところで実プラント運用時は、系統の負荷
要求により発電出力は刻一刻と変化し、それに伴ってN
発生量Q20も変動するのが普通である。通常の運
用で全ての運転態様について全て対策を立てるのは不可
能に近い。よって考慮できなかったプラントの運用時
は、未知の外乱の影響を効果的に抑制するような制御器
によってFB制御を行うのが望ましい。しかし従来の脱
硝制御装置では、未知外乱に対する制御器構成までは考
察されていなかった。このため、未知の外乱が発生した
ときにその影響を抑制する効果が弱かった。
【0036】本発明は以上述べた事情を考慮してなされ
たものであって、脱硝反応プロセスの非線形反応特性を
考慮して制御性の向上を図り、さらに設定値変化や外乱
による制御偏差を高精度かつ迅速に解消しうる脱硝制御
装置を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、窒素酸化物を含む発電プラ
ントの燃焼排ガスにアンモニアを注入し触媒の作用下で
窒素ガスおよび水蒸気に分解する脱硝プロセス部に対し
てアンモニア注入量指令値を与える脱硝制御装置であっ
て、燃焼器に供給される燃料流量および空気流量に基づ
いて窒素酸化物発生量計算値を求める窒素酸化物発生量
計算手段と、窒素酸化物発生量計算値に、窒素酸化物排
出量設定値を用いて、脱硝プロセス部における脱硝反応
プロセスの非線形性を補償するための補正を加えフィー
ドフォワード量として出力する非線形補償手段と、脱硝
プロセス部の出側の排ガス中に含まれる未反応残留窒素
酸化物量の窒素酸化物排出量設定値に対する偏差に制御
演算を加えフィードバック量として出力する制御演算手
段と、非線形補償手段によって求められたフィードフォ
ワード量と制御演算手段によって求められたフィードバ
ック量との和を求め、脱硝プラントに対しアンモニア注
入量指令値として送出する加算手段とを備えた脱硝制御
装置を要旨とするものである。
【0038】請求項2に記載の発明は、窒素酸化物を含
む発電プラントの燃焼排ガスにアンモニアを注入し触媒
の作用下で窒素ガスおよび水蒸気に分解する脱硝プロセ
ス部に対してアンモニア注入量指令値を与える脱硝制御
装置であって、燃焼器に供給される燃料流量および空気
流量に基づいて窒素酸化物発生量計算値を求める窒素酸
化物発生量計算手段と、脱硝プロセス部の出側の排ガス
中に含まれる未反応残留窒素酸化物量の窒素酸化物排出
量設定値に対する偏差に制御演算を加えフィードバック
量として出力する制御演算手段と、窒素酸化物発生量計
算値に、制御演算手段から出力されるフィードバック量
を用いて、脱硝プロセス部における脱硝反応プロセスの
非線形性を補償するための補正を加え、脱硝プラントに
対しアンモニア注入量指令値として送出する非線形補償
手段とを備えた脱硝制御装置を要旨とするものである。
【0039】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の脱硝制御装置において、フィードバック量を
出力する制御演算手段の代わりに、窒素酸化物排出量設
定値に制御演算を施す第1の制御演算手段と、未反応残
留窒素酸化物量に制御演算を施す第2の制御演算手段
と、第1および第2の分散制御演算手段の出力の偏差を
求めフィードバック量として出力する手段とを備えた脱
硝制御装置を要旨とするものである。
【0040】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載の脱硝制御装置において、非線形補償部が、窒
素酸化物排出量設定値を窒素酸化物発生量計算値で除算
して残留可能な窒素酸化物の割合を求める除算手段と、
残留可能な窒素酸化物の割合に、脱硝プロセス部の脱硝
反応特性に対する逆反応特性関数演算を施して所定の窒
素酸化物量が残留するときの必要なモル比を求める逆反
応特性関数演算部と、窒素酸化物発生量計算値と逆反応
特性関数演算部によって求められたモル比との積を出力
する乗算手段とからなっている脱硝制御装置を要旨とす
るものである。
【0041】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
4のいずれかに記載の脱硝制御装置において、排ガス流
量またはそれに関連する量に基づいて外乱補償量を求
め、求めた外乱補償量によりアンモニア注入量指令値を
補正する動特性補償手段をさらに備えた脱硝制御装置を
要旨とするものである。
【0042】
【作用】請求項1に記載の発明においては、フィードバ
ック制御系とフィードフォワード制御系とを有する脱硝
制御装置において、フィードフォワード制御系に、脱硝
プロセス部における脱硝反応プロセスの非線形性を補償
するための非線形補償手段を設けることにより、脱硝反
応プロセスの非線形性による不安定性および応答性不良
を回避し、安定かつ高応答性の制御を達成することがで
きる。
【0043】請求項2に記載の発明においては、フィー
ドバック制御系とフィードフォワード制御系とを有する
脱硝制御装置において、両制御系に共通に、脱硝プロセ
ス部における脱硝反応プロセスの非線形性を補償するた
めの非線形補償手段を設けることにより、脱硝反応プロ
セスの非線形性による不安定性および応答性不良を回避
し、安定かつ高応答性の制御を達成することができる。
【0044】請求項3に記載の発明においては、フィー
ドバック制御系に設けられる制御手段を各入力信号回路
に分割挿入して2自由度型に構成することにより、脱硝
制御性の一層の向上を図ることができる。
【0045】請求項4に記載の発明は非線形補償手段の
具体構成に関するものであり、これにより請求項1また
は2に記載の発明を容易に実施することができる。
【0046】請求項5に記載の発明においては、排ガス
流量等の物理量に基づいて外乱補償量を求め、求めた外
乱補償量によりアンモニア注入量指令値を補正する動特
性補償手段を備えることにより、NO濃度を測定・分
析する濃度分析計の時間遅れによる制御系の動特性低下
を補償し、より良好な制御性能を達成することができ
る。
【0047】要するに本発明は、脱硝反応プロセスの非
線形補償を行うことによって脱硝反応特性を線形化する
ことにより、制御対象の動特性を制御しやすくし、さら
に燃焼器への空気流量または排ガス流量信号を制御に用
いることによりNO濃度分析計の遅れによる不必要な
NH注入量修正を防止し、さらにフィードバック制御
系の制御演算を2自由度型に構成することにより設定値
追従性と外乱補償性の両者の制御性能を向上させ、結果
として脱硝制御性の顕著な向上を図るものである。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
【0049】第1の実施例 (構成)図1は本発明の第1の実施例によって構成され
た脱硝制御装置20Aを示すものである。図1中、非線
形補償部210の内部構成については図2にその詳細を
示している。
【0050】この実施例による脱硝制御装置20Aは、
図12に示す脱硝制御装置20のゲイン部202を省略
し、それに代わってに非線形補償部210を設けたもの
に相当する。非線形補償部210はNO排出量設定値
Q34とNO発生量計算部201によって得られたN
発生量計算値Q21とに基づいて非線形補償された
FF(フィードフォワード)量Q38を出力する演算手
段であって、図2に示すように、除算器211、逆反応
特性関数部212および乗算器213からなっている。
【0051】(作用)まず図2を参照し、非線形補償部
210の作用について説明する。NO排出量設定値Q
34およびNO発生量計算値Q21を入力し、除算器
211において、残留可能なNOの割合cを次式によ
り求める。ここで、a=Q34、b=Q21とする。 c=a/b (10)
【0052】脱硝反応はすでに述べたとおり(1)〜
(8)式によって表すことができる。したがって、
(7)式の関数g(x5 /x6 )の逆関数d=g
-1(c)を逆反応特性関数部212において計算するこ
とにより、その計算結果として、割合cだけNOが残
留するときの必要なモル比を求めることができる。そこ
で以下においては逆関数dをモル比とも称することにす
る。必要なモル比dが決まれば、このdを得るために必
要なNH量e=Q38は乗算器213において(1
1)式に従って求めることができる。 e=d×b (11)
【0053】こうして得られた必要なNH量をFF量
Q38として用い、加算器203に入力する。
【0054】次に脱硝制御装置20Aの他の部分の作用
を図1に基づいて説明する。与えられるNO排出量設
定値Q34と未反応残留NO量Q33の差を減算器2
05において求めることにより、NO偏差Q35を得
る。このNO偏差Q35をできるだけゼロに近づける
ために、PID型制御器206を用いてフィードバック
(FB)量Q36を得る。FF量Q38とFB量Q36
を加算器203において加算することにより、NH
入量指令値Q39を得ることができ、これを脱硝プロセ
ス部18に対して送出する。
【0055】(効果)図3(a)に示すようにNO
生量Q20が徐々に変化したときを考える。このとき脱
硝プロセス部18における脱硝反応の非線形性により、
必要なNH注入量は刻々と変化するが、非線形補償部
210での演算により必要なNH注入量を高精度に計
算することができる。このため未反応残留NO量Q3
3は理想的にはNO排出量設定値Q34と全く一致す
ることになる。
【0056】実プラントの運転時には原因不明の外乱が
発生し、未反応残留NO量Q33とNO排出量設定
値Q34との間に偏差を生ずることがある。このような
偏差は、図1の脱硝制御装置20AにおけるPID型制
御器206を通して解消することができる。
【0057】以上のようにして脱硝反応特性の持つ非線
形性を補償し、脱硝制御性能を飛躍的に向上させること
ができる。
【0058】第2の実施例 (構成)図4に本発明の第2の実施例に従って構成され
た脱硝制御装置20Bを示す。この実施例は、図1の脱
硝制御装置20Aにおける非線形補償部210のNO
排出量設定値Q34の入力端にPID型制御器206の
出力FB量Q36を入力するようにし、加算器203を
省略したものに相当する。この実施例は、図1の非線形
補償部210のNO排出量設定値Q34の代わりにF
B量Q36が用いられる点において図1の装置と異なる
が、他の点にはなんら変わりがない。
【0059】(作用)この実施例において、非線形補償
部210における演算は、第1の実施例で説明したもの
と同一の演算式に従って行われる。ここで、以下の仮定
が満足されるときには、GB量Q36からNO濃度Q
31までは図5に示すように表すことができる。 (1)NH注入量Q12がNH注入量指令値Q30
と一致する。 (2)NO発生量計算値Q21が、実際のNO発生
量Q20と一致する。 (3)逆反応特性関数部212が、実際の反応特性の逆
関数になっている。すなわち(8)式は近似式である
が、それに代わって(12)式が成立し、x=g-1(g
(x))が成り立つ。 x8 =(1−η)×x6 =g(x5 /x6 )×x6 (12) (4)未知の外乱の影響は無い。
【0060】図5に示すシステムは非線形補償部210
の除算器211、逆反応特性関数部212および乗算器
213による補償作用が脱硝反応部220の除算式22
1、脱硝反応特性式222および乗算式223で表され
る脱硝反応をちょうど補償することを示すものである。
図5のシステムは、NO発生量Q20が変動してもN
濃度Q31は変化しないこと、NO濃度Q31は
FB量Q36によってのみ変動することを示すものであ
る。
【0061】(効果)図4に示す実施例によれば、NO
発生量Q20がいくら変動してもNO濃度Q31は
変動せず、したがって未反応残留NO量Q33には影
響を与えず、FB量Q36のみによって未反応残留NO
量Q33を変動させることができる。FB量Q36は
NO偏差Q35をゼロにするように変化するので、N
排出量設定値Q34と未反応残留NO量Q33を
一致させることができる。
【0062】以上のようにして脱硝反応特性の持つ非線
形性を補償し、脱硝制御性能を向上させることができ
る。
【0063】第3の実施例 (構成)図6に本発明の第3の実施例を示す。この実施
例による脱硝制御装置20Cは図1の実施例におけるP
ID形制御器206を除去し、それを2分割して減算器
205の各入力端にそれぞれPID形制御器207ない
し208を挿入したものに相当する。他の構成部分は変
わりがない。
【0064】(作用)この実施例において、非線形補償
部210における演算は第1の実施例において説明した
ものと変わりがない。第1の実施例においては理想的な
状態についてはNO発生量Q20の変動の影響を完全
に抑制することができるが、実際のプラント運転時には
考慮しきれなかった特性変化や外乱の発生に対してまで
は考慮していない。そのような時に設定値追従性が良
く、外乱補償応答が優れている制御器の構成として2自
由度型のものがある。
【0065】2自由度型の制御器の構成方法には種々あ
るが、適当な等価変換を施すことにより図6に示した2
組のPID形制御器207,208を設ける構成によっ
て等価機能を実現することができる。
【0066】(効果)プラント運転条件が理想的な場合
は、第1の実施例において述べたとおりの効果を奏する
ことができる。
【0067】プラントの運転条件が理想的でない場合に
は、2組のPID型制御器207,208のパラメータ
(PID各要素)を適切にチューニングすることによっ
て、プラントの運用時に何らかの外乱要因によって未反
応NO量Q33が変動したときにその影響を抑制する
機能、およびNO排出量設定値Q34と未反応残留N
量Q33との偏差を解消する機能を実現することが
できる。
【0068】実プラントの運用時は系統の負荷要求に伴
いプラント運転条件が刻一刻と変化し、それに伴ってN
排出量設定値Q34やNO発生量Q20が変化
し、排ガス流速や温度、圧力等が変化してプラント特性
が微妙に変化する。また未知外乱によっても運転条件が
乱されるため、その影響を抑制することは大切であり、
2自由度型構成はそのような場合に対する手段として実
運用時に有効なものである。
【0069】第4の実施例 (構成)図7に本発明の第4の実施例に従って構成され
た脱硝制御装置20Dを示すものである。この実施例
は、2自由度型の制御器構成という点で図6の実施例に
類似するが、その制御器の配置位置という点では図4の
実施例に類似するものである。この実施例においては、
図4の脱硝制御装置20BにおけるPID形制御器20
6を除去し、その代わりに減算器205の各入力端にそ
れぞれPID形制御器207ないし208を挿入したも
のに相当する。他の構成部分には変わりがない。2組の
PID形制御器207,208によって2自由度型の制
御器構成としている。
【0070】(作用)この実施例において、理想的な状
態についてはNO発生量Q20の変動の影響を完全に
抑制することができるという点ではすでに述べたところ
と同様に作用する。この実施例の特徴は、2自由度型の
制御器構成としたことにより、実際のプラント運転時に
は考慮しきれなかった特性変化や外乱の発生があったと
きの設定値追従性が良く、外乱補償応答が優れているこ
とである。
【0071】(効果)プラント運転条件が理想的な場合
は、第2の実施例(図4)において述べたとおりの効果
を奏することができる。
【0072】プラントの運転条件が理想的でない場合で
るが、この場合は、2つのPID型制御器207,20
8のパラメータを適切にチューニングすることによっ
て、プラント運用時に何らかの外乱要因によって未反応
残留NO量Q33が変動したときにその影響を抑制す
る機能、およびNO排出量設定値Q34と未反応残留
NO量Q33との偏差を解消する機能を実現すること
ができる。
【0073】実プラント運用時は系統の負荷要求に伴
い、プラント運転条件は刻一刻と変化し、それに伴って
NO排出量設定値Q34やNO発生量Q20が変化
し、排ガス流速や温度、圧力等が変化してプラント特性
が微妙に変化する。また未知外乱により運転条件が乱さ
れるため、その影響を抑制することは大切であり、この
実施例による2自由度型制御器構成は実運用時に有効な
ものである。
【0074】第5の実施例 (構成)図8に本発明の第5の実施例による脱硝制御装
置20Eを示す。この実施例は第1の実施例(図1)を
基本とし、それに動特性補償部215を付加したものに
相当する。これに伴って加算器203は3入力型に構成
されている。動特性補償部215は排ガス流量Q32に
基づいて外乱補償量Q22を演算し、その演算結果(外
乱補償量Q22)を加算器203の第3の入力端に入力
する。他の部分は図1のものと変わりがない。
【0075】動特性補償部215の詳細構成を図9に示
す。動特性補償部215は、入力信号を各制御周期ごと
に一つずつずらす機能を持つ1つ以上の信号シフト部2
16と、信号を等倍して出力する1つ以上のゲイン部2
17と、各ゲイン部217の出力を加算する加算部21
8およひび219から構成される。
【0076】(作用)この実施例において、非線形補償
部210におけるFF量Q38を算出する演算、および
PID型制御器206を用いてFB量Q36を算出する
演算は、第1の実施例(図1)において説明したのと同
様である。この実施例においては、それに、排ガス流量
Q32を用いて動特性補償演算を行う動特性補償部21
5により外乱補償量Q22を演算する。外乱補償量Q2
2、FF量Q38およびFB量Q36は加算器203に
おいてすべて加算され、NH注入量指令値Q39とし
て脱硝制御装置20Eから脱硝プロセス部18に向けて
出力される。
【0077】(効果)プラント運転条件が理想的で排ガ
ス流量が変動しない場合は、第1の実施例にて述べたと
おりの作用・効果を奏することは明らかである。動特性
補償部215の機能は脱硝制御系の制御目的によって異
なる。以下、未反応残留NO量Q33の瞬時値を制御
目的とする場合について述べる。
【0078】図14を参照して、同図(a)に示すよう
な排ガス流量Q32の変化による、同図(c)に示すよ
うなる未反応残留NO量Q33の変動は、分析計16
による検出分析に時間遅れがあるというプラントの特徴
から、避けることのできない特性である。したがって、
不必要なNH注入量Q12の変動を抑制し、図15
(c)に示すように未反応残留NO量Q33が振動的
に振る舞うのを抑制するのが最も効果的である。このた
めには、図15(d)に示すNH注入量Q12の変動
を打ち消すような信号を動特性補償部215から出力す
るようにすればよい。その結果、図14(d)に示すよ
うにNH注入量Q12は変動せず、未反応残留NO
量Q33の振動的な応答を抑制することができる。
【0079】移動時間平均値が制御目的であるような場
合は、図10(a)に示す排ガス流量信号に対して、同
図(c)に示すように未反応残留NO量Q33の斜線
部の面積(NO排出量設定値Q34に対する偏差)が
設定値ラインの上下で等しくなれば理想的である。近似
的にはNH注入量Q12がFB量Q36によって一度
増加したあと、元の値にまで戻ったところで変化を終了
させれば、未反応残留NO量Q33は元の値に戻って
整定すると考えられる。そこで、NH注入量Q12が
元の値に戻ったあと、FB量Q36を打ち消すような信
号量を出力するように、動特性補償部215のゲイン部
217のゲインを調整すればよい。
【0080】以上のようにして排ガス流量Q32の変化
時の動特性補償を行うことにより、より制御性の良好な
脱硝制御装置20Eを構成することができる。
【0081】他の実施例 上記第5の実施例においては、第1の実施例による脱硝
制御装置20Aと動特性補償部215との組み合わせに
係る脱硝制御装置20Eについて説明したが、動特性補
償部510は第2の実施例から第4の実施例までのいず
れと組み合わせても同様の効果が得られるのは明らかで
ある。
【0082】また、第5の実施例においては排ガス流量
Q32を用いて動特性補償を行う場合について述べた
が、その趣旨は分析計16の時間遅れによる制御特性劣
化要因の補償にある。したがって、排ガス流量Q32の
代わりに、たとえば燃焼器1への供給空気を調節するI
GV(入口空気調節板)開度指令値など、そのパラメー
タが変化することにより排ガス流量Q32の変化を計算
することの可能なものであれば、それらを用いて動特性
補償を行うことも可能である。
【0083】さらに、上記実施例においてはフィードバ
ック制御器としてPID型(比例・積分・微分の各動作
要素を備えた)制御器を用いているが、PI型(比例・
積分の動作要素を備えた)制御器、あるいはI型(積分
の動作要素を備えた)制御器などを用いても同様の機能
を実現することができる。また、更に高次の制御器、た
とえば最適レギュレータ(LQR)などを用いることも
できる。すなわち本発明は制御器の形式には依存しない
ものである。
【0084】さらにまた上記実施例においては個々のブ
ロックで表現された機能要素をディスクリート回路部品
であるものとして説明したが、これらは適宜集約したり
逆に分割したりして構成することができる。また、各機
能要素の機能をマイクロプロセッサを用いてソフトウェ
アによって実現することもできる。
【0085】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明によれば次の
効果を奏することができる。請求項1に記載の発明によ
れば、フィードフォワード制御系に非線形補償部を設け
ることにより、脱硝反応プロセスの持つ非線形性を補償
し、幅広い運転点に対して安定かつ高応答性の脱硝制御
を達成することができる。
【0086】請求項2に記載の発明によれば、フィード
フォワード制御系およびフィードバック制御系に共通に
非線形補償部を設けることにより、脱硝反応プロセスの
持つ非線形性を補償し、幅広い運転点に対して安定かつ
高応答性の脱硝制御を達成することができる。
【0087】請求項3に記載の発明によれば、フィード
バック制御系に設けられる制御手段を2自由度型に構成
することにより、設定値追従性・外乱補償特性の両者の
制御性を向上させることができる。
【0088】請求項4に記載の発明によれば、非線形補
償手段を具体化し、請求項1または2に記載の発明を容
易に実施することができる。
【0089】請求項5に記載の発明によれば、排ガス流
量等の変化に対する動特性補償機能を備えることによ
り、分析計の分析時間遅れに起因する動特性制御機能の
劣化を抑制し、高精度の制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による脱硝制御装置のブロッ
ク図。
【図2】図1の制御装置における非線形補償部の内部構
成を示すブロック図。
【図3】図1の制御装置の制御効果を説明するための特
性線図。
【図4】本発明の第2の実施例による脱硝制御装置のブ
ロック図。
【図5】図4の制御装置の非線形補償機能を説明するた
めのブロック図。
【図6】本発明の第3の実施例による脱硝制御装置のブ
ロック図。
【図7】本発明の第4の実施例による脱硝制御装置のブ
ロック図。
【図8】本発明の第5の実施例による脱硝制御装置のブ
ロック図。
【図9】図8の制御装置における動特性補償部の内部構
成を示すブロック図。
【図10】図8の制御装置の機能および効果を説明する
ための特性線図。
【図11】脱硝制御装置を備えた発電プラントの構成例
を示す機器配置図。
【図12】従来の脱硝制御装置のブロック図。
【図13】従来の脱硝制御装置の制御特性を示す特性線
図。
【図14】窒素酸化物発生量を制御していないときの排
ガス流量の変化による窒素酸化物濃度および未反応残留
窒素酸化物発生量の応答を示す特性線図。
【図15】窒素酸化物発生量が一定で排ガス流量が変化
したときの窒素酸化物濃度および未反応残留窒素酸化物
発生量の応答を示す特性線図。
【符号の説明】
1 燃焼器 2 燃料調節弁 3 圧縮機 4 ガスタービン 5 排熱回収ボイラ 6 発電機 11 煙突 12 アンモニアスプレイ部 13 触媒部 14 アンモニア注入量調節弁 16 NO濃度分析計 18 脱硝プロセス部 20,20A〜20E 脱硝制御装置 201 NO発生量計算部 204 乗算器 206,207,208 PID型制御器 210 非線形補償部 211 除算器 212 逆反応特性関数部 213 乗算器 215 動特性補償部 216 信号シフト部 217 ゲイン部 220 脱硝反応部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 本 政 志 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番 地 株式会社東芝 京浜事業所内 (56)参考文献 特開 平4−358520(JP,A) 特開 昭60−216829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/94 B01D 53/86 G05B 11/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素酸化物を含む発電プラントの燃焼排ガ
    スにアンモニアを注入し触媒の作用下で窒素ガスおよび
    水蒸気に分解する脱硝プロセス部に対してアンモニア注
    入量指令値を与える脱硝制御装置であって、 燃焼器に供給される燃料流量および空気流量に基づいて
    窒素酸化物発生量計算値を求める窒素酸化物発生量計算
    手段と、 前記窒素酸化物発生量計算値に、窒素酸化物排出量設定
    値を用いて、脱硝プロセス部における脱硝反応プロセス
    の非線形性を補償するための補正を加えフィードフォワ
    ード量として出力する非線形補償手段と、 前記脱硝プロセス部の出側の排ガス中に含まれる未反応
    残留窒素酸化物量の窒素酸化物排出量設定値に対する偏
    差に制御演算を加えフィードバック量として出力する制
    御演算手段と、 前記非線形補償手段によって求められたフィードフォワ
    ード量と前記制御演算手段によって求められたフィード
    バック量との和を求め、前記脱硝プラントに対しアンモ
    ニア注入量指令値として送出する加算手段とを備えた脱
    硝制御装置。
  2. 【請求項2】窒素酸化物を含む発電プラントの燃焼排ガ
    スにアンモニアを注入し触媒の作用下で窒素ガスおよび
    水蒸気に分解する脱硝プロセス部に対してアンモニア注
    入量指令値を与える脱硝制御装置であって、 燃焼器に供給される燃料流量および空気流量に基づいて
    窒素酸化物発生量計算値を求める窒素酸化物発生量計算
    手段と、 前記脱硝プロセス部の出側の排ガス中に含まれる未反応
    残留窒素酸化物量の窒素酸化物排出量設定値に対する偏
    差に制御演算を加えフィードバック量として出力する制
    御演算手段と、 前記窒素酸化物発生量計算値に、前記制御演算手段から
    出力されるフィードバック量を用いて、脱硝プロセス部
    における脱硝反応プロセスの非線形性を補償するための
    補正を加え、前記脱硝プラントに対しアンモニア注入量
    指令値として送出する非線形補償手段とを備えた脱硝制
    御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の脱硝制御装置に
    おいて、前記フィードバック量を出力する制御演算手段
    の代わりに、前記窒素酸化物排出量設定値に制御演算を
    施す第1の制御演算手段と、前記未反応残留窒素酸化物
    量に制御演算を施す第2の制御演算手段と、前記第1お
    よび第2の分散制御演算手段の出力の偏差を求めフィー
    ドバック量として出力する手段とを備えた脱硝制御装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の脱硝制御装置に
    おいて、前記非線形補償部は、 前記窒素酸化物排出量設定値を窒素酸化物発生量計算値
    で除算して残留可能な窒素酸化物の割合を求める除算手
    段と、 前記残留可能な窒素酸化物の割合に、前記脱硝プロセス
    部の脱硝反応特性に対する逆反応特性関数演算を施して
    所定の窒素酸化物量が残留するときの必要なモル比を求
    める逆反応特性関数演算部と、 前記窒素酸化物発生量計算値と前記逆反応特性関数演算
    部によって求められたモル比との積を出力する乗算手段
    とからなっている脱硝制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の脱硝
    制御装置において、排ガス流量またはそれに関連する物
    理量に基づいて外乱補償量を求め、求めた外乱補償量に
    より前記アンモニア注入量指令値を補正する動特性補償
    手段をさらに備えた脱硝制御装置。
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