JP3410823B2 - 脱硝制御装置 - Google Patents

脱硝制御装置

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JP3410823B2
JP3410823B2 JP16241694A JP16241694A JP3410823B2 JP 3410823 B2 JP3410823 B2 JP 3410823B2 JP 16241694 A JP16241694 A JP 16241694A JP 16241694 A JP16241694 A JP 16241694A JP 3410823 B2 JP3410823 B2 JP 3410823B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電プラントのガスタ
ービンの排ガスへのアンモニア(NH3 )注入量を調整
することによって、排ガス中の窒素酸化物(NOx )量
およびアンモニア量の瞬時値および移動時間平均値の少
なくとも1つを与えられた規制値以下に制御する脱硝制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギー需要の増加は、化石燃
料に頼る傾向が強く、化石燃料によるエネルギー供給量
が増大し、それに伴ないCO2 の排出量も増大してい
る。このため、地球温暖化の危機が叫ばれ、CO2 の排
出量を地球規模で規制しようとする動きがでている。こ
のような背景から、ガスタービンを備えた発電プラント
においては、ガスタービンサイクルと蒸気タービンサイ
クルを組み合わせた複合発電プラントが、高効率が期待
でき、引いては、CO2 の削減にもつながるとして期待
されている。
【0003】図3はこのような複合発電プラントの概略
構成を示すもので、ガスタービン1と、その排ガス2を
熱源として蒸気を発生する排熱回収ボイラ3と、この発
生蒸気を駆動蒸気とする蒸気タービン4と、熱回収され
た排ガスを排気する煙突5とを備えている。さらに、ガ
スタービン1は、導入空気6を加圧する空気圧縮機7
と、加圧空気を燃料系統8から供給された燃料とともに
燃焼する燃焼器9と、燃焼により生じた燃焼ガスにより
作動されるタービン10と、負荷をとる発電機11とを
備えている。また、排熱回収ボイラ3は、排ガス2が流
れる排ガスダクト12の上流から下流に沿って、過熱器
13、蒸発器14、脱硝装置15および節炭器16を備
えており、過熱器13で生じた蒸気を蒸気配管17によ
り蒸気タービン4に供給している。蒸気タービン4は、
排熱回収ボイラ3で発生した蒸気により作動されるター
ビン18と、負荷をとる発電機19と、タービン18で
仕事をした後の蒸気を復水する復水器20とを備えてい
る。復水器20からの復水は、給水配管21により節炭
器16に導かれ、ここでまず加熱された後、蒸発器14
で蒸発され、蒸気はさらに過熱器13で加熱される。蒸
発器14において、給水は強制循環または、温度差によ
る自然循環をしながら、加熱・蒸発が行われている。図
3では、タービン10、18はそれぞれ異なる発電機1
1、19に接続されているが、同一の発電機に接続する
こともできる。
【0004】このようなガスタービン1と蒸気タービン
4を組み合わせた複合発電プラントやガスタービン1単
独で発電を行う発電プラント等においては、CO2 の外
に、NOx は大気汚染物質となるため、その大気への放
出が厳しく規制されている。このために排ガス流路中に
脱硝装置15を設置している。
【0005】この脱硝装置15における脱硝方法の一つ
として、アンモニア注入系統23より触媒部22にアン
モニアを吹きかけてアンモニアを活性化し、NOx と反
応させてNOx を無害の窒素ガスと水蒸気とに還元分解
する方法がある。この方法は、一般的に触媒の温度特性
により 300〜400 ℃での反応効率がよいため、図3に示
す複合発電プラントにおいては、蒸発器14と節炭器1
6の間に設置される。なお、アンモニアも有害成分のた
め未反応のアンモニアが排出されることは極力抑えなけ
ればならないこのような排気ガスのアンモニアによる脱
硝反応プロセスには、以下のような考慮すべき点があ
る。
【0006】(1) アンモニアとNOx との反応は、触媒
を介しての化学反応であり、排気ガスの温度・流量・圧
力やアンモニア・NOx の濃度等の変動によって反応特
性が非線形に変化する。したがって、異なるプラントの
運転状態では、注入するアンモニア流量を同量変化させ
ても脱硝反応プロセスで排出されるNOx 量の変化は等
しくならない。
【0007】(2) 触媒部の入口・出口でのNOx 濃度は
ガス分析計により常に測定されているが、ガス分析のた
め測定に要する無駄時間が非常に大きい(数十秒から数
分程度)。
【0008】(3) 大気中への排出NOx 量および排出ア
ンモニア量には濃度規制あるいは流量規制がある。例え
ば濃度規制の場合には、以下の制限を考慮しなければな
らない。 ある時刻における排出NOx 量が、瞬間排出量規制
値N1 ppm を越えないこと。 1時間の平均排出NOx 量が、移動時間平均規制値
2 ppm を越えないこと。 ある時刻における排出アンモニア量が、瞬間排出量
規制値A1 ppm を越えないこと。 1時間の平均排出アンモニア量が、移動時間平均規
制値A2 ppm を越えないこと。
【0009】流量規制の場合には、上の−の規制値
の単位を濃度の代わりに流量と置いたものになる。
【0010】ガスタービン排気ガスの脱硝制御として
は、従来の制御技術の主流である排出NOx 設定値と排
出NOx 測定値の偏差に基づいてPID制御等によりア
ンモニア流量を調整する方法があるが、このようなPI
D制御等によるフィードバック制御ではNOx 測定に無
駄時間の大きいシステムを安定かつ応答良く制御するこ
とは難しい。また、ガスタービン排気ガス中の発生NO
x 量に変化が起こった場合でも、無駄時間分は変化を検
知できないため、排出NOx 量に変化が表れてからアン
モニア流量を操作しても、無駄時間分だけは排出NOx
量を変えられない。このため、フィードフォワード信号
を活用することが試みられてきた。
【0011】例えば、特公平3−42930号公報にも
記載されているように、ガスタービンから発生するNO
x 量は、ガスタービンの燃料流量、吸入している空気の
流量、温度等から推定できる。また、排出NOx 量があ
る値となるよう、触媒でのアンモニアとNOx の反応特
性から、発生するNOx 量に対して注入するアンモニア
流量を計算することができる。そこで、この推定した発
生NOx 量をフィードフォーワード信号としてアンモニ
ア注入量を先行的に変化させ、脱硝制御性能の向上をは
かっている。
【0012】図4は、このような従来の脱硝制御装置の
一例を示すもので、符号31はガスタービンの燃料流
量、吸入している空気の流量、温度等のガスタービンの
運転条件を示すプロセス量32から発生NOx 量33を
推定する発生NOx 量推定器であり、この推定された発
生NOx 量33に基づいたアンモニア注入量が関数発生
器34よりフィードフォーワード信号35として出力さ
れる。このフィードフォーワード信号35は、排出NO
x 設定値36と排出NOx 測定値37の偏差をPI演算
するPI演算器38からのフィードバック信号39と加
算されて、アンモニア注入量の設定値信号40としてア
ンモニア注入系統23(図3)のアンモニア流量制御系
に与えられる。
【0013】以上が、脱硝制御の従来技術であり、排出
NOx 量瞬時値が減少すれば、自動的に移動時間平均値
も減少する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の制御方法では、PID制御等によるフィードバック制
御では十分な制御性が得られないために、発生NOx
を推定計算で求め、この発生NOx 推定値を用い、注入
するアンモニア流量を反応特性から計算で求め、先行的
に変えて制御性の向上をはかってきた。
【0015】しかしながら、このような従来の制御方法
においては次のような問題があった。
【0016】(1)発生するNOx 量は制御周期ごとに
計測されたプロセス量を用いて推定され、注入するアン
モニア流量の計算に用いられている。アンモニアはこの
計算値を用いて、下位のアンモニア流量制御系で実際に
プロセスに注入される。アンモニア流量制御系には時間
遅れがあり、発生NOx 量の変化に対してアンモニア注
入量は時間遅れをもって変化する。このため、発生NO
x 量の変化時には、アンモニア注入量はアンバランスに
なり、排出NOx 量が変動する。
【0017】(2)発生NOx 推定値の精度がよくない
場合には、先行的に注入するアンモニア流量にずれを生
じる。このため排出NOx 量に変動を生じる。
【0018】(3)また、触媒でのアンモニアとNOx
の反応率が運転状態や経年変化などで変わるため、発生
NOx 量に基づいて排出NOx 量を目標値とするアンモ
ニア注入量の計算も、運転状態や経年変化によりずれを
生じることがある。このため排出NOx 量に変動を生じ
る。
【0019】(4)排出NOx 量に規制値からずれを生
じた場合に、無駄時間分はフィードバックが働かない。
このため排出NOx 量を規制値に戻すためには時間がか
かる。
【0020】(5)無駄時間のある制御対象であるた
め、従来のPID制御等の制御方式ではフィードバック
は強くかけられない。このため、排出NOx 量に目標値
とずれが生じても、戻すためには長時間を要する。
【0021】このようなな問題点は、推定計算した発生
NOx 量を用いた静特性的なフィードフォーワード制御
に強く依存した制御系を構成することによって起こるの
である。すなわち、従来の技術は、発生NOx 量につい
て制御周期ごとに静特性として推定演算を行い、注入す
るアンモニア流量を静特性の値として推定計算してい
る。このとき、注入するアンモニアと発生したNOx
触媒での反応の時間的なずれを考慮していないため、発
生NOx 量の変動時には排出NOx 量が目標値からの偏
差を生じる。また、フィードバックによる制御の働きが
弱いために、排出されるNOx 量に目標値と偏差が生じ
ても、目標値に戻すためには長時間を要する。
【0022】本発明は、以上で述べた問題点を解決する
ためになされたもので、脱硝反応プロセスの動特性を考
慮したフィードフォワード制御と無駄時間に強いフィー
ドバック制御をもつ脱硝制御装置を提供することを目的
とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ガス
タービンの排ガスにアンモニアを注入し化学反応により
窒素酸化物を分解除去する脱硝反応プロセスのアンモニ
アの注入量を制御する脱硝制御装置において、脱硝後の
排ガス中の窒素酸化物量である排出窒素酸化物量を規制
値以下に保つために将来にわたって目標とする排出窒素
酸化物量を設定する排出窒素酸化物量設定器と、排出窒
素酸化物量、アンモニア注入量およびその他の脱硝反応
プロセスに関与する所定のプロセス量を周期的に入力し
て時系列に保持するデータ保持手段と、所定のプロセス
量の将来の予想値を設定または予測演算する予想プロセ
ス量出力器と、データ保持手段に保持されている各種プ
ロセス量の時系列データ、予想プロセス量出力器からの
将来の所定のプロセス量のデータ、および排出窒素酸化
物量設定器からの将来の排出窒素酸化物設定値のデータ
に基づいて、脱硝反応プロセスに関与する各種プロセス
量の時間変化から将来の排出窒素酸化物量の時間変化を
予測する脱硝反応プロセスの動特性モデルを用いて、将
来の排出窒素酸化物量を対応する将来の排出窒素酸化物
設定値にほぼ一致させるような将来のある期間のアンモ
ニア注入量を逐次演算し、算出した制御時点のアンモニ
ア注入量をアンモニア注入量設定値信号として出力する
アンモニア注入量予測演算手段とを具備することを特徴
とする。
【0024】請求項2の発明は、上記構成の脱硝制御装
置において、アンモニア注入量予測演算手段は、動特性
モデルで予測される将来の排出窒素酸化物量を対応する
将来の排出窒素酸化物設定値にできる限り近付けてやる
ような最適かつ最小の将来のある期間のアンモニア注入
量を逐次演算する最適化演算演算手段を有することを特
徴とする。
【0025】請求項3の発明は、ガスタービンの排ガス
にアンモニアを注入し化学反応により窒素酸化物を分解
除去する脱硝反応プロセスのアンモニアの注入量を制御
する脱硝制御装置において、脱硝後の排ガス中の窒素酸
化物量である排出窒素酸化物量を規制値以下に保つため
に将来にわたつて目標とする排出窒素酸化物量を設定す
る排出窒素酸化物量設定器と、脱硝後の排ガス中のアン
モニア量である排出アンモニア量を規制値以下に保つた
めに将来にわたつて目標とする排出アンモニア量を設定
する排出アンモニア量設定器と、排出窒素酸化物量、排
出アンモニア量、アンモニア注入量およびその他の脱硝
反応プロセスに関与する所定のプロセス量を周期的に入
力して時系列に保持するデータ保持手段と、所定のプロ
セス量の将来の予想値を設定または予測演算する予想プ
ロセス量出力器と、データ保持手段に保持されている各
種プロセス量の時系列データ、予想プロセス量出力器か
らの将来の所定のプロセス量のデータ、排出窒素酸化物
量設定器からの将来の排出窒素酸化物設定値のデータ、
および排出アンモニア量設定器からの将来の排出アンモ
ニア設定値のデータに基づいて、脱硝反応プロセスに関
与する各種プロセス量の時間変化から将来の排出窒素酸
化物量の時間変化および将来の排出アンモニア量の時間
変化を予測する脱硝反応プロセスの動特性モデルを用い
て、将来の排出窒素酸化物量および排出アンモニア量を
それぞれ対応する将来の排出窒素酸化物設定値および排
出アンモニア設定値にほぼ一致させるような将来のある
期間のアンモニア注入量を逐次演算し、算出した制御時
点のアンモニア注入量をアンモニア注入量設定値信号と
して出力するアンモニア注入量予測演算手段とを具備す
ることを特徴とする。
【0026】請求項4の発明は、上記構成の脱硝制御装
置において、アンモニア注入量予測演算手段は、動特性
モデルで予測される排出窒素酸化物量および排出アンモ
ニア量のうち少なくとも一方を対応する将来の排出窒素
酸化物設定値または排出アンモニア設定値にできる限り
近付けてやるような最適かつ最小の将来のある期間のア
ンモニア注入量を逐次演算する最適化演算演算手段を有
することを特徴とする。
【0027】請求項5の発明は、各上記構成の脱硝制御
装置において、アンモニア注入量予測演算手段は複数個
設けられ、それぞれガスタービンの運転状態に対応した
異なる動特性モデルを内蔵するとともに、ガスタービン
の運転状態に基づいて複数のアンモニア注入量予測演算
手段の中から1つを選択してアンモニア注入量設定値信
号の算出を行わせる切換器をさらに具備することを特徴
とする。
【0028】各上記構成において、その他の脱硝反応プ
ロセスに関与する所定のプロセス量は、好ましくは発生
窒素酸化物量の推定値であり、将来の発生窒素酸化物量
は、発生窒素酸化物量予測演算器によりガスタービンの
起動スケジュールおよび運転スケジュールに基づいて予
測演算される。
【0029】
【作用】請求項1の発明においては、アンモニア注入量
予測演算手段は、データ保持手段から脱硝反応プロセス
の入出力信号である各種プロセス量の時系列データを取
り込むとともに、予想プロセス量出力器および排出窒素
酸化物量設定器からそれぞれ所定のプロセス量の将来値
および排出窒素酸化物量の将来設定値としてデータを取
り込み、脱硝反応プロセスの入出力信号の時間変化から
将来の排出窒素酸化物量の時間変化を予測する脱硝反応
プロセスの動特性モデルに従って、将来の排出窒素酸化
物量を将来設定値にほぼ一致させるような将来のアンモ
ニア注入量を制御周期ごとに逐次算出し、算出ごとに制
御時点のアンモニア注入量をアンモニア注入量設定値信
号としてアンモニア流量制御系へ出力する。
【0030】これにより、動特性を考慮したずれの少な
い的確なフィードフォワード制御と無駄時間を考慮した
強力なフィードバック制御を行うことができ、安定かつ
信頼性の高い脱硝制御を行うことができる。
【0031】また、請求項2の発明においては、アンモ
ニア注入量予測演算手段は、動特性モデルで予測される
将来の排出窒素酸化物量と将来の排出窒素酸化物設定値
の偏差およびアンモニア注入量を最小にするような最適
化演算を制御周期ごとに逐次行って、最適なアンモニア
注入量を算出する。
【0032】請求項3の発明において、アンモニア注入
量予測演算手段は、データ保持手段から脱硝反応プロセ
スの入出力信号である各種プロセス量の時系列データを
取り込むとともに、予想プロセス量出力器、排出窒素酸
化物量設定器および排出アンモニア量設定器からそれぞ
れ所定のプロセス量の将来値、排出窒素酸化物量の将来
設定値および排出アンモニア量の将来設定値としてデー
タを取り込み、脱硝反応プロセスの入出力信号の時間変
化から将来の排出窒素酸化物量および排出アンモニア量
のそれぞれの時間変化を予測する脱硝反応プロセスの動
特性モデルに従って、将来の排出窒素酸化物量および排
出アンモニア量をそれぞれの将来設定値にほぼ一致させ
るような将来のアンモニア注入量を制御周期ごとに逐次
算出し、算出ごとに制御時点のアンモニア注入量をアン
モニア注入量設定値信号としてアンモニア流量制御系へ
出力する。
【0033】これにより、動特性を考慮したずれの少な
い的確なフィードフォワード制御と無駄時間を考慮した
強力なフィードバック制御を行って、排出窒素酸化物量
および排出アンモニア量をともに規制値以下に制御する
ことができる。
【0034】請求項4の発明においては、アンモニア注
入量予測演算手段は、動特性モデルで予測される将来の
排出窒素酸化物量と将来の排出窒素酸化物設定値の偏
差、あるいは将来の排出アンモニア量と将来の排出アン
モニア設定値の偏差の少なくとも一方、およびアンモニ
ア注入量を最小にするような最適化演算を制御周期ごと
に逐次行って、最適なアンモニア注入量を算出する。
【0035】これにより、排出窒素酸化物量および排出
アンモニア量をともに規制値以下に制御することができ
る最適なアンモニア注入量を求めることができる。
【0036】請求項5の発明においては、ガスタービン
の運転状態に基づいて、動特性モデルを選択することに
より、運転状態に対応したずれの少ないより的確な脱硝
制御を行うことができる。
【0037】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0038】図1は、本発明の脱硝制御装置の第1実施
例を示すもので、発生NOx 量予測演算器51と、排出
NOx 量設定器52と、排出アンモニア量設定器53
と、データ保持手段54と、アンモニア注入量予測演算
手段55とで構成されている。
【0039】発生NOx 量予測演算器51は、ガスター
ビンの起動スケジュールおよび運転スケジュール等に基
づいて将来の発生NOx 量を予測演算し、アンモニア注
入量予測演算手段55に将来の発生NOx 予測値の時系
列データを出力する。
【0040】排出NOx 量設定器52は、将来の目標と
なる排出NOx 量を設定し、アンモニア注入量予測演算
手段55に将来の排出NOx 設定値の時系列データを出
力する。
【0041】排出アンモニア量設定器53は、将来の目
標となる排出アンモニア量を設定し、アンモニア注入量
予測演算手段55に将来の排出アンモニア設定値の時系
列データを出力する。
【0042】データ保持手段54は、計測された排出N
x 量、アンモニア注入量(例えば、脱硝制御装置の出
力信号)、およびその他のプロセス量を入力し時系列に
保持する。その他のプロセス量としては、ガスタービン
の運転状態を示す信号より推定される発生NOx 量が有
効に用いられるが、この外にも、例えばガスタービンの
回転数・発電出力・燃料流量・燃料弁開度・起動時間・
排ガス温度・流量・圧力、排ガスの構成成分としての窒
素(N2 )・酸素(O2 )・炭素酸化物(COx )・硫
黄酸化物(SOx )・水分(H2 O)のそれぞれの濃度
および流量、触媒温度、NOx とアンモニアのモル比、
複合発電プラントの場合は排熱回収ボイラの蒸気温度・
蒸気圧力、蒸気タービンの回転数・発電出力・加減弁開
度・起動時間等の計測信号が脱硝プロセスの状態の計算
に使用される。この場合には、発生NOx 量予測演算器
51の代わりに、前述の計測信号の将来値として予測可
能ならば予測値、不可能ならば一定の設定値を出力する
予想プロセス量出力器が用いられる。
【0043】アンモニア注入量予測演算手段55は、発
生NOx 量予測演算器51からの発生NOx 量予測デー
タ、排出NOx 量設定器52からの排出NOx 設定値デ
ータ、排出アンモニア量設定器53からの排出アンモニ
ア設定値データ、およびデータ保持手段54に保持され
ているプロセス量の履歴データを用いて、脱硝プロセス
の動特性モデルに従って、将来の排出NOx 量および排
出アンモニア量をそれぞれ対応する将来の排出NOx
定値および排出アンモニア設定値にほぼ一致させるよう
な将来の一定期間の最適なアンモニア注入量を逐次予測
演算し、演算ごとに制御時点のアンモニア注入量をアン
モニア流量制御系に対する設定値信号56として出力す
る。
【0044】ここで、アンモニア注入量予測演算手段5
5におけるアンモニア注入量の算出方法について説明す
る。
【0045】脱硝制御プロセスは本質的には非線形であ
るが、ここでは動特性モデルとして線形化した離散系伝
達関数で記述されているものとして述べる。また、規制
対象としては、排出NOx 量に限定して述べる。
【0046】排出NOx 量の動特性モデルが、次の離散
時間表現で与えられているとする。
【0047】
【数1】 ここで、 y(k) ;時刻kでの排出NOx 量 u(k) ;時刻kでのアンモニア注入量 w(k) ;時刻kでのその他のプロセス量、例えば発生N
x 量推定値など である。
【0048】このように線形の伝達関数で表されている
システムの将来の挙動は、過去の排出NOx 量、y(k-
1) ,y(k-2) ,…,y(k-n) ,過去のアンモニア注入
量、u(k-1) ,u(k-2) ,…,u(k-m) ,過去のその他
のプロセス量、w(k-1) ,w(k-2) ,…,w(k-l) が分
かっており、今後の入力、u(k) ,…,u(k+N) ,w
(k) ,…,w(k+N) を決めてやれば、次に示すように一
意に求めることができる。
【0049】
【数2】 これらの関係式は線形であるために、右辺に現れるy
(k) ,y(k+1) ,…,y(k+N-1) についてはそれぞれ1
時刻前のyを代入することで、将来のyとして右辺に過
去のyと、過去から将来にわたるu,wの線形項で表さ
れる予測式をもつ。これを過去と将来の値で分割して記
述すると、次のようになる。
【0050】
【数3】 ここで、 Yf ;将来にわたる排出NOx 量の予測値ベクトル Yf =[y(k) ,y(k+1) ,…,y(k+N-1) ]′ Yp ;過去の排出NOx 量のベクトル Yp =[y(k-1) ,y(k-2) ,…,y(k-n) ]′ Uf ;将来にわたるアンモニア注入量のベクトル Uf =[u(k) ,u(k+1) ,…,u(k+N-1) ]′ Up ;過去のアンモニア注入量のベクトル Up =[u(k-1) ,u(k-2) ,…,u(k-m) ]′ Wf ;将来にわたるその他のプロセス量の推定値ベクト
ル Wf =[w(k) ,w(k+1) ,…,w(k+N-1) ]′ Wp ;過去のその他のプロセス量のベクトル Wp =[w(k-1) ,w(k-2) ,…,w(k-n) ]′ F,H1 ,H2 ,G1 ,G2 ;動特性式から求められる
行列 である。なお、x′はベクトル(行列)xの転値ベクト
ル(行列)である。
【0051】式[数3]は線形の方程式であるから、将
来の排出NOx 量をこうしたいという希望、すなわち将
来の排出NOx 量ベクトルYf を決めれば、将来のアン
モニア注入量を求めてやることができる。これは、式
[数3]から、予測長を行列(G1 ′*G1 )が正則
(逆行列が存在する)になるような長さにとれば、式
[数3]の両辺に左からG1 ′をかけ、(G1 ′*G1
)の逆行列を再び左からかけることで実行できる。こ
れから将来のアンモニア注入量のベクトルUf は次式で
求められる。
【0052】
【数4】 その他のプロセス量のベクトルWp 、Wf は一般に操作
不可能であり、将来の挙動の予測も不可能であることが
多いので、Wf を一定の値としても、将来の排出NOx
量ベクトルYf をできるだけ排出NOx 設定値に近づけ
てやるような将来のアンモニア注入量ベクトルUf を求
めてやればいいことになる。もしも、将来のプロセスの
変化が予測できる場合には、Wf の項に予測値を入れる
ことでより適切なアンモニア注入量を計算することがで
きる。例えば、発生NOx 量の推定値等の場合には、ガ
スタービンの起動スケジュールおよび運転スケジュール
によって予測される値を用いる。
【0053】式[数4]に基づいて将来の排出NO
x 量、y(k) 、y(k+1) 、…を設定値に一致させるよう
な最適なアンモニア注入量u(k) を求めるのであるが、
式[数4]の方法そのままでは、将来の排出NOx 量、
y(k) 、y(k+1) 、…が制御周期ごとすべてにおいて設
定値v(k) 、v(k+1) 、…に一致するようアンモニア注
入量を計算するため、実現不可能なアンモニア注入量を
計算する可能性がある。そこで、次のような二次評価法
の問題を考え、この評価関数を最小化するuを最適なア
ンモニア注入量として用いる。
【0054】
【数5】 この二次評価の評価関数Jを最小化する最適解は、Jに
ついて最適値の必要条件からu(k) 、u(k+1) 、…、u
(k+N-1) についてのJの偏微分係数を評価することで求
められ、次式のようになる。
【0055】
【数6】 ここで、Iは単位行列である。
【0056】式[数6]から将来にわたるアンモニア注
入量u(k) 、u(k+1) 、…、u(k+N-1) が求められる。
【0057】実際にアンモニア流量制御系に出力するア
ンモニア注入量設定値は、式[数6]の演算を各制御周
期ごとに行い、求められる将来にわたるアンモニア注入
量u(k) 、u(k+1) 、…、u(k+N-1) のうちのu(k) を
用いる。さらに制御周期ごとの演算において、排出NO
x 量やその他のプロセス量をその時刻で測定された値で
更新する。これは将来の予測計算において、計算値だけ
でなく実際のプラント値を用いることで、予測値の計算
に修正を加え、信頼性の高い演算を実現するためであ
る。
【0058】以上では排出NOx 量の制御について、予
測モデルを用いた制御方式を説明したが、排出アンモニ
ア量についてもまったく同様に制御則が得られる。
【0059】アンモニア注入量予測演算手段55は、上
記したような脱硝反応プロセスの動特性モデルに従って
アンモニア注入量設定値信号を求めることにより、次の
ような作用効果を有する。
【0060】(1)脱硝プロセスの状態を示すプロセス
量の履歴データおよび動特性モデルからその将来の排出
NOx 挙動を予測し、この予測に従って最適化演算を逐
次行うことによって、動特性を考慮しない従来のフィー
ドフォーワード制御に対して、動特性を考慮したフィー
ドフォワード制御を実現することができる。
【0061】(2)制御対象の動特性モデルをコントロ
ーラーにもたせることで、無駄時間補償に効果的な制御
アルゴリズムがえられることがよく知られている。ここ
で構成した動特性モデルを用いた予測計算では、無駄時
間モデルを式[数3]の中に持たせることができ、無駄
時間を考慮した強力なフィードバック制御を実現するこ
とができる。
【0062】(3)予測演算を制御周期ごとに行うこと
で、計測されたプロセス値を用いて予測のずれを修正
し、信頼性の高い制御信号を出力することができる。
【0063】(4)将来の排出NOx 量を瞬時に設定値
に制御するのではなくて、排出NOx量の設定値からの
偏差とアンモニア注入量の二乗和平均の意味で、評価関
数を最小にするような最適化問題を解くことで、アンモ
ニア注入量が非現実的な値をとらないようにすることが
できる。
【0064】以上の効果は、排出アンモニア量について
の制御を構成したときにも同様に実現することができ
る。
【0065】上記脱硝反応プロセスの動特性モデルは、
線形化された場合について説明しており、線形の微分方
程式、線形の差分方程式、インパルス応答列、ステップ
応答列の少なくとも1つの形式を持つことができる。
【0066】次に、脱硝システムの動特性モデル中に非
線形要素が盛り込まれている場合に、非線形最適化問題
を解く形の脱硝制御装置について述べる。
【0067】規制対象の動特性モデルに非線形要素があ
るとき、最適なアンモニア注入量設定値信号u(k) を求
める計算は非線形最適化問題に帰着し、最適化のアルゴ
リズムが線形の場合とは異なるが、脱硝制御装置全体の
構成は図1と同様であり、相互の信号のつながりも同様
である。
【0068】すなわち、アンモニア注入量予測演算手段
55は、過去のプロセスデータ、および必要に応じて予
測可能な将来のプロセスデータから、将来の排出NOx
量および排出アンモニア量の挙動を予測する動特性モデ
ルに従って、将来の排出NOx 量および排出アンモニア
量をそれぞれ排出NOx 量設定器52および排出アンモ
ニア量設定器53からの将来の排出NOx 設定値および
排出アンモニア設定値にほぼ一致させるような最適なア
ンモニア注入量設定値信号を算出する。
【0069】最適化計算は、たとえばニュートン法や逐
次二次計画法等を用いて実行することとができる。
【0070】このような非線形要素を含む動特性モデル
は、プラント運転点の変更などにより、脱硝反応プロセ
スの動特性が変動する場合の非線形補償として有効であ
る。ある運転点での制御性の向上については、線形の動
特性モデルを採用した場合と同様であるが、プラントの
非線形性を考慮して将来の値を予測演算するために、運
転点が大きく変わっても、制御性能が劣化しないところ
に意義がある。なお、動特性モデルの非線形要素は、非
線形の微分方程式あるいは非線形の差分方程式で表され
る。
【0071】以上説明したように、図1に示す本発明の
実施例によれば、脱硝反応プロセスの状態および動特性
モデルからその規制対象の将来の挙動を予測し、最適化
演算を逐次行うことによって、アンモニア注入量設定値
を算出することができる。
【0072】図2は、本発明の脱硝制御装置の第2実施
例を示すもので、発生NOx 量予測演算器51と、排出
NOx 量設定器52と、排出アンモニア量設定器53
と、データ保持手段54と、それぞれ異なった動特性モ
デルを持つ複数のアンモニア注入量予測演算手段55
a、55b、…と、ガスタービンの運転状態に応じてア
ンモニア注入量予測演算手段55a、55b、…の出力
を切り換える切換器57とで構成されている。
【0073】すなわち、複数のアンモニア注入量予測演
算手段55a、55b、…にそれぞれ異なった脱硝反応
プロセスの動特性モデルを持たせ、ガスタービンの運転
状態信号を入力する切換器57により、プラントの運転
点の変化等により最適なアンモニア注入量設定値信号を
算出するアンモニア注入量予測演算手段を切り換えて用
いることを除いては、第1実施例と同じである。
【0074】本実施例によれば、プラントの運転点の変
更などで規制対象の将来の挙動を予測する動特性モデル
が変化する場合においても、より忠実な動特性モデルを
採用することができ、広い運転範囲にわたって有効なア
ンモニア注入量の設定値計算を実現することができる。
【0075】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、脱硝
反応プロセスの入出力信号の時間変化と脱硝反応プロセ
スの動特性モデルに基づいて、将来の排出NOx 量を設
定値にほぼ一致させるような将来のアンモニア注入量を
算出することにより、動特性を考慮したずれの少ない的
確なフィードフォワード制御と無駄時間を考慮した強力
なフィードバック制御を行うことができ、安定かつ信頼
性の高い脱硝制御を行うことができる。
【0076】また、請求項2の発明によれば、動特性モ
デルで予測される将来の排出NOx量を、対応する将来
の排出窒素酸化物設定値にできる限り近付けてやるよう
な最適化演算を行って最適なアンモニア注入量を求める
ことができる。
【0077】請求項3の発明によれば、脱硝反応プロセ
スの入出力信号の時間変化と脱硝反応プロセスの動特性
モデルに基づいて、将来の排出NOx 量および排出アン
モニア量をそれぞれ設定値にほぼ一致させるような将来
のアンモニア注入量を算出することができ、排出NOx
量および排出アンモニア量をともに規制値以下に制御す
ることができる。
【0078】請求項4の発明によれば、動特性モデルで
予測される将来の排出NOx 量および排出アンモニア量
をそれぞれ設定値にできる限り近付けてやるような最適
化演算を行って、排出NOx 量および排出アンモニア量
をともに規制値以下に制御することができる最適なアン
モニア注入量を求めることができる。
【0079】請求項5の発明によれば、ガスタービンの
運転状態に基づいて、対応する動特性モデルを選択する
ことにより、運転状態に対応したずれの少ないより的確
な脱硝制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の脱硝制御装置を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の第2実施例の脱硝制御装置を示すブロ
ック図である。である。
【図3】脱硝装置を備えた複合発電プラントを示す系統
ブロック図である。
【図4】従来の制御系機構を示すブロック図である。
【符号の説明】
51………発生NOx 量予測演算器 52………排出NOx 量設定器 53………排出アンモニア量設定器 54………データ保持手段 55………アンモニア注入量予測演算手段 56………アンモニア注入量設定値信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−335(JP,A) 特開 平6−71138(JP,A) 特開 平1−180220(JP,A) 特開 平6−15142(JP,A) 実開 平3−71122(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/08 - 3/36 B01D 53/34 B01D 53/56 B01D 53/74

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービンの排ガスにアンモニアを注
    入し化学反応により窒素酸化物を分解除去する脱硝反応
    プロセスの前記アンモニアの注入量を制御する脱硝制御
    装置において、 脱硝後の排ガス中の窒素酸化物量である排出窒素酸化物
    量を規制値以下に保つために将来にわたって目標とする
    排出窒素酸化物量を設定する排出窒素酸化物量設定器
    と、 排出窒素酸化物量、アンモニア注入量およびその他の前
    記脱硝反応プロセスに関与する所定のプロセス量を周期
    的に入力して時系列に保持するデータ保持手段と、 前記所定のプロセス量の将来の予想値を設定または予測
    演算する予想プロセス量出力器と、 前記データ保持手段に保持されている各種プロセス量の
    時系列データ、前記予想プロセス量出力器からの将来の
    所定のプロセス量のデータ、および前記排出窒素酸化物
    量設定器からの将来の排出窒素酸化物設定値のデータに
    基づいて、前記脱硝反応プロセスに関与する各種プロセ
    ス量の時間変化から将来の排出窒素酸化物量の時間変化
    を予測する前記脱硝反応プロセスの動特性モデルを用い
    て、将来の排出窒素酸化物量を対応する将来の排出窒素
    酸化物設定値にほぼ一致させるような将来のある期間の
    アンモニア注入量を逐次演算し、算出した制御時点のア
    ンモニア注入量をアンモニア注入量設定値信号として出
    力するアンモニア注入量予測演算手段とを具備すること
    を特徴とする脱硝制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の脱硝制御装置において、
    前記アンモニア注入量予測演算手段は、前記動特性モデ
    ルで予測される将来の排出窒素酸化物量を対応する将来
    の排出窒素酸化物設定値にできる限り近付けてやるよう
    な最適かつ最小の将来のある期間のアンモニア注入量を
    逐次演算する最適化演算手段を有することを特徴とする
    脱硝制御装置。
  3. 【請求項3】 ガスタービンの排ガスにアンモニアを注
    入し化学反応により窒素酸化物を分解除去する脱硝反応
    プロセスの前記アンモニアの注入量を制御する脱硝制御
    装置において、 脱硝後の排ガス中の窒素酸化物量である排出窒素酸化物
    量を規制値以下に保つために将来にわたつて目標とする
    排出窒素酸化物量を設定する排出窒素酸化物量設定器
    と、 脱硝後の排ガス中のアンモニア量である排出アンモニア
    量を規制値以下に保つために将来にわたつて目標とする
    排出アンモニア量を設定する排出アンモニア量設定器
    と、 排出窒素酸化物量、排出アンモニア量、アンモニア注入
    量およびその他の前記脱硝反応プロセスに関与する所定
    のプロセス量を周期的に入力して時系列に保持するデー
    タ保持手段と、 前記所定のプロセス量の将来の予想値を設定または予測
    演算する予想プロセス量出力器と、 前記データ保持手段に保持されている各種プロセス量の
    時系列データ、前記予想プロセス量出力器からの将来の
    所定のプロセス量のデータ、前記排出窒素酸化物量設定
    器からの将来の排出窒素酸化物設定値のデータ、および
    前記排出アンモニア量設定器からの将来の排出アンモニ
    ア設定値のデータに基づいて、前記脱硝反応プロセスに
    関与する各種プロセス量の時間変化から将来の排出窒素
    酸化物量の時間変化および将来の排出アンモニア量の時
    間変化を予測する前記脱硝反応プロセスの動特性モデル
    を用いて、将来の排出窒素酸化物量および排出アンモニ
    ア量をそれぞれ対応する将来の排出窒素酸化物設定値お
    よび排出アンモニア設定値にほぼ一致させるような将来
    のある期間のアンモニア注入量を逐次演算し、算出した
    制御時点のアンモニア注入量をアンモニア注入量設定値
    信号として出力するアンモニア注入量予測演算手段とを
    具備することを特徴とする脱硝制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の脱硝制御装置において、
    前記アンモニア注入量予測演算手段は、前記動特性モデ
    ルで予測される排出窒素酸化物量および排出アンモニア
    量のうち少なくとも一方を対応する将来の排出窒素酸化
    物設定値または排出アンモニア設定値にできる限り近付
    けてやるような最適かつ最小の将来のある期間のアンモ
    ニア注入量を逐次演算する最適化演算演算手段を有する
    ことを特徴とする脱硝制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の脱硝制御装置において、 前記アンモニア注入量予測演算手段は複数個設けられ、
    それぞれガスタービンの運転状態に対応した異なる前記
    動特性モデルを内蔵するとともに、 前記ガスタービンの運転状態に基づいて前記複数のアン
    モニア注入量予測演算手段の中から1つを選択してアン
    モニア注入量設定値信号の算出を行わせる切換器をさら
    に具備することを特徴とする脱硝制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    に記載の脱硝制御装置において、前記脱硝反応プロセス
    に関与する所定のプロセス量は、脱硝前の排ガス中の窒
    素酸化物量を示す発生窒素酸化物量の推定値であること
    を特徴とする脱硝制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の脱硝制御装置におい
    て、前記予想プロセス量出力器は、ガスタービンの起動
    スケジュールおよび運転スケジュールに基づいて将来の
    発生窒素酸化物量を予測演算する発生窒素酸化物量予測
    演算器であることを特徴とする脱硝制御装置。
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