JP6761368B2 - 脱硝制御装置および脱硝制御方法 - Google Patents

脱硝制御装置および脱硝制御方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、脱硝制御装置および脱硝制御方法に関する。
図4は、一般的な発電プラントの構成を部分的に示すブロック図であり、具体的には、発電プラントの脱硝システムの構成を示している。
図4の発電プラントは、ガスタービンまたはボイラ1と、排気熱回収器2と、脱硝装置3と、脱硝制御装置4と、プラント制御装置5と、NH(アンモニア)供給部6と、NH流量調整弁7と、NH流量計8とを備えている。以下、ガスタービンまたはボイラ1については、単にガスタービン1と略記する。
ガスタービン1などの燃焼設備は、その燃焼器から排気熱回収器2にNO(窒素酸化物)を含む排ガスを排出する。排気熱回収器2は、ガスタービン1から排出された排ガスから排気熱を回収した後、排ガスを大気に放出する。排気熱回収器2は、ガスタービン1以外の燃焼装置から排出された排ガスから排気熱を回収してもよい。
ガスタービン1は、ガスタービン1の排ガス出口1aに設けられたO(酸素)濃度計1bとNO濃度計1cとを備えている。O濃度計1bは、排ガス出口1aから排出される排ガス中のO濃度を計測し、O濃度の計測結果を脱硝制御装置4に出力する。NO濃度計1cは、排ガス出口1aから排出される排ガス中のNO濃度を計測し、NO濃度の計測結果を脱硝制御装置4に出力する。
ガスタービン1はさらに、排ガス流量算出部1eとNO発生量推定計算部1fとを有するガスタービン制御装置1dを備えている。排ガス流量算出部1eは、ガスタービン1で計測される各種信号を用いて、ガスタービン1から排出される排ガスの流量(排ガス流量)を算出し、排ガス流量の算出結果を脱硝制御装置4に出力する。NO発生量推定計算部1fは、ガスタービン1で計測される各種信号を用いて、ガスタービン1におけるNO発生量の推定値(NO発生量推定値)を算出し、NO発生量推定値の算出結果を脱硝制御装置4に出力する。
排気熱回収器2は、排気熱回収器2の煙突入口2aに設けられた第1および第2濃度計2b、2cを備えている。第1および第2濃度計2b、2cは、ガスタービン1から排出され煙突入口2aを通過する排ガス中のNO濃度を計測し、NO濃度の計測結果を脱硝制御装置4に出力する。
排気熱回収器2はさらに、排気熱回収器2の排ガス入口2dに設けられたNO計測部2eを備えている。NO計測部2eは、ガスタービン1から排出され排ガス入口2dを通過する排ガス中のNO濃度を計測し、NO濃度の計測結果を脱硝制御装置4に出力する。排気熱回収器2はさらに、排ガス入口2dまたは煙突入口2aに設けられたO分析部2fを備えている。O分析部2fは、排ガス入口2dまたは煙突入口2aを通過する排ガス中のO濃度を計測し、O濃度の計測結果を脱硝制御装置4に出力する。
本発電プラントでは、NO流量に関する環境基準を踏まえ、環境汚染負担の軽減を図るために、排気熱回収器2に脱硝装置3が設置されている。脱硝装置3は、NOを含む排ガスと、独立に供給するNHとを脱硝装置3の触媒中で反応させ、これらを触媒の作用により窒素ガス(N)と水蒸気(HO)とに分解する(詳細は後述)。触媒は、脱硝装置3の脱硝触媒層3a内に存在している。脱硝装置3の動作は、脱硝制御装置4により制御され、脱硝制御装置4の動作は、プラント制御装置5により制御される。
排気熱回収器2に流入した排ガスは、脱硝装置3の脱硝触媒層3a内に導入される。一方、NH供給部6から供給されたNHは、NH流量調整弁7を介して脱硝装置3内に注入される。NH供給部6およびNH流量調整弁7から脱硝装置3へのNHの注入処理は、脱硝制御装置4により制御される。NH流量計8は、NH流量調整弁7と脱硝装置3との間の流路を流れるNHの流量(NH流量)を計測し、NH流量の計測結果を脱硝制御装置4に出力する。
脱硝触媒層3aでは、排ガス中のNOが、触媒の作用によりNHと反応する。その結果、NOとNHは窒素と水とに分解されるが、一部のNOは未反応のまま煙突入口2aを通過して煙突から放出される。脱硝装置3により処理されて煙突入口2aを通過する排ガスを、処理済排ガスと呼ぶ。煙突入口2aを通過する処理済排ガス中の未反応NO濃度は、第1濃度計2bまたは第2濃度計2cにより計測される。
放出される未反応のNOは、環境影響評価法に従って、NO流量の移動時間平均値を制限値以下に制御することが要求される。電気事業法の第3章第2節第2款の2の「環境影響評価に関する特例(第46条の2〜第46条の23)」には、環境影響評価法に従うべき旨が記載されている。
図5は、上記の脱硝制御装置4の構成を示すブロック図である。
脱硝制御装置4は、NO制御部4aと、NH制御部4bとを備えている。NO制御部4aとNH制御部4bは、ガスタービン1で発生するNOに対して適切な量のNHを注入することで、煙突からのNOの排出量を目標値(指令信号)に保つために設けられており、それぞれ以下のような演算処理を行う。
NO制御部4aは、煙突入口2aにおけるNO濃度の計測値(NO_PV)を第1濃度計2bまたは第2濃度計2cから受信し、この計測値をNO濃度の指令値(NO_SV)に調整するようにNH流量の指令値(NH_SV)を算出する。この演算には、NO濃度の計測値の他に、ガスタービン1におけるO濃度、NO濃度、または排ガス流量の計測値、プラント制御装置5からの発電機出力指令値または負荷指令値(MWD:Mega Watt Demand)等を用いてもよい。図5は、NO制御部4aの作用を関数Ca(s)で示している。
NH制御部4bは、NH流量の指令値をNO制御部4aから受信し、NH流量の計測値(NH_PV)をNH流量計8から受信し、これら指令値と計測値との偏差がゼロに近付くようにNH流量調節弁7を開閉する。具体的には、NH制御部4bは、この偏差がゼロに近付くように、NH流量調節弁7への開度指令値(NH_MV)を算出して出力する。図5は、NH制御部4bの作用を関数Cb(s)で示している。
図5はさらに、脱硝装置3等による脱硝プロセスを関数G(s)でモデル化している。具体的には、NH流量調節弁7の開度が開度指令値により制御され、NH流量調節弁7を通過したNHにより脱硝装置3が動作し、第1濃度計2bまたは第2濃度計2cがNO濃度の計測値(NO_PV)を出力し、NH流量計8がNH流量の計測値(NH_PV)を出力する。関数G(s)は、この脱硝プロセスをモデル化したものである。
脱硝制御装置4は、NO濃度の移動時間平均値の制御ブロックと、NO濃度の瞬時値の制御ブロックと、NH流量の制御ブロックとを、カスケード型に接続して構成するのが一般的である。移動時間平均値の例は、1時間値、20分間値、5分間値などである。
以下では、NO制御部4aがNO濃度の瞬時値を制御し、NH制御部4bがNH流量を制御する場合について説明するが、以下の説明は、NO制御部4aが、NO濃度の移動時間平均値を制御する場合や、NO濃度の移動時間平均値と瞬時値とを制御する場合にも適用可能である。
なお、NOに関する瞬時値制御では、NO濃度の代わりに、NO排出量を表すその他の物理量を使用してもよい。このような物理量の例は、NO流量である。この場合には、NO流量の瞬時値が制御対象となる。これは、NOに関する移動時間平均値の制御でも同様である。以下の説明は、NO制御部4aが、NO濃度を制御する場合だけでなく、その他のNO排出量を制御する場合にも適用可能である。
図5は、NO制御部4aがNO濃度の瞬時値を制御する作用を関数Ca(s)で表し、NH制御部4bがNH流量を制御する作用をCb(s)で表している。関数Ca(s)や関数Cb(s)は、線形伝達関数でなくてもよく、切替機や関数発生器などの非線形要素を含んでいてもよい。同様に、制御対象である脱硝プロセスを表す関数G(s)も、線形伝達関数でなくてもよく、非線形関数や掛け算や割り算などの計算式で表してもよい。
NO濃度の瞬時値制御では、NO濃度の計測値(NO_PV)がNO濃度の指令値(NO_SV)と一致するように、NH流量の指令値(NH_SV)を増減させて出力する。NH流量の制御では、NH流量の計測値(NH_PV)がNH流量の指令値(NH_SV)と一致するように、NH流量調節弁7への開度指令値(NH_MV)を増減させて出力する。
図5の関数G(s)に示すように、脱硝プロセスには、この開度指令値と、計測できない外乱(d1〜dm−1)と、計測できる外乱(dm〜dn)とが入力する。mおよびnは2以上の整数である。
NO濃度の瞬時値制御とNH流量の制御は、計測できる外乱のいくつかを使用して行うのが一般的である。計測できる外乱の例は、排ガス流量、排ガス温度、触媒温度、湿度などである。また、ガスタービン1で計測されるNO発生量(例えば、NO発生流量やNO発生濃度)は、後述する時間遅れを経て計測可能であるため、計測できる外乱として使用してもよい。
図6は、上記の脱硝制御装置4の詳細を説明するためのブロック図である。
図6に示す符号Pは、NO濃度の瞬時値制御(NO制御部4a)からみた制御対象を表し、具体的には、NH流量の制御(NH制御部4b)と、脱硝プロセス(脱硝装置3等)とを表している。制御対象Pの入力は、NH流量の指令値(NH_SV)と、外乱信号(d1〜dn)であり、制御対象Pの出力は、NO濃度の計測値(NO_PV)である。
関数G1(s)は、制御対象PにNH_SVが入力してから、このNH_SVに応じたNHが触媒に到達するまでの時間遅れを表す。この時間遅れの例は、NH流量調節弁7の動作遅れや、NHガスの流れの動特性に伴う遅れである。
触媒上では複雑な反応式により脱硝反応が発生する。このときの量論的化学反応式は、以下のように予想される。
4NO + 4NH + O → 4N + 6HO ・・・(1)
NO + NO + 2NH → 2N + 3HO ・・・(2)
6NO + 8NH → 7N + 12HO ・・・(3)
関数G2(s)は、これらの反応の動特性に伴う時間遅れを表す。なお、触媒上の反応量の静特性については、関数G1(s)と関数G2(s)との間の「非線形な反応特性」で考慮されている。
排ガスが触媒を通過する時間内には、たとえNHが豊富に存在したとしても脱硝反応は100%は進まず、未反応のNO(NO_out)が残存する。第1濃度計2bまたは第2濃度計2cは、未反応のNO濃度を計測し、NO濃度の計測値(NO_PV)を取得する。関数G3(s)は、この計測に伴う時間遅れを表す。
火力発電所の煙突から排出される排ガス中のNO濃度は、近年、数ppmから数10ppm程度とすることが要求されている。このような低濃度のNO濃度を精度良く計測するため、第1濃度計2bまたは第2濃度計2cとして専用の計測装置が用いられる。この計測装置では、排ガスの一部をサンプリングして連続分析を行うが、この際に、60〜200秒程度のサンプリングによる無駄時間と、数10〜数100秒程度の分析時間遅れが発生する。
特許第4690606号公報 特許第2772233号公報 特開2008−119651号公報
清澤他「地球環境にやさしい火力発電プラント向け多機能型脱硝触媒と使用済み触媒の再利用技術」、三菱重工技報、vol.49, No.1 pp.99/102 (2012)
近年、自然エネルギーを利用した発電形態の増加に伴い、火力発電プラントの運用範囲の拡大が検討されている。理由は、自然エネルギー発電だけでは発電量が安定しない場合が多いことから、自然エネルギー発電と火力発電とを併用することが検討されているからである。
従来の火力発電機は、NO(一酸化窒素)やNO(二酸化窒素)を含むNO全体の発生量が少なく、かつNO単独の発生量も少ない運転条件でのみ運用されることが一般的であった。しかしながら、自然エネルギー発電と火力発電とを併用する場合には、ガスタービン1が低負荷で運転される場合があり、低負荷運転の場合は、NO発生量の多い運転領域(高NO領域)や、NO発生量の多い運転領域(高NO領域)となる。
従来の脱硝触媒は、NOに対して脱硝性能を発揮するよう作られてきたため、高NO領域では低NO領域に比べて触媒反応に長時間かかることが知られている。これに対して応答性の早い触媒が提案されているが、このような新しい触媒を利用していないプラントでも、高NO領域の排ガスを脱硝制御の対象とすることが必要になっている。
低NO領域と高NO領域の排ガスを脱硝制御の対象とする場合には、脱硝制御装置4にとっては、触媒反応の動特性(図6の「非線形な反応特性」や関数G2(s)に依存)が運転領域によって大きく異なることになる。一般に、制御対象に大きな動特性変化があると、単純な構造の制御では制御性が劣化し、制御が不安定になる。よって、低NO領域と高NO領域の排ガスを脱硝制御の対象とする場合には、脱硝制御装置4による制御を安定化させる手法が求められる。具体的には、低NO領域と高NO領域の動特性の差に対応可能な脱硝制御装置4を実現することが求められる。
また、脱硝システムのNO計測装置(NO濃度計やNO流量計)は、計測精度を保つために定期的に校正ガスによる校正が行われる。この校正中は、NO排出量(NO濃度やNO流量)を計測することができず、脱硝制御装置4にNO排出量の計測値を出力することができない。そこで、脱硝システムは同じ種類のNO計測装置を複数台備えていることが望ましい。
そのため、上述の脱硝システムは、処理済排ガス中のNO濃度を計測するために第1および第2濃度計2b、2cを備えている。この場合、第1濃度計2bの校正中には、第2濃度計2cから脱硝制御装置4にNO排出量の計測値を出力することができる。同様に、第2濃度計2cの校正中には、第1濃度計2bから脱硝制御装置4にNO排出量の計測値を出力することができる。
しかしながら、この場合には、第1濃度計2bと第2濃度計2cの応答時間の違いが問題となる。よって、第1濃度計2bと第2濃度計2cの動特性の差に対応可能な脱硝制御装置4を実現することが求められる。
なお、脱硝システムに同じ種類のNO計測装置を複数台設置する場合には、設置のために大きなコストがかかる。そこで、第1濃度計2bをNO専用の分析装置、第2濃度計2cをNH3とNOを同時に分析できる分析装置とするように、第1および第2濃度計2b、2cを異なる機構の分析装置とすることが考えられる。この場合にも、第1濃度計2bと第2濃度計2cの応答時間の違いが問題となる。
このように、低NO領域と高NO領域の動特性の差や、第1濃度計2bと第2濃度計2cの動特性の差に対応可能な制御性能の良い脱硝制御装置4を実現することが求められる。以下、このような動特性の変化がある場合には、良好な制御性能を保つことが難しいということを数値例で示す。
図7は、上記の脱硝制御装置4の動作を説明するためのブロック図である。
図7は、図6と同様に、NO濃度の瞬時値制御(NO制御部4a)からみた制御対象Pを表しているが、議論を簡単にするため、「非線形な反応特性」は一定値Kと近似し、外乱も一定値と近似している。また、図6の関数G1(s)については、NH_PVが出力され自身に入力するループとなっているが、図7ではこのループを関数G1(s)中に含む形で関数G1(s)を関数G1’(s)と書き直していることに留意されたい。
図8は、上記の脱硝制御装置4の動作を説明するための表である。
図8は、図6の制御対象Pの動特性の2つの例(動特性1、2)を示しており、これらの例に示す関数は、制御対象Pの各要素を無駄時間と1次遅れで近似したときの典型的な関数を示している。動特性1、2を比較すると、G1’(s)の関数形とKの値は両特性間で共通であるが、G2(s)の関数形とG3(s)の関数形は両特性間で相違している。
図9は、上記の脱硝制御装置4の動作を説明するためのグラフである。
図9は、制御対象Pが動特性1を有するときにNO_PVがNO_SVに追従するように設計された脱硝制御装置4を用いた場合において、制御対象Pの動特性が変化した場合のNO_SVとNO_PVの時間変化のシミュレーション結果を示している。図9において、時刻0秒〜3000秒の間は制御対象Pの動特性を動特性1とし、時刻3000秒以降は制御対象Pの動特性を動特性2としている。脱硝制御装置4としては、時刻にかかわらず、動特性1に対して設計されたものを使用している。
このシミュレーション結果では、時刻0秒〜3000秒までは、NO_SVの変化に追従するようにNO_PVの変化が発生しており、良好な制御が達成されていると判断できる。しかしながら、時刻3000秒以降はNO_SVとNO_PVがかい離しており、さらにはNO_PVが振動的で発散していく傾向が表れており、良好な制御が行われていないと判断できる。
このことから、制御対象Pに動特性の変化がある場合に、脱硝制御装置4の良好な制御性能を保つことが難しいということが分かる。
そこで、本発明の実施形態は、制御対象の動特性が変化しても良好な脱硝制御を行うことが可能な脱硝制御装置および脱硝制御方法を提供することを課題とする。
一の実施形態によれば、燃焼設備からの排ガス中の窒素酸化物を分解する脱硝装置へのアンモニアの注入処理を制御する脱硝制御装置は、前記窒素酸化物の濃度または流量の計測値と、前記窒素酸化物の濃度または流量の指令値とに基づいて、前記アンモニアの流量の指令値を出力する窒素酸化物制御部を備える。前記脱硝制御装置はさらに、前記アンモニアの流量の計測値と、前記アンモニアの流量の前記指令値とに基づいて、前記注入処理を制御するアンモニア制御部を備える。前記窒素酸化物制御部は、前記アンモニアの流量の前記指令値を第1指令値または第2指令値に切り替え、前記第1または第2指令値を前記アンモニア制御部に出力する。
第1実施形態の脱硝制御装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の脱硝制御装置の動作を説明するためのグラフである。 第2実施形態の脱硝制御装置の構成を示すブロック図である。 一般的な発電プラントの構成を部分的に示すブロック図である。 図4の脱硝制御装置の構成を示すブロック図である。 図4の脱硝制御装置の詳細を説明するためのブロック図である。 図4の脱硝制御装置の動作を説明するためのブロック図である。 図4の脱硝制御装置の動作を説明するための表である。 図4の脱硝制御装置の動作を説明するためのグラフである。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1〜図3では、図4〜図9に示す構成要素と同一または類似の構成要素に同一の符号を付し、図4〜図9の説明と重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の脱硝制御装置4の構成を示すブロック図である。
図1の脱硝制御装置4は、例えば図4の発電プラントに設けられており、NO制御部4aと、NH制御部4bとを備えている。NO制御部4aは、第1制御部11と、第2制御部12と、切替スイッチ13と、切替制御部14とを備えている。切替スイッチ13および切替制御部14は、切替部の一例である。
NO制御部4aは、煙突入口2aにおけるNO濃度の計測値(NO_PV)を第1濃度計2bから受信し、この計測値をNO濃度の指令値(NO_SV)に調整するようにNH流量の指令値(NH_SV)を算出する。これらの指令値は、設定値とも呼ばれる。NO制御部4aは、この計測値を第2濃度計2cから受信してもよいが、第1および第2濃度計2b、2cを併用する例については後述する。
NH制御部4bは、NH流量の指令値をNO制御部4aから受信し、NH流量の計測値(NH_PV)をNH流量計8から受信し、これら指令値と計測値との偏差がゼロに近付くようにNH流量調節弁7を開閉する。具体的には、NH制御部4bは、この偏差がゼロに近付くように、NH流量調節弁7への開度指令値(NH_MV)を算出して出力する。
図1に示す「脱硝装置3」は、脱硝装置3等による脱硝プロセスをモデル化して示したものである。この脱硝プロセスでは、NH流量調節弁7の開度が開度指令値により制御され、NH流量調節弁7を通過したNHにより脱硝装置3が動作し、第1濃度計2bがNO濃度の計測値(NO_PV)を出力し、NH流量計8がNH流量の計測値(NH_PV)を出力する。上述のように、NO濃度の計測値はNO制御部4aに送信され、NH流量の計測値はNH制御部4bに送信される。
本実施形態のNO制御部4aは、NO濃度の瞬時値を制御する。具体的には、NO制御部4aは、NO濃度の瞬時値の計測値を第1濃度計2bから受信し、この計測値をNO濃度の瞬時値の指令値に調整するようにNH流量の指令値を算出する。以下、このNO制御部4aの詳細について説明する。
第1および第2制御部11、12はいずれも、煙突入口2aにおけるNO濃度の計測値を第1濃度計2bから受信し、この計測値をNO濃度の指令値に調整するようにNH流量の指令値を算出する。第1制御部11は、NH流量の指令値として第1指令値V1を出力し、第2制御部12は、NH流量の指令値として第2指令値V2を出力する。
第1制御部11は、NO発生量の少ない運転領域(低NO領域)に適した動作をするように構成されており、例えば、上述の「動特性1」に適した動作をするように構成されている。図1は、第1制御部11の作用を関数C1(s)で示している。第1制御部11により算出された第1指令値V1は、切替スイッチ13に出力される。
第2制御部12は、NO発生量の多い運転領域(高NO領域)に適した動作をするように構成されており、例えば、上述の「動特性2」に適した動作をするように構成されている。図1は、第2制御部12の作用を関数C2(s)で示している。第2制御部12により算出された第2指令値V2は、切替スイッチ13に出力される。
切替スイッチ13は、NH流量の指令値を第1指令値V1または第2指令値V2に切り替え、第1指令値V1または第2指令値V2をNH制御部4bに出力する。切替スイッチ13は、この切り替えを切替制御部14からの切替信号に応じて実行する。
切替制御部14は、ガスタービン1から排出される排ガス中のNO濃度やNO濃度の計測値をNO濃度計1cから受信する。そして、切替制御部14は、NO濃度の計測値が低NO領域にある場合には、NH流量の指令値を第1指令値V1に切り替えるように切替信号を出力する。また、切替制御部14は、NO濃度の計測値が高NO領域にある場合には、NH流量の指令値を第2指令値V2に切り替えるように切替信号を出力する。
その結果、NO濃度の計測値が低NO領域にある場合には、切替スイッチ13からNH制御部4bに第1指令値V1が出力される。また、NO濃度の計測値が高NO領域にある場合には、切替スイッチ13からNH制御部4bに第2指令値V2が出力される。
切替信号の生成方法には、種々の例が考えられる。
第1の例では、NO濃度の計測値が閾値よりも低い場合に、NO濃度の計測値が低NO領域にあると判断され、切替信号がローに設定される。その結果、切替スイッチ13から第1指令値V1が出力される。また、NO濃度の計測値が閾値よりも高い場合に、NO濃度の計測値が高NO領域にあると判断され、切替信号がハイに設定される。その結果、切替スイッチ13から第2指令値V2が出力される。
第2の例では、切替制御部14は、NO濃度の計測値と、NO濃度の計測値とを用いて、NO濃度とNO濃度の合計に占めるNO濃度の比率を算出する。この比率の算出式は「NO濃度/(NO濃度+NO濃度)」である。そして、比率が閾値よりも低い場合に、NO濃度の計測値が低NO領域にあると判断され、切替信号「ロー」に応じて切替スイッチ13から第1指令値V1が出力される。また、比率が閾値よりも高い場合に、NO濃度の計測値が高NO領域にあると判断され、切替信号「ハイ」に応じて切替スイッチ13から第2指令値V2が出力される。閾値の例は0.5である。
第3の例では、NO濃度計1cから出力された計測値ではなく、プラント制御装置5から出力された燃焼モード切替信号が使用される。プラント制御装置5は、ガスタービン1の燃焼モードを切り替える場合に、燃焼モードの切替を要求する燃焼モード切替信号をガスタービン1に出力する。燃焼モードの例は、ガスタービン1に低NO領域での運転を要求する低NOモードや、ガスタービン1に高NO領域での運転を要求する高NOモードである。そして、切替制御部14は、燃焼モード切替信号をプラント制御装置5から受信し、燃焼モード切替信号が低NOモードを示す場合には切替信号を「ロー」に切り替え、燃焼モード切替信号が高NOモードを示す場合には切替信号を「ハイ」に切り替える。前者の場合には、切替スイッチ13から第1指令値V1が出力され、後者の場合には、切替スイッチ13から第2指令値V2が出力される。
切替制御部14は、切替信号を第1〜第3の例のいずれにより生成してもよいし、その他の方法により生成してもよい。第1および第2の例には例えば、プラント制御装置5からの信号によらずに切替が可能という利点がある。第3の例には例えば、ガスタービン1での濃度計測が不要になるため、高速に切替が可能という利点がある。なお、第1の例や第3の例を採用する場合には、切替制御部14は、NO濃度の計測値や燃焼モード切替信号を、そのまま切替信号として切替スイッチ13に出力してもよい。
次に、第1および第2制御部11、12の具体例や変形例について説明する。
第1および第2制御部11、12の例としては、PI(Proportional-Integral)コントローラやPID(Proportional-Integral-Differential)コントローラなど、積分器を持つコントローラが挙げられる。この場合、積分器のワインドアップ動作を防止するために、図1に示すように、切替スイッチ13から出力されたNH流量の指令値を、第1および第2制御部11、12にフィードバックすることが望ましい。この場合、積分器の信号をトラッキングさせることにより、積分器のワインドアップ動作を防止することができる。
また、NO制御部4aは、NO濃度の瞬時値を制御する代わりに、NO濃度の移動時間平均値を制御してもよい。この場合、NO制御部4aは、NO濃度の移動時間平均値の計測値を第1濃度計2bから受信し、この計測値をNO濃度の移動時間平均値の指令値に調整するようにNH流量の指令値を算出する。
また、NO制御部4aは、NO濃度の瞬時値制御と移動時間平均値制御とをカスケード構成で行ってもよい。この場合、第1制御部11は、瞬時値制御用の制御部と移動時間平均値制御用の制御部とを含むよう構成され、第2制御部12も同様に、瞬時値制御用の制御部と移動時間平均値制御用の制御部とを含むよう構成される。
また、NO制御部4aは、NO濃度を制御する代わりに、NOについてのその他の物理量を制御してもよい。このような物理量の例は、NO流量である。この場合、NO制御部4aは、NO流量の計測値を第1濃度計2bに代わる流量計から受信し、この計測値をNO流量の指令値に調整するようにNH流量の指令値を算出する。
本実施形態のNO制御部4aは、低NO領域と高NO領域という2つの領域を取り扱うため、第1および第2制御部11、12という2つの制御部を備えている。ここで、NO制御部4aは、N個(Nは3以上の整数)の領域を取り扱う場合には、N個の制御部を備えていてもよい。このような領域の例は、低NO領域、中NO領域、および高NO領域という3つの領域である。この場合、切替スイッチ13は、N個の制御部からN個の指令値を受信し、切替信号に応じてN個の指令値のうちの1つをNH制御部4bに出力する。
また、NO制御部4aは、本実施形態ではNO発生量の違いにより第1および第2制御部11、12を使い分けているが、その他の状況の違いにより第1および第2制御部11、12を使い分けてもよい。例えば、NO制御部4aは、第1濃度計2bからのNO濃度の計測値を使用するか、第2濃度計2cからのNO濃度の計測値を使用するかにより、第1および第2制御部11、12を使い分けてもよい。
この場合、第1制御部11は、第1濃度計2bからのNO濃度の計測値に適した動作をするように構成され、切替スイッチ13に対し第1指令値V1を出力する。また、第2制御部12は、第2濃度計2cからのNO濃度の計測値に適した動作をするように構成され、切替スイッチ13に対し第2指令値V2を出力する。切替制御部14は例えば、NO濃度の計測値の発信先(第1または第2濃度計2b、2c)を示す信号を、第1濃度計2b、第2濃度計2c、またはプラント制御装置5から受信し、発信先が第1濃度計2bの場合には切替信号を「ロー」に設定し、発信先が第2濃度計2cの場合には切替信号を「ハイ」に設定する。切替スイッチ13は、切替信号に応じて第1または第2指令値V1、V2をNH制御部4bに出力する。
なお、瞬時値、移動時間平均値、NO流量、N個の制御部などの上記の説明は、第1および第2濃度計2b、2cを使い分ける場合にも同様に適用可能である。例えば、煙突入口2aにおけるNO濃度を計測するN個の濃度計が設けられている場合には、NO制御部4aはN個の制御部を備えていてもよい。
また、NO制御部4aは、NO濃度の複数の領域と、NO濃度を計測する複数の濃度計の両方を取り扱うよう構成されていてもよい。領域の違いによる動特性の変化は関数G2(s)に発生し、濃度計の違いによる動特性の変化は関数G3(s)に発生するため、これらの違いは独立に動特性に影響する。よって、NO制御部4aは、領域の種類と濃度計の種類の組合せの数だけ制御部を備えていれば、両方の変化に対応可能である。
図2は、第1実施形態の脱硝制御装置4の動作を説明するためのグラフである。
図2は、本実施形態におけるNO_SVとNO_PVの時間変化のシミュレーション結果を示している。図2において、ガスタービン1は、時間3000秒までは低NO領域で運転され、時間3000秒からは高NO領域で運転されている。また、切替スイッチ13は、時間3000秒までは第1指令値V1を出力しているが、時間3000秒からは第2指令値V2を出力している。すなわち、低NO領域での運転から高NO領域での運転への変化に伴い、NH_SVが第1指令値V1から第2指令値V2に切り替えられている。
その結果、図2のNO_PVは、3000秒からその波形が変化しているが、3000秒後も安定的に変化していることが分かる。具体的には、NO_PVがNO_SVの変化に追従するように変化している。このように、本実施形態では、制御対象に動特性の変化があっても、脱硝制御装置4の良好な制御性能を保つことができる。
以上のように、本実施形態のNO制御部4aは、低NO領域に適するように動作する第1制御部11と、高NO領域に適するように動作する第2制御部12とを備え、NO濃度の領域の違いにより第1および第2制御部11、12を使い分ける。よって、本実施形態によれば、ガスタービン1からのNO発生量が変化しても、良好な脱硝制御を行うことが可能となる。
また、本実施形態のNO制御部4aは、第1濃度計2bに適するように動作する第1制御部11と、第2濃度計2cに適するように動作する第2制御部12とを備えていてもよい。この場合、第1または第2濃度計2b、2cを校正するために、使用する濃度計を一方の濃度計から他方の濃度計に切り替える場合においても、良好な脱硝制御を行うことが可能となる。
このように、本実施形態によれば、制御対象の動特性が変化しても、脱硝制御装置4による良好な脱硝制御を行うことが可能となる。
なお、脱硝制御装置4は、1個の制御盤や1台のコンピュータなど、1個の計算装置により構成してもよいし、複数の計算装置により構成してもよい。例えば、後者の場合の脱硝制御装置4は、NO制御部4aの機能とNH制御部4bの一部の機能とを有する専用機と、NH制御部4bの残りの機能を有する汎用機により構成してもよい。このような汎用機の例は、NH流量調整弁7に付随するバルブコントローラである。この場合、専用機の方を脱硝制御装置4ととらえ、汎用機の方を脱硝制御装置4の周辺機器ととらえることも可能である。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態の脱硝制御装置4の構成を示すブロック図である。
図3の脱硝制御装置4は、図1に示す構成要素に加え、出力部の一例である積分器15を備えている。
本実施形態の第1および第2制御部11、12は、速度型で構成されている。具体的には、第1および第2制御部11、12はいずれも、NO濃度の計測値(NO_PV)を第1濃度計2bから受信し、この計測値をNO濃度の指令値(NO_SV)に調整するようにNH流量の指令値(NH_SV)の変化量(増減分)を算出する。第1制御部11は、NH流量の指令値の変化量として第1指令値V1の変化量ΔV1を出力し、第2制御部12は、NH流量の指令値の変化量として第2指令値V2の変化量ΔV2を出力する。以下、変化量ΔV1を第1変化量と呼び、変化量ΔV2を第2変化量と呼ぶ。
第1制御部11は、NO発生量の少ない運転領域(低NO領域)に適した動作をするように構成されており、例えば、上述の「動特性1」に適した動作をするように構成されている。図3は、第1制御部11の作用を関数C1(s)で示している。第1制御部11により算出された第1変化量ΔV1は、切替スイッチ13に出力される。
第2制御部12は、NO発生量の多い運転領域(高NO領域)に適した動作をするように構成されており、例えば、上述の「動特性2」に適した動作をするように構成されている。図3は、第2制御部12の作用を関数C2(s)で示している。第2制御部12により算出された第2変化量ΔV2は、切替スイッチ13に出力される。
切替スイッチ13は、NH流量の指令値の変化量を第1または第2変化量ΔV1、ΔV2に切り替え、第1または第2変化量ΔV1、ΔV2を積分器15に出力する。切替スイッチ13は、この切り替えを切替制御部14からの切替信号に応じて実行する。
切替制御部14は、ガスタービン1から排出される排ガス中のNO濃度やNO濃度の計測値をNO濃度計1cから受信する。そして、切替制御部14は、NO濃度の計測値が低NO領域にある場合には、NH流量の指令値の変化量を第1変化量ΔV1に切り替えるように切替信号を出力する。また、切替制御部14は、NO濃度の計測値が高NO領域にある場合には、NH流量の指令値の変化量を第2変化量ΔV2に切り替えるように切替信号を出力する。
その結果、NO濃度の計測値が低NO領域にある場合には、切替スイッチ13から積分器15に第1変化量ΔV1が出力される。また、NO濃度の計測値が高NO領域にある場合には、切替スイッチ13から積分器15に第2変化量ΔV2が出力される。図3に示す符号ΔVは、切替スイッチ13から積分器15に出力される変化量(第1または第2変化量ΔV1、ΔV2)を示している。
積分器15は、切替スイッチ13から受信した変化量ΔVを積分して、NH流量の指令値(NH_SV)を算出する。その結果、変化量ΔVが第1変化量ΔV1の場合には第1指令値V1が算出され、変化量ΔVが第2変化量ΔV2の場合には第2指令値V2が算出される。積分器15は、NH制御部4bにNH流量の指令値として第1または第2指令値V1、V2を出力する。
なお、切替信号の生成方法、瞬時値、移動時間平均値、NO流量、N個の制御部などに関する第1実施形態の説明は、本実施形態にも同様に適用可能である。
以上のように、本実施形態の第1および第2制御部11、12は、速度型で構成されている。この場合、第1および第2制御部11、12をPIコントローラまたはPIDコントローラで構成する場合には、NH流量の指令値を積分器15から第1および第2制御部11、12にフィードバックする信号経路は設けなくてもよい。一方、第1および第2制御部11、12を最適レギュレータまたはモデル予測制御機構で構成する場合には、第1および第2制御部11、12による制御にNH流量の指令値を用いるため、NH流量の指令値を積分器15から第1および第2制御部11、12にフィードバックすることが求められる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、制御対象の動特性が変化しても、脱硝制御装置4による良好な脱硝制御を行うことが可能となる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1:ガスタービンまたはボイラ、1a:排ガス出口、1b:O濃度計、
1c:NO濃度計、1d:タービン制御装置、1e:排ガス流量算出部、
1f:NO発生量推定計算部、2:排気熱回収器、2a:煙突入口、
2b:第1濃度計、2c:第2濃度計、3:脱硝装置、3a:脱硝触媒層、
4:脱硝制御装置、4a:NO制御部、4b:NH制御部、
5:プラント制御装置、6:NH供給部、7:NH流量調整弁、
8:NH流量計、11:第1制御部、12:第2制御部、
13:切替スイッチ、14:切替制御部、15:積分器

Claims (12)

  1. 燃焼設備からの排ガス中の窒素酸化物を分解する脱硝装置へのアンモニアの注入処理を制御する脱硝制御装置であって、
    前記窒素酸化物の濃度の計測値と、前記窒素酸化物の濃度の指令値とに基づいて、前記アンモニアの流量の指令値を出力する窒素酸化物制御部と、
    前記アンモニアの流量の計測値と、前記アンモニアの流量の前記指令値とに基づいて、前記注入処理を制御するアンモニア制御部とを備え、
    前記窒素酸化物制御部は、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値、または前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を用いて算出された算出値が第1領域にある場合に、前記アンモニアの流量の前記指令値を前記第1指令値に切り替え、前記第1指令値を前記アンモニア制御部に出力し、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値、または前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を用いて算出された算出値が第2領域にある場合に、前記アンモニアの流量の前記指令値を前記第2指令値に切り替え、前記第2指令値を前記アンモニア制御部に出力する、
    脱硝制御装置。
  2. 前記窒素酸化物制御部は、
    前記第1指令値を出力する第1制御部と、
    前記第2指令値を出力する第2制御部と、
    前記アンモニアの流量の前記指令値を前記第1または第2指令値に切り替え、前記第1または前記第2指令値を前記アンモニア制御部に出力する切替部と、
    を備える請求項1に記載の脱硝制御装置。
  3. 前記窒素酸化物制御部は、
    前記第1指令値の変化量を出力する第1制御部と、
    前記第2指令値の変化量を出力する第2制御部と、
    前記アンモニアの流量の前記指令値の変化量を前記第1指令値の変化量または前記第2指令値の変化量に切り替える切替部と、
    前記第1または第2指令値の変化量から前記第1または前記第2指令値を算出し、前記第1または前記第2指令値を前記アンモニア制御部に出力する出力部と、
    を備える請求項1に記載の脱硝制御装置。
  4. 前記窒素酸化物制御部は、前記窒素酸化物中の一酸化窒素の濃度と、前記窒素酸化物中の二酸化窒素の濃度とに基づいて、前記アンモニアの流量の前記指令値を切り替える、請求項1からのいずれか1項に記載の脱硝制御装置。
  5. 燃焼設備からの排ガス中の窒素酸化物を分解する脱硝装置へのアンモニアの注入処理を制御する脱硝制御装置であって、
    前記窒素酸化物の濃度の計測値と、前記窒素酸化物の濃度の指令値とに基づいて、前記アンモニアの流量の指令値を出力する窒素酸化物制御部と、
    前記アンモニアの流量の計測値と、前記アンモニアの流量の前記指令値とに基づいて、前記注入処理を制御するアンモニア制御部とを備え、
    前記窒素酸化物制御部は、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を第1濃度計から取得する場合に、前記アンモニアの流量の前記指令値を前記第1指令値に切り替え、前記第1指令値を前記アンモニア制御部に出力し、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を第2濃度計から取得する場合に、前記アンモニアの流量の前記指令値を前記第2指令値に切り替え、前記第2指令値を前記アンモニア制御部に出力する、
    脱硝制御装置。
  6. 前記窒素酸化物制御部は、前記窒素酸化物の濃度の瞬時値の前記計測値と、前記窒素酸化物の濃度の瞬時値の前記指令値とに基づいて、前記アンモニアの流量の前記指令値を出力する、請求項1からのいずれか1項に記載の脱硝制御装置。
  7. 前記窒素酸化物制御部は、前記窒素酸化物の濃度の移動時間平均値の前記計測値と、前記窒素酸化物の濃度の移動時間平均値の前記指令値とに基づいて、前記アンモニアの流量の前記指令値を出力する、請求項1からのいずれか1項に記載の脱硝制御装置。
  8. 燃焼設備からの排ガス中の窒素酸化物を分解する脱硝装置へのアンモニアの注入処理を制御する脱硝制御装置であって、
    前記窒素酸化物の濃度の計測値と、前記窒素酸化物の濃度の指令値とに基づいて、前記アンモニアについての指令値を出力する窒素酸化物制御部と、
    前記アンモニアについての計測値と、前記アンモニアについての前記指令値とに基づいて、前記注入処理を制御するアンモニア制御部とを備え、
    前記窒素酸化物制御部は、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値、または前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を用いて算出された算出値が第1領域にある場合に、前記アンモニアについての前記指令値を前記第1指令値に切り替え、前記第1指令値を前記アンモニア制御部に出力し、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値、または前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を用いて算出された算出値が第2領域にある場合に、前記アンモニアについての前記指令値を前記第2指令値に切り替え、前記第2指令値を前記アンモニア制御部に出力する、
    脱硝制御装置。
  9. 燃焼設備からの排ガス中の窒素酸化物を分解する脱硝装置へのアンモニアの注入処理を制御する脱硝制御装置であって、
    前記窒素酸化物の濃度の計測値と、前記窒素酸化物の濃度の指令値とに基づいて、前記アンモニアについての指令値を出力する窒素酸化物制御部と、
    前記アンモニアについての計測値と、前記アンモニアについての前記指令値とに基づいて、前記注入処理を制御するアンモニア制御部とを備え、
    前記窒素酸化物制御部は、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を第1濃度計から取得する場合に、前記アンモニアについての前記指令値を前記第1指令値に切り替え、前記第1指令値を前記アンモニア制御部に出力し、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を第2濃度計から取得する場合に、前記アンモニアについての前記指令値を前記第2指令値に切り替え、前記第2指令値を前記アンモニア制御部に出力する、脱硝制御装置。
  10. 前記窒素酸化物制御部は、前記窒素酸化物の濃度の計測値と、前記窒素酸化物の濃度の指令値とに基づいて、前記アンモニアの流量の指令値を出力し、
    前記アンモニア制御部は、前記アンモニアの流量の計測値と、前記アンモニアの流量の前記指令値とに基づいて、前記注入処理を制御する、
    請求項8または9に記載の脱硝制御装置。
  11. 燃焼設備からの排ガス中の窒素酸化物を分解する脱硝装置へのアンモニアの注入処理を制御する脱硝制御方法であって、
    前記窒素酸化物の濃度の計測値と、前記窒素酸化物の濃度の指令値とに基づいて、前記アンモニアの流量の指令値を窒素酸化物制御部から出力し、
    前記アンモニアの流量の計測値と、前記アンモニアの流量の前記指令値とに基づいて、前記注入処理をアンモニア制御部により制御する、
    ことを含み、
    前記窒素酸化物制御部は、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値、または前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を用いて算出された算出値が第1領域にある場合に、前記アンモニアの流量の前記指令値を前記第1指令値に切り替え、前記第1指令値を前記アンモニア制御部に出力し、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値、または前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を用いて算出された算出値が第2領域にある場合に、前記アンモニアの流量の前記指令値を前記第2指令値に切り替え、前記第2指令値を前記アンモニア制御部に出力する、
    脱硝制御方法。
  12. 燃焼設備からの排ガス中の窒素酸化物を分解する脱硝装置へのアンモニアの注入処理を制御する脱硝制御方法であって、
    前記窒素酸化物の濃度の計測値と、前記窒素酸化物の濃度の指令値とに基づいて、前記アンモニアの流量の指令値を窒素酸化物制御部から出力し、
    前記アンモニアの流量の計測値と、前記アンモニアの流量の前記指令値とに基づいて、前記注入処理をアンモニア制御部により制御する、
    ことを含み、
    前記窒素酸化物制御部は、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を第1濃度計から取得する場合に、前記アンモニアの流量の前記指令値を前記第1指令値に切り替え、前記第1指令値を前記アンモニア制御部に出力し、
    前記窒素酸化物の濃度の前記計測値を第2濃度計から取得する場合に、前記アンモニアの流量の前記指令値を前記第2指令値に切り替え、前記第2指令値を前記アンモニア制御部に出力する、
    脱硝制御方法。
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