JP2772233B2 - 脱硝制御装置 - Google Patents

脱硝制御装置

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JP2772233B2
JP2772233B2 JP5331585A JP33158593A JP2772233B2 JP 2772233 B2 JP2772233 B2 JP 2772233B2 JP 5331585 A JP5331585 A JP 5331585A JP 33158593 A JP33158593 A JP 33158593A JP 2772233 B2 JP2772233 B2 JP 2772233B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数台のガスタービン
と、これらのガスタービンの排ガスに含まれる熱を利用
して発生させられた蒸気により駆動される少なくとも1
台の蒸気タービンにより発電を行うコンバインドサイク
ル発電プラント、または、少なくとも1台のガスタービ
ンにより発電機を駆動し、発電を行う、いわゆるガスタ
ービン発電プラントのなかで、燃焼生成ガス中の窒素酸
化物に対し、アンモニア等の還元物質を注入することに
より除去する脱硝制御装置または系列脱硝制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる排熱回収方式のコンバインドサ
イクル発電プラントには大別して一軸型と多軸型があ
る。一軸型とはガスタービン、蒸気タービンおよび発電
機が共通軸で結合されている方式のものであり、多軸型
とはガスタービンと蒸気タービンが別々の軸に分離さ
れ、各軸に発電機が結合される方式のものである。一
方、ガスタービン発電プラントは1台のガスタービンに
対して1台の発電機を有し、このガスタービンと発電機
の組み合わせが1組または複数組で構成され、発電を行
うものであり、ピーク負荷対策用として設置される。
【0003】本発明をこの分野に関して述べるならば、
コンバインドサイクル発電プラントにおいては、一軸型
のものを複数台設ける構成のもの、および単一または複
数の蒸気タービン設備を設ける多軸型構成のものの両者
を対象としており、またガスタービン発電プラントにお
いてはガスタービンと発電機の組み合わせが1組または
複数組の構成のものを対象としている。
【0004】図12は一般的な一軸型のコンバインドサ
イクル発電プラントの一例の構成図、図13はガスター
ビンと発電機の組み合わせが1組のガスタービン発電プ
ラントの一例の構成図である。コンバインドサイクル発
電プラントは、コンプレッサー1、ガスタービン2、発
電機3、および蒸気タービン4は共通軸5を介して互い
に連結されており、燃料調整弁6,7の開度調節により
流量制御された燃料がコンプレッサ1からの圧縮空気と
共に燃焼器8に供給され、ここで混合して等圧燃焼さ
れ、高温・高圧の燃焼ガスが生成され、この燃焼ガスに
よってガスタービン2が駆動される(以下ガスタービン
系と称す。)。ガスタービン2の排ガスは排熱回収ボイ
ラ9に導かれて蒸気を発生させ、排熱回収ボイラ9で熱
を回収され低温となったガスは、排ガスとして大気中に
排出される。一方排熱回収ボイラ9で発生された蒸気は
蒸気加減弁10を介して蒸気タービン4に導かれ、これ
を駆動する。蒸気タービン4を通った蒸気は復水器11
に導かれ、ここで復水される(以下蒸気系と称す。)。
このガスタービン系と蒸気系を組み合わせたコンバイン
ドサイクル発電プラントは入力として燃焼器8に燃料を
供給し、最終出力として発電機3から電気出力を得る。
一方、ガスタービン発電プラントは上記コンバインドサ
イクル発電プラントのガスタービン系のみで構成され、
同様に発電を行う。但し、ガスタービン2からの排ガス
は排気ダクト12を介して大気中に排出される。
【0005】ところで、図12または図13において、
排熱回収ボイラ9または排気ダクト12から大気中に排
出される排ガス、すなわち燃焼器8の燃焼生成ガス中に
は、NO、NO2 など、一般にNOxで総称される窒素
酸化物(以下NOxと称す。)が含まれている。このN
Oxは有害とされ、その許容値が法的に規制されてい
る。そこで燃焼生成ガスに含まれるNOxを低減除去す
るために排熱回収ボイラ9、排気ダクト12に脱硝装置
13が設けられている。
【0006】脱硝装置33とは燃焼生成ガスにアンモニ
ア等の還元物質を還元物質流量調節弁14を介し注入
し、NOxと還元物質を脱硝装置13で反応させ、無害
な窒素と水に還元して除去する装置であり、未反応のN
Oxはそのまま大気に排出される。例えば還元剤として
アンモニア(NH3 )を使用する場合には、その供給量
が少なすぎると未反応のNOxが増えることになり、ま
た多すぎると未反応のアンモニアが排出されることにな
る。また、プロセスが触媒でのNOxとアンモニアの化
学反応であるため、制御の応答性がよくないという特徴
がある。このように燃焼生成ガス中のNOxの量に見合
った量の還元物質が適切なタイミングで供給されない場
合には種々の不都合が生じるので、還元物質の供給量と
供給タイミングを制御するための装置として脱硝制御装
置が必要となり、また、一般にガスタービン2は起動、
停止時にその排出NOxが変動することが知られている
が、これを規制値以下に抑えるために脱硝制御装置が提
案されている。
【0007】なおここで言う規制値は、プラント排出N
Ox濃度、プラント排出NOx流量、プラント排出NO
x移動時間平均流量、プラント排出NH3 濃度、プラン
ト排出NH3 流量、プラント排出NH3 移動時間平均流
量等があり、これらは設置される地域により決定され
る。通常は、移動時間平均値にて規制される場合が多
い。これは一定時間内のプロセス量の和を平均したもの
で、プラントの単位時間での排出量の平均値を示してい
る。
【0008】図14は従来の脱硝制御装置の一構成例で
ある。脱硝制御装置30は大きくフィードバック制御系
とフィードフォワード制御系に分けられる。フィードバ
ック制御系は、還元物質流量制御の時定数が脱硝出口N
Ox濃度の時定数に対して異なる(速い)ため、還元物
質流量を計測し、還元物質流量調節弁14を操作するフ
ィードバック制御を行なう2次フィードバック制御系
と、その目標値として脱硝出口NOx濃度を計測し、設
定値と等しくなる様にフィードバック制御を行なう1次
フィードバック制御系とを組み合わせた、いわゆるカス
ケード制御系にて構成される。フィードフォワード制御
系は、フィードバック制御系のみでは脱硝プロセスの動
特性(反応遅れ)と検出遅れにより、十分な制御性能が
得られないため、脱硝入口NOx濃度により先行的に制
御を行うものである。
【0009】1次フィードバック制御系において、信号
発生器15には、本制御装置の制御設定値である脱硝出
口NOx流量移動時間平均設定値が設定されており、そ
の移動時間平均値制御設定値aが、減算器16に出力さ
れている。一方脱硝出口NOx濃度検出手段17では、
脱硝出口排ガス中の実NOx濃度を検出し脱硝出口NO
x濃度信号eとして、乗算器18に出力する。また、ガ
スタービンの状態量、例えばコンプレッサ1の空気流
量、燃焼器8への燃料流量等を検出するガスタービン状
態量検出手段19からのガスタービン状態量信号hによ
り、排ガス流量演算手段20でガスタービン排ガス流量
の計算を行い、ガスタービン排ガス流量信号iとして乗
算器18に出力される。乗算器18では、排ガス流量と
排ガスNOx濃度からNOx流量を算出し、そのNOx
流量信号が移動時間平均演算器21に出力される。移動
時間平均演算器21では移動時間平均を算出するための
計算を行う。すなわち、入力した脱硝出口NOx流量j
を蓄積し、一定の時間分保存し加算平均する事により、
移動時間平均値kを算出する。以下に式を示す。
【0010】 iはiサンプル時間前を示し、ji はiサンプル時間前
のプロセス値(ここでは瞬時値の脱硝出口NOx流量j
等)を示し、この値を用いて加算平均を行う事で算出さ
れる。(2)式はこれをラプラス演算子で表したもので
ある。ここに示すように移動時間平均値は過去の流量信
号を一定の時間分保存し、この結果は減算器16に出力
される。減算器16では、移動時間平均値制御設定値a
と脱硝出口NOx流量移動時間平均kとの偏差を求め、
フィードバック補償演算器22へその偏差信号fを出力
する。フィードバック補償演算器22ではこの偏差信号
fにより還元物質流量目標信号gが求められ加算器23
に出力される。なおこのフィードバック補償演算器22
はいわゆるPID演算器でも良い。
【0011】フィードバック制御系では、脱硝出口NO
x濃度検出手段17に遅れがあるので、脱硝出口排ガス
中の実NOx濃度を検出し、減算器18に対し脱硝出口
NOx濃度信号eを出力するまでに時間が掛かる。この
ため脱硝出口NOx濃度信号と脱硝出口NOx設定値と
のフィードバック制御を行っても、信号が遅れているた
め、的確な還元物質流量を注入できず、排出NOx量の
オーバーシュートが大きくなる。また脱硝反応は、時定
数が大きく、還元物質を注入しても脱硝出口NOxが変
化するまでに数分から数十分もの時間が掛かると言う問
題があった。このため、フィードバック制御のみだけで
は規制値内に制御できないため、フィードフォワード制
御をつけ加え、フィードバック制御の応答の遅さを補っ
ている。
【0012】すなわち、フィードフォワード制御系にお
いて、ガスタービンの状態量、例えばコンプレッサ1の
空気流量、燃焼器8への燃料流量等を検出するガスター
ビン状態量検出手段19からガスタービン状態量信号を
検出し、フィードフォワード制御演算器25から、移動
時間平均値制御出力信号(フィードフォワード分)mと
して前記加算器23に出力を行う。加算器23では1次
フィードバック制御系の出力、すなわち還元物質流量目
標信号gと移動時間平均値制御出力(フィードフォワー
ド分)mの加算が行われ、還元物質流量指令信号nが求
められる。フィードバック制御の遅れをフィードフォワ
ード制御にて、改善している。この還元物質流量指令信
号nが、2次フィードバック制御系の目標値として、減
算器26に出力される。以上により、脱硝出口NOx流
量移動時間平均信号kと移動時間平均値制御設定値aが
等しくなる様な還元物質の流量、すなわち還元物質流量
指令信号nが求められる。
【0013】また、還元物質流量検出手段27では還元
物質の実流量を検出し、還元物質実流量信号oが減算器
26に出力され、減算器26では還元物質実流量信号o
と前記還元物質流量指令信号nの偏差が求められ、偏差
信号pがフィードバック補償演算器28に出力される。
フィードバック補償演算器28ではこの偏差信号pがゼ
ロとなる様に還元物資流量調節器29へ操作信号qを出
力し、還元物質流量調節弁14を操作する。なおこのフ
ィードバック補償演算器28はいわゆるPID演算器で
も良い。このようにする理由は、NOx制御に比べて、
還元物質流量制御の時定数が早いためである。以上によ
り、1次フィードバック制御系により求められた還元物
質流量指令信号nと還元物質実流量信号oが等しくなる
様に還元物質流量調節弁14が制御され、脱硝出口NO
x流量移動時間平均と制御設定値が等しくなる様に制御
される事になり、プラントから排出されるNOxが規制
値以下に抑えられる。
【0014】ところで、コンバインドサイクル発電プラ
ントおよびGT発電プラント1台からなるものを1ユニ
ットと呼ぶ。コンバインドサイクル発電プラントやガス
タービン発電プラントは数ユニットずつのグループ毎に
取扱われる事が多い。例えば発電要求量や排出力規制値
などは1グループ当りの数値が問題となる。このグルー
プを系列と呼ぶ。ガスタービン起動中/停止中は排気ガ
ス温度が脱硝反応プロセスに必要な温度より低いため脱
硝制御が不可能な状態である。そこでグループ内に起動
停止中のユニットがある場合それ以外のユニットの排出
NOx量を減らしておけばグループ全体のNOx排出量
を規定値以下に抑える事が出来る。このようにグループ
全体の脱硝制御を行う制御装置を系列脱硝制御装置と呼
ぶ。
【0015】系列脱硝制御としては、特公昭63−62
251号等が知られている。図15は、系列脱硝制御装
置の従来の機能を示す図であって、1次フィードバック
制御系において、信号発生器31には、系列脱硝制御装
置の制御設定値である系列脱硝出口NOx流量移動時間
平均設定値が設定されており、その移動時間平均値制御
設定値aとして、減算器32に出力される。第1軸脱硝
出口NOx濃度検出手段33では、脱硝出口排ガス中の
実NOx濃度を検出し、第1軸乗算器34に出力する。
第1軸排ガス流量演算手段35では、ガスタービンの状
態量、例えばコンプレッサ1の空気流量、燃焼器8への
燃料流量等を検出するガスタービン状態量検出手段36
からのガスタービン状態量信号hにより、ガスタービン
排ガス流量の計算を行い、第1軸ガスタービン排ガス流
量信号として第1軸乗算器34に出力を行う。第1軸乗
算器34では、第1軸排ガス流量と第1軸排ガスNOx
濃度から、第1軸NOx流量sを算出し、第1軸移動時
間平均演算器37に出力する。第1軸移動時間平均演算
器37では第1軸移動時間平均値uを算出するための計
算を行う。すなわち、入力した流量を蓄積し、一定の時
間分保存し加算平均する事により、第1軸移動時間平均
値uを算出する。同様に第n軸についても、第n軸脱硝
出口NOx濃度検出手段38、第n軸乗算器39、第n
軸排ガス流量演算手段40、ガスタービン状態量検出手
段40aから第n軸NOx流量tを算出し、第n軸移動
時間平均演算器41を用い、第n軸移動時間平均値vを
算出する。系列としての移動時間平均信号wは、加算器
42により、第1軸から第n軸までの系列脱硝出口NO
x流量移動時間平均信号より算出され、減算器32に出
力される。減算器32では、移動時間平均値制御設定値
aと系列脱硝出口NOx流量移動時間平均信号wの偏差
を求め、フィードバック補償演算器43へその偏差信号
xを出力する。フィードバック補償演算器43ではこの
偏差信号xにより系列移動時間平均制御出力信号yが求
められ除算器44に出力される。なおこのフィードバッ
ク補償演算器43はいわゆるPID演算器でも良い。除
算器44では、系列脱硝制御自動軸数で除算し、各軸脱
硝制御設定信号zを算出する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この制
御には以下のような問題がある。制御対象は移動時間平
均値であるが、(1)式に示すように、移動時間平均信
号は、時間平均する時間分だけ遅れた信号を用いるた
め、結果的に流量の移動時間平均も遅れる事になる。言
替えれば、移動時間平均制御は今からでは変えようのな
い過去の出力を足し合わせた出力を見て制御しようとす
るもので制御入力が変ってもその結果が表れるまでに時
間が掛かるので制御するのが難しい。
【0017】またフィードフォワード制御はプラントの
応答を考慮して行うために、近年のコンバインドサイク
ル発電プラントやガスタービンシンプルサイクル発電プ
ラント等の広い運用負荷、プラント系統の複雑化に対し
て、フィードフォワード制御によって全ての範囲をカバ
ーし、規制値を満足する事は難しくなってきている。こ
のためフィードフォワード制御を加えても、規制値を満
足することは難しい。
【0018】図16(a)に従来制御を適用した制御系
での外乱応答結果を示す。現地点で何らかの外乱を受け
たとすると、脱硝出口NOx流量信号jは瞬時に外乱の
影響により変動する。移動時間平均値kは、この瞬時値
を用いて、(1)式に基づいて算出するので、結果的に
は外乱の影響は、1/(移動時間サンプル数)となり、
徐々にしか影響は表れない。結果として、この制御では
この外乱に対して、補償が遅れてしまい、外乱の影響は
移動時間平均値と設定値との偏差として大きく長く残っ
てしまう。これに対応しようとすると、制御パラメータ
ーを上げる事になるが、移動時間平均制御はむだ時間系
であるため、制御性が悪く、制御パラメーターを上げる
事は結果的に、オーバーシュートが生じやすくし、また
安定性が損われるという問題が生じる。
【0019】また図16(b)は従来制御を適用した制
御系での目標値応答結果を示す。移動時間平均値制御設
定値aをステップ状に変更したとすると、この設定値変
更に対して、移動時間平均値kは、1/(移動時間サン
プル数)となるため、設定値変動に対しての偏差はこの
移動時間平均分だけ残り続ける。制御としてみると偏差
信号fが長く残るために補償動作も相対的に遅く実施す
る必要があるため、補償が遅れてしまう。これに対応し
ようとすると、外乱応答と同様に制御パラメーターを上
げる事になるが、移動時間平均制御はむだ時間系である
ため、制御性が良くなく、制御パラメーターを上げる事
は結果的に、オーバーシュートを生じやすくし、また安
定性が損われるという問題が生じる。
【0020】以上述べたように、流量移動時間平均信号
と設定値とのフィードバック制御を行い、還元物質流量
目標信号gを出力しても、過去の1時間前の信号が遅れ
ているため、この時に還元物質を注入しても、1時間前
のプロセスには影響しないので、結果的に、的確な還元
物質流量を注入できず、オーバーシュートが大きくな
る。また、制御性が悪いため、よけいな還元物質を注入
する事になり、経済性に優れないという欠点があった。
また、今後規制が強化され、規制の方法自体も複雑とな
り、規制対象も未反応還元物質も含む傾向があるため、
これらの規制に対処できないという欠点があった。
【0021】これは移動時間平均制御を行う系列脱硝制
御についても同様な問題である。
【0022】本発明は、前述の従来技術の欠点を克服す
るためになされたもので、コンバンドサイクル発電プラ
ント及びガスタービン発電プラントにおいて、起動・停
止過程及び負荷変化時の急激なプロセス状態の変化に追
従が可能であり、更に種々の規制に対処可能な脱硝制御
を行い、経済性及び安全性に優れた運転を可能とし得る
脱硝制御装置を得ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】コンバインドサイクル発
電プラントまたはガスタービン発電プラントの脱硝制御
装置において、脱硝出口のNO或はNHの流量又は
濃度の移動時間平均値制御設定値と上記NO或はNH
の実流量又は実濃度信号の移動時間平均値との偏差か
らなる移動時間平均値制御出力に、ガスタービンの状態
量に対応するフィードフォワード信号を加算した移動時
間平均値制御出力値を、瞬時値制御の設定信号として出
力する設定装置と、その設定信号とNO或はNH
実流量又は実濃度信号との差によって還元物質流量指令
信号を出力する演算装置、還元物質実流量信号と還元物
質流量指令信号との差によって還元物質流量調節弁の操
作信号を出力演算装置とを有することを特徴とする。
【0024】
【作用】移動時間平均制御を行うにあたって、瞬時値制
御と組合わせて、制御に使用することが出来るので種々
の規制を満足し、最適な還元物質の注入を行う事がで
き、制御性を向上する事ができ、またむだな還元物質の
注入を防ぐ事ができ、経済性を向上する事ができる。
【0025】
【実施例1】以下、本発明の実施例1を図1、2に従っ
て説明する。図1は本発明による脱硝制御装置を示す図
であり、図2は本発明の特性を示す図である。尚、従来
の技術で参照した図面と同一要素は同一符号で示し、説
明は省略する。
【0026】移動時間平均制御を行う1次フィードバッ
ク制御系は従来と同等である。本制御装置の制御設定値
である脱硝出口NOx流量移動時間平均設定値が信号発
生器15に設定されており、ガスタービン状態量検出手
段19から排ガス流量演算手段20により、ガスタービ
ン排ガス流量の計算を行い、脱硝出口NOx濃度検出手
段17と乗算器18を用い、NOx流量が算出される。
移動時間平均演算器21では移動時間平均が算出され
る。減算器16では、移動時間平均値制御設定値aと脱
硝出口NOx流量移動時間平均値kの偏差を求め、フィ
ードバック補償演算器22へその偏差信号fが出力され
る。フィードバック補償演算器22ではこの偏差信号f
により、移動時間平均制御出力(フィードバック分)g
を求め、加算器23に出力する。
【0027】フィードフォワード制御系において、ガス
タービンの状態量、例えばコンプレッサ1の空気流量、
燃焼器8への燃料流量等を検出するガスタービン状態量
検出手段19からガスタービン状態量信号を検出し、フ
ィードフォワード制御演算器25では、移動時間平均制
御出力信号(フィードフォワード分)が求められ、加算
器23に出力される。加算器23では移動時間平均制御
出力(フィードバック分)gと移動時間平均制御出力信
号(フィードフォワード分)mとが加算され、移動時間
平均出力値cが瞬時値制御設定値として求められる。以
上により、脱硝出口NOx流量移動時間平均値kと移動
時間平均値制御設定値信号aが等しくなる様な瞬時値制
御設定値が与えられる。
【0028】このようにして得られた移動時間平均制御
出力値cが2次フィードバック制御系において瞬時値制
御の脱硝出口NOx流量設定値として減算器45に出力
される。
【0029】一方、ガスタービン状態量検出手段19か
らのガスタービン状態量信号hにより、排ガス流量演算
手段20でガスタービン排ガス流量の計算が行われ、ガ
スタービン排ガス流量信号iとして、乗算器18に出力
され、脱硝出口NOx濃度検出手段17で検出された脱
硝出口排ガス中の実NOx濃度とから、NOx流量が算
出され減算器45に出力される。この減算器45では、
移動時間平均制御出力値cと脱硝出口NOx流量の偏差
が求められ、フィードバック補償演算器46へその偏差
信号rが出力される。フィードバック補償演算器46で
はこの偏差信号rにより還元物質流量指令信号nが求め
られる。以上により、脱硝出口NOx流量信号jと移動
時間平均制御出力cからの瞬時値制御設定値信号が等し
くなる様な、還元物質の流量、すなわち還元物質流量指
令信号nが求められる。
【0030】他方、還元物質流量検出手段27で検出さ
れた還元物質実流量信号oは減算器26に出力され、そ
の減算器26で上記還元物質実流量信号oと前記還元物
質流量指令信号nとの偏差が求められ、偏差信号pがフ
ィードバック補償演算器28に出力され、フィードバッ
ク補償演算器28ではこの偏差信号pがゼロとなる様に
還元物質流量調節器29へ操作信号qを出力し、還元物
質流量調節弁14を操作する。
【0031】このような構成にする事により、本発明で
は従来制御の欠点であった問題を解決できる。すなわ
ち、制御目標は移動時間平均値を規制値に収める事であ
るが、前述のように、移動時間平均信号は、時間平均す
る時間分だけ遅れた信号を用いるため、結果的に流量の
移動時間平均も遅れる事になり、その結果が表れるまで
に時間が掛かるので制御するのが難しく、フィードフォ
ワード制御を加えても、規制値を満足することは難し
い。しかしながら本特許では、この移動時間平均値に加
え、瞬時値制御を組合わせるようにしたので、これらの
遅れを補償でき、制御規制値内に収める事が可能とな
る。以下に外乱/設定値変更を受けた場合の本発明を用
いた場合の応答を図2(a)、(b)を用いて説明す
る。
【0032】図2(a)に本発明による制御を適用した
制御系での外乱応答結果を示す。なんらかの外乱を受け
たとすると、脱硝出口NOx流量信号jは瞬時に外乱の
影響により変動する。移動時間平均値kは、この瞬時値
を用いて、(1)式に基づいて算出されるので、結果的
には外乱の影響は、1/(移動時間サンプル数)とな
り、徐々にしか影響は表れない。本発明では瞬時値によ
る制御を行っているので、外乱の影響による脱硝出口N
Ox流量信号jの変動を検出し、移動時間平均値制御出
力cからの瞬時値制御設定値信号と比較し、この偏差r
をフィードバック補償演算器46により補償動作を行
い、還元物質流量指令信号nを算出し、還元物質を注入
することができる。瞬時値制御では、外乱に対して、短
時間で補償することができ、瞬時値制御により移動時間
平均値への外乱の影響は小さくなる。また、制御パラメ
ーターも移動時間平均制御に関するものと瞬時値制御に
関するものを独立して設定できるので、瞬時値制御では
制御パラメーターを大きめにして、制御性を改善し、移
動時間平均制御ではむだ時間系に適した制御パラメータ
ーを設定し、安定性を確保する事が可能である。また図
2(b)に本発明による制御を適用した制御系での目標
値応答結果を示す。移動時間平均値制御設定値aをステ
ップ状に変更したとすると、この設定値変更に対して、
移動時間平均値kは、1/(移動時間サンプル数)とな
るため、設定値変動に対しての偏差信号fはこの移動時
間平均分だけ残り続ける。制御としてみると制御偏差が
長く残るために補償動作も相対的に遅く実施する必要が
あるが、本発明では、移動時間平均制御により、瞬時値
制御の設定値を算出しているために、制御性能を独立に
設定する事ができ、瞬時値制御の応答性を早める事が可
能となり、結果的に移動時間平均制御の応答性も早める
事ができる。また瞬時値制御のプロセスゲインの変動や
その他の非線形性も、移動時間平均制御に影響を与え
ず、この系内で吸収できる。
【0033】このように、移動時間平均制御の出力に基
づいて、瞬時値制御の設定値を算出し、瞬時値を制御す
る事になるため、制御されるプロセス量は移動時間平均
値のように遅れる事なく計測し、プラントのNOx濃度
変化を瞬時に捕まえる事が可能になるので、規制を満足
し、かつプラントの起動、停止過程及び負荷変化時を含
めた様々な運転点に対して、最適な還元物質流量を注入
する事ができる。またこのとき最適な還元物質流量を注
入する事が出来るので、未反応還元物質に対する規制を
満足する事ができ、還元物質がプラント運転上、危険な
量以上注入されない様に還元物質の注入量の指令値に対
し制限を行い、プラントを安全に運転する事ができる。
【0034】すなわち、本実施例においては下記のよう
な効果がある。
【0035】1) 瞬時値制御で生ずる外乱は、それが
移動時間平均制御に影響が表れる前に、瞬時値制御で抑
えられる。
【0036】2) 移動時間平均制御の目標値維持に必
要な操作量を瞬時値設定値と言う形で正確に設定でき
る。
【0037】3) 移動時間平均制御と瞬時値制御の制
御パラメーターを独立して設定できるので、瞬時値制御
の応答速度を高め、これにより移動時間平均制御の応答
性も改善される。
【0038】4) 瞬時値制御のプロセスゲインの変動
やその他の非線形性もこの系内で吸収できる。
【0039】以上の効果により、種々の規制に対処がで
き、更に最適な還元物質を注入する事により、安全かつ
経済的なプラントの運用を可能とするコンバインドサイ
クル発電プラントまたはガスタービン発電プラントの脱
硝制御装置を得る事ができる。
【0040】尚、上記実施例においては、制御設定値及
び規制値が、瞬時値の代りに短時間の移動時間平均値を
用いる場合でも、同等の効果がある。たとえば1時間の
移動時間平均値と5分間の移動時間平均値を規制値とし
た場合に、5分は1時間に比べ短時間であり、5分間の
移動時間平均を先の瞬時値と同様に扱うことにより、1
時間の移動時間平均値の制御性を同様に向上することが
できる。以上より瞬時値のかわりに短時間の移動時間平
均にたいしても適用できる。また移動時間平均制御を表
す信号として、NOx流量・NOx濃度・NH3 流量、
NH3 濃度の少なくとも1つを用い、瞬時値制御を表す
信号として、NOx流量、NOx濃度・NH3 流量・N
3 濃度の少なくとも1つを用いる場合に対しても適用
できる。
【0041】
【実施例2】図3は第2の実施例を示すものであって、
実施例1と異なり、瞬時値制御設定値を別に設定する信
号発生器と、その設定値を移動時間平均制御の出力によ
り制限する制限器とを有する。
【0042】信号発生器47には、本制御装置の制御設
定値である脱硝流量瞬時値設定値が設定されており、こ
の設定値信号が制限器48に入力されるようにしてあ
る。この制限器48には、前記移動時間平均制御出力信
号cも入力されており、瞬時値制御設定値は、この制限
器により値を制限され、制御設定値信号となり、減算器
45に出力される。減算器以降は実施例1と同様に、制
御される。移動時間平均値が維持できない場合には、瞬
時値制御設定値が、移動時間平均制御出力により制限さ
れるので、移動時間平均値を満足する事が出来る。移動
時間平均値が維持できる場合には、瞬時値制御設定値
が、移動時間平均制御出力により制限されないので、瞬
時値を満足する事が出来る。
【0043】これにより、実施例1と比較して、瞬時値
制御設定値を制御しながら、移動時間平均制御も制限値
以内に収める事が可能となり、精度の良い正確な制御が
可能となる。
【0044】
【実施例3】図4は第3の実施例を示す図であり、本実
施例では、実施例2が、制限器にて移動時間平均制御の
出力を用いていたが、これを低値選択器49で置換える
事により、瞬時値制御と移動時間平均制御のどちらか小
さい値を制御設定値として用いるので、更にプラントの
状態変動に対する精度と追従性の改善を行うことができ
る。
【0045】すなわち、瞬時値制御系において、信号発
生器47には、本制御装置の制御設定値である脱硝流量
瞬時値設定値が設定されており、これが低値選択器49
に入力されている。この低値選択器49には上位の移動
時間平均制御からの出力も入力されている。瞬時値制御
設定値は、この選択器により移動時間平均と瞬時値制御
の小さい値を選択する。これは、移動時間平均値と瞬時
値制御の値のより厳しい方を選択する事になり、どちら
の規制値も満足できる事になる。なおこの低値選択器は
低値優先器でも良い。この値は制御設定値信号となり、
減算器45に出力される。減算器以降は実施例3と同様
に、制御される。移動時間平均値が維持できない場合に
は、瞬時値制御設定値より、移動時間平均制御出力が低
くなるので、移動時間平均値を満足する事が出来る。移
動時間平均値が維持できる場合には、瞬時値制御設定値
が、移動時間平均制御出力より小さくなるので、瞬時値
を満足する事が出来る。このように、図3と同等以上
に、より制御性の良い制御が得られ、規制を満足し、か
つプラントの起動、停止過程及び負荷変化時において、
最適な還元物質流量を注入する事ができる。
【0046】しかして、制御設定値を瞬時値設定値と移
動時間平均の小さい(厳しい)ほうから設定する事が可
能になるので、起動停止時を含むあらゆる運転点で、規
制を満足しかつ、プラントの起動、停止過程及び負荷変
化時において、最適な還元物質流量を注入する事ができ
る。
【0047】
【実施例4】図5は第4の実施例を示す図であって、本
実施例は、実施例2と異なり、設定値を与えるのではな
く、出力にて制限するよう、移動時間平均制御出力によ
る瞬時値制御出力の制限器50が設けられている。
【0048】瞬時値制御系において、信号発生器47に
は、本制御装置の制御設定値である脱硝流量瞬時値設定
値が設定されており、これが減算器45に入力されてい
る。減算器45では、瞬時値制御設定値信号dと脱硝出
口NOx流量信号jとの偏差を求め、フィードバック補
償演算器46へその偏差信号rを出力する。フィードバ
ック補償演算器46ではこの偏差信号rにより瞬時値制
御出力lが求められ制限器50に出力される。移動時間
平均値制御は、同様に制御演算されて、制御出力を出力
し、制限器50により移動時間平均制御出力を制限し制
御出力信号となる。以上により、脱硝出口移動時間平均
制御が厳しい場合にはその信号が、そうでない場合に
は、瞬時値制御の出力信号が、還元物質流量設定値信号
として与えられる。還元物質流量フィードバック制御系
は等しい。
【0049】しかして、実施例1と同等、または制御出
力による確実な制御を行うことで、規制を満足しかつ、
プラントの起動、停止過程及び負荷変化時において、最
適な還元物質流量を注入する事ができる。
【0050】
【実施例5】図6に実施例5を示す。本実施例は実施例
4と異なり、制限値を与えるのではなく、出力にて選択
若しくは優先するよう、移動時間平均制御出力による瞬
時値制御出力の高値選択器51が設けられている。すな
わち、瞬時値制御と、移動時間平均値制御は、同様に制
御演算されて、制御出力を出力し、高値選択器51によ
り移動時間平均制御出力と瞬時値制御出力の大きい方を
選択し、制御出力信号となる。なお高値選択器51は高
値優先器でも良い。よって、脱硝出口移動時間平均制御
が厳しい場合にはその信号が、そうでない場合には、瞬
時値制御の出力信号が、還元物質流量設定値信号として
与えられる。還元物質流量フィードバック制御系は等し
い。この場合、実施例4と比べ、移動時間平均制御と瞬
時値制御の厳しい方を同時に制御できる事になるため、
実質的な、精度の良い正確な制御が可能となる。
【0051】
【実施例6】図7はさらに他の実施例を示す図であり、
図15に示した系列脱硝制御に対して、図1に示したも
のと同様に、移動時間平均制御出力から瞬時値制御設定
値を算出するものである。
【0052】瞬時値制御を行うための瞬時値の系列値を
算出する加算器52、設定値と比較する減算器53、減
算器53の偏差信号に基づき補償するフィードバック補
償演算器54から構成される。
【0053】1次フィードバック制御系において、信号
発生器31には、系列脱硝制御装置の制御設定値である
系列脱硝出口NOx流量移動時間平均設定値が設定され
ており、その移動時間平均値制御設定値aとして、減算
器32に出力される。第1軸脱硝出口NOx濃度検出手
段33では、脱硝出口排ガス中の実NOx濃度を検出
し、第1軸乗算器34に出力する。第1軸排ガス流量演
算手段35では、ガスタービンの状態量、例えばコンプ
レッサ1の空気流量、燃焼器8への燃料流量等を検出す
るガスタービン状態量検出手段36からのガスタービン
状態量信号により、ガスタービン排ガス流量の計算を行
い、第1軸ガスタービン排ガス流量信号として第1軸乗
算器34に出力を行う。第1軸乗算器34では、第1軸
排ガス流量と第1軸排ガスNOx濃度から、第1軸NO
x流量sを算出し第1軸移動時間平均演算器37に出力
する。第1軸移動時間平均演算器37では第1軸移動時
間平均値uを算出するための計算を行う。すなわち、入
力した流量を蓄積し、一定の時間分保存し加算平均する
事により、第1軸移動時間平均値uを算出する。同様に
第n軸についても、第n軸脱硝出口NOx濃度検出手段
38、第n軸乗算器39、第n軸排ガス流量演算手段4
0、ガスタービン状態量検出手段40aを用い第n軸N
Ox流量tを算出し、第n軸移動時間平均演算器41を
用い、第n軸移動時間平均値vを算出する。
【0054】系列としての移動時間平均は加算器42に
より、第1軸から第n軸までの系列脱硝出口NOx流量
移動時間平均信号値wより算出され、減算器32に出力
する。減算器32では、系列の移動時間平均値制御設定
値aと系列脱硝出口NOx流量移動時間平均値信号wの
偏差を求め、フィードバック補償演算器43へ、その偏
差信号xを出力する。フィードバック補償演算器43で
は、この偏差信号xにより系列移動時間平均制御出力信
号yが求められる。以上により、系列脱硝出口NOx流
量移動時間平均信号wと系列の移動時間平均値制御設定
値eが等しくなる様な系列瞬時値制御設定値yが与えら
れる。
【0055】2次フィードバック制御系において、上位
の系列移動時間平均制御出力信号yから与えられた制御
設定値が設定されており、減算器53に出力される。減
算器53では、この制御設定値信号と系列瞬時値脱硝出
口NOx流量αとの偏差が求められ、フィードバック補
償演算器54へその偏差信号βが出力される。フィード
バック補償演算器54ではこの偏差信号βにより系列瞬
時値補償信号γが求められ、除算器44に出力される。
除算器44では、系列脱硝制御自動軸数で除算し、各軸
脱硝制御への制御設定値zが算出される。以上により、
系列瞬時値脱硝出口NOx流量信号αと系列移動時間平
均制御出力信号yからの設定値が等しくなる様な、各軸
脱硝制御の制御設定値、すなわち各軸脱硝制御設定値信
号zが求められる。
【0056】このように、移動時間平均制御の出力に基
づいて、瞬時値制御の設定値を算出し、瞬時値を制御す
る事になるため、制御されるプロセス量は移動時間平均
値のように遅れる事なく、計測され、制御する事が出来
るので、プラントのNOx濃度変化を瞬時に捕まえる事
が可能になるので、規制を満足し、かつプラントの起
動、停止過程及び負荷変化時を含めた様々な運転点に対
して、最適な各軸の脱硝制御設定値を算出する事ができ
る。
【0057】
【実施例7】図8は、第7の実施例を示す図であり、実
施例6と異なり、瞬時値制御設定値を別に設定する信号
発生器55と、その設定値を移動時間平均制御の出力に
より制限する制限器56が設けられている。
【0058】しかして、信号発生器55には、本制御装
置の瞬時値制御設定値dである脱硝流量瞬時値設定値が
設定されている。上位の移動時間平均制御からの出力は
制限値として制限器56に入力される。上記瞬時値制御
設定値は、この制限器56により値を制限され、制御設
定値信号となり、減算器53に出力される。減算器53
以降は実施例6と同様に制御される。移動時間平均値が
維持できない場合には、瞬時値制御設定値が、移動時間
平均制御出力により制限されるので、移動時間平均値を
満足する事が出来る。移動時間平均値が維持できる場合
には、瞬時値制御設定値が、移動時間平均制御出力によ
り制限されないので、瞬時値を満足する事が出来る。
【0059】これにより、実施例6と比較して、瞬時値
制御設定値を制御しながら、移動時間平均制御も制限値
以内に収める事が可能となり、精度の良い正確な制御が
可能となる。
【0060】
【実施例8】図9は第8の実施例を示す図であり、本実
施例では実施例7が、制限器にて移動時間平均制御の出
力を用いていたが、これを低値選択器57で置換える事
により、瞬時値制御と移動時間平均制御のどちらか厳し
い値を制御設定値として用いるので、更にプラントの状
態変動に対する精度と追従性の改善を行う。低値選択器
57は低値優先器でも良い。
【0061】
【実施例9】図10は第9の実施例を示し、実施例6と
異なり、設定値を与えるのではなく、出力にて制限する
よう、移動時間平均制御出力による瞬時値制御出力の制
限器58を設ける。これにより、図7の実施例6と異な
り、実際に出力する信号に基づき、制限するので、精度
の良い正確な制御が可能となる。すなわち、瞬時値制御
系において、信号発生器55には、本制御装置の制御設
定値である系列脱硝流量瞬時値設定値が設定されてい
る。減算器53では、系列の瞬時値制御設定値信号dと
系列脱硝出口NOx流量移動時間平均の偏差を求め、フ
ィードバック補償演算器54へその偏差信号を出力す
る。フィードバック補償演算器54ではこの偏差信号に
より還元物質流量目標信号が求められ、制限器58に出
力される。移動時間平均値制御は、同様に制御演算され
て、制御出力を出力し、制限器58により移動時間平均
制御出力を制限し制御出力信号となる。以上により、脱
硝出口移動時間平均制御が厳しい場合にはその信号が、
そうでない場合には、瞬時値制御の出力信号が、還元物
質流量設定値信号として与えられる。
【0062】
【実施例10】図11は他の実施例を示す図であり、実
施例9と異なり、制限値を与えるのではなく、出力にて
高値を選択するよう、移動時間平均制御出力による瞬時
値制御出力の高値選択器59を設ける。これにより、図
10の実施例9と異なり、実際に出力する信号に基づ
き、選択するので、精度の良い正確な制御が可能とな
る。すなわち、瞬時値制御出力と移動時間平均制御は、
同様に制御演算されて、制御出力を出力する。高値選択
器59により移動時間平均制御出力と瞬時値制御出力の
どちらか大きい方を選択し制御出力信号とする。なお高
値選択器59は高値優先器でも良い。以上により、脱硝
出口移動時間平均制御が厳しい場合にはその信号が、そ
うでない場合には、瞬時値制御の出力信号が、選択され
系列脱硝制御自動軸数で除算され、各軸脱硝制御設定値
となる。このように、図10と同等、または制御出力に
よる確実な制御を行うことで、規制を満足しかつ、プラ
ントの起動、停止過程及び負荷変化時において、最適
な、各軸脱硝制御設定値を算出する事ができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、コンバインドサイクル
発電プラントまたはガスタービン発電プラントの速いプ
ラント状態量の変化に対しても、NOxに対する規制値
または未反応還元物質に対する規制値、濃度による規制
値または流量による規制値、いずれの場合にも係わら
ず、規制値を満足し、かつ、濃度による制御設定値、流
量による制御設定値、かつ移動時間平均および瞬時値に
係わらず、プラントの状態量に最適な制御をおこなう事
ができるので、最適な還元物質の注入が可能となり、プ
ラント起動・停止過程及び負荷変化時の速いプラント状
態量の変化、追従可能であり、むだな還元物質を浪費す
る事がないので経済性に優れ、かつ安全にプラントの運
転を行う事ができる脱硝制御装置および系列脱硝制御装
置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す図。
【図2】(a)、(b)はそれぞれ本発明の特性を示す
図。
【図3】本発明の実施例2を示す図。
【図4】本発明の実施例3を示す図。
【図5】本発明の実施例4を示す図。
【図6】本発明の実施例5を示す図。
【図7】本発明の実施例6を示す図。
【図8】本発明の実施例7を示す図。
【図9】本発明の実施例8を示す図。
【図10】本発明の実施例9を示す図。
【図11】本発明の実施例10を示す図。
【図12】一軸型コンバインドサイクル発電プラントの
一例の構成を示す図。
【図13】ガスタービン発電プラントの一例の構成を示
す図。
【図14】従来の各軸脱硝制御を示す図。
【図15】従来の系列脱硝制御を示す図。
【図16】(a),(b)はそれぞれ従来制御での特性
を示す図。
【符号の説明】
14 還元物質流量調節弁 15 信号発生器 17 脱硝出口NOx濃度検出手段 18 乗算器 19 ガスタービン状態量検出手段 20 排ガス流量演算手段 21 移動時間平均演算器 22 フィードバック補償演算器 28 フィードバック補償演算器 46 フィードバック補償演算器 54 フィードバック補償演算器 25 フィードフォワード制御演算器 27 還元物質流量検出手段 29 還元物質流量調節器 45 減算器 47 信号発生器 55 信号発生器 48 制限器 49 低値選択器 57 低値選択器 50 制限器 56 制限器 51 高値選択器

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンバインドサイクル発電プラントまたは
    ガスタービン発電プラントの脱硝制御装置において、脱
    硝出口のNO或はNHの流量又は濃度の移動時間平
    均値制御設定値と上記NO或はNHの実流量又は実
    濃度信号の移動時間平均値との偏差からなる移動時間平
    均値制御出力に、ガスタービンの状態量に対応するフィ
    ードフォワード信号を加算した移動時間平均値制御出力
    値を、瞬時値制御の設定信号として出力する設定装置
    と、その設定信号とNO或はNHの実流量又は実濃
    度信号との差によって還元物質流量指令信号を出力する
    演算装置、還元物質実流量信号と還元物質流量指令信号
    との差によって還元物質流量調節弁の操作信号を出力演
    算装置とを有することを特徴とする、脱硝制御装置。
  2. 【請求項2】移動時間平均値制御出力値と瞬時値制御設
    定値発生器からの設定信号のいずれか一方を選択する選
    択器を有することを特徴とする、請求項1記載の脱硝制
    御装置。
  3. 【請求項3】瞬時値制御設定値発生器と、その設定値を
    移動時間平均値制御出力値によって制御する制限器とを
    有することを特徴とする、請求項1記載の脱硝制御装
    置。
  4. 【請求項4】瞬時値の代りに短時間の移動時間平均値を
    用いることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに
    記載の脱硝制御装置。
  5. 【請求項5】移動時間平均値及び瞬時値は、それぞれ系
    列移動時間平均値及び系列瞬時値であることを特徴とす
    る、請求項1乃至4のいずれかに記載の脱硝制御装置。
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