JP4669980B2 - 薄形リチウム二次電池 - Google Patents
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Description
本発明は、薄形リチウム二次電池に関するものであり、特に、電極又はセパレータに用いる電解質の改良に関するものである。
背景技術
近年、携帯電話、PHS、小型パーソナルコンピュータ等の携帯機器類については、エレクトロニクス技術の進展に伴って、小型化、軽量化が著しく進められている。そして、これらの携帯機器類に用いられる電源としての電池においても、小型化、軽量化が求められるようになってきている。
このような用途に期待できる電池の一つとしてリチウム電池が挙げられる。そして、既に実用化されているリチウム一次電池に加えて、リチウム二次電池の実用化、高容量化、及び長寿命化を図るための研究が進められている。
そのようなリチウム電池の主体は、液体電解質を用いた円筒形電池である。一方、リチウム一次電池においては、固体電解質を用い且つプリント技術を応用した製法によって、薄形電池も実用化されている。この技術を応用して、リチウム二次電池においても、薄形電池の実用化のための盛んな研究が行われている。
ところで、円筒形電池は、正極、負極、及びセパレータからなる極群を円筒形の電槽に挿入した後、液体電解液を注液するという方法で、作製される。これに対し、薄形リチウム二次電池は、電解液及び有機ポリマーによって構成された固体又はゲル状の電解質からなるセパレータを介して、正極と負極とを対向させるという方法で、作製される。そして、薄形リチウム二次電池においては、電解質を構成する有機ポリマー骨格を最適化することによって、電解質中のリチウム塩の解離及びリチウムイオンのイオン伝導度を保持して初期容量及びサイクル寿命を向上させるための研究が行われており、その有機ポリマー骨格の代表例としてポリエチレンオキサイド構造が知られている。しかし、ポリエチレンオキサイド構造を含んだ電解質を用いても、円筒形リチウム二次電池に匹敵する初期容量、ハイレート充放電性能、及びサイクル寿命を有する薄形リチウム二次電池を、未だに実用化できていない。
その原因としては、次の▲1▼〜▲4▼が挙げられる。
▲1▼円筒形電池では、液体電解質を用いるので、電解質中のイオン種の自由度が大きい。それ故、円筒形電池では、電解質中のリチウムイオンのイオン伝導度を、電池として作動するのに充分なレベルに保持することが、容易である。これに対し、薄形リチウム二次電池では、固体又はゲル状の電解質を用いるので、電解質中のイオン種の自由度が小さく、液体電解質を用いた円筒形電池に比較して電解質中のリチウムイオンのイオン伝導度が極端に低い。それ故、薄形リチウム二次電池では、円筒形リチウム二次電池に匹敵する性能を得ることは困難である。
▲2▼有機ポリマー骨格の代表例であるポリエチレンオキサイド構造は、電解液に対する親和性が高く、且つ、リチウムイオンを拘束する性質を有している。それ故、ポリエチレンオキサイド構造を含んだ電解質は、液保持性に優れてはいるが、特にハイレート充放電時において活物質に対する電解液及びリチウムイオンの供給を不足させて容量低下を生じさせる。
▲3▼電解液に対する親和性が低い構造を有する有機ポリマーは、リチウムイオンの拘束性が低い。そのため、該ポリマーを含んだ電解質では、活物質に対するリチウムイオンの供給が容易である。しかし、該ポリマーを含んだ電解質は、液保持性が悪く、電池系外への電解液の漏出を防止できず、電池系内の電解液を不足させて容量低下を発生させる原因となるため、単独で電解質として用いるのは困難である。
▲4▼円筒形電池では、極群を加圧することによって電解液の膨潤による活物質の電子的な孤立を抑制することが、容易である。これに対し、薄形電池では、正極と負極とを固体又はゲル状の電解質を介して対向させているので、電極を加圧することが困難である。
一方、従来から、薄形リチウム二次電池では、正極及び負極に混入させる結着剤を調製することによって、活物質の電子伝導性及びイオン伝導性を保持してサイクル寿命を向上させるための研究が行われている。
結着剤の第1の例としては、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマーが用いられている。この結着剤を用いた正極は、次のように作製される。即ち、結着剤を揮発性溶媒に溶解し、正極活物質、導電剤、及び電解質とともに混合して正極合剤を得、これを正極集電体に塗布した後、揮発性溶媒を蒸発させる。なお、負極についても同様である。
結着剤の第2の例としては、分子鎖末端に重合性官能基を有する有機モノマー、例えばポリエチレンオキサイドジアクリレート等が、用いられている。この結着剤を用いた正極は、次のように作製される。即ち、結着剤を電解液に溶解し、正極活物質及び導電剤とともに混合して正極合剤を得、これを正極集電体に塗布した後、結着剤である有機モノマーを重合させる。この正極では、有機モノマーを重合させることによって生成する固体又はゲル状の電解質がそのまま結着剤としても機能している。なお、負極についても同様である。
しかし、上記第1の例の結着剤を用いた薄形リチウム二次電池では、次のような問題があった。即ち、電池性能を電池として作動するのに充分なレベルに保持するためには、揮発性溶媒を完全に除去することが不可欠であるが、その一方では、電解質に含有されている可塑剤等の蒸発を防止しなければならない。それ故、製造上において困難な問題があった。
上記第2の例の結着剤を用いた薄形リチウム二次電池では、次のような問題があった。(i)有機ポリマーの骨格を形成するポリエチレンオキサイド構造が、電解液に対する親和性が高く、且つ、リチウムイオンを拘束する性質を有している。そのため、ポリエチレンオキサイド構造を含んだ電解質は、液保持性に優れてはいるが、特にハイレート充放電時において活物質に対する電解液及びリチウムイオンの供給を不足させて容量低下を生じさせる。(ii)ポリエチレンオキサイド構造を含んだ電解質は、電解液に対する膨濁度が大きい。そのため、該電解質を含んだ電極では、初期充電時に電解液によって電極合剤が膨潤し、電極中の活物質が電子的に孤立する。従って、サイクル進行と共に急激な容量低下が発生する。(iii)電解液に対する親和性が低い構造を有する有機ポリマーは、リチウムイオンの拘束性が低い。そのため、該ポリマーを含んだ電解質では、活物質に対するリチウムイオンの供給が容易である。しかし、該ポリマーを含んだ電解質は、液保持性が悪く、電池系外への電解液の漏出を防止できず、電池系内の電解液を不足させて容量低下を発生させる原因となるため、単独で電解質として用いるのは困難である。
発明の開示
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電極又はセパレータに用いる電解質におけるリチウムイオンのイオン伝導度を電池として作動するのに充分なレベルに保持でき、初期容量、ハイレート充放電性能、及びサイクル寿命がいずれも優れている、薄形リチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、セパレータを介して正極と負極とが対向している薄形リチウム二次電池において、正極、負極、及びセパレータの内の少なくとも一つが所定構造の電解質を含んでおり、上記所定構造の電解質は、電解液及び有機ポリマーによって構成されており、上記有機ポリマーが、分子鎖末端に重合性官能基を有する有機モノマーを重合してなるものであり、上記有機ポリマーが、その分子中に、第1の化学構造と第2の化学構造とを含んでおり、第1の化学構造は、エチレンオキサイド構造及びプロピレンオキサイド構造の内の少なくとも一方であり、第2の化学構造は、アルキル構造、フルオロアルキル構造、ベンゼン骨格、エーテル基、及びエステル基の内から選択される少なくとも1種であることを特徴としている。
上記「第1の化学構造」は電解液に対する親和性が高く、上記「第2の化学構造」は電解液に対する親和性が低い。そして、本発明では、電解質を構成する有機ポリマー中に、上記両化学構造を共存させているので、有機ポリマー中にて上記各化学構造がミクロに相分離し、電解質全体として、液保持性が保たれ且つリチウムイオンの移動を阻害しない状態が実現され、その結果、電解質において電池として作動するのに充分なレベルのイオン伝導度が得られる。従って、初期容量、ハイレート充放電性能、及びサイクル寿命がいずれも優れている薄形リチウム二次電池が得られる。
従って、本発明によれば、電極又はセパレータに用いる電解質のリチウムイオンのイオン伝導度を電池として作動するのに充分なレベルに保持でき、初期容量、ハイレート充放電性能、及びサイクル寿命がいずれも優れている、薄形リチウム二次電池を、得ることができる。
本発明においては、セパレータのみが上記所定構造の電解質を含んでいる場合、正極及び負極の少なくとも一方のみが上記所定構造の電解質を含んでいる場合が、主として挙げられるが、正極又は負極とセパレータとが上記所定構造の電解質を含んでいる場合や、正極、負極、及びセパレータの全てが上記所定構造の電解質を含んでいる場合も、挙げられる。従って、上記所定構造の電解質を任意の構成部材に含ませることができるので、製造の作業性を向上でき、また、コストの低減を図ることができる。
上記有機モノマーとしては、(a)その分子中に、上記第1の化学構造と上記第2の化学構造とを含んだもの、(b)上記第1の化学構造を含む有機モノマーと、上記第2の化学構造を含む有機モノマーとの混合物であるもの、(c)式(I)で示される化合物、式(II)で示される化合物、及び式(III)で示される化合物の内の2種以上の混合物であるもの、が挙げられる。具体的には、上記(a)の有機モノマーとしては、式(I)で示される化合物が挙げられる。なお、式(I)〜式(III)中のXはj価の連結基であり、例えば(IV)で示される構造が挙げられるが、これらに限定するものではない。従って、有機モノマーの選択の余地、ひいては本発明の利用可能性を増大できる。
上記有機ポリマーは、その分子中に、上記第1の化学構造を75重量%以下の割合で含んでいるものが、好ましい。特に、25〜60重量%であるのが好ましい。上記第1の化学構造が75重量%よりも多いと、有機ポリマー全体の性質が上記第1の化学構造の示す性質によって支配的となり、好ましくないからである。
上記有機ポリマーは、上記有機モノマーを電離性放射線の照射によって重合してなるものが好ましい。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の薄形リチウム二次電池の縦断面図である。図2は実施形態1の各電池の放電電流と放電容量との関係を示す図である。図3は実施形態1の各電池のサイクル数と放電容量との関係を示す図である。図4は実施形態2の各電池の放電電流と放電容量との関係を示す図である。図5は実施形態2の各電池のサイクル数と放電容量との関係を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
(実施形態1)
図1は本発明の薄形リチウム二次電池の縦断面図である。この電池では、セパレータ1を介して正極2と負極3とが対向している。正極2は正極合剤21がアルミ箔からなる正極集電体22に接合されて構成されており、負極3は負極合剤31が銅箔からなる負極集電体32に接合されて構成されている。正極合剤21、セパレータ1、及び負極合剤31からなる積層体の端部は接着剤4で封止されている。そして、本実施形態の電池では、セパレータ1を構成する電解質が改良されている。
正極合剤21は、正極活物質を主成分とし、電解液、導電剤、及び結着剤を含んでなるものである。正極活物質としてはコバルト酸リチウムを用いている。電解液は1モル/lのLiBF4をγ−ブチロラクトンに溶解してなるものである。結着剤としてはポリフッ化ビニリデンを用いている。
負極合剤31は、負極活物質を主成分とし、電解液及び結着剤を含んでなるものである。負極活物質としてはカーボンを用いている。電解液及び結着剤は、正極合剤21と同じである。
セパレータ1は電解質からなっており、該電解質は電解液及び有機ポリマーによって構成された固体又はゲル状のものである。有機ポリマーは、式(V)で示される有機モノマーを重合してなるものである。式(V)で示される有機モノマーは、分子鎖末端にアクリル基を有するアクリレートモノマーである。セパレータ1は、電解液と式(V)の有機モノマーとを混合し、該混合物を正極合剤21上に塗布し、電子線を照射して有機モノマーを重合させることにより、形成される。
こうして作製された容量10mAhの薄形リチウム二次電池を本発明電池Aとした。
有機モノマーとして式(VI)で示される化合物を用い、その他は本発明電池Aの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを本明電池Bとした。
有機モノマーとして式(VII)で示される化合物を用い、その他は本発明電池Aの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを本発明電池Cとした。
有機モノマーとして式(VIII)で示される化合物及び式(XI)で示される化合物の2種類を混合して用い、その他は本発明電池Aの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを本発明電池Dとした。なお、2種類の有機モノマーの混合比は、重量比で1:1とした。
有機モノマーとして式(IX)で示される化合物及び式(XI)で示される化合物の2種類を混合して用い、その他は本発明電池Aの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを本発明電池Eとした。なお、2種類の有機モノマーの混合比は、重量比で1:1とした。
有機モノマーとして式(X)で示される化合物及び式(XI)で示される化合物の2種類を混合して用い、その他は本発明電池Aの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを本発明電池Fとした。なお、2種類の有機モノマーの混合比は、重量比で1:1とした。
有機モノマーとして式(IX)で示される化合物を用い、その他は本発明電池Aの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを比較電池Gとした。
有機モノマーとして式(XI)で示される化合物を用い、その他は本発明電池Aの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを比較電池Hとした。
[イオン伝導度及び電解液浸出性]
本発明電池A〜F及び比較電池G,Hでそれぞれ用いた電解質の20℃におけるイオン伝導度は、表1に示す通りである。なお、電解液についても示した。また、本発明電池A〜F及び比較電池G,Hでそれぞれ用いた電解質の液保持性を評価して、その結果も表1に示した。その評価は、有機ポリマー形成後24時間放置した際の、有機ポリマーからの電解液の浸出の有無で判断した。
表1からわかるように、本発明電池A〜Fでそれぞれ用いた電解質のイオン伝導度は、電池として作動するのに充分なレベルのものであった。
[放電電流と放電容量の関係]
本発明電池A〜F及び比較電池G,Hについて、各種電流値で放電を行って、放電電流と放電容量との関係を求めた。その結果を図2に示す。なお、試験条件は、20℃の温度下で1mA(0.1CmA相当)の電流で終止電圧4.2Vまで充電した後、各種電流値で終止電圧2.7Vまで放電した。
図2からわかるように、放電電流1mAでは、本発明電池A〜F及び比較電池G,Hのいずれも、設計容量の約95〜100%の放電容量が得られた。しかし、放電電流5mAでは、本発明電池A〜Fでは設計容量の70〜90%の放電容量が得られたが、比較電池Gでは設計容量の60%程度の放電容量しか得られず、比較電池Hでは設計容量の50%程度の放電容量しか得られなかった。
この原因は、次のように考えられる。
比較電池Hでは、電解質中の有機ポリマーの分子内に「第1の化学構造」のみが大量に含まれている。「第1の化学構造」とは、エチレンオキサイド構造及びプロピレンオキサイド構造の少なくとも一方である。そして、該構造は、電解液と親和性が高く、且つ、リチウムイオンを拘束する性質を有している。そのため、充放電中のリチウムイオンの移動度が低く、放電レートが高くなった場合における正極活物質へのリチウムイオンの供給が十分ではなくなってしまう。従って、活物質中のリチウムイオンが不足して、特にハイレート放電時の容量低下が発生する。また、比較電池Gでは、電解質中の有機ポリマーの分子内に「第2の化学構造」が含まれている。「第2の化学構造」とは、アルキル構造、フルオロアルキル構造、ベンゼン骨格、エーテル基、及びエステル基の内から選択される少なくとも1種である。そして、エーテル基やエステル基は、電解液との親和性が比較的低く、且つ、リチウムイオンを拘束する性質を比較的持たないものであり、アルキル構造、フルオロアルキル構造、及びベンゼン骨格(例えばビスフェノール構造)は、電解液との親和性が更に低く、且つ、リチウムイオンを拘束する性質を持たないものである。ここでは、エステル基及びアルキル構造が含まれている。そのため、リチウムイオンの移動度は高いが、液保持性が悪い。従って、電池系内の電解液が不足して、特にハイレート放電時の容量低下が発生する。
これに対し、本発明電池A〜Fでは、電解質中の有機ポリマーの分子内に、「第1の化学構造」だけでなく「第2の化学構造」も含まれている。そのため、充放電中のリチウムイオンの移動度が比較的高く、放電レートが高くなった場合における正極活物質へのリチウムイオンの供給が十分に行われる。従って、活物質中のリチウムイオンが不足することはなく、容量低下は発生しない。
[サイクル数と放電容量の関係]
本発明電池A〜F及び比較電池G,Hについて、充放電サイクル試験を行い、サイクル数と放電容量との関係を求めた。その結果を図3に示す。なお、試験条件は、20℃の温度下で1mAの電流で終止電圧4.2Vまで充電した後、1mAの電流で終止電圧2.7Vまで放電した。
図3からわかるように、本発明電池A〜Fでは、充放電初期から設計容量の略100%の放電容量が得られ、更に、200サイクル経過後でも、若干の容量低下が見られるものの、設計容量の75%以上の放電容量が保持された。即ち、本発明電池A〜Fは電池として良好に作動することがわかる。一方、比較電池G,Hでは、充放電初期に設計容量の約95〜100%の放電容量が得られた。しかし、比較電池Gでは、サイクルの経過に伴って急激に容量が低下し、20サイクル目には設計容量の50%を下回った。また、比較電池Hでは、サイクルの経過に伴って徐々に容量が低下し、100サイクル目には設計容量の50%を下回った。
この原因は、次のように考えられる。
比較電池Gでは、電解質中の有機ポリマーの分子内に「第2の化学構造」であるエステル基及びアルキル構造が含まれているので、液保持性が悪い。そのため、電池系外へ電解液が漏れ出し、電池系内の電解液が不足して、急激に容量低下が発生する。また、比較電池Hでは、電解質中の有機ポリマーの分子内に「第1の化学構造」のみが大量に含まれているので、電解質の電解液に対する膨濁度が大きい。そのため、充放電時のリチウムイオンの移動による電解液の移動が起こる際に、電解質が徐々に電解液を拘束して膨潤し、両電極の活物質層から電解液が奪われる。従って、サイクルの進行に伴って活物質中の電解液が不足して容量低下が発生する。
これに対し、本発明電池A〜Fでは、電解質中の有機ポリマーの分子内に、「第1の化学構造」だけでなく「第2の化学構造」も含まれているため、電解液に対する膨潤度が比較的小さい。そのため、充放電時のリチウムイオンの移動による電解液の移動が起こっても、電解質が電解液を拘束しないので、サイクル進行後も活物質中に十分な電解液が保持される。従って、サイクル進行による容量低下が抑制される。
[有機モノマーの混合比とイオン伝導度・電解液浸出性]
本発明電池Dで用いた2種類の有機モノマー(式(VIII)及び式(XI))の混合比を各種設定し、その他は本発明電池Dと同じとして、薄形リチウム二次電池を作製した。そして、各電池について、20℃におけるイオン伝導度を求めるととも液保持性を表1の場合と同様に評価した。その結果を表2に示す。
表2からわかるように、「第1の化学構造」のみを含む式(XI)で示される有機モノマーの混合量が75重量%以下、特に60重量%以下であると、リチウムイオンの移動度が向上する。一方、該混合量が25重量%より少ないと、電解液の液保持性が少し悪くなる。従って、電解液との親和性が高い「第1の化学構造」の、有機ポリマー中における含有量は、75重量%以下であること、特に25重量%以上60重量%以下であること、が好ましい。
(実施形態2)
本実施形態の電池では、正極2及び負極3に含まれる電解質が改良されている。その他の基本的構成は、実施形態1と同じであり、図1に示す通りである。
正極合剤21は、正極活物質を主成分とし、電解液、導電剤、及び結着剤を含んでなるものである。正極活物質、電解液、及び導電剤は実施形態1と同じである。そして、結着剤として、式(VI)で示される有機モノマーを重合してなる有機ポリマーを用いている。式(VI)で示される有機モノマーは、分子鎖末端にアクリル基を有するアクリレートモノマーである。正極合剤21は、電解液と式(VI)で示される有機モノマーとの混合溶液をその他の正極合剤原料(正極活物質及び導電剤)と混合し、該混合物を正極集電体22上に塗布し、電子線を照射して有機モノマーを重合させることにより、形成される。従って、正極合剤21は、電解液及び有機ポリマーで構成された電解質を含んでいる。
負極合剤31は、負極活物質を主成分とし、電解液及び結着剤を含んでなるものである。負極活物質及び電解液は実施形態1と同じである。そして、結着剤は、正極合剤21と同じであり、式(VI)で示される有機モノマーを重合してなる有機ポリマーを用いている。従って、負極合剤31も、電解液及び有機ポリマーで構成された電解質を含んでいる。
セパレータ1は電解質からなっており、該電解質は電解液及び有機ポリマーによって構成された固体又はゲル状のものである。有機ポリマーは、式(XI)で示される有機モノマーを重合してなるものである。式(XI)で示される有機モノマーは、分子鎖末端にアクリル基を有するアクリレートモノマーである。セパレータ1は、電解液と式(XI)の有機モノマーとを混合し、該混合物を正極合剤21上に塗布し、電子線を照射して有機モノマーを重合させることにより、形成される。
こうして作製された容量10mAhの薄形リチウム二次電池を本発明電池Iとした。
正極合剤21及び負極合剤31において用いる有機モノマーとして、式(VIII)で示される化合物及び式(XI)で示される化合物の2種類を混合して用い、その他は本発明電池Iの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを本発明電池Jとした。なお、2種類の有機モノマーの混合比は、重量比で1:1とした。
正極合剤21において用いる有機モノマーとして、式(VIII)で示される化合物及び式(XI)で示される化合物の2種類を混合して用い、負極合剤31において用いる有機モノマーとして、式(VIII)で示される化合物のみを用い、その他は本発明電池Iの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを本発明電池Kとした。なお、2種類の有機モノマーの混合比は、重量比で1:1とした。
正極合剤21において用いる有機モノマーとして、式(VIII)で示される化合物のみを用い、負極合剤31において用いる有機モノマーとして、式(VIII)で示される化合物及び式(XI)で示される化合物の2種類を混合して用い、その他は本発明電池Iの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを本発明電池Lとした。なお、2種類の有機モノマーの混合比は、重量比で1:1とした。
正極合剤21及び負極合剤31において用いる有機モノマーとして、式(VIII)で示される化合物のみを用い、その他は本発明電池Iの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを本発明電池Mとした。
正極合剤21及び負極合剤31において用いる有機モノマーとして、式(XI)で示される化合物のみを用い、その他は本発明電池Iの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを比較電池Nとした。
正極合剤21及び負極合剤31において用いる有機モノマーとして、式(IX)で示される化合物のみを用い、その他は本発明電池Iの場合と同じにして、容量10mAhの薄形リチウム二次電池を作製し、これを比較電池Oとした。
[イオン伝導度及び電解液浸出性]
本発明電池I〜M及び比較電池N,Oにおいて正極及び負極でそれぞれ用いた電解質の20℃におけるイオン伝導度は、表3に示す通りである。また、本発明電池I〜M及び比較電池N,Oでそれぞれ用いた電解質の液保持性を評価して、その結果も表3に示した。その評価は、実施形態1と同様に行った。
表3からわかるように、本発明電池I〜Mの正極及び負極でそれぞれ用いた電解質のイオン伝導度は、電池として作動するのに充分なレベルのものであった。
[放電電流と放電容量の関係]
本発明電池I〜M及び比較電池N,Oについて、各種電流値で放電を行って、放電電流と放電容量との関係を求めた。その結果を図4に示す。なお、試験条件は、20℃の温度下で1mA(0.1CmA相当)の電流で終止電圧4.2Vまで充電した後、各種電流値で終止電圧2.7Vまで放電した。
図4からわかるように、放電電流1mAでは、本発明電池I〜M及び比較電池Oのいずれも、設計容量の約90〜100%の放電容量が得られたが、比較電池Nでは設計容量の20%程度の放電容量しか得られなかった。また、放電電流5mAでは、本発明電池I〜Lでは設計容量の70〜90%の放電容量が得られたが、比較電池Nでは放電容量が殆ど得られず、比較電池Oでは設計容量の60%程度の放電容量しか得られなかった。
この原因は、次のように考えられる。
比較電池Nでは、電極中の電解質を構成する有機ポリマーの分子内に「第1の化学構造」のみが大量に含まれている。「第1の化学構造」は実施形態1の場合と同じである。そして、該構造は、電解液と親和性が高く、且つ、リチウムイオンを拘束する性質を有している。そのため、電解液に対する電解質の膨潤度が大きく、初期充電時に電解液によって電極合剤が膨潤し、電極中の活物質が電子的に孤立する。更に、充放電中のリチウムイオンの移動度が低く、放電レートが高くなった場合における正極活物質へのリチウムイオンの供給が十分ではなくなってしまい、そのため、活物質中のリチウムイオンが不足して、特にハイレート放電時の容量低下が発生する。また、比較電池Oでは、電極中の電解質を構成する有機ポリマーの分子内に「第2の化学構造」であるエステル基及びアルキル構造が含まれている。そのため、リチウムイオンの移動度は高いが、液保持性が悪い。従って、電池系内の電解液が不足して、特にハイレート放電時の容量低下が発生する。
これに対し、本発明電池I〜Lでは、電極中の電解質を構成する有機ポリマーの分子内に、「第1の化学構造」だけでなく「第2の化学構造」も含まれている。「第2の化学構造」も実施形態1の場合と同じである。該構造の内、エーテル基やエステル基は、電解液との親和性が比較的低く、且つ、リチウムイオンを拘束する性質を比較的持たないものであり、アルキル構造、フルオロアルキル構造、及びベンゼン骨格(例えばビスフェノール構造)は、電解液との親和性が更に低く、且つ、リチウムイオンを拘束する性質を持たないものである。そのため、充放電中のリチウムイオンの移動度が比較的高く、放電レートが高くなった場合における正極活物質へのリチウムイオンの供給が十分に行われる。従って、活物質中のリチウムイオンが不足することはなく、容量低下は発生しない。なお、本発明電池Mでは、放電電流5mAで設計容量の50%程度の放電容量しか得られなかった。この原因は次のように考えられる。即ち、本発明電池Mでは、電極中の電解質を構成する有機ポリマーの分子内に、電解液との親和性が低いビスフェノール構造(「第2の化学構造」)が含まれているので、ポリエチレンオキサイド構造(「第1の化学構造」)が少量含まれているものの、液保持性が悪い。そのため、電池系内の電解液が不足して、特にハイレート放電時の容量低下が発生する。
[サイクル数と放電容量の関係]
本発明電池I〜M及び比較電池N,Oについて、充放電サイクル試験を行い、サイクル数と放電容量との関係を求めた。その結果を図5に示す。なお、試験条件は、20℃の温度下で1mAの電流で終止電圧4.2Vまで充電した後、1mAの電流で終止電圧2.7Vまで放電した。
図5からわかるように、本発明電池I〜Lでは、充放電初期から設計容量の略100%の放電容量が得られ、更に、200サイクル経過後でも、若干の容量低下が見られるものの、設計容量の75%以上の放電容量が保持された。即ち、本発明電池I〜Lは電池として良好に作動することがわかる。しかし、比較電池Nでは、充放電初期に設計容量の20%程度の放電容量しか得られず、3サイクル目には設計容量の10%を下回った。また、比較電池Oでは、充放電初期に設計容量の略90〜100%の放電容量が得られたが、サイクルの経過に伴って徐々に容量が低下し、50サイクル目には設計容量の50%を下回った。
この原因は、次のように考えられる。
比較電池Nでは、電極中の電解質を構成する有機ポリマーの分子内に「第1の化学構造」のみが大量に含まれているので、電解液に対する電解質の膨潤度が大きい。そのため、充放電時のリチウムイオンの移動による電解液の移動が起こる際に、電解質が徐々に電解液を拘束して膨潤し、更に活物質の膨張収縮のために電極合剤が膨潤する。従って、サイクルの進行に伴って急激な容量低下が発生する。また、比較電池Oでは、電極中の電解質を構成する有機ポリマーの分子内に「第2の化学構造」であるエステル基及びアルキル構造が含まれているので、リチウムイオンの移動度は高いものの、液保持性が悪い。そのため、電池系外へ電解液が漏れ出し、電池系内の電解液が不足して、急激に容量低下が発生する。
これに対し、本発明電池I〜Lでは、電極中の電解質を構成する有機ポリマーの分子内に、「第1の化学構造」だけでなく「第2の化学構造」も含まれているため、電解液に対する電解質の膨濁度が比較的小さい。そのため、充放電時のリチウムイオンの移動による電解液の移動が起こっても電解質が電解液を拘束することがなく、また、液保持性が適切に保たれるために電池系外への電解液の漏出が起こらない。従って、サイクル進行後も両電極の活物質中に十分な電解液が保持され、サイクル進行による容量低下が抑制される。なお、本発明電池Mでは、充放電初期に設計容量の約90〜100%の放電容量が得られたが、サイクルの経過に伴って徐々に容量が低下し、100サイクル目には設計容量の50%を下回った。この原因は次のように考えられる。即ち、本発明電池Mでは、電極中の電解質を構成する有機ポリマーの分子内に、電解液との親和性が低いビスフェノール構造(「第2の化学構造」)が含まれているので、ポリエチレンオキサイド構造(「第1の化学構造」)が少量含まれているものの、液保持性が悪い。そのため、電池系外へ電解液が漏れ出し、電池系内の電解液が不足して、急激に容量低下が発生する。
[有機モノマーの混合比とイオン伝導度・電解液浸出性]
本発明電池Jの両電極で用いた2種類の有機モノマー(式(VIII)及び式(XI))の混合比を各種設定し、その他は本発明電池Jと同じにして、薄形リチウム二次電池を作製した。そして、各電池について、20℃におけるイオン伝導度を求めるととも液保持性を表3の場合と同様に評価した。その結果を表4に示す。
表4からわかるように、「第1の化学構造」のみを含む式(XI)で示される有機モノマーの混合量が75重量%以下、特に60重量%以下であると、リチウムイオンの移動度が向上する。一方、該混合量が25重量%より少ないと、電極における電解液の液保持性が少し悪くなる。従って、電解液との親和性が高い「第1の化学構造」の、有機ポリマー中における含有量は、75重量%以下であること、特に25重量%以上60重量%以下であること、が好ましい。
(別の実施形態)
(1)本発明電池の電解質に含まれる有機ポリマーは「第1の化学構造」及び「第2の化学構造」を含んでおり、実施形態1,2では、「第1の化学構造」としてエチレンオキサイド構造のみを含む場合と、ニチレンオキサイド構造とプロピレンオキサイド構造とを共に含む場合とを、挙げているが、プロピレンオキサイド構造のみを含む場合を挙げてもよい。その場合でも、同様の効果が得られる。但し、プロピレンオキサイド構造は、エチレンオキサイド構造に比して、電解液との親和性及びリチウムイオンの拘束性が共に低いので、「第1の化学構造」としては、式(XI)で示されるようなエチレンオキサイド構造とプロピレンオキサイド構造とを共に含む化合物を用いるのが好ましい。
(2)実施形態1ではセパレータに含まれる電解質のみを、また、実施形態2では電極に含まれる電解質のみを、改良しているが、セパレータと一方の電極とに含まれる電解質を、更に、セパレータと両方の電極とに含まれる電解質を、改良してもよい。
産業上の利用の可能性
本発明は、電極又はセパレータに用いる電解質におけるリチウムイオンのイオン伝導度を電池として作動するのに充分なレベルに保持でき、初期容量、ハイレート充放電性能、及びサイクル寿命がいずれも優れている、薄形リチウム二次電池を、得ることができるので、電池業界において、産業上、大いに利用できるものである。
Claims (9)
- セパレータを介して正極と負極とが対向している薄形リチウム二次電池において、正極、負極、及びセパレータの内の少なくとも一つが所定構造の電解質を含んでおり、上記所定構造の電解質は、電解液及び有機ポリマーによって構成されており、上記有機ポリマーが、分子鎖末端に重合性官能基を有する有機モノマーを重合してなるものであり、上記有機ポリマーが、その分子中に、第1の化学構造と第2の化学構造とを含んでおり、第1の化学構造は、エチレンオキサイド構造及びプロピレンオキサイド構造の内の少なくとも一方であり、第2の化学構造は、アルキル構造、フルオロアルキル構造、ベンゼン骨格、エーテル基、及びエステル基の内から選択される少なくとも1種であることを特徴とする薄形リチウム二次電池。
- セパレータのみが上記所定構造の電解質を含んでいる請求項1記載の薄形リチウム二次電池。
- 正極及び負極の少なくとも一方のみが上記所定構造の電解質を含んでいる請求項1記載の薄形リチウム二次電池。
- 上記有機モノマーが、その分子中に、上記第1の化学構造と上記第2の化学構造とを含んだものである請求項1記載の薄形リチウム二次電池。
- 上記有機モノマーが、上記第1の化学構造を含む有機モノマーと、上記第2の化学構造を含む有機モノマーとの混合物である請求項1記載の薄形リチウム二次電池。
- 上記有機ポリマーが、その分子中に、上記第1の化学構造を75重量%以下の割合で含んでいる請求項1記載の薄形リチウム二次電池。
- 上記有機ポリマーが、上記有機モノマーを電離性放射線の照射によって重合してなるものである請求項1記載の薄形リチウム二次電池。
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