JP3212416B2 - 米飯の製造方法 - Google Patents

米飯の製造方法

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一郎 小松
亮 中北
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正徳 渡邊
公雄 広田
一磨 岡本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定加圧条件下で、加
圧加熱殺菌処理を行うことによって風味良好、且つ無菌
的な米飯を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気釜やガス釜等の一般に普及さ
れた炊飯器を使用する炊飯では、生米を洗米後、所定の
釜に充填し、適量の水を加えて蓋を閉鎖し、暫く吸水さ
せた後に加熱させる。
【0003】この際、加熱初期においては多量の水の中
を米粒が浮遊し、激しく上下に攪拌される。吸水が進
み、米粒の攪拌運動が徐々に抑制されていった後も、釜
の下部に溜まった水分が下方からの加熱によって水蒸気
に変化すると共に、釜の上部では比較的温度の低い米に
水蒸気が凝縮し、水滴となって下部へ移動する。
【0004】上記のように水分が上下に繰り返し対流移
動することによって、釜内での水分が均一化され、でき
あがった米飯は水分ムラがなく、非常に風味良好なもの
であった。
【0005】しかしながら、前記方法では、炊飯にかな
りの時間を要する上、商業的規模で食品衛生法に準じた
無菌的な米飯を供給する場合は不可能であるので、レト
ルト殺菌やマイクロ波等を用いた加圧加熱殺菌処理を行
う必要がある。
【0006】該加圧加熱殺菌処理による米飯の製造方法
における生米充填法では、米粒を水の存在下にて専用の
容器に充填し、加圧下で該容器を外部全体から、120
°C前後の水蒸気や熱水、或いはマイクロ波にて加圧加
熱することによって、米澱粉粒の水素結合を破壊し、澱
粉粒を膨潤させて糊化を促進させ炊飯米を得ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記方法で
は、周囲の温度分布が小さいために水分の激しい対流移
動が発生せず、そのため米粒は攪拌されることがなく、
該米粒の上下移動が見られない。
【0008】従って、容器下部に停留した水分が上方へ
移動することが殆どなく、下部の米粒は液中に浸かり続
け、上部の米粒へは充分な水分が供給されず、米粒全体
において水分ムラが顕著に生じる。
【0009】また、それに伴って、米飯のできあがり状
態においても上部は水不足のために硬く、逆に下部は水
分過剰のために糊状や餅状となって、上下部における米
飯の状態にバラツキが目立ち、米飯としての食感に満足
がいくものではなかった。
【0010】そこで、本発明では、前記問題点に鑑み、
所定容器内にて炊飯した際、その容器の上下部における
水分ムラを軽減し、通常の炊飯器等による炊飯と同等の
ふっくら感や食感が得られ、且つ商業的規模にて無菌的
な米飯の製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記目的を達
成するために、次の技術的手段を講じる。
【0012】即ち、米粒と炭酸水とを所定の閉鎖型包装
容器に充填した後、該容器を密封し、その後、加圧加熱
殺菌処理すると共に、炊飯することを特徴としている。
【0013】
【作用】本発明に係る米飯の製造方法では、米粒と、炭
酸ガスを溶解させた炭酸水を用いることにより、加圧加
熱殺菌中に、水分に溶解した炭酸ガスが発泡し、それに
よって加熱初期に米粒が攪拌され、吸水が進み、米粒の
攪拌運動が徐々に抑制されていっても、水分の対流状態
が継続されているので、容器の上下においても水分ムラ
が少なく、従って通常の炊飯器等による炊飯と同等の均
一なふっくら感や食感を得ることが可能である。
【0014】
【実施例】本発明に係る米飯の製造方法の一実施例を下
記に挙げる。先ず、米粒と炭酸ガスを溶解させた炭酸水
とをマイクロ波透過性の閉鎖型包装容器に充填した後、
該容器を密封し、その後、加圧条件を所定の内容物加熱
温度に準じて1.5〜2.5kg/cm2 に調節されたマ
イクロ波加熱装置内にて、マイクロ波照射処理を行うこ
とにより、殺菌処理が施された米飯を製造することがで
きる。前記内容物加熱温度条件としては、115〜12
5°Cで10〜30分間が例示できるが、特に限定はな
い。
【0015】また、加圧条件としては、内容物が突沸せ
ず、且つ包装容器の変形、或いは破裂を生じないよう調
節した上で、容器内の圧力と処理槽内圧との差圧を一定
範囲内に維持することが必要である。
【0016】尚、前記米飯製造方法としては、前記マイ
クロ波照射処理を行うことにより、殺菌処理を施す方法
を挙げたが、該方法に限定されることはなく、例えば、
蒸気や熱水等を用いた通常のレトルト殺菌、又はそれに
準じる加圧加熱殺菌処理等、どのような方法であっても
よい。
【0017】また、本発明に係る米粒としては特に限定
されず、例えば精白米、七分搗き米、半搗き米、玄米、
胚芽精米等を用いることが可能である。
【0018】更に、炭酸水としては、炭酸ガスの容量が
体積比において0.5〜1.5のものが例示されるが、
この条件に特に限定されるものではなく、包装容器内の
含気量や耐圧性等に準じて適宜調整できる。
【0019】包装容器としては、加圧加熱条件に準じた
耐圧性及び耐熱性を有する必要があるので、その材質と
しては、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート等、又はこれらの単層
体、或いは積層体、或いはこれらに更にエチレン酢酸ビ
ニル共重合体等のガスバリヤー材を中間層として積層し
たものなどが利用できる。
【0020】本発明において、米粒と炭酸水を前記包装
容器に充填する際には、生米粒を洗米後、水に浸漬放置
して水浸漬米としたものと炭酸水を充填しても良いし、
洗米後の生米粒をそのまま炭酸水とともに充填しても良
い。尚、以下の説明においては生米粒も水浸漬米も単に
米粒と記する。
【0021】米粒及び炭酸水を充填した包装容器は、ヒ
ートシール等の公知の手段で密封することができる。
【0022】以下、本発明の米飯の製造方法について、
幾つかの実施例を挙げて詳述する。
【0023】<第1実施例>精白米88gを洗米後、1
時間浸漬放置し、水浸漬米を111g得た。この水浸漬
米を350cc容量のポリプロピレン製の容器に充填した
後、炭酸ガスの容量が体積比において0.85の炭酸水
89gを充填し、プラスチック製の蓋で密封シールを行
った。
【0024】その後、前記米粒及び炭酸水を充填した包
装容器を前記所定の加圧条件下に配置して、2.1kg
/cm2 の加圧条件下でマイクロ波を照射し、内容物の温
度を急激に上昇させて、該内容物温度を125°Cに達
するよう加熱処理を行った。
【0025】次に、前記所定温度を約10分間保持でき
るように熱量を調整することでむらし工程を施し、更に
冷却を行って、無菌的な米飯200gを得た。
【0026】<第2実施例>精白米を88gと炭酸ガス
の容量が体積比において0.91の炭酸水112gを3
50cc容量のポリプロピレン製の容器に充填した後、第
1実施例と同様の方法で無菌的な米飯200gを得た。
【0027】<第1比較例>精白米450gを市販の電
気炊飯器にて炊飯し、むらし工程、ほぐし工程等を施し
て1040gの米飯を得た。
【0028】<第2比較例>第1実施例における加圧条
件下で、炭酸水を用いる代わりに従来の水道水を使用
し、他の条件は同様にして無菌的な米飯200gを得
た。
【0029】<第3比較例>第2実施例における加圧条
件下で、炭酸水を用いる代わりに従来の水道水を使用
し、他の条件は同様にして無菌的な米飯200gを得
た。
【0030】前記第1及び第2実施例と第2及び第3比
較例で得たそれぞれの無菌的な米飯について、前記所定
容器内で炊飯された米飯の表面部(上部)と底部(下
部)との含水量を常法にて測定した。その結果を表1に
記す。
【0031】尚、前記含水量の測定については、前記表
面部と底部における各米飯を秤量管にて2gずつ秤取
り、135°Cに調整した定温乾燥器中で3時間放置
後、デシゲーターで30分間放冷し、秤量して含水量を
測定する。
【0032】
【表1】
【0033】また、前記各例における方法にて得られた
米飯を、1日保存したものについての外観、香り、味、
米粒のばらつき及び総合評価を、官能評価試験(食糧庁
の方法に準じた方法)により行った。その結果を表2に
記す。
【0034】尚、前記官能評価方法においては、前記第
一比較例にて得られた米飯と同程度の評価を“0”と
し、−1〜−5の6段階に区分して評価し、その後、該
第一比較例の評価“0”を100点(最高評価値)に、
他をそれぞれ80〜0の評価値に換算し直したものであ
る。
【0035】
【表2】
【0036】上記表1及び表2が示す結果より、本第一
及び第二実施例の炭酸水を用いて得られた米飯は、従来
の水道水を用いて得られる米飯と比較して表面部と底部
との含水量の差が極めて小さく、また、これに伴い、相
対評価においても、外観、香り、味、食感、ばらつきの
どれを比較しても本発明における方法にて炊飯された米
飯の評価が良く、特に食感及びばらつきに関しては非常
に高い評価が得られた。
【0037】従って、本発明の米飯の製造方法における
炭酸水の使用は、従来の水道水等を使用しての方法と比
較して、総合的に非常に良好な米飯を得ることが可能で
あると言える。
【0038】
【発明の効果】本発明の米飯の製造方法では、米粒と炭
酸水とを所定の閉鎖型包装容器に充填した後、該容器を
密封し、その後、加圧加熱殺菌処理すると共に、炊飯さ
せるので、加圧加熱殺菌中に、水分に溶解した炭酸ガス
が発泡し、それによって加熱初期に前記容器に充填され
た米粒が攪拌されると共に、該米粒の攪拌運動が徐々に
抑制されていっても、容器内で対流状態が継続されてい
る。
【0039】前記方法にて製造された米飯は、容器の上
下部においても水分ムラが少なく、通常の炊飯器等によ
る炊飯と同程度の均一的なふっくら感や食感を得ること
が可能である。
【0040】従って、本発明に係る米粒と炭酸水とから
米飯を製造する方法を利用することで、商業的レベルに
おいても極めて良好、且つ無菌的な米飯を容易に得るこ
とが可能となる。
【0041】以上のことから、本発明の米飯の製造方法
によって、品質の良さ及び簡便性を兼ね備えた全く新し
いタイプの米飯を商業的規模にて製造することが可能と
なった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 一郎 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式会社 食品研究所内 (72)発明者 中北 亮 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式会社 食品研究所内 (72)発明者 中村 智幸 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式会社 食品研究所内 (72)発明者 渡邊 正徳 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式会社 食品研究所内 (72)発明者 広田 公雄 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式会社 食品研究所内 (72)発明者 岡本 一磨 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式会社 食品研究所内 (56)参考文献 特開 平3−247245(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米粒と炭酸水とを所定の閉鎖型包装容器
    に充填した後、該容器を密封し、その後、加圧加熱殺菌
    処理すると共に、炊飯することを特徴とする米飯の製造
    方法。
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