JPH06133710A - 米飯の製造方法 - Google Patents

米飯の製造方法

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JPH06133710A
JPH06133710A JP4283385A JP28338592A JPH06133710A JP H06133710 A JPH06133710 A JP H06133710A JP 4283385 A JP4283385 A JP 4283385A JP 28338592 A JP28338592 A JP 28338592A JP H06133710 A JPH06133710 A JP H06133710A
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JP
Japan
Prior art keywords
rice
container
microwave
water
cooked rice
Prior art date
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Pending
Application number
JP4283385A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikari Kobayashi
光 小林
Tetsuo Yamashita
哲男 山下
Takumi Soejima
琢己 副島
Kazuma Okamoto
一磨 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一定加圧条件下でマイクロ波照射を行い、該
マイクロ波のエネルギー効率の特性を最大限に引き出す
ことによって、商業的規模にて短時間、且つ簡単に、し
かも商品価値の低下を伴わず、長期保存も可能な無菌的
な米飯の製造方法を提供することにある。 【構成】 米粒と水とをマイクロ波透過性の閉鎖型包装
容器に充填した後、該容器を密封し、その後、加圧条件
を0.5〜2.8kg/cm2 として、内容物が突沸せず、
且つ容器の変形、或いは破裂を生じないよう調節された
マイクロ波加熱装置に前記容器を配置し、次いで、該容
器にマイクロ波を照射し、内容物温度を110〜130
°Cまで上昇させて殺菌処理すると共に、炊飯する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定加圧条件下で、マ
イクロ波照射により極めて短時間に米粒と水とから無菌
的な米飯を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炊飯とは、米粒を水の存在下で加熱する
ことにより、米澱粉粒の水素結合を破壊し、澱粉粒を膨
潤し、糊化させることを言うが、一般に、液体の水は水
素結合により多数会合しており、高温加熱によって単分
子の水の割合が増加し、この会合度の低い水分子が米澱
粉粒の微結晶の近くまで侵入することによって、高温で
不安定になった澱粉分子の水素結合の破壊をもたらす。
【0003】そして、前記澱粉分子が分子間の水素結合
を結び目とした網目構造の中に多量の水分子を取り組ん
で大きく膨潤し、糊化が進んで炊飯米を得ることができ
るのである。
【0004】従来の電気やガス加熱方法による炊飯で
は、生米を洗米後、適量の水を加えて吸水させた後、1
0分程度で突沸させ7〜8分維持し、更に98°C以上
で15分程度むらす工程を付加させて風味良好な米飯を
得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法では、徐々に加熱が進むため水分子の会合が崩れにく
く、澱粉の微細結晶の近くまで水が入りにくく、充分な
糊化をさせるためにはかなりの時間を要した。
【0006】しかも、商業的規模で食品衛生法に準じた
無菌的な米飯を供給する場合は、製造工程で長時間に亘
るレトルト殺菌等の処理を行う必要があり、通常の炊飯
と比較して必要以上の熱量を供給するため、臭いの成
分、食感等が著しく低下し、その簡便性、長期保存性に
もかかわらず、従来必ずしも良い評価を得ていなかっ
た。
【0007】そこで、本発明では、前記問題点に鑑み、
一定加圧条件下でマイクロ波照射を行い、該マイクロ波
のエネルギー効率の特性を最大限に引き出すことによっ
て、商業的規模にて短時間、且つ簡単に、しかも商品価
値の低下を伴わず、長期保存も可能な無菌的な米飯の製
造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記目的を達
成するために、次の技術的手段を講じる。
【0009】即ち、米粒と水とをマイクロ波透過性の閉
鎖型包装容器に充填した後、該容器を密封し、その後、
加圧条件を0.5〜2.8kg/cm2 として、内容物が突
沸せず、且つ容器の変形、或いは破裂を生じないよう調
節されたマイクロ波加熱装置に前記容器を配置し、次い
で、該容器にマイクロ波を照射し、内容物温度を110
〜130°Cまで上昇させて殺菌処理すると共に、炊飯
することを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明に係る米飯の製造方法では、加圧条件を
0.5〜2.8kg/cm2 として、内容物が突沸せず、且
つ容器の変形、或いは破裂を生じないよう調節されたマ
イクロ波加熱装置内に、予めマイクロ波透過性の閉鎖型
包装容器に充填密封した米粒と水を配置し、高温短時間
処理が可能なマイクロ波を照射することで内容物温度を
110〜130°Cまで上昇させているので、加熱初期
に前記容器に充填された水の分子運動を急激的に活発に
すると共に、水素結合により多数会合していた水分子を
単分子化し、同時に充填された米粒における米澱粉粒の
微細結晶近くまでの浸透を促進させることができる。
【0011】従って、前記方法にて製造された米飯は、
処理中の臭いの成分、食感等の変化が最小限に抑えら
れ、それに伴い、ふっくらとした糊化度の高いものとな
り得る。
【0012】また、前記方法にて殺菌処理も同時に施す
ことができるので、老化しにくい長期保存可能な無菌的
米飯を得ることが可能となる。
【0013】
【実施例】本発明は、米粒と水をマイクロ波透過性の閉
鎖型包装容器に充填した後、該容器を密封し、その後、
加圧条件を所定の内容物加熱温度に準じて0.5〜2.
8kg/cm2 に調節されたマイクロ波加熱装置内にて、マ
イクロ波照射処理を行うことにより、殺菌処理が施され
た米飯を製造することができる方法であり、前記内容物
加熱温度条件としては、110〜130°Cで5〜60
分間、好ましくは115〜125°Cで10〜30分間
が例示できる。
【0014】また、加圧条件としては、内容物が突沸せ
ず、且つ包装容器の変形、或いは破裂を生じないよう調
節した上で、容器内の圧力と処理槽内圧との差圧を一定
範囲内に維持することが必要である。
【0015】本発明に係る米粒としては特に限定され
ず、例えば精白米、七分付き米、半付き米、玄米、胚芽
精米等を用いることが可能である。
【0016】また、米粒及び水の包装容器への充填につ
いては、生米粒を洗米後、水に浸漬放置した水浸漬米と
水を充填しても良いし、水と生米粒をそのまま充填して
も良い。尚、以下の説明においては生米粒も水浸漬米も
米粒と記する。
【0017】包装容器としては、少なくとも一部、或い
は全部がマイクロ波透過性を有し、加熱条件に準じた耐
熱性を有する必要があるので、その材質としては、ポリ
エチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート等が利用され、これらの単層体、或い
は積層体、或いはこれらにエチレン酢酸ビニル共重合体
ケン化物等のガスバリヤー材を中間層として積層したも
の等が利用される。
【0018】米粒及び水を充填した包装容器は、上記材
質と同様のプラスチック製の蓋でヒートシール等の公知
の手段により密封可能なものを使用する。
【0019】以下、本発明の米飯の製造方法について、
幾つかの実施例を挙げて詳述する。
【0020】<第1実施例>精白米91gを洗米後、1
時間浸漬放置し、水浸漬米を115g得た。この水浸漬
米を350cc容量のポリプロピレン製の容器に充填した
後、水85gを充填し、プラスチック製の蓋で密封シー
ルを行った。
【0021】その後、該水浸漬米と水が充填され、蓋で
密閉された包装容器を前記所定の加圧条件下に配置し
て、2.1kg/cm2 の加圧条件下でマイクロ波を照射
し、内容物の温度を急激に上昇させて、該内容物温度を
125°Cに達するよう加熱処理を行った。
【0022】次に、前記所定温度を約10分間保持でき
るように熱量を調整することでむらし工程を施し、更に
工程を進めて、無菌的な米飯200gを得た。
【0023】<第2実施例>精白米を91gと水109
gを350cc容量のポリプロピレン製の容器に充填した
後、第1実施例と同様の方法で無菌的な米飯200gを
得た。
【0024】<第1比較例>精白米を450gを市販の
ガス炊飯器にて炊飯し、むらし工程、ほぐし工程等を施
して1120gの米飯を得た。
【0025】<第2比較例>第1実施例における加圧条
件下で、マイクロ波照射の代わりに従来のレトルト殺菌
炊飯方法にて125°Cで40分間処理を行い、レトル
ト米飯200gを得た。
【0026】<第3比較例>第2実施例における加圧条
件下で、マイクロ波照射の代わりに従来のレトルト殺菌
炊飯方法にて125°Cで40分間処理を行い、レトル
ト米飯200gを得た。
【0027】前記第1及び第2実施例と第1〜第3比較
例で得たそれぞれの米飯について、色調(明度)を測色
色差計にて測定し、また、糊化度をβ−アミラーゼ−プ
ルラナーゼ法により測定した。その結果を表1に記す。
【0028】
【表1】
【0029】また、前記各炊飯方法にて炊飯後、得られ
た米飯を1日保存したものについての外観、香り、味、
粘り及び総合評価を、官能試験(食糧庁の方法に準じた
方法)により行った。その結果を表2に記す。
【0030】
【表2】
【0031】上記表1及び表2が示す結果より、本実施
例のマイクロ波照射によって得られた米飯とガス炊飯器
にて炊飯されて得られた米飯とは色調、長期保存におけ
る糊化度、外観、香り、味、粘りのどれを比較しても殆
ど差がないことがわかり、また、レトルト殺菌炊飯方法
にて得られた米飯とでは、明らかにマイクロ波照射によ
って得られた米飯の方が優れていることがわかる。
【0032】従って、マイクロ波照射による本発明の炊
飯方法は総合的に充分良好な米飯を得ることが可能であ
ると言える。
【0033】
【発明の効果】本発明の米飯の製造方法では、加圧条件
を0.5〜2.8kg/cm2 として、内容物が突沸せず、
且つ容器の変形、或いは破裂を生じないよう調節された
マイクロ波加熱装置内にて、高温短時間処理が可能なマ
イクロ波を照射することで、内容物温度を110〜13
0°Cまで上昇させるので、加熱初期に前記容器に充填
された水の単分子化が速やかに起こり、同時に充填され
た米粒における米澱粉粒中に単分子化された水が究極に
浸透し、短時間にて炊飯することができる。
【0034】従って、本発明に係る米飯の製造方法を利
用することで、商業的レベルにおいても極めて短時間、
且つ低コストにて米粒と水とから、品質変化も殆ど生じ
ない良好、且つ無菌的な米飯を容易に得ることが可能と
なる。
【0035】また、本発明の米飯の製造方法ではエネル
ギー効率の非常に高いマイクロ波の照射を伴っているの
で、炊飯と共に殺菌処理も可能で、得られた米飯は、特
に長期保存においても極端に糊化度が低下することな
く、極めて簡便的に食することができる。
【0036】以上のことから、本発明の米飯の製造方法
によって、品質の良さと簡便性を兼ね備えた全く新しい
タイプの加工米飯食品を商業的規模にて製造することが
可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 一磨 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社食品研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米粒と水とをマイクロ波透過性の閉鎖型
    包装容器に充填した後、該容器を密封し、その後、加圧
    条件を0.5〜2.8kg/cm2 として、内容物が突沸せ
    ず、且つ容器の変形、或いは破裂を生じないよう調節さ
    れたマイクロ波加熱装置に前記容器を配置し、次いで、
    該容器にマイクロ波を照射し、内容物温度を110〜1
    30°Cまで上昇させて殺菌処理すると共に、炊飯する
    ことを特徴とする米飯の製造方法。
JP4283385A 1992-10-22 1992-10-22 米飯の製造方法 Pending JPH06133710A (ja)

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JP4283385A JPH06133710A (ja) 1992-10-22 1992-10-22 米飯の製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013042699A (ja) * 2011-08-24 2013-03-04 Satake Corp 包装米飯の製造方法
JP2014226087A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 株式会社サタケ 包装米飯の製造方法
JP2016123409A (ja) * 2014-12-29 2016-07-11 莱尓富国際股▲ふん▼有限公司Hi−Life International Co.,Ltd 包装された加工食品の製造方法

Cited By (3)

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