JPH0965841A - レトルト食品の製造方法およびレトルト食品 - Google Patents

レトルト食品の製造方法およびレトルト食品

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JPH0965841A
JPH0965841A JP7221862A JP22186295A JPH0965841A JP H0965841 A JPH0965841 A JP H0965841A JP 7221862 A JP7221862 A JP 7221862A JP 22186295 A JP22186295 A JP 22186295A JP H0965841 A JPH0965841 A JP H0965841A
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rice
retort
aqueous solution
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cooked rice
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JP7221862A
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Mariko Tsuru
まり子 水流
Fumihide Yamaguchi
文秀 山口
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた食感を有するデンプン質を含有するレト
ルト食品を提供できるレトルト食品の製造方法およびレ
トルト食品を提供する。 【解決手段】レトルト食品の製造方法は、デンプン質を
含有する食品原料を酸および塩を含有しpHが3ないし
6の範囲内である改質用水溶液中で煮熟する。次に、煮
熟した食品原料から改質用水溶液を除去し、食品原料を
水で洗浄する。洗浄した食品原料を容器に充填および密
封した後、容器に充填および密封された食品原料に加圧
加熱殺菌を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レトルト米飯、レトル
トパスタ等のデンプン質を含有するレトルト食品の製造
方法およびレトルト食品に関する。
【0002】
【従来の技術】食品原料を容器に充填および密封した
後、加圧加熱殺菌を施したレトルト食品は、長期間保存
可能でかつ簡便性が高く、多種多様な食品に応用されて
いる。これらのうち、近年、米飯、うどん、そば、パス
タのようなデンプン質を含有する食品原料をレトルト加
工したものが市場に広く出回るようになっている。
【0003】しかし、デンプン質を含有する食品原料を
レトルト加工した場合、加圧加熱殺菌により食品が本来
有する食感が損なわれやすい。レトルト米飯を例に挙げ
て説明すると、米飯の加圧加熱殺菌(例えば、115〜
120℃、20〜50分間加熱)を行うために、米飯の
炊きたての味と香りが維持できないこと、製造工程およ
び流通段階において米粒の結着および潰れが生じ、テク
スチャー(歯ごたえ、舌触り、喉ごし等)を損ねる。こ
のように、従来のレトルト米飯は、家庭で味わう炊きた
ての米飯の風味および食感を実現できていない。
【0004】このようなレトルト米飯の食感を改良する
方法としては、炊飯時に有機酸、その塩またはその両方
を加える方法が、特開昭62-220162 号公報に開示されて
いる。
【0005】また、例えば、特公昭62-5574 号公報また
は特公昭62-5575 号公報等には、原料米をレトルト加工
する前に、原料米に高温加熱または高周波加熱により予
備加熱を施して原料米に吸水させる方法が開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機酸
またはその塩を加えて原料米を炊飯する方法では、米飯
に有機酸またはその塩の異味が残り、米飯の食味が著し
く損なわれることがある。
【0007】また、後者の原料米を予備加熱した後に加
圧加熱殺菌を行う方法は、予備加熱で100℃以上の加
熱を行う必要があるため、食味が低下し、外観が悪化す
る不利益がある。
【0008】以上説明した問題点は、レトルト米飯に限
らず、米以外の穀物や、うどん、そば、パスタのような
デンプン質を含有する食品に共通して認められている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、優れ
た食感を有するデンプン質を含有するレトルト食品を提
供できるレトルト食品の製造方法およびレトルト食品を
提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、デンプン質を
含有する食品原料を酸および塩を含有しpHが3ないし
6の範囲内である改質用水溶液中で煮熟する工程、煮熟
した食品原料を水で洗浄する工程、洗浄した食品原料を
容器に充填および密封する工程、および、容器に充填お
よび密封された食品原料に加圧加熱殺菌を施す工程を具
備することを特徴とするレトルト食品の製造方法を提供
する。
【0010】また、本発明は、デンプン質を含有する食
品原料を酸および塩を含有しpHが3ないし6の範囲内
である改質用水溶液中で煮熟し、煮熟した食品原料を水
で洗浄し、食品原料を容器に充填および密封し、容器に
充填および密封された食品原料に加圧加熱殺菌を施して
得られることを特徴とするレトルト食品を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明のレトルト食品の製造方法で用いられる食
品原料は、デンプン質を含有するものである。デンプン
質を含有する食品原料は、穀物またはデンプン加工食品
を包含する。穀物は、例えば、米、麦、アワ、ヒエから
なる群から選択される少なくとも一つである。また、デ
ンプン加工食品は、うどん、そば、パスタ、餅等を包含
する。
【0012】本発明のレトルト食品の代表的なものは、
米飯である。この米飯に用いられる原料米は、例えば、
うるち米、餅米等の精白米および玄米を含む。米の種類
は、短粒米(ジャポニカ米)、中粒米、長粒米(インデ
ィカ米)のいずれであっても良い。また、原料米は、例
えば、麦、ヒエ、アワ、トウモロコシ等の米以外の穀類
を含む混合物であっても良い。
【0013】本発明のレトルト食品の製造方法では、ま
ず、食品原料を改質用水溶液中で煮熟する。この改質用
水溶液は、酸および塩を含有する。ここで用いられる酸
は、食用可能な有機酸または無機酸もしくはこれらの塩
を含む。具体的には、例えば、クエン酸、フマル酸、リ
ンゴ酸、酢酸、アスコルビン酸、アジピン酸、フィチン
酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸または乳酸のような
有機酸、例えば、ピロリン酸2水素カルシウム、ポリリ
ン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムあるいは
リン酸のような無機酸もしくはその塩、または、グルコ
ノデルタラクトン、グリシン等の酸味料、並びに、これ
らのうち少なくとも2種以上の混合物であり得る。ま
た、塩は、例えば、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、
塩化ナトリウム、塩化カリウム、または、塩化マグネシ
ウムのようなアルカリ金属塩類である。
【0014】改質用水溶液のpHは、3〜6の範囲内で
ある。レトルト食品の食感改善効果は、改質用水溶液の
pHが低いほど顕著である。しかし、pHが3未満であ
る場合には、食品原料からデンプン質の溶出が起こると
いった食品原料の変質が起こり、食感が著しく損なわれ
る。一方、pHが6を超える場合には十分な食感改善効
果が得られない。
【0015】酸および塩の改質用水溶液中での濃度は、
改質用水溶液のpHが適正な値であり、かつ、煮熟した
食品原料を水で洗浄する工程で酸および塩による異味が
除かれる程度であれば良い。具体的には、酸および塩の
濃度は、改質用水溶液中において、それぞれ0.4〜
0.8重量%の範囲内であることが好ましい。
【0016】改質用水溶液に含有される酸および塩は、
水に使用時に溶解して用いるための固体の改質剤組成物
として提供され得る。この改質剤組成物は、上述の酸お
よび塩の他に、この改質剤組成物を水に溶解する作業性
を向上するために、例えばデキストリンを配合すること
ができる。改質剤組成物は、固体成分の濃度が例えば
0.4〜0.8重量%の範囲内になるように水に溶解さ
れ、改質用水溶液が得られる。
【0017】上述のような改質用水溶液の中で食品原料
を煮熟する。煮熟の温度および時間は、製造するレトル
ト食品の種類および当該食品に求められる食感に応じて
適宜選択される。煮熟温度が高いほど、および、煮熟時
間が長いほどレトルト食品はやわらかくなる。
【0018】上述のように煮熟された食品原料から必要
に応じて改質用水溶液を除去する。次いで、食品原料を
水で洗浄する。食品原料の洗浄方法は、特に限定されな
いが、例えば、食品原料の5倍容量以上の水に10〜2
0分間浸漬する。その後、水から食品原料を取り出す。
【0019】水で洗浄した食品原料を、容器に充填およ
び密閉する。容器としては、プラスチックフィルムまた
はアルミ箔製のレトルトパウチ、スチール製の缶等の通
常のレトルト食品に使用可能な容器を用いることができ
る。必要に応じて、食品原料の他に、具、調味料等を一
緒に容器内に入れることもできる。
【0020】次いで、容器に充填および密封された原料
米に加圧加熱殺菌を施す。加圧加熱殺菌は、レトルト処
理により行われる。レトルト処理とは、被処理物を10
0℃以上の温度で加熱処理することである。加圧加熱殺
菌は、例えば、食品衛生法において容器包装詰加熱殺菌
食品について定められた規定に基づいてFo=4以上の
条件を満たしていれば良い。
【0021】以上説明したように、本発明のレトルト食
品の製造方法によれば、デンプン質を含有する食品原料
を酸および塩を含有する改質用水溶液中で煮熟した後、
食品原料から改質用水溶液を除去し、水で洗浄してから
レトルト加工を施している。従って、煮熟処理後に食品
原料を洗浄することにより改質用水溶液を除くことがで
きるため、レトルト食品の食感を改善できると共に、酸
および塩による異味が残るのを防止できる。
【0022】次に、本発明のレトルト食品の製造方法
を、レトルト米飯の製造に適用した場合について説明す
る。この場合、煮熟処理に先立って原料米を洗米および
膨潤させる必要がある。
【0023】まず、原料米を洗米する。洗米の方法は、
特に限定されず、常法に従って行うことができる。次い
で、洗米した原料米を水で膨潤させる。原料米を水で膨
潤させる方法は、特に限定されないが、例えば、洗米し
た原料米を水に浸漬した後、原料米から水を除去する方
法や、原料米に水を噴霧する方法が知られている。通
常、原料米が生米の時の重量から1.1倍〜1.4倍の
重量に増加するまで水で膨潤させる。
【0024】次に、上述の通り、原料米を改質用水溶液
中で煮熟し、洗浄し、かつ、加圧滅菌処理を施す。ここ
で、原料米の煮熟温度および煮熟時間は製造しようとす
る米飯に求められる食感に応じて適宜選択することがで
きる。具体的には、煮熟温度は85℃以上であることが
好ましい。85℃未満では十分な食感改善効果が得られ
ないからである。
【0025】一方、煮熟時間は、煮熟温度が85℃以上
の場合、2〜15分間の範囲内であり、製造しようとす
る米飯に求められるテクスチャーに応じて変更される。
例えば、白飯として食べられる米飯としては、比較的か
たいテクスチャーが求められるため、煮熟時間は2〜1
0分間が好ましい。また、お粥、雑炊、お茶漬け用の米
飯としては、比較的やわらかいテクスチャーが求められ
るため、煮熟時間は8〜15分間が好ましい。
【0026】以上説明したように、本発明のレトルト食
品の製造方法によるレトルト米飯の製造では、煮熟処理
後に米を洗浄することにより、炊き立ての香りを維持で
きると共に、米飯の色合いも良い状態に維持できる。さ
らに、レトルト加工後も米飯の形状が崩れることなく、
かつ、レトルト米飯として所望のかたさを維持できる。
このような効果は、デンプン質を含有するレトルト食品
の製造に本発明を適用した場合に同様に得ることができ
る。
【0027】本発明による製造されたレトルト米飯は、
白飯用、お粥用、雑炊用、お茶漬用のレトルト処理され
た米飯を包含する。このレトルト米飯は、容器に充填し
た状態で電子レンジまたは加熱水浴中で再加熱を行うこ
とにより食することができる。また、さらに、米飯にお
湯をかけたり、水を加えて加熱する等して、お粥、雑
炊、お茶漬け等にして食することも可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。本実施例における評価は、以下の方法および基準に
基づいて訓練されたパネルによる官能評価により行っ
た。
【0029】評価方法 粥としての評価:レトルト処理をした米飯100gに脱イオ
ン水150ml を加え、電子レンジ(600W)で2分間加熱し
た後、官能により評価した。
【0030】白飯としての評価:レトルト処理した米飯
100gをそのまま30秒間、電子レンジ(600W)で加熱した
後、官能により評価した。
【0031】評価基準 食感: A、やわらかすぎて不適;B、やわらかめ;C、適当な
かたさ;D、かため;E、かたすぎて不適 異味: A、酸味が強く不適;B、酸味を感じる;C、酸味、異
味を感じず適;D、異味(苦み)を感じる;E、異味
(苦み)が強く不適 実施例1 精白米(ササニシキ)を洗米し、常温で60分間水中に
浸漬した。精白米を水切りした後、下記の組成を有する
ブランチング用製剤(千葉製粉製、HP23)(以下、
添加剤という)を0.6重量%の濃度で溶解した水溶液
(以下、改質用水溶液という)中で100℃で8分間煮
熟した。改質水溶液を精白米から水切りして除去した
後、再び常温で10分間水に浸漬した。水切りした後、
精白米をレトルトパウチに充填および密封し、120
℃、25分間(F0=10 )の条件下で加熱加圧殺菌を行
い、試料1−1のレトルト米飯を得た。
【0032】次に、改質用水溶液を精白米から水切りし
て除去した後、再び水に浸漬することなく加熱加圧殺菌
を施した以外は、試料1−1の場合と同様にして、試料
1−2のレトルト米飯を得た。
【0033】添加剤の組成 成分 濃度(%) デキストリン 47 炭酸カルシウム 15 塩化カルシウム 15 フマル酸 15 クエン酸 4 ピロリン酸2水素カルシウム 4 また、改質用水溶液に代えて添加剤を溶解していない水
を用いた以外は、試料1−1および試料1−2の場合と
同様にして、試料1−3および1−4のレトルト米飯を
それぞれ得た。以上のようにして製造した試料1−1〜
1−4のレトルト米飯について粥としての評価を行っ
た。この結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、改質用水溶液を
用い、かつ、煮熟処理後に水に浸漬して洗浄を行った試
料1−1のレトルト米飯は、異味がなく、かつ、粥とし
て適度なやわらかさを有し、粘りがあった。
【0036】煮熟処理後に水に浸漬せず、洗浄を行わな
かった試料1−2のレトルト米飯は、粥としてはかたす
ぎ、しかも異味があった。また、改質用水溶液のかわり
に水中での煮熟処理を行った試料1−3および1−4の
レトルト米飯は、粥としてはやかためであり、ごはんの
おいしさとして重要な粘りがなかった。
【0037】実施例2 精白米(ササニシキ)を洗米し、常温で60分間水中に
浸漬した。精白米を水切りした後、添加剤を表2に示す
濃度で溶解した改質用水溶液中で100℃で10分間煮
熟した。改質用水溶液を精白米から水切りして除去した
後、再び常温で15分間水に浸漬した。水切りした後、
精白米をレトルトパウチに充填および密封し、120
℃、25分間(F0=10 )の条件下で加熱加圧殺菌を行っ
た。このように処理した精白米について、粥として評価
した結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2から明らかなように、改質用水溶液中
の添加剤濃度が高いほど調理後の精白米はやわらかくな
るが、逆に酸味が増加した。この結果から改質用水溶液
中の添加剤濃度が0.6 〜0.8 重量%の範囲内が粥用レト
ルト米飯に適当であることがわかった。
【0040】実施例3 実施例3は、0.6 重量%の添加剤濃度の改質用水溶液中
で表3に示す煮熟温度で10分間煮熟した以外は、実施
例2と同じ方法で精白米(ササニシキ)のレトルト米飯
を調製し、粥として評価した。この結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3から明らかなように、煮熟温度が85
℃未満(80℃)の場合には、米飯はまだ粥としてはか
たく、添加剤による充分な食感改質効果が得られなかっ
た。この結果から、煮熟温度が85℃以上であることが
粥用レトルト米飯に適当であることがわかった。
【0043】実施例4 0.8 重量%の添加剤濃度の改質用水溶液中で表3に示す
煮熟時間で煮熟した以外は、実施例2と同様の方法で精
白米(ササニシキ)のレトルト米飯を調製し、粥として
評価した。この結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】表4から明らかなように、改質用水溶液中
での煮熟時間が10分を越えると粥としてはやわらかく
なりすぎ、粥用レトルト米飯に不適と評価された。この
結果から、煮熟温度が100℃の場合には、煮熟時間が
10分以下であることが粥用レトルト米飯に適当である
ことがわかった。
【0046】実施例5 表5に示す温度および添加剤濃度の改質用水溶液中で煮
熟した以外は、実施例2と同じ方法でレトルト米飯を調
製し、白飯として評価した。
【0047】
【表5】
【0048】粥として評価した場合と比較し、少ない添
加量で短時間の煮熟を行った方が白飯用レトルト米飯に
は適していた。 実施例6 塩化カルシウム(CaCl2)とクエン酸を表6および7に
示す改質用水溶液中での濃度で10分間、100℃で煮
熟した以外は、実施例2と同様の方法でレトルト米飯を
調製し、粥としての評価および白飯としての評価を行っ
た。これらの結果を夫々表6および7に示す。
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】表6および7から明らかなように、クエン
酸が多すぎる場合には、やわらかくかつ酸味が強い米飯
になった。一方、クエン酸が少なすぎる場合には、かた
く歯ごたえが残っていた。また、塩化カルシウムが多い
場合には、苦みが強かった。
【0052】これに対して、炭酸カルシウム0.2重量
%およびクエン酸0.01重量%の場合には異味がなく
適度なかたさが得られた。しかし、煮熟時間が10分間
の場合には粥用レトルト米飯としてやわらかすぎた。
【0053】実施例7 塩化カルシウムとクエン酸を表8および9に示す改質用
水溶液中での濃度とし、かつ、2〜8分間の煮熟時間で
煮熟を行った以外は、実施例2と同様の方法でレトルト
米飯を調製し、粥としての評価および白飯としての評価
を行った。これらの結果を夫々表8および9に示す。
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】表8および9から明らかなように、塩化カ
ルシウムおよびクエン酸の改質用水溶液中での濃度は高
い方が優れた効果が表れる傾向であったが、逆に塩化カ
ルシウム由来の苦みが増した。
【0057】これらの結果から、改質水溶液中の塩化カ
ルシウムの濃度は、粥用レトルト米飯のためには0.4
重量%以下、白飯用レトルト米飯のためには、0.2〜
0.4重量%であることが好ましいことがわかった。
【0058】また、煮熟時間は、白飯用レトルト米飯の
ためには短い方が良く、粥用レトルト米飯のためには長
い方が適していた。より好ましくは、改質水溶液中の塩
化カルシウムの濃度が0.2重量%、クエン酸の濃度が
0.01重量%である場合に、白飯用レトルト米飯のた
めには4分間、粥用レトルト米飯のためには10分〜1
2分間の煮熟時間が最適であることがわかった。
【0059】実施例8 表10に示す各種の酸(0.01重量%)および塩(0.2 重
量%)を用い、100℃で10分間煮熟した以外は、実
施例2と同様の方法でレトルト米飯を調製した。粥とし
ての評価を表10に示す。
【0060】
【表10】
【0061】表10から明らかなように、酸としてはク
エン酸およびフマル酸、塩としては塩化カルシウムが優
れていた。やわらかさ、かたさの強弱が有るものの無添
加と比較した場合にはいずれの酸および塩でも物性改善
効果が確認できた。
【0062】実施例9 精白米としてインディカ米を用い、10分間100℃で
煮熟した以外は実施例2と同様の方法でレトルト米飯を
調製し、粥として評価した。この結果を表11に示す。
【0063】
【表11】
【0064】実施例10 精白米として餅米を用いた以外は実施例9と同様の方法
でレトルト米飯を調製し、粥として評価した。この結果
を表12に示す。
【0065】
【表12】
【0066】改質水溶液中で煮熟することによるレトル
ト米飯の物性改良効果は、様々な種類の米(インディカ
米、餅米)においても確認された。ただし、うるち米
(ササニシキ)でもっとも効果が顕著であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デンプン質を含有する食品原料を酸およ
    び塩を含有しpHが3ないし6の範囲内である改質用水
    溶液中で煮熟する工程、 煮熟した食品原料を水で洗浄する工程、 洗浄した食品原料を容器に充填および密封する工程、お
    よび、 容器に充填および密封された食品原料に加圧加熱殺菌を
    施す工程を具備することを特徴とするレトルト食品の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 デンプン質を含有する食品原料を酸およ
    び塩を含有しpHが3ないし6の範囲内である改質用水
    溶液中で煮熟し、煮熟した食品原料を水で洗浄し、食品
    原料を容器に充填および密封し、容器に充填および密封
    された食品原料に加圧加熱殺菌を施して得られることを
    特徴とするレトルト食品。
JP7221862A 1995-08-30 1995-08-30 レトルト食品の製造方法およびレトルト食品 Pending JPH0965841A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6387423B1 (en) * 1995-05-09 2002-05-14 Bonroyal-Werk Packaged precooked pasta
JP2010213629A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Tablemark Co Ltd 加工米飯の製造方法
JP2010220538A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Q P Corp サラダ

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