JP2005261431A - 炊飯済み米飯及び無菌パック米飯の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 腸内のビフィズス菌に対する増殖効果の高いキシロース、特にキソロオリゴ糖を利用して、整腸作用に優れ、食味及び外観にも優れており、さらに保存性に優れている炊飯済み米飯類及び無菌パック米飯類を提供する。
【解決手段】 米、炊き水及び重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物を炊飯容器に充填して炊飯する炊飯工程、炊飯済みの炊飯容器を無菌状態で密封する密封工程を順次行うことにより、重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物を0.01〜10質量%含有する無菌パック米飯を製造する。
【選択図】 なし


Description

本発明は、コンビニエンスストア、スーパーストアなどで販売される、炊飯済み米飯及び包装された米飯に関し、特に、常温で長期間保存することができる無菌パック米飯に関する。
近年、女性の社会進出、核家族化、高齢化が進むに伴い、ライフスタイルが変化して食事も個食化の傾向が見られるようになり、更に手軽に食事を済ませる機会も増えてきている。そのために、密封容器に米飯や具材が充填された保存可能な米飯食品が、調理方法が手軽であるために重宝がられ、短時間で喫食できるメリットから市場で多く見かけられるようになってきた。このような米飯食品としては、常温流通可能な無菌パック米飯とその冷凍品がある。
無菌パック米飯のための無菌化処理方法としては、調理済み米をパックに所定量充填し、密封した状態で高温状態(例えば100〜110℃)でレトルト処理する方法や、生米を含有する未調理の原材料を適宜の水分と共にパックに充填して密封し、該パックを調理温度(例えば、80℃程度)よりも高温状態(例えば100〜110℃)でレトルト処理する方法(特許文献1参照)がある。以下、これらの方法をレトルト方式と称する。
一方、通常の加熱調理を行なって得られる無菌米飯類を、無菌設備中で予め滅菌処理した容器に充填し、密封シールして製造する方法がある。以下、この方法を無菌充填方式と称する。
しかし、前記レトルト方式で処理されたものには、いわゆるレトルト臭があって食品としての風味や食感が劣り、美味しさの観点から満足の行くものが少ない。一方、通常の加熱調理の後に食材を容器に小分けする場合や、炊飯後にほぐしてから容器に小分けする、無菌充填方式の場合は、その充填工程で菌の混入が懸念されることから、常温保管で無菌状態を保つために有機酸などの酸味料を添加してpHを酸性領域の4〜6程度に調整する必要があり、そのために添加される有機酸などに固有の臭いや食味が付加されて美味しさが損なわれる場合が少なくない。
そこで、生米を水に浸漬した後、水切りした米を容器に所定量入れ、炊き水を添加する前に殺菌処理を行った後に、炊き水を加えて炊飯し、密封する無菌パック米飯の製造方法が、特許文献2などに開示されている。以下、この方式を「容器内無菌炊飯方式」と称する。
この容器内無菌炊飯方式で製造された米飯食品は菌の混入の可能性が低くなるため有機酸の添加量も少量に抑えることが可能になる。その結果、有機酸の風味が適度に付加されていて美味しく、また開封時に感じる異臭も軽減されている。
一方、一般にオリゴ糖類が整腸作用を有することは知られており、米飯にオリゴ糖を添加する試みも、特許文献3、特許文献4などに開示されている。また、無菌米飯にオリゴ糖を添加する試みも、特許文献5に開示されている。そして、オリゴ糖の中では、キシロオリゴ糖の整腸作用が優れていることも知られている。(特許文献6、7参照)
特開平7−111866号公報、特許請求の範囲 特開2001−8646号公報、特許請求の範囲 特開平1−285170号公報、特許請求の範囲 特開平6−141797号公報、特許請求の範囲 特開2000−83607号公報、実施例2 特許2549638号公報、特許請求の範囲 特開2001−226409号公報、第2頁
しかしながら、一般に、オリゴ糖は胃酸やその他の消化液によって酸加水分解を受け易いために、腸内細菌であるビフィズス菌に対する増殖効果は遥かに低くなってしまうので、実際にオリゴ糖に前記の生理機能を発揮させるためには、オリゴ糖の摂取量を多くすることが必要となり、その結果、かなりの甘みを呈して米の持つ本来の味と大きく異なった違和感が生じることとなる。
これに対して、キシロースの場合は、胃酸等による酸加水分解を比較的に受けにくいので、腸内のビフィズス菌に対する増殖効果を他のオリゴ糖に比べて少ない摂取量で発揮させることができるが、キシロース重合体に含まれる重合度2〜4のキシロオリゴ糖(例えば、前記特許文献6)の還元末端数が多くなるため、米飯中のタンパク質のアミノ基とキシロオリゴ糖の還元末端にあるカルボニル基とがメイラード反応を起こして炊飯後の米飯が褐変してしまうという問題があった。
本発明は、上記のような腸内のビフィズス菌に対する増殖効果の高いキシロース重合体、特にキシロオリゴ糖を利用して、整腸作用に優れ、食味及び外観にも優れているごはんを提供することを目的とするものであり、特に保存性に優れている炊飯済み米飯類及び無菌パック米飯類を提供することを課題とする。
上記課題を解決することができる本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物を0.01〜10質量%含有する炊飯済み米飯。
(2)前記キシロオリゴ糖組成物が、重合度3以下のキシロオリゴ糖成分及びキシロース成分の含有量が40質量%以下であることを特徴とする(1)項記載の炊飯済み米飯。
(3)密封容器内に、重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物を0.01〜10質量%含有する炊飯済み米飯が無菌状態で充填されている無菌パック米飯。
(4)前記キシロオリゴ糖組成物が、重合度3以下のキシロオリゴ糖成分及びキシロース成分の合計含有量が4040量%以下であることを特徴とする(3)項記載の無菌パック米飯。
(5)無菌パック米飯が、容器内無菌炊飯方式によって生米含有原材料から製造されていることを特徴とする(3)項又は(4)項に記載の無菌パック米飯。
(6)米、炊き水及び重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物を炊飯容器に充填して炊飯する炊飯工程、炊飯済みの炊飯容器を無菌状態で密封する密封工程を順次行うことを特徴とする、重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物を0.01〜10質量%含有する無菌パック米飯の製造方法。
(7)前記炊飯工程は、所定量の米を炊飯容器に充填し、加圧加熱処理して殺菌した後、炊き水及び重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物のそれぞれ所定量を炊飯容器に充填して炊飯する工程であることを特徴とする(6)項記載の無菌パック米飯の製造方法。
(8)前記炊飯工程は、米を炊飯容器に充填し、炊飯後の米飯のpHが4.5〜5.5となるようにpH調整剤を添加した炊き水を添加して炊飯する工程であることを特徴とする(6)項又は(7)項に記載の無菌パック米飯の製造方法。
(9)前記炊飯工程は、所定量の生米を水に浸漬した後水切りして炊飯容器に充填し、次いで、重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物と炊き水とを充填して炊飯する工程であることを特徴とする(6)項〜(8)項のいずれか1項に記載の無菌パック米飯の製造方法。
(10)前記重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物は、炊き水に溶解された状態で炊飯容器に充填されることを特徴とする(6)項〜(9)項のいずれか1項に記載の無菌パック米飯の製造方法。
(11)前記キシロオリゴ糖組成物が、重合度3以下のキシロオリゴ糖成分及びキシロース成分の合計含有量が40質量%以下であることを特徴とする(6)項〜(10)項のいずれか1項に記載の無菌パック米飯の製造方法。
本発明によれば、ふっくら嵩高に炊きあがり、べた付かずに一粒一粒がほぐれ易く、表面の光沢も良く、つやつやしているキシロオリゴ糖入り炊飯済み米飯、すなわち、「ごはん」と、そのようなキシロオリゴ糖を含有する炊飯済み米飯が無菌状態で容器内に密封充填されている無菌パック米飯が提供される。
次に、本発明の炊飯済み米飯におけるキシロオリゴ糖の生理的な効果について説明する。キシロオリゴ糖は整腸作用を持つ。キシロオリゴ糖の整腸作用は、いわゆる腸内善玉菌のビフィズス菌を選択的に増殖させ、腸内悪玉菌と言われる大腸菌の数を相対的に減少させることに拠ると言われている。大腸菌や腸内腐敗発酵菌は腸内で増殖しながら発癌物質を生産することが知られているので、腸内善玉菌を増殖させることは長期的な目で見ても健康に重要である。
一般に、オリゴ糖は腸内に達するまでに胃酸やその他の消化液により酸加水分解されて重合度が低下し、十分に善玉菌を増殖させることが出来ない。しかし、オリゴ糖の中でもキシロオリゴ糖は耐酸性が他のオリゴ糖に比べて高いために、重合度を高めて鎖長が長くすれば腸内まで到達して充分に整腸作用を発揮する(例えば、特許文献7を参照)。また、鎖長が長くても腸内乳酸菌が産生するキシラナーゼによって、最終的には分解資化されるので体に悪影響を及ぼす心配はないと言われている。更に、米飯改質材としてオリゴ糖や食物繊維を添加することで、ビフィズス菌の増殖による整腸作用、腸内の有害細菌の増殖を抑制し、便通の回数の増加、便の性状改善もなされることも知られている(例えば、特許文献5を参照)。
上記のように、米の持つ本来の食味及び白さを損なわずに食感を向上させ、1粒1粒につやのでているご飯粒を製造することができる。さらに、キシロオリゴ糖の持つビフィズス菌の増殖機能に基く整腸作用を有し、かつ、体質の改善や健康増進効果をも有する機能性食品としての米飯を提供することが期待される。
なお、本発明で言う「炊飯済み米飯」とは、水洗した米や無洗米を炊き水を添加して通常のガス炊飯器、電気炊飯器、蒸気炊飯器等で炊いた「ごはん」のことである。ごはん用の米には、日本型(ジャポニカ米)と東南アジアを中心に作られるインド型(インディカ米)、タイ型(タイ米)があり、性状はかなり異なる。日本型米は円粒で炊飯した時に粘り気がある。一方、東南アジア原産の米は長粒で炊飯した時に粘り気に乏しいし、特有のパサツキなどを呈している。また、収穫時期によって新米及び古米の分類もある。本発明の「炊飯済み米飯」や「無菌パック米飯」に用いられる原料米としては、それらの何れの型のものであっても良いが、精白米であることが好ましい。
本発明の炊飯済み米飯の流通形態としては、容器に充填して冷蔵流通する形態、容器あるいは袋に詰めて冷凍流通する形態、おにぎりにして冷蔵流通する形態、無菌充填もしくは充填後殺菌して常温流通する形態(以下、無菌パック米飯と言う)などのいずれでも良い。ただし、無菌パック米飯の場合は、通常炊飯より多くの熱を受けるため、添加物質としてのオリゴ糖にもそれなりの条件が必要となるので、以下、主として無菌パック米飯について説明する。
本発明の無菌パック米飯に使用する容器は、上部開口部を有するフランジ付きの浅いトレー状であって、その開口部及びフランジ部を蓋材のフィルムで覆い、フランジ部でヒートシールして密封するトレータイプのものが最も普通の個食用米飯容器である。トレーの材質としては、通常、加熱処理に耐える食品包装用材料のプラスチック材料が使用でき、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物等のプラスチック材料が挙げられる。代表的には、ポリプロピレン/酸素バリア層/ポリプロピレンの構成であり、酸素バリア層として、ポリ塩化ビニリデン樹脂層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂層を有するものが挙げられる。
トレーの形状としては、例えば、小判型、角型、丸形などが挙げられる。また、その大きさは、例えば、1人用では、米飯収納部で縦150〜190mm×横90〜130mm×高さ25〜40mm程度の小判型、縦130〜170mm×横100〜135mm×高さ25〜40mm程度の角型、直径120〜150mmで高さ25〜40mm程度の丸型のもの等が挙げられる。
蓋材もトレーと同様の材料で良く、この場合、トレーと蓋はフランジ部でヒートシールによって接合され、密封されるのが一般的である。また、蓋材として、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムを使用し、接着剤でトレーと接合することもできる。蓋を形成しているフィルム材料の厚さは10〜300μm程度が好ましい。
本発明の炊飯済み米飯を収納する容器は、袋状のものでもよい。袋の材質としては、前記トレーあるいは蓋材と同様のプラスチック性の袋体あっても良く、一般にレトルトパウチに使用されるような、ポリプロピレン/アルミニウム箔/ポリアミド/ポリプロピレンのような積層構造体であってもよい。この場合、各サイドは合掌張りであることが好ましく、形状は自立性の袋(スタンディング パウチ)の形式がより好ましい。
本発明の無菌パック米飯は、無菌状態でプラスチック容器(袋でも良い)に密封されている「ごはん」である。このような無菌パック米飯の製造方法としては、炊飯された米飯を、(A)容器に充填して密封した後に加熱加圧殺菌する方法(レトルト殺菌方式)、(B)無菌で炊飯した米飯、又は炊飯後に殺菌した米飯を殺菌された容器に充填する方式(無菌充填方式)、(C)殺菌した容器に生の米を充填して全体を殺菌し、無菌状態で炊飯し、無菌状態で密封する方法(容器内無菌炊飯方式)のいずれの方法でも良い。しかし、 前記したように、レトルト殺菌は味覚の点で問題がある場合が多く、また、無菌充填方式は、充填の方法が煩雑であるので、本発明の無菌パック米飯の製造方法としては、主として容器内無菌炊飯方式を採用することが推奨される。
以下、代表的な容器内無菌炊飯方式について詳細に説明する。容器内無菌炊飯方式で無菌パック米飯を製造するに際しては、通常、生米を洗米し、水に浸漬後に水切りをした米を個食用容器に所定量ずつ入れる。この操作は、例えば、水切りした精白米をホッパーに入れ、その出口下にプラスチックトレーを乗せたベルトコンベアを走行させ、該トレーに精白米を定量フィードすることにより行うことができる。なお、無洗米を使用する場合は、洗米、水への浸漬、水切り等の工程は不要であり、無洗米を直接ホッパーに入れて同様に個食用容器への定量フィードを行うことができる。
次に、容器に入れられた米を間欠的に加圧加熱することで殺菌を行う。その殺菌のための加熱温度は120〜145℃が好ましく、5〜10秒間の間欠的な加熱加圧を延べ30〜100秒程度行う。この加熱加圧処理は、米の種類あるいは米以外の成分に応じて、かつ、風味、食味などを損なわないように行われる。この処理は、上記コンベアを概略封鎖するような殺菌室へ導入し、該室内で高圧蒸気を吹きつけることにより連続的に行うことができる。あるいは、水切りした米飯を入れたプラスチックトレーからなる個食用容器を、バッチ式の加圧加温槽の殺菌室に入れて行うこともできる。
次に、殺菌された米入り個食用容器に、炊飯に必要な量の炊き水を加え、例えば、蒸気炊飯法で100〜105℃で炊飯する。炊き水の量は、もとの乾燥米の質量に対して、0.8倍〜1.2倍程度が好ましい。この際、炊飯は、前記した殺菌室の中でそのまま継続して行うことが好ましい。また、炊飯に使用する炊き水は、予め殺菌しておき、無菌状態で容器に供給する必要がある。更に、後述するキシロオリゴ糖組成物、pH調整剤などの必要成分は、この炊き水に対して添加しておくことが好ましい。そうすることにより、米飯全体に万遍なく浸透させることができる。ただし、これらの必要成分は、炊き水の添加の前後に炊き水とは別個に容器に添加することも可能である。
炊飯に要する時間は、概ね30分程度である。炊飯が完了したら、必要により「蒸らし」時間を取った後、無菌雰囲気下でトレー上部開口部及びフランジ部をプラスチックフィルムで覆ってヒートシール法等により密封する。
本発明の無菌パック米飯の製造方法は、上記の説明によって限定されるものではなく、食材量や炊き水の量、完成した食品に対する各種要求に応じて各種条件は変更することができる。また、精白米に種々の具材が添加された原材料から製造される米飯食品にも本発明は適応可能である。
次に、本発明の炊飯済み米飯における必須成分であるキシロオリゴ糖組成物について説明する。
本発明で使用されるキシロオリゴ糖組成物とは、重合度2〜20のキシロース重合体の混合物で平均重合度4〜11のキシロオリゴ糖組成物である。これらのキシロオリゴ糖組成物は、胃酸や他の消化酵素での分解を受けることなく腸内に届き、生体内での整腸効果が高い、分子量の大きな5量体から10量体程度を多く含有するキシロオリゴ糖の混合物である。つまり、キシロースの2〜20量体の混合物である。このキシロオリゴ糖組成物は、3量体以下のキシロオリゴ糖成分及びキシロース成分の合計含有率が40質量%以下、好ましくは30質量%以下であって、かつ平均重合度が4以上、好ましくは5以上11未満であるキシロオリゴ糖の混合物である。
上記のようなキシロオリゴ糖組成物として使用されるキシロオリゴ糖類は、木材、なか んづくクラフト蒸解した木材パルプを原料とし、その中のキシラン及び又はヘミセルロースを酵素的又は物理化学的に処理することによって得られるものである。そのようにして得られるキシロオリゴ糖類は、原料パルプの樹種、産地、蒸解条件あるいは酸加水分解処理条件等によって、平均重合度が4〜11の混合物として得られることもあるが、逆に平均重合度が4未満となる混合物として得られる場合もある。平均重合度が4未満となっているものの場合には、酸加水分解処理後の糖溶液をNF膜(後述する実施例において酵素処理液のろ過に使用している限外ろ過膜など)でろ過することによって、未重合キシロースや、キシロビオース等を除去して平均重合度が4〜11の混合物に調整される。なお、NF膜による未重合キシロースやキシロビオース等の低分子成分の除去は、NF膜の食塩阻止率を変化させて膜を透過する分子量を制御することによって行うことができる。
特に、前記特許文献7に記載されている方法と同様に、クラフト蒸解された木材パルプ
を酵素処理して得られる「キシロオリゴ糖とリグニンの複合体」を含む糖液を酸加水分解して得られる、平均重合度4〜11程度のキシロオリゴ糖組成物が好ましい。この方法によれば、重合度に分布があり、平均的に高い重合度のキシロオリゴ糖が得られるので、そのまま使用してもキシロオリゴ糖の種々の生理効果を発揮する。
なお、ここでいう「平均重合度」とは、後記実施例において説明するように、全糖類量を還元糖量で除した値である。
炊飯済み米飯全体におけるキシロオリゴ糖の含有量は、1日に摂取することが好ましいキシロオリゴ糖の量を参考に決定することができる。通常、0.01〜10質量%の範囲であれば本発明の効果が得られるが、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.3〜2質量%である。本発明の無菌パック米飯は、1回の食事で摂る米飯の量ごとにパックされており、通常、1パックには、170〜200g程度、標準として180gから195gの米飯がパックされているので、一つの容器内におけるキシロオリゴ糖の絶対量としては、0.01〜10gの範囲である。キシロオリゴ糖の1パック当たりの含有量が1パック当たり0.01g未満の時は前記の生理的な効果を発揮しにくく、10gを越えると炊飯時に焦付きが出来て好ましくない。所定の炊き水への溶解性などとの兼ね合いから、1パック中のキシロオリゴ糖量としては0.5〜3gが好ましい。
次に、本発明の炊飯済み米飯に使用しても良いその他の添加成分について説明する。
pH調整剤は、微生物の耐熱性を低下させ、増殖を抑える効果があるので添加することが好ましい。pH調整剤は、炊き上がった米飯のpHが4.5〜5.5程度になるような量で添加する。pH調整剤の例としては、酢酸、クエン酸、フマール酸、グルコン酸、プロタミン、グリシンなどが挙げられる。pH調整剤は、米を洗浄して水切りした後、殺菌工程に入る前に添加することが最も好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。各実施例及び比較例では、食材として精白米を用い、特に断りがない場合、下記の方法によって蒸気炊飯して炊飯済み米飯及び容器入り米飯食品を製造した。
先ず、精白米を洗米して水に浸漬し、水切りしたものを、ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物のシート〔出光ユニテック(株)製、厚さ650μm〕をプレス加工して形成されている個食用の耐熱性トレー(縦176mm×横115mm×高さ25mm)に所定量ずつ入れる。次に、その容器に入れられた食材を加圧加熱装置〔(株)シンワ機械〕を使用して138℃〜141℃で、7秒間の間欠的な加圧加熱を6回行って殺菌処理する。次いで、容器内に炊き水を入れ、蒸気炊飯法により100〜105℃の温度で30分間加熱することで炊飯する。この炊飯の完了後に、クリーンブース内の無 菌設備内で耐熱性トレーの開口部及びフランジ部を蓋材〔(株)サンエー化研製、コートナイロン/エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物/ポリエチレン、厚さ約80μm〕で覆い、フランジ部でヒートシールすることによって密封して容器入り米飯を製造する。
各実施例及び比較例の米飯についての評価は、以下の基準にしたがって行った。
<米飯官能評価>
この官能評価は、味覚に異常がなく、喫煙を行なわないパネラー10名を選出して試食してもらうことによって行った。評価の方法は、炊き上がった直後の米飯の外観、硬さ、粘り、香り、食味、バランスの各ポイントについて、比較例5を基準として以下の+3〜−3の数値のいずれに属するかを判断してもらうことによって行なった。
+3「かなり優れている」
+2「少し優れている」
+1「僅かに優れている」
0「基準と同じ」
−1「僅かに劣る」
−2「少し劣る」
−3「かなり劣る」
ここで、「バランス」についての評価は、被試験者が個々に持っている「米飯」に対する嗜好性に照らし合わせて総合的に「米飯」として優れているか劣っているかの評価を前記の7段階の数値で表してもらい、全パネラーの評価結果の数値の平均点で表している。
<整腸効果の評価>
整腸作用は、健康であるが便秘の症状を呈する男女5名づつを選抜し、試験食を1日1食、2週間連続摂取してもらい、排便回数についてアンケートを実施し、その結果をもとに評価した。ここでいう、便秘症状とは、5日間連続で排便がない状態を「便秘の症状を呈する」とした。また、評価は、摂取期間中の排便回数を以下のように定義してスコア化することによって行った。なお、試験食としては、実施例1のサンプルと、比較例2、比較例3及び比較例4の各サンプルを採用し、以下の基準で評価した。
2点 :摂取期間中の排便回数が2週間で6回以上
1点 :摂取期間中の排便回数が2週間で3〜5回
0点 :摂取前と変わらず
−1点:摂取前より回数が減った
男女5人づつの平均値をとり、小数点以下2位を四捨五入した。
1.5以上: 整腸作用が非常に強い試験食
0.5〜1.4: 整腸作用が強い試験食
0.1〜0.4: 整腸作用が極めて弱い試験食
0≧ : 整腸作用がない試験食
<キシロオリゴ糖の製造>
各実施例で使用したキシロオリゴ糖は、以下の製造方法にしたがって製造したものを使用した。
(酵素処理工程)
国内産広葉樹チップ70質量%、ユーカリ材30質量%からなる混合広葉樹チップを原 料として、クラフト蒸解によりカッパー価20.1、パルプ粘度41cpsの工場製の未晒パルプを得た。次いで、酸素脱リグニンを行い、カッパー価9.6、パルプ粘度25.1cpsの酸素脱リグニンパルプを得た。このパルプを洗浄後、パルプ濃度を10%に調整し、希硫酸を加えてpH8に調整し、次いで、バチルス・エスピーS−2113株(独立行政法人 産業技術総合研究所生物寄託センター 寄託菌株FERM BP−5264)の生産するキシラナーゼを対パルプ1ユニット/gとなるように添加し、60℃で120分処理した。処理後、100メッシュのろ布でろ過してパルプ残渣などを分離し、全糖濃度3700mg/lを含む1050リッター(全糖量として3900g)の処理液を得た。続いてNF膜(日東電工製:NTR−7450、膜質:スルホン化ポリエーテルスルホン系、食塩阻止率50%)を用いて容量比で40倍に濃縮した。この濃縮液は全糖量で2700gを有しており、全糖回収率は70%であった。
(酸加水分解処理工程)
上記で得られた濃縮糖液1,000mlに対して、硫酸を添加してpHを3.5に調製した後、この濃縮糖液を121℃にて1時間反応させた。反応生成物をイオンクロマト用カラム(ダイオネクス社:PA−10)を用いたイオンクロマトグラフィーで分析した結果、表1に示すような重合度分布(表1中、X1〜X13はキシロースの重合度)のキシロオリゴ糖混合物(主として2量体〜10量体)を含むことが判明した。
Figure 2005261431
(キシロオリゴ糖混合物の精製・分離工程)
酸加水分解処理工程で調製したキシロオリゴ糖混合物の糖溶液(117mg/ml)10ml、全糖量として1.2gを強酸性イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製:アンバーライト200C)を充填したカラム(内径36mm、長さ150mm)に負荷した。カラムを通過したキシロオリゴ糖を回収した後に、弱塩基性イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製:IRA67)を充填した同様のカラムに負荷した。カラムを通過し得られたキシロオリゴ糖は、濃縮後、80mgの活性炭(和光純薬製:品番037−02115)をキシロオリゴ糖溶液に添加して60℃にて1時間攪拌し、脱色を行った。攪拌後は0.22μmのメンブレンフィルターで活性炭をろ過し、精製したキシロオリゴ糖溶液を得た。精製後のキシロオリゴ糖の平均重合度は、以下の方法により測定により測定し、その結果は5.0であった。また、重合度が3以下のものは約25.4質量%、重合度が4〜11のものは合計で約74.6質量%であり、重合度12以上のものも存在して入るが、正確に定量できる量ではなかった。
(測定方法)
(1)全糖量の定量:全糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業)を用いて作製し、フェノール硫酸法(還元糖の定量法;学会出版センター)にて定量した。
(2)還元糖量の定量:還元糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業)を用いて作製、ソモジ−ネルソン法(還元糖の定量法;学会出版センター)にて定量した。
(3)平均重合度の決定法:サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液の全糖量を還元糖量(共にキシロース換算)で割って平均重合度を求めた。
実施例1
生米(銘柄:コシヒカリ、新米、新潟県産)80gを洗米した後、水に浸漬して約110gにした。これを前記の耐熱性トレーに入れ、ここに前記により製造した平均重合度が5.0で、3量体以下の成分含量が25.4%のキシロオリゴ糖組成物を1g及び炊き上がり米飯のpHが5となるようにpH調整剤としてグルコン酸を添加した炊き水75gを入れて炊飯を行った。耐熱性トレーを蓋材で密封する前の炊き上がり米飯185g(キシロオリゴ糖含有量0.54質量%)について、前記評価基準にしたがって官能評価を行った。
実施例2
生米(インディカ米、新米)80gを洗米した後、水に浸漬して110gにした。これを前記の耐熱性トレーに入れ、ここに前記の平均重合度5.0で3量体以下の成分含量25.4%のキシロオリゴ糖組成物を1g及び炊き上がり米飯のpHが5となるようにpH調整剤としてグルコン酸を添加した炊き水75g入れて炊飯を行った。耐熱性トレーを蓋材で密封する前の炊き上がり米飯185g(キシロオリゴ糖含有量0.54質量%)について、前記評価基準にしたがって官能評価を行った。
実施例3
生米(銘柄:コシヒカリ、新米、新潟県産)80gを洗米した後、水に浸漬して110gにした。ここに前記の平均重合度5.0で3量体以下の成分含量25.4%のキシロオリゴ糖組成物を1gを含有する炊き水75gを入れて、市販の家庭用炊飯器を用いて常法により炊飯を行なった。炊き上がり米飯185g(キシロオリゴ糖含有量0.54質量%)について、前記評価基準にしたがって官能評価を行った。
実施例4
生米(インディカ米、新米)80gを洗米した後、水に浸漬して110gにした。ここに前記の平均重合度5.0で3量体以下の成分含量25.4%のキシロオリゴ糖組成物1gを含有する炊き水80gを添加し、市販の家庭用炊飯器を用いて常法で炊飯を行なった。炊き上がり米飯188g(キシロオリゴ糖含有量0.53質量%)について、前記評価基準にしたがって官能評価を行った。
比較例1
実施例1と同様の生米(銘柄:コシヒカリ、新米、新潟県産)80gを洗米後、水に浸漬して110gにした。これを実施例1と同様の耐熱性トレーに入れ、このトレーに、キシロオリゴ糖〔重合度3以下、サントリー(株)製、商品名「キシロオリゴ糖」〕1g及び炊き上がり米飯のpHが5となるようにpH調整剤としてグルコン酸を添加した炊き水75gを入れて実施例1と同様に炊飯を行った。耐熱性トレーを蓋材で密封する前の炊き上がり米飯について、前記評価基準にしたがって官能評価を行った。
比較例2
実施例1と同様の生米(銘柄:コシヒカリ、新米、新潟県産)80gを洗米後、水に浸 漬して110gにした。これを実施例1と同様の耐熱性トレーの耐熱性トレーに入れ、ここにフラクトオリゴ糖〔明治製菓(株)製、商品名「メイオリゴP」〕4g及び炊き上がり米飯のpHが5となるようにpH調整剤としてグルコン酸を添加した炊き水75g入れて実施例1と同様に炊飯を行った。耐熱性トレーを蓋材で密封する前の炊き上がり米飯について、前記評価基準にしたがって官能評価を行った。
比較例3
実施例1と同様の生米(銘柄:コシヒカリ、新米、新潟県産)80gを洗米後、水に浸漬して110gにした。これを実施例1と同様の耐熱性トレーの耐熱性トレーに入れ、ここにラクトスクロース〔塩水港製糖(株)製、商品名「乳菓オリゴ糖」〕8g及び炊き上がり米飯のpHが5となるようにpH調整剤としてグルコン酸を添加した炊き水を75gを入れて実施例1と同様に炊飯を行った。耐熱性トレーを蓋材で密封する前の炊き上がり米飯について、前記評価基準にしたがって官能評価を行った。
比較例4
実施例1と同様の生米(銘柄:コシヒカリ、新米、新潟県産)80gを洗米後、水に浸漬して110gにした。これを実施例1と同様の耐熱性トレーの耐熱性トレーに入れ、ここにマルトデキストリン〔松谷化学工業(株)製、商品名「TK−16」〕1g及び炊き上がり米飯のpHが5となるようにpH調整剤としてグルコン酸を添加した炊き水75gを入れて実施例1と同様に炊飯を行った。耐熱性トレーを蓋材で密封する前の炊き上がり米飯について、前記評価基準にしたがって官能評価を行った。
比較例5
実施例1と同様の生米(銘柄:コシヒカリ、新米、新潟県産)を含有する炊飯材料について市販の家庭用電気炊飯器を用いて常法で炊飯行った。
比較例6
実施例2と同様の生米(インディカ米)を含有する炊飯材料について市販の家庭用電気炊飯器を用いて常法で炊飯行った。
表2に、前記実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例6で製造した炊き上がり米飯についての前記評価基準にしたがった官能評価結果を示す。
Figure 2005261431
表2において、比較例5の家庭用炊飯器でコシヒカリを炊いた時を基準として比較すると、バランスの評価では、平均重合度が5で、3量体以下の成分含量が25.4%のキシロオリゴ糖組成物を入れた実施例1の米飯の数値が高く、炊飯方法についても加圧蒸気炊 飯で行った実施例1の米飯の方が家庭用炊飯器で炊いた実施例3の米飯よりも美味しくなる結果となっている。実施例1と同じキシロオリゴ糖を添加したものでも、インディカ米を用いた実施例3とコシヒカリを用いた実施例1の米飯とを比べると、コシヒカリの方が美味しさの面では数値が高い。また、同じインディカ米同士である実施例2及び実施例4と比較例6の米飯を比べると、実施例1と同じキシロオリゴ糖を入れた米飯の方が美味しく、更に加圧蒸気炊飯をした米飯の方が美味しくなることがわかる。
表2の実施例4と比較例5の結果から、キシロオリゴ糖の添加や加圧蒸気炊飯によってインディカ米の米飯でもかなり美味しくなることが分かる。また、外観については、比較例1の低重合度キシロオリゴ糖を添加したものでは褐変が生じていることから、キシロオリゴ糖の重合度は高い方が米飯の外観が良くなる。さらに、比較例2、比較例3及び比較例4の結果は、整腸効果を出すために他のオリゴ糖を使用すると甘くなり過ぎるし、酸味臭に対するマスキング効果が弱いので酸味臭がする結果となっているが、キシロオリゴ糖には、pH調整のために添加される有機酸の酸味臭のマスキング効果があることも分かる。
また、表2には示していないが、前記実施例1〜実施例4において、炊飯後に蓋材〔(株)サンエー化研製、コートナイロン/エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物−ポリエチレン、厚さ80μm〕で前記炊飯後のトレーの開口部をヒートシールして密封したパック包装体について、35℃で6週間保存し、そた後開封して一般生菌や大腸菌の有無の検査を行ったが菌は検出されなかった。また、同様の保存期間後に未開封のパック米飯を沸騰水中で15分加熱したものについて、炊飯直後の米飯について行ったと同様の官能検査を行ったが、それぞれに対する評価は炊飯直後のものに対する評価を同様の傾向を示したことから、本発明の無菌パック米飯は保存による経時の品質変化がないものであることが確認された。
実施例5
生米(銘柄:コシヒカリ、新米、新潟県産)80gを洗米した後、水に浸漬して約110gにした。これを前記の耐熱性トレーに入れ、ここに前記より製造した平均重合度が5.0で3量体以下の成分含量が25.4%のキシロオリゴ糖組成物を2g及び炊き上がり米飯のpHが5となるようにpH調整剤としてグルコン酸を添加した炊き水75gを入れて炊飯を行った。そして耐熱性トレー上の炊き上がり米飯185g(キシロオリゴ糖含有量1.08%)を蓋材で密封した無菌パック米飯について、下記の方法で食味を測定した。
比較例7
生米(銘柄:コシヒカリ、新米、新潟県産)80gを洗米した後、水に浸漬して約110gにした。これを前記の耐熱性トレーに入れ、炊き上がり米飯のpHが5となるようにpH調整剤としてグルコン酸を添加した炊き水75gを入れて炊飯を行った。そして耐熱性トレー上の炊き上がり米飯185gを蓋材で密封した無菌パック米飯について、下記の方法で食味を測定した。
<米飯の食味値測定>
評価方法としては、試料の無菌パック米飯を電子レンジ(500W)で2分間加熱し、30分間放冷後と120分放冷後に、それぞれ炊飯食味計〔(株)サタケ〕により、食味の推定値を測定した。
装置の原理は、近赤外線の反射光及び透過光を測定しその測定値より、外観、硬さ、粘り、バランス度(粘りを硬さで割った値)について(財)日本穀物検定協会で出された官能検査評価値(90試料)の重回帰分析から作成された検量線に基づいて、係数化するものである。食味(100点満点)は、外観(10点満点)、硬さ(5点満点)、粘り(10点満点)、バランス度(10点満点)から総合的に求めた数値である。
表3に前記、実施例5と比較例7で製造した無菌パック米飯について前記記載の食味計分析にしたがって食味値を測定した結果を示す。
Figure 2005261431
表3より、キシロオリゴ糖を添加した場合、炊飯後30分経過しても、120分経過してもコントロールとしてキシロオリゴ糖を添加しない場合に比べて高い食味値を示し、一般的に客観的な値として評価されている器械測定による「美味しさ」においても、数値が高いことが示された。具体的には比較例7に対して実施例5は外観で高い値(外観が良い)、硬さで低い値(柔らかい食感)、粘りで高い値(モチモチした食感)、バランスで高い値を示し、これらを総合して食味値が高い数値を示した。さらに、キシロオリゴ糖添加の場合、120分経過しても、美味しさが保たれることが分かった。

Claims (11)

  1. 重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物を0.01〜10質量%含有する炊飯済み米飯。
  2. 前記記キシロオリゴ糖組成物が、重合度3以下のキシロオリゴ糖成分及びキシロース成分の含有量が40質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の炊飯済み米飯。
  3. 密封容器内に、重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物を0.01〜10質量%含有する炊飯済み米飯が無菌状態で充填されている無菌パック米飯。
  4. 前記キシロオリゴ糖組成物が、重合度3以下のキシロオリゴ糖成分及びキシロース成分の含有量が40質量%以下であることを特徴とする請求項3記載の無菌パック米飯。
  5. 無菌パック米飯が、容器内無菌炊飯方式によって生米含有原材料から製造されていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の無菌パック米飯。
  6. 米、炊き水及び重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物を炊飯容器に充填して炊飯する炊飯工程、炊飯済みの炊飯容器を無菌状態で密封する密封工程を順次行うことを特徴とする、重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物を0.01〜10質量%含有する無菌パック米飯の製造方法。
  7. 前記炊飯工程は、所定量の米を炊飯容器に充填し、加圧加熱処理して殺菌した後、炊き水及び重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物のそれぞれ所定量を炊飯容器に充填して炊飯する工程であることを特徴とする請求項6記載の無菌パック米飯の製造方法。
  8. 前記炊飯工程は、米を炊飯容器に充填し、炊飯後の米飯のpHが4.5〜5.5となるようにpH調整剤を添加した炊き水を添加して炊飯する工程であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の無菌パック米飯の製造方法。
  9. 前記炊飯工程は、所定量の生米を水に浸漬した後水切りして炊飯容器に充填し、次いで、重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物と炊き水とを充填して炊飯する工程であることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の無菌パック米飯の製造方法。
  10. 前記重合度2〜20のキシロース重合体の混合物からなる平均重合度が4〜11のキシロオリゴ糖組成物は、炊き水に溶解された状態で炊飯容器に充填されることを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれか1項に記載の無菌パック米飯の製造方法。
  11. 前記キシロオリゴ糖組成物が、重合度3以下のキシロオリゴ糖成分及びキシロース成分の含有量が40質量%以下であることを特徴とする請求項6〜請求項10のいずれか1項に記載の無菌パック米飯の製造方法。


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